W杯王者ドイツがアジア王者オーストラリア相手に辛勝! 新戦力機能もGKレノのミス響き苦戦…《コンフェデレーションズカップ2017》

2017.06.20 01:59 Tue
Getty Images
▽コンフェデレーションズカップ2017グループB第1節のオーストラリア代表vsドイツ代表が19日に行われ、ドイツが3-2で勝利した。

▽2014年ブラジル・ワールドカップ王者として今大会に臨むドイツだが、レーブ監督はクロースやエジル、ノイアー、ミュラーなど、主だった主力を招集せず、若手や代表経験が少ないメンバー中心のスカッドで戦うことを選択。今回の初戦に向けては、GKにレノ、最終ラインは右からキミッヒ、ムスタフィ、リュディガー、ヘクター。中盤はルディがアンカーに入り、2列目は右からブラント、ゴレツカ、シュティンドル、ドラクスラー、1トップにワグナーが入る[4-1-4-1]の布陣を採用した。
▽一方、アジア王者として参戦するオーストラリアは、[3-2-4-1]の布陣を採用。GKにライアン、3バックにはミロシュ・デゲネク、セインズベリー、ライト。中盤はマーク・ミリガン、ルオンゴがセントラルMFに入り、2列目は右からレッキー、ロギッチ、ムーイ、ベヒッチと並び、1トップにユリッチが起用された。なお、デゲネクは現在横浜F・マリノスに在籍しており、ミリガンはジェフユナイテッド市原・千葉でプレー経験があるJリーグ経験者だ。

▽立ち上がりからドイツが押し込む入りとなった中、開始5分に先制点が生まれる。右サイドのキミッヒから中央のゴレツカを経由したボールが右サイドに走り込むブラントに渡る。ドリブルで持ち上がったブラントがボックス右をえぐってマイナスに折り返すと、中央で完全にフリーとなったシュティンドルが冷静に右足のシュートを突き刺した。

▽シュティンドルの代表初ゴールで幸先良く先制に成功したドイツは、その後も積極的なポジションチェンジ、素早いトランジションを生かし、中央とサイドを巧みに織り交ぜた多彩な攻めでオーストラリアを翻弄。21分には23分にはゴレツカの絶妙なラストパスに抜け出したブラント、ワグナーに続けて決定機も、相手GKライアンの好守などに阻まれ、追加点とはならず。27分にもボックス手前でドラクスラーからパスを受けたブラントが渾身の右足ミドルを放つが、枠の右隅を捉えたシュートはGKライアンのビッグセーブに遭う。
▽一方、2点目こそ与えていないものの防戦一方のオーストラリアは、ビルドアップや中盤のパス回しで相手のプレスに嵌められ、前線のユリッチに効果的なボールを供給できない。37分には相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーのムーイがゴール前に入れたボールにオフサイドをかい潜って飛び出したセインズベリーがフリーでヘディングシュートも、これを枠に飛ばせない。それでも、諦めないオーストラリアは41分、バイタルエリアでミリガンからフリーでパスを受けたロギッチがペナルティアーク付近でシュート。これはDFムスタフィの背中に当たるが、跳ね返りが再び足元にこぼれると、ロギッチの抑えの利いた左足ボレーシュートがGKレノの脇の下をすり抜けてゴールネットを揺らした。

▽まずい試合運びから追いつかれたドイツだったが、前半のうちに勝ち越す。44分、ボックス内でゴレツカがルオンゴに倒されてPKを獲得。これをキャプテンマークを巻いて今大会に臨んでいるドラクスラーが冷静に右隅へ流し込んだ。

▽ドイツの1点リードで迎えた後半、先に動きを見せたのはオーストラリア。ルオンゴを下げてドイツでもプレー経験があるクルーズをハーフタイム明けに投入し、この交代でムーイが1列下がってミリガンと2セントラルMFを組んだ。

▽だが、後半も先にスコアを動かしたのはドイツ。48分、相手陣内右サイドで細かく繋いで相手の視線を引き付け、キミッヒが浮き球のパスをボックス右に走り込むゴレツカに通すと、ゴレツカが右足のシュートでニアサイドを破った。

