【CL決勝レビュー】エースの決定力、中盤の構成力、選手層の差を示したレアル・マドリーが順当な2連覇
2017.06.05 00:00 Mon
▽3日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝はレアル・マドリーがユベントスに4-1と快勝して、CL史上初の2連覇を達成した。本稿では勝敗を分けたポイントを振り返っていきたい。
GK:ブッフォン
DF:バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニ、アレックス・サンドロ
MF:ダニエウ・アウベス、ピャニッチ、ディバラ、ケディラ、マンジュキッチ
FW:イグアイン
▽アッレグリ監督は準決勝2ndレグのモナコ戦と同様のシステム、人選を選択した。バルザーリを右サイドバックに配し、守備のバランスを考慮した布陣を採用した。
GK:ケイロル・ナバス
DF:カルバハル、ヴァラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:モドリッチ、カゼミロ、イスコ、クロース
FW:ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド
▽ジダン監督は負傷明けのベイルではなくイスコをトップ下に置く[4-4-2]のシステムを採用。中盤の構成力に長けた布陣を組んだ。
▽序盤は意外にもユベントスが仕掛ける展開となった。ハイプレスをかけて圧力をかけ、イグアインが立て続けに枠内シュートを記録。7分にはピャニッチの強烈なシュートが枠を捉え、GKケイロル・ナバスを脅かした。中盤右サイド起用となったダニエウ・アウベスも対面のマルセロの攻撃参加を防ぐ役割を果たし、序盤は攻守に機能性を見せていた。
◆圧巻の決定力示したC・ロナウド
◆マンジュキッチのスーパーゴールもじり貧
▽しかし、ユベントスの見せ場はここまでだった。レアル・マドリーのボールスキルに優れるモドリッチ、クロース、イスコの構成力の前にプレスが空転し、体力を徐々に削られていった。そのまま押し込まれ続け、イグアインとディバラは前線で孤立する状況を強いられ、攻撃の形を作ることができなかった。
◆立て続けのゴールで勝負あり
◆乏しい交代カード
◆レアル・マドリーが順当な連覇
◆ユベントス◆
【4-2-3-1】
【4-2-3-1】
(C)CWS Brains,LTD.
▽ユベントス・スタメンGK:ブッフォン
DF:バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニ、アレックス・サンドロ
MF:ダニエウ・アウベス、ピャニッチ、ディバラ、ケディラ、マンジュキッチ
FW:イグアイン
◆レアル・マドリー◆
【4-4-2】
【4-4-2】
(C)CWS Brains,LTD.
▽レアル・マドリー・スタメンGK:ケイロル・ナバス
DF:カルバハル、ヴァラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:モドリッチ、カゼミロ、イスコ、クロース
FW:ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド
▽ジダン監督は負傷明けのベイルではなくイスコをトップ下に置く[4-4-2]のシステムを採用。中盤の構成力に長けた布陣を組んだ。
◆好スタートを切ったユベントス
▽序盤は意外にもユベントスが仕掛ける展開となった。ハイプレスをかけて圧力をかけ、イグアインが立て続けに枠内シュートを記録。7分にはピャニッチの強烈なシュートが枠を捉え、GKケイロル・ナバスを脅かした。中盤右サイド起用となったダニエウ・アウベスも対面のマルセロの攻撃参加を防ぐ役割を果たし、序盤は攻守に機能性を見せていた。
◆圧巻の決定力示したC・ロナウド
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▽しかし、準々決勝バイエルン戦、準決勝アトレティコ戦と、圧巻の決定力を見せ付けていたC・ロナウドがこの決勝でもさすがの勝負強さを見せ付ける。レアル・マドリーの最初の決定機となった20分のチャンスを確実に決めきった。カルハバルの右サイドからのマイナスクロスをダイレクトで流し込んだ。◆マンジュキッチのスーパーゴールもじり貧
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▽C・ロナウドの決定力の前に意気消沈しかけたユベントスだったが、27分にマンジュキッチのスーパーゴールで試合を振り出しに戻す。ボヌッチのロングフィードをアレックス・サンドロがダイレクトで折り返し、イグアインがつないで、最後はマンジュキッチが華麗なバイシクルシュートを流し込んだ。▽しかし、ユベントスの見せ場はここまでだった。レアル・マドリーのボールスキルに優れるモドリッチ、クロース、イスコの構成力の前にプレスが空転し、体力を徐々に削られていった。そのまま押し込まれ続け、イグアインとディバラは前線で孤立する状況を強いられ、攻撃の形を作ることができなかった。
◆立て続けのゴールで勝負あり
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▽ポゼッションで相手の体力を削ったレアル・マドリーは、61分にカゼミロのミドルシュートでゴールをこじ開けると、続く64分にはショートカウンターに転じてモドリッチのマイナスクロスからC・ロナウドがこの試合2点目となるゴールを割り、一気に勝負を決めた。◆乏しい交代カード
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▽体力を消耗させられた上、2点を追う展開を強いられたユベントスはバルザーリを削ってクアドラードを投入するも、レアル・マドリーに大きく傾いた流れを引き寄せることはできない。クアドラード以外に攻撃のカードを持っておらず、ブレーキとなっていたディバラの代わりにマルキジオを投入する策しか持ち合わせていなかったことも響いた。そのまま時間は流れ、83分にクアドラードが2枚目のイエローカードを受けて退場し、万事休すとなった。◆レアル・マドリーが順当な連覇
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▽対するレアル・マドリーは終了間際に途中出場のアセンシオがダメ押しのゴールを奪い、ユベントスとは対照的に選手層の厚さを見せ付けて完勝。エースの決定力、中盤の構成力、選手層の差を示した王者レアル・マドリーが終わってみれば順当に史上初の2連覇という偉業を成し遂げる結果となった。
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