【原ゆみこのマドリッド】優勝だけがまだ決まらない…2017.05.16 16:39 Tue

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▽「まさかバックれたのでは」そんな風に私が呆れていたのは日曜。いよいよ残り2節となり、キックオフがunificacion/ウニフィカシオン(統一)されたカードが一斉に終わった時のことでした。いやあ、とりあえず、順位以上の物が懸かっていたため、この時間帯にプレーしたマドリッドの3クラブは一応、それぞれの目標を達成。これまでなら、サンチャアゴ・ベルナベウのスタンドでオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の3元中継をドキドキして聴いたはずの私も今回はまだ、最終節という持ち札がありましたし、アトレティコもレガネスもあと勝ち点1で上がりとハードル的には低かったため、比較的、穏やかに過ごすことはできたんですけどね。

▽それでも聞き捨てならなかったのは、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)で試合をしていたアトレティコがフェリペ・ルイスに続き、ヒメネスまでボールを手でシュートするという愚行を犯し、前半にイエローカードをゲット。これで切りよく両者共5枚目となり、今週末のリーガ最終戦、それも新スタジアムへ移転のため、51年の歴史にピリオドを打つビセンテ・カルデロン最後の公式戦で累積警告って、もう今季はリーガ終了後に何かの大会の決勝もありませんからね。一刻も早くバケーションに入りたい気持ちもわかりますが、折も折。ゴディンが3試合の出場停止で一足早くシーズンを終え、ファンフラン、ヴァルサリコもケガが治らないまま、トップチームのDFがサビッチとリュカだけって、まさか相手のアスレティックにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)されるという結果になっても、優しいファンは拍手でお別れしてくれると思っている?

▽まあ、その辺はシメオネ監督が何とか辻褄を合わせてくれることを祈るしかありませんが、まずはその37節の試合がどうだったか、お伝えすることにしましょうか。私が見に行ったレアル・マドリーは、アトレティコとCLグループリーグ出場権をもらえる3位を争っているセビージャとの対戦だったんですが、ジダン監督は今回、ABチーム混合のメンバーをピッチに送り出すことに。それでモラタやハメス・ロドリゲス、アセンシオ、コバチッチらがクリスチアーノ・ロナウドをサポートするような形で先発したんですが、9分、意外にも先制点を挙げたのはこの日、マルセロの代理で左SBに入ったマルチDFナチョでした。

▽キッカケはアセンシオが敵エリア前でファールを受けたことだったんですが、そこで目を離してしまったのは、「Nosotros queríamos ponernos en la barrera y creo que pedimos barrera al arbitro./ノソトオス・ケリアモス・ポネールノス・エンラ・バレラ・イ・クレオ・ケ・ペディモス・バレラ・アル・アルビトロ(ボクらは壁を作りたくて、審判に頼んだと思う)」(ヨベティッチ)というセビージャの選手たちも私も同じ。そこへアセンシオが敵に助けられてようやく立ち上がっているのを横目に、「He visto que todo el mundo estaba descolocado y ante esa indecisión he estado el más listo/エ・ビストー・ケ・トードー・エル・ムンドー・エスタバ・デスコロカードー・イ・アンテ・エサ・インデシシオン・エ・エスタードー・エル・マス・リストー(皆、まだ位置取りをしていなくて、決めかねていた状況で自分が一番、利口だった)」とナチョがさっさとFKを蹴り、ネットに入ったボールがゴールとして認められてしまったから、ビックリしたの何のって。

▽いえ、もちろん油断したセビージャも悪いですし、障害物がないのにそんな距離からのシュートを外す選手もいるため、正確に決めたナチョは偉いんですけどね。それでも若干、天下のマドリーにしてはせこい感じが…。絶好のFKゴールのチャンスをフイにされたロナウドが怒ってないか心配されたんですが、大丈夫。23分にはハメスの一撃がGKセルヒオ・リコに弾かれたところを押し込んで、当人が2点目を入れてくれます。

▽これで助かったのは後半早々、ヨベティッチがゴールを挙げ、相手が2-1と差を詰めてきたせいで、うーん、前半の彼は2度もゴール枠に阻まれたり、GKケイロル・ナバスに弾かれたりと、すでに得点していない方がおかしいくらいのノリでしたからね。今季1月からセビージャに加入、ここまで6ゴール、うちマドリー戦3試合で3点となると、まさに天敵と言っていいかと思いますが、きっとジダン監督もそれには同感だったんでしょう。60分に差し掛かるころにはハメスとモラタに代え、カセミロとルーカス・バスケスを投入。さらにはモドリッチも入れ、中盤をAチーム体制にして逃げ切りを図ることに。

▽というか、実際カセミロが入ったことにより、結果的にマドリーはより攻撃の形が作れるようになったんですけどね。ええ、77分には自由に上がれるようになったクロースがエリア内から折り返したラストパスをロナウドが決めて3点目を奪うと、84分にもまるでデ・ジャブのように今度はナチョの折り返しからクロースがゴール。結局、最後は4-1と快勝したため、並行してプレーしていたバルサがネイマールのハットトリックなどで、奇しくも同じ1-4でラス・パルマスに勝っていたのにも煩わされることはなかったかと。

▽おまけに彼らの次の試合はいよいよ、順延されていたセルタ戦で、ここで勝ち点を奪えば、しばらく直接対決の結果でバルサの後塵を拝していた状態を脱し、堂々、首位に返り咲けますからね。とりわけ現在、先週木曜にはマンチェスター・ユナイテッドを前にヨーロッパリーグで準決勝敗退したばかり。2月のコパ・デル・レイでも準決勝でアラベスに負け、コパ優勝=来季EL出場権獲得の目が無くなっていた上、EL優勝=来季CL出場権獲得に目がくらみ、このところ週末の試合を疎かにしていたツケが回って、日曜のアラベス戦も含めて5連敗と、リーガ順位でのEL出場チャンスからもすっかり遠ざかるという、尾羽打ち枯らしているチームが相手となれば、ローテーション政策のおかげで体力も十分なマドリーがどうして負けるはずがありましょう。

▽え、そういうセルタを見ていると、同じダブル準決勝敗退だったアトレティコも非常に哀れに思えてこないかって? いやあ、ベティス戦後にコケが「Sólo nos han eliminado el Madrid en Champions y el Barcelona en Copa del Rey/ソロ・ノス・アン・エリミナードー・エル・マドリッド・エン・チャンピオンズ・イ・エル・バルセロナ・エン・コパ・デル・レイ(CLではマドリー、コパではバルサだけがウチを破ることができた)」と威張っていたのは、一番大事な問題から目をそらしているような気がしないでもないんですけどね。あと2試合の時点でビクトル・サンチェス監督からアレクシス・トルヒージョ監督に交代、最後のホームゲームでファンに報いたいと熱望していた相手から、形はともかく、何とか勝ち点1をもぎ取ったのは賞賛に値するかと。

▽そう、後でシメオネ監督も「Había un cansancio tremendo en los futbolistas/アビア・ウン・カンサンシオ・トレメンドー・エン・ロス・フットボリスタス(選手たちは途方もなく疲労していた)」と言っていましたが、水曜のCL準決勝2ndレグで慣れないremontada(レモンターダ/逆転劇)を試みて、やっぱり柄じゃないことは叶わず。精神的ショックが大きい上、お隣さんと違って、ほぼ同じメンバーで戦ってきたため、さすがに体力自慢のアトレティコとはいえ、ここにきて限界が。そのため、試合はほぼベティスに攻められっぱなしとなり、挙句の果てに57分、セバジョにgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまったんですが、この日はツキが味方してくれたんです!

▽66分、コケのFKを押し込んだサビッチはオフサイドの位置にいただけでなく、ボールが落ちる前、これもヒメネスに続いて意味がわかりませんが、ジャンプしたサウルが手で触っていたにも関わらず、1点としてスコアボードに挙がってくれたんですから、こんなにありがたいことがあっていい? その後、「sabíamos que el empate nos valía y hemos jugado con eso/サビアモス・ケ・エル・エンパテ・ノス・バリア・イ・エモス・フガードー・コン・エソ(引き分けでOKなのはわかっていたから、それ前提でプレーした)」(コケ)アトレティコはこの試合でサモラ(リーガで失点率が一番低いGKに与えられる賞)レースのトップに躍り出たオブラクの活躍もあり、そのまま1-1のドローをゲット。

▽まあ、結局セビージャが負けたため、必要はなかった訳ですが、「今季は出足が悪く、10、11月には誰もがウチは順位争いから脱落したと思っていたのに、estamos llegando al final otra vez terceros/エスタモス・ジェガンドー・アル・フィナル・オトラ・ベス・テルセーロス(また最後に3位になった)」(シメオネ監督)のは素直に褒めてあげるべきかと。おかげで収容人数がアップしたワンダ・メトロポリターノで客入りの悪いELを戦うこともなく、華々しくお別れ試合をした後、恥を忍んで8月のCLプレーオフのためにビセンテ・カルデロンを使う必要もなく、ここ5年連続、ファンに9月からCLグループリーグを堪能してもらえますからね。

