【原ゆみこのマドリッド】落ち込んでいても仕方ない…2017.05.09 12:00 Tue

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▽「これもローテーション政策の賜物かな」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、これまでにもイロイロ、噂はあったものの、アトレティコからレンタル移籍でアラベスに修行に出ているテオがとうとうレアル・マドリーのメディカルチェックを受けたというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、本来なら19歳の彼は来季、年子の兄ルカスと一緒にまたアトレティコでプレーする予定だったんですけどね。自身の左SBというポジションを考えれば、あと数日で29歳になるマルセロより、この夏でもう32歳、ブラジル代表でもマドリーの同僚の控えを務めているフィリペ・ルイスの方がレギュラー争いに勝ち目があるような気はするものの、お隣のジダン監督と違って、シメオネ監督はそれ程、頻繁にスタメンを入れ替えず。

▽しかも昨夏、入団した右SBのブルサリコを見てもわかる通り、いくらアラベスでは不動のレギュラーの座を獲得、前節のアスレティック戦で見事な決勝ゴールを挙げるなどの大活躍をしていても、監督が納得できるレベルのプレーができるまで、アトレティコではほとんど使ってもらえませんからね。CBのルカスも左SBとしてプレーできるため、兄弟で争うのもイヤだったのかもしれませんが、いやいや、ちょっと待って!一番の疑問は何でまだシーズンが終わっていないこの時期、しかも2日後の水曜にはビセンテ・カルデロンで最後のマドリーダービーとなるCL準決勝2ndレグを控えているという今、とりわけアトレティコのファンが嫌がる、同じ街のライバルへの移籍話が脚光を浴びないといけない?

▽ただ、マルカ(スポーツ紙)によると、テオの契約解除金は2400万ユーロ(約30億円)であるものの、アトレティコ経営陣は慰謝料込みなんでしょうか、3000ユーロ(約37億円)を要求。交渉は試合が終わった後の木曜から始まるそうですけどね。実はテオにはバルサも触手を伸ばしていて、マドリーよりいい年棒条件を提示したものの、そこは兄のいるマドリッドから離れたくない気持ちが優先したなんて話も読みましたが…うーん、これじゃ、月曜にはCLがなくなって、ヒマになった平日、テニスのマドリッド・オープンを見にカハ・マヒカに姿を現したバルサのピケではありませんが、すでに余裕で1部残留を達成しているアラベスも27日のコパ・デル・レイ決勝しか目標はなし。だからといって、このヨーロッパ・ダービー、テオがスタジアムのパルコ(貴賓席)に来て応援する(どっちを?)なんてことは、できなくなってしまいましたね。

▽まあ、そんなことはともかく、いよいよシーズン日程も僅かとなり、こちらも目が離せない週末のリーガ戦がどうだったかというと。マドリッドの2強はCL準決勝の狭間だったため、双方共、土曜にプレーしたんですが、先にキックオフしたのはアトレティコ。ええ、もうビセンテ・カルデロンではあと3回しか、ひいきのチームを応援できる機会がないとあって、その日も満員御礼だったんですが、「Combato y me levanto/コンバト・イ・メ・レバントー(戦うぞ、立ち上がるぞ)」というfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)の大きな垂れ幕と共に始まった、水曜のremontada(レモンターダ/逆転劇)に向けての応援予行演習はエイバル戦の前半、時間が経過していくにつれ、徐々に尻つぼみになることに。

▽いえ、その日、サビッチも出場停止だったため、先週のCL準決勝1stレグで即興右SBを務めたルカスがゴディンとCBペアを組まねばならず、思い切った策を取らなければならなかったシメオネ監督に抜擢された、ボランチのトマスがそのポジションにいたせいではなかったんですけどね。そこはまあ、序盤から丁度、マッチアップした乾貴士選手を潰してみたり、次にはかわされてシュートを撃たれてみたりと少々、波乱含みだったものの、だんだん落ち着いてきたため、良かったんですが、スタンドを盛り下げたのは、アトレティコの悲しいまでの決定力のなさ。ええ、コケを筆頭にカラスコ、サウルと前半だけで3人もフリーのシュートを枠外に飛ばしているのでは、とにかく最低でも3本はゴールが必要な水曜に向け、ファンが悲観的になってしまったのも仕方ないかと。

▽そんな雰囲気を察したか、後半頭からはガイタンに代わり、フェルナンド・トーレスを投入したシメオネ監督でしたが、暗雲を吹き飛ばしてくれたのはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の後輩でした。ハーフタイム間際の大失敗に頭を抱えながらロッカールームに向かい、その反省が実ったか、24分、このままではいけないと男気を発揮して、珍しく敵陣をボールを持って上がって行ったゴディンからのパスをトーレスがスルーすると、サウルがエリア前からシュート。マドリーのイスコやクロースにも負けないゴールポストギリギリのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったから、驚いたの何のって!

▽このゴールに活気づいたのはファンも同じで、それからはこれでもかというように大音量の応援が始まったんですが、残念ながら、その後、アトレティコが追加点を奪うことはできず。幸い、勝てば、コパでバルサが優勝した場合、リーガ7位に回ってくるヨーロッパリーグ出場権に届くかも程度の薄い期待しかなかったエイバルもあまり熱心には反撃はせず、そのまま試合は1-0で終わったんですが、おかげでグリースマンを引っ込められたのはようやく残り5分いなってからというのは痛いですよね。

▽その上、もうあとロタイムだけという頃になり、些細な判定に抗議したゴディンが続けざまにイエローカードをもらい、退場となってしまったのはいかがなものかと。いやあ、審判の報告書によると、「ponte gafas/ポンテ・ガファス(眼鏡をかけろ)」、「sois muy malos/ソイス・ムイ・マロス(お前らはひどい審判だ)」といった言葉が咎められたようですけどね。下手をすると3~6試合の出場停止処分を喰らいかねず、もう今季のリーガには出られないかもしれないというのはまったく、余計なおまけでしたっけ。

▽そんなことはあったものの、その日のクライマックスはタイムアップの笛が鳴った後で、というのも席を立たずに歌っていたファンに応えて、選手たちがまた、ピッチに出て来てくれたから。え、そんなのコパ準決勝2ndレグ、逆転が必要なバルサとのアウェイ戦の前にもあったけど、結果はそれみたことかだったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、アトレティコの選手のいいところは素直にムードに乗ってくれることで、試合後のサルルなど、「先週の結果にも関わらず、ファンは今日、スタジアムに来てボクらを応援してくれた。感動的だよね。Vamos a intentar remontar, es lo unico que podemos hacer/バモス・ア・インテンタール・レモンタール、エス・ロ・ウニコ・ケ・ポデモス・アセール(逆転を目指すよ。それが自分たちにできる唯一のことだ)」と決意表明。

▽とはいえ、ミックスゾーンでフィリペ・ルイスが、「Por supuesto, mira el Barcelona si pudo y tuvo un resultado mas complicado/ポル・スプエストー、ミラ・エル・バルセロナ・シー・プド・イ・トゥボ・ウン・レスルタードー・マス・コンプリカードー(もちろんできるさ。バルサを見なよ。もっと難しかったのにやったじゃないか)」と言っていたのには、いや、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)がいないし、16強対決では4-0を引っくり返してPSGに逆転した彼らだって、どんどん相手も強くなっていく準々決勝ではユベントス相手に3-0を覆せなかったなんて思いもチラと私の頭をよぎったんですけどね。

▽シメオネ監督が「El miercoles tenemos un partido dificilisimo, para algunos imposible, pero para nosotros no/エル・ミエルコレス・テネモス・ウン・パルティードー・ディフィシリシモ、パラ・アルグーノス・インポシーブレ、ペロ・パラ・ノソトロス・ノー(水曜にウチは最高に難しい試合を控えている。ある者にとっては不可能だろうが、我々にとっては違う)」と断言していたのも一体、何をもって、そんなにも確信しているのだろうといぶかってしまった私でしたが、とにかくまずは信じることが大事なんですよね。そう、元々、選手の質で劣るアトレティコがまかり間違ってもお隣さんに逆転勝ちできる訳がないとウジウジしていても、していなくても試合があるのは水曜日。せめてその時ぐらいまでは、希望を持ち続けていた方がいいに決まっていますって。

▽実際、リーガだけ見れば、3位争いのライバル、セビージャが金曜にレアル・ソシエダと引き分けてくれたため、この勝利でアトレティコは勝ち点5差をつけ、あと1ポイントあれば、来季もCLグループリーグから出場できることが確定することになりましたしね。それだけに私も比較的、明るい気分で帰宅して、土曜最終試合のグラナダvsマドリー戦を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に見に行ったところ…。

▽いやあ、相手がすでに降格が決まっているチームというせいもありましたが、マドリーBチームの強いことと言ったら。ええ、開始2分にはルーカス・バスケスのラストパスをゴール前でハメス・ロドリゲスが押し込んで先制したかと思いきや、10分にはまた、久々にプレーできるようになったコエントランのクロスをハメスが今度はヘッドで2点目ゲット。29分と34分にはモラタが2ゴールを挙げ、今季19得点として、AチームのCFを務めているベンゼマより2点も多いって、もしかしてアトレティコは水曜の試合に前者が先発しないのを喜ぶべき?

▽これで0-4としたマドリーは後半、アセンシオをベンゼマ、カセミロをイスコ、ルーカス・バスケスをマリアーノへと更にローテーションを実施。追加点が入ってもおかしくはなかったんですが、すでに矢折れ刀尽きた敵をそれ以上、痛ぶっても仕方ありませんからね。そのままのスコアで試合は終了し、前の時間帯でビジャレアルに4-1で勝利していた首位バルサと同じ勝ち点に戻ったんですが、やっぱり羨ましいなと思うのは、ジダン監督も「partidos fuera de casa son mas descanso/パルティードス・フエラ・デ・カサ・ソン・マス・デスカンソ(アウェイ戦はより休養になる)」と認めていたように、この日もクリスチアーノ・ロナウドがマドリッドでお留守番だったこと。

▽うーん、このところ、彼はずっとそうですからね。リーガの遠征には同行せず、体力を温存して、CL戦になるとゴールを入れまくっていますし、他の選手たちも皆、プレー時間を配分しているため、「nosotros podemos decir que fisicamente estamos todos bien/ノソトロス・ポデモス・デシール・ケ・フィシカメンテ・エスタモス・トードス・ビエン(ウチは皆、フィジカル的にいい状態だと言える)」(ジダン監督)というのは今のマドリーの大きな強みでしょう。これだと残り3試合、セビージャ、セルタ、マラガ戦のどれかで勝ち点を落としてくれるという、あと2試合、ラス・パルマス、エイバル戦しかないバルサの願望が成就するのもかなり難しいかと。

▽そして月曜、ベティスをブタルケに迎えたレガネスもようやく4-0と、これまでの鬱憤を晴らすかのようなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝利。週末にラス・パルマスに勝って一旦は距離が縮まり、残留の希望が再燃したスポルィングとの差を6ポイントに戻したため、あと勝ち点1で1部残留が確定することに。今季が昇格1年目の彼らだけに、最終節のホームゲーム、アラベス戦で残留祝いができれば、盛り上がること間違いありませんって。

▽そうそう、丁度、その日の夕方、マハダオンダ(マドリッド近郊)の施設でセッションを行っていたアトレティコは、「Necesitamos precision y tranquilidad para llegar al partido del miercoles/ネセシタモス・プレシシオン・イ・トランキリダッド・パラ・ジェガール・アル・ミエルコレス(水曜の試合には正確さと落ち着きが必要)」とシメオネ監督も言っていた通り、とにかくなかなかゴールが決まらない欠点を克服しようとシュート練習に特化。それもセルヒオ・ラモスやバランに邪魔されても力負けしないためなんでしょうかね。各人が重り入りのベストを着たり、腰にゴムを付けたりして、シュートやヘディングに励んでいたそうですが、何かそれって、余計疲れが溜まらない?ついでに思い出してほしいのはもし、相手に1点取られたら、アトレティコは5点が必要になるということなんですが、どうやらファンフランとヒメネスが戻って来られられそうだとはいえ、万が一に備えて一応、守備練習も一生懸命やっておいた方がいいかも。

▽まあ、その辺はシメオネ監督の考えなので、私には何も言えませんけどね。そんな今季、スペインの地で最後となるCLの試合は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)にキックオフ。常識的に考えれば、火曜にモナコとの2nレグに挑むユベントスも初戦で0-2と勝っていますし、6月3日の決勝はマドリーvsユーベということになるんでしょうが、私も今はただ、試合が始まるのを待つしかありません。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】どちらも崖っぷちだった…