▽点差を2点に広げられたオーストラリアだったが、相手のミスを生かしてすぐさま点差を縮める。56分、ボックス手前やや右の位置で得たFKの場面でキッカーのムーイのシュートは壁に阻まれるが、こぼれ球をロギッチがシュート。ゴール前の密集をすり抜けたボールをユリッチが肩でコースを変えると、GKレノが痛恨のファンブル。これをユリッチが左足で蹴り込んだ。主審はこの直後にこの試合最初のビデオ判定(VAR)を採用するが、判定は変わらずゴールが認められた。

▽GKレノのこの試合2度目のミスで2失点目を喫したドイツは、ワグナーに代えてヴェルナー、ブラントに代えてジューレを投入。センターバックのジューレ投入により、守備時も3バックで守る形に変更した。しかし、選手交代後もリズムを取り戻せないドイツは73分、途中出場のトロイージに際どいシュートを許すが、ここはGKレノが何とかセーブ。直後の75分にはボックス内でルーズボールに反応したヴェルナーが相手DF2枚を剥がしてボックス左から左足の反転シュートを狙うが、左ポストに阻まれる。

▽試合終盤にかけては運動量が落ちたドイツに対して、オーストラリアが攻め立てる展開に。79分にはボックス内でのユリッチの絶妙なポストプレーから落としに反応したクルーズがミドルシュート。さらに背後を狙う攻撃でチャンスを作るが、ここはGKレノが名誉挽回の好守で防ぐ。その後、切り札のケイヒルを投入したオーストラリアだったが、守りに入ったドイツの守備を崩し切れず、試合はこのままタイムアップ。世界王者ドイツがアジア王者相手に苦しみながらも、今大会を白星でスタートした。
関連ニュース

「最後にはドイツが勝つ」リネカー氏が名言をアップデート!

▽元イングランド代表で現在はイギリス『スカイ・スポーツ』で解説者を務めるギャリー・リネカー氏が、独特の言い回しでドイツ代表を称えた。自身のツイッター公式アカウント(@GaryLineker)上に投稿している。 ▽23日、ロシア・ワールドカップ(W杯)グループF第2節のドイツ代表vsスウェーデン代表が行われ、ドイツが2-1で勝利した。初戦を落としており負ければ敗戦濃厚、引き分けても自力突破消滅という崖っぷちの状況で試合に臨んだドイツ。試合開始直後の攻勢が実らずスウェーデンに痛恨の先制点を許すと、後半初めにMFマルコ・ロイスの得点で追いついたものの試合終了間際にDFジェローム・ボアテングが退場してしまう事態に。しかし、アディショナルタイムに入った95分にMFトニ・クロースが決勝点を沈め、劇的な生還を果たした。 ▽この試合を観戦していたリネカー氏は、以下のようにドイツの強さを表現した。 「フットボールはシンプルなゲームだ。22人の男たちが82分間ボールを追いかけて、ドイツ人たちが退場者を出して13分間は21人がボールを追いかける。そして、最後にはドイツがこうやってクソ勝ちやがる」 ▽リネカー氏は、現役選手として参加した1990年のイタリアW杯準決勝ドイツ戦でPK戦の末に敗れた際にも、「フットボールというのは単純なスポーツだ。22人の男たちが90分間ボールを追いかける。そして、最後にはドイツが勝つ」というコメントを残していた。今回のドイツの試合を目の当たりして、自身の過去の名言をアップデートせざるを得なかったようだ。 2018.06.24 13:45 Sun

