【リーグ・アン総括&ベスト11】超WSの最優秀選手はカバーニ!
2017.06.01 21:00 Thu
★PSGの5連覇阻んだモナコが17年ぶりの戴冠
▽絶対的王者パリ・サンジェルマン(PSG)の5連覇濃厚と目された中、智将ファブレ新監督の下でロケットスタートを飾った伏兵ニースが前半戦を首位で終える大波乱となった今季のリーグ・アン。しかし、最終的にリーグタイトルを獲得したのは、シーズンを通して圧巻の戦いぶりを見せたモナコだった。
▽マルシャルやコンドグビアら主力を抜かれた昨シーズンと異なり、主力の流出を最低限に留め、復帰のファルカオ、ジェルマンを含めグリク、メンディ、シディベとウィークポイントにピンポイント補強を行ったモナコは、超新星ムバッペやベルナルド・シウバ、ルマールらの急成長をキッカケに、これまでの守備的というイメージを払拭する超攻撃的なチームへ大変貌を遂げた。前半戦こそチャンピオンズリーグ(CL)との二足の草鞋に苦しみ、勝ち点を取りこぼしたものの、後半戦はシーズン100得点越えの圧倒的な攻撃力を武器に、17勝2分けの圧巻の戦績を残し、最終節を残して17年ぶり8度目の優勝を決めた。
▽モナコの後塵を拝して5連覇を逃した2位PSGは、史上最多勝ち点となった昨季の96ポイントから、9ポイント少ない87ポイントでシーズンを終えたものの、3連覇達成時とほとんど変わらない勝ち点を獲得した。だが、格下モンペリエ、ギャンガンに敗戦を喫するなど、昨年12月初めの3戦未勝利、モナコとニースとの直接対決をいずれも1敗1分けで終えるなど、要所で見せた勝負弱さが痛恨となった。
▽PSGと同様に優勝を逃したものの、3位に入ったニースは非常にポジティブなシーズンを送った。ファブレ新監督の下で攻守に内容が伴ったフットボールを展開し、劇薬と思われたバロテッリもデビュー戦でいきなり2ゴールを決め、サポーターの心を掴んだ。3度の退場処分という、らしさも出したが、最終的にチームトップの15ゴールを記録し、昨季のベン・アルファに続き、ニース再生工場を印象付けた。
▽第2集団では、シーズンを通しての安定感を欠いたものの、4位リヨン、5位マルセイユ、6位ボルドーと名門3チームが来季のヨーロッパリーグ出場権を手にした。シーズン途中にアメリカ資本への売却が決まったマルセイユは、途中就任のガルシア監督の下、冬に加入したパイエ、エブラというフランス代表のスターにけん引され、ゴミスやトヴァン、サンソン、マキシム・ロペスらも好パフォーマンスを披露。リーグ・アン初挑戦となった日本代表DF酒井宏樹もシーズンを通して右サイドバックのレギュラーを守り、厳しいマルセイユサポーターの心を掴んだ。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWエディソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)
★最優秀監督
◆レオナルド・ジャルディム(モナコ)
【期待以上】
★チーム
◆ニース
★選手
◆FWキリアン・ムバッペ・ロタン(モナコ)
【期待外れ】
★チーム
◆パリ・サンジェルマン
★選手
◆MFアンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン)
◆ベストイレブン
DF:シディベ、グリク、チアゴ・シウバ、メンディ
MF:ファビーニョ、セリ、バカヨコ
FW:トヴァン、カバーニ、ラカゼット
GK ダニエル・スバシッチ(モナコ)
▽リーグ2位の堅守を支えた守護神。今季は31失点と昨季の50失点から大幅に失点数を減らしたモナコの守備をけん引したスバシッチ。失点減の要因は中盤でフィルターをかけた若手ボランチコンビ、今季加入で圧倒的な空中戦の強さを見せたグリクの奮闘もあったが、ビッグマッチなどで圧巻のショットストップを連発したクロアチア代表守護神の存在感も大きかった。
