【欧州日本人選手総括&評価】軒並み低調の厳しいシーズン
2017.06.02 18:00 Fri
▽欧州4大リーグの2016-17シーズンが終了し、本稿では4大リーグに所属する日本人13選手の今季におけるパフォーマンスを5段階で評価。総括とともにご覧ください。
★岡崎慎司[レスター・シティ]
チャンピオンズリーグ出場試合数:7(先発:5)ゴール数:1
FAカップ出場試合数:1(先発:1)
EFLカップ出場試合数:1(先発:1)ゴール数:2
評価: ★★★☆☆
◆レギュラー奪還でCLベスト8躍進&プレミア降格回避
▽浮き沈みの激しいシーズンとなったが、終わってみれば充実感の残るシーズンとした。今季の前半戦は新戦力のスリマニが優遇されたこともあって、ベンチを温める機会の多かった岡崎。だが、まさかのプレミア降格もよぎる極限の不振に陥った中、ラニエリ監督の解任を受けて就任したシェイクスピア暫定監督の下、レギュラーを奪還してチームの軌道修正に尽力した。ゴール数こそ物足りない数字だが、岡崎の持ち味である前線からの泥臭い守備で昨季のストロングポイントを取り戻したチームは、セビージャ相手に逆転劇を演じてチャンピオンズリーグ(CL)ベスト8進出。プレミアでは12位フィニッシュと降格を免れ、昨季王者として最低限の結果を残した。
★吉田麻也[サウサンプトン]
ヨーロッパリーグ出場試合数:6(先発:6)
FAカップ出場試合数:2(先発:2)ゴール数:1
EFLカップ出場試合数:6(先発:6)
評価: ★★★☆☆
◆レギュラー定着&日本人初プレミア100試合出場達成
▽サウサンプトンでの5シーズン目となった今季は飛躍のシーズンとなった。前半戦こそヨーロッパリーグ(EL)要員で、リーグ戦ではこれまで通りベンチを温める機会が多かった吉田。だが、守備の要だったキャプテンのフォンテが1月に移籍し、新加入ながらディフェンスの軸を担っていたファン・ダイクが負傷離脱する緊急事態に陥った中、吉田がディフェンスリーダーに君臨。強豪相手にも冷静なプレーで綻びの少ない守備組織を築き上げ、ピュエル監督の期待に見事応えた。吉田の活躍もあってチームはEFLカップでは準優勝。プレミアリーグでは8位フィニッシュで余裕をもっての残留を果たした。
★本田圭祐[ミラン]
コッパ・イタリア出場試合数:3(先発:0)
評価: ★☆☆☆☆
◆最後に見せ場も空虚な1年に
▽本田のキャリアにおいて最も実りのないシーズンに終わった。モンテッラ新監督の下で迎えたミランでの4シーズン目は構想外扱いが続き、純粋な戦力として認識されることはなかった。冬の段階で移籍を決断すべきだったはずが、契約満了を待ったのか、ミランでポジションを奪還できると思ったのか残留を決意。結局、ホーム最終戦でEL出場権獲得を決める直接FK弾を沈めたものの、出場のチャンスはわずかで空虚な1年を送る羽目となった。6月に31歳となる本田だが、キャリア晩年を迎えるにあたり、新天地をどこに求めるのか。現状ではリーガ1部復帰を果たすレバンテが有力だと報じられている。
★長友佑都[インテル]
ヨーロッパリーグ出場試合数:4(先発:4)
コッパ・イタリア出場試合数:0
評価: ★★☆☆☆
◆今季も苦境のシーズン
▽インテルでの7シーズン目を迎えた今季も苦境のシーズンとなった。F・デ・ブール体制下でスタートした今季はチーム共々低調なプレーが続き、ベンチを温める機会が続いた。11月にピオリ新体制となって以降も状況は変わらなかったが、チームは復調。そんな中、シーズン終盤にライバルのアンサルディのコンディション不良によりスタメン出場のチャンスを得るも、ナポリとの大一番では軽率なプレーで失点に関与するなどチームの足を引っ張り、ピオリ監督も首を切られた。2019年夏までインテルとの契約を残している長友だが、余剰人員整理のため今季限りで放出される可能性が高いとのことだ。
チャンピオンズリーグ出場試合数:5(先発:4)ゴール数:3
DFBポカール出場試合数:3(先発:3)ゴール数:2
評価: ★★★☆☆
◆シーズン終盤に復調
