【原ゆみこのマドリッド】質の高さには敵わない…2017.05.06 08:45 Sat

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▽「1つぐらいは先に片付いてくれてもいいな」順位表を眺めながら、そんな風に私が呟いていたのは金曜日、リーガの残りがあと3試合となったため、計算の苦手な自分でも今節、18位のスポルティングがラス・パルマスに負け、レガネスが月曜にベティスと引き分け以上であれば、1部残留が確定することに気づいた時のことでした。いやあ、たった勝ち点31で、また来季もレアル・マドリーやバルサをブタルケで見ることができるなんて、レガネス(マドリッド近郊の衛星都市)市民も本当にラッキーだと思うんですけどね。現在、2部でプレーオフ圏内の3位につけ、すでに1部Uターンを確定させたレバンテに続こうとしている、同じマドリッドの弟分チーム、ヘタフェだって、初めて兄貴分たちと肩を並べた2004-05シーズンはキケ・サンチェス・フローレス監督(現エスパニョール)の下、残留にはそこそこ苦労していましたからね。

▽それを鑑みれば、レガネスも頑張っているとは言えるものの、今週末、悪い目が出てしまった時には要注意。何せ、あと2試合はビジャレアル、レアル・ソシエダとヨーロッパリーグ出場権が絶対得られる5、6位の座を争っているアスレティックと、5月27日にバルサとのコパ・デル・レイ決勝を控え、特別誂えのユニフォームも発売(http://www.tiendabknda.com/index.php?id_product=2&controller=product)。ここにきてギアを挙げてきているアラベスですからね。すでに目標がなく、バケーション状態に入っているのはベティスだけなので、スポルティングの結果いかんに関わらず、平日でありながら、サポーター総動員体制でスタンドを埋めるというクラブの心遣いを選手たちもムダにしないでほしいものですが…。

▽え、いきなりリーガの残留争いの話なんて、もしや私は本題に入るのを避けていないかって?うーん、実際、火曜にサンティアゴ・ベルナベウから呆然として帰って以来、ここ数日はずっと鬱っぽくて、何をするのも億劫だったんですが、そうも言っていられません。とりあえず、CL準決勝1stレグで起こったことをお伝えすると、いやあ、前日合宿のホテル入りの時には連休の中日だったせいか、いつものビッグマッチ前のようにチーム到着時に詰めかけず、午後11時近くになってサポーターが集合。発煙筒と大音量のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)に、すでに部屋で休んでいた選手たちがエントランス前に出て来ざるを得なかったというのを聞いた時もちょっと間の悪さを感じたものですけどね。

▽ピッチへ入場する時も、Fond sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)に「Decidme que se siente/デシッドメ・ケ・セ・シエンテ(どう感じるか、言えよ)」というメッセージと共にCLトロフィーの大きな垂れ幕、ご親切にもリスボンとミラノ、因縁の地名入りという迎え方をされ、無意識にトラウマを思い出してしまったんでしょうか。どうやらキックオフ前に円陣を組んでゲキを飛ばし合った際、2試合制の対戦なのだから、「せめて(今季シーズン前半リーガ戦のように)3-0で負けるのだけは避けよう」という打ち合わせをするのを忘れてしまったか、たった開始10分でカセミロのシュート失敗でバウンドしたボールをクリスチアーノ・ロナウドにヘッドされ、先制点を奪われてしまうのですから、困ったもんじゃないですか。

▽それからもアトレティコはお隣さんの怒涛の攻勢に遭い、バランやベンゼマのシュートはGKオブラクが弾いてくれたものの、自らのチャンスはコケのスルーパスに抜け出したガメイロがシュート目前でGKケイロル・ナバスにボールを取られてしまったぐらい。おかげでシメオネ監督も焦ったか、後半10分を経過した時点で早くもガメイロ、サウルをフェルナンド・トーレス、ガイタンに交代、肩のケガが治ったばかりのカラスコもその5分後にはコレアに代えるという、性急な手段に訴えたのも逆効果だったのかもしれませんね。

▽特に敵ゴールが近くなる訳でもなく、結局、28分にはフィリペ・ルイスがエリア前でロナウドを逃し、弾丸シュートで2点目を決められると、とうとう40分にはマドリーの得意技、高速カウンターが炸裂。ルーカス・バスケスの折り返しをPKマーク辺りで受けたロナウドの周りに誰もいない光景にはもう、呆れて物も言えないとはまさにこのこと?これで先日の準々決勝バイエルン戦に続き、ロナウドがハットトリックを達成したマドリーが3-0で勝利って、これじゃ来週の2ndレグの意味がまったくなくなってしまったじゃないですか。

