【原ゆみこのマドリッド】信念だけでは足りない…2017.05.13 11:50 Sat

twitterfacebookhatenalinegplus
photo
Getty Images
▽「器物破損罪って、スペインにはないのかな」法律に疎い私がそんな風に首を捻っていたのは金曜。ビセンテ・カルデロンで最後のヨーロッパの大会の試合となったCL準決勝2ndレグでスタンドのシートを引き剥がし、持って帰ったアトレティコファンが部屋に飾った戦利品をTVで自慢しているのを見た時のことでした。いやあ、AS(スポーツ紙)などには、試合終了間際に突如として降り始めた大雨に、とりわけ500席程が被害にあったfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)では備えのなかったファンが傘替わりに利用。その場を動かず、応援を続けていたなんて美談的に書いてあったものの、まあ、その日はパソコンを持っていたため、とてもじゃないけどタイムアップの笛が鳴るまで待っていられず、プレスルームに逃げ込んでしまった自分ですから、気持ちはわからなくもないんですけどね。

▽今季でお役御免となるスタジアムの思い出にそのままシートをお持ち帰りしようとしたファンの大多数は出口で係員に没収され、ほとんどは内部に留まったとも聞いていますが…。いや、ちょっと待って! 私が非力なせいもあるものの、まずはどうして、あのしっかり固定されている席を外してやろうなんて発想が出てくる? その昔、今季は2部で昇格プレーオフを目指して戦っているマドリッドの弟分、ヘタフェがUEFAカップで、GKオリバー・カーンも現役だったバイエルンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた際、ビジターチームのウルトラ(過激なサポーター)たちがシートを引き剥がして暴れたと聞いた時には、体格のいいドイツ人ならではの蛮行かと思ったこともあったもの。

▽試合後、その件について訊かれたウルグアイ人のヒメネスが、「Yo tambien me hubiera llevado un asiento/ジョ・タンビエン・メ・ウビエラ・ジェバードー・ウン・アシエントー(ボクだって、シートを持っていったよ)」と言っていたのはあくまで冗談で、決してお国柄ではないことを祈りたいんですが、ビセンテ・カルデロンでもポルトガルのクラブか何かが来た時、相手方のファンが座るfondo norte(フォンド・ノルテ/北側ゴール裏席)2階のシートが被害にあったこともありましたしねえ。でもいくら、移転が決まっているとはいえ、まだこの先、リーガ最終戦のアスレティック戦、アトレティコは出ないけど、コパ・デル・レイ決勝、お別れOB戦だってあるんですよ。

▽それまでに座席を元通りにしないといけない整備の人たちにしてみたら、いくら最後のご奉公とはいえ、あまりに心ない仕打ち。運良く私はかち合わなかったものの、キックオフ1時間程前にスタジアム周辺でアトレティコのウルトラたちと警官隊が衝突。ビール瓶や石が飛び交い、25人の負傷者が出た騒動もありましたし、選手たちが「la mejor aficion del mundo/ラ・メホール・アフィシオン・デル・ムンド(世界一のサポーター)」(ガビ)と絶賛するファンの中にも素行の悪い者たちが混じっているのは、こちらのサッカーの本当に嘆かわしい側面かと。

▽まあ、そんなことはともかく、肝心の試合の話をしないといけません。火曜の夕方はその最高のサポーターたち700人余りがホテル・モンレアルの前に集合。1stレグの前は午後11時に応援を始め、選手たちにわざわざ部屋から出て来させたのを反省したか、この日はビセンテ・カルデロンでの最終練習を終えたチームがバスで到着する時間だったんですが、「Hasta la ultima gota de sangre/アスタ・ラ・ウルティマ・ゴタ・デ・サングレ(最後の血の1滴まで)」という横断幕とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)で元気づけられた彼らもその夜、先週のホームゲームを0-2で落としていたモナコがかつてのアトレティコのエース、ファルカオの奮闘も空しく、ユベントスに2-1と再び敗北。総合スコア4-1で姿を消したのにはさぞかし、remonatada(レモンターダ/逆転劇)の難しさを噛み締めることになったのでは?

▽え、それでもアトレティコは奇跡を起こしかけたじゃないかって? その通りで、最初は満員のスタンドも試合がどうあれ、とにかく応援することが目的になっていた感もあったんですけどね。立ち上がりから、お隣さんに怒涛の攻勢を仕掛けた彼らは開始4分、コケがゴール左脇から撃ったシュートこそGKケイロル・ナバスに弾かれてしまったものの、12分にはそのコケの蹴ったCKを頼りになるカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、サウールがヘッドで決めて早々に先制。さらに16分には先輩のフェルナンド・トーレスがエリア内でヴァランに倒され、PKをゲットしてくれた時には、どんなに我が目を疑ったことか。

▽アトレティコにとっては大鬼門、そのPKもこの日はグリーズマンがナバスの手を弾いてゴールにしてくれたため、これで総合スコアは2-3に。いよいよ、これはもしかするとファンも湧きたったんですが、後でジダン監督も「ウチは序盤の20~25分、問題があったが、no habia que preocuparse porque ibamos a tener ocasiones/ノー・アビア・ケ・プレオクパールセ・ポルケ・イバモス・ア・テネール・オカシオネス(チャンスは来るはずだったから、心配する必要はなかった)」と言っていた通りになったのは、シメオネ監督がここでチームを後退させてしまったせいもあったかも。いえ、もちろん「Es dificil sostener los primeros 25 minutos que se hicieron/エス・デフィシル・ソステネール・ロス・プリメーロス・ベイテンティシンコ・ミヌートス・ケ・セ・イシエロン(最初の25分にやっていたことを維持するのは難しい)」(シメオネ監督)という意見も、ローテーションすら満足にできず、選手たちにシーズン終盤の疲れが溜まっているチームならでの事情もわかりますけどね。

▽その時点でのレアル・マドリーはいくら、マルセロが「No hemos tenido miedo en ningun momento/ノー・エモス・テニードー・ミエードー・エン・ニングン・モメントー(ウチは一瞬だって怯えを感じたりはしなかった)」と言い張ろうと、勢いに任せて攻めていくアトレティコに押されていたのは事実。それを利用して、早々に総合スコアをイーブンにする3点目、更に4点目、5点目、6点目…と取っていれば、あとはヘロヘロでも守り倒すぐらいはできただろうにと、自分の素人考えでは思ってしまうんですが…現実は常に非情。それみたことかというプレーが、もうすぐハーフタイムという43分に生まれます。

▽ええ、クリスチアーノ・ロナウドが急いでスローインしたボールを受けたベンゼマがサビッチ、ゴディン、その日左SBとして入ったヒメネスに囲まれながらも左奥のライン際を突破。エリア内に折り返したパスをシュートしたクロースの一撃はGKオブラクが弾いてくれたものの、ひょっこりゴール前にいたイスコに押し込まれ、致命的な失点をしてしまうんですから、もうどうしたらいいものやら。

▽うーん、ジダン監督も「le pregunte como ha salido de ahi y el no lo sabia tampoco/レ・プレグンテ・コモ・ア・サリードー・デ・アイー・イ・エル・ノー・ロ・サビア・タンポコ(どうやってあそこから抜けたのか訊いたが、彼も知らなかった)」と説明できなかった程だったベンゼマのjugadon(フガドン/スーパープレー)には、両CBがすでにイエローカードをもらっていて、足をかけたりできなかったのも幸いしたんですけどね。イスコなども「Despues del 2-0 hemos entrado en el partido por fin/デスプエス・デル・ドス・セロ・エモス・エントラードー・エン・エル・パルティードー・ポル・フィン(2-0とされた後、とうとうボクらも試合に没頭した)」と言っていたように、寝た子を起こすようなアトレティコの戦略も失敗だったのは確か。

▽これで再び3点が必要になったアトレティコだったんですが、後半も決して「Creíamos que la remontada era possible/クレイアモス・ケ・ラ・レモンターダ・エラ・ポシーブレ(逆転は可能だと信じていた)」(フィリペ・ルイス)という態度は変わりませんでした。でも哀しいかな、選手たちのタレントの差は如何ともしがたし。ええ、そのことはこの試合のチーム走行距離計が片や113.1キロ、相手は103.4キロと10キロも違いながら、パスの成功率では70%対86%と、クロースやモドリッチのような選手がいないアトレティコが大きく劣っていたことでもわかるんですが、せっかく65分につかんだカラスコとガメイロの連続シュートもナバスに弾かれてしまう有様ではねえ。

▽結局、どちらも後半は点を取れず、試合は2-1で終了。久々にマドリーに勝てたものの、総合スコア2-4で敗退となれば、「Nosotros dependemos del equipo y ellos de las individualidades/ノソトロス・デペンデモス・デル・エキポ・イ・エジョス・デ・ラス・インディビドゥアリダーデス(ウチはチーム頼りだが、彼らは個人技次第)。ベンゼマのようなプレーをされたら厳しい」というシメオネ監督のコメントに同意するしかありません。ただ昨季のミラノでのCL決勝後と打って変わって、彼はチームのその日の戦いぶりに「Soy feliz/ソイ・フェリス(自分は幸せだ)」と満足していることを開口一番で強調。

▽お隣さんの選手との質的量的な差でさえ、「Un paso chico, pero que es muy grande. Ojala lo demos/ウン・パソ・チコ、ペロ・ケ・エス・ムイ・グランデ。オハラ・ロ・デモス(ほんの小さな一歩だが、それがとても大きい。ウチが前進できることを願っている)」と、この敗退を来季に向けての重点補強をフロントにアピールする機会にすることにしたよう。いえ、それも6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の判定でFIFA処分が解けるか解けないか次第ですけどね。あの豪雨の中、シートを引っぺがすかどうかは別として、敗退が決まってもスタンドに留まり、再びピッチに現れた選手たちをずっと励ましていた忠実なファンたちには、クラブだって応えない訳にはいかないはずですよ。