▽「そっか、勝ち点は同じなんだっけ」。そんな風に私が思い出していたのは金曜日、今節はマドリッドの4チームが全て土曜にプレー、しかも最後を飾るのがワンダ・メトロポリターノで初となるマドリーダービーというビッグデーを前に順位表を確認していた時のことでした。いやあ、この代表戦週間、スペインは親善試合だけだったとはいうものの、さすがparon(パロン/リーガの停止期間)で2週間も空くと、前節の出来事も遥か記憶の彼方へ。 ▽そこでスポーツ紙の各クラブ試合結果ページをチラ見して、そういえば、アトレティコは2試合連続のトマスのゴールで辛くも引き分けを逃れ、0-1でデポルティボに勝ったんだっけとか、レアル・マドリーは3-0とラス・パルマスに快勝したものの、待望のクリスチアーノ・ロナウドの今季リーガ2得点目は出なかったんだっけとか、おさらいしていたんですが、よく見ると、首位バルサとの差はどちらも勝ち点8。つまり双方共、すでに逆転がかなり難しい状況の中、このダービーで負けて、差が11ポイントに広がった暁にはシーズン3分の1経過時点で優勝戦線脱落どころか、今季は優勝絶望という扱いをされる悲しい未来が待っているってことじゃないですか。 ▽まあ、その辺はまた後で語っていきますが、とりあえず、スペイン代表今年最後となったロシアとの親善試合がどうだったのか報告しておくことにすると。先週土曜のコスタリカ戦ではかつての黄金時代を彷彿させるポゼッションサッカーを披露して、5-0と大勝。W杯に向けて、ファンの期待を高めてくれた彼らだったんですが、サンクトペテルスブルクでのこのロシア戦はかなり異なった展開に。いえ、開始9分でアセンシオ(マドリー)のクロスをジョルディ・アルバ(バルサ)がヘッドで決め、35分にも怪しいハンドでペナルティの判定をゲット。キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)が「Hoy es cumpleanos de mi hijo/オイ・エス・クンプレアーニョス・デ・ミ・イホ(今日はボクの息子の誕生日なんだ)」という、かなり個人的な理由でPKキッカーをイニエスタ(バルサ)に譲ってもらい、それが無事に決まったため、リードも2点に広がったんですけどね。 ▽そこに加え、相手がW杯開催国として、この1年間、公式戦をしていないロシアだったせいもあって、気が緩んだんでしょうか。41分にはピケ(バルサ)を切り返してスモロフ(クラスノダール)が放ったシュートで1点差に迫られてしまいます。更に「Cuando perdemos el control no nos sentimos comodos/クアンドー・ペルデモス・エル・コントロル・ノー・ノス・センティモス・コモドス(試合のコントロールを失い、ウチは落ち着かなく感じた)」(ロペテギ監督)スペインは、前半のうちに同点にされてもおかしくない程、攻められていたんですが、それが現実になったのは後半間もなくのこと。ええ、エリア内左奥からジルコフ(ゼニト)が出したボールがナチョ(マドリー)に当たり、ゴール前からミランチュク(ロコモティフ・モスクワ)に押し込まれてしまうとは、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もとんだ外れクジを引かされたもんですよ。 ▽ただその2分後、今度はセットプレー時にラモスを倒したとして、普通は見過ごされるペナルティをもらえたため、再び当人がPKを決めて、2-3とまたリードしたスペインだったんですけどね。イスコが打撲で代表を離脱、シルバ(マンチェスター・シティ)も後半途中に投入という事情もあり、コスタリカ戦のような優位性を見せられなかった彼らはそれ以降、追加点を奪うことができず。実際、守備の方もロペテギ監督がCB3人制とか、慣れないことを試してみたせいで、選手たちも混乱したんでしょうかね。 ▽25分にスモロフがエリア前から自身2ゴール目を入れて、ロシアに再度同点にされた後は、最後のチャンスもロスタイムにロドリゴ(バレンシア)がGKルネフ(ゼニト)と衝突して、頭を打った相手が担架退場。交代枠がもうなかったため、急遽、グローブをはめたMFグルシャコフ(スパルタク・モスクワ)が活躍する時間もなく、終了の笛が鳴ることに。何せ、せっかく盛り上がりかけていたスペイン代表ですからね。3-3の引き分けは大いに不満の残る結果。それでもロペテギ監督などは、「ウチはW杯にグループ首位として出場を決めた。イタリアやチリが出られないんだから、la nota es alta/ラ・ノタ・エス・アルタ(高成績と言っていいよ)」と就任以来、1敗もしていないこの予選の道のりを評価していましたけどね。 ▽とはいえ、彼らが3点も取られたのは、それこそ2014年W杯ブラジル大会グループ初戦のオランダ戦で1-5と負けて以来だそうですから、やっぱりかつての強さを取り戻した気になるのはまだ早い? 12月1日にはいよいよ、本大会グループリーグ組み合わせ抽選もありますし、ほぼ18~19人は決まったと言われているW杯用招集メンバーも、残りの席を懸けて争っている選手たちもこの先、しっかり精進を続けて、来年6月には最高のチームでロシアに乗り込めるといいのですが…。 ▽そして話をリーガに戻すと、実は今週は天気も良かったため、マドリッドのチームの練習見学にせっせと足を運んでいた私だったんですけどね。まずは火曜、今節はバルサをホームのブタルケに迎えるとあって、兄貴分の期待を一身に背負っているレガネスを偵察。ロッカールームやジムなどがある新しいクラブハウス前にオープンしたインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケの新グラウンドは、以前のように四方から丸見えでは訳ではないものの、ファン見学用のスペースもちゃんと用意されていました。丁度、モロッコがW杯出場を決めた後だったのもあって、国旗を持ってアムラバットの応援に来ていた男性などもいましたが、ちょっと厄介なのはまだ施設で工事が続いているせいで、よく出入り口が変わることでしょうか。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171118_15.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽ちなみにこの土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのバルサ戦、1つ嬉しいニュースがあって、昨季は1部昇格後のホーム2試合目というタイミングだったため、チケットが早くに完売していたのが今回、試合当日午前10時から600枚が売り出されるということ。値段は50~80ユーロ(約7000~1万円)だそうですが、マドリッドにいるものの、ダービーのチケットが手に入らなかったというファンにはお勧めかも。エスタディオ・ブタルケへはアトーチャ駅から、セルカニアス(国鉄近郊路線)C5でZaraquemada(サラケマダ)駅下車して徒歩20分、もしくはメトロ(地下鉄)5号線のAluche(アルーチェ)駅から、482、491、492、493番のバスに乗って、セントロ(市内中央)から1時間ぐらいで行けますよ。 ▽え、でも相手はメッシがアルゼンチン代表から早帰り、今季無敗の首位だけにマドリッドの弟分チームには難しい相手なんじゃないかって? うーん、確かにガリターノ監督も「去年は前方でプレスをかけるという思い切った策を試して、1-5で負けた。Si vamos con la intencion de disfrutar nos meteran cinco o seis/シー・バモス・コン・ラ・インテンシオン・デ・ディスフルタール・ノス・メテラン・シンコ・オ・セイス(ウチが試合を楽しもうという気持ちで挑めば、5、6点取られるだろう)」と言っていましたけどね。ここ2試合、セビージャに2-1、バレンシアに3-0と上位チームにはとても歯が立たないことも判明してしまったんですが、このバルサ戦で彼らはホームながら、Violencia de genero/ビオレンシア・デ・ヘネロ(異性間暴力)撲滅運動に賛同する紫色の第2ユニフォームを着てプレー。せっかく社会の意識改革に貢献するんですから、ここは何とか、意地を見せてくれることを祈るばかりでしょうか。 ▽そして水曜はアトレティコの夕方練習を見学にマハダオンダ(マドリッド近郊)に行った私ですが、何せあそこはお隣さん同様、ファンが入れる一般公開練習がない上、マスコミも開始から15分しか見られないという徹底ぶりですからね。運良く下のグラウンドでのセッションならば、敷地の外から覗くという手が使えるんですが、ミニスタジアムだとアップで参加選手の顔を確認するぐらいがせいぜい。それだけにモンクロア(市内のバスターミナル駅)から653、654、655番のバスに払う運賃がもったいない気もしないではないんですが、そんな日の私の楽しみは施設のすぐ横にあるカフェテリア、アトゥエルでお茶をすること。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171118_12.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽こちら、最近はあまりないんですが、以前はアグエロやコケなどにも店内で遭遇。小腹が空けばサアンドイッチやキッシェなども食べられますし、ケーキ類も充実しているのがウリです。午前11時とかの昼間のセッションであれば、テラスに陣取って、真向かいにある駐車場出口を見張りながら、練習を終えて車で出て来る選手たちを待つにもいい位置かと。ビールの方が嬉しい人には横にバル(スペインの喫茶店兼バー)、ラ・ラソンもありますし、このブロック、裏側もハンバーガーや食事の取れるレストランが鈴なり。ただし、たまにシメオネ監督も姿を見せるデ・マリア(アルゼンチン風肉料理店)も含め、スペインでは午後1時半を過ぎないとキッチンが開かないことが多いため、ランチするなら選手たちのサインをゲットした後の方がいいかもしれませんね。 ▽続いて木曜には土曜午後1時からアラベを迎えるヘタフェを覗きに行ったんですが、通常の午前10時半の開始時間、グラウンドにトップチームの姿はなし。30分程、Bチームの練習を眺めていたところ、ようやく用具係のスタッフが現れたため、訊いてみると、ビデオセッションをコリセウム・アルフォンソ・ペレスでやっていて、開始が1時間程遅れているのだとか。まあ、そんなこともありますが、ラッキーだったのはおかげで日本での治療を終え、負傷後、初めてグラウンドに降りて来る柴崎岳選手に会えたこと。うーん、その日はサッカー・バレーがメインの軽いメニューながら、まだグループには加われず、当人はコーチと2人でずっとリハビリだったんですけどね。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171118_13.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽金曜に記者会見したボルダラス監督も「練習はしているが、特別な中敷きが届くのを待っていてサッカーシューズが履けない。復帰までの時間も正確にはわからないし、todavia es pronto/トダビア・エス・プロントー(まだ早いよ)」と言っていたため、今週末の試合に出ないことは確かなんですが、練習姿だけでも見たいファンには朗報かと。こちらはレガネスと違い、メトロ・スールのLos Espartales(ロス・エスパルタレス)駅から徒歩1分にあるスタジアムの右脇の道を下りて行くだけで施設に着けるため、マドリッド観光ついでに訪問するハードルが低いのがいいところでしょうか。 ▽え、それでダービー直前情報はどうなっているのかって? いやあ、まず戦力から言うと、アトレティコはコケ、カラスコ、そしてフィリペ・ルイスにも全快通知が出て、ケガ人が皆無に。ただ、木曜にはシメオネ監督が11人だけを集めてビデオセッションを行ったそうで、そのメンツによると、左SBはリュカ、カラスコもベンチ待機になるよう。一方、マドリーではウィルス性の心膜炎で休んでいたカルバハルが復帰、イスコは水曜から練習に参加しており、クロアチアのW杯予選プレーオフ、ギリシャ戦でお疲れだったモドリッチも金曜には回復したようで、負傷欠場はベイル、コバチッチ、GKケイロル・ナバスの3人だけだとか。 ▽その他、トピック的にはこの代表戦週間中、フランスのTV番組に出演して、「ネイマール、ムバッペとの前線を夢見ることはある?」と訊かれ、またしれっとして「Oui/ウィ(イエス)」と返答。おかげでまた、批判が集まっていたグリーズマンをワンダ・メトロポリターノでのスポンサー契約延長発表のイベントに出席したコケが、「Yo le veo comprometido/ジョ・レ・ベオ・コンプロメティードー(ボクは彼がチームに集中していると思う)」と言いながら、「アトレティコに100%集中していない選手はそう言って、出て行くだけさ」とドライなところも示したため、同僚にクギを刺したなんて報じられていましたけどね。 ▽とはいえ、シメオネ監督も「マスコミがいじりたくなるのもわかるが、es el jugador mas desequilibrante que tenemos/エス・エル・フガドール・マス・デセキリブランテ・ケ・テネモス(彼は我々が持つ一番、均衡を崩せる選手)」というのも事実。ジエゴ・コスタがFIFA処分で来年1月からしかプレーできないため、今はとにかく「Estamos teniendo problemas/エスタモス・テニエンドー・プロブレマス(ウチには問題がある)。練習ではシュートが全部決まるのに、試合になると入らない」(グリーズマン)という逆境を打破していけるよう、当人のご機嫌を損ねないのが大事かと。 ▽その傍らでマドリーにもスペイン代表合宿中にラモスが、「ペペ(ベシクタシュ)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)、モラタ(チェルシー)らに比べて今季の新しい選手には経験がない」というロナウドの言葉を「今、そういうことを言うのはご都合主義的」と反論したなんて騒動も。ただ、ジダン監督によると「Dentro las cosas se arreglan y ya esta arreglado/デントロ・ラス・コーサス・セ・アレグラン・イ・ジャー・エスタ・アレグラードー(内部で片づけることだし、もう解決した)」そうなので、チーム内不和は期待するだけムダというものでしょう。 ▽何より、この2週間、ポルトガル代表にも行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっとシュート精度を磨いてきたロナウドですからね。軽く見たら、痛い目に遭うのはアトレティコの選手たちもわかっているはず。フランス代表でゴールを決め、これをツキを変えるキッカケにしたいグリーズマンとの7番対決にも興味を持たれますが、そんなマドリーダービーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。果たしてどちらに軍配が挙がるのか、いやあ、今から私も胸がドキドキしています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.18 13:00 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】久しぶりにゴールを沢山見た…

▽「もしかして産休だったんだろうか」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。クリスティアーノ・ロナウドがSNSに挙げた第4子誕生報告の投稿を見た時のことでした(https://www.instagram.com/p/BbaImIfFr0h/?hl=es&taken-by=cristiano)。いやあ、この国際代表戦週間、フェルナンド・サントス監督からポルトガル代表の招集免除をされていた彼ですけどね。確か、この夏のコンフェデレーションズカップでは準決勝でチリに負けた後、3位決定戦は出ずに、到着したばかりの双子のエバちゃんとマテオ君の顔を見るのを楽しみに帰国した当人だったかと思いますが、今度は現在の彼女、ジョルジーナさんが出産とあって、7歳になった長男のクリスティアーノ・ジュニア君と一緒にアラナ・ビクトリアちゃんに病院で面会って、何かあまりにタイミングが良すぎない? ▽まあ、それもポルトガルが先月、W杯出場をグループ1位で決めており、今回は親善試合しかないのと、当人が2008年ユーロ、2010年W杯と続けて制覇したお隣の国を見習い、2016年ユーロチャンピオンとして、国際メジャートーナメント連覇を狙うべく、来年6月にロシアの地に乗り込むチームの先頭に立つことは保証されているため、まったく問題はないんでしょうけどね。逆に2008年から2012年までの黄金期が終わり、W杯ブラジル大会、フランスでのユーロでは低迷しているスペイン代表などにとって、この11月の親善試合はチームの復権を託す本大会メンバーを選ぶための大事なテストマッチ。それだけに、この土曜の試合でいい結果が出たのは私もどんなに嬉しかったことか! ▽そう、満員のラ・ロサレダ(マラガのホーム)にコスタリカを迎えたスペインはカルバハル(レアル・マドリー)が負傷でおらず、GKこそ初出場のケパ(アスレティック)だったという点を除けば、ほぼベストメンバーを並べてスタート。早くも開始5分には今季、リーガで注目の成長株。先月のアルバニアとのW杯予選で代表デビューした右SBのオドリオソラ(レアル・ソシエダ)がエリア内のシルバ(マンチェスター・シティ)に繋ぐと、そのゴール前へのラストパスはモラタ(チェルシー)もイスコ(マドリー)も撃てなかったんですけどね。ノーマークで反対側にいたジョルディ・アルバ(バルサ)が決めて、先制点が入っているんですから、何とも幸先がいいじゃないですか。 ▽続いて22分、今度は自身で直接ゴールを狙ったシルバでしたが、そのシュートはGKが阻止。こぼれ球に素早く詰めたモラタが2点目をゲットすることになります。うーん、この夏、マドリーからロンドンのチームに行ってしまったため、リーガファンが活躍を目にする機会が減ってしまった彼ながら、CLでワンダ・メトロポリターノを訪れた時もしっかり同点ゴールを挙げていましたしね。しばらく絶対的CFの不在で悩んでいたスペインですが、その好調ぶりが続く限り、ロペテギ監督も大船に乗った気でいられる? アトレティコがFIFAの処分を受けているため、来年1月からしかプレーのできないジエゴ・コスタもしっかり、シーズン後半でゴール量産をしないと、本大会メンバーに呼んでもらえないかもしれませんね。 ▽え、それにしても2008年ユーロ優勝から始まったスペイン全盛期からのメンバーで、今年はもう31歳になるベテランながら、シルバの衰えを知らないプレーぶりには驚かされなかったかって? そうですね、前半は2点止まりで終わったスペインですが、55分にはコスタリカDFのクリアミスを拾って、彼が3点目のゴールを入れただけでなく、64分には敵陣エリア近くで果敢にタックルしてボールを奪うと、シュートも決めて自身2得点目って、いやあ、最近は私もマドリッドの両雄クラブのFWたちが次から次へと、失敗するのばかりを見慣れていたせいでしょうかね。 ▽こうもあっさりネットを揺らしているのには…。ラミレス監督が「tiene una lesion de alto riesgo y tuvo una recaida importante/ティエネ・ウナ・レシオン・デ・アルト・リエスゴー・イ・トゥボ・ウナ・レカイダ・インポルタンテ(重度の再発で、高い危険のあるケガをしている)」と言っていたケイロル・ナバス(マドリー)でなかったせいかもしれませんけどね。ゴールってこんなに簡単なものだったのかと、ちょっと目が覚めるような気分になったなんてこともなきにしもあらず。 ▽そして最後は72分、同じくベテラン、33歳のイニエスタ(バルサ)がエリア外からのミドルシュートを決め、とうとう5-0としたスペインでしたが、この大勝にもロペテギ監督は相手を立てることを忘れていません。曰く、「コスタリカはいいチーム。Si nos encontramos en el Mundial, el partido sera muy diferente/シー・ノス・エンコトラモス・エン。エル・ムンディアル、エル・パルティードー・セラ・ムイ・ディフェレンテ(W杯で当たったら、全然違う試合になるだろう)」と、ええ、確かに相手にもブライアン・ルイス(スポルティング・リスボン)やキャンベル(ベティス)といった主力アタッカーが欠けていたというハンデがありましたけどね。 ▽おかげでケパなど、アディショナルタイムにボルヘス(デポルティボ)のシュートを弾くぐらいしか、見せ場が作れなかったんですが…。それでもこの日はほぼボールを独占、スムースにパスを繋ぐ彼らのサッカーを見ていると、何だか、ティキタカ時代のスペインが戻って来たようで、これなら来年の夏に期待してもいいかと。そうそう、毎回、話題になるピケ(バルサ)へのpito(ピト/ブーイング)もこの日はそれをかき消す拍手と半々ぐらいだったそうで、当人もセルヒオ・ラモス(マドリー)と共にハーフでナチョ(マドリー)、バルトラ(ドルトムント)に代わっていますからね。これから次の代表戦がやって来る3月まで、余計なことを言わなければ、だんだんこの現象も沈静化していくんじゃないかと思います。 ▽え、それでご当地出身選手で前日練習では終了後にピッチで息子さんと遊んで、ギャラリーの視線を釘付け。今季はマドリーでもプレゼンス(価値)がどんどん上がっているイスコの活躍ぶりはどうだったのかって? うーん、cano(カーニョ/股抜き)をしたり、器用なボール扱いを披露したりして、スタンドから何度もイスココールを受けていましたが、64分にはDFワストン(バンクーバー)に強烈なタックルを見舞われてダウン。左太ももを痛めたようで、アセンシオ(マドリー)と交代することに。 ▽いえ、試合終了直後のピッチインタビューを受けた、昨季までクラブの同僚だったモラタも「Poca cosa, lo de Isco tiene un golpe /ポカ・コーサ、ロ・デ・イスコ・ティエネ・ウン・ゴルペ(大したことじゃない。イスコは打撲しただけだよ)」と言っていたように重傷ではないんですけどね。次も親善試合のため、日曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)からサンクトペテルスブルクに向かう飛行機には乗らず、マドリッドに帰還しています。 ▽それでもイスコは週末土曜のマドリーダービーまでに復帰できるようですが、どうやらナバスの方は間に合わないようで…。いえ、だからといって、アトレティコがスペイン同様、お隣さんをgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)できるかと言えば、そんなことはまったくないんですけどね。とはいえ、先週はふくらはぎのケガがもう治るはずだったベイルが今度は左太ももに肉離れを起こし、全治1カ月となってしまったマドリーに対し、フランス代表に行っているグリーズマンが奇しくもウェールズ戦でゴールを挙げたアトレティコ。実は彼、10月のW杯予選最終戦以来、クラブでは得点していないため、これはぬか喜びに終わる可能性もありますが、コケもカラスコも代表に行かずにケガを完治。、微妙なのはフィリペ・ルイスぐらいというのは実行戦力という面において、ちょっとシメオネ監督のチームが有利かもしれませんね。 ▽まあ、そんなダービーに関しては日曜にクロアチアがプレーオフ2ndレグでギリシャと0-0と引き分け、総合スコア4-1でW杯出場を決定。モドリッチもベルデベバス(バラハス空港の近く)でリハビリ最終段階に入った後輩のコバチッチを安心させてあげることができましたし、ヴルサリコもアトレティコではなかなか実現しない2試合連続フル出場で貢献したとか、土曜にはアフリカ予選最終節でアクラフが弟分チームのアムラバット(レガネス)、ファイル(ヘタフェ)らと協力してコートジボワールを2-0で撃破したなんてことも。こちらもロシア行きを決めていますし、とにかく代表でのお勤めを果たして帰って来る選手たちが揃わないことにはどうにも予想が立て辛いため、また次回にでもお話しますが、月曜夕方にはスペインの選手たちもサンクトベテルスブルクのペトロフスキー・スタジアム(ゼニトの旧ホーム)で練習。 ▽火曜午後7時45分(日本時間翌午前3時45分)からのロシア戦はW杯用に新築されたクレストフスキ・スタジアムで開催されるんですけどね。芝を荒らさないためのようですが、そのセッションに参加しなかったのはシルバだけで、コスタリカ戦で首を痛めたため、当日まで様子見だとか。それでも今回の代表には、ルイス・アルベルト(ラツィオ)こそ、マラガで代表デビューの夢が叶いましたが、他にもカジェホン(ナポリ)、ビトロ(ラル・パルマス)、スソ(ミラン)、ロドリゴ(バレンシア)と攻撃のオプションはかなり豊富。GKだけはデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)で決まりと言われていますが、それ以外の先発がどうなるかは見てのお楽しみになりそうな。 ▽一方、相手のロシアは先日、アルゼンチンとの親善試合でアグエロ(マンチェスター・シティ)のゴールで0-1と敗れていますが、開催国代表として気合が入っているでしょうからね。いくら現地が気温零度近くと、極寒の気候であることを言い訳にせず、ロペテギ監督下で再生したスペインの強さをこの試合でも思う存分、見せてもらいもの。12月1日にはいよいよ、本大会のグループリーグ抽選もありますしね。トップシードの組に入れなかったため、万が一、スペインがドイツ、ブラジル、アルゼンチンといった強豪国と一緒になることがあったとしても、ロシアまで追いかけるファンのため、2014年のグループリーグ敗退の悪夢の再現など、無用な心配をしないでいいぐらいのチームになってくれると嬉しいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.14 19:09 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】親善試合が終わったら…