▽え、アトレティコはこの試合前にケガ人が続出、とりわけ右SBなど、左利きの本職CBのカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)、ルカスが務めていたぐらいなんだから、仕方ない面もあったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、皮肉なのは同じく、ベイルを負傷欠場で欠いていたマドリーはそれが逆に吉と出たこと。ええ、クロースなども後で「ウチは相手よりMFが1人(この日はイスコが先発)多かった。普通は3人なんだけど、それがいい戦術だったよ」と認めていたように、主力が揃わなくても彼らは機能してしまうだけでなく、その控え選手たちのレベルが非常に高いため、合間の試合ではローテーションが可能なんですよ。

▽となれば、いえ、走るだけはチーム計110.5キロと102.9キロのマドリーを上回ったアトレティコですけどね。それでもグループリーグでは1試合118キロも走ったことのある彼らですから、いつも出づっぱりな選手たちが、休養十分なマドリーに1対1のボール争いに負け続け、強烈なプレスに「No podiamos seguir tres pases/ノー・ポディアモス・セギーウ・オレス・パセス(パスを3回繋ぐこともできなかった)」(コケ)状態だったのもムリはなかったかと。前半終了間際、右太もものケガでカルバハルが交代しても、マドリーはマルチDFのナチョが出て全然、問題ありませんでしたしね。唯一自慢の体力で上回れないため、個々の選手の質の差が浮き彫りになってしまったのは、かなり私もショックを受けたんですが…。

▽これは一体、どこからくる空元気なんでしょうか。試合後は絶望して現れるかと思ったアトレティコ勢は、「El futbol es maravilloso porque suceden cosas inesperadas/エル・フトボル・エス・マラビジョーソ・ポルケ・スセデン・コーサス・インエスペラーダス(予期しないことが起きるから、サッカーは素晴らしい)。ウチは可能性の最後の一滴まで戦うだろう。Que como nos llamamos Atletico de Madrid, seguramente podamos ser capaces/ケ・コモ・ノス・ジャマス・アトレティコ・デ・マドリッド、セグラメンテ・ポダモス・セル・カパセス(我々はアトレティコ・デ・マドリーなのだから、絶対にそれができる)」というシメオネ監督を筆頭に、いえ、仏頂面でミックスゾーンを足早やに通り過ぎてしまったガビやゴディンの代わりに敗戦言い訳コメントの任を担わされた第3キャプテン、コケの言葉は多分に、上司の受け売りだった感もあったんですけどね。

▽曰く、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もいないのに「これはサッカー、何なら(今季のCL16強対戦でバルサに4-0から逆転された)PSGに訊いてみればいい」に始まって、「con Cristiano en el Calderon ganamos con 4-0/コン・クリスチアーノ・エン・エル・カルデロン・ガナモス・コン・クアトロ・セロ(クリスチアーノがいてもウチはカルデロンで4-0で勝った)」というのは確かに、アンチェッティ監督時代の2015年2月にあったことではありますが、当時の私など、こんな試合は生きている間、もう2度とお目にかかれないだろうと思ったもの。サビッチも「Por que no podemos pensar en la remontada?/ポル・ケ・ノー・ポデモス・ペンサル・エン・ラ・レモンターダ(何でボクらが逆転できると考えてはいけない?)」と強気だったものの、いや、そういう奇跡を夢見るのはお隣さんの専売特許じゃなかった?

▽もちろんそれは実績の裏付けもあるからですが、今季だって、バルサとのコパ・デル・レイ準決勝、1-2の1stレグの負けすら、2ndレグ1-1の引き分けがせいぜいで、覆すことができなかったアトレティコの選手たちが何を根拠にそこまで虚勢を張れるのか。いえ、この日、惨敗で終わった後、それでもずっとスタンドで応援歌を歌い続けていた4000人のサポーターの姿などを見ると、サウルじゃありませんが、「Vosotros matariais por nosotros, nosotros moriremos por vosotros!/ボソトロス・マタリアイス・ポル・ノソトロス、ノソトロス・モリレモス・ポル・ボソトロス(君たちはボクらのために死ぬ程、尽くしてくれる。ボクらも君たちのため、死ぬ気でやるよ)」(https://twitter.com/saulniguez/status/859847943473565697)と、彼らが心を奮い立たせるのもわかりますけどね。

▽正直、いくらロナウドなどに「Es una buena ventaja este resultado, pero no es definitivo/エス・ウナ・ブエナ・ベンタハ・エステ・レスルタードー、ペロ・ノー・エス・デフィニティボ(これはいいアドバンテージだけど、決定的ではない)」と言われても、水曜にもう1つのCL準決勝でユベントスのイグアインに2ゴールを決められ、0-2で負けたモナコより、木曜にヨーロッパリーグの準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに0-1で負けたセルタより、無茶苦茶ハードルが高いのは事実。唯一の慰めはその2チームと違って、彼らの2ndレグがホームのビセンテ・カルデロン開催で、これがヨーロッパの試合