36試合(先発36)3240分
28失点
DF ジブリル・シディベ(モナコ)
▽左右のサイドバックに加え、右サイドハーフでも安定したパフォーマンスを披露。リーグ屈指の右サイドバックとして昨夏リールからモナコに加入すると、卓越した身体能力とスタミナ、攻撃性能を発揮し、逆サイドのメンディと共にリーグ最高のサイドバックユニットを形成。とりわけ、タイミング抜群のオーバーラップが猛威を振るった。
29試合(先発26)2321分
2得点
DF カミル・グリク(モナコ)
▽闘争心に溢れるリーグ最高のエアバトラー。昨夏、トリノからディフェンスリーダーとして加入したポーランド代表DFは、圧巻のフィジカルとセリエA仕込みの統率力で最終ラインをけん引。とりわけ、空中戦の強さは絶大で、センターバックながら6ゴールを記録。アジリティには欠けるものの、スピードに優れる周囲との補完性が見事にはまった。
36試合(先発36)3240分
6得点
DF チアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン)
▽5連覇を逃したものの、世界屈指のセンターバックとの評価に恥じないパフォーマンスだった。昨夏、相棒ダビド・ルイスがチームを去るも、マルキーニョスとキンペンベというポテンシャルの高い若手をうまくサポートし、リーグ最少失点の守備を見事に統率した。
27試合(先発27)2385分
3得点
DF バンジャマン・メンディ(モナコ)
▽リーグ最高の攻撃的左サイドバック。0ゴール5アシストと目立った数字は残していないが、圧巻のスプリントと突破力を武器に、1列前のルマールと共に相手の右サイドを蹂躙し続けた。マルセイユ時代にビエルサの薫陶を受けており、集中力の問題こそあるものの一対一の守備にも強く、国外のメガクラブでプレーできるクオリティーの持ち主だ。
25試合(先発24)2055分
0得点
MF ファビーニョ(モナコ)
▽モナコ優勝の立役者。シディベの加入でセントラルMFに完全コンバートしたブラジル代表MFは、今季急成長のバカヨコとのコンビでいかなる試合でも中盤を制圧して見せた。188cmの恵まれたサイズと巧さを生かしたボール奪取に加え、優れた戦術眼を生かしたカバーリングと守備面の仕事量が多く、視野の広さや正確なキック、積極的な持ち上がりと、シンプルなプレーながら攻撃面での貢献も絶大だった。また、PKの名手として今季は7本を成功させた。
37試合(先発33)3073分
9得点(PK7)
MF ジャン・ミシェル・セリ(ニース)
▽ニースの大躍進を支えた“ネクストカンテ”。今季前半戦のMVPは、後半戦に入ってシプリアン、プレア、リカルド・ペレイラと主力の相次ぐ離脱で失速したチームを1.5人、時に2人分の仕事量で支えた。168cmのコートジボワール代表MFは、カンテほどのボール奪取能力やスタミナはないものの、同選手に勝る攻撃センスと得点能力で7ゴール10アシストを記録し、リーグ屈指の万能MFとの評価を確立した。
34試合(先発34)2982分
7得点(PK1)
MF ティエムエ・バカヨコ(モナコ)
▽完全覚醒したフィジカルモンスター。レンヌでの活躍を引っ提げて2014年に加入したものの、直近2シーズンはコンドグビア(現インテル)やモウティーニョの後塵を拝し、思うような活躍を披露できず。だが、フィジカル面の成長とジャルディム監督の粘り強い指導が実った今季は、圧倒的なフィジカルを生かした守備とシンプルな繋ぎでリーグ最高の守備的MFの称号を手にした。
32試合(先発25)2222分
2得点
FW フロリアン・トヴァン(マルセイユ)