▽「W杯前の力試しには最適ね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、というのも相手がブラジルだったおかげでしょうか。こちらでは滅多に見られない日本代表の親善試合がオープン放送で中継されたため、私もTV観戦していたんですけどね。序盤からVAR(ビデオ審判)により、ブラジルにPKが与えられ、ネイマール(PSG)に先制されたのはともかく、それから5分もしないうちにまたペナルティ。2度目のPKは川島永嗣選手が弾いてくれたものの、マルセロ(レアル・マドリー)にエリア前からの弾丸シュートを決められて2点目、36分にも今季はマドリーを離れてマンチェスター・シティでプレーするダニーロが同僚のガブリエル・ジェズスをアシストして3点目。そんな圧倒的な強さを発揮していた相手が、3月の国際代表戦週間にスペインと親善試合をするかもしれないと聞いたから。 ▽幸い後半には槙野智章選手のヘッドで一矢を報いることができた日本でしたが、1-3という結果を見れば、やはりW杯優勝候補の1つに挙げられるサッカー大国と実力的に互角とは言えないのが現実。だったら、先日はアルゼンチン代表参加中のメッシ(バルサ)も「Prefiero evitar a Espana en la fase de grupos/プレフィエロ・エビタル・ア・エスパーニャ・エン・ラ・ファセ・デ・グルッポス(グループリーグではスペインを避けたい)」と言っていたロペテギ監督のチームとなら、いい勝負になると思ったんですが…何より、今度こそ会場がワンダ・メトロポリターノになりそうだとなれば、他にもカゼミロ(マドリー)やフィリペ・ルイス(アトレティコ)ら、お馴染みの選手も多いですからね。対戦相手に私がブラジルを激しく希望してしまったのも仕方なかった? <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171111_64_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>▽え、どうやら代表戦デビューも遅かれ早かれ決まりそうなワンダ・メトロポリターノだけど、最近はとうとうスタジアムツアーも始まったというのは本当なのかって?その通りで実は先日、私も見学してきたんですが、行ったのは試合のない日曜の午前中。それでもメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を降りると、スタジアム前の遊歩道はそこそこファンや観光客で賑わっていたため、そろそろここもマドリッド訪問定番メニューに加えてもいいかも。入場券(大人16ユーロ(約2300円)/子供8ユーロ)はオフィシャルメガストアで販売、ツアー入り口は10番ゲートになります。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171111_64_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>▽今のところ、始まったばかりとあって、ガイドなしで順路もVIPルーム、パルコ(貴賓席)、プレス・コンファレンスルーム、天井の大きな紋章が美しいホームチームのロッカールームを廻ると、それからピッチへ。選手たちの座るベンチやシメオネ監督が立っているテクニカルエリアを体験できる程度なんですが、印象的だったのは試合の時、選手たちが出て行くホールの壁にあったアトレティコのレジェンド2人の名言。ええ、故ルイス・アラゴネス氏の「君たちはアトレティコ・マドリーの選手で外には5万人、君らのために死ねる者がいる。それ故にこのユニフォーム、その誇りのためにピッチに出て、チャンピオンは1人だけ、それは赤と白をまとったチームだと言わないといけない」なんていうのを読むと、結構じわっとくるアトレティコファンは多いかも。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171111_65_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>▽もう1つはシメオネ監督のもので、こちらは2014年の「これはただのリーガ優勝ではない。この選手たちがあなた方、皆に伝えるのはもっと重要な何かだ。Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(人は信じて努力すれば、実現できる)」という、私もリアルタイムで感激したフレーズだったんですが、うーん、今季のアトレティコは少々、その信念が薄れてきている兆しもなきにしろあらず。ワンダでプレーする時はそれこそ、選手たちもこの言葉を読み直して、気合を入れてプレーしてもらいたいところですが、さて。もしかして、あまりに新スタジアムが壮大すぎて、まだピッチで足が縮こまってしまっているのだとしたら、ちょっと情けないですよね。 ▽まあ、このツアーは現在、金土日の3日間のみ(開催時間はクラブのオフィシャルページ、http://www.atleticodemadrid.com/でTour Wanda Metropolitanoのタイトルのついた記事から確認)、試合のある日はないとのことなので、それこそ博物館も併設されていそうな来年3月の代表戦週間頃を狙って行ってみるというのでもいいかと思いますが、今回、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)でコスタリカと親善試合を行うスペイン代表の近況もお伝えしておかないと。火曜からラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を始めたチームでしたが、初日は午後7時半からの練習を一般公開。いえ、この時期のその時間帯はスペインでも真っ暗なんですけどね。もうこれで今年は代表も見収めとあって、スタンドには大勢のファンが詰めかけることに。 ▽ただちょっと残念だったのは、アップとロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を終えた後、日曜にクラブの試合があったチーム半数余りの選手たちがロッカールームに引き上げてしまったことなんですが、まあ今回は親善試合しかありませんからね。残ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていた選手の中にはピケ(バルサ)がいたものの、その日は10月の公開練習では嵐のように浴びせられていたpito(ピト/ブーイング)がすっかり影を潜めていたのは不思議。うーん、それこそ喉元過ぎれば熱さも忘れるというか、昨今はあまりにカタルーニャ独立問題が大事になりすぎて、ファンもピケ1人に関わりあっていられなくなったんでしょうか。どちらにしろ、代表チームにとってはありがたいことです。 ▽とはいえ、合宿中にラジオのインタビューを受けていたセルヒオ・ラモス(マドリー)も「Esta muy tranquilo, no sabemos lo que le va a durar/エスタ・ムイ・トランキーロ、ノー・セベモス・ロ・ケ・レ・バ・ア・ドゥラール(とても静かだよ。いつまで続くかはわからないけど)」と言っていましたが、何せ、彼には人が予想もしていない時に爆弾発言する悪い癖がありますからねえ。今年の3月、私も現地観戦したスタッド・ド・フランスの0-2と快勝した親善試合の後もいきなり、ミックスゾーンで演説会。その時はサンティアゴ・ベルナベウのパルコでスペインの政治が動くと仄めかし、聞いていた記者たちもポカンとしていたものですが、そんな前例を考えると、このコスタリカ戦、そして来週火曜のロシア戦の後などは要注意かと。 ▽そして水曜、15分間だけのマスコム向け公開練習前にW杯用の新しいユニフォームを着て集合写真を撮ったチームだったんですが、どうやら今回のデザインのダイヤ柄のazul petroleo(アスール・ペトロレオ/石油のような濃い青)が見ようによってはmorado(モラードー/紫色)に映るということから、スペイン内戦前にあった共和国の旗を彷彿させると言われ、マスコミで針小棒大な議論になっていたせいですかね。元々は前回2015年時のような舞台を組んで、アディダスがメガプレゼンを予定していたのが、全員が並んでグラウンドでポーズするだけになってしまったのは残念。おまけに寒かったせいか、皆、すぐジャージを羽織ってしまいましたしね。選手たちが気に入っていたのはラモスのツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/928268541048119298)などからわかりますが、ピッチでどんな風に映えるのかといったことは、土曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコスタリカ戦を待つしかないよう。 ▽ちなみにその日のラス・ロサスでは、初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)と共にビトロ(ラス・パルマス)が記者会見に登場。「彼らの試合は見ているけど、espero que cambie la dinamica/エスペロ・ケ・カンビエ・ラ・ディナミカ(流れが変わることを期待している)」と、1月からプレーすることになっているCLグループリーグ敗退目前のアトレティコに立ち直ってもらいたいようでしたが、もう確率的にかなり厳しいですからね。少なくともヨーロッパリーグ優勝を狙うには、セビージャで前人未到のEL3連覇を果たした彼の経験が頼りになるんじゃないかと思いますが、まあそれは置いておいて。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171111_50_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div>▽その後、協会の本部ビル内にある、サッカー博物館に併設された代表オフィシャルショップ(火曜から土曜10~19時オープン)にも立ち寄った私でしたが、あいにく新ユニフォームは売り切れ。やはりマドリッド市内のメトロ、グラン・ビア駅前にあるアディダスの大型店の方などが品揃えも充実している上、マドリーのユニなども取り扱っているため、イロイロ見たい人には便利でしょうか。そう言えば、そちらではドイツやコロンビア、ロシアなどに混じって日本代表の新ユニも見かけましたが、スペインで売れるのかはちょっと不明。90ユーロ(約1万円)と、値段は国内で買うのとあまり変わらないみたいですね。 ▽そして金曜にはマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)に移動したスペインはスタジアムで前日練習を実施。土曜の試合が早々にチケット完売になったのに加え、このセッションのために無料配布した入場券もあっという間になくなったそうで、中でもご当地選手のイスコ(マドリー)への声援が一際、大きかったとか。実際、彼の好調ぶりはバレンシアのカンテーラ(ユース組織)で一緒だったジョルディ・アルバ(バルサ)も試合前の記者会見で、「Es de los mejores del mundo, aunque no me gusta verlo asi en su club/エス・デ・ロス・メホーレス・デル・ムンド、アウンケ・ノー・メ・グスタ・ベルロ・アシー・エン・ス・クルブ(彼は世界一の選手の1人、そういうプレーを彼のクラブで見るのはイヤだけどね)」と言っていた程ですからね。 ▽ロペテギ監督も「何もなければW杯にも招集されるだろう」と言っていたため、本大会でもチームに大きく貢献してくれることを私も期待していますが、ちなみにその日の練習を見たAS(スポーツ紙)の番記者の予想スタメンを伝えておくと、GKは背筋痛を抱えているレイナ(ナポリ)ではなく、マドリーが来夏の獲得を狙っているという噂が最近、激しくなってきたケパ(アスレティック)がA代表デビュー。DFはオディオソラ(レアル・ソシエダ)、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ、ボランチにブスケツ(バルサ)、その前にイスコ、イニエスタ(バルサ)、ルイス・アルベルト、シルバ(マンチェスター・シティ)で、ワントップはモラタ(チェルシー)とありましたが、何せ、この代表戦明けにはマドリーダービーが待っていますからね。今回は先輩コケが招集されなかったため、ちゃっかり背番号8をゲットしたアトレティコから1人参加のサウールも適当なところで使ってもらって、サンクトペテルスブルクのロシア戦ではプレーしないで済むといいんですが。 ▽え、金曜にはそのコスタリカ戦にはGKケイロル・ナバスは呼ばれず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっと続けていた負傷のリハビリが最終フェーズに入ったという朗報とは真逆のニュースが、マドリーから発表されたんじゃないかって?そうなんですよ、それは同様にウェールズ代表に行かず、9月末のCLドルトムント戦以来、欠場する原因となった左ふくらはぎのケガの完治を目指していたベイルで、いよいよダービーで復帰かと言われていたんですけどね。練習中に今度は左太ももの肉離れを起こしたそうで、全治には1カ月ぐらいかかりそうな感じだとか。 ▽これでますます、イスコに活躍の機会が増えそうなのはともかく、お留守番組もクリスチアーノ・ロナウドなどにはいい調整期間になっているようですし、ウィルス性の心膜炎を患っていたカルバハルも全快。代表出向選手では先の日本戦で活躍したマルセロを始め、ヴァラン(フランス)、クロース(ドイツ)らは親善試合、W杯プレーオフを戦っているモドリッチ(クロアチア)とアフリカ予選のアクラフ(モロッコ)だけがちょっと心配ですが、前者など、木曜にギリシャ戦でPKゴールを挙げ、1stレグに4-1と快勝したという嬉しい知らせも。 ▽一方のアトレティコもコケとカラスコは全体練習に戻っていますし、フィリペ・ルイスだけがちょっと回復が微妙な程度で、招集組もベルサリコ(クロアチア)以外、ゴディンやヒメネス(ウルグアイ)にしてもヨーロッパ内での親善試合と、今回は長旅をせずに済みますからね。おそらく双方、似たようなチーム状況で18日のダービーに挑むことになるかと思いますが…それはまだ先の話。今はまだどう転がるか、まったくわかりません。 ▽そうそう、マドリッドの弟分チームに関しては火曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレス前にオフィシャルショップがオープン、記念イベントでアンヘル・トーレス会長が、「ガクはあと20日ぐらいで復帰できるだろう。コパ・デル・レイ32強対戦アラベス戦2ndレグかリーガのエスパニョール戦ぐらいにね」と発言したとの情報を得て、木曜には私も練習見学に。ただ、ヘタフェの広報部長によると前日、日本から戻ったと言うものの、グラウンドで柴崎岳選手の姿を見ることはできませんでした。 ▽まだジムで左足中足骨手術からのリハビリをしているそうですが、何せ、その日もボルダラス監督のチームは午前10時半から午後1時近くまで続く、超長いセッションでしたからね。寒風吹きすさぶ中、ずっと見ているこちらも泣きそうでしたが、当人もこれに合流するには相当、体力をつけないと大変かと。また来週辺りには様子を見に行くつもりですが、日本人ファンも応援に来られるよう、なるたけ早く治ってくれるといいですね。。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.11 17:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】このままダービーを迎えるのは怖い…