▽となると、ここは私もすでにエアチケットも目を覆わんばかりに高騰、宿に至っては街が小さいため、カーディフ市内に取ることもできなくなっているというCL決勝に行くお金と手間を今年は節約できたといい方向に考えて、マドリッド南部から北東部にホームが移り、きっと風水的にも良くなっていると信じたい来季に期待するばかり。最後の気掛かりは日曜にはビジャレアル、レアル・ソシエダとEL圏内5~7位(ただし7位はコパでバルサが優勝した時のみ出場)の順位を争っているアスレティックと残念でない試合をしてくれるか、6月にFIFA処分がCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定で解け、この夏にマドリーやバルサに対抗できる才能のある選手を補強、ローテーション可能に持っていけるかどうかですが…いや、これはまだ取らぬ狸の皮算用です。

▽そして先週末、どこより頑張ってくれたのはレガネスで、ええ、その来週マドリッドに来るアスレティックから、相手のホーム、サン・マメスで引き分けを勝ち取ってしまったんですから、この新弟分、意外と見上げた根性をしているじゃないですか。いえ、ベルナベウに私がいた前半、アドゥリスに先制ゴールを奪われ、降格を争っているスポルティングがエイバルにリードしているという報が入って来た時にはちょっと心配になったんですけどね。後半16分にはシマノフスキがヘッドで同点とし、最後は1-1と、こちらもマストだった勝ち点1と獲得できることに。

▽うーん、後でアシエル・ガリターノ監督などは「No me gusta festejar las permanencias, porque creo que hace más pequeños a los equipos/ノー・メ・グスタ・フェステハール・ラス・ペルマネンシアス、ポルケ・クレオ・ケ・アセ・マス・ペケーニョス・ア・ロス・エキポス(私は残留を祝うのは好きではない。チームをちっぽけにするから)」と、ちょっと恰好つけていましたけどね。実際、その虎の子の1点を守ろうと、終盤の彼らは何人もの選手がこむら返りを起こす程、必死でプレーしなければならなかったとなれば、本当に紙一重で降格を回避できたのかも。

▽何せ、その日はビジャレアルとスコアレスドローに持ち込んだデポルティボも17位で残留を決めましたが、勝ち点33というのはいまだかつてない低い数字だそうですからね。16位のレガネスもそれより1つ多いだけと、決して自慢はできませんが、その日は勝ったにも関わらず、降格となってしまったスポルティングを反面教師として、来季はもっと早い段階から勝利を積み上げていくようにしてほしいものです。

▽そんなレガネスは土曜に最終戦、アラベスをブタルケに迎えて残留決定祝いとなりますが、まず今週は水曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタvsマドリー戦に注目。故郷コロンビアのラジオではすでにマンチェスター・ユナイテッドと移籍で合意ができてきると報じられ、セビージャ戦でベルナベウのファンたちにお別れをしていたようだったハメスや、ジエゴ・コスタの後釜にとコンテ監督に乞われているというモラタなど、もうマドリーでは見納めになってしまう選手もいるかもしれませんし、幸い他の試合もないですしね。どう転んでも優勝は日曜のマラガ戦を待たないことには決まらないとはいえ、久々に私も心おきなくマドリーを応援できるのは嬉しいですね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】勝ってもまだ安心はできない…

▽「マドリッドより暑いとは」そんな風に私が驚いていたのは金曜日、スペイン代表がW杯中のベースキャンプにしているクラスノダール(ロシア南西部)の気温が37度もあると、現地からの生中継で聞いた時のことでした。いやあ、今年はちょっと遅めだったんですが、1週間程前からようやくマドリッドも真夏モードに突入。30度を超えるようになったため、冷房のない部屋で試合を見ているのが自分も辛くなってきたとはいえ、あの涼しそうなイメージのあるロシアでまさか、プレシーズンキャンプ並の猛暑に選手たちが耐えているとは! ▽いえ、イラン戦のあったカザンから戻った翌日、セルヒオ・ラモスとルーカス・バスケス(レアル・マドリー)がマイナス100度近い小部屋に入って凍結療法を受けていたのは、別に暑さでバテたせいじゃないと思いますけどね(http://www.sefutbol.com/dentro-soportaran-sergio-ramos-y-lucas-vazquez-temperaturas-100o)。午前中、先発組はジムでのリハビリトレ、控え組はグラウンドでの練習を終えた後、イアゴ・アスパス(セルタ)、アスピリクエタ(チェルシー)、ナチョ、アセンシオ(マドリー)、サウール(アトレティコ)、オディオソラ(レアル・ソシエダ)らなどは合宿先のFCクラスノダールのユース施設で日光浴(http://www.marca.com/futbol/seleccion/2018/06/21/5b2bd3bb268e3e312e8b45bd.html)と24時間のフリータイムを満喫していたようですが、こんなノンビリしていられるのもグループリーグ2戦目で勝利を掴めたおかげだったかと。 ▽4年前、オランダとチリに連敗して、2試合ですでに敗退が決まってしまったブラジル大会からすれば、天と地の差ですが、幸いキャンプ地のクリチバが低気温でサルバドールやリオ・デジャネイロで暑さに苦しんだ当時とは気候も真逆。来週月曜に決勝トーンナメント進出の懸かった最終戦が行われるカリニングラード(ロシア北西部)など、13度とプレーしやすい気温のようですし、おまけに相手は初戦で終盤のオウンゴールでイランに、2戦目も開始早々、クリスチアーノ・ロナウド(マドリー)がCKからヘッドで今大会4得点目を挙げたポルトガルに、どちらも1-0で連敗してすでにグループ敗退が決定。となれば、引き分けぐらいには何とか、持ち込めるんじゃないかと思うんですが…。 ▽え、あまりマドリッドがW杯で盛り上がっていないようなのは今回もスペインが、あの国際メジャータイトル3連覇を果たした黄金期、2008~2012年程の強さを見せてくれていないからじゃないのかって?うーん、バルセロナや他の都市ではあるようですが、オープンエアに大型スクリーンを設置してのバプビックビューイングゾーンがグループリーグ中、市内にないのはおそらく、たった3試合で終わった前大会の苦い経験からなのかもしれませんけどね。今回は中継がオープン放送で皆、自宅で試合を見られてしまうため、スペイン戦以外の時間帯はセントロ(市内中心部)のバル(喫茶店兼バー)も静かなものでしたが、まあそれは置いておいて。 ▽というのも水曜のイラン戦、彼らはケイロス監督率いるイランの超守備的プレーに大苦戦。その対策は一応お、イエロ監督も考えて、ポルトガル戦の先発からコケ(アトレティコ)とナチョを外し、「左サイドはイスコ(マドリー)で優位になるようにして、右サイドはルーカス・バスケスとカルバハル(マドリー)でオープンにプレーさせる」というスタメン変更をしたんですけどね。相手は10人全員が自陣で守っている上、前半のうちから次から次へと選手がピッチに倒れ、スローインにもGKキックにも延々と時間かけているって、サンティアゴ・ベルナベウやワンダ・メトロポリターノに来た下位チームじゃあるまいし、世界中に放送されるW杯ではかなり珍しい光景だったかと。 ▽おかげでイラついたジエゴ・コスタ(アトレティコ)など、なかなかボールを蹴らないGKベイランバンドに詰め寄り、つま先を踏みかけて相手が転倒。VAR(ビデオ審判)による退場勧告が主審に入るんじゃないかとドキドキしたものでしたが、当人も後で「Hay tantas camaras que no puedes hacer el tonto/アイ・タンタス・カマラス・ケ・ノー・プエデス・アセール・エル・トント(あれだけTVカメラがあるんだから、バカな真似はできないよ)」と言っていた通りセーフ。事なきを得ましたが、何せカザン・アレーナ(ルビン・カザンのホーム)のスタンドは相手サポーター1万5000人に対し、決勝トーナメントまで出控えているのか、スペイン人1000人という大劣勢でしたからね。スコアレスドロー狙いの時間稼ぎにpito(ピト/ブーイング)が出る訳もなく、場内にはイラン人たちが持ち込んだ南アフリカ大会を思い出させるブブセラが響き渡るばかりでしたっけ。 ▽そんな状態でしたから、後半も辛抱して敵エリアを囲みながら、チャンスを伺うしかないのかと、私もハーフタイム中はあまり楽観的になれなかったんですが、スペインにツキが回ったのは再開して間もなく、9分のこと。いえ、イニエスタ(ヴィッセル神戸)が送ったスルーパスを受けたコスタは2人のDFに挟まれて、シュートを撃つスペースがなかったんですけどね。レザエイアンがクリアしようとしたボールが彼のヒザに当たり、ゴールを割ってしまったから、これをラッキーと言わず何と言う? ▽ただねえ、これでようやく先制点を奪った彼らでしたが、そこからイランの猛反撃が始まったんですよ。初戦でのミスもあり、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が忙しくなるのも怖かったんですが、16分など、FKからエザトラヒのシュートがゴールに入ってしまったから、さあ大変!イランの選手たちはもちろん、団子になって喜んでいましたが、ちょっと待って。「El asistente ha pitado el fuera de juego, el VAR lo ha confirmado/エル・アシステンテ・ア・ピタードー・エル・フエラ・デ・フエゴ、エル・バル・ロ・ア・コンフィルマードー(線審がオフサイドを取っていて、VARがそれを確認した)」と後でピケ(バルサ)も説明していたようにフラッグが上がっていたため、その場は追いつかれずに済んだんですが…。 ▽いやあ、どうも最近のスペインはボールをキープして守ることが昔のように上手くできなくなったようで、ええ、初戦も最後にロナウドにFKを決められて、3-3のドローに持ち込まれていましたしね。この日もイニエスタをコケにして中盤を固めようとしたんですが、それまで羊の皮をかぶっていたイランにいつゴールを奪われるか、試合終了の笛が鳴るまでどんなにヒヤヒヤしたことか。実際、リフレッシュにアセンシオ(マドリー)やロドリゴ(バレンシア)が入っても追加点には繋がらなかったんですが、0-1でも勝ちは勝ち。これでその日、先にモロッコを下して勝ち点4としたポルトガルと並び、得失点差、総得点でも同じだったため、イエローカードが1枚少ないというフェアプレー基準差とはいえ、グループ首位に立てたのは良かったかと。 ▽まあそのフェアプレーは試合後、「Iran practica el antifutbol/イイラン・プラクティカ・エル・アンティフトボル(イランのサッカーはアンチサッカーだ)」と批判していたカルバハルにケイロス監督が、「Que Carvajal le diga eso a Ramos, que dejo a Salah sin Mundial/ケ・カルバハル・レ・ディガ・エソ・ア・ラモス、ケ・デホ・ア・サラ・シン・ムンディアル(カルバハルはそれをラモスに言ったらいい。彼はサラ(リバプール)からW杯を奪った)」と反論していたのとはまったく関係ないんですけどね。実は1位で勝ち抜けた方がいいのかどうかは微妙で、というのも16強対決で当たるグループAではすでに進出2チームが決定。 ▽サウジアラビアに5-0と大勝した後、サラのいるエジプトも3-1で下した開催国ロシアが1位、ルイス・スアレス(バルサ)のゴールでサウジアラビアを破って2連勝したウルグアイが2位なんですが、両者が最終節で対戦するため、あちらもどちらが首位になるのか。ウルグアイにはキャプテンのゴディンとヒメネスのアトレティコCBコンビがいるため、チームメートのコスタが苦労しそうというのもありますし、ルイス・スアレスやカバーイ(PSG)を擁する相手の前線とデ・ヘアが対戦するのはちょっとお勧めできないかも。 ▽まあ、それも月曜午後8時(日本時間翌午前3時)キックオフのモロッコ戦、同じ時刻に行われるイランvsポルトガル戦の結果次第。勝ち点3のイランにもまだ突破の可能性があるため、ポルトガルも簡単には勝てないかと思いますが、アシャフ(マドリー)やアムラバット(レガネス)、ファジル(ヘタフェ)ら、マドリッド勢が大会を去る前にここまで見せてきたいいサッカーを結果に結びつけたいと張り切っているモロッコに、まだ先発見直し中のスペインが足元をすくわれたりしないといいんですが。 ▽そして翌木曜はグリーズマンとリュカ(アトレティコ)、そしてバラン(マドリー)のいるフランスがエムバペ(PSG)のゴールでペルーに1-0で勝利、2連勝で決勝トーナメント進出を決めるのをネットでチェックしながら、私は久々に遠出。というのもマドリッド勢弟分のレガネスが珍しいことに、メトロ(地下鉄)で行けるcentro commercial(セントロ・コメルシアル/ショッピングセンター)、Sambil Outlet(サンビル・アウトレット)にあるオフィシャルショップで2018-19シーズン用ユニフォーム(54.99ユーロ/約7150円と85~140ユーロ/1万1000~1万8000円のマドリーやアトレティコよりかなり安い))のプレゼンをすると聞いたからですが、シマノフスキとレガネスBのカンテラーノ、女子ユースの選手がモデルで登場し、イベントが行われている間も近くにあるキッズスペースでは子供たちが走り回っていたのはご愛敬だったかと。 ▽ちなみに「Me ha tocado porque no había otro en Madrid estos días/メ・ア・トカードー・ポルケ・ノー・アビア・オトロ・エン・マドリッド・エストス・ディアス(ボクがやることになったのは今の時期、マドリッドには他の選手がいなかったから)」とジョークを言っていたシマノフスキは昨季、ケガで半年を棒に振り、手術後の今もなるたけ早くチームのプレシーズンに合流できるようリハビリ中。休暇もイビサ(地中海にあるリゾートアイランド)に5日間行っただけだったそうですが、何せ毎年、多数入れ替わるレガネスには現在、13人しか選手がいないそうですからね。レアル・ソシエダへ行ってしまったガリターノ監督の後任、ペジェグリーノ監督の到着も7月とあって、彼も早く家に帰って、クロアチアに挑む母国アルゼンチンを応援したかったのでは? ▽ええ、それは私も同じ気持ちで近所のバルに寄って試合の後半を見ることにしたんですが、いやあ、まさかクロアチアがあんなに強いとは!GKカバジェーロ(マンチェスター・シティ)のゴールキックミスをvolea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込んだラビッチ(アイントラハト・フランクフルト)はともかく、やはりお店にはマドリーファンが多かったんでしょうね。モドリッチ(マドリー)のミドルシュートが決まった時には歓声が上がっていましたし、逆にメッシがラキティッチ(バルサ)にゴール前でボールをクリアされてしまった際には拍手も出ていたって、いえ、どちらもバルサなんですけどね。ロスタイムにはそのラキティッチも決めて、とうとう0-3で1位突破してしまうんですから、何とも恐ろしい。 ▽逆にグループリーグ敗退の危機に陥ったアルゼンチンでは、先制点をプレゼントしてしまったカバジェーロを始め、「Nosotros trabajamos todo el tiempo para que la pelota le llegue a Messi/ノソトロス・トラバハモス・トードー・エウ・ティエンポー・パラ・ケ・ラ・ペロータ・レ・ジェゲ・ア・メッシ(ウチはボールをメッシに届けるため、常に努力している)」というサンパオリ監督の偏った戦術の失敗や、そのメッシ本人の無気力にも見えるプレーぶりに批判が集まっていたんですけどね。「彼は凄い選手だけど、en el futbol hay que tener ayuda/エン・エル・フトボル・アイ・ケ・テネール・アジュダ(サッカーでは助けがないといけない)」(モドリッチ)というのは本当ですから、この日は上手く彼をボールから遠ざけた相手の作戦勝ちだったかと。 ▽ただ驚かされたのはこの試合の後、次男のジャンルカ君がプロデビューする試合を見るため、現在チリに滞在中のシメオネ監督と”モノ”・ブルゴス第2監督の私的な会話がマスコミに漏れたことで、曰く、「メッシはいい選手だが、素晴らしい選手たちと一緒にプレーするからいいんだ。Si tenés que elegir entre Messi y Ronaldo para un equipo normal, ¿a quién elegirías?/シー・テネス・ケ・エレヒル・エントレ・メッシ・イ・ロナウド・パラ・ウン・エキポ・ノルマル、ア・キエン・エレヒリアス(普通のチームのために選ぶとしたら、メッシとロナウド、どちらを選ぶ?)」って、うーん、アトレティコにはロナウドでしょうか。 ▽もちろん、そんなお金もありませんし、グリーズマンの契約延長も決まったため、別に来なくていいんですが、確かにスペイン戦のハットトリックもモロッコ戦の決勝点もロナウドには1人でやり遂げてしまった感がなきにしろあらず。ただ、そうは言ってもメッシも昨年のW杯南米予選最終節で3得点を挙げ、アルゼンチンを本大会にねじ込んでしまったという実績がありますしね。来週火曜のナイジェリア戦は何が起こるか要注目。 ▽大まかに言うと、彼らが勝って、アイスランドがクロアチアに引き分け以下なら突破できるそうですが、何せ、日曜には乾貴士選手(ベティス)や柴崎岳選手(ヘタフェ)の再度の活躍が期待される日本vsセネガル戦も控えていますしね。グループリーグが終わるまであと1週間、私がTVをつけっぱなしにしている日々もしばらく続きそうです。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.06.23 13:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】お馴染みの選手たちが目立っている…

▽「これは意外な偶然」そんな風に私が息を飲んでTVの画面を見つめていたのは日曜日、ロシアで開催中のW杯グループリーグ初戦でスイスと1-1だったブラジルが後半ロスタイム、ほぼ最後のプレーでネイマール(PSG)がFKを蹴った時のことでした。いやあ、彼は直接ゴールを狙わず、レナド・アウグスト(北京国安)の撃ったシュートもシェル(デポルティボ)に足でそらされて、試合もそのまま引き分けで終わったんですけどね。前日、アイスランドに追いつかれ、やはり終盤にいい位置からのFKで勝ち越し点ゲットのチャンスがあったアルゼンチンのメッシ(バルサ)も壁に阻まれ、白星を掴むことはできず。 ▽となると、スペイン戦の終盤、ここぞとばかりにFKをねじ込み、ポルトガルに勝ち点1をもたらしたクリスチアーノ・ロナウド(マドリー)がこの3人の中で最高の貢献をしたことになりますが、それだけでなく、これまでの試合はマドリッド勢の選手たちがゴールづいているのが印象的。ええ、土曜にオーストラリアに2-1で勝ったフランスではグリーズマン(アトレティコ)がVAR(ビデオ審判)により確定したPKを決めていますし、同日、ナイジェリアを2-0で下したクロアチアの2点目もモドリッチ(マドリー)のPKから。 ▽大体、お昼ご飯(スペインのランチタイムは午後2~4時)を食べながら、TVを見ていた金曜だって、ウルグアイが終盤にヒメネス(アトレティコ)のヘッドで1点を取って、サラ(リバプール)が最後まで出なかったエジプトに勝利。キャプテンを務めるゴディンと共に栄えあるヨーロッパリーグ王者のCBコンビの優秀さを確認しちゃいましたからね。その後、いくら私でも一日中、サッカーを見ている訳にはいかず、スペインと同じBグループのモロッコvsイラン戦は結果をチェックするだけに留めたんですが、どうやらこちらもロスタイム5分にモロッコがオウンゴールを献上。0-1でイランが勝って、もう10年以上前ですが、レアル・マドリーの指揮官も務めたこともあるケイロス監督が胴上げされていたりと、それなりにドラマチックな結末だったよう。 ▽そしていよいよ午後8時、マドリーの新監督に就任することが発表されたロペテギ監督を2日前に電撃解任、それまでスポーツ・ディレクターを務めていたイエロ氏が陣頭指揮を執ることになったスペインのW杯初戦が始まったんですが、予想通り、先発には前監督の選んだと思われるメンバーが並びます。とはいえ、おそらく選手たちも急転直下の展開に戸惑っていたんでしょうかね。ロナウドを先頭にスピードカウンターをかけてくる相手に守備陣の後退が遅れ、前半3分には右SBに入ったナチョ(マドリー)がペナルティを犯してしまったから、参ったの何のって。 ▽いえ、ドリブルでエリア内に入ってきたロナウドを倒したといっても、当人も「Yo se que le toco, pero intento quitar la pierna/ジョ・セ・ケ・レ・トコ、ペロ・インテントー・キタール・ラ・ピエルナ(相手に触ったのはわかっているけど、自分は足を引こうと思っていた)」と言っていたようにそれ程、無茶苦茶した訳ではなかったんですけどね。後でマンチェスター・ユナイテッドでチームメートだったこともあるピケ(バルサ)など、「Cristiano es propenso a tirarse/クリスティアーノ・エス・プロペンソ・ア・ティラールセ(クリスチアーノにはダイブする傾向がある)」なんて批判していまたしたが、この時はVARも介入せず、ポルトガルにPKが与えられることに。 ▽当然、キッカーはロナウドが務め、序盤早々、先制点を奪われてしまったのには私も一瞬、「2014年ブラジル大会1戦目、オランダに1-5で惨敗した時以上の恐ろしい結果になったらどうしよう」と怖くなったんですが、大丈夫。24分、ジエゴ・コスタ(アトレティコ)がやってくれたんですよ!そう、先日のチュニジアとの親善試合と同じようにブスケツ(バルサ)がセンターからロングパスを送ったところ、スペインの前線には彼1人しかいなかったにも関わらず、ペペ(ベシクタシュ)を振り払うとフォンテ(大連一方)を数度に渡ってかわし、シュートを決めてしまうって、こんな強引なゴールがあっていい? ▽もちろんこれには相手の腕が首に当たりながら、顔を抑えて倒れたペペには同情しなかったか、審判がコスタにファールの笛を吹かなかったというラッキーもあったんですけどね。同点になったおかげでスペインも落ち着きを取り戻し、数分後にはイスコ(マドリー)のシュートがゴールバーを叩いてライン上に落ちるなんてこともあったんですが、残念ながらこちらはホークアイの判定でゴールにならず。それでもポゼッションもいつものように高くなりましたし、気長にパスを回していけば、いつかはまたチャンスが来るはずと思っていたところ…。 ▽まさか、あと少しでハーフタイムという時にGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)があんなミスをしてくれるとは!うーん、実は先日ビジャレアル(スペイン南東部)で行われたスイスとの親善試合でもリヒトシュタイナー(ユベントス)のシュートをキャッチできず、リカルド・ロドリゲス(ミラン)の同点ゴールを招いて批判を浴びていた彼だったんですけどね。その際は「本番でミスするより、この試合で良かった」と当人も大して気にしていなかったものの、ロナウドがエリア前から撃ったシュートを「Llego tarde a plantar la rodilla y este balon es jodido/ジェゴ・タルデ・ア・プランタール・ラ・リディージャ・イ・エステ・バロン・エス・ホディードー(ヒザをつくのが遅れたけど、あのボールは最低だ)」(デ・ヘア)と、手で弾いてゴールに入れてしまうって一体、どうなっている? ▽実際、再びリードされてしまったのは時間的にもスペインの選手たちに大打撃だったはずなんですが、この逆境にモノを言ったのは彼らの精神力の強さ。ロッカールームでどういう会話があったかはわかりませんが、後半9分、FKのチャンスを手に入れると、ロペテギ監督の下で練習したセットプレーの妙技を披露してくれたんですよ。ええ、シルバ(マンチェスター・シティ)が短く蹴ってから、コケ(アトレティコ)が戻し、今度はエリア右奥に上げたボールをブスケツが頭で落としたところ、突っ込んだのはまたしてもコスタ。 ▽ゴール前から押し込んで2-2の同点にしてくれたんですが、いやあ、こうも2人の相性がいいと、せっかく企業家精神旺盛なピケがどちらに転ぶかわからないにも関わらず、所有するプロダクションでドキュメンタリー番組を制作。当人も放送当日まで知らなかった「Me quedo/メ・ケド(残留する)」というグリーズマンの宣言で、半年以上続いたバルサ移籍騒動にやっと決着がつきながら、今度はコスタにラブコールが来ちゃうかも。 ▽そんなことはともかく、これで勢いを取り戻したスペインはその3分後、イスコのシュートが敵DFに当たり、エリア外に出たボールをナチョが全身全霊を込めてシュート。何とこれが罪滅ぼしの勝ち越しゴールとなった時にはあまりに話ができすぎで、私も呆気に取られてしまったものですが、その頃にはトレードマークのティキタカ(短いパスを繋ぐスペインのサッカースタイル)を自在に展開していた彼らですからね。 ▽イニエスタ(ヴィッセル神戸)がチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)に、30分過ぎにはコスタがイアゴ・アスパス(セルタ)に、更にシルバがルーカス・バスケス(マドリー)にという、これもロペテギ前監督が敷いた既定路線のような交代もつつがなく行われ、そのまま逃げ切れるかと思われたものの…ポルトガルには約1名、決して諦めない選手がいたんです! ▽それはもちろんロナウドで42分、エリア近くでピケが不用心にも彼をファールで倒したのが運の尽き。いえ、PKとは違い、直接FKがゴールになる確率はあまり高くないんですけどね。その日のロナウドは最高に冴えていたのか、蹴ったボールはスペインの壁を巻くと、デ・ヘアが一歩も動けない位置に突き刺さるって、物凄い執念じゃありませんか。これでスコアは3-3の引き分け、まさしく「ellos han tirado tres veces a puerta, y metido tres goles/エジョス・アン・ティラードー・トレス・ベセス・ア・プエルタ、イ・メティードー・トレス・ゴーレス(相手は3度枠内に撃って3点取った)」(ピケ)という結末でしたが、前代未聞のゴタゴタがあったばかりの初戦、ここは負けなかっただけで良しとしましょうか。 ▽え、それでもこの試合でスペインでは大会前には想像もしなかった議論が巻き起こっているんだろうって?そうですね、一番の懸念だったスタメンFWの問題は母国ブラジルではなく、2重国籍を取って鞍替えした2014年のW杯では、その直前にアトレティコの一員としてお隣さんに挑んだCL決勝でケガを再発させたせいもあったんですけどね。まったく活躍できず、チェルシー在籍時の2016年ユーロでは招集を見送られていたコスタが、「yo tengo que trabajar y callar bocas/ジョ・テンゴ・ケ・トラバハール・イ・カジャール・ボカス(自分は働いて世間を黙らせないといけないんだ)」という決意の下、CFにふさわしい2ゴールを挙げてくれたことで解決したんですけどね。 ▽無視できないのはこのところ、頻発するデ・ヘアのチョンボで、もちろん、「Somos una familia y somos un equipo/ソモス・ウナ・ファミリア・イ・ソモス・ウン・エキポ(私たちは家族でチームだ)。誰1人、放り出したりはしない」というイエロ監督を始め、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)も「En mi equipo siempre De Gea/エン・ミ・エキポ・シエンプレ・デ・ヘア(ボクのチームにはいつもデ・ヘア)」とツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/1007921243553783808)でフォローしていたんですけどね。某TV局でW杯の解説をしている彼のクラブでのボス、モウリーニョ監督も「彼はウチの選手だが、あれはひどいミスだと自分でもわかっているはずと言うのは心が痛む。素晴らしい活躍を見せた昨季のマンチェスター・ユナイテッドではやらなかった」と話していたんですが、不幸なのはそれがイングランドでパフォーマンスだということ。 ▽そうなるとスペインのファンの目に触れる機会が少ないのは当然で、私も代表以外、彼がプレーする試合を見たのはせいぜい、ベン・イェデルに2発浴び、チームが敗退してしまったCL16強対決セビージャ戦2ndレグぐらいですし、アトレティコ時代はもう遥か昔の7年前。その後はクルトゥア(チェルシー)が2年連続、ここ3年間もオブラクがサモラ(リーガで1番失点率が低いGKに与えられる賞)を独占するような秀逸ぶりですから、比べようもないんですけどね。おかげでここ数日は2戦目からはやはり、普段のプレーぶりをあまり知られていない第2GKのレイナ(ナポリ)をすっ飛ばし、この1月にはマドリー移籍寸前までいったケパ(アスレティック)を先発させるべきという声がスペインのファンから聞こえてくることに。 ▽まあ、今のところ、実現性は低いと思いますけどね。ポルトガル戦後、チームはソチ(ロシア南西部のビーチリゾート)から飛行機で45分のクラスノダールに戻り、翌日は控え組だけがグラウンドでセッションを行い、午後から日曜午後5時までフリータイムを楽しんだ選手たちでしたが、次の試合は水曜午後8時(日本時間翌午前3時)から、カザンでのイラン戦。何せ、相手は初戦に勝ってグループ首位に立っていますが、人員的にスペインが優位なのは火を見るよりも明らかですからね。次もケガが治ったばかりのカルバハル(マドリー)を温存して、今度こそ攻撃的右SBオディオソラ(レアル・ソシエダ)を起用するかもなんて意見も聞こえてきますが、それは見てのお楽しみ。 ▽同日、ポルトガルが先に、アクラフ(マドリー)が左SBとなって、右SBを務めていたアムラバット(レガネス)がサンクト・ペトロスブルクでの試合で頭を打ち、休場予定のモロッコに大勝したりすると、ちょっとプレッシャーがかかったりするかもしれませんが、ここまでGKケイロウ・ナバスが1失点に泣いたコスタリカはともかく、マルセロとカセミロ(マドリー)のいる優勝候補のブラジルが引き分けたり、全大会王者のドイツなんて、クロース(マドリー)の奮闘も空しく、メキシコに0-1で敗戦。何かと一筋縄でいかないのがW杯ですからね。とりあえず、得点力があることはわかったんですから、スペインもグループリーグ期間中はロペテギ監督前監督の残したプランと選手たちの団結力を信じて、前に進んでいくしかないんじゃないでしょうか。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.06.18 15:00 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】プレーするのは選手とはいえ…

▽「そりゃこっちも同じだわ」そんな風に私が肩をすくめていたのは木曜日、ようやく待ちに待ったレアル・マドリーの新監督が決まり、サンティアゴ・ベルナベウのパルコ(貴賓席)前ホールでロペテギ監督の就任スピーチを聞いている時のことでした。いやあ、彼の姿を自分の目で最後に見たのは10日程前、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で行われたスペイン代表の練習だったんですけどね。それが何と、いよいよW杯初戦に臨むチームがソチのフィシュト・スタジアムで前日最終セッションを行っている時間、朝5時にバラハス空港に着いた当人のプレゼンに立ち会うとは、それこそ「un dia surrealista/ウン・ディア・スルレアリスタ(シュールな日)」だったのは絶対、ロペテギ監督だけじゃない? ▽いえ、物事は順序立てて話していかないといけません。事件の始まりは火曜の午後5時少し前。レアル・マドリーのオフィシャルページにロペテギ監督がジダン監督の後継者として、スペインのW杯参加が終わり次第、3年契約で入団することが発表されたことでした。いえまあ、その時は程なくしてスペイン代表のホームページにも同様の内容がアップされ、おまけにサッカー協会はロペテギ監督とマドリーの交渉を把握。5月中に2020年まで延長契約を結んだ際に決まった違約金200万ユーロ(約2億6000万円)を受け取るという文面になっていたため、世間もまだ、「W杯初戦を2日後に控えての非常識な時期だし、代表チームにはマドリー以外の選手もいるし、これからクリスチアーノ・ロナウドを筆頭に来季率いることになる面々と対戦するのに何故今、発表?」的な違和感を持ったぐらいだったんですけどね。 ▽どうやらこれにはマドリー側の事情があって、実際、ドイツのレーブ監督、ポチェッティーノ監督(トッテナム)、クロップ監督(リバプール)、アッレグリ監督(ユベントス)、コンテ監督(チェルシー)ら候補リストの上にあった指揮官を招聘するのがまずムリと判明したのが今週になってから。それでも7月16日にはプレシーズンを開始しないといけないのと、ジダン監督の辞任から2週間以上経ちながら、一向に後任が決まらないことにジレていたソシオ(協賛会員)をなだめるため、月曜にクラブOBで、RMカスティージャ(2部B)も率いたことのあるロペテギ監督にオファーを出したところ、速攻で話が進んだのだとか。クラブ上層部はW杯期間中、その新監督就任を隠しておくのは難しいと判断し、公にすることにしたようですが、まさかサッカー協会のルビアレス会長があれ程、極端なリアクションを起こすとは一体、誰に予想できた? ▽ええ、「No puede ser que la Federacion se entere cinco minutos antes de una nota de prensa/ノー・プエデ・セル・ケ・ラ・フェデラシオン・セ・エンテレ・シンコ・ミヌートス・アンテス・デ・ウア・ノタ・デ・プレンサ(協会がプレスリリースの出る5分前に知らされるなんてことはありえない)」と翌日、記者会見で何度も言っていましたが、その日、FIFA総会が開催されていたモスクワにいた当人はこの事実をウェブに告知が出る直前、マドリーのペレス会長から電話で伝えられたとのこと。慌てて代表監督と話そうとしたものの、クラスノダール(ロシア南西部)のベースキャンプでは丁度、夕方の練習が始まったところで、何とロペテギ監督自身がグラウンドで選手たちにマドリーに行くことを告げていたというから、もしやクラブと歩調を合わせていた? ▽モスクワからとんぼ帰り、深夜にはクラスノダールに着いたルビアレス会長は夜半から、翌水曜午前中までロペテギ監督、セルヒオ・ラモス(マドリー)、イニエスタ(ヴィッセル神戸)、シルバ(マンチェスター・シティ)のキャプテン、ピケやブスケツ(バルサ)ら、チームの重鎮と話し合い、いえ、とりわけラモスなどは監督続投を強く訴えたようだったんですけどね。私も合宿所のプレスセンターで記者会見が午前10時半にあると聞いて、スポーツ紙のウェブで生中継が始まるのを待っていたんですが、遅れに遅れて結局、ルビアレス会長が現れたのは正午過ぎ。協会への"ほうれんそう"が欠けていたという理由により、ロペテギ監督の即時解任が告げられることに。ええ、日本代表が4月にハリルホジッチ監督を解任、西野朗監督に代わった時だって、本大会開幕2カ月前に随分、思い切ったことをすると驚かれていたのに、こちらなんてたった2日前ですよお! ▽こんな無茶苦茶な話、聞いたことがないと私も頭を抱えていたところ、午後5時半には昨年11月から、代表のスポーツディレクターに復帰していたイエロ氏がルビアレス会長と共に現れ、W杯期間中の新監督に任命されたんですが、うーん、とりあえずチームはもう出来上がっていますからね。プロの監督経験は2016-17シーズンにオビエド(2部)を率いたことしかない当人も「No se puede tocar en dos dias dos anos de trabajo/ノー・セ・プエデ・トカール・エン・ドス・ディアス・ドス・アーニョス・デ・トラバッホ(2日間で2年間の仕事を変えることはできない)」と言っていた通り、ここはずっとチームに寄り添い、マドリーでの現役時代14年間にクラブのレジェンドの域に達した往年の名DFのリーダーシップを信頼するしかないかと。 ▽そして木曜にはスペインはソチ(ロシア南東部のビーチリゾート)に移動。オビエド時代にイエロ監督を補佐した第2監督、フィジカルコーチ、そして元代表で2010年W杯優勝時のメンバーだったマルチェナもスタッフとして加わって、ベルナベウでペレス会長が「W杯中に次の仕事の契約をすることが不忠義だと解釈された前例などない。ウチは普通のことをしただけなのに誤ったプライドから、馬鹿げた結果となった。Es una decision injusta/エス・ウナ・デシシオン・インフスタ(公正ではない決断だった)」、ロペテギ監督も「A mi me hubiera gustado que Rubiales hubiera actuado de otra manera/ア・ミー・メ・ウビエラ・グスタードー・ケ・ルビアレス・ウビエラ・アクトゥアドー・デ・オトラ・マネラ(ルビアレス会長が違う振る舞いをしてくれていた方が良かった)」と電撃解任を非難している間、選手たちはいつもと変わらず、和気藹々と練習をしていましたっけ。 ▽実際、金曜午後8時(日本時間翌午前3時)から試合の相手、ポルトガルのフェルナンド・サントス監督も「スペインには10年前から特有のプレースタイルがある。驚かされることは何もないだろう」と言っていましたし、イエロ監督も「Se vera a la Espana de siempre/セ・ベラ・ア・ラ・エスパーニャ・デ・シエンプレ(いつものスペインを見ることになるはずだ)」と記者会見で再度強調。順調に行っていてもグループリーグ敗退となった4年前のブラジル大会ような例もあるんですから、あまりこの監督交代劇の影響は心配しなくてもいい?そうですね、ラモスも「La idea no ha cambiado y es ir a por el Mundial/ラ・イデア・ノー・ア・カンビアードー・イ・エs・イル・ア・ポル・エル・ムンディアル(考えは変わっていなよ。目指すはW杯優勝だ)」とやる気満々でしたしね。 ▽ただ、このゴタゴタのせいで直前のスイス、チュニジアとの親善試合でも結論が出なかった、いえ、火曜から全体練習に復帰したものの、カルバハル(マドリー)はイランとの2戦目からという見方が多いんですけどね。その代理はナチョ(マドリー)でいいとして、肝心のFWはジエゴ・コスタ(アトレティコ)、ロドリゴ(バレシア)、イアゴ・アスパス(セルタ)の誰を何人、スタメンとして使うのかは未だに予想つかず。それぞれ一長一短があり、公式戦では交代枠も3つしかないため、ここはかなり慎重に選んでほしいものですが、さて。 ▽一方、中盤は結局、ここまでポルトガル代表でダンマリを貫き、これからロペテギ監督もマドリー残留を説得するのに骨を折りそうなロナウドの危険性も考えると、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)より、コケ(アトレティコ)の方が守備的に落ち着いて良さそうでしたが、何せ当人はスペイン中を呆気に取らせた大騒動の中、ツィッターに丁度、お隣さんがCL決勝を戦っていた日だったせいで、あまり注目されなかったベアトリスさんとの挙式の写真を投稿(https://twitter.com/Koke6/status/1006966408239042567)。新妻の29歳のバースデーを祝うという、いささかズレたことをしていたため、どうかと思われる節もあるんですが、まあその辺はイエロ監督の判断次第かと。 ▽え、そもそもここ数日、スペインのお家騒動のせいで一番、割を喰らったのはグリーズマンだったんじゃないかって?その通りで火曜にはロシア滞在中のフランス代表で待望の記者会見があったんですが、当人は「もう来季のことについては決心がついたけど、今日はそれを話す場所でも時でもない」とヨーロッパリーグ優勝の後や先日の親善試合後同様、残留なのか、バルサ移籍なのかについて言明せず。水曜には代表仲間のレマル(モナコ)のアトレティコ加入が大筋、決まったという報道もあったため、スポーツ紙でも短く触れられただけだったんですが、まさか木曜になって、「He decidido quedarme/エ・デシディードー・ケダールメ(ボクは残ることに決めた)」と最後に言うため、それまでの自身の心の葛藤を描いたTVのドキュメンタリー番組が公開されることになるとは! ▽いやあ、確かに自身の目標であるCL優勝を遂げるにはアトレティコには何かが足りないと悩んだり、ELのトロフィーを掲げた後の試合でワンダ・メトロポリターノのファンにpito(ピト/ブーイング)を受け、当人がイロイロ、悩む様子を描いたのはいい台本だなと思ったものですけどね。どうにもここまで引っ張られると、もしや口が重かったのはこの番組の視聴率を取りたかったからなんて、ちょっと穿ってしまうのは私だけ?どちらにしろ、これで来季もグリーズマンをアトレティコで見られることが決まったため、土曜正午(日本時間午後19時)からのフランスvsオーストラリア戦では素直に応援できそうですが、金曜にはゴディンや2023年までの契約延長の発表があったヒメネスの出るエジプトvsウルグアイ戦もありますしね。 ▽他にも土曜にはベルサイコに加え、モドリッチやコバチッチらマドリー勢の活躍も楽しみなクロアチアvsナイジェリア戦、日曜にはフィリペ・ルイスは控えですが、マルセロ、カセミロ、そして監督が決まったため、これから本格化する補強の候補として一番の大物、ネイマールの出るブラジルvsスイス戦や全大会チャンピオン、クロースを有するドイツvsメキシコ戦もあるとあって、どうやら私にもまたサッカー観戦三昧の日々が戻って来そうなのは嬉しいんですが…今回のW杯、スペインでは全ての試合がオープン放送。自宅のTVで済んでしまうというのも何だか、1日中、籠ってしまいそうで怖い気もします。 2018.06.15 14:30 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールは多い方がいいけれど…

▽「始まるまでが長いよね」そんな風に私が嘆いていたのは月曜日、スペイン代表のW杯前最後の親善試合が終わり、次は金曜日、ポルトガルとのグループリーグ第1戦まで待たないといけないことに気づいた時のことでした。いやあ、先週にはAS(スポーツ紙)などで「レアル・マドリーは新監督をW杯開幕前に決める意向」という記事を読んで、今週前半にはサンティアゴ・ベルナベウでプレゼンがあるかもしれないと期待していたんですけどね。どうやら週が明けても候補が絞られておらず、マルカ(同)もこれまで挙がった名前を復習しているだけなんですよ。 ▽ジダン前監督に至っては、パリのローラン・ギャロスでの全仏オープン決勝でラファ・ナダルがドミニク・ティエルを破り、Undecima/ウンデシマ(11回目の優勝)の快挙を達成するのを家族連れで観戦していたりと、何とも優雅で羨ましいんですが、実は待たされているのはマドリーファンだけにあらず。というのも、ポルトガル代表合宿入り以来、ロシアのベースキャンプ地、クラトボ(モスクワから南東60キロ)に着いてもダンマリを貫いているクリスチアーノ・ロナウドを含め、選手たちの去就については監督決定後に判断するというお隣さんとはちょっと違いますが、このオフシーズンはアトレティコもエースの進退が決まっていない微妙な状況。 ▽ええ、バルサ移籍疑惑がシーズン中から何度も浮上し、「W杯までに決める」と宣言していたグリーズマンのことですが、アメリカと1-1で引き分けた親善試合の後、ミックスゾーンでようやく当人がコメント。曰く、「フランス代表のW杯は土曜に始まるから、まだ時間はある。スペインじゃボクが残留するとか、退団するとか言っているけど、その初戦(対オーストラリア)の前に言うよ」って、これじゃアトレティコファンだって、まだまだ落ち着けないってことじゃないですか。 ▽もちろん、先週末には1部昇格プレーオフ準決勝が終了。サラゴサを2ndレグ後半ロスタイムに破ったヌマンシア、スポルティングを総合スコア5-2で圧倒したバジャドリーが今週水曜、土曜に決勝を戦って、ラージョ、ウエスカに続くチームが決まったりもするんですけどね。やはりマドリッド勢でないため、私も今イチ興味が湧かないのが辛いところ。それだけに最近の楽しみと言えば、毎日、スペインのマスコミや代表オフィシャルページがクラスノダール(ロシア南西部)から伝えてくる代表チームの練習レポート(http://www.sefutbol.com/fotos-tope-cuenta-atras-debut)ぐらいしかないのはちょっと物足らないんですが…。 ▽まあ、そんなことはともかく、そのスペインが土曜にロシアで行ったチュニジア戦の様子もお伝えしておかないと。いやあ、何より驚かされたのは、彼らが合宿先として使っているFCクラスノダールのユース用練習施設がやたら広くて、近代的な設備が整っていたのはともかく、すぐ脇にあるトップチームが試合するスタジアムのスコアボードの斬新さ。ええ、スタンドの最上部と屋根の間が帯状にスクリーンになっていて、360度で鮮やかな映像が見られると聞いた日には、ワンダ・メトロポリターノもそうしていてくれれば、ヨーロッパリーグ決勝のパブリックビューイングであんなに苦労しなかったと思ってしまったのは私だけ? ▽ただ、その最新式のスタジアムがW杯の試合会場に選ばれていないのは不思議なんですが、親善1試合目のスイス戦とは違い、この日のスペインはCFとしてロドリゴ(バレンシア)を先発起用。それをシルバ(マンチェスター・シティ)、イスコ(マドリー)、イニエスタ(バルサ)で支えるという布陣でスタートしたんですが、同じW杯参加国でもある相手のしっかりした守備にも阻まれて、とにかく前半はチャンスが作れませんでしたね。 ▽そうこうするうち、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)からオディオソラ(レアル・ソシエダ)へのパスが自陣エリア近くで敵に奪われ、危険なシュートを撃たれてしまうなんてこともあったため、ロペテギ監督は後半頭から、この2人とイスコをコケ(アトレティコ)、ナチョ、ルーカス・バスケス(マドリー)に交代。これで右サイドも落ち着いて、そこそこ攻撃に取り組めるようになったスペインでしたが、それでも得点には至らなかったため、とうとう15分にはロドリゴ、シルバに代えてジエゴ・コスタ(アトレティコ)、アセンシオ(マドリー)と、両翼を使うプランBに切り替えていったところ…。 ▽最後に効を奏したのは30分に左SBのジョルディ・アルバ(バルサ)を下げ、イアゴ・アスパス(セルタ)を投入。3バックで臨んだ総攻撃って、いや、まだ最終手段、セルヒオ・ラモス(マドリー)のCF登用に至らなかっただけマシなんですけどね。39分、センターから放ったブスケツのロングパスをコスタがエリア内で受けた時には私も久々に彼のゴールが見られると胸が高鳴ったものの、敵DFやGKに迫られて自身では撃てず。結局、後ろに送ったボールをアスパスがシュートし、これがネットに収まってくれため、ようやくスペインが先制点をゲットすることに。何せ、見せ場はこれだけでしたから、そのまま1-0で勝ったとはいえ、少々物足りない感は否めなかったかと。 ▽うーん、まあそう思ってしまうのは後日、アスパスも「アルゼンチンに6-1で勝った後、ファンはウチがスイスから8点、チェニジアから10点取ると思っていた」と言っていた通り、このW杯に向けた合宿前最後となった3月のワンダ・メトロポリターノでは滅多にないgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を彼らが披露してしまったせいも多分にあったんでしょうけどね。それが「Creo que teniamos mejores sensaciones antes de la concentracion que en estos dos partidos/クレオ・ケ・テニアモス・メホーレス・センサシオネス・アンテス・デ・ラ・コンセントラシオン・ケ・エン・エストス・ドス・パルティードス(この2試合より、合宿前の方がボクらはいい感触を持っていたと思う)」という、彼の試合直後のコメントに繋がったようでしたが、いやいや、今更不安を煽ってどうする? ▽いえ、この親善試合2試合は大会前のウォーミングアップとあって、相手も同様ですが、選手たちもケガはしたくないという意識があるのか、プレーの激しさにブレーキがかかってしまうのはわかるんですけどね。一番の悩みはここに来て、スペインは誰が先発FWになるのか、はっきりしていないこと。だってえ、本番の試合では交代枠は3つしかないんですよ。このチュニジア戦のように、当たりが出るまで人やシステムを代える訳にはいかないため、とりわけグループBの中でイラン、モロッコ以上に得点力がありそうなポルトガル戦では、最初から機能してくれるスタメンを組むことが重要かと。 ▽え、スペインは2010年に優勝した南アフリカ大会でも僅差の試合ばかりだったんだから、そんなに大量ゴールに執着することはないんじゃないかって?そうですね、あの時はグループ初戦のスイス戦を1-0で落とした後、ホンジェラスには2-0、チリには1-2で勝って決勝トーンメント進出。その先もポルトガル、パラグアイ、ドイツ、そしてオランダとの決勝も1-0で戴冠していますから、しっかり守れるのであれば、コケも「アルゼンチンに大勝してもスイスと分けて、チュニジアに1-0で勝てば、al final bajas a la realidad/アル・フィナル・バハス・ア・ラ・レアリダッド(結局、現実に戻るんだよ) 」と言っていたように、アトレティコ的スコアラインを続けてもいいんですけどね。 ▽そうすると初戦に間に合わそうにないカルバハル(マドリー)の代理で右SBに入るのは、チュニジア戦では急性胃腸炎にかかっていて、調子が悪かったと言い訳していたオディオソラではなく、ナチョで決まり?まあ、キエフでのCL決勝リバプール戦でカルバハルが負傷交代した際、率なく引き継いでいた当人も「El mister sabe que estoy capacitado para ocupar esa posicion/エル・ミステル・サベ・ケ・エストイ・カパシタードー・パラ・オクパル・エセ・ポシシオン(監督はボクにこのポジションを務める能力があるのをわかっている)。自分はCBが一番やり易いのは皆、知っているけど、SBでもビッグマッチをプレーしたし、クリスチアーノと対決できるチャンスがありますように」とアピールしていましたしね。いつもクラブで一緒に練習しているだけに、相手を守り慣れているのは頼りになるかもしれません。 ▽まあ実際、この2試合で控えGKのレイナ(ナポリ)とケパ(アスレティック)以外、全員を使ったロペテギ監督も「ケガ人も出なかったし、選手たちにプレー時間を与えられた。Ahora hay seis dias para afinar y afilar el once/アオラ・アイ・セイス・ディアス・パラ・アフィナル・イ・アフィラル・エル・オンセ(スタメンを製錬研磨する時間はまだ6日ある) 」と言っていましたしね。相変わらず、気温30度近辺のクラスノダールでの練習でじっくり細部を詰めてもらえばいいのですが、さて。 ▽中でも前回、2014年、グループリーグ敗退で終わったブラジル大会では初めてW杯メンバーに入ったものの、1回も出場できず、記念参加に終わったコケなど、「Solo me vale ser campeon, es a lo que hemos venido/ソロ・メ・バレ・セル・カンペオン、エス・ア・ロ・ケ・エモス・ベニードー(自分にとって価値あるのは優勝することだけ。そのためにボクらは来たんだから)」と何だか強気でしたけどね。まずは金曜午後8時(日本時間翌午前3時)からのポルトガル戦でお手並み拝見。また強いスペインが戻って来てくれて、この先の1カ月間、退屈しないで済むと私も嬉しいんですが。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.06.12 19:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】W杯が待ち遠しい…