▽不遇のニューカッスル時代を乗り越え完全復活。2015年に加入したニューカッスルで期待外れのシーズンを過ごし、昨季レンタルで戻ったマルセイユでも厳しい時期を過ごした。だが、今季途中就任のガルシア監督の下で右ウイングの主力に定着すると、日本代表DF酒井宏樹と右サイドで好連係をみせ、キャリアハイの15ゴール9アシストの大暴れ。これまでは高精度の左足とスピードへの依存が目立ったが、視野の広さや周囲を使うプレーを身に着け、オフ・ザ・ボールの質も上がり、今やレ・ブルー入りも果たす万能アタッカーに成長。
38試合(先発36)2956分
15得点
FW エディソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)
▽今季のリーグ・アン最優秀選手。イブラヒモビッチ退団で待望のセンターフォワードのポジションを確保すると、キャリアハイの35ゴールで自身初のリーグ・アン得点王に輝いた。また、以前と同様にビッグマッチでは献身的な守備でチームを助けた。
36試合(先発35)2965分
35得点(PK7)
FW アレクサンデル・ラカゼット(リヨン)
▽3シーズン連続20ゴールを達成するなど、相変わらずの決定力でリヨンの大黒柱として活躍。チャンスメーカータイプが多いチームの中でフィニッシャーに徹した今季は、PKによるゴールが10点と多かったものの、負傷に悩まされた時期があったことを考えれば、素晴らしい出来だったといえる。今季終了後のリヨン退団を明言しており、来季はアトレティコ・マドリー加入が濃厚だ。
30試合(先発28)2405分
28得点(PK10)
▽絶対的王者パリ・サンジェルマン(PSG)の5連覇濃厚と目された中、智将ファブレ新監督の下でロケットスタートを飾った伏兵ニースが前半戦を首位で終える大波乱となった今季のリーグ・アン。しかし、最終的にリーグタイトルを獲得したのは、シーズンを通して圧巻の戦いぶりを見せたモナコだった。
▽マルシャルやコンドグビアら主力を抜かれた昨シーズンと異なり、主力の流出を最低限に留め、復帰のファルカオ、ジェルマンを含めグリク、メンディ、シディベとウィークポイントにピンポイント補強を行ったモナコは、超新星ムバッペやベルナルド・シウバ、ルマールらの急成長をキッカケに、これまでの守備的というイメージを払拭する超攻撃的なチームへ大変貌を遂げた。前半戦こそチャンピオンズリーグ(CL)との二足の草鞋に苦しみ、勝ち点を取りこぼしたものの、後半戦はシーズン100得点越えの圧倒的な攻撃力を武器に、17勝2分けの圧巻の戦績を残し、最終節を残して17年ぶり8度目の優勝を決めた。
▽PSGと同様に優勝を逃したものの、3位に入ったニースは非常にポジティブなシーズンを送った。ファブレ新監督の下で攻守に内容が伴ったフットボールを展開し、劇薬と思われたバロテッリもデビュー戦でいきなり2ゴールを決め、サポーターの心を掴んだ。3度の退場処分という、らしさも出したが、最終的にチームトップの15ゴールを記録し、昨季のベン・アルファに続き、ニース再生工場を印象付けた。
▽第2集団では、シーズンを通しての安定感を欠いたものの、4位リヨン、5位マルセイユ、6位ボルドーと名門3チームが来季のヨーロッパリーグ出場権を手にした。シーズン途中にアメリカ資本への売却が決まったマルセイユは、途中就任のガルシア監督の下、冬に加入したパイエ、エブラというフランス代表のスターにけん引され、ゴミスやトヴァン、サンソン、マキシム・ロペスらも好パフォーマンスを披露。リーグ・アン初挑戦となった日本代表DF酒井宏樹もシーズンを通して右サイドバックのレギュラーを守り、厳しいマルセイユサポーターの心を掴んだ。
▽例年通り、ボトムハーフの戦いはシーズン終盤まで大混戦となったが、最下位のバスティアと19位のナンシーが自動降格。18位で残留/昇格プレーオフに回ったロリアンは、リーグ・ドゥ3位トロワに敗れて、こちらも無念の降格となった。その一方、今季昇格組で降格候補の最右翼と目された日本代表GK川島永嗣が所属するメスは、最終的に勝ち点43を稼ぎ14位でフィニッシュ。第3GKとして加入した川島は、第31節延期分のPSG戦でようやくリーグ・アンデビューを飾ると、第35節から最終節まで4試合連続でスタメン出場し、良い形でシーズンを終えた。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWエディソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)