▽「今はあまり練習する必要もないのよね」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、スペイン代表がいつもより1日遅く、火曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合することを知った時のことでした。そう、10月のW杯予選でグループ首位として、来年6月のロシア大会に参加することが決まった彼らの今回の国際代表戦週間は親善試合のみ。2位でプレーオフに回ったイタリアがスウェーデンと命運を懸けて戦うのを高みの見物と洒落込んで、土曜にマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でコスタリカと、そして来週火曜にサンクトペテルスブルクでロシアとプレーする際には、久々に呼ばれたアルベルト・モレーノ(リバプールの左SB)や初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)ら、ロペテギ監督も思う存分、選手を試すことができるっていうことです。 ▽どちらにしろ、火曜の午後7時半からあるこの合宿、唯一の一般公開練習にはモンクロア(マドリッド市内のバスターミナル)から628/629番のバスに乗って行ってみるつもりですが、今、私がちょっと気になっているのはこの月曜に発表されたW杯用の新ユニフォーム(http://www.sefutbol.com/sabes-donde-puedes-comprar-ya-nueva-camiseta)。協会によると、来週月曜まではラス・ロサスの施設内にある代表オフィシャルショップとアディダス直営ショップのみでの限定販売だそうですが、まあ練習の日に見られなくてもグラン・ビア(市内の中央大通り)にはアディダスの大型店もありますからね。コスタリカ戦では選手がそれを着てプレーしてくれるそうですし、そんなに焦ることはないんですが…1994年W杯アメリカ大会のバージョンを模した右側に黄色と紺の菱形ストライプが入ったこの新ユニ、同大会での準々決勝敗退という結果以上を出せるラッキーアイテムとなってくれるんでしょうか。 <span class="split"></span> ▽まあ、代表戦のことはまた後で話すとして、先に先週末のリーガがどうだったのかをお伝えしておかないと。今節はマドリッドの弟分にはいい目が出ず、ベティスとのアウェイ戦に挑んだヘタフェが2-2と引き分けた翌日、レガネスも土曜のお昼のバレンシア戦でパレホ、ロドリゴ、サンティ・ミナにゴールを入れられて完敗。いやあ、確かにガリターノ監督も「この3-0というスコアを見れば、誰でも何がああいったチームとの差なのかわかる。Ni aun jugando bien eres capaz de sacar nada/ニ・アウン・フガンドー・ビエン・エレス・カパス・デ・サカール・ナーダ(ウチがいいプレーをしていたって、何も得ることはできない)」と、前節のセビージャ戦からの連敗にリーガ上位候補との実力の違いを痛感していたようですけどね。 ▽実際、ローコストの選手で構成されているレガネスの目標は1部残留のため、今も9位ですし、これからも同等チームとの対戦でしっかり勝ち点を稼いでいけば問題はないんですが、paron(パロン/リーガの停止期間)明けにはバルサ戦が控えていますからね。やはり3連敗ともなると選手たちの士気に良くありませんし、それこそ先日は昇格組のジローナが兄貴分のレアル・マドリーに勝つという僥倖があったばかり。となれば、月火の練習休みの後、新グラウンドもオープンしたというインスタラシオン・デポルティボ・ブタルケで水曜から再開される練習では、各国代表に出向する選手がアムラバット(モロッコ)1人しかいないという強みを生かし、気合も新たにトレーニングに励んでもらいたいものです。 ▽そして同じ土曜、やはりアウェイでデポルティボ戦となったのがアトレティコで、うーん、最近は私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に彼らの試合を見に行くたび、あんなチームを応援している自分が変な奴に思われていないかと恥ずかしくなる、何年かぶりの肩身の狭さを感じているんですけどね。その日も先週ミッドウィークのCLカラバフ戦からプレーが向上した気配がまったくなく、中盤でパスがまったく続かないわ、ロングボールは必ず敵選手のものになるわ、グリーズマンのシュートはGKにセーブされるわと、とにかく頭が痛くなる一方だったんですが、デポルティボにも決定力が欠けていたのが幸い。 ▽よって90分が0-0で終わり、またドローかと溜息をついていたところ、いやあ、たまにはツキが回ってくることもあるんですね。いえ、ロスタイムにリュカがエリアすぐ前で倒されてFKをゲットした時には、別にアトレティコにはメッシやクリスティアーノ・ロナウドのように直接狙って成功するキッカーがいる訳じゃないしと、あまり期待はしていなかったものの、何とガビが短く横に出したボールをトーマスが弾丸シュート。GKパンティリモンは一歩も動けず、土壇場で1点をもぎ取った彼らが0-1で勝利って、まったく冗談みたいじゃないですか。 ▽ただ、「ガビとボクで決めたんだ。Hemos trabajado en los entrenamientos el pegarle asi/エモス・トラバハードー・エン・ロス・エントレナミエントス・エル・ペガールレ・アシー(練習でああいう風に蹴るってね)」と後で打ち明けていたトーマスでしたが、実を言うと、先日のカラバフ戦同様、それまではミスのオンパレード。見ているのが辛くなる程の酷さでありながら、その時も彼がエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパードール)で1-1の同点に持ち込み、驚かせてくれたんですが、要はパスやボール扱いとシュート能力にはまったく関係がない? ▽というか、両方とも秀でていたなら、アトレティコなどにはおらず、それこそお隣さんの選手になっていたりするんじゃないかと思いますが、これで今季4ゴールでチームの得点王となったからって、この先もトーマスの決定力だけにチームの命運を預ける訳にはいかないですからね。その日はグリーズマンを後半35分で下げ、代わりにCBのヒメネスをボランチとして入れることで「buscaba fortalecer el medio campo, buscamos el gol con Saul, Gameiro y Gaitan/ブスカバ・フォルタレセル・エル・メディオ・カンポ、ブスカモス・エル・ゴル・コン・サウル、ガメイロ・イ・ガイタン(中盤を強化して、サウール、ガメイロ、ガイタンで得点を目指そうと思った)」とシメオネ監督は言っていましたが、このFW陣のゴール日照りぶり、いくらここまでリーガ11試合無敗、昨季の同時点より勝ち点2多いとはいえ、かなり心配ですよね。 ▽え、せっかくアトレティコが勝ったのに私が喜べないのは次の試合がマドリーダービーだからじゃないかって?そうですね、デポルティボ戦でも相変わらず、ひどいサッカーをしていた点についてはこの火曜、マハダオンダ(マドリッド郊外)の練習場で午前11時から始まるセッションから改善に取り組んでもらうしかないんですが、今回の各国代表戦ではすでに予選敗退の決まったオブラク(スロベニア)やサビッチ(モンテネグロ)は試合がなく、トーマス(ガーナ)も出場停止なので行く必要はなし。負傷中のコケ(スペイン)とカラスコ(ベルギー)、フィリペ・ルイス(ブラジル)もこの2週間で全快する見込みと、不在なのはグリーズマン(フランス)、ゴディンとヒメネス(ウルグアイ)、リュカ(フランスU21)、そしてギリシャとのW杯予選プレーオフに挑むクロアチアのヴルサリコと極少数に留まったこともありがたいんですが、同様にcrisis(クリシス/危機)状態と言われていたマドリーが翌日曜のラス・パルマス戦で何だか、立ち直ってしまったみたいなんですよ。 ▽いえ、ジローナ戦、CLトッテナム戦の連敗を経て、大胆なローテーションをするんじゃないかと言われていたその試合、ジダン監督はW杯出場の懸かった代表戦の待っているモドリッチ(クロアチア)を控えに、アクラフ(モロッコ)をベンチ外にしただけで、アセンシオやCBバジェホが先発に入った程度のメンバーチェンジだったんですが、前半はまるでお隣さんに憑依されたようにボールが繋がらず。40分にようやくCKからカセミロのヘッドが決まり、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからの一斉pito(ピト/ブーイング)を避けた彼らだったんですけどね。ハーフタイムに「監督からllevaramos el balon de lado a lado con circulaciones rapidas/ジェバラモス・エル・バロン・デ・ラードー・ア・ラードー・コン・シルクラシオネス・ラピダス(素早くボールを回してサイドチェンジをするように)と言われた」(バジェホ)のが功を奏したんでしょうか。 ▽後半10分にはGKラウールがパンチングしたボールをエリア外でアセンシオが待ち受け、25メートルの距離から狙い澄ました一発を決めたため、会場の雰囲気が一変。ラス・パルマスも前半こそ、器用にパスを回していたものの、時間の経過と共に疲れが出たか、28分にはとうとうマドリーのお家芸、高速カウンターにはまってしまってはどうしようもありませんって。ええ、この日はロナウドがドリブルで右サイドを上がり、ゴール前にラストパス。ピッチ中央を一緒に全力疾走してきたイスコがこれに合わせ、3点目をゲットしたとなれば、もう勝利は安泰です(最終結果3-0)。 ▽ただ、こちらもいい話ばかりではなくて、この試合でも今季まだリーガ1得点のコンビ、ロナウドとベンゼマのゴール日照りは続行。いえ、後者などは序盤、GKとの1対1を失敗し、交代時にもブーイングを受けながら、特に表情に変わりなかったんですが、「Cris es cierto que se va a casa molesto cuando no mete/クリス・エス・シエルトー・ケ・セ・バ・ア・カサ・モレスト・クアンドー・ノー・メテ(ロナウドはゴールを入れないとムクれて家に帰る)」とセルヒオ・ラモスも言っていた通り、前者はイスコのゴールが決まった時もまったく喜ばず。ジダン監督は「アシストして彼は満足しているよ」と一応、フォローしていましたけどね。今月はフェルナンド・サントス監督からポルトガル代表参加も免除されているため、サウジアラビアとアメリカ相手の親善試合でゴールを量産する機会を逃し、逆にこの2週間、当人がフラストレーションを溜め続けることにならない? ▽加えて、10月の代表戦直前から負傷で欠場が続いているベイルも今回、ウェールズ代表には行かず、ダービーで復帰予定ですし、ベンゼマはずっとデ・シャン監督に呼ばれていませんからね。18日のワンダ・メトロポリターノにはBBCが勢揃いというのも怖いんですが、他にもカルバハル(スペイン)がそろそろ実戦に戻れそうだとか。ヴァランも元気になってフランス代表に行きましたし、唯一、コバチッチだけはまだ時間がかかりそうで、今回も先輩モドリッチが何とか母国をロシアに導いてくれるよう、マドリッドで応援。ブラジルの親善試合に参加するマルセロ、カゼミロも日本戦はリールで、イングランド戦はロンドンでと短い旅程ですし、スペイン代表もラモス、ナチョ、アセンシオ、イスコの4人だけと最近は少ないんですよ。 ▽となると、あまり代表疲れしてダービーに臨む選手もいないかと思いますが、こればっかりはねえ。ちなみにマドリーのバルデベバス(バラハス空港近く)でのセッションは水曜午後4時から再開されますが、この代表戦週間は有名選手が結構、残っているため、マドリッド観光に来ているファンなら、クラブのオフィシャルページ(http://www.realmadrid.com/)でentrenamiento(エントレナミエントー/練習)の予定をチェックして、セルカニアス(国鉄近郊路線)C-1号線Valdebebas(バルデベバス)駅から歩いてすぐの関係者用車両出入り口前で選手を待つなんてしても楽しいかも。 ▽彼らの車が止まってくれるのは帰りの方が多いんですが、目安として、セッションは1時間程。それから着替えやマッサージをして、それぞれ三々五々、出て来ることや、最近のマドリッドは急激に気温が低下している上、現地は吹きっさらしでお店も何もないため、しっかり防寒していった方がいいというのがアドバイスになりますでしょうか。そうそう、代表戦週間中は大抵、どのクラブも週末は練習休みになるのも覚えておいた方がいいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.07 12:21 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】いきなりクライシス流行りになった…