▽一方、2年連続での決勝行きとなったマドリーの選手たちもその後、カルデロンに駆けつけた4000人余りのファンに感謝するため、ピッチに出て来たんですが、ちょっとミソをつけてしまったのは、カルバハル負傷中で空きのあった右SBをダニーロに取られ、出番のなかったナチョ。芝の上にマドリーの旗を広げたため、挑発行為と取られてしまったんですが、おかげで翌日の商業イベントで当人が、「Si hubiera querido provocar, la hubiera puesto en otra parte del campo/シー・ウビエラ・ケリードー・プロボカール、ラ・ウビエラ・プエストー・エン・オトラ・パルテ・デル・カンポ(もし挑発したかったのなら、ピッチの別のところに置いただろう)」と釈明する破目に。

▽大体がして、2013年に当時、若干21歳だったコケがサンティアゴ・ベルナベウで宿敵マドリーを倒してのコパ・デル・レイ優勝に舞い上がり、アトレティコの旗をセンターサークルに置いたのと比べるのも27歳のナチョに失礼かと思いますが、その日ではゴールではなく、殊勲のスローインで貢献したロナウドも「Somos el Real Madrid y demostramos tener mas experiencia/ソモス・エル・レアル・マドリッド・イ・デモストラモス・テネール・マス・エクスペリエンシア(ボクらはレアル・マドリー、ウチにはより経験があることを示した)」と試合後、いかにも余裕たっぷりだったのも何ともねえ。

▽勝てば官軍なのは当然ですが、それでも6月3日の決勝で当たるユーベには要注意。セルヒオ・ラモスなどは「al Pipa no le voy a regalar cacahuetes/アル・ピパ・ノー・レ・ボイ・ア・レガラル・カカウエテス(ピパにピーナッツを贈るつもりはないよ)」と言っていたものの、相手には2年前、そちら側でマドリーの準決勝敗退に繋がるゴールを挙げたモラタに続いて、古巣への恩返しを虎視眈々と狙っているイグアインや、モナコとの2試合で1ゴール3アシストを決め、バルサに放出したことを後悔させようと決意しているダニエル・アウベス、1年だけでもアトレティコにお世話になった恩を返そうとしている(いや、していないって?)マンジュキッチといった旧知のライバルがゴロゴロしている上、GKブッフォン、新鋭FWディバラ、ユーベ版BBC(ボヌッチ、バルザーリ、キエッリーニの頭文字)までいて、まったく一筋縄ではいきそうにありませんからね。

▽これまでCLを連覇したチームがないのも気掛かりですが、当面の彼らの課題はリーガ優勝を決めること。いえ、現在2位のバルサとは勝ち点差がないため、マドリーがミッドウィークのセルタ戦で木曜にはオールド・トラフォードでやはり、ヨーロッパリーグ準決勝逆転突破の夢をマンチェスター・ユナイテッドに阻まれ、失意のドン底にいる相手を倒すのも含め、どちらも連勝を続ければ、21日の最終節に決着なんですけどね。まずはこの日曜にホームでセビージャを破り、敗退のショックと疲労がピークに達しているお隣さんに来季CLグループリーグ出場権の手に入る3位確定をプレゼントするなんていうのはどうでしょう。順番から言って、今度はBチームの出動になるかと思いますが、その強さはもうお墨付きですし、バルサがラル・パルマスに負ける確率も低いので、どちらにしても勝利は必須かと。

▽ちなみにアトレティコは前節、新弟分のレガネスに4-0と惨敗して、すでに残留確定しているにも関わらず、ビクトル・サンチェス監督を解任したベティスとのアウェイ戦。右SB全滅という事態を受け、マドリーとの2ndレグに出場しようとリハビリを急いだファンフランが再び負傷、もう今季は絶望とか、先週のエイバル戦で退場したゴディンが3試合の出場停止処分を受け、こちらもシーズン終了といった悪いニュースもありますが、自力でもあと勝ち点1で3位は決まりますからね。最終節のアスレティック戦ではビセンテ・カルデロンとのお別れを満喫できるよう、ひと踏ん張りしてくれるといいんですが。

▽そして土曜の2試合以外、順位が懸かっている試合だけ日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に設定された今週末のリーガ、やはりあと勝ち点1ないと残留が確定しないレガネスも兄貴分と同様、この時間帯にサン・マメスでのアスレティック戦を迎えるんですが、こちらもエイバルに挑むスポルティング、ビジャレアルを訪問するデポルティボを睨みながらの展開になるかと。できれば自力で1部の椅子は勝ち取ってもらいたいものですが、相手もEL出場権が懸かっていますからね。アシエル・ガリターノ監督のチームも余力はあまりないため、何とかいい目が出てくれませんかね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

コメント

関連ニュース

thumb

【原ゆみこのマドリッド】こうまで試合が続くのは珍しい…

▽「お昼時に見たい映像じゃないのに」そんな風に私が眉をしかめていたのは金曜日、ラス・ムサス駅前のベンチから、清掃員が血まみれの衣服を拾ってゴミ袋に入れているシーンがどのチャンネルのスポーツニュースでも映るのにうんざりしてのことでした。というのもワンダ・メトロポリターノでコパ・デル・レイ準々決勝1stレグがあった水曜日、メトロ(地下鉄)7号線エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、スタジアムに至る道のりにお店が並んでいる通りがあり、こちらから歩いて行くファンも多いエリアで傷害事件が発生。キックオフ20分前にとあるバル(スペインの喫茶店兼バー)にいた22歳のスペイン人がナイフで3カ所を刺され、助けを求めて警察に保護されたのがそこだったから。 ▽被害者の方は一命を取りとめたそうなので、不幸中の幸いだったんですが、すぐに捕まった犯人は元フレンテ・アトレティコ(過激なファングループ)の一員。それも1998年にビセンテ・カルデロン周辺でレアル・ソシエダのファンが殺害された時にも容疑者の1人とされ、2005年に不振を極めていたチームに抗議するため、当時、リバプール移籍前のフェルナンド・トーレスもいたマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に柵を破って侵入した集団にもいた人物だったとか。おまけにここ10数年、強盗などの罪で服役し、釈放されてたったの6カ月しか経っていなかったというのには言葉もありませんが、おかげでまたしてもウルトラたちの蛮行がクローズアップされてしまったのは何とも嘆かわしいかと。 ▽ええ、同じ水曜遅くに行われたコパ、エスパニョールvsバルサ戦でもRCDEスタジアムへの入場を断られた一団がスタジアム外でbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて大騒ぎ、警官隊と揉み合っていましたしね。アトレティコが迎えたセビージャも先日には練習場にビリス(過激なファングループ)の訪問を受けて、どうにも落ち着きませんが、いくら取り締まってもこういう類いの人たちはサッカー周辺から消えないよう。自分としてもできるのは、そういう騒動にぶつからないことを祈るぐらいしかないんですが、それも運次第としか言えなくって…スペインに試合観戦に来るファンにとって、何のアドバイスにもならないのが申し訳ないです。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週のミッドウィークは私もコパ三昧。マドリッド勢が3チームも準々決勝に残っているため、連夜のスタジアム通いとなったんですが、格下相手だった16強対決とは違い、どちらも大勢の観客を集めての試合となりました。ちなみに水曜のアトレティコvsセビージャ戦は5万1000人とかつてのビセンテ・カルデロンなら、ほぼ満員になる数字で、木曜のマドリーミニダービーとなったレガネスvsレアル・マドリー戦は1万1000人と、こぶりなブタルケはスタンドから人が溢れんばかり。結局、ソシオ(協賛会員)に先行販売した後、当日券が80枚ばかり出たそうですが、やはり一般のファンにとっては狭き門だったかと。 ▽ただ、どちらも結果から言うと、残念なもので、アトレティコなど、グリーズマンとFIFA処分明けで1月からプレーできるようになったジエゴ・コスタ、ビトロ、シメオネ監督待望の黄金コンビが初めて揃い踏みしたんですけどね。期待たがわず、前半13分にはCKからコスタがヘッドでゴールを決めたんですが、残念ながら、グリーズマンがGKセルヒオ・リコにぶつかったとして、ファールでゴールが認められず、続くコスタの一撃もリコにparadon(パラドン/スーパーセーブ)される始末。更に彼にはゴール前の揉み合いでメルカドにユニフォームを破られながら、ペナルティを取ってもらえない不運もあったんですが、セビージャもコレアの1対1やエスクデーロの意表を突くロングシュートをGKモヤに阻まれ、先制点を奪うことはできません。 ▽それでもスコアレスドローで迎えた後半28分、クリアされたCKをカラスコが撃ったボールが敵DFに当たって逸れ、そのこぼれ球をコスタがゴールしてとうとうアトレティコが1点を入れたんですよ! ところが35分、途中出場のヘスス・ナバスのクロスがリュカに当たって軌道が変わったため、モヤも慌ててしまったんでしょうかね。ボールは枠の外に向かっていたにも関わらず、手を伸ばして弾こうとして、オウンゴールにしてしまったから、場内も呆気に取られたの何のって。 ▽ええ、これにはサウールなども「El gol del empate fue muy doloroso, de rebote, nos hizo mucho dano moralmente/エル・ゴル・デル・エンパテ・フエ・ムイ・ドローロ、デ・レボテ、ノス・イソ・ムーチョ・ダーニョ・モラルメンテ(同点ゴールはとても痛かった。リバウンドだったし、士気的に凄く影響した)」と言っていたんですが、だからって、「Hemos perdido la cabeza/エモス・ペルディードー・ラ・カベッサ(ボクらは考える頭を失ってしまい)、やみくもに2点目を取りにいった」なんて、ちょっとお。コパは180分間で決着がつくのを忘れていた? ▽うーん、思うにこれにはこの日のアトレティコが先発のアタッカートリオに加え、ベンチにはコレア、カラスコ、トーレス、ガメイロとやたらFW人口が多め。おかげでハーフにはビトロをコレアに、後半22分にはグリーズマンをカラスコへと太っ腹に代えたシメオネ監督は更に、同点になった後もコケに代えてトーレスを投入し、攻めに出たんですが、これまでのパターンだったら、ここはヒメネスで中盤の守備強化だったかと。ついつい豊富な攻撃陣に誘惑され、コケ、サウール、ガビらMFたちがまったく役に立っていなかったことに目をつむってしまったというところでしょうが、そんな彼らを最悪の災難が襲ったのは43分。 ▽それは昨今のアトレティコには珍しいCB陣のダブルミスからで、センターからバネガが頭で戻したボールをゴディンがベン・イェデルに競り負け、落ちた先でサビッチもクリアし損ねてセビージャのコレアがゲット。最後はモヤも破られて、2点目を取られてしまったとなれば、もうどうしたらいいものやら。残り時間もなく、そのまま1-2で逆転負けしてしまったんですが、いやあ、まさか昨季最後のリーガ戦後、ベリッソ監督を解任。モンテッラ監督をイタリアから呼んだものの、ベティスとのアンダルシアダービーにホームで3-5とやられ、続くアラベス戦にも負けて、絶不調と言われていた相手が息を吹き返す勝利を与えるとは、まったくお人よしにも程があるってもんじゃありませんか。 ▽まあ、嘆いても後の祭りで、こうなったら来週火曜の2ndレグ、すでにチケット完売のサンチェス・ピスファンでremontada(レモンターダ/逆転劇)を目指すしかないんですが、ファンフランは「No es la primera vez que hemos ido a Sevilla y hemos ganado tanto en Liga como en Copa/ノー・エス・ラ・プリメーラ・ベス・ケ・エモス・イドー・ア・セビージャ・イ・エモス・ガナードー・タントー・エン・リーガ・コモ・エン・コパ(ウヒがセビージャで勝ったのはリーガもコパも初めてじゃない)」とは言っていたものの、ホームで1-2負けからの逆転突破はクラブ史上、これまで1回のみ。それを考えると、かなり厳しそうですが、今はもう土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのジローナ戦に頭を切り替えないと。何せ、ワンダのオープンが遅れ、開幕からアウェイが3試合続いたシーズン序盤と逆にここから、リーガはホーム3連戦ですからね。フィリペ・ルイスにまたケガが見つかり、リュカが出づっぱりというのもちょっと心配ですが、首位バルサとの勝ち点差9を少しでも縮められるよう、全力を尽くしてほしいものです。 ▽そして木曜、午後9時30分という遅いキックオフだっただけに、帰りはセルカニアス(国鉄近郊路線)の終電に間に合わず。それでもグーグルマップを見ながら、サン・ニカシオ駅まで20分程歩けばメトロスール(地下鉄南線)はまだあるからと、観念してブタルケに向かった私でしたが、マドリーのBチームも相変わらずパッとしませんねえ。いえ、開始14分でCBバジェホが負傷、コパ32強対決フエンラブラダ(2部B)で退場したのに続き、せっかくのチャンスを利用できず、ナチョと代わる破目になったのは気の毒でしたけどね。レガネスは元々、しっかりした守りに定評のあるチームなんですが、ボールは支配していたマドリーだったものの、先発したマジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、セバジョスらでは上手く攻め込むことができず、前半のチャンスなど、コバチッチがGKシャンパンとの1対1で不可思議にも枠を外してしまった時ぐらいでしたっけ。 ▽だからといって、お隣さんとは対照的にケガの直ったベンゼマも含め、BBCを招集しなかったジダン監督のチームの控えにはFWが1人もいませんでしたしね。さすがに0-0のまま、後半半ばにもなると、セバジョスをモドリッチにしてみたんですが、すると対するガリターノ監督も勝負に出ます。そう、24分には現在、チームで一番調子のいいアムラバットを入れ、攻勢をかけたところ、ボービューが至近距離からvolea(ボレア/ボレーシュート)。残念ながら、これはGKカシージャに弾かれてしまったため、勝負は来週水曜のサンティアゴ・ベルナベウに持ち越されるかと、スタンドを埋めたサポーターたちも思ったんですが…いやあ、才能ある選手というのは本当に油断がなりませんよ。 ▽そう、残り1分、途中出場したイスコが始めたプレーから、左SBのテオがクロスを上げると、アセンシオがゴール右前、ティトに先んじてボールのコースを変えてゴール。これで0-1と、マドリーが土壇場で勝利をモノにしたんですが、ガリターノ監督も「ベルナベウでチャンスを探す。Allí daremos todo lo que tenemos/アジー・ダレモス・トードー・ロ・エ・テネモス(そこで我々の持つ全てを出すつもりだ)」と言っていた通り、安心とは程遠い結果だったのも事実だったかと。 ▽いえ、ジダン監督は「Este triunfo es un punto de inflexión para seguir y sacar dos, tres o cuatro partidos adelante/エステ・トリウンフォ・エス・ウン・プント・デ・インフレクシオン・パラ・セギール・イ・サカール・ドス、トレス・オ・クアトロ・パルテイードス・アデランテ(この勝利が先の2試合、3、4試合に勝ち続ける分岐点になるだろう)」と楽観的でしたけどね。バランなども「他の日より劣ったプレーをしたけど、今日は勝った。ボクは悪いプレーでも勝つ方がいいね」と認めていたように、年が変わって以来、1部の相手には引き分け、敗戦と白星がなかったことを考えると、弟分チームとはいえ、レガネスに勝てたのは選手たちの自信回復にもなって良かったかと。 ▽まあ、そんな彼らは日曜午後4時15分から、ホームサポーターの前で今度はデポルティボ相手に復調したことを証明しないといけないんですが、まあ、首位のバルサとは勝ち点差19ありますからね。焦っても仕方ないんで、1ポイント差で5位のビジャレアルに来季のCL出場圏順位の4位を奪われないように気をつけながら、グループリーグに直接参加できる3位のバレンシアとの8差を少しずつ詰めていくことが当面の目標でしょうか。 ▽ちなみにこの試合の注目は今週、メッシやネイマールに年棒で激しく抜かれながら、ペレス会長が一向に契約更改をしてくれないことに業を煮やしてか、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を望んでいると大々的に報じられたクリスチアーノ・ロナウドに対するスタンドのリアクション。うーん、これまでならあっさりハットトリックでも挙げて、ファンの恩寵を取り戻すのに苦労はなかった当人ですが、今季はリーガでなかなかゴールが入らず。まだ、たったの4得点という悪い流れを変えないと、pito(ピト/ブーイング)が飛んできたりもするかもしれませんね。 ▽え、コパ生き残り勢の様子はわかったけど、初ラウンドで敗退したため、ミッドウィークはカヤの外となっているマドリッド勢、ヘタフェのことも知りたいって? いやあ、実はそうでもなくて、今週はCBカブラル(クロトーネからレンタル移籍)の入団プレゼンがあったり、水曜には私も練習を見て来たんですけど、ここ2週続けて金曜に試合というのはもしや、彼らに疎外感を与えたくないというスペイン・プロリーガ協会の思いやりだったりする?おかげで私もとうとう、3夜連続でスタジアム通いをしてしまったんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアスレティックを迎えた一戦はペナルティが3つも吹かれる珍しい展開に。 ▽いえ、前半12分には落ちてきたクロスをウィリアムスがすくい上げ、ファーサイドの味方に合わそうとしたところ、今年になって負傷中だか、プレミアリーグへの移籍を待っているのだか、よくわからないGKグアイタに代わり、ゴールを守っているエミ・マルティネスが掻き出しきれず、アスティックにリードを許してしまったヘタフェだったんですけどね。21分にはホルヘ・モリーナがGKエレリンに倒され、そのPKを自ら決めて1-1に追いつきながら、後半序盤にはケガをしたダミアンの代わりに入ったモリネーロがセットプレー中にラポールを倒してしまい、こちらはラウール・ガルシアがPKを沈めて再び、ヘタフェは1-2の劣勢に陥ります。 ▽するとその3分後、またしてもエレリンがホルヘ・モリーナにペナルティを犯してしまったんですが、ここはボルダラス監督もキッカーを変えても良かったかもしれませんね。度重なるファールの影響もあったか、今度はPKをエレリンに弾かれてしまい、ヘタフェは同点に追いつけず。そんな逆境時、チームに勢いを与えてくれたのはアンヘルで、いえ、代わって退いた柴崎岳選手も頑張っていたんですけどね。「ケガが治って前節初めて先発で、今日はリズムの激しい試合だった。No estaba cómodo, lo ha intentado y no encontraba esa posición para recibir y participar/ノーエスタバ・コモドー、ロ・ア・インテンタードー・イ・ノー・エンコントラバ・エサ・ポシシオン・パラ・レシビール・イ・パルティシパール(いい感じがつかめず、試みはしたものの、ボールを受けて、プレーに加わるポジションが見つからなかった)」(ボルダラス監督)だったようで、何にしても28分にはそのアンヘルが、ポルティージョが頭で落としたボールをゴールに流し込み、待望の同点弾を決めてくれたとなれば、まさに的確な交代策だったと言わざるをえないかと。 ▽ただ残念ながら、アンヘルも勝ち越し点のチャンスには決めることができず、結局、2-2の引き分けで終わったんですが、暫定7位で、ヨーロッパリーグ出場圏の6位セビージャにも少し近づきましたしね。次節はそのセビージャと直接対決、続いてお隣さんのレガネスとの弟分ダービー、バルサ戦としばらく茨の道が続く彼らには、悪くないシーズン後半戦のスタートになったはず。そうそう、こちらも午後9時の遅い試合だったんですが、嬉しいのはブタルケと違い、コリセウム・アルフォンソ・ペレスはすぐ側にメトロスールのロス・エスパルタレス駅があること。マドリッド中心部に戻るには1時間ぐらいと、ちょっと時間はかかるんですが、暗い道を延々と歩かなくて済むのはありがたいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.20 14:31 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢はコパに懸ける…

▽「前代未聞のハードスケジュールだわ」そんな風に私がおののいていたのは月曜日、今週の観戦予定をチェックしていた時のことでした。いやあ、リーガ後半戦開始となる20節は珍しく、マドリッドの3チームがホームゲームとなるのはすでにわかっていたんですけどね。それもヘタフェが金曜、アトレティコが土曜、レアル・マドリーが日曜とバラけてくれた時には今週末、スペインの首都に滞在するサッカー好きの観光客は毎晩試合が見られてラッキーだなぐらいにしか思わなかったんですが、よくよく見てみれば、ミッドウィークにはコパ・デル・レイ準々決勝1stレグが開催。水曜にアトレティコがセビージャをワンダ・メトロポリターノに迎えた後、木曜にはブタルケ(レガネスのホーム)でマドリーミニダービーのコパ版って、もしかして私、5日連続でスタジアムに通うことになる? ▽ちなみにコパのいいところはチケットの値段がリーガ戦より安いことで、アトレティコの場合は一般25ユーロ(約3400円)から。相手が近年、ライバル意識の強いセビージャだけにすでに7000枚売れたと言われていますが、リーガより手に入れやすいのは確かかと。前売りはビセンテ・カルデロンの窓口かクラブのオフィシャルウェブのEntradas(エントラーダス/入場券)セクション(http://www.atleticodemadrid.com/entradas/entrada/atletico-de-madrid-sevilla-12)で、当日もワンダのスタジアムに向かって左手前にあるチケット売り場で買うことができます。 ▽一方、マドリッドの大先輩の胸を借りることになるレガネスは40ユーロ(約5500円)からなんですが、何せ、あそこは収容人数が1万人ちょっとと少ないですからね。月曜のベティス戦では今年初めて2得点しながら、アムラバトのハンドで与えたPKをルベン・カストロに決められ、3-2と負けてしまったものの、コパ16強対決ではビジャレアルを破ったというのもあって、先行販売されているソシオ(協賛会員)たちが駆けつけないはずはなし。もし余ったら木曜の試合当日に一般用チケットが出るとはいえ…あまり期待はしない方がいいかもしれませんね。 ▽まあ、コパについてはまた後で話すことにして、まずは先週末のリーガ戦がどうだったかお伝えしておかないと。先陣を切ったのは弟分のヘタフェで金曜にマラガをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたんですが、ようやく柴崎岳選手が負傷から復帰後、初先発となったものの、得点はかなり遅くまで生まれず。そんな時、切り札となったのはセットプレー。何せ彼らは最初のラウンドでコパを敗退しているため、練習時間が沢山ありますからね。後半26分、ファジルのFKから途中出場のアンヘルがクロスを上げ、カラが頭で決めて待望の先制点をゲットすることに。 ▽相手が降格圏で低空飛行しているマラガだったこともあり、その後、攻撃陣の一角だった柴崎選手をボランチのモラに代え、そのまま1-0で勝利。シーズン前半戦を勝ち点26の8位という好成績で終えたヘタフェでしたが、ボルダラス監督によると、「(2年前)降格したシーズンも勝ち点は同じだったのだから、tenemos que seguir trabajando con mucha humildad/テネモス・ケ・セギール・トラバハンドー・コン・ムーチャ・ウミルダッド(謙虚さを忘れずに努力し続けないといけない)」のだとか。クラブもそのための用心は怠らず、今週はCBのゴロシートがアルバセテ(2部)に移籍するのと入れ替わりでカブラル(カントーネからレンタル移籍)を獲得。プレミアリーグ行きの噂があったGKグアイタも残留することになったようですしね。再び金曜午後9時(日本時間翌午前5時)に振られた、ホーム連戦となるアスレティックとの試合でもいい結果を出せば、ヨーロッパリーグ出場圏入りも夢ではないというのはきっと、選手たちの励みになるはずですよ。 ▽そして土曜は兄貴分たちの番で先に試合をしたのはマドリー。サンティアゴ・ベルナベウでのビジャレアル戦でしたが、氷雨が降る中、いえ、このスタジアムだけは客席に暖房があるため、凍えることは滅多にないんですけどね。ファンに寒気を与えたのは試合内容の方で、前半にはベイルのゴールがオフサイドで認められなかったり、クリスチアーノ・ロナウドのシュートがゴール枠を叩いたりしたものの、ジダン監督も後で「Hemos tenido muchas ocasiones y no quiere entrar/エモス・テニードー・ムーチャス・オカシオネス・イ・ノー・キエレ・エントラール(ウチには沢山チャンスがあったが、ボールが入りたがらなかった)」と嘆いていたように、待てど暮せど、ゴールが決まらないんですよ。 ▽すると後半、それまで押し込まれるばかりだったビジャレアルが少しずつ攻撃を繰り出し、残り3分にとうとうそれが実ってしまったから、さあ大変! マドリーのCKをクリアすると、チェリシェフがドリブルで抜け出してカウンターをスタート。バッカから代わっていた20歳のウナルのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、フォルナルスのカバーを誰もしていなかったため、vaselina(バセリーナ/ループシュート)で虎の子の1点を奪われてしまうって、あんまりじゃないですか。すでにイスコとベイルをアセンシオとルーカス・バスケスに代えていたマドリーですが、その後もめぼしいリアクションはなく、FWマジョラルも投入も見送られ、そのまま0-1で負けてしまうことに。 ▽いやあ、ビジャレアルにとって、これがベルナベウ初勝利で、殊勲の決勝点を挙げたフォルナルスが試合後、「実は金曜の練習でまったく同じシチュエーションがあって、その時のシュートはバーに当たっちゃったんだけどね」と嬉しそうにしていたのは別にいいんですけどね。問題はカジェハ監督も「No veo imposible llegar a la Champions/ノー・ベオ・インポシーブレ・ジェガール・ア・ラ・チャンピオンズ(CL出場圏に入るのは不可能には見えない)」と言っていたように、これで4位マドリーと5位に上がったビジャレアルの差がたったの勝ち点1になってしまったことで、え、翌日、レアル・ソシエダに逆転勝ちした首位バルサとの19差になったのはいいのかって? ▽まあ、こうまで離されると、カンテラーノ(ユース組織出身選手)のナチョなどは「No vamos a tirar la Liga hasta el ultimo minuto/ノー・バモス・ガ・ティラール・ラ・リーガ・アスタ・エル・ウルティモ・ミヌート(ボクらは最後の1分までリーガ優勝を諦めたりしない)」と建前を貫いたものの、「ウチは来季のCL出場権獲得に集中すべき。それが今季残りの目標だ」というクロースの意見の方がずっと現実的ですからね。昨年最後の試合だったクラシコ(伝統の一戦)でバルサに負けて以来、セルタとの引き分けを挟んでここ3試合、リーガで白星なし、ホームでのコパ2ndレグもフエンラブラダ(2部B)、ヌマンシア(2部)の格下に続けて2-2のドローという体たらくでは、その日もファンが試合終了と共に大音響のpito(ピト/ブーイング)をチームに浴びせたのも仕方なかったかと。 ▽よってもう、この木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのレガネスとの今季まだタイトル獲得の可能性があるコパ準々決勝1stレグ、日曜のリーガ、ホームでのデポルティボ戦はマドリーにとって、まさに背水の陣と言っていいかと思いますが、悪い時には悪いことが重なるのは人生の常。ええ、月曜にはAS(スポーツ紙)が「ロナウド、ユナイテッド移籍を希望」報道を開始してしまったんですよ。その理由は昨季、カーディフでの決勝で2ゴールと活躍、ユベントスを倒してDuodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝のこと)に貢献した際に契約更改をペレス会長が約束しながら、まだ果たされておらず。その間にメッシやネイマールらに年棒で大きな差をつけられてしまったのが不満だというのですが、何せ今季の彼はリーガで4得点ですからね。いくら先日は自身5度目のバロンドールを受賞したとはいえ、今はそうそう、強気には出られないんじゃないのでは? ▽ただどちらにしろ、それはこの夏のことで、今はロナウド引き止めより、緊急補強でも何でもして、シーズン前半戦18試合(クラブW杯でレガネス戦が未消化)でたったの32得点という、2006-07シーズンの26得点に次ぐゴール日照りを解消すべきだと思うんですが、相変わらず、ジダン監督の意見は今のメンバーで十分というもののよう。いえ、バルサがここまで52得点というのが異常で、前半終了時点でお隣さんに勝ち点差10をつけた2位のアトレティコなど、たったの28得点ですから、要は守備との兼ね合いなんですけどね。まだ今週は負傷のリハビリ中のベンゼマもセルヒオ・ラモスも戻って来ませんし、いざとなれば、今季のCLに優勝すれば来季のグループリーグに出られるとはいえ…本当にどうするつもりなんでしょうかね。 ▽え、ということは、その土曜はジエゴ・コスタが出場停止でいなかったにも関わらず、アトレティコはエイバルに勝ったのかって? いやあ、私も試合の前半はまだベルナベウのミックスゾーンにいたため、彼らがガンガン押していた前半は見ることができなかったんですけどね。コレアやコケのシュートが外れた後、27分にはコケのパスを追ったグリーズマンがエリア内でガメイロにアシスト。そのシュートが決まって先制してくれたため、自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆け込んで、後半が始まるのを楽しみに待っていたところ…ちょっとお、「Ellos crecian y nosotros elegimos refugiarnos/エジョス・クレシアン・イ・ノソトロス・エレヒモス・レフヒアールノス(相手が強くなってきたので、ウチは避難することにした)」(シメオネ監督)って、どういうこと? ▽おかげで私が見たのは自陣にこもって守る一方のアトレティコで、いえ、乾貴士選手の強烈な一撃を弾いたのを始め、7回にも及ぶGKオブラクの奮闘にはいつもながら、感動させられたんですけどね。チャンスと言えば、グリーズマンが1対1でGKドミトロビッチに弾かれたシュートぐらいなもので、フラストレーションもかなり溜まったとはいえ、この日はコスタ以外にもガビやサビッチが累積警告で不在。おまけにエイバルは3連勝中と絶好調だったのを考えると、「Despues de ver la segunda parte creo que hemos merecido mas/デスプエス・デ・ベル・ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エモス・メレシードー・マス(後半を見た後のウチはもっと報われても良かった)」(メンディリバル監督)という相手を零封して、0-1で渋い勝利をもぎ取ったんですから、不満を言ったらバチが当たりますって。 ▽まあ、「Estamos un poco cansados de jugar cada tres dias/エスタモス・ウン・ポコ・カンサードス・デ・フガール・カーダ・トレス・ディアス(ボクらは3日ごとにプレーするのにちょっと疲れていて)」というガメイロの言葉は、イプルア(エイバルのホーム)でもゴディンが5枚目のイエローカードをもらい、土曜のリーガ次節、ジローナ戦で出場停止になったように、すでに強制ローテーションも始まっていますし、コパもEL決勝トーナメントも勝ち続けて、3月の各国代表戦週間までノンストップで行く予定となれば、今は聞かないふりをしておいた方がいいんですけどね。 ▽それより喜ばしいのは今年になって、彼を始め、グリーズマン、フェルナンド・トーレス、コレアとFW陣が全員得点していること。何せ、あのコスタだけにまた退場による出場停止があるかもしれませんし、実際、出ずっぱりという訳にもいかないですしね。となれば、シーズン前半は決定力不足に悩まされた前線にゴールが戻ってきたのは現在、勝ち点9差で唯一、リーガ優勝戦線でバルサの対抗馬と言われている彼らにとっては心強いかと。 ▽いえ、もちろんこの先、バルサが3敗もするとは私も思えないため、アトレティコの現実的な目標もELはまだ先が長いですし、4月21日にワンダ・メトロポリターノで開催することが決定したコパで優勝することなんですけどね。そのためには水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からの準々決勝1stレグでセビージャを叩いておかないといけないんですが、昨年最後のレアル・ソシエダ戦で敗れた後、ベリッソ監督を解任、イタリア人のモンテッラ監督が引き継いだ相手が未だに復調していないのはツイている? ええ、年明け最初のアンダルシアダービーで宿敵ベティスに3-5と負けた後、この日曜にもアラベスに1-0と惜敗し、翌朝には練習場にビリス(セビージャの過激なサポーターグループ)のメンバーが詰めかけ、選手たちと話すことを要求。そういうのはリバプールに移籍する前にトーレスがいた時代、アトレティコでもあったんですが、これってかなりヤバい状態ですよ。 ▽とりあえず、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習でシメオネ監督はグリーズマンとコスタのコンビで前線を試していたそうですが、今度は私も威勢よく攻めていくアトレティコをワンダで見られることを期待。ただビセンテ・カルデロンに負けず劣らず、周囲が荒野のあのスタジアムは風が通って非常に寒いんですよね。ここしばらくはマドリッドも夜は低温が続くため、もし水曜からの5連戦、スタジアムに行こうと思っているファンはできるだけ暖かい恰好をしていくのがお勧め。ええ、今はマドリッドもrebaja(レバッハ/バーゲン)のシーズンということもあり、私も裏フリースのニット帽をつい買ってしまいましたっけ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.16 12:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】消化試合にもイロイロある…