Getty Images
▽自身初のリーグ・アン得点王、フランスプロサッカー選手連合(UNFP)選出の年間MVPの個人2冠に輝いたカバーニが今季リーグ・アンのベストプレーヤーだ。イブラヒモビッチの退団、エメリ新監督の就任で転換期を迎えた中、苦しいシーズンを送ったPSG。そのチームが最後まで優勝を争い、大崩れしなかったのは、頼れるエースストライカーの孤軍奮闘あってこそだった。昨季までは絶対的エースの陰に隠れ、チームプレーヤーとして献身的な振る舞いを見せる一方、ビッグマッチや勝負所でのパフォーマンスは今一つだった。しかし、今季待望のセンターフォワードで起用されると、キャリアハイの35ゴールと大爆発。また、数々の決勝点や貴重な同点ゴールを決めるなど、エースストライカーに相応しいシーズンを送った。★最優秀監督
◆レオナルド・ジャルディム(モナコ)
Getty Images
▽攻守両面で魅力的なフットボールを展開し、そのうえ絶対的王者から覇権を奪還した若きポルトガル人指揮官が最優秀監督だ。育成路線転換で選手の入れ替わりが激しい中、就任当時から定評があった組織的な守備に加え、今季は若き才能に溢れたタレントのポテンシャルを巧みに引き出し、最多116ゴールを記録したバルセロナに次ぐ、リーグ戦107ゴールを奪う超攻撃的なフットボールを披露し、国内のみならず、ヨーロッパ中を席巻した。[4-4-2]と[4-2-3-1]の布陣を併用こそしたものの、ビルドアップやプレッシングで特別な戦術を採用することはなく、非常にオーソドックスな戦い方だった。それでも、屈強なフィジカルを武器とするボランチコンビ、共に左利きのルマール、ベルナルド・シウバの両サイドハーフなど、適材適所の用兵、絶妙なターンオーバーが光った。また、ビッグクラブ垂涎の若手タレントの育成、主砲ファルカオの再生など、卓越したマンマネジメントも見事だった。【期待以上】
★チーム
◆ニース
Getty Images
▽リーグ・アン初挑戦の智将ファブレ監督の下、望外の結果を手にした昨シーズンを上回る3位でフィニッシュする充実のシーズンを送った。昨季の躍進を支えたピュエル監督、ベン・アルファ、ジェルマン、メンディらがチームを去り、今季は苦戦が予想されたが、ボルシアMGなどで結果を残してきたスイス人指揮官の手腕は伊達ではなかった。3バックと4バックを併用しながら攻守に組織的かつ、躍動感のある戦いぶりでPSG、モナコを抑えて前半戦王者に輝くと、後半戦は主力の相次ぐ離脱で失速したもののシーズン終盤まで優勝争いを盛り上げ、来季のCL出場権獲得に成功した。また、今季15ゴールを記録した悪童バロテッリの再生、18歳の逸材DFマラン・サールの台頭、シプリアン、ダンテらの効果的な補強など、ファブレ監督とフロントの協力体制も見事に機能していた。★選手
◆FWキリアン・ムバッペ・ロタン(モナコ)
Getty Images
▽今季のサッカーシーンで最も名を挙げた若手プレーヤーだ。昨シーズン、17歳の誕生日を迎える直前にトップチームデビューを飾り、17歳と26日で初ゴールを挙げた怪物FWは、レジェンドFWティエリ・アンリ氏の記録を抜いてモナコでの最年少得点記録を樹立。そのため、今季は開幕前から飛躍が期待されていたが、リーグ戦29試合出場で15ゴール11アシストという驚愕のスタッツを残し、周囲の予想を大きく裏切る途方もない成長曲線を描いている。異次元のスピードとテクニック、攻撃センス、決定力に加え、今季ベスト4進出を果たしたCLの舞台で証明したビッグマッチでの勝負強さと、スーパースターに求められる重要な要素を全て兼ね備えた正真正銘のメガクラックだ。既に1億ユーロに近い評価額を持つだけに、今後の去就は不透明だが、来季もモナコで躍動する姿を期待したい。【期待外れ】