「ホントに観光名所よねえ」。そんな風に私が感心していたのは木曜日、用事ついでにサンティアゴ・ベルナベウの近くを通ったところ、ツアー入り口のあるPaseo de Castellana(パセオ・デ・カステジャーナ)側の駐車場に大型観光バスが7、8台横付けされているのを見た時のことでした。いやあ、世界で唯一、11個もの神々しいCLトロフィーがズラリと並んでいるのを目にできるこのスタジアムツアー、レアル・マドリーがホームゲームをやる日はキックオフの何時間か前で入れなくなったり、巡回コースが制限されたりするため、あまりお勧めしないんですけどね。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171104_9_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽それでちょっと思いついたのが、マドリーがアウェイゲームの日の方が楽しめるんじゃないかということで、例えば、先日のCLトッテナム戦のように夜に試合がある場合。ツアーは平日午後7時、日祝は午後6時半までなので、閉館ギリギリまで楽しんで、あとは最終出口にもなっているスアジタム併設オフシャルメガストアで買い物三昧、お店も平日午後9時、日祝午後7時半とクローズが遅いですし、午後8時45分のキックオフが迫ってきたら、近場のレストラン・バルに入って夕食をとりつつ、試合観戦するのもいいかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171104_9_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽ちなみに周辺にTVのあるバルはいくつかあるんですが、お勧めはオフィシャルショップを出て、右へ歩いてすぐのショッピングセンター、La Esquina de Bernabeu(ラ・エスキーナ・デ・ベルナベウ)内にあるFriday(フライデー)。ちょっとファミレスっぽいチェーン店ですが、席数も多く、TVがいくつもあるため、見やすい位置を確保しやすのがウリです。北側カステジャーナ大通り近くにあるVolapie(ボラピエ)はワンダ・メトロポリターノの近くにもあるバルで気軽に入れる雰囲気ですし、スタジアムを回ってメトロ(地下鉄)の駅に向かう道、Avenida de Concha Espina(アベニダ・デ・コンチャ・エスピーナ)には信号を渡ってすぐのところに並んだ2軒、El Almacen Argentina(エル・アルマセン・アルヘンティーナ)とCafe & Tapas(カフェ・アンド・タパス)は壁掛け大型スクリーンを設置、迫力あるプレーが楽しめるところがいいですね。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171104_9_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div> ▽ただ、これらのお店、マドリーのアウェイゲーム時にはゆっくり座って食事もできるんですが、ホーム戦の前後はファンで大混雑なんですよ。私もすぐ続いてお隣さんの試合がある時など、利用させてもらっていますが、それがバルサvsアトレティコ戦のようなビッグカードだったりすると超満員。空席待ちするぐらいなら、いっそ自宅近くまで帰った方が、後半だけでも落ち着いて見られていいという気分になったこともあったため、立ち寄るかどうかはケースバイケースかと。日本から来るファンの方々も自分の予定に合わせて、上手くこういったバルを使えるといいのですが…。 ▽え、昨今、マドリッドでは“crisis/クリシス(危機)”という言葉が飛び交っているのに、そんな呑気な話をしている場合かって? そうですね、実はこのミッドウィークは惨々で、いやあ、もう私なんて、火曜のCLカラバフ戦が引き分けに終わった時点でボロボロで、その翌日にはマドリーまでがウェンブリーであんな目に遭うとは予想もせず。とりあえず、順番に話すことにすると、CLでの生き残りを懸けてワンダ・メトロポリターノにアゼルバイジャンのチームを迎えたアトレティコはまた、サッカーをすることを忘れてしまったんですよ。 ▽ええ、序盤こそ攻めて行ったんですが、15分もしないうちに軽快にパスを回すのは敵の方になり、何と前半39分にはCKからスペイン人選手のミチェルにヘッドを決められて、先制を許すとは一体、どうなっている? 冗談ではなく、今季はサイドからのクロスで失点するのが定番になってしまった彼らですが、それでも後半10分にはトマスが名誉挽回の一撃をネットに突き刺してくれたから、ひとまずホッとできることに。そう、何度も恐ろしいパスミスを繰り返しながら、決して下を向かないアトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)の芯の強さをエリア外からのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で示してくれたんですが、どうやら今の彼らは1点を取るのが精いっぱいのよう。 ▽ええ、トマスの同点弾の前にもガメイロが空のゴールを前に外していましたし、フィリペ・ルイスが撃ったシュートも枠を捉えられず。相手が13分に退場者を出した後、終盤などはガビやフアンフラン、ゴディンら、ベテランがチームを引っ張って、総攻撃体制に入っていたんですが…ロスタイム、最後にガイタンが至近距離から放ったシュートも敵GKに弾かれ、ここ数年、すっかり姿を消していたホームチームへのpito(ピト/ブーイング)がワンダ・メトロポリターノのスタンドから初めて聞こえたとあっては、かつてあの「Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(信じて努力すれば、可能になる) 」という名言を残したシメオネ監督まで、「En el segundo tiempo hicimos meritos, el destino no quiere.../エン・エル・セグンド・ティエンポー・イシモス・メリトス、エル・デスティーノ・ノー・キレ(後半のウチはよくやったが、運命が欲してくれないのでは…)」と嘆いていたのも仕方なかった? ▽結局、試合は1-1で終わり、同グループのローマがチェルシーに3-0と勝ったため、この4試合で勝ち点3しか溜まらなかったアトレティコはほぼ敗退が決定。ほぼというのは残り2試合、彼らが連勝して、カラバフが勝ち点1でも取ってくれれば、2位通過できるからですが、何せアトレティコが次のローマ戦に勝つ姿も、チェルシーがスタンフォード・ブリッジでポイントを落とす姿も同じぐらい想像できませんからね。そのせいもあってか、これまで運の悪さを努力で変えてきたという自負のあるキャプテンのガビなど、試合後、「A dia de hoy, la Liga Europa es una mierda/ア・ディア・デ・オイ、ラ・リーガ・エウロッパ・エス・ウナ・ミエルダ(今日の時点ではヨーロッパリーグなんてクソみたいなもの)」とか、「1月までこの調子が続いたら、ジエゴ・コスタが来ても何の役にも立たない」なんて極論に走っていたんですが、まあ理解はできますって。 ▽そんな彼らはもうこの土曜、午後4時15分(日本時間翌午前零時15分)から、リーガのデポルティボ戦に挑むんですが、とにかくあまり朗報がなくってねえ。ここ数試合休場中のコケとカラスコもまだ回復せず、加えてフィリペ・ルイスが太もものケガで出られない上、「No tenemos un jugador que el solo gane un partido/ノー・テネモス・ウン・フガドール・ケ・エル・ソロ・ガネ・ウン・パルティドー(ウチには1人で試合を決められる選手はいない)」というシメオネ監督の言葉から察するに、とうとうグリーズマンもtitular indiscutible/ティトゥラル・インディスクティブレ(不動のレギュラー)ではなくなってしまったようなんですが、だからって代わりがいる訳でもなし。 ▽よって、メンツは同じまま、2節前にペペ・メル監督を解任、現在はBチームを率いていたクリストバル監督が昇格したデポルティボにうっかり頭でのゴールを入れられないように用心、あとは何かの間違えでもいいから、1点を取れることを祈るしかありません。うーん、木曜夜にはガビ、ゴディン、コケ、モヤら、チームの重鎮が集まって決起ディナーを開いたというアトレティコですが、どうせなら来週の国際代表戦週間を利用して、paron(パロン/リーガの停止期間)明けのマドリーダービーに勝てるよう、チーム全員でお祓いにでも行く方がいいんじゃないかと思ってしまうのはきっと、私だけではないはずです。 ▽え、いくらトッテナムには負けたとはいえ、水曜にはドルトムントがアポエル2試合目でも引き分けたため、グループ2位で突破は順調に決まりそうなお隣さんなのに、クライシスという声がアトレティコどころではなく高まっているのはどうしてなのかって? いやあ、それは世間の反響の大きさが違うせいもありますが、彼らの場合は先週末のリーガ、ジローナ戦に続いての黒星。しかもCLグループリーグで負けるのは5年ぶりともなれば、騒がれるのも当然なんですけどね。 ▽ただ実際、その試合のマドリーはまるでアトレティコが憑依したかのような状態で、ジローナ戦同様、マルセロ、クロース、モドリッチ、カセミロが次から次へとパスをミス。それが前半27分に敵のカウンターを招き、ウィンクスのロングパスを受けたトリッピアーはオフサイドだったんですが、見咎められずにデル・アリがフィニッシュして、トッテナムに先制されてしまったから、さあ大変! 再び、カセミロを下げての3CB制に入った後半も11分にはデレ・アリのシュートがセルヒオ・ラモスに当たって2点目を奪われると、20分にはエリクセンにも決められて、とうとう3点差って、我が目を疑うとはまさにこのことだったかと。 ▽うーん、どういう訳か、最後にエリクセンを追う役目になっていたモドリックなど、後で「Tenemos que hacer todo para recuperar nuestro juego/テネモス・ケ・アセール・トードー・パラ・レクペラル・ヌエストロ・フエゴ(ウチは何としても自分たちのプレーを取り戻さないといけない)。フィジカルやメンタル的に問題はないんだから」と言っていましたけどね。今季はお隣さん程ではないものの、効率的に得点するのにも苦しんでいるマドリーは結局、35分にはエリア内の混戦からクリスティアーノ・ロナウドが決めて1点を返したんですが、3-1なんて、トッテナムのポチェッティーノ監督も「Me esperaba la mejor version del Madrid/メ・エスペラバ・ラ・メホール・ベルシオン・デル・マドリッド(最高のバージョンのマドリーを期待していた)」と拍子抜けしていたように、まったく2年連続CLチャンピオンにあるまじき惨状と言っていいでしょう。 ▽ただ、マドリーのゴールが減ったのには、ロナウドによると、どうやら選手の控え層の変化も影響していたようで、「ペペ(現ベシクタシュ)、モラタ(チェルシー)、ハメス・ロドリゲス(バイエルン)はチームを強化してくれたけど、los de ahora son mas jovenes/ロス・デ・アオラ・ソン・マス・ホベネス(今の選手たちはもっと若い)。その分、経験が少なくて、それは大事なことだからね」とのこと。まあ、確かにアセンシオ、セバジョス、マジョラル、テオ、バジェホと控えはほとんど皆、20代前半ですからね。このところ、カルバハルの代理で右SBを務めているアクラフに至っては18歳となれば、比べるのも気の毒なんですが、え、その前にロナウドは今季、CLでこそ6得点とランキング首位とはいえ、リーガでまだ1ゴールしか挙げられていない我が身を振り返った方がいいんじゃないかって? ▽そうですね、CLは次のアポエル戦で勝てば、決勝トーナメント進出が決まるため、別にいいんですが、先日、ジローナ戦で1-2と負けた後、ラモスも「No es la primera Liga en la que se remontan ocho puntos/ノー・エス・ラ・プリメーラ・リーガ・エン・ラ・ケ・セ・レモンタン・オチョ・プントス(勝ち点差8を覆したリーガは初めてじゃない)。ボクは勝ち点8以上を逆転して優勝したことがあるよ」とラジオのインタビューで言っていたように、ちょっと誤解があるんですよ。というのも過去、リーガで8差以上から追い上げて優勝したチームはバルサ、バレンシアだけで、マドリーの最大記録は7差。ジダン監督初年度の2015-16シーズンこそ、バルサに4試合で11ポイント詰めたりしたんですが、結局、1差で優勝はできていないから。 ▽そう考えると、ジダン監督も「No estamos en crisis/ノー・エスタモス・エン・クリシス(ウチはクライシスにある訳じゃない)」なんて悠長に構えている場合ではないはずですが、この日曜のラス・パルマス戦、それぞれウェールズ代表、フランス代表に招集されたものの、トッテナム戦は負傷欠場しているベイルとバランが復帰できるのかどうかはまだ不明。カルバハルも一緒でもう、今はバルデベバス(バラハス空港の近く)での全体練習に参加しているんですけどね。気がせいてまたケガされても困りましますし、いくら昨季は2引き分けを演じた相手とはいえ、ここは慎重になった方がいい? ▽そんなラス・パルマス戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)にサンティアゴ・ベルナベウでキックオフ。火曜にオリンピアコスとスコアレスドローながら、相変わらずCLグループ首位のバルサはスパルタク・モスクワに2-1と勝ったセビージャを土曜にカンプ・ノウに迎えるため、下手したら、試合前に勝ち点11差になっていることもありえますが、12月23日午後1時と決まったホームでのクラシコ(伝統の一戦)までは、少なくとも現状を維持してほしいですね ▽おっと、マドリーの両雄の話をしているうちに金曜試合だったヘタフェのベティス戦が終了。いやあ、せっかく前半にベルガラとポルティージョのゴールで2点リードしながら、後半23分にはサナブリアに決められ、更に残り3分にブアデスに同点弾を許す辺り、やっぱり終盤に弱いという弟分の今季の宿命、前節のレアル・ソシエダ戦で逆転勝利したぐらいでは変わっていなかったのは残念だったかと。まあ、それでも2-2でアウェイのベニト・ビジャマリンで勝ち点1をゲットとしたとなれば、健闘したと褒めるべきなんでしょうが、こういう勝ち切れない試合を後で悔やむことがないよう、この代表戦週間はみっちり練習に集中してもらいたいところです。 ▽そしてもう1つのマドリッドの弟分は土曜にメスタジャでバレンシア戦ですが、何せ現在、2位のこの相手は唯一、勝ち点差4でバルサを追っているチームですからね。とりわけ、今季はヨーロッパの試合がないだけに、もしかしたらこのままかなり長い間、高みを維持しかなないとなれば、ここは無理は承知でレガネスに一肌脱いでもらうしかない? 前節はセビージャに負けて7位に後退してしまった彼らとはいえ、勝ち点は6位のビジャレアルと同じ17とあって、きっと選手たちもEL出場圏内復帰を目指して張り切っているはずですが…そうそう兄貴分たちにいいようには転がらないような気がします。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.11.04 12:00 Sat
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