▽「せめて勝つぐらいはしてくれないと」そんな風に私が愚痴っていたのは水曜。今週マドリッドで行われたコパ・デル・レイ16強対決2ndレグ、2日目の試合がサンティアゴ・ベルナベウで終わった時のことでした。いやあ、確かに格下のヌマンシア(2部)相手に0-3で先勝していたとあれば、レアル・マドリーの選手たちのやる気がそげるのも無理はないんですけどね。それを言ったら、前夜のワンダ・メトロポリターノなど、リーガ前節のヘタフェ戦同様に雨。アトレティコも1stレグでジェイダ(2部B)に0-4と大勝していため、観客数もたったの2万8000人と今季最低の入りだったものの、スタンドで寒さに耐えた甲斐のある内容だったのとはかなり、対照的だったから。 ▽とりあえず順番にお話ししていくことにすると、アトレティコはマドリーミニダービーで累積警告や退場となったガビ、サビッチ、ジエゴ・コスタが次節に出場停止となるため、シメオネ監督は彼らをコパで先発に使うことに。それ以外はグリーズマン、ゴディン、サウール、コケ、トーマス、ヴルサイコ、ヒメネス、GKオブラクら、リーガのtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)を招集しなかったんですが、前半が0-0で終わったのはいつもの習慣のようなものだったかと。実際、CKからリュカがシュートをゴールポストに当てたり、フェルナンド・トーレスのラストパスで敵GKと1対1になったコスタが弾かれたりと、チャンスはあったんですが、待望のゴールは57分まで生まれませんでしたっけ。 ▽とはいえ、彼らの得点は十分、見ごたえのあるもので、今は9月に復帰しながら、アトレティコの受けたFIFA処分のせいで年明けまでプレーできなかったコスタが張り切っていますからね。先制点のキッカケも彼で、自陣でボールを取り戻すと、一気にカウンターが始まり、最後は当人がエリア内から出したパスからカラスコが決めてくれます。ええ、シメオネ監督も「No tengo ninguna duda de que ha sido el jugador más importante que ha llegado al Atlético en los últimos años/ノー・テンゴ・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・ア・シードー・エル・フガドール・マス・インポルタンテ・ケ・ア・ジェガードー・アル・アトレティコ・エン・ロス・ウルティモス・アーニョス(ここ数年でアトレティコに来た一番重要な選手であることに自分はまったく疑いを持っていない)」とベタ褒めしていましたが、とにかくコスタがピッチにいるだけで何かが起こるような気がするのはきっと、私だけではないかと。 ▽そして2点目は72分、今度は途中出場組のコレアとガメイロの連携で、とりわけ彼らの場合は新戦力がプレー解禁されたせいで、チーム内競争激化の影響をモロに喰らっていますからね。スローインからのボールを前者が持ち込むと、ゴールライン際から出したパスを後者が流し込んでゴールに。何せ、このコパづくめの1月に続き、2月もヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦を皮切りにはずっとミッドウィークの試合が続く(予定)のアトレティコ。この日、ワンダデビューしたビトロ(昨夏セビージャから移籍して、シーズン前半はラル・パルマスにレンタル)も11月に負傷して以来、1カ月間、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でリハビリしながら、横目でチームメートのトレーニングぶりを見学していたのが早い適応に繋がったんでしょうかね。 ▽78分にはトーレスのロングフィードを追いかけ、3点目のゴールを決めたとなれば、当人も「No podía pedir más en mi debut en casa/ノー・ポディア・ペディール・マス・エン・ミ・デビュー・エン・カサ(自分のホームデビューにこれ以上のことは頼めない)」と喜んでいたように、選手層の厚さを試す最高な消化試合だったと言っていい? 結局、そのまま3-0で勝利したアトレティコは総合スコア7-0で準々決勝進出を決めたんですが、うーん、それでもやっぱり気になるのは土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエイバル戦。相手はコパ敗退組で1週間、十分休養を取っているというのもありますが、一応、クラブもヘタフェ戦でスタンドのファンに揉みくちゃにされてゴールを祝ったコスタに出されたイエローカードの取り消しを協議委員会に申請。 ▽それが木曜には却下されてしまったため、今月になって初めて彼抜きで戦わないといけないというのはちょっと不安ですが、今度は週中にお休みをもらった選手たちが頑張ってくれる? そうそう、同日行われたラス・パルマスとのコパ2ndレグでバレンシアの一員として、レンタル移籍デビューしたビエットは今季前半のゴール入らない病がいきなり全快したようで、ハットトリックで4-0の勝利に貢献。チームも総合スコア5-1で準々決勝に進んでいますが、その相手は現在、リーガ3位、2位のアトレティコとはCL出場権争いのライバルっていうのは当人にとっては喜ばしくても、ちょっと敵に塩を送るみたいな形になってしまいましたかね。 ▽そして翌水曜、一足先にコパ16強2ndレグに挑んだのはマドリッドの弟分、レガネスでこちらはアウェイでのビジャレアル戦。先週はブタルケで1-0の最少得点差勝利だったため、危ういところもあったんですが、31分にナランホのスルーパスからエル・ザールが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めて1点を取ってくれたため、ラバとチェリシェフのゴールで後半、2-1と逆転されながら、アウェイゴール差で勝ち上がることができました。ええ、ガリターノ監督も「Es lo que tiene la Copa, a pesar de haber perdido, pasamos de ronda/エス・ロ・ケ・ティエネ・ラ・コパ、ア・ペサール・デ・アベール・ペルディードー、パサモス・デ・ロンダ(これがコパにはある。負けたのにウチは次のラウンドに進んだ)」と言っていましたが、とにかく感心するのは年明けからの3試合、どれも1点しか取ってないにも関わらず、彼らが最大限の効率を上げていること。 ▽さすがに来週になると、リーガ次節ベティス戦が月曜、コパ準々決勝は金曜の抽選で相手が決まりますが、これも間違いなく1部のチームとで1stレグは木曜、そして日曜にはアウェイでのアラベス戦と超ハードスケジュールになるため、息切れが心配ですけどね。ちなみに今のところ、コパ8強進出組で一番勝ち目がありそうなのは、お隣さんのヘタフェは32強対決で後れを取ったものの、そのアラベス(2部Bのフォルメンテラに総合スコア3-0で勝利)ですが、謙虚なレガネスファンは1-0の辛勝でも決して文句を言わないものの、さすがに3連戦とかなると、それはそれで観客動員数に影響が出るかもしれませんね。 ▽え、そんな弟分とは真逆で、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)でないとpito(ピト/ブーイング)が飛ぶサンティアゴ・ベルナベウのファンの要求度の高さにも問題ななきにしろあらずだけど、水曜のヌマンシア戦では仕方ないところもあったんじゃないかって? そうですね、リーガでは前節のセルタ戦で2-2と引き分け、とうとう首位バルサとの差が勝ち点16に開いてしまったマドリーだったんですが、前日にはジダン監督がバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習前に30分間、反省ミーティングを開きながら、その鬱憤をコパで晴らすには至らず。もちろんクリスチアーノ・ロナウドを始め、モドリッチやクロース、GKケイロル・ナバスらはローテーションでお休み、ベイルも実戦のリズムは戻ったとして、ベンチに入らなかったせいもあったんでしょうが、結果は2試合連続となる引き分けとなれば、もうAチームもBチームも違いはない? ▽いえ、確かに1stレグで3点リードしていたところに10分、カルバハルのクロスをノーマークでルーカス・バスケスが頭で決め、すでについていた勝負が序盤から更についてしまったという巡り合わせはあったんですけどね。こういう試合でこそ、アピールして出場機会を増やさないといけないマジョラル、アセンシオ、セバージョス、コバチッチ、ジョレンテらが揃って精彩なく、追加点は一向に奪えず。それどころか、前半終了間際にはカウンターから、負傷で交代したヒヒニオに代わって入っていたギジェルモに同点ゴールを決められているのでは、ハーフタイムでロッカールームに戻る時から選手たちがブーイングを浴びていたのも仕方なかったかと。 ▽後半も53分にはアセンシオのクロスをマジョラルが落としたところをルーカス・バスケスが押し込み、再びリードしたマドリーだったんですが、その後、積極的に攻めているのがヌマンシアばかりでは。おかげで「al final nos faltó gasolina/アル・フィナル・ノス・ファルトー・ガソリーナ(ウチは最後、ガソリンが足りなかった)」とジダン監督も残り15分、唯一のFWだったマジョラルを下げ、ボランチのカセミロを入れることになったんですが、36分には再びギジェルモに決められて、同点に追いつかれてるって一体、このマドリー、守備も攻撃もどうなっている? ▽いえ、それでも総合スコアは5-2ですから、いくらヌマンシアのアラサーテ監督が「Vimos la posibilidad incluso de ganar/ビモス・ラ・ポシビリダッド・インクルソ・デ・ガナール(勝利の可能性さえウチにはあった)」と胸を張っても逆転突破される心配はなかったんですけどね。この日の引き分けで今季のホームゲーム15試合中、勝ったのはたったの8試合だけって、うーん、これじゃ、いくら2得点を挙げて満足していたルーカス・バスケスに「La afición tiene que ilusionarse en los cinco títulos que ganamos el año pasado/ラ・アフィシオン・ティエネ・ケ・イルシオナールセ・エン・ロス・シンコ・ティトゥロス・ケ・ガナモス・エル・アーニョ・パサードー(ファンはボクらが去年獲った5つのタイトルに夢を抱かないといけない)」と言われたって、フラストレーションが溜まるのは当然でしょう。 ▽そんなマドリーはこの週末、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、またしてもベルナベウでビジャレアル戦に挑むんですが、今の時点ではあまりリーガの優勝戦線に復帰することを考えても空しいばかりなので、まずは12月9日のセビージャ戦以来となるホームでの白星をファンにプレゼントすることに専念するべきかと。バルサと違って、即戦力となる戦力補強の話もありませんし、木曜に残っている16強対決2ndレグ3試合が終わって、相手が決まらないことにはコパの先行きもわからず、このところ1試合1試合進むごとに2月のCL決勝トーナメントPSG戦が到来するのが怖くなってくるというのも非常に悪い傾向ですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、2月にクラブW杯のせいで延期されたリーガのレガネス戦を迎える頃までには現在、勝ち点3しかない5位との差を広げてくれていると安心なんですが、才能にはまったく問題がないはずの選手たちがまずは90分間、集中してプレーできるようになるのが最優先でしょうか。 ▽そうそう、最後にコパの話題がまったくなかったヘタフェについてですが、彼らはこの週末のリーガ、金曜試合で午後9時(日本時間翌午前5時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに19位の降格圏にいるマラガを迎えることに。前節は先輩のアトレティコに2-0と軽くひねられてしまったんですが、今回は再び、夢のEL出場圏に近づくいいチャンスかと。ちなみにそのワンダの試合で控えとなったGKグァイタにはクリスアル・パレスへの移籍の噂があったせいで、何かと注目されていたんですが、ボルダラス監督が言うには単に身体的に問題があったからだとか。マラガ戦にもまだ出られるかわかりませんが、このシーズン前半最終戦を過ぎると、また強豪との対戦が始まる彼らですからね。そろそろ柴崎岳選手の先発などもあるかもしれませんし、ここはマドリッド勢唯一、週1試合ペースでいられるメリットを生かして、リーガで健闘してくれることを期待しています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.12 12:31 Fri
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】新年、メデタイことばかりじゃない…

▽「ここまで来るといっそ、忘れてしまいたいかも」そんな風に私が呟いていたのは日曜の夜、18節ではすでにリーガの1位から3位まで皆、勝っていたのを知りながら、4位のレアル・マドリーがバライドス(セルタのホーム)で勝ち点2をむざむざ失ってしまったのを見た時のことでした。いやあ、昨年最後のクラシコ(伝統の一戦)で0-3と宿敵に一蹴され、クラブW杯のおかげで消化試合は1つ少ないとはいえ、首位との差が勝ち点14に開いた時点でもう、彼らの今季のリーガは終わったという声はそこここから聞こえていたんですけどね。 ▽ただ、その直後にクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間)に入ったため、いえ、この月曜にコウチーニョ(リバプールから移籍)の入団発表があったバルサのように、即戦力となる選手を獲得するとかの噂はその間、GKのケパ(アスレティック)を除いてまったくなし。それもジダン監督の「ahora no necesito un porter/アオラ・ノー・ネセッシートー・ウン・ポルテーロ(今、GKは必要ない)」という、至極ごもっともなコメントで後回しとなったようですが、世間がお祭りムードに入るのと同時にマドリーの絶望的な状況も記憶の彼方に。おまけに年明け最初の試合、コパ・デル・レイ16強対決ヌマンシア(2部)戦1stレグなど、内容はともかく、0-3と快勝だったため、セルタ戦の後に思い出した現実がより悲惨に感じられたという見方もできなくはないんですが…。 ▽まあ、その辺についてはまた後で話しますが、2018年最初のリーガのマドリッド勢がどうだったかというと。この節のトップバッターを飾ったのはマドリー・ミニダービーで、アトレティコとヘタフェがワンダ・メトロポリターノで激突。雨模様の中、los Reyes Magos/ロス・レジェス・マゴス(東方の三博士)の祝日、土曜の午後1時からの試合に駆けつけたホームチームのサポーターには、待ちに待ったジエゴ・コスタ(昨夏チェルシーから移籍したものの、FIFA処分でシーズン前半はプレーできなかった)とグリーズマンのFWコンビをスタメンで見られるというregalo(レガーロ/プレゼント)があったんですが、シメオネ監督が左右にコレアとカラスコを配して攻撃的な布陣を敷いたのも効果的だったかと。 ▽ええ、コスタとグリーズマンのシュートが1本ずつ外れた後の前半18分、今度はアシスト役になった後者のスルーパスをコレアがエリア内で受け取りシュート。余裕のある1対1でなかったのが逆に良かったか、これが決まってアトレティコが先制点を挙げてくれたから、昨年最後の試合でエスパニョール相手にゴールが入らず。0-1で負けて、首位との差が勝ち点9になってしまったことを嘆いていたファンもどんなに喜んだことか。それ以降は両チーム共にファウルが増え、ハーフタイムまでに7枚ものイエローカードが飛び交ったため、次節のエイバル戦ではガビとサビッチが出場停止になってしまったんですが、これもアトレティコでは毎シーズンのお約束。例年に比べれば、累積警告ローテーションが始まったのはこの日のサウールからなので、むしろ今季は遅かったと言っていいでしょうか。 ▽そして後半序盤、チームメートに負けじとばかり、コスタもジェネの顔面にcodazo(コダソ/肘打ち)を入れてイエローカードをもらったんですが、それが22分、ヴルサリコのラストパスをCFとはかくありなんとばかりにゴール前から決めたすぐ後、災いの種となるとは!そう、自分を待ち望んでいたファンの前でワンダ初得点を挙げて感極まり、ピッチの囲いを飛び越えて、応援団のいるfondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に駆けつけて一緒に祝ったところ、審判に2枚目のイエローカードを提示されてしまったから、誰もが呆気に取られたの何のって。もちろんこれでコスタは退場、リーガの次節にも出られないって、いや、彼はまだローテーションいりませんってば! ▽うーん、後でガビなど、「se merece una colleja, aunque espero y deseo que no conociera la norma/セ・メレセ・ウナ・コジェハ、アウンケ・エスペロ・イ・デセオ・ケ・ノー・コノシエラ・ラ・ノルマ(規則を知らなかったんだと思いたいけど、頭をガツンとやるのにふさわしいね)」とキャプテンらしく、一応、コスタに苦言を呈していたんですけどね。コレアも「yo tampoco sabía que era amarilla celebrar el gol con la grada/ジョー・タンポコ・サビア・ケ・エラ・アマリージャ・セレブラール・エル・ゴル・コン・ラ・グラダ(ボクもスタンドと一緒にゴールを祝ったらイエローだってのは知らなかった)」と言っていましたし、本当かどうか、私は知りませんが、リュカによると、「イングランドじゃそんな規則はなくて、ファンと祝ってもいいんだ」そう。ただ、その次の時間帯で試合をしたバレンシアでロドリゴがロマーリョのオウンゴールを誘発した際、同じようにファンに揉みくちゃにされてもカードは出ずと、この規則に関しては適用がまちまちなのは如何なものかと。 ▽それでも幸い、途中出場の柴崎岳選手も大したインパクトは残せず、ヘタフェが「Nos faltó golpear y no las metimos/ノス・ファルトー・ゴルペアール・イ・ノー・ラス・メティモス(ウチはシュートが足らず、ゴールも入れなかった)」(ボルダラス監督)ため、10人になったアトレティコながら、そのまま2-0で終了の笛を聞くことに。丁度、3位のバレンシアもジローナに2-1で逆転勝利、翌日には首位のバルサもレバンテに3-0と快勝したため、ありがたい勝ち点3ゲットとなりましたが、何より嬉しいのはコスタがプレーできるようになって、チーム全体が前に引っ張られるようになったことでしょうか。 ▽それだけに火曜のコパ16強対決ジェイダ(2部B)戦2ndレグは先週の試合で0-4と大勝しているため、ビトロ(セビージャから移籍、シーズン前半はラス・パルマスでプレー)に慣れてもらったり、ガメイロやフェルナンド・トーレスが調子を上げるのに使ってもらって全然、構わないんですが、土曜のエイバル戦がちょっと気掛かりな面もなきにしもあらず。一方、すでにコパに敗退しているヘタフェは金曜にマラガ戦を迎えるんですが、もうこれでアンヘルは6試合連続ノーゴールですしね。順位的には11位とまったく問題ないものの、そろそろボルダラス監督も柴崎選手の先発起用など、ちょっとフォーメーションをいじることを考えてみてもいいかもしれませんね。 ▽そして翌日曜、同じアジアン・ゴールデンタイムの正午からブタルケにレアル・ソシエダを迎えたもう1つの弟分、レガネスは後半31分にガブリエルのゴールが決まり、コパのビジャレアル戦1stレグに続き、1-0で勝利。それこそ、ガリターノ監督も「Es para estar increíblemente contentos con lo que estamos haciendo/エス・パラ・エスタル・インクレイブレメンテ・コンテントス・コン・ロ・ケ・エスタモス・アシエンドー(自分たちがやっていることに信じられないぐらい満足な状態)」と言っていた程、守備の堅さに裏打ちされた省エネゲームで連勝しているんですが、ビジャレアルのホームに乗り込む水曜にもその勢いが衰えないといいのですが。何せ、コパ準々決勝に進出すると次のリーガ、ベティス戦が月曜に組まれているため、来週は3試合という超ハードなスケジュールになりますからね。レガネスの場合、2大会同時進行に慣れている選手もあまり多くないため、1月にムリをすると、あとでツケが回りそうなのがちょっと怖かったりします。 ▽え、そんなことより、早くマドリーに何が起こったのか知りたいって?そうですね、日曜の夜にセルタ戦を迎えた彼らだったんですが、この日は木曜のヌマンシア戦とは違い、クリスチアーノ・ロナウド、ベイル、イスコ、クロース、モドリッチ、カセミロらが先発。ただケガでセルヒオ・ラモス、出場停止でカルバハルがいなかったのが大きかったというか、うーん、それよりマルセロにこのところ精彩がないせいですかね。前半32分にはイアゴ・アスパスからのロングパスを受けたヴァスにvaselina(バセリーナ/ループシュート)を見事に決められ、先制点を奪われてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。この時は3分もしないうちにベイルがクロースのアシストから同点弾、38分にもイスコのパスを押し込んで逆転弾と、負傷続きで目立てなかった2017年の鬱憤を晴らすかのごとく大活躍してくれたため、すぐ安心できたんですけどね。ただ、良くなかったのはその後で、セルタのGKルベンも「Nos enchufaron dos goles y vivieron de ellos/ノス・エンチュファロン・ドス・ゴレス・イ・ビビエロン・デ・エジョス(ウチから2ゴール奪って、それで良しとした)」と言っていたように、後半に畳みかけないんではねえ。それでも26分にはGKケイロル・ナバスがアスパスを倒して与えたPKを自己責任で弾き、最大のピンチは逃れたかと思ったんですが…いえいえ、世の中、そんなに甘くありませんって。 ▽それは38分、またしてもマルセロがボールを失い、最後はアスパスのクロスをマキシ・ゴメスがヘッドして、とうとうセルタに追いつかれてしまったんですよ。そのまま2-2で引き分けて、キャプテンを務めていた当人は「No podemos hacer nada más. Hacemos lo que podemos/ノー・ポデモス・アセール・ナーダ・マス。アセモス・ロ・ケ・ポデモス(これ以上のことはできない。できることをやるだけさ)。いいサッカーをして、ゴールを入れて、ボールを回すようにしているけど、上手くいかないんだ」と開き直っていましたけどね。ジダン監督も「Tuvimos muchas pérdidas de balón, algo que no suele ser un problema y hoy sí/トゥビモス・ムーチャス・ペルディダス・デ・バロン、アルゴ・ケ・ノー・スエレ・セル・ウン・プロブレマ・イ・オイ・シー(ウチは沢山ボールを失った。問題にならないことが多いんだが、今日はそうなった)」と言っていたように、得点力のあるチームの前であのミスは致命的だったかと。 ▽実際、ここ4試合のアウェイゲームでマドリーは3分け1敗と滅多にない程の情けない成績で、これでは首位に勝ち点16差をつけられてしまっても仕方ないかと思えるんですが、この日はセルタの思いきりのいいサッカーに私も感心。だってえ、彼らは丁度、先週の16強対決1stレグでバルサと1-1と引き分けたばかりで、といっても相手はメッシやルイス・スアレスが出ていませんでしたけどね。ウンスエ監督も今週木曜の2ndレグに備え、メンバーを調整しているため、ひょっとしたら、2年前はアトレティコ、昨季はそれこそマドリーを撃破している流れを継いで、現在、3連覇中のバルサをコパ敗退に追いやってくれるかもしれないじゃないですか。 ▽そうなれば、これから長いヨーロッパリーグの戦いに挑まないといけないアトレティコはもちろんですが、先週末もレンヌに1-6と大勝し、フランス・リーグアンの首位を独走。命綱のCLですら、ネイアールやエムバペ、カバーニらの強力FW陣を要するPSGに2月の決勝トーナメント16強対決で打ち勝てるかという疑問が湧いてきたマドリーにもコパ優勝で何とか、スーパーのつく大会やクラブW杯は別勘定として、今季の面目を保てる可能性が出て来るんじゃないかと思うんですが、こればっかりはねえ。 ▽とりあえず、この水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのヌマンシア戦2ndレグにはBチーム起用でも余裕で挑めるマドリーですが、とにかく一刻も早い改善が必要とされるのは土曜のリーガ、ビジャレアル戦。ええ、今節はセビージャがベティスとのアンダルシアダービーに3-5と負けたため、4位を奪われることはなかったものの、差はたったの勝ち点3ですからね。このまま不調が続くと、来季のCL出場権までが危うくなるって、まったく、こんな心配をしないといけないのはお隣さんだけかと思いきや、世の中、不思議なことも起こるものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.09 09:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】期待してもいいのだろうか…

▽「どこと当たったら楽かしら」そんな風に私が取らぬ狸の皮勘定をしていたのは金曜日、コパ・デル・レイ16強対決1stレグの結果が出揃った時のことでした。いやあ、コパなんて、昨季、バルサが祝勝パレードもイベントもしなかったように、タイトル慣れしているクラブにとっては優勝しても大したことないと思われている大会なんですけどね。この週末から再開されるリーガの現状を見る限り、首位にそれぞれ勝ち点9差、14差と水を開けられているマドリッドの両雄にしてみれば、国内でトロフィーを掲げられる貴重なチャンス。となれば、フォルメンテーラ(2部B)がアラベスに1-3、カディス(2部)もセビージャに0-2と負けた後、おそらく1部のチーム同士の対戦になるであろう準々決勝ではなるたけ、与しやすい相手に恵まれることが大事だったから。 ▽ちなみにまだ来週には2ndレグもあるのに何故、私がこうも先走っているのかというと、実は凄かったんですよ、アトレティコの変身ぶりが。ええ、FIFA処分のせいで昨年の夏に獲得しながら、この1月までプレーできなかったジエゴ・コスタ(チェルシーから移籍)とビトロ(同セビージャ、シーズン前半はラス・パルマスにレンタル)がメンバーに加わり、悩みの種だったゴール不足が解消されるだろうとは予見されてはいたんですが、まさか新年そうそう、水曜のジェイダ(2部B)戦で即座に効果が現れるとは!いえ、両者とも先発ではなく、ベンチスタートだったんですけどね。前半32分、カラスコのFKを2度目の正直でゴディンが先制点にした後、前日にはビエットのバレンシアへのレンタル移籍が決まったものの、ますます熾烈になった前線のポジション争いにFWたちが発奮。 ▽そう、ガメイロがエリア内右から放ったラストパスをオフサイドの疑いはあったものの、ゴール前でフェルナンド・トーレスが押し込み、2点もリードしてハーフタイムに入ってくれるんですから、何ともありがたいじゃないですか。おかげでシメオネ監督も後半、プレッシャーのかからない場面で新戦力を投入できたんですが、13分にはカラスコからビトロ、18分にはトーレスとコレアとコスタとグリーズマンって、もしやこれって、チームの最大火力を試してみる誘惑に抵抗できなかった?すると期待たがわず、ピッチに入ってたったの5分後、フアンフランからのパスからコスタがアトレティコ復帰後初ゴールを決めたとなれば、「あのカラバフ2連戦に彼がいれば、今でもCLを戦っていられたのに」と嘆いてしまったのはきっと、私だけではなかったかと。 ▽いえ、過去を嘆いていても仕方ありません。実はそのゴールの時、後でビトロも「Sabemos que él mete la pierna en un ventilador/サベモス・ケ・エル・メテ・ラ・ピエルナ・エン・ウン・ベンティラドール(彼は扇風機にだって足を突っ込むことをボクらは知っている)」と言っていたように、シュートした時に足がジェイダのDFに当たり、ヒザに傷を負ったコスタですが、大したことがなかったのは本当にラッキー。何せ、前回の在籍時には得点を量産したものの、ケガをおして優勝の懸かった試合に出場した挙句、序盤で交代という悪癖もあった当人ですからね。この再デビューで負傷、当分出られないなんてことになっていたら、目も当てられないじゃないですか。 ▽そして最後はロスタイム、グリーズマンが蹴ったGKが敵の壁に当たってゴールを割り、0-4と大勝をしたため、来週火曜、ワンダ・メトロポリターノでの2ndレグではかなり楽ができるようになったからでしょうかね。試合後はシメオネ監督も「2人ができるだけ早く最高の状態になってくれるといい。ウチは沢山、試合があるという幸運に恵まれているから、プレー時間を与えるのもたやすい」と言っていましたが、実際、そうなんですよねえ。1月から2月前半のミッドウィークはコパが準決勝まで続きますし、CLグループリーグ3位敗退でヨーロッパリーグ決勝トーナメントに回った彼らはその後もコペンハーゲンとの32強対決、そして16強対決と週2試合ペースが途切れず。 ▽つまり3月の各国代表戦週間まで負けない限り、ハードスケジュールが続くことになるんですが、とりあえず、当面の課題は弟分とのマドリー・ミニダービー。ええ、コパを32強対決でアラベス相手に敗退、クリスマスのバケーション明け後、ダブルセッションを何度もこなし、「Nosotros vamos a plantear un partido serio a nivel defensive/ノソトロス・バモス・ア・プランテアール・ウン・パルティードー・セリオ・ア・ニベル・デフェンシーボ(ウチは守備面でしっかりした試合をプランニングするつもりだ)」(ボルダラス監督)と、張り切ってワンダデビューに挑むヘタフェとのリーガ戦ですが、どうやら金曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習ではジェイダ戦を太ももの筋肉痛でお休みしたコケの復帰も確認されたよう。 ▽その他、GKオブラク、ガビ、サビッチらもコパでは休養をもらっていますからね。対するヘタフェでは、ボルダラス監督が前日記者会見で「Es una posibilidad/エス・ウナ・ポシビリダッド(可能性の1つだ)」と言っていたように、ここ5試合ノーゴールのアンヘルに代わり、いよいよ柴崎岳選手の先発もあるかも。ただ、シメオネ監督は「ヘタフェはFWを2人にしたのが良かった。統制のとれたプレーをする」と牽制していたため、微妙ですけどね。それぞれ中盤ではサウールが累積警告、ベルガラが負傷からの回復最終段階という事情での欠員がありますが、その影響は弟分の方が大きいかと。 ▽そんなアトレティコvsヘタフェ戦はアジアン・ゴールデンタイムの土曜午後1時(日本時間午後9時)にキックオフ。丁度、その日は子供たちがプレゼントをもらうlos Reyes Magos/ロス・レジェス・マゴス(東方の三博士)の祝日とあって、チケットの売れ行きもいいようですし、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)からも応援団が駆けつけるとあって、かなりの大入りが期待できますが、果たして笑顔で家に帰るのはどちらのファンになるんでしょうかね。 ▽そして残りのマドリッド勢は翌木曜にコパを戦ったんですが、弟分の片割れ、レガネスはホームで1-0の辛勝。まあ、相手が同じ1部、しかもリーガで上位にいるビジャレアルでしたからね。2年ぶりとなるアムラバットのゴールで勝てただけでも立派なんですが、ガリターノ監督は「Por lo menos este resultado nos hace creer que podemos tener opciones de pasar/ポル・ロ・メノス・エステ・レスルタードー・ノス・アセ・クレエル・ケ・ポデモス・テネール・オプシオネス・デ・パサール(少なくともこの結果はウチに勝ち抜けのオプションがあると信じさせてくれる)」と来週水曜の2ndレグに向けて自信をつけたよう。彼らは昨年12月のリーガでもビジャレアルに3-1と快勝しているため、それもわかるんですが、チーム自体、週2回ペースの試合を想定した選手層にはなっていないのが辛いところ。 ▽この日曜にはレアル・ソシエダ、次も同様にコパから敗退しているベティスとの試合が控えているため、あまり週中に頑張ると、リーガでツケを払うことにならないか心配ですが、もしや経営陣は次のラウンドで人気チームを引き当てて、ブタルケ(レガネスのホーム)の興行収入アップを望んでいるかも。今のところ、この冬の移籍市場ではエリック・モランがAEKに行っただけで、新加入の選手はいないレガネスですが、目標の早期1部残留確定のみならず、現在の13位という成績を再び、夢のEL出場圏に近付けるためにもできたら、もう少し攻撃陣を手厚くできたらいいですよね。 ▽え、そんなレガネスだったら、同じ木曜にコパ1stレグに快勝した大先輩、レアル・マドリーと次に当たったら、願ったり叶ったりだろうって?まあ、それだとファンも喜ぶと思いますが、実はそのヌマンシア(2部)戦、内容的には少々問題があって、いえ、ジダン監督がクリスチアーノ・ロナウドやセルヒオ・ラモス、クロース、カセミロ、マルセロ、GKケイロル・ナバスらを温存したのは理解できるんですけどね。それでもベイルやアセンシオ、ルーカス・バスケスらがスタメンにいたため、早めのゴールを期待していたところ、先制点が入ったのは前半35分になってから。ルーカス・バスケスがエリア内で倒されゲットしたPKをベイルが決めたんですが、その後もねえ。 ▽だって後半14分にはディマンカが2枚目のイエローカードをもらい、ヌマンシアが10人になったにも関わらず、追加点が43分になるまで入らないんですよ。しかもこれまた、ルーカス・バスケスの受けたペナルティからで、今度は途中出場のイスコがPKを沈めましたが、え、PKで2点って、32強対決フエンラブラダ(2部B)戦1stレグとまったく同じでは?おまけにその日、キャプテンを務めたナチョも「時に審判が助けてくれることもある」と告白していたように、それまでにはマドリーサイドのエリア内でのファールが見逃された風のプレーが2件あって、うーん、ヌマンシアのニエトも「Si nos adelantamos con 1-0 es otro partido/シー・ノス・アデランタモス・コン・ウノ・セロ・エス・オトロ・パルティードー(ウチが1-0でリードしていたら、違った試合になっていた)」と言っていましたしね。 ▽それでもロスタイムにはアクラフのクロスをマジョラルがヘッドで決め、0-3で勝ったため、ジダン監督も「Al final es el resultado que cuenta/アル・フィナル・エス・エル・レスルタードー・ケ・クエンタ(最後にモノを言うのは結果だ)」と言っていた通り、来週水曜の2ndレグでヌマンシアが逆転するのはほぼ不可能なスコアとなりましたが、やっぱり今季のマドリーBチームは怪しげだったかと。まあ、彼らの場合、2月にはCL16強でPSG戦が控えているため、それまで主力メンバーを酷使したくないというのはわかりますけどね。負傷から復帰後、ここまで途中出場しかしていなかったベイルも「Jugó una hora y sin problemas/フゴ・ウナ・オラ・イ・シン・プロブレマス(1時間プレーしてトラブルもなかった)」(ジダン監督)とだんだん、実戦のリズムを取り戻しつつあるのは心強いんですが、コパ準々決勝の組み合わせ次第ではいよいよベストメンバー登場ということになるかも。 ▽そんなマドリーはこの週末、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からセルタ戦なんですが、実はこの相手、同日のコパでバルサと1-1で引き分けたばかり。昨年12月のリーガでもカンプ・ノウで2-2のドローを演じているだけに、バライドス(セルタのホーム)にはかなり心して乗り込まないといけないんですが、正直、今の彼らはクラブW杯のせいで消化試合が1つ少ないものの、5位のセビージャと勝ち点差2しかないですからね。首位を見るより、CL出場圏絶対維持の方が優先されるんですが、この金曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)でお留守番練習をしていたラモスが左ふくらはぎのケガで全治2、3週間になってしまったというバッドニュースも。カルバハルも出場停止とあって、逆境に次ぐ逆境ですが、こんな時こそ、自慢のマドリー魂を見せてもらいたいものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.06 12:00 Sat
twitterfacebook


欧州移籍情報
Jリーグ移籍情報
hikari

アクセスランキング

新着ニュース