★チーム
◆パリ・サンジェルマン
Getty Images
▽国内カップ戦2冠を達成も、至上命令となっていた5連覇を逃したPSGにとって、今季は間違いなく失敗のシーズンだった。今季の勝ち点87という数字は、4連覇を達成したここ4シーズンのうちの2シーズン(いずれも勝ち点83)よりも優れた数字だ。そのため、モナコを称賛すべきとの声もあるが、そのモナコにも予算規模で桁違いの優位性を持っている絶対的王者への批判は免れない。今季の失敗の主な原因は、ブラン前監督の下でぬるま湯に浸かっていた一部主力の体たらくと、自らの戦術に固執し、スター選手たちの扱いを見誤ったエメリ新監督の采配。加えて、ベン・アルファ、ヘセ・ロドリゲス(ラス・パルマスへレンタル)、クリホヴィアクと全く使い物にならなかった補強失敗も痛かった。★選手
◆MFアンヘル・ディ・マリア(パリ・サンジェルマン)
Getty Images
▽昨シーズン、加入1年目で10ゴール18アシストのハイパフォーマンスでPSGの史上最速優勝に貢献したディ・マリアだが、今季は開幕から低調なパフォーマンスに終始し、6ゴール7アシストと期待外れのシーズンとなった。とりわけ、シーズン中盤までの不振が顕著で、大きなケガがなかったにも関わらず、第30節までに奪ったゴールはわずかに2ゴールという体たらく。シーズン終盤に入ってようやくエンジンがかかるも、優勝争いにおいて重要だったニース戦では、敗色濃厚の試合終盤に危険なアフタータックルで一発退場となる愚行を犯し、散々な終わり方をした。◆ベストイレブン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:スバシッチDF:シディベ、グリク、チアゴ・シウバ、メンディ
MF:ファビーニョ、セリ、バカヨコ
FW:トヴァン、カバーニ、ラカゼット
GK ダニエル・スバシッチ(モナコ)
▽リーグ2位の堅守を支えた守護神。今季は31失点と昨季の50失点から大幅に失点数を減らしたモナコの守備をけん引したスバシッチ。失点減の要因は中盤でフィルターをかけた若手ボランチコンビ、今季加入で圧倒的な空中戦の強さを見せたグリクの奮闘もあったが、ビッグマッチなどで圧巻のショットストップを連発したクロアチア代表守護神の存在感も大きかった。
36試合(先発36)3240分
28失点
DF ジブリル・シディベ(モナコ)
▽左右のサイドバックに加え、右サイドハーフでも安定したパフォーマンスを披露。リーグ屈指の右サイドバックとして昨夏リールからモナコに加入すると、卓越した身体能力とスタミナ、攻撃性能を発揮し、逆サイドのメンディと共にリーグ最高のサイドバックユニットを形成。とりわけ、タイミング抜群のオーバーラップが猛威を振るった。
29試合(先発26)2321分
2得点
DF カミル・グリク(モナコ)
▽闘争心に溢れるリーグ最高のエアバトラー。昨夏、トリノからディフェンスリーダーとして加入したポーランド代表DFは、圧巻のフィジカルとセリエA仕込みの統率力で最終ラインをけん引。とりわけ、空中戦の強さは絶大で、センターバックながら6ゴールを記録。アジリティには欠けるものの、スピードに優れる周囲との補完性が見事にはまった。
36試合(先発36)3240分
6得点
DF チアゴ・シウバ(パリ・サンジェルマン)
▽5連覇を逃したものの、世界屈指のセンターバックとの評価に恥じないパフォーマンスだった。昨夏、相棒ダビド・ルイスがチームを去るも、マルキーニョスとキンペンベというポテンシャルの高い若手をうまくサポートし、リーグ最少失点の守備を見事に統率した。
27試合(先発27)2385分
3得点
DF バンジャマン・メンディ(モナコ)