FIFA、主審のCR7ユニ要求疑惑を断固否定

▽国際サッカー連盟(FIFA)は21日、ロシア・ワールドカップ(W杯)の試合中に主審がレアル・マドリーのポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドのユニフォームを欲しがったとの憶測を強く否定した。スペイン『マルカ』が報じている。 ▽この疑惑の発端は、レガネスのモロッコ代表FWノルディン・アムラバトの発言だ。20日のポルトガル代表vsモロッコ代表に先発した同選手は、マーク・ガイガー主審がポルトガル代表DFペペにC・ロナウドのユニフォームが貰えないか尋ねているのを聞いたという。 ▽しかし、FIFAはこの疑惑に反発。以下のような声明を発表した。 「ガイガー氏はこれらの非難を断固として否定し、激怒している」 「FIFAはモロッコ代表チームのメンバーによる疑惑を非難する」 「これはワールドカップであって、サーカスではないんだ」 2018.06.22 17:40 Fri

オーストラリアがチェコに4発完封勝利でロシアへ弾み! 《国際親善試合》

▽オーストラリア代表は6月1日、国際親善試合でチェコ代表とホームで対戦し、4-0で快勝した。 ▽ロシア・ワールドカップ(W杯)でフランス代表、ペルー代表、デンマーク代表と同居しているオーストラリアは、レッキーやクルーズ、ナバウトを前線に入る[4-3-3]で試合をスタート。中盤にはムーイ、ロギッチ、ルオンゴが入った。 ▽32分、オーストラリアが試合を動かす。右サイドからのクロスをボックス左で受けたクルーズがワンタッチで中央に折り返すと、走り込んでいたレッキーが反応。倒れ込みつつもフリーの状態で右足を伸ばし、ネットを揺らした。 ▽折り返した試合、後半に入ってもオーストラリアが追加点を奪い切る。54分、後方からのフィードをボックス手前右で収めたアンドリュー・ナバウトが、ボックス内に侵攻して右足を一閃。さらにチェコを突き放した。 ▽さらに72分、ムーイのスルーパスに反応したレッキーが、ボックス内右で右足のシュートフェイントを入れ、素早く左足でニアを狙うとこれが自身のこの日2点目となった。そして80分、オウンゴールでオーストラリアがスコアを4-0として、試合が終了することに。 ▽快勝した4大会連続5度目のW杯出場となるオーストラリアは、6月16日にグループC第1節でフランスとの初戦を迎える。 2018.06.01 21:50 Fri

“無敵艦隊”スペイン代表、政治介入でロシアW杯出場権剥奪か

▽“無敵艦隊”スペイン代表にロシア・ワールドカップ(W杯)出場権剥奪の可能性が急浮上した。スペイン『El Pais』が報じた。 ▽スペイン政府がスペインサッカー連盟(RFEF)に会長選挙を要求。政治組織の介入を禁ずる国際サッカー連盟(FIFA)は、RFEFに対して、この状況が続けばW杯出場権を剥奪する旨を伝えて警鐘を鳴らしたという。 ▽なお、FIFAは「全ての協会、連盟は独自に活動し、第三者の関与を受けてはならない」との規定を設けている。 2017.12.16 09:30 Sat

蚊帳の外に追いやるデュデク「日本はよくわからない」

▽現役時代にフェイエノールトやリバプール、レアル・マドリーでプレーした元ポーランド代表GKのイェルジ・デュデク氏がロシア・ワールドカップ(W杯)のグループステージ組み合わせに言及した。『Onet』が伝えている。 ▽ポーランドはグループHに入り、日本代表、コロンビア代表、セネガル代表と同居。日本とは、28日に行われるグループステージ最終節でぶつかる。 ▽『TVP Sport』にゲスト出演したデュデク氏は、抽選結果について、次のように言及。日本を蚊帳の外に置くかのような発言を残した。 「我々はまだ日本のことをあまりよくわかっていない。我々にとって、重要な2試合が待っている。セネガルとコロンビアは難しいライバルだ。その2試合(の結果)が勝ち上がりを左右するだろうね」 「我々は14時キックオフの試合がある。準備しないとね。イングランドだと、13時キックオフなんて普通にあるし、イタリアもそうだった。それは問題にならないだろう」 「20時キックオフの方が良いんだろうけど、スタッフたちは、選手のコンディション調整のためにベストを尽くすはずさ」 2017.12.02 13:45 Sat
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly