【原ゆみこのマドリッド】多分、優勝できると思うけど…2017.05.20 08:48 Sat

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▽「リーガが終わってからが長いわね」カレンダーを見ながら私が溜息をついていたのは金曜日、レアル・マドリーではCL決勝チケットのソシオ(協賛会員)割り当て抽選があったりしたものの、試合まであと2週間も待たないといけないと気づいた時のことでした。いえ、この水曜にラツィオを下し、コッパ・イタリア優勝を果たした相手のユベントスの選手たちなどはロッカールーム内でのお祝いで、「Que vamos a Cardiff/ケ・バモス・ア・カーディフ(カーディフに行くぞ)」と早くも歌っていたようなんですけどね。それがスペイン語だったのはイグアインやディバラらアルゼンチン出身の選手や、リーガ歴の長いダニエウ・アウベスのせいということで納得ですが、実は彼らはまだ、セリエA優勝が決まっておらず。

▽もちろん前節、2位のローマに返り討ちに遭い、せっかくのチャンスを逃したとはいえ、勝ち点差は4もありますから、断然有利なのは間違いないですが、この日曜のクロトーネ戦でも決まらなかった時は要注意。何せ3年前、最終節でバルサと引き分け、ようやくの思いでリーガ優勝を決めたアトレティコなど、その後のお祝い行事疲れも相まって、1週間後のCL決勝はロスタイムにセルヒオ・ラモスに奇跡の同点弾を喰らい、延長戦で3点も取られちゃいましたからね。ユーベも来週末のボローニャ戦まで優勝を持ち越すことになると、カーディフでの決勝が大変なことになりかねませんが、ファン的にはその方が緊張感も持続して楽しかったりする?

▽まあ、その辺は今回、優勝すればリーグ6連勝という恐ろしい記録になるイタリアのチームですから、余裕を持って受け止めているとは思いますが、意外なことにリーガのタイトルからはもう、5年も遠ざかっていたというマドリーの話を今はしないと。このミッドウィークは彼らだけ、2月に順延になったセルタ戦に挑んだんですが、やっぱりローテーションで選手が交代で出ているチームは元気があって本当に羨ましい。いえ、セルタも先週、ヨーロッパリーグ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに負けるまで、平日はベストメンバー、週末は控え中心という起用方針だったんですけどね。

▽片や2月のコパ・デル・レイ準決勝に続き、クラブ史上初の決勝進出の夢破れたばかり、その間にリーガでも5連敗と失速しているチームと、宿命のライバル、バルサが時々、3冠(CL、リーガ、コパ・デル・レイ)を達成しているのと比べると気が引けますが、1958年以来の2冠(CL、リーガ)まであと一歩と迫り、ノリに乗っているチームではああいう結果になったのも当然だったかと。

▽そう、最近では珍しくクリスチアーノ・ロナウドが2試合連続出場したマドリーは、イスコも「Cristiano ha llegado al final de temporada como un avion/クリスティアーノ・ア・ジェガードー・アル・フィナル・デ・テンポラーダ・コノ・ウン・アビオン(クリスチアーノはシーズン終盤にまるで飛行機のような勢いで着いた)。でも、彼だけじゃなく、ボクら皆、飛行機みたいだよ」と言っていた通り、開始9分には後者のパスから前者が左足で決めて早くも先制。前半はその1点止まりでしたが、ハーフタイムで休憩したすぐ後にもカウンターで抜け出したイスコが再びスルーパス。これもロナウドが決めて2点差になった上、後半16分にはセルタのエース、イアゴ・アスパスが2枚目のイエローカードをもらって退場になってしまったから、もう勝負は決まったと思ったところ…。

▽え、前半のアスパスのイエローカードはバランの手にボールが当たったにも関わらず、審判がハンドを取らなかったことに抗議したせいで、2枚目もエリア内でラモスに倒されながら、piscinazo(ピシナソ/ダイブ)と判断されて出されたものって、ちょっとひどくないかって?うーん、確かにその1分後にはロナウドが同じようなプレーでペナルティはもらえず、かといって、当人にカードも出されなかったため、その日、ベリッソ監督が処分でベンチに入れず、セルタの指揮を執っていたマルクッチ第2監督も猛抗議。おかげで彼まで退場になってしまいましたが、何せロナウドが警告を受けていたら、累積で最終節に出られなくなってしまいますからね。

▽そういう意味ではマドリーもラッキーだったんですが、まさか23分にはグィディッティのシュートがラモスに当たってゴールに入り、1点差に迫られてしまうとは!でも大丈夫ですよ。というのも、その1分後にはマルセロのパスをベンゼマがゴール前から押し込んで、スコアが1-3になったからで、終盤にはファールを受けたラモスがパブロ・エルナンデスと揉めていたりもしたんですけどね。後でジダン監督も「un poco cansado porque aunque no juego tengo tension como todos/ウン・ポコ・カンサードー・ポルケ・アウンケ・ノー・フエゴ・テンゴ・テンシオン・コモ・トードス(プレーはしなくても自分も皆同様、緊張していたから、ちょっと疲れた)」と言っていましたが、42分にもクロースが決め、最後は1-4という余裕のあるスコアで勝つことができましたっけ。

▽この結果、いよいよマドリーは順位表でバルサの下に居ることを止め、勝ち点3差をつけて堂々首位に復帰。つまり、日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に揃ってキックオフする最終節で、バルサがエイバルに勝ち、マドリーがマラガに負けた場合のみ、シベレス広場でのお祝いが見られないことになります。そんな状況だからでしょうか、ルイス・エンリケ監督は月火水と3日も練習をお休みにして、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もバルセロナ市内にオープンした高級ブランドシューズショップのイベントに夫人同伴で駆けつけていた姿の方が今週は印象に残っているんですが、マラガにもバルサ育ちで「Si marco y le doy la Liga... ojala se de/シー・マルコ・イ・レ・ドイ・ラ・リーガ…オハラ・セ・デ(もし自分がゴールを決めて、リーガ優勝を贈ってあげられたら…そうなってくれますように)」なんて言っているサンドロのような選手もいますからね。マドリーも油断は大敵かと。

▽ただその一方で、ここ4勝1分けとマラガのシーズン終盤の快進撃を演出したものの、ミチェル監督はマドリーのカンテラ(ユース組織)育ち、1980~90年代に活躍した古巣だけに手心を加えるんじゃないかなんて言う、口の悪い人もいますが、こういうのはプロとしてのプライドの問題ですからね。クラブも11位で終わるのと、今同じ勝ち点のバレンシアに抜かれて12位になるのでは、TV放映権収入が100万ユーロ(約1憶3000万円)も違うそうですし、同時にマドリーが優勝すると3シーズン前に売却したイスコのオプションボーナスでやはり100万ユーロがもらえることに。となれば、結論としては来季、マラガに移籍すると言われているミチェル監督の息子さん、エイバルのアドリアンや乾貴士選手のカンプ・ノウでの好パフォーマンスを期待しつつ、ここ立て続けに引退を表明したデミチェリス、ウェエリグトン、ドゥーダらを勝利で見送れるよう、ミチェル監督も頑張ってくれるんじゃないですか。

▽え、今週前半3日間、練習しなかったのはアトレティコも同じじゃないかって? いやあ、彼らの場合、もう目標である来季CLグループリーグに出られる3位が前節に確定していますからね。ようやくマハダオンダ(マドリッド近郊)の施設に出て来たと思った木曜もセッション後、チーム全員揃って、完成間近のワンダ・メトロポリターノを見学に行く始末。それから経営陣も加わって、シーズン終了ご苦労さんランチ会って、いや、まだ日曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からビセンテ・カルデロンと今生の別れをする大事な試合が残っているんですけどね。おまけにそのアスレティック戦ではゴディン、ヒメネス、フェリペ・ルイスが出場停止、更にファンフランやベルサリコら負傷したままシーズンを終える選手もいるため、フィールドプレーヤーが14人しかいないって、まったく最後まで苦労の尽きないチームです。

▽そのせいもあってなんですが、今週出て来た彼らの話題はもう来季を見据えてのものが多くて、ラジオのインタビューを受けていたグリースマンからは、「Me encanta Cavani, seria un fichaje top/メ・エンカンタ・カバーニ、セリア・ウン・フィチャヘ・トップ(自分はカバーニが大好き、最高の補強になるね)。ウルグアイ人だから、どんなボールでも全力で行くよ」と、マテ茶を一緒に楽しめる未来の前線のパートナーに夢を馳せるコメントも。とはいえ、現段階ではPSGのエースよりも、オリンピック・リヨンのフランス人FW、ラガゼットの方が確立的に高そうなマスコミの論調もチラホラ見かけます。

▽逆にまだ契約延長が決まっていないフェルナンド・トーレスなどは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の友人を応援する本の発売プレゼンに出席した機会を利用して、「Todo el mundo sabe cual es mi deseo/トードー・エル・ムンド・サベ・クアル・エス・ミ・デセオ(誰もがボクの望みが何か知っている)。あと何年もこのユニフォームを着続けられたらいいね」と残留の意志をアピールしていましたが、これもどうなることやら。とにかく、万年3位止まりに満足せず、優勝を目指すチームになるためには得点力の高いFWの獲得が絶対必要なため、ガメイロやコレアを含め、この夏にはイロイロ、動きがあるかもしれませんね。

▽そんな調子だったので、今週のアトレティコはスポーツ紙面でも主役をもっぱら女子チームに奪われがちで、いやあ、実は彼女たちの立場はお隣さんと近くて、男性陣の不甲斐なさをせせら笑うかのごとく、土曜のリーガ最終戦で2位のバルサと同じ結果を出せば優勝できる首位だったんですよ。その大一番、レアル・ソシエダ戦でビセンテ・カルデロンが使えず、マハダオンダのミニスタジアムになってしまったのは気の毒でしたけどね。タイトルを獲得できれば、日曜には男子チームの試合前にPasillo de Campeones/パシージョ・デ・カンペオーネス(チャンピオンの花道)で迎えてもらえるとなれば、一層やる気に拍車がかかるというものかと。

▽そして前節、アスレティックと引き分け、見事に昇格1年目での1部残留を決定。おかげで相手がEL出場権をよりいい順位で確保するため、兄貴分との試合に真剣に挑まないといけない理由を作ってしまったレガネスは土曜にアラベスと最終節となるんですが、こちらはブタルケのサポーターのお祭りになるのは確かかと。昨季までの3シーズンで彼らを2部Bからステップアップ、1部でやっていけるまでに導いたアシエル・ガリターノ監督は、「La gente nos decia que ahora tocaba disfrutar, pero yo disfrute poco/ラ・ヘンテ・ノス・デシア・ケ・アオラ・トカバ・ディスフルタール、ペロ・ジョ・ディスフルテ・ポコ(人々は今度は自分たちが楽しむ番と言っていたが、私はほとんど楽しめなかった)」と今季の苦労を語っていたものの、この試合だけは心おきなく満喫できるのでは?

▽いえ、現在9位で8位のエイバルと同じ勝ち点のアラベスにはマラガ同様、バルサと戦う同じバスク地方のチーム仲間の最終節を利用して、1つでも順位を上げたいという思惑もあるようですけどね。向こうには来週土曜にコパ・デル・レイ決勝が控えているため、主力は温存するのではないかという読みもなきにしろあらず。マドリッドの3チームはそんな感じで、いよいよ今季が終わるリーガですが、去年のヘタフェやラージョのように最後の最後に降格なんて大ショックが待ち受けているのではなく、マドリーの優勝祝いが見られるかもしれないっていうのは、私も気が楽でいいですね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】アウェイの方がいいらしい…

▽「やっと来てくれた」そんな風に私が満足していたのは金曜日、ジエゴ・コスタがバラハス空港ターミナル4の到着ゲートから姿を現した映像をスポーツ紙のサイトで確認した時のことでした。いやあ、各TV局もお昼(スペインでは午後2時-4時がランチライム)のスポーツニュース枠で生中継しようと、現場にカメラとリポーターを張り付けていたものの、残念ながらタイムアップ。先日は当人がチェルシーと話し合うため、ロンドン入りしたなんて誤報もあったため、前夜にはすでにアトレティコのオフィシャルページに移籍決定と出ていても当人を見ない限り信用できないなと思っていたんですけどね。さすがに今度は間違いなかったようで、意外と体型も崩れていないのにホッとしたファンも多かったかと。 ▽いえ、ようやくアトレティコが3年前に3800万ユーロ(約51億円)でチェルシーに売ったコスタをクラブ史上最高額の5500万ユーロ(約74億円)+1000万ユーロ(約14億円)の成功報酬で買い戻したと言っても、FIFA処分の終わる来年1月まで彼がプレーすることはできないんですけどね。実際、夏の市場が閉じた後のこんな時期まで決まらなかったのはそのせいなんですが、母国ブラジルで3カ月ものバケーションを満喫する破目になった当人は「世間が言っている程、ひどい状態じゃないよ。プロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)が鍛えてくれるしね。Me dan miedo sus entrenamientos, no la bascule/メ・ダン・ミエードー・スス・エントレナミエントス、ノー・ラ・バスクラ(体重計より、彼のトレーニングの方が怖い)」とジョーク混じりにコメント。 ▽何にせよ、あと3ケ月もあれば、フィジカルコンディションも整い、木曜のアディダスのイベントでコケが「Con Diego tenía un entendimiento especial/コン・ディエゴ・テニア・ウン・エンテンディミエントー・エスペシアル(ジエゴとは特別な相互理解があった)。自分がボールを持つたび、彼がやろうとすることがわかったし、向こうもどこにパスが来るかわかっていた」と再会を喜んでいた元同僚とのフィーリングも戻ってくるんでしょうが、それまでが不安というファンもご安心を。アトレティコはこのミッドウィーク開催のリーガで当面、コスタがいなくても強いことを証明してくれたんです。 ▽え、次の時間帯にあるサンティアゴ・ベルナベウでのお隣さんの試合を見るため、水曜の私は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)をアスティック戦途中で出ないといけなかったんだろうって?その通りで目撃できたのは前半、ガイタンのシュートがポストに阻まれたり、グリースマンの一撃がGKケパにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されたり、挙句の果てにはフィリペ・ルイスがエリア内でラウール・ガルシアを倒したと見なされ、PKを献上。幸いにもそれを2節のラス・パルマス戦のビエラに続き、GKオブラクがアドゥリスのキックも見事に弾き、いえ、1年前、ミラノでのCL決勝ではPK戦で1本も止められなかったことから、あまりparapenalti(パラペナルティ/PK止め屋)の呼び声はあまり高くない彼だったんですけどね。試合中のPKに限るとその日を合わせ、10本中6本を弾いているって物凄くない? ▽おかげでスコアは0-0のまま、後半が始まっていくらもしないうちにお店を出たところ、メトロ(地下鉄)の改札を通った瞬間、「Gooool! Gol del Atletico!/ゴル・デル・アトレティコ」という絶叫がオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)から伝わってくるのですから、運命とはかくも皮肉。ええ、10分にエリア内に走り込んだコケがグリースマンのスルーパスを受け、コレアに折り返すと、そのシュートが決まってアトレティコが先制点を挙げたんですが、まったくももう。試合の大半の時間、どうして彼らは上手くパスを繋いでシュートチャンスが作れないんだろうと常にイライラしている私が映像を見られなくなった途端、そんな絶妙のコンビネーションを見せるなんてあんまりじゃないですか。 ▽まあ、これもシメオネ監督も「今はより意識して練習に取り組んでいる。En el fútbol el trabajo paga y los resultados están a la vista/エン・エル・フトボル・エル・トラバッホ・パガ・イ・ロス・レスルタードス・エスタン・ア・ラ・ビスタ(サッカーでは努力が報われるし、結果は明白だ)」と褒めていた通り、コレアの成長を褒めるしかないんですが、更に私がサンティアゴ・ベルナベウの駅を出た時にはリードが2点に。こちらは28分、ヒメネスのスローインをサウルがグリースマンに繋ぎ、その浮かせたパスをカラスコがシュート。どうやら彼も監督の「Somos más fuertes cuanto mejor sea la competencia interna/ソモス・マス・フエルテス・クアントー・メホール・セア・ラ・コンペテンシア・シンテルナ(ウチはチーム内の競争が激しい程、強くなれる)」というメッセーッジを素直に理解したか、このところ途中出場が続いているにも関わらず、立派にアタッカーの責任を果たしてくれたようです。 ▽最後、ロスタイムにはバレンシアガのクロスをラウール・ガルシアが押し込んで、アスレティックに1点差と迫られたものの、アトレティコは1-2の勝利で新しいサン・マメスがオープンして以来、6勝1分けで無敗という記録を維持。もちろんゴールが2つも生まれたことは嬉しいんですが、相手のジガンダ監督も「PK失敗でウチはショックを受けた」と言っていたように、やはり勝利のポイントはオブラクが前半の失点を防いでくれたことにあったかと。当人は「Es una loetría/エス・ウナ・ロテリア(あれは宝くじのようなもの)。止められれば満足だけど、決められてもそんなに悔やんではいられないよ」といつものクールさを崩しませんでしたが、勝ち点を稼いでくれるGKっていうのはきっと、彼みたいな選手のことを言うんですよね。 ▽そんなアトレティコはもう土曜午後1時(日本時間午後8時)にはワンダ・メトロポリターノにセビージャを迎えるんですが、相手はこの5節、ラス・パルマスにマンチェスター・シティから古巣に戻って来たヘスス・ナバスのゴールで1-0と勝利。現在、3位のアトレティコの勝ち点2上をいく2位につけています。まさにベリッソ監督も「Somos rivales directos/ソモス・リバレス・ディレクトス(我々は直接のライバルだ)」という状況で、新スタジアムでの2戦目に挑むアトレティコも油断できないんですが、2019年のCL決勝会場に選ばれたこともあってか、周辺でのフィエスタは今回も続行。ええ、朝9時から10時までのchocolate con churros/チョコラーテ・コン・チューロス(ホットチョコレートと揚げ菓子、スペインの伝統的な朝食メニュー)の無料配布に始まり、キッズ用とコンサート用の2つのファンゾーンもオープンするのだそう。 ▽木曜時点で1000枚残っていたというチケットも運が良ければ、当日、スタジアムのチケット売り場で買えるようですし、先週オープンしたメガストアも他のお店であまり見かけない、歴代の紋章がプリントされたビンテージシリーズなどが置いてあって面白いし、試合後も軽食販売のバンではハッピーアワーを開催と、マドリッド観光に来ている日本人が立ち寄っても半日ぐらい楽しめそうなんですが…万が一、チケットが売り切れていた場合、スタジアム近隣にTV観戦できるバルがないというのがネックでしょうか。そうそう、金曜夜に前日合宿に入ったメンバーからはフェルナンド・トーレスとヒメネスが監督の戦略的判断で外れ、ベルサイコがリスト入り。前節終盤に痛みを覚えて交代したフィリペ・ルイスは回復したようです。 ▽え、それより大変なことになってしまったお隣さんの話を聞きたいって?そうですね、実はその水曜、アトレティコと同時進行でマドリッドの弟分、レガネスが昇格組のジローナとブタルケでスコアレスドローに終わった後、ベティス戦に挑んだレアル・マドリーだったんですが、いえ、予定通り、5試合の出場停止処分が終わったクリスチアーノ・ロナウドはリーガ初先発したんですけどね。それでもポルトガル代表戦やCLアポエル戦などでゴールを挙げていることから、火曜のエイバル戦でのpoker(ポケル/1試合4得点のこと)で早くも9ゴールとリーガ得点王レーストップを独走するメッシ追撃を早速、始めてくれるものと思いきや、その日の彼はまったくシュートが決まらず。 ▽ただそれはロナウドだけでなく、ベイルもイスコもクロースも同じだったんですが、うーん、このところ、ホームゲームではバレンシア、レバンテ戦とドローが続いていたとはいえ、後半半ばから根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)モードに入られてもねえ。先日は契約を2022年まで延長、それだけにこの日は張り切ってピッチに立ったイスコなども「Si no metemos un gol pronto en el Bernabéu nos entra ansiedad/シー・ノー・メテモス・ウン・ゴル・プロントー・エン・エル・ベルナベウ・ノス・エントラ・アンシエダッド(ベルナベウでは早くゴールを入れないと焦りが生じる)」と言っていましたが、実際、25分のマルセロ負傷と同時にジダン監督がdoble cambio(ドブレ・カンビオ/2選手交代)をした折など、一時、ルーカス・バスケスとマジョラルが入りながら、もう1人アウトする選手が誰かわからず。ピッチに12人いるなんて不可解な状況、私も初めてお目にかかりましたっけ。 ▽結局、ここではモドリッチが退き、ロナウド、ベイル、マジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケスの5人FW体制となったマドリーでしたが、それでも得点には至らず。ロスタイムにはセルヒオ・ラモスも前線に張って、93分の奇跡を狙ったんですが…まさかロスタイム4分、その試合最初のシュートを撃っていたサナブリアにノーマークでグアルダードのクロスをヘッドされ、土壇場の決勝点という十八番を奪われてしまったから、私も呆気にとられるばかり。だって3連戦の谷間ということもあって、セティエン新監督はキャプテンのホアキンやメキシコシティ大地震で傷心のグアルダードを温存、後半終盤まで出さなかったんですよ。それどころか、ファビアンやフランシスといったカンテラーノ(ベティスB出身の選手)の抜擢が当たり、敵の猛攻に耐え抜くと、0-1でベルナベウでは19年ぶりとなる勝利をもぎ取ってしまうって、こんな監督冥利に尽きる試合はない? ▽いえ、当人は「Ganar aquí es sabiendo que vas a sufrir y que tienes que tener suerte/ガナール・アキー・エス・サビエンドー・ケ・バス・ア・スフリル・イ・ケ・ティエネス・ケ・テネール・スエルテ(ここで勝つには苦しむことを知り、ツキもなければならない)」と謙遜していましたけどね。実はこのセティエン監督、昨季もラス・パルマスを率いてマドリーとの2試合にドロー。今までと打って変わって、ベティスがパスを丁寧に繋げるチームになっていたのにも驚かされたものですが、逆にちょっと心配なのはジダン監督の方で、だって「No quiso entrar el balón, tuvimos 26 ó 27 ocasiones/ノー・キソ・エントラール・エル・バロン、トゥビモス・ベインティセイス・オ・ベインティシエテ・オカシオネス(ウチは26、7回、シュートしたが、ボールがゴールに入りたがらなかった)」なんて、お隣さんではよくあるにしても天下のマドリーでは絶対、通じない言い訳だから。 ▽おかげで首位バルサとの差がまだ9月なのにも関わらず、勝ち点差7に開いてしまい、こんな時期から奇跡の逆転優勝の話をしないといけなくなりそうなのは私も辛いんですが、それでもアウェイでは好調なマドリーですからね。マルセロが左太もも肉離れで全治1カ月、テオも先週末のレアル・ソシエダ戦で肩を半脱臼して2週間、更にクロースも肋骨が痛んでお休みと、まだベンゼマも全快せず、メンバー的にはちょっと不安がある彼らですけどね。移籍して2試合に出ただけではありますが、エンソとジダン監督の親子対決が実現するかもしれないアラベス戦は土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)にキックオフ。ちなみに相手は開幕から5連敗中で、4節にはスベルダ監督を解任、金曜にはデ・ビアージ氏が後継に決まったものの、この試合はハビエル・セバジョ暫定監督のまま戦うようです。 ▽そして木曜には弟分の片割れ、ヘタフェがアウェイでセルタ戦だったんですが、前半24分にマキシ・ゴメスに奪われた先制点を後半40分、途中出場コンビのアルバロ・ヒメネスのパスからアンヘルが決め、1-1の引き分けに持ち込んでボルダラス監督のチームが意地を見せたというのはまあ、喜ばしいんですけどね。実は同日のお昼、オペラ近くの「くらや」という比較的新しいラーメン屋でランチを私がとっていたところ、いきなり柴崎岳選手が友人連れで隣のテーブルに現れるというハプニングが勃発。こんなことがあるなら、火曜にヘタフェの練習見学に行った際、せっかく海を越えて応援に来ながら、バルサ戦のケガでリハビリ中のため、グラウンドで当人を見られず、それではと、彼の白いベンツが駐車場から出て来るのを待ちながら、タッチの差で止まってもらえなかった日本人女子2人に教えてあげたかったと思ったものですが、まあ私も10年以上、マドリッドにいて、選手とお店で出くわすなんて初めての体験でしたからね。 ▽あまり期待するのもどうかと思いますが、肝心の柴崎選手のケガの状態は金曜と言っていたクラブのパルテ・メディコ(負傷者情報)が出ず。よって正確にはわからないんですが、AS(スポーツ紙)の番記者が夜に出した記事によると、左足第5中足骨にヒビが入っており、全治2カ月程だとか。うーん、ボルダラス監督やクラブ広報は楽観的でしたし、ラーメン屋で見た彼も楽しそうにお喋りしていたため、まさかそんな重傷とは私も思わなかったんですけどねえ。これが本当だとすると、すでにセルタ戦でも前線に繋げる選手がいないせいか、後方からロングボールを放り込むという、どこかアバウトなサッカーになっていたヘタフェにとっては大打撃。日曜のビジャレアル戦からあと7試合、何とか乗り切って、同日、ラス・パルマスと顔を合わせるレガネス共々、柴崎選手の復帰まで降格圏外を維持できるといいのですが…。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.23 08:20 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】何とか両方無事に見られた…

▽「嫌疑が晴れて良かったわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜。バルベルデ監督の記者会見の内容を知った時のことでした。というのも、先月、ネイマールがPSGに移籍した穴を埋めるため、1億5000万ユーロ(約200億円/ボーナス込みの金額)という巨額移籍金を払ってドルトムントから獲得したデンベレが、先週末にコリセウム・アルフォンソ・ペレスでハムストリングを断裂…。いえ、今はカタールのアル・サッドでプレーするチャビ以来、バルサの選手たちが「en ese campo no se podía jugar/エン・エセ・カンポ・ノー・セ・ポディア・フガール(ここのピッチじゃプレーできない)」(デウロフェウ)、「Antes de empezar el partido ya vimos que estaba alto y seco/アンテス・デ・エンペサール・エル・パルティードー・ジャー・ビモス・ケ・エスタバ・アルト・イ・セコ(試合が始まる前から、芝が長くて乾燥していたのはわかった)」(デニス・スアレス)とアウェイのピッチコンディションに文句をつけるのはお約束のようなものなんですけどね。 ▽そこに運が悪くもデンベレが全治4カ月という重傷で、4年前にもネイマールがコリセウムの同じような場所で筋肉系のケガをしていることも重なって、その原因は整備責任者のヘタフェにあるんじゃないかと疑われてしまったんですが、バルベルデ監督は「No creo que tuviera una incidencia decisiva el estado del césped/ノー・クレオ・ケ・トゥビエラ・ウナ・インシデンシア・デシシバ・エル・エスタードー・デル・セスペッド(芝の状態が決定的だったとは思わない)」ときっぱり否定。曰く、「彼のように大きなケガをしたことのないサッカー選手は体に違和感があってもそれが何か、理解する経験に欠けている。自分もやったことがあるが、taconazo(タコナソ/ヒールキック)はもっとも大腿2頭筋に負担をかける動き。ベテランなら無理せず、ボールを見逃しただろう」とのことですが、え、だったら柴崎岳選手はどうして足首を痛めて途中交代してしまった? ▽それはヘタフェのボルダラス監督も「Ha sido el sólo. Ha notado una molestia grande en el pie/ア・シードー・エル・ソロ。ア・ノタードー・ウナ・モレスティア・グランデ・エン・エル・ピエ(1人でやったケガで、足がひどく傷むのに気づいた)」と言うだけで、まだ検査結果がクラブから発表されていないため、程度もわからないんですけどね。今のところ、木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタ戦に出られるかは微妙。当人も差し当たり、火曜のカンプ・ノウで日本代表の同僚、乾貴士選手がバルサにリベンジしてくれることを願うばかりかと思いますが…。まあ、こればっかりはねえ。金曜にはマドリッド勢の弟分の片割れであるレガネスを、それこそ乾選手のアシストからガルベスがヘッドを決めて1-0で破ったエイバルですが、デンベレの早期負傷交代はまったく影響なく、バルサがヘタフェに逆転勝ちしたことを考えると、あまり過度の期待を懸ける訳にもいかないかと。 ▽そう、その土曜の試合、「No estábamos jugando rápido y el campo no nos ayudaba porque el balón no corría/ノー・エスタバモス・フガンドー・ラピド・イ・エル・カンポ・ノー・ノス・アジュダバ・ポルケ・エル・バロン・ノー・コリア(ウチはスピードのあるプレーをしていなかった。ピッチもボールが走らず、助けにならなかった)」とバルベルデ監督は言っていましたっけ。そんな試合は40分、FKから始まって、ベルガラが頭で落としたボールを柴崎選手がエリア前からシュート。これが見事に決まって、ヘタフェが先制。私の隣に座っていた顔なじみのヘタフェ番女性記者など、「golazo(ゴラソ/スーパーゴール)って日本語でどう書くの?」とノートに綴った文字をスマホで撮るぐらいハシャイでいたものですけどね。 ▽チラホラとスタンドにいた日本人ファンも大喜びしていたんですが、後半はイニエスタをデニス・スアレスに代えてきたバルサが底力を発揮。ええ、ボルダラス監督は「ゴールの前にアントゥネスへのファウルがあった」と言いますが、51分にはセルジ・ロベルトがエリア内右奥からフリーのデニス・スアレスにラストパス。そのシュートが決まって同点に追いつかれただけでなく、83分には伏兵も登場したんですよ。それは中国の広州恒大から来たということでどこか、これまで過小評価されていた感のあったパウリーニョ。メッシからスルーパスをもらってエリア内に入り込むと、ジェネが邪魔するのをモノともせず、強烈な一撃でGKグアイタを破り、ブラジル代表の貫録で決勝点を挙げてしまったから、驚いたの何のって(最終結果1-2)。 ▽おかげで1部復帰ホームデビューだったセビージャ戦同様、土壇場の失点で引き分けを逃してしまったヘタフェですが、まだ先は長いですからね。ただコリセウムではこの日曜がビジャレアル戦、その次は各国代表戦を挟んで10月14日にレアル・マドリー戦と強敵が続くため、初勝利を掴むのはなかなか大変そうなんですが、その辺、アウェイのセルタ戦、デポルティボ戦で埋め合わせできるといいんですが…。 ▽その試合の後は知り合いの車に乗せてもらい、メトロ(地下鉄)7番線の途中の駅からエスタディオ・メトロポリターノで下車。キックオフ1時間程前にはスタジアムに着いた私でしたが、恐れていたような大混雑にも遭わず。というのもクラブや市当局が再三、早めの来場を勧告したり、隣接のメガオフィシャルショップを午前10時にオープンしたり、周辺に設けたファンゾーンでキッズパークやコンサートなどのアクティビティを昼間からやっていた甲斐があったんですかね。ビセンテ・カルデロンとお別れして3カ月余り、この日を待ちわびていたファンたちは午後7時の開門から三々五々、入場していったようです。帰りのメトロ入口が凄いことになっていたらしいのはともかく、スペイン国王フィリペ6世もパルコ(貴賓席)観戦したアトレティコの新しいホームでのマラガ戦を試合前のセレモニーから楽しむことができたのは非常に嬉しかったかと。 ▽まあ、始球式にクラブのレジェンド、ガラテとフェルナンド・トーレス、そしてカンテラ(ユース組織)の少年の3人が登場。パスを回して、先発ではなかったトーレスがベンチに戻るというのはご愛嬌でしたけどね。シメオネ監督も「Nunca vi una cosa igual. Las banderas flameando todas juntas/ヌンカ・ビ・ウナ・コーサ・イグアル。ラス・バンデラス・フラマンドー・トーダス・フンタス(同じことは見たことがない。全てのフラッグが一斉に振られていた)」と感動していたようですが、ただ、ボールが走り出すとそこにいるのはいつものアトレティコ。前半は開幕3連敗で腰が引けていたか、専守防衛のマラガをまったく崩せず、大いにイライラさせられることに。 ▽それどころか、38分にはアトレティコのカンテラ出身のボルハ・バストンに至近距離からシュートを撃たれ、「メトロポリターノの初ゴールを挙げるのはカンテラーノだといいね」と言っていたサウールの希望が皮肉な形で実現してしまうところでしたが、そこはGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で危機を回避。シメオネ監督もこのままだと先週火曜のCLローマ戦と同じになってしまうと恐れたか、後半開始からはガビ、コケ、サウール、トーマスのカンテラーノ4人の中盤を諦め、トーマスに代えてカラスコを投入したものの、その効果もすぐには見えなかったんですが…。 ▽ええ、丁度、テコ入れ第2弾として、「最初はちょっと変な感じで、ホームじゃなくて、何かの決勝を戦っているような感じだったけど、con la afición, con nuestras canciones...empezamos a notarlo nuestro/コン・ラ・アフィシオン、コン・ヌエストラス・カンシオネス…エンペサモス・ア・ノタールロ・ヌエストロ(ファンやボクらの歌…それで自分たちのホームだと気づき始めた)」というトーレスがライン際で出場を待っていた時でしたっけ。アトレティコが一瞬だけ、輝きを放ってくれたんですよ。 ▽それは60分、コレアがマラガのDFをかわしてエリア内奥から出したパスをグリーズマンが方向を変えたところ、やはりアトレティコのカンテラーノだったGKロベルトを破ってネットに突き刺さったから、それまで途切れなく応援していた場内がどんなに盛り上がったことか。ようやく虎の子の1点を手に入れた彼らはまあ、最後はまたオブラクに助けられたりもしたんですけどね。何とか最後まで1-0を保って、胸を張って試合後のイベントに臨めることに。 ▽え、選手全員揃ってvuelta de honor(ブエルタ・デ・オノール/ファンに感謝するピッチ一周)をしたり、その後はド派手な打ち上げ花火をしたりだなんて、トロフィーがないだけで、まるで優勝祝いみたいじゃないかって? そうですね、これで選手たちが満足して、今季は他に何もなしで終わってしまったりしたら困りますが、一応、殊勲のゴールで夏のマンチェスター・ユナイテッド移籍騒動や開幕ジローナ戦で退場、リーガ2試合に出場停止になってチームに迷惑をかけた件をチャラにしてしまった形のグリーズマンなど、「タイトルを祝えるよう、できることは全てやるよ。Todos tenemos ganas. Yo el primero/トードス・テネモス・ガナス。ジョ・エル・プリメーロ(皆がやる気だ。ボクが一番にね)」と意欲を見せてくれましたしね。 ▽その辺はまず、水曜午後午後8時(日本時間翌午前3時)からのアウェイ、ビルバオ戦で証明してもらいたいものですが、さて。日曜の練習にこのマラガ戦をケガで欠場したヒメネス、ヴルサリコが復帰したアトレティコは再び、ワンダ・メトロポリターノに戻って来る土曜に強敵セビージャを迎えるため、サン・マメスではローテーションが考えられますが、相手も日曜のラス・パルマス戦では1-0で負けてしまったものの、ビルバオはヨーロッパリーグに出場しているチームですからね。シメオネ監督もここは頭の悩ませどころでしょうか。 ▽そして翌日曜、セントロ(マドリッド市内中心部)に戻るまでメトロに30分近く乗らないといけないため、午前様になってしまった私が大寝坊をしてしまったのはレアル・マドリーの試合が夜の時間帯だったのもありますが、大丈夫。このソシエダ戦が出場停止処分5試合の最後となるクリスチアーノ・ロナウドが彼女のジョルジーナさんと前夜、古巣のスポルティングを見にリスボンに行ってしまおうと、マルセロも前節に退場して今回はお留守番になろうと、ベンゼマやコバチッチが負傷離脱中だろうと、クロースが軽いケガでお休みしようと、彼らには代わりになる選手がいるんです。 ▽その第一人者は、バレンシア戦に続いてドローに終わったレバンテ戦でベンチに入れていなかったのをジダン監督も深く反省したんでしょうかね。この日、初先発に抜擢されたCFマジョラルが序盤から躍動。ええ、18分にはセルヒオ・ラモスが敵DFに引き倒されながら、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を試みようとツマ先で上げたボールをかっさらい、先制点を決めているんですから、マドリーのカンテラーノもしっかりしているじゃないですか。 ▽ただ残念ながら、このリードは長くは続かず、10分後にはソシエダの右SBオドリオソラのクロスを左SBケビン・ロドリゲスがvolea(ボレア/ボレーシュート)。ボールがGKケイロル・ナバスの手をすり抜けて、スコアが同点となり、アノエタのゴール裏に設けられた簡易スタンドにいた応援団が前のめりになったため、看板が落ちてTVのカメラマンが骨折するなんて騒ぎにもなったんですが…。しかしマジョラルは35分の2点目にも貢献。うーん、どちらかというと、直前、再び同じ形でケビンのシュートがゴールバーを直撃、そこからカウンターでマドリーが攻め上がり、マジョラルがアセンシオに向けて出したラストパスをカットしようと突っ込んだのがこれまた、ケビンだったことの方が私には驚きだったんですけどね。 ▽エウセビオ監督も「彼についてはelogiar que haya llegado de una portería a otra para ayudar al equipo/エロヒアル・ケ・アジャ・ッジェガードー・デ・ウナ・ポルテリア・ア・オトラ・パラ・アジュダール・アル・エキポ(一方のゴールからもう一方のゴールにチームを助けるため、駆けつけたことを褒めるばかり)」と言っていましたが、その結果はオウンゴールという最悪な形になることに。加えて、このフランス人のカンテラーノは60分、イスコが自陣から出したパスを追うベイルと70メートルのガチンコで徒競争。時速35キロにも達するスピード自慢の相手に追い抜かれてしまい、最後はGKルリの頭を超えるシュートで3点目を奪われたとなれば、とてもその夜、マドリー戦初得点を祝う気にはならなかったに違いありませんって。 ▽結局、これで1-3と快勝したマドリーでしたが、何より良かったのは水曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、ホームにベティスを迎える前にベイルがゴールを挙げて、自信を取り戻してくれたこと。いえ、本人は昨今、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからpito(ピト/ブーイング)が聞こえてきても「そういうのはサッカーではよくあるし、コントロールはできない。ブーイングされないよう、練習しないとね」とあまり気にしていないようでしたけどね。ジダン監督も「Para mí esta no es todavía su mejor version/パラ・ミー・エスタ・ノー・エス・トダビア・ス・メホール・ベルシオン(私にとってはまだ、最高のバージョンじゃない)。もっと上手くできるのだから、辛抱してやらないと」と言っていましたが、それって、マドリーファンには一番ないものですよ。 ▽とにかく早々に復調してくれるに越したことはないんですが、一方のベティスも先週末、デポルティボにホアキンのdoblete(ドブレテ/1試合2得点)で2-1と勝利。キケ・ステイン新監督の下で徐々に進歩してきているようなので、マドリーも油断は大敵です。とはいえ、今度は先週のCLアポエル戦で2ゴールを挙げたロナウド、そしてマルセロ、クロースも出られますからね。ソシエダ戦で頑張ったマジョラルや左SBのテオなどは控えに戻る可能性が高いんですが、何せライバルのバルサは開幕4連勝で、アトレティコも同じですが、現在の勝ち点差は4。これ以上広がると先々、面倒なため、まずはガッチリ勝利を掴んでおかないといけませんよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.19 12:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】得点しなくちゃ始まらない…

「怖くないんだ」そんな風に私が驚いてしまったのは木曜日、2時間半もの長い練習を終え、グラウンドから引き揚げてきたボルダラス監督に次はバルサ戦だから、ドキドキしていると私が打ち明けたところ、「Un partido bonito/ウン・パルティードー・ボニート(美しい試合だ)。楽しみにしているよ」という答えが返ってきた時のことでした。いやあ、もちろんプロの監督さんですから、チームを勝利に導くため、強敵をあっと言わせるような戦略を練るなり、ウィークポイントを探すなり、弱気になっているヒマなどないのはわかりますけどね。2004年にヘタフェが最初に1部に上がった頃から、彼らを見ている私にはあまりバルサ戦でのいい思い出はなし。 ▽それもそのはずで、ここまでリーガ24試合ではたったの2勝だけ。シュスター監督時代の2007年コパ・デル・レイ準決勝ではカンプ・ノウでの5-2負けをコリセウム・アルフォンソ・ペレスで4-0と大逆転、初の決勝進出を果たしたなんてこともあったものの、その1stレグでメッシがマラドーナばりに何人ものDFをかわして決めたゴールは今でも当人の名ゴール集ビデオの定番ですし、実際、彼1人に17試合で18得点も挙げられているんですよ。この火曜にバルサが3-0で勝ったCLユベントス戦でも2ゴールと、大体、相手は開幕からリーガ3連勝の首位チーム。となれば、前節、ようやくマドリッドの弟分ダービーでレガネスを倒し、今季初勝利したばかりのヘタフェにはちょっと荷が重いかもと思ってしまう私はシビアすぎる? ▽ただ、とにかくメッシにボールがいかないようにして守り倒すしかないと悲観してしまう自分とは違い、バルダラス監督は攻撃は最大の防御と思っているんでしょうかね。その日のセッションでは全体練習が終わった後、柴崎岳選手も含む攻撃陣9人だけが残って、30分以上もシュートを特訓。レガネス戦ではアランバリ、アルバロ・ヒメネスのゴールがエリア外から決まったのに味をしめたか、パスを繋いで2列目から上がった選手が撃ったり、コーチの出すボールをエリア内で反転してシュート、5本決めた選手は終わりといったメニューをこなしていましたが、ちなみに日本人のカップル1組が見守る中、柴崎選手は3人目に上がっていましたっけ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20170915_20_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽うーん、最後まで残っていたのはアトレティコからレンタル中のアマトと控えCFのアンヘルだったのは何ですけどね。もちろん前日、金曜のスタジアム非公開練習では守備にも万全を期すはずですが、果たしてあのバルサに撃ち合いを挑んで勝算があるのかどうか。とはいえ、どこぞのチームももう少し、そういう得点力アップへ努力する姿勢を見習ってほしいと思ったのは事実だった訳で…。 ▽ええ、アトレティコです。月曜の記者会見ではシメオネ監督も「今のように努力を続けたら、遅かれ早かれCL優勝は達成できる」と力強いことを言っていたため、ローマ戦には私も期待していたんですけどね。いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)の有料チャンネルに何故か、その試合のメニューがなく、4試合が代わる代わる映るマルチチャンピオンズで見る破目になったのはともかく、寂しかったのはバイエルン、PSG、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシーと次々ゴールが決まっていくにも関わらず、待てど暮らせど、アトレティコの今季CL初得点の映像が届かなかったこと。 ▽いえ、中盤をガビ、トマス、コケ、サウルのカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)で固め、「ボールを奪って、敵MFのバックを取れるよう、jugue con esos cuatro centrocampistas/フゲ・コン・エソス・クアトロ・セントロカンピスタス(あの4人のMFを使ったんだ)。後半はスピードのある選手(コレア、カラスコ、ガイタン)でプレーのテンポを上げて、疲れた相手がついて来られないようにした」というシメオネ監督の作戦は見事に当たり、シュートだけなら20回も撃ったんですけどね。 ▽うち12回は枠内だったんですが、序盤にサウルのボールがポストをかすめたのに始まり、32分にはコケの至近距離からのシュートもDFマノレスにライン前でクリアされる始末。ビエットなどに至っては先日のバレンシア戦に続き、後半の絶好機にvaselina(バセリーナ/ループシュート)をGKアリッソンにそらされて、深刻なゴール入らない病の疑いがますます濃くなることに。 ▽そして極めつきは後半ロスタイム、CKからのサウルのヘッドがまたしてもアリッソンに弾かれてしまったのはまだしも、素早い反応で当人がこぼれ球をゴール前から蹴ったところ、ポストに当たって入らないって一体、どうなっている? 結局、そのまま試合はスコアレスドローで終わり、この夏、選手が大量に変わり、「ウチはまだ建設途上のチームだから」というディ・フランチェスコ監督は満足そうだったんですけどね。シメオネ監督も「Nosotros estamos creciendo, estamos mejorando, con pasos lentos/ノソトロス・エスタモス・クレシエンドー、エスタモス・メホランドー、コン・パソス・レントス(ウチは成長し、改善している。ゆっくりとだけどね)」と勝ち点3が取れなかったことにそれ程、失望はしていなかったんですが、いやいや。だって、CLグループリーグ2節でアトレティコはその日、カラバフに6-0と大勝したチェルシーを迎えるんですよ。 「ボクらはここまで全部アウェイ戦で物凄い努力を強いられてきながら、el equipo responde bien, falta meter gol, pero este es el camino/エル・エキポ・レスポンデ・ビエン、ファルタ・メテール・ゴル、ペロ・エス・エル・カミーノ(チームはいいリアクションをしている。ゴールが足りないけど、これが行くべき道だ)」なんて言っていたコケみたいな選手もいましたけどね。でも点が入らないと勝てないし、グループ2位以上で決勝トーナメントに行かないと、せっかく獲ったビトロ(今はラス・パルマスにレンタル中)も、ようやくチェルシーと交渉を始めたジエゴ・コスタが来ても宝の持ち腐れになるってわかっている? ▽え、ローマに勝てなかったのはここ2試合、リーガ戦出場停止でプレーできなかったグリースマンが先発しながら、その憂さを晴らすような活躍を見せてくれなかったせいもあるんだろうって? そうですね、その辺り真逆なのがお隣さんで、水曜にアポエルをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたレアル・マドリーではスペイン・スーパーカップ2ndレグでの退場で5試合の処分を受け、まだ今季リーガ戦に出場していないクリスチアーノ・ロナウドが大張り切り。前日、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を私が訪れた時は15分の公開時間でロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)しか見せてもらえなかったため、よくわからなかったんですが、敵の堅い守りに手を焼いていた前半、12分には早速、ベイルのラストパスを撃ち込み、先制点を挙げてくれるんですから、まったく羨ましい限りじゃないですか。 ▽ええ、それこそ「Es el mejor del mundo, siempre esta ahi, siempre mete goles/エス・エル・メホール・デル・ムンドー、シエンプレ・エスタ・アイー、シエンプレ・メテ・ゴーレス(彼は世界一の選手。常に必要な場所にいて、常にゴールを入れてくれる)」とジダン監督が言う通りなんですが、残念ながら後半すぐにゴールバーを直撃して、ライン上でバウンドしたシュートはホークアイの判定でゴールにならず。6分にはベイルのクロスをアポエルのロベルト・ラゴが腕に当ててもらったPKを決め、2点目を取った後、自身で走ってボールをセンターサークルまで運ぶ程、当人のハットトリック願望は高かったものの、終盤のゴールもオフサイドで認めてもらえなかったのはツイていなかったかと。 ▽ただ後半16分、マドリーには追加点が生まれていて、その殊勲者はセルヒオ・ラモス。中盤で敵からパスを受けた後、マルセロに繋いで自分もガンガン上がり、最後はベイルが頭で落としたボールをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)でゴールにするって、もうこの人、本当にDF? これにはジダン監督も「Yo no podia hacer eso, solo lo pueden hacer pocos/ジョ・ノー・ポディア・アセル・エソ、ソロ・ロ・プエデン・アセール・ポコス(私にはああいうことはできなかった。できるのは僅かな選手だけだよ)。セルヒオは普通、頭で決めるんだが、ちょっと妙なオーバーヘッドだったね」と苦笑いしていましたが、何はともあれ、これでスコアは3-0。おかげでセバージョス、マジョラルがCLデビューの機会をもらえることになりましたっけ。 ▽まあ、相手は試合後、ドニス監督からして「マドリーはウチの可能性の上を行くチーム」とあっさり敗北に納得していたようなアポエルなので、3-0で快勝も当然だったかと思いますが、実はネガティブなこともあって、いえ、馴染みの番記者たちが「きっとラモスは子供の頃、パパとビーチでオーバーヘッドの練習をしたみたいな話をしに出てくるぞ」と、ゴールの後、太もも前面に新たに刻んだ手紙のようなタトゥーを披露した理由を聞くのを期待していたにも関わらず、当人がミックスゾーンで止まらなかったことじゃありませんよ。1つ目は前半途中でクロースに交代したコバチッチが太ももの筋を部分断裂、全治2カ月の重傷だったこと。ローテーション政策をとるジダン監督にとって、持ち札が1枚減ってしまったことになりますが、もう1つ、この日はチームの3点全てに絡んでいたにも関わらず、ベイルにpito(ピト/ブーイング)をするファンがいたのも如何なものと。 ▽ええ、今季まだ1得点で決して本調子とは言えない彼ですけどね。現在、ベンゼマも1カ月の負傷離脱、もう1人のCFマジョラルはここぞという時に頼りにするには経験が足りないという事情があるこの時期、ホームのサポーターが選手のやる気を削ぐような真似はしない方がいいのでは? 何せ今週末、日曜のレアル・ソシエダ戦では出場停止最後の試合でロナウドが再び出られず、更に前節レバンテ戦で退場したマルセロも上訴委員会のおかげで試合数は1つになったものの、サン・セバスティアン(スペイン北部のビーチリゾート、ソシエダのホームタウン)には行けず。その上、バルサ同様、開幕3連勝で首位に並んでいるソシエダは木曜のヨーロッパリーグ・グループリーグ1節ローゼンボリ戦にも4-0と大勝してノリノリですからね。 ▽1節でトッテナムに3-1負けと予想外の結果を出したドルトムントを訪れるCL次戦のことはまだ考えなくてもいいものの、バレンシア、レバンテと2試合連続で引き分けて、リーガではすでに永遠のライバルと勝ち点差が4もついてしまったマドリーですし、たとえ、弟分のヘタフェが渾身の力を振り絞って、土曜の午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでバルサを倒してくれたとしても、日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合で自身が勝たなければ、まったく意味がありませんって。 ▽一方、そのヘタフェvsバルサ戦の後、土曜の午後8時45分から、ワンダ・メトロポリターノのこけら落としでマラガを迎えるのがアトレティコなんですが、いえ、選手たちは木曜に初めて新スタジアムのピッチで練習できて嬉しそうでしたけどね。試合観戦の梯子をする予定の私は今から戦々恐々。というのも当局から、スタジアムへは公共交通機関を使い、混雑を見越して2時間前には着くようにとの通達が出ていると聞いたから。 ▽うーん、確かに私も初めての会場ではゲートがわからず、気がついたら一周していたという経験が多いため、早めに着きたいんですが、ヘタフェ(マドリッド郊外)から、セルカニアス(国鉄近郊路線)とメトロ(地下鉄)を乗り継いで、最寄り駅のエスタディオ・メトロポリターノまでの所要時間は1時間越え間違いなし。タクシーもスタジアム付近の渋滞に巻き込まれる心配が大きいですし、何とかスムースに移動できることを祈るばかりかと。これって、今季はまたマドリッドの1部チームが4つになった弊害でもあるんですが、記念のオープニングマッチで3試合ぶりにアトレティコがゴールを挙げる姿を見逃したらと思うと、もう気が気ではありません。 ▽そうそう、最後に今節、レガネスは金曜にアウェイでエイバル戦なんですが、開幕から4試合中3試合が金曜開催って、ちょっと可哀そうすぎ。それでも前節はヘタフェに負け、初黒星を喫したものの、まだ勝ち点6でマドリッド勢一番上の5位にいますからね。先週はセビージャに3-0と完敗したエイバルですが、あちらは水曜のCLでリバプールと2-2で引き分けたくらいレベルの高い相手。決して乾貴士選手のいるチームが弱い訳ではないため、決して油断をせず、いい結果をイプルア(エイバルのホーム)から持ち帰ってくれるといいのですが。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.15 16:53 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールが入らない日もある…

▽「このままじゃ独走されてしまう」そんな風に私が怯えていたのは日曜日、リーガ第3節も5-0でエスパニョールとのダービーに快勝と、開幕3連勝中のバルサがマドリッドの両雄に順位表で勝ち点4差をつけて首位にいるのを見た時のことでした。いやあ、カンプ・ノウではアルゼンチン代表が来年のW杯に出場できるかできないかの瀬戸際にいる憂さを晴らすが如く、メッシがハットトリックを挙げ、スタンドは「Nobita Dimision!/ノビタ・ディミシオン(ドラえもんののび太/バルトメウ会長のあだ名、辞めちまえ)」という大合唱。経営陣と選手たちの仲が最悪と言われ、メッシやイニエスタの契約延長問題にも決着がつかないでいる彼らなんですけどね。 ▽逆に片やこの夏、すでに2つもスーパーのつくタイトルを獲得し、世間からは近年最高のチームと絶賛され、ペレス会長も「Zidane es una bendicion del cielo/ジダン・エス・ウナ・ベンディシオン・デル・シエロ(ジダンは天からの恵みのようなものだ)」と、かつてのギャラクティコ選手がギャラクティコ監督に成長してくれたことに大満足を示しているレアル・マドリー。そのお隣さん、アトレティコだって先日、シメオネ監督と2020年まで契約を再延長し、新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノのオープンまであと1週間という、良い時期にあるはずなんですけどね。どちらも先週末は結果が出せず、ここまで1勝2分けで勝ち点5留まりとなれば、私が先行きを不安に思ってしまったとしても仕方ない? ▽いえ、話は順番にしていかないといけません。この各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間のこと)明けの3節は金曜、レガネスvsヘタフェというマドリッドの弟分ダービーから始まったんですが、予想通り、互いのスタジアムが5キロ程しか離れておらず、長年のライバルながら、リーガ1部では初の対決とあって、ブタルケ(レガネスのホーム)は物凄い盛り上がりを見せることに。試合の展開も互いに押したり引いたり、拮抗していたんですが、前半38分、敵エリア内からクリアされたボールをボランチのアランバッリが豪快にシュート。これが「A todos nos ha sorprendido, ha sido fantastico/ア・トードス・ノス・ア・ソルプレンディードー、ア・シードー・ファンタスティコ(皆、ビックリしたし、素晴らしかったよ)。30メートル離れたところからで、GKは何もできなかった」とボルダラス監督も驚くゴールになったから、場内には200枚程のチケットしか売ってもらえなかった、その日のユニは赤かったものの、azulones(アスロンネス/青い奴ら、ヘタフェとそのファンの愛称)の歓声だけが響き渡ることに。 ▽とはいえ、後半は気を取り直したアシエル・ガリターノ監督のチームが反撃を開始。ええ、当日の朝、ファイル(モロッコ)やジェネ(トーゴ)ら同様、監督と話し合って先発出場を決めたという日本代表から帰還したばかりの柴崎岳選手も後で「良いモチベーションを持っていたし、しっかりやろうと思っていた」は言ってはいたものの、やはり疲れが出てしまったんでしょうね。当人がアルバロに交代した後の21分、ヘタフェは、ディエゴ・リコの2度のシュートを放たれると、GKクエジャールが弾き返したものの、ゲレーロのシュートが3度目の正直となって、とうとうホームチームに同点を許します。おまけにその6分後にはアントゥネスがエリア内でガブリエウを倒し、レガネスにPKを与えられたため、スタンドの大多数はその夜だけでも、3連勝でリーガ首位に君臨する、レガネスのビッグな姿を夢見たものだったんですが…。 ▽それまでも好セーブを連発していたヘタフェのGKグアイタがゲーレロのシュートを弾いてしまったから、驚いたの何のって。レガネスの選手たちも気持ちは同じだったようで、そのまま引き分けても首位にはなれたんですが、38分にはCKからヘタフェのアルバロに、エリア外からのシュートを決められてしまい、試合は1-2で終了。ヘタフェにとって、喉から手が出る程欲しかったリーガ復帰初勝利という結果になりました。そうは言っても勝ち点6あるレガネスはマドリッドの兄貴分たちの上にいますしね。また金曜試合となる次節では乾貴士選手のいるエイバルを訪問と、しばらく同格チームとの対戦が続くため、1敗ぐらいでめげることはまったくありませんって。 ▽一方、ヘタフェは土曜にバルサをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎え、それからもセルタ、ビジャレアルと、ちょっとネーム的には格上に見えるチームとの対戦となるんですが、幸いなのはカタルーニャ州のクラブ以外、どちらもまだリーガで1勝のみと、エンジンがかかっていないこと。メッシが絶好調のバルサだって、今週火曜にはユベントスとのCLグループリーグ初戦があるため、疲れて上京してくるかもしれませんしね。ビジャレアルもヨーロッパリーグが始まって、やり繰りが大変になるはずなので、とりあえず9月は10位以内ぐらいを維持できれば、残留への道筋をつけていけるのではないでしょうか。 ▽そして翌土曜、午後1時というアジアン・コールデンタイムにレバンテをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたのがマドリーだったんですが、ジダン監督もこれまでローテーション政策が非常に上手くいっていたため、ちょっと過信しましたかね。水曜にCLのアポエル戦もあることを考慮したか、各国代表戦で遠方から戻って来たケイロル・ナバス(コスタリカ)やモドリッチ(クロアチア)をベンチ外にし、マルコス・ジョレンテとテオ・エルナンデスが今季初めて先発に入ったんですが、前半12分にサプライズに襲われることに。 ▽ええ、後でゴール前での争奪戦でカルバハルを出し抜いてゴールを決めたイヴィも「Es una jugada ensayada, porque sabemos de la fuerza de Ivan Lopez en el saque/エス・ウナ・フガダ・エンサジャーダ、ポルケ・サベモス・デ・ラ・フエルサ・デ・イバン・ロペス・エン・エル・サケ(あれは練習したプレー。ボクらはイバン・ペレスがスローインに強いのを知っていたからね)」と言っていたんですが、まさか、昨季は2部の絶対王者だったとはいえ、昇格組のレバンテに先制されてしまうとは! ▽ただ、それだけなら時間もまだ十分ありましたし、心配することもなかったんですが、想定外だったのは28分にベンゼマが1人で太モモの筋を伸ばしてしまい、全治1ケ月のケガで交代を余儀なくされたから、さあ大変!でもねえ、その日、モラタ(チェルシー)とマリアーノ(リヨン)の移籍で今季の控えの中で唯一のCF、マジョラルをスタンド見学にしてしまったのはジダン監督のミスだったかもしれませんが、代わりに入ったのはベイルですよ。ピッチにはスペイン代表のルーカス・バスケスやアセンシオもいましたし、そんな贅沢な状況に一体、誰が文句を言えるというのでしょう。 ▽実際、35分にはクロースのCKをセルヒオ・ラモスが「Ramos entra como un animal y con fuerza muy arriba, cualquier contacto con el hacia irte al suelo/ラモス・エントラ・コモ・ウン・アニマル・イ・コン・フエルサ・ムイ・アリバ、クアルキエル・コンタクトー・コン・エル・アシア・イルセ・アル・スエロ(ラモスはアニマルのように突っ込んできて、とても高いところでも力がある。彼と接触すれば、誰だって倒れるしかないよ)」(GKラウール)という勢いでカンパーニャを潰しながらヘッド。これは弾かれたものの、こぼれたボールをルーカス・バスケスが押し込んでマドリーは同点に追いついいたんですが、その日、本当に欠けていたのはツキだったかと。 ▽だってえ、ベイルも何度かシュートを撃っていましたし、後半にはイスコやコバチッチを投入。41分にはマルセロがラウールにセーブされた後、もつれて倒れたレルマを蹴ったため、レッドカードをゲット。クリスティアーノ・ロナウド、ラモスに続く、今季3人目のキャプテン退場となって、1人少なくなったため、完全に根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)の舞台は整ったと、私など思ったんですけどね。奇跡の男、ラモスも最後は前線に残ってFWとしてプレー、ロスタイムにはクロースのエリア外からのシュートが近いところまで行ったんですが…ポストに弾かれ、試合は1-1のまま終了し、「La clave es ilusion y trabajo/ラ・クラベ・エス・イルシオン・イ・トラバッホ(鍵は夢と努力だった)」(ムニョス監督)というレバンテの前にホームで勝ち点2を落とすという、代表週間前のバレンシア戦と同じ躓きをしてしまうことに。 ▽え、その結果を知りながら、次の時間帯で勝利を掴めなかったアトレティコだって十分、間抜けじゃないかって? まあ、そうなんですが、こちらはアウェイのメスタージャですし、火曜のCLローマ戦を前にゴディンやガビを温存したのはあまり関係なかったんですよ。バレンシアもシュートが枠内に飛ばず、GKオブラクの手を煩わすシーンはほとんどなかったんですが、最大のチャンスに大空高く撃ち上げてしまったビエットを始め、自分たちも点を取れなければ答えは簡単。ゴールレスの引き分けです。 ▽ただ、ジダン監督が「Tenemos que jugar major/テネモス・ケ・フガール・メホール(ウチはもっと上手くプレーしないといけない)。より効率的にゴールを決めないと」と反省、テオなども「Necesitamos a Cristiano para que meta goles/ネセシタモス・ア・クリスティアーノ・パラ・ケ・メタ・ゴーレス(ゴールを入れるため、クリスティアーノが必要だ)」とあと1試合、リーガの出場停止が残っているエースを恋しがっていたのと対照的にアトレティコの方は試合後、「Hemos hecho un buen futbol/エモス・エッチョー・ウン・ブエン・フトボル(ウチはいいサッカーをした)」(フィリペ・ルイス)と妙に楽観的。 ▽確かに「チャンスも作ったし、ゴールが足りなかっただけ。今週はFIFAウィークだったんだから、FWたちを辛抱して見守らないと。そのうち入るよ。練習すれば良くなるはずさ」というのは正論ですが、ちょっと待って!今回、アトレティコの前線で各国代表に行っていたのはグリーズマン(フランス)とカラスコ(ベルギー)のみ、先発したコレア、ビエット、そして後半に入ったフェルナンド・トーレス、ガメイロ、ガイタンは2週間、ずっとマハダオンダ(マドリッド近郊)でトレーニング漬けだったのを忘れていない? ▽まあ、マルセリーノ新監督も「マドリーにもアトレティコにも負けなかったのは特筆に値する。Va a ser muy dificil ganarnos/バ・ア・セル・ムイ・ディフィシル・ガナールノス(ウチに勝つのは難しくなるだろう)」と言っていた通り、良い補強選手も入ったバレンシアが昨季よりずっと強くなったのはわかりましたけどね。「El peor momento hasta ahora es el primer tiempo en Girona/エル・ペオール・モメントー・アスタ・アオラ・エス・エル・プリメール・ティンポー・エン・ジローナ(今まで最悪だったのはジローナでの前半だけ)」というシメオネ監督の言葉ももっともなんですが、要はそれが響いての1勝2分け。うーん、来週土曜の次節マラガ戦はいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでプレーすることができますが、選手たちも初めてのスタジアムとあって、まだホームゲームという感覚が持てないかもしれないのがちょっと怖いです。 ▽え、それよりもう、アトレティコはローマ遠征の準備で大変なんじゃないかって?そうですね、日曜にリハビリセッションをした彼らは月曜には機上の人に。シメオネ監督はアルゼンチン代表でケガをして帰って来たアウグスト以外、21名全員を連れ、火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、スタジオ・オリンピコでの1節に挑みます。何せ、間の悪いことに相手は同じ土曜開催予定だったセリエAのサンプドリア戦が天候不順で順延、体力の消耗なしでプレーできますからね。リーガで2試合出場停止だったグリーズマンが準備万端なのは心強いですが、果たしてゴールは入るのかどうか。彼らのグループにはチェルシーもいるため、あまり取りこぼしができないのは辛いところですよね。 ▽そしてグリーズマン同様、代表戦から1週間おいて、最高のコンディションでロナウドが復帰するのが水曜のマドリーなんですが、何せこちらは相手がキプロスのアポエル。しかもホームとあって、勝利は当然、むしろ何点取れるかの方が気になるぐらいで、むしろ彼らにとって頭痛の種は日曜のレアル・ソシエダ戦かと。そう、ロナウド、ベンゼマ、そして下手したら2試合以上の処分が下りかねないマルセロも欠場するためで、その上、バルサと並んで唯一、開幕3連勝をしているチームとのアウェイゲームですからね。ソシエダも木曜にELローゼンボリ戦があって、日程的にはむしろ不利なぐらいとはいえ、こんな時こそ、イスコやアセンシオが真価を発揮してくれないと困ってしまう? とはいえ、リーガ4節はまだ先、とりあえず今はヨーロッパの大会の開幕を楽しみに待つことにしましょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.11 17:49 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】スタジアムが遠い…

▽「やっぱり近づけないのね」そんな風に私が愚痴っていたのは木曜日、アトレティコの新しいホームに一番近いメトロ(地下鉄)のエスタディオ・メトロポリターノ駅メインエントランス・オープニングセレモニーの後、階段を上がればそこにスタジアムがあるというのに、まだ工事中だからとマスコミもファンも即座に駅舎内に押し戻されてしまった時のことでした。いやあ、ここ数日は完成した豪華なロッカールームをビデオ(http://www.atleticodemadrid.com/videos/asi-es-el-vestuario-del-primer-equipo-en-el-wanda-metropolitano)で紹介したり、ピッチの芝張りも終わったりと、こけら落としとなる16日のマラガ戦に向け、準備は着々と進んでいるようなんですけどね。 ▽どうにも怪しいのは駐車場や周辺道路へ繋がる道で、セレモニーに出席したマドリッド州知事のシフエンテ氏が「グリースマンには是非、ほんの数タッチでゴールまで行ける、このライン7の駅を使ってもらいたいわ」と笑いと取りつつ、試合前後の時間には列車を3分間隔で運行して、大混雑にも対応できることをアピール。更に徒歩15分程のライン2(イメージキャラはゴディン)のLas Rosas(ラス・ロサス/スペインサッカー協会施設があるのはLas Rozas)駅やライン5(同トマス)のカニジェハス駅の利用をファンにくどい程、お勧めしていたのはやっぱり、まだ自家用車では入れないから? ▽まあ、私などは車も持っていないため、メトロしか選択肢がないですし、セレモニーではこの2週間、じっくりマハダオンダ(マドリッド近郊)で練習していたガビやフェルナンド・トーレスはともかく、代表戦に駆り出されていたコケ、サウル、グリースマンが元気そうなのを確認できただけで満足だったんですけどね。火曜に昨年、2018年までに一旦減らした契約年数を2020年まで再延長、週末は彼女と娘さんを連れてパリのディズニーランドで楽しんできたシメオネ監督も姿を見せていたものの、彼らは午後の練習に備えて早々にライトバンに乗って撤収。 ▽最後はセレソ会長の「No podemos fichar hasta enero/ノー・ポデモス・フィチャール・アスタ・エネロ(ウチは1月まで選手を獲れない)が、それまでにジエゴ・コスタや他の選手が来ることはありうる」という今週、ようやくロンドンに戻ったらしいチェルシーのFWの古巣復帰を仄めかすようなコメントを聞いてお開きとなったんですが、うーん、それにしてもワンダ・メトロポリターノの近隣にはあまりに何もなさすぎ。屋台ぐらいは出るとしても、ビセンテ・カルデロン時代は早めにスタジアムまで行って、近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)で士気を高めていた大勢のファンたちは一体、どうするんでしょうかね。 ▽え、それより今週あったスペイン代表のW杯予選2試合目がどうだったか知りたいって?そうですね、火曜のリヒテンシュタイン戦は予想通りの展開で、何せ相手の選手は半分がセミプロですからね。「Tratamos de tener variantes ofensivas ademas de la calidad de los jugadores/トラタモス・デ・テネール・バリアンテス・オフェンシバス・アデマス・デ・ラ・カリダッド・デ・ロス・フガドーレス(選手たちの質だけでなく、攻撃的オプションを増やしたかった)」というロペテギ監督の意向で、チームは先日のイタリア戦からスタメン4人を変更。コケ、カルバハル(レアル・マドリー)はベンチ外でアセンシオ(マドリー)、ジョルディ・アルバ(バルサ)が控えとなり、モラタ、ペドロ(チェルシー)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、モンレアル(アーセナル)が入ってDF3人体制って随分、強気じゃないですか。 ▽ただ実際、それで困るような場面はまったくなく、開始3分にシルバ(マンチェスター・シティ)のFKをセルヒオ・ラモス(マドリー)が頭で決めて先制したスペインは、15分にも今度はビジャ(ニューヨーク・シティ)の負傷離脱で背番号7を取り戻したモラタがこれもシルバのクロスをヘッドしてゴール。その1分後にはGKジェーレ(バルダール)が蹴り損ねたボールをエリア内で奪ったモラタがイスコ(マドリー)に繋いで3点目が入ることに。更に39分にはシルバがFKを直接、ネットに突き刺してしまったとなれば、ロペテギ監督ももう誰をキッカーにしていいか、途方に暮れてしまったかも。その直後、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が珍しくミスをして、ジェーレ同様、エリア内で敵にボールを渡してしまったんですが、シュートはしっかりセーブしている辺り、やっぱり雲泥の実力差ですよね。 ▽後半はラモス、シルバの2008年から2012年まで続いたスペイン黄金期を支えたベテランがナチョ(マドリー)とイアゴ・アスパス(セルタ)に代わったんですが、それでもgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は止まりません。ええ、6分にはモラタのヘッドがゴールバーに弾かれて落ちたところをアスパスが押し込み、その3分後にはアスパスがお礼のスルーパスでモラタをアシスト。当人もW杯行き当確ラインぎりぎりにあるのはわかっているんでしょうかね。「Me llevo muy bien con Morata tambien fuera y eso ayuda/メ・ジェボ・ムイ・ビエン・コン・モラタ・タンビエン・フエラ・イ・エソ・アジュダ(モラタとはウマがピッチ外でもウマが合う。そういうのは助けになるね)」(アスパス)と、ジエゴ・コスタが怠けている間にエース候補ナンバーワンに昇格したFWと相性がいいことを強調していましたが、彼は17分にも弾かれたペドロのシュートを撃ち直して自身2点目をゲット。 ▽最後は44分、イスコと交代したデウロフェウ(バルサ)のシュートが敵DFに当たってオウンゴールになったため、昨年の対戦と同じ0-8という大勝になったんですが、こうもレベルが違うとねえ。リーガ1部のチームと2部Bのチームが当たるコパ・デル・レイ32強対戦以上の差があるように見えましたが、幸いこの試合ではケガ人は1人もなし。イエローカードをもらったブスケツ(バルサ)が累積警告となり、10月にアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート都市)で行われるアルバニア戦を欠場となるのはちょっと痛いですけどね。同日イスラエルに勝った2位のイタリアは1-0止まりだったため、勝ち点差3のままでも得失点差が17に拡大。ええ、もうこうなるとW杯進出まであと1勝でいいってことじゃないですか。 ▽おかげで試合後はキャプンのラモスなど、「Te mentiria si te diria que no veo a este equipo haciendo algo importante/テ・メンティリア・シー・テ・ディリア・ケ・ノー・ベオ・ア・エステ・エキポ・アシエンドー・アルゴ・インポルタンテ(このチームが何か大きなことを成し遂げられないなんて言ったら、ウソになる)」と黄金期再来を予感しているようでしたが、まあ本大会はまだまだ先ですからね。私ももう1度、スペインの優勝を見られたら嬉しいものの、2014年ブラジル大会のようにいきなりグループリーグ敗退になったりすることもあるため、今のところは生ぬるい目で見守っていくことにしましょうかね。 ▽そしてその晩はチューリッヒに泊まり、翌日にはマドリッド組、バルセロナ組、その他イギリス、イタリア組と分かれて選手たちもそれぞれのクラブに戻ったんですが、今週の私はラス・ロサス(マドリッド近郊)の代表練習見学がなくなったため、この金曜に1部では初となる弟分ダービーを迎えるレガネスをチェック。いえ、夏の間、全面運行停止していたメトロのライン5がようやく動きだしたため、アルーチェ駅前から何本も出ているバスを使って、簡単に練習場のインスタラシオン・デポルティバ・ブタルケに行けるようになったというのもあるんですけどね。火曜はあっさり着いたと思いきや、練習はスタジアムで非公開だったり、翌日は施設の入り口が開いておらず。仕方なく広い敷地の外をグルリと一周しないといけなかったりと、チャレンジするたび何が起こるのは私とレガネスの相性が悪いのかも。 ▽ただ新しいプレハブのロッカールームやジムがすぐ側にできたそのグラウンドは日焼けが避けられないヘタフェとは違い、木陰から見学できるため、かなり快適で、更に練習を終えた選手が普通に歩いてくるので、ファンが写真やサインを頼み放題というのは同じ。とはいえ、この夏には13人が退団、11人を補強したレガネスですからね。誰が誰か見分けるのが難しいんですが、その日のセッションでアシエル・ガリターノ監督は念入りにセットプレーを指導。木曜の記者会見ではヘタフェのボルダラス監督も「A balon parado hizo los dos goles, hay que tener cuidado/ア・バロン・パラードー・イソ・ロス・ドス・ゴレス、アイ・ケ・テネール・クイダードー(セットプレーで2ゴール挙げているから、注意しないといけない)」と言っていように、開幕2試合をFKとCKからの得点で勝っている彼らとしては、長所により磨きをかけたかったのかもしれません。 ▽加えてレガネスでは移籍市場最終日に獲得したFWアラバマット(ワトフォードから移籍)がヘタフェのファジルと一緒にモロッコ代表参加しており、来週月曜までチームに合流しないため、大幅な攻撃力アップは望めませんからね。まだ1分け1敗で1部復帰後、白星を飾っていないヘタフェには他に柴崎岳選手、ジェネ(トーゴ)と代表から帰って来たばかりの選手がいるため、ボルダラス監督は「Confiamos que de aqui a manana puedan estar al 100 %/コンフィアモス・ケ・デ・アギー・ア・マニャーナ・プエデン・エスタル・アル・シエントー・ポル・シエン(明日までには100%になってくれると信じている)」と言っていたものの、金曜午後9時(日本時間翌午前4時)キックオフのブタルケ(レガネスのホーム)ではスタメン変更も多分にあるんじゃないでしょうか。 ▽ちなみにガリターノ監督は現役時代、ボルダラス監督の指揮下でプレーして、一緒にコーチングスタッフとして働いていたこともあるため、このダービーは師弟対決でもあるんですが、最後にマドリッドの両雄の今週末の試合について触れておくことにすると。ブラジルのW杯予選2戦目を出場停止になったマルセロを皮切りに、木曜朝にコスタリカからケイロル・ナバスがバラハス空港に着いて、ようやく17人の各国代表選手が全員帰還したマドリーはこの3節、土曜の午後1時(日本時間午後8時)というアジアゴールデンタイムでレバンテ戦をプレー。ポルトガル代表ではフェロー諸島戦でハットトリックの大活躍、0-1で辛勝したハンガリー戦でもアシストで貢献したクリスチアーノ・ロナウドはまだ出場停止処分が続いているんですが、その分、来週水曜のCLグループリーグ開幕戦、キプロスのアポエルをサンティアゴ・ベルナベウに迎える試合で爆発してくれる可能性が高い? ▽ただ今回の相手、レバンテもリーガ初戦に勝って、2節のデポルティボ戦で2-2の引き分けと、paron(パロン/リーガの停止期間のこと)直前にバレンシアと2-2のドローで終わったマドリー共々、現在の勝ち点は4と見た目は拮抗。とはいえ、スペイン代表で大車輪の働きだったイスコがジダン監督のローテーションでお休みしても、アセンシオやルーカス・バスケスなどはリヒテンシュタイン戦に出ていませんからね。フランス代表から遠ざかっているベンゼマもバルデベバス(バラハス空港の近く)でじっくり調整できたようですし、昨季、ヘタフェ同様、レバンテを1年で1部復帰に導いたムニョス監督は「No vamos a ir a sacar fotos ni a pedir camisetas/ノー・バモス・ア・イル・ア・サカール・フォトス・ニ・ア・ペディール・カミセタス(ウチは写真を撮るためやユニ交換を頼むために行くんじゃない)。勝ち点3を懸けて競いに行く」と言っているものの、かなり厳しいものがあるんじゃないでしょうか。 ▽そして同じ土曜、こちらは午後4時15分(日本時間11時15分)から、この開幕アウェイ3連戦の最後としてバレンシアに赴くアトレティコも木曜にはメンバーが勢揃い。唯一、アルゼンチン代表に行っていたアウグストだけが試合に出てもいないのに太ももをケガするという不運に遭っていますが、中にはガーナ代表のコンゴ2連戦で4得点1アシストを記録してきたトマスのように急にゴールづいてしまった選手もいるのは心強いかと。何せ、こちらもグリースマンが2試合目の出場停止処分をこなさないといけないため、メスタジャではトーレス、コレア、ガメイロ、ビエット頼りになりますからね。シメオネ監督もトマスに結構、期待しているかもしれません。 ▽え、アトレティコは1節のジローナ戦を2-2で引き分け、ラス・パルマス戦に1-5で勝って4ポイント、バレンシアはラス・パルマスに1-0で勝って、マドリーに劣勢から追いついてのドローで4ポイントとなると、勢い的には両者互角の戦いが見られるんじゃないかって?そうですね、今季からマルセリーノ監督体制となり、GKネト(インテル)、MFマクシモビッチ(アスタナ)、コンドグビア(インテル)、ペレイラ(マンチェスター・ユナイテッド)、グアデス(PSG)、DFムリージョ(インテル)、パウリスタ(アーセナル)と精鋭7人を補強して、ここ2年間の不振から脱却しようと、相手も気合が入っていますからね。 ▽それだけにジローナ戦での教訓をラス・パルマス戦で生かしたアトレティコでしたが、この2週間のうちにまた忘れているんじゃないかというのだけが、私の心配の種。おまけに来週火曜にはCLグループリーグ初戦でローマに遠征ですし、以降も9月は日程が詰まっているため、ちょっと大変なんですが、まだまだシーズンは始まったばかり。補強ができず、メンツに変わり映えがないのはちょっと寂しいものの、何とか、お隣さんやバルサのペースに遅れず、ついていってもらいたいものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.09.09 12:15 Sat
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