▽昨季の完全復活から一転、ドルトムント復帰3シーズン目の前半戦は厳しいものとなった。デンベレやラファエウ・ゲレイロといった粋の良い若手が加入したのに加え、ロイスやカストロら実力者たちとの熾烈なポジション争いを強いられた上に負傷も重なり、出場機会を大きく減らした。それでも、シーズン終盤には本来のパフォーマンスを取り戻しリーグ戦では1ゴール6アシストと復調。チームは優勝争いから早々に脱落したが、最低限の目標であるCLストレートインの3位の座を死守し、DFBポカール優勝に貢献した。香川への期待を考慮すると物足りないシーズンだったと言わざるを得ないが、一定の存在感を示してシーズンを終えている。
★大迫勇也[ケルン]
DFBポカール出場試合数:1(先発:1)
評価: ★★★★☆
◆モデストとのコンビ確立
▽ケルンでの3シーズン目を迎えた大迫は、ついにストライカーとして覚醒した。昨季までは中盤サイドでの起用もあってゴール前に絡むことができずにいたが、今季は持ち前の確度の高いポストプレーを武器に相棒のモデストへ多くのゴールシーンを演出した。久々に招集された日本代表でもエースFWとして活躍。3月の代表戦で負傷したのは痛かったが、最終節で今季7ゴール目をマークしてチームを勝利に導き、ケルンに25年ぶりとなる欧州カップ戦出場をもたらした。
★長谷部誠[フランクフルト]
DFBポカール出場試合数:3(先発:2)
評価: ★★★☆☆
◆シーズン終盤に負傷離脱もリベロの新境地開拓
▽フランクフルトでの3シーズン目となった今季、長谷部は新境地を拓いた。本職の中盤ではなく、1列下がった3バックの中央にコンバートされ、見事な適応能力を発揮。それ以降はリベロが基本ポジションとなり、正確なカバーリングとビルドアップで攻守に活躍した。しかし、第24節に右ヒザ半月板を損傷して離脱して以降はチームも失速。前半戦終了時に4位に付けていたフランクフルトは平凡な11位でシーズンを終えている。長谷部を失って以降のフランクフルトの苦戦ぶりが、彼の存在の大きさを物語る結果となった。
★酒井高徳[ハンブルガーSV]
DFBポカール出場試合数:4(先発:4)
評価: ★★★☆☆
◆キャプテン就任とボランチの新境地開拓で辛くも残留
▽ハンブルガーSVでの2シーズン目を迎えた酒井高。第6節から指揮を執ったギズドル監督の下、本職のサイドバックではなくボランチを任され、酒井高はその期待に応えた。対人能力の強さを生かした守備でディフェンス力の向上に貢献。さらに未勝利が続く厳しい状況下でキャプテンにも就任し、チームの復調を牽引した。最終節、ヴォルフスブルクとの残留争いでは劇的逆転勝利に貢献し、クラブ史上初の降格を回避する重責を果たした。
★原口元気[ヘルタ・ベルリン]
DFBポカール出場試合数:3(先発:2)
評価: ★★☆☆☆
◆代表との両立で徐々に疲弊
▽ヘルタ・ベルリンでの3シーズン目となった今季も準レギュラーとしてチームの戦力となった。泥臭い守備を厭わないことからダルダイ監督の信頼を掴み、守備ベースのチーム戦術を忠実に遂行する働きを見せた。ただ、4試合連続ゴールを決めて記録を作ったものの、代表戦の影響で蓄積疲労が溜まり、ヘルタでのパフォーマンスレベルが落ちていった。結局、1ゴール2アシストと得点に絡むことができず、チームも前半戦の粘り強さを出せずに後半戦は失速。6位でシーズンを終え、EL出場権を獲得したが、原口は自身が希望するプレミアリーグへの移籍が濃厚なようだ。
★武藤嘉紀[マインツ]
ヨーロッパリーグ出場試合数:2(先発:2)ゴール数:1
DFBポカール出場試合数:0
評価:★★☆☆☆
◆3度目の右ヒザ負傷も5ゴールで残留に貢献
▽マインツでの2シーズン目を迎えた今季は負傷に泣かされた。開幕戦と第3節で途中出場からゴールを奪い、幸先の良い出足としたが10月に昨年2月と4月に痛めた右ヒザの古傷を痛めて長期離脱となってしまった。それでも、シーズン後半戦に残留争いに巻き込まれたチームを救うゴールを決めるなど、結果的に5得点を奪って一定の存在感を示した。
★宇佐美貴史[アウグスブルク]
DFBポカール出場試合数:0
評価: ★☆☆☆☆
◆欧州再挑戦も苦境脱せず
▽ホッフェンハイムを離れて3年、アウグスブルクで欧州再挑戦の機会を得た宇佐美だったが、その挑戦は非常に厳しいものとなった。D・シュスター前監督時代には構想外となり、バウム監督就任後は何度か出場のチャンスを得たものの、守備的な戦術に終始するチームの中で宇佐美の持ち味は出ずに屈辱のノーゴールノーアシストに終わった。アウグスブルクとは契約が3年残っているが、明らかに自身のプレースタイルとフィットしていない中、この夏どのような決断を下すか。