▽リーグ最高の攻撃的左サイドバック。0ゴール5アシストと目立った数字は残していないが、圧巻のスプリントと突破力を武器に、1列前のルマールと共に相手の右サイドを蹂躙し続けた。マルセイユ時代にビエルサの薫陶を受けており、集中力の問題こそあるものの一対一の守備にも強く、国外のメガクラブでプレーできるクオリティーの持ち主だ。
25試合(先発24)2055分
0得点
MF ファビーニョ(モナコ)
▽モナコ優勝の立役者。シディベの加入でセントラルMFに完全コンバートしたブラジル代表MFは、今季急成長のバカヨコとのコンビでいかなる試合でも中盤を制圧して見せた。188cmの恵まれたサイズと巧さを生かしたボール奪取に加え、優れた戦術眼を生かしたカバーリングと守備面の仕事量が多く、視野の広さや正確なキック、積極的な持ち上がりと、シンプルなプレーながら攻撃面での貢献も絶大だった。また、PKの名手として今季は7本を成功させた。
37試合(先発33)3073分
9得点(PK7)
MF ジャン・ミシェル・セリ(ニース)
▽ニースの大躍進を支えた“ネクストカンテ”。今季前半戦のMVPは、後半戦に入ってシプリアン、プレア、リカルド・ペレイラと主力の相次ぐ離脱で失速したチームを1.5人、時に2人分の仕事量で支えた。168cmのコートジボワール代表MFは、カンテほどのボール奪取能力やスタミナはないものの、同選手に勝る攻撃センスと得点能力で7ゴール10アシストを記録し、リーグ屈指の万能MFとの評価を確立した。
34試合(先発34)2982分
7得点(PK1)
MF ティエムエ・バカヨコ(モナコ)
▽完全覚醒したフィジカルモンスター。レンヌでの活躍を引っ提げて2014年に加入したものの、直近2シーズンはコンドグビア(現インテル)やモウティーニョの後塵を拝し、思うような活躍を披露できず。だが、フィジカル面の成長とジャルディム監督の粘り強い指導が実った今季は、圧倒的なフィジカルを生かした守備とシンプルな繋ぎでリーグ最高の守備的MFの称号を手にした。
32試合(先発25)2222分
2得点
FW フロリアン・トヴァン(マルセイユ)
▽不遇のニューカッスル時代を乗り越え完全復活。2015年に加入したニューカッスルで期待外れのシーズンを過ごし、昨季レンタルで戻ったマルセイユでも厳しい時期を過ごした。だが、今季途中就任のガルシア監督の下で右ウイングの主力に定着すると、日本代表DF酒井宏樹と右サイドで好連係をみせ、キャリアハイの15ゴール9アシストの大暴れ。これまでは高精度の左足とスピードへの依存が目立ったが、視野の広さや周囲を使うプレーを身に着け、オフ・ザ・ボールの質も上がり、今やレ・ブルー入りも果たす万能アタッカーに成長。
38試合(先発36)2956分
15得点
FW エディソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)
▽今季のリーグ・アン最優秀選手。イブラヒモビッチ退団で待望のセンターフォワードのポジションを確保すると、キャリアハイの35ゴールで自身初のリーグ・アン得点王に輝いた。また、以前と同様にビッグマッチでは献身的な守備でチームを助けた。
36試合(先発35)2965分
35得点(PK7)
FW アレクサンデル・ラカゼット(リヨン)
▽3シーズン連続20ゴールを達成するなど、相変わらずの決定力でリヨンの大黒柱として活躍。チャンスメーカータイプが多いチームの中でフィニッシャーに徹した今季は、PKによるゴールが10点と多かったものの、負傷に悩まされた時期があったことを考えれば、素晴らしい出来だったといえる。今季終了後のリヨン退団を明言しており、来季はアトレティコ・マドリー加入が濃厚だ。
30試合(先発28)2405分
28得点(PK10)
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