▽「いいなあ、天気良くて」そんな風に私が溜息をついていたのは金曜日、スペイン代表のベースキャンプとなるクラスノダールから、現地中継を始めたクアトロ(スペインの民放)のアナウンサーたちが涼しげな半袖ポロシャツを着ているのをお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、例年でしたらもうこの時期のマドリッドは夏モードに突入。私の衣替えも終わっているはずなのに、何故か今年は気温が一向に上がらず、先週末、代表親善試合に便乗してのカステジョン(スペイン南東部地中海沿岸のビーチリゾート)海水浴計画も見事に頓挫してしまったぐらいだったんですけどね。今週になってもしつこく低気温は続き、挙句の果てに雨まで降ってきた日には、「こちらは30度あります」というロシアの方がよっぽどスペインらしいじゃないですか。 ▽そう、5月28日から始まったラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設での代表合宿も木曜にスペイン国王フェリペ6世の訪問でとうとう幕を閉じ、いえ、グラウンドに並んだ選手たちを激励している際、折しも休養日の水曜にはケルンでコンサートだった彼女のシャキーラを応援に。その留守中、バルセロナの自宅に泥棒が入り、宝石や高級時計を盗まれるという被害にあったピケ(バルサ)のことを王様が気遣っていたなんて逸話もあったんですけどね。その午後には最初は7人いたヘルプ要員のうち、ロドリ(来季はビジャレアルからアトレティコに移籍)とバジェホ(レアル・マドリー)を連れて、本大会メンバーの23人は空路、クラスノダールに向かうことに。 ▽え、ということは今、マドリッドに来てもサッカー関連のお楽しみは何もないのかって?そうですね、おかげで私もヒマになってしまったため、今週は火曜からメトロのグラン・ビア駅上がってすぐのテレフォニカ(スペインのNTT)のビル(Calle Gran Vía, 28)にオープンしたという代表博物館を偵察。展示物はあまりないものの、スペインが獲得した1964年、2008年、2012年のユーロ、そして2010年W杯のトロフィーが並んでいますし、3連覇した国際メジャートナメントのスペイン戦ダイジェストビデオはなかなか、感動できたかと。 ▽座ってじっくり見てしまった私も懐かしく、ラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の黄金時代を思い返すことになったんですが、1階ではユニフォームも売っているこの臨時博物館はW杯が終わる7月15日まで。無料で入れてトイレもあるため、この先、絶対暑くなるマドリッド観光を予定している方は休憩場所として覚えておいてもいいかもしれませんね。 ▽一方、FCクラスノダールのユースチームが使う、何面もグラウンドがある施設にW杯に勝ち残っている間、ずっと滞在する代表チームは金曜、午前中は施設の見学やこのW杯で採用されるVAR(ビデオ審判)制度の説明会、スタジアムのスコアボードに映るラインアップ時の映像撮影などを済ませた後、夕方には練習を再開(http://www.sefutbol.com/fotos-primer-entrenamiento-rusia-aplausos)。現地のファンが大勢見守る中、土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのW杯前最終親善試合、チュニジア戦の準備をしていたんですが、どうやら記者会見で話したロペテギ監督によると、日曜に1-1で引き分けたスイス戦は仮想ポルトガル、今回はモロッコを想定してのテストマッチになのだとか。 ▽来週金曜に迎える本番については、「El once de Portugal lo decidiremos cerca del partido/エル・オンセ・デ・ポルトゥガル・ロ・デシディレモス・セルカ・デル・パルティードー(ポルガル戦のスタメンは試合が近くなってから決める)」(ロペテギ監督)そうですが、やっぱり誰もが気になるのはCL決勝で負傷し、代表合流後もずっとリハビリしているカルバハル(マドリー)の回復具合でしょう。 ▽何せ、まだ当人は1度も全体練習に参加していませんからね。もちろんこのチュニジア戦も出られないんですが、ロペテギ監督は「No sé si al primero o al segundo, pero va a llegar seguro/ノーセ・シー・アル・プリメーロ・オ・アル・セグンド、ペロ・バ・ア・ジェガール・セグロ(1戦目が2戦目かはわからないが、きっと間に合う)」と楽観的。万が一、予定が狂った場合、FIFA規則で1戦目の24時間前に代わってリストに入るのはボランチのロドリになるようですが、さて。右SBがカルハバルになっても、万能DFナチョ(マドリー)になってもポルトガル戦でクラブの同僚、クリスチアーノ・ロナウドとマッチアップするのは気が進まないかもしれませんね。 ▽え、そのロナウドは来季もマドリーにいるのか未だにわからないんだろうって?そうなんですよ、というのもキエフでCLトロフィーを掲げた直後、退団を匂わせるような発言をして、当人は1週間のミニバケーション入り。マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)で彼女のジョルジーナさんと楽しんでいる間も、今週月曜にポルトガル代表の合宿に参加、木曜にはアルジェリアとの親善試合(3-0で勝利)でブルーノ・フェルナンデスの2点目をアシストした後も一向にマイクの前で話さないため、とうとう母国のスポーツ紙では「マドリー退団」なんてタイトルが一面を飾ってしまうことに。 ▽その原因は昨季のCL優勝後、年棒アップを約束したペレス会長がずっと約束を果たさず、この火曜に代理人のジョルジュ・メンデス氏と持った会合も決裂。メッシ(バルサ)が5000万ユーロ(約65億円)、ネイマール(PSG)が3700万ユーロ(約48億円)をもらっている現状を鑑み、今の2100万ユーロ(約27億円)から3000万ユーロ(約39億円)へのアップを要求したところ、クラブは業績達成ボーナス付きの2500万ユーロ(約33億円)しか提示しなかったからというのですが、まあ確かにブラジル代表参加中のマルセロも「クリスチアーノはレアル・マドリーのオーナーじゃないからね(笑)」と言っていましたしね。 ▽実際、ここ数年、ギャラクティコを獲得していなかっただけにペレス会長には何としてもネイマールを獲りたいという願望があるようで、いくらマルセロが「彼がいるから、来られないということはないけど、ネイマールならいつでも歓迎だよ」とロナウドとの共存を示唆したとしても、これだけ年棒差があったら、やっぱり当人はイヤかも。ただ、そうはいっても契約破棄金が10億ユーロ(約1300億円)と破格の彼を買えるクラブはヨーロッパにはあまりありませんし、マドリー並みにタイトルの数を増やしていけるチームも滅多にないとなると、移籍も簡単にはいかないのが苦しいところ。 ▽まあ、市場は8月末まで開いているため、ロナウドにはW杯やその後のバケーション中にその辺をじっくり考えてもらえばいいとして、マドリーが急を要しているのは電撃辞任したジダン監督の後任探し。何せ7月半ばにはプレシーズンが始まるため、そのプランニングなどが必要ですからね。とはいえ、このところの報道を追っていると、最初は有力馬と言われていたポチェッティーノ監督がトッテナムとの契約延長をしたばかりでムリとなり、同様にクロップ監督(リバプール)、アッレグリ監督(ユベントス)もダメとのことで、今ではミチェル監督(今年初めにマラガから解任)、ラウンドルップ監督(カタールのアル・ラーヤン)、グティ監督(マドリー・フベニルA)、イエロ氏(スペイン代表スポーツディレクター)と次々とOBの名が挙がり、更にはコンテ監督(チェルシー)、フィリペ・スコラーリ監督(広州恒大)と候補が乱立して、何が何だか訳がわからない状態に。 ▽もうこうなると、私も決まるまでは放っておくしかないと腹を括るしかないんですが、一説によると、ジダン監督辞任の原因は来季の採用人事絡みで、ペレス会長にエデン・アザール(チェルシー)獲得を断れ、逆に望まないGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を受け入れるように言われたからなんて話もありましたからね。どんな新監督が来るにしてもロナウドやネイマールの件がはっきりしない限り、CL3連覇の前任者の業績を上回るべく、来季の構想を立てるのは難しいかもしれませんね。 ▽え、チームの主力選手の去就がはっきりせず、フロントの動きが鈍っているのはお隣さんも同じじゃないかって?そうですね、これまではフランス代表に行くたび、問題発言をしていたグリーズマンなんですが、何故か今回に限って寡黙なため、バルサ移籍なのか、アトレティコ残留なのか、未だに結論が出ておらず。当人はW杯が始まる前までに決めると言っていたものの、周辺からの情報も「残留するつもり」、「まだ考え中」と曖昧なものばかりとなれば、ファンだけでなく、アルゼンチンで休暇中のシメオネ監督も落ち着けないかと。 ▽その間、金曜には7年間、スポーツディレクターを務めたカミネロ氏がマラガに河岸を変えたことなどもあり、ロドリ以外、新入団選手は増えていないアトレティコですが、7月には2億ユーロ(約260億円)から1億ユーロ(約130億円)に半減しても、グリーズマンの契約破棄金が入れば、それなりの選手を獲らないといけませんし、残留なら大幅年棒アップでその点も考慮となると、予算配分が難しいところ。一応、クラブは彼のご機嫌をとるためか、同じフランス代表の同僚、レマルとシディベ(どちらもモナコ)の獲得を狙っているなんて報道もありましたが、まあ今は先日のイタリアとの親善試合(3-1の勝利)でPKゴールを決め、健在なところを示した当人が口を開くのを待つしかありません。 ▽その脇でマドリッドの弟分では先週、レガネスがガリターノ監督の後任を決定。噂通り、アルゼンチン人のペジェグリーノ監督で彼は昨季、プレミアリーグのサザンプトンを率いて途中で解任されてしまったんですが、2016-17シーズンにはアラベスをコパ・デル・レイ決勝まで導いた実績が。今年は兄貴分のマドリーを破り、準決勝でセビージャに負けてしまったレガネスとなれば、必要なあと一押しをしてくれる指揮官になってくれる? ▽ちなみに新監督は7月頭にマドリッド入りするそうですが、当人も「マドリーとバルサの予算は5億ユーロ(約650億円)、レガネスは4000万ユーロ(約52億円)。Hacen un estudio de mercado y ponen un tope para gastar/アセン・ウン・エストゥディオ・デ・メルカードー・イ・ポネン・ウン・トペ・パラ・ガスタル(市場を分析して、費やせる金額の限度を決める)」と言っていたように、1部再昇格を果たしたばかりのラージョもそうですが、他チームの余剰戦力をレンタルしたりして、やりくりする彼らの補強が佳境に入るのは8月後半ですからね。ファンがペジェグリーノ監督の新生レガネスを見られるのは結構、先になるかと思います。 ▽そしてもう1つの弟分、ヘタフェでは、これって出世と言っていいんですかね。選手ではなく、スポーツディレクターのラモン・プラネス氏が、木曜にバルサの新テクニカル・ディレクターに指名されたアビダル氏のアシスタントになったと発表があったから、驚いたの何のって。とはいえ、ボルダラス監督は代わりませんし、危急の仕事としては、シーズン中から前契約をしたと伝わっていたグアイタのクリスタル・パレス行きが決まり、その代役を務めるGKを探すことぐらいですしね。アトレティコのカンテラーノ(ユース出身の選手)で、コケやデ・ヘアと一緒に2013年にU21ユーロで優勝したメンバーだったジョエル(エバートン)などの名前は挙がっていますが、こちらもまずはスポーツディレクター探しが先になるんでしょうか。 ▽まあ、マドリッドのチームの近況はそんな感じなんですが、何せ今は2部昇格プレーオフ中のフエンラブラダを除くと、どこもバケーション中でねえ。W杯が始まれば、また街中でもスペイン代表サポーターの姿などを見かけることがあるはずですが、初戦まであと1週間。それまではやっぱり、スポーツ紙もマドリーやアトレティコの移籍関連の噂でページを埋めるしかないのかもしれませんね。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.06.09 13:00 Sat
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