★内田篤人[シャルケ]
ヨーロッパリーグ出場試合数:1(先発:0)
DFBポカール出場試合数:0
評価:-
◆1年9カ月ぶりの復帰も
▽シャルケでの7シーズン目を迎えた今季も全休した昨季に続き、右ヒザ膝蓋腱の負傷によって欠場が続いた。一時は現役引退という最悪の事態も報じられたが、消化試合となったヨーロッパリーグ最終節で約1年9カ月ぶりに実戦復帰。しかし、シーズン後半戦の出場はなく、コンディションがどの程度戻っているのか心配は尽きない状況だ。
★乾貴士[エイバル]
コパ・デル・レイ出場試合数:2(先発:1)
評価: ★★★☆☆
◆ライバル加入もレギュラー維持
▽エイバルでの2シーズン目を迎えた乾は、ペドロ・レオンやベベといったリーガで実績のあるライバルの加入があった中、レギュラーの座を維持した。開幕当初はベベの前に後塵を拝して出場機会を得られない状況が続いていたものの、第9節でスタメン出場のチャンスを得て以降は本職左MFの位置でレギュラーとしてプレーし続けた。左サイドからドリブルとパスを駆使して多くのチャンスを演出し、エイバルの攻撃の軸として活躍。最終節バルセロナ戦では2ゴールを決める大活躍を見せ、日本人にとって鬼門となっていたリーガで着実に実績を積み上げている。
★岡崎慎司[レスター・シティ]
Getty Images
プレミアリーグ出場試合数:30(先発:21)ゴール数:3チャンピオンズリーグ出場試合数:7(先発:5)ゴール数:1
FAカップ出場試合数:1(先発:1)
EFLカップ出場試合数:1(先発:1)ゴール数:2
評価: ★★★☆☆
◆レギュラー奪還でCLベスト8躍進&プレミア降格回避
▽浮き沈みの激しいシーズンとなったが、終わってみれば充実感の残るシーズンとした。今季の前半戦は新戦力のスリマニが優遇されたこともあって、ベンチを温める機会の多かった岡崎。だが、まさかのプレミア降格もよぎる極限の不振に陥った中、ラニエリ監督の解任を受けて就任したシェイクスピア暫定監督の下、レギュラーを奪還してチームの軌道修正に尽力した。ゴール数こそ物足りない数字だが、岡崎の持ち味である前線からの泥臭い守備で昨季のストロングポイントを取り戻したチームは、セビージャ相手に逆転劇を演じてチャンピオンズリーグ(CL)ベスト8進出。プレミアでは12位フィニッシュと降格を免れ、昨季王者として最低限の結果を残した。
Getty Images
プレミアリーグ出場試合数:22(先発:22)ゴール数:1ヨーロッパリーグ出場試合数:6(先発:6)
FAカップ出場試合数:2(先発:2)ゴール数:1
EFLカップ出場試合数:6(先発:6)
評価: ★★★☆☆
◆レギュラー定着&日本人初プレミア100試合出場達成
▽サウサンプトンでの5シーズン目となった今季は飛躍のシーズンとなった。前半戦こそヨーロッパリーグ(EL)要員で、リーグ戦ではこれまで通りベンチを温める機会が多かった吉田。だが、守備の要だったキャプテンのフォンテが1月に移籍し、新加入ながらディフェンスの軸を担っていたファン・ダイクが負傷離脱する緊急事態に陥った中、吉田がディフェンスリーダーに君臨。強豪相手にも冷静なプレーで綻びの少ない守備組織を築き上げ、ピュエル監督の期待に見事応えた。吉田の活躍もあってチームはEFLカップでは準優勝。プレミアリーグでは8位フィニッシュで余裕をもっての残留を果たした。
★本田圭祐[ミラン]
Getty Images
セリエA出場試合数:8(先発:2)ゴール数:1コッパ・イタリア出場試合数:3(先発:0)
評価: ★☆☆☆☆
◆最後に見せ場も空虚な1年に
▽本田のキャリアにおいて最も実りのないシーズンに終わった。モンテッラ新監督の下で迎えたミランでの4シーズン目は構想外扱いが続き、純粋な戦力として認識されることはなかった。冬の段階で移籍を決断すべきだったはずが、契約満了を待ったのか、ミランでポジションを奪還できると思ったのか残留を決意。結局、ホーム最終戦でEL出場権獲得を決める直接FK弾を沈めたものの、出場のチャンスはわずかで空虚な1年を送る羽目となった。6月に31歳となる本田だが、キャリア晩年を迎えるにあたり、新天地をどこに求めるのか。現状ではリーガ1部復帰を果たすレバンテが有力だと報じられている。
★長友佑都[インテル]
Getty Images
セリエA出場試合数:15(先発:11)ヨーロッパリーグ出場試合数:4(先発:4)
コッパ・イタリア出場試合数:0
評価: ★★☆☆☆
◆今季も苦境のシーズン
▽インテルでの7シーズン目を迎えた今季も苦境のシーズンとなった。F・デ・ブール体制下でスタートした今季はチーム共々低調なプレーが続き、ベンチを温める機会が続いた。11月にピオリ新体制となって以降も状況は変わらなかったが、チームは復調。そんな中、シーズン終盤にライバルのアンサルディのコンディション不良によりスタメン出場のチャンスを得るも、ナポリとの大一番では軽率なプレーで失点に関与するなどチームの足を引っ張り、ピオリ監督も首を切られた。2019年夏までインテルとの契約を残している長友だが、余剰人員整理のため今季限りで放出される可能性が高いとのことだ。
★香川真司[ドルトムント]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:21(先発:13)ゴール数:1チャンピオンズリーグ出場試合数:5(先発:4)ゴール数:3
DFBポカール出場試合数:3(先発:3)ゴール数:2
評価: ★★★☆☆
◆シーズン終盤に復調
▽昨季の完全復活から一転、ドルトムント復帰3シーズン目の前半戦は厳しいものとなった。デンベレやラファエウ・ゲレイロといった粋の良い若手が加入したのに加え、ロイスやカストロら実力者たちとの熾烈なポジション争いを強いられた上に負傷も重なり、出場機会を大きく減らした。それでも、シーズン終盤には本来のパフォーマンスを取り戻しリーグ戦では1ゴール6アシストと復調。チームは優勝争いから早々に脱落したが、最低限の目標であるCLストレートインの3位の座を死守し、DFBポカール優勝に貢献した。香川への期待を考慮すると物足りないシーズンだったと言わざるを得ないが、一定の存在感を示してシーズンを終えている。
★大迫勇也[ケルン]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:30(先発:27)ゴール数:7DFBポカール出場試合数:1(先発:1)
評価: ★★★★☆
◆モデストとのコンビ確立
▽ケルンでの3シーズン目を迎えた大迫は、ついにストライカーとして覚醒した。昨季までは中盤サイドでの起用もあってゴール前に絡むことができずにいたが、今季は持ち前の確度の高いポストプレーを武器に相棒のモデストへ多くのゴールシーンを演出した。久々に招集された日本代表でもエースFWとして活躍。3月の代表戦で負傷したのは痛かったが、最終節で今季7ゴール目をマークしてチームを勝利に導き、ケルンに25年ぶりとなる欧州カップ戦出場をもたらした。
★長谷部誠[フランクフルト]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:22(先発:21)ゴール数:1DFBポカール出場試合数:3(先発:2)
評価: ★★★☆☆
◆シーズン終盤に負傷離脱もリベロの新境地開拓
▽フランクフルトでの3シーズン目となった今季、長谷部は新境地を拓いた。本職の中盤ではなく、1列下がった3バックの中央にコンバートされ、見事な適応能力を発揮。それ以降はリベロが基本ポジションとなり、正確なカバーリングとビルドアップで攻守に活躍した。しかし、第24節に右ヒザ半月板を損傷して離脱して以降はチームも失速。前半戦終了時に4位に付けていたフランクフルトは平凡な11位でシーズンを終えている。長谷部を失って以降のフランクフルトの苦戦ぶりが、彼の存在の大きさを物語る結果となった。
★酒井高徳[ハンブルガーSV]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:33(先発:29)ゴール数:1DFBポカール出場試合数:4(先発:4)
評価: ★★★☆☆
◆キャプテン就任とボランチの新境地開拓で辛くも残留
▽ハンブルガーSVでの2シーズン目を迎えた酒井高。第6節から指揮を執ったギズドル監督の下、本職のサイドバックではなくボランチを任され、酒井高はその期待に応えた。対人能力の強さを生かした守備でディフェンス力の向上に貢献。さらに未勝利が続く厳しい状況下でキャプテンにも就任し、チームの復調を牽引した。最終節、ヴォルフスブルクとの残留争いでは劇的逆転勝利に貢献し、クラブ史上初の降格を回避する重責を果たした。
★原口元気[ヘルタ・ベルリン]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数31(先発:23)ゴール数:1DFBポカール出場試合数:3(先発:2)
評価: ★★☆☆☆
◆代表との両立で徐々に疲弊
▽ヘルタ・ベルリンでの3シーズン目となった今季も準レギュラーとしてチームの戦力となった。泥臭い守備を厭わないことからダルダイ監督の信頼を掴み、守備ベースのチーム戦術を忠実に遂行する働きを見せた。ただ、4試合連続ゴールを決めて記録を作ったものの、代表戦の影響で蓄積疲労が溜まり、ヘルタでのパフォーマンスレベルが落ちていった。結局、1ゴール2アシストと得点に絡むことができず、チームも前半戦の粘り強さを出せずに後半戦は失速。6位でシーズンを終え、EL出場権を獲得したが、原口は自身が希望するプレミアリーグへの移籍が濃厚なようだ。
★武藤嘉紀[マインツ]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:18(先発:10)ゴール数:5ヨーロッパリーグ出場試合数:2(先発:2)ゴール数:1
DFBポカール出場試合数:0
評価:★★☆☆☆
◆3度目の右ヒザ負傷も5ゴールで残留に貢献
▽マインツでの2シーズン目を迎えた今季は負傷に泣かされた。開幕戦と第3節で途中出場からゴールを奪い、幸先の良い出足としたが10月に昨年2月と4月に痛めた右ヒザの古傷を痛めて長期離脱となってしまった。それでも、シーズン後半戦に残留争いに巻き込まれたチームを救うゴールを決めるなど、結果的に5得点を奪って一定の存在感を示した。
★宇佐美貴史[アウグスブルク]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:11(先発:5)DFBポカール出場試合数:0
評価: ★☆☆☆☆
◆欧州再挑戦も苦境脱せず
▽ホッフェンハイムを離れて3年、アウグスブルクで欧州再挑戦の機会を得た宇佐美だったが、その挑戦は非常に厳しいものとなった。D・シュスター前監督時代には構想外となり、バウム監督就任後は何度か出場のチャンスを得たものの、守備的な戦術に終始するチームの中で宇佐美の持ち味は出ずに屈辱のノーゴールノーアシストに終わった。アウグスブルクとは契約が3年残っているが、明らかに自身のプレースタイルとフィットしていない中、この夏どのような決断を下すか。
★内田篤人[シャルケ]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:0ヨーロッパリーグ出場試合数:1(先発:0)
DFBポカール出場試合数:0
評価:-
◆1年9カ月ぶりの復帰も
▽シャルケでの7シーズン目を迎えた今季も全休した昨季に続き、右ヒザ膝蓋腱の負傷によって欠場が続いた。一時は現役引退という最悪の事態も報じられたが、消化試合となったヨーロッパリーグ最終節で約1年9カ月ぶりに実戦復帰。しかし、シーズン後半戦の出場はなく、コンディションがどの程度戻っているのか心配は尽きない状況だ。
★乾貴士[エイバル]
Getty Images
リーガエスパニョーラ出場試合数:28(先発:26)ゴール数:3コパ・デル・レイ出場試合数:2(先発:1)
評価: ★★★☆☆
◆ライバル加入もレギュラー維持
▽エイバルでの2シーズン目を迎えた乾は、ペドロ・レオンやベベといったリーガで実績のあるライバルの加入があった中、レギュラーの座を維持した。開幕当初はベベの前に後塵を拝して出場機会を得られない状況が続いていたものの、第9節でスタメン出場のチャンスを得て以降は本職左MFの位置でレギュラーとしてプレーし続けた。左サイドからドリブルとパスを駆使して多くのチャンスを演出し、エイバルの攻撃の軸として活躍。最終節バルセロナ戦では2ゴールを決める大活躍を見せ、日本人にとって鬼門となっていたリーガで着実に実績を積み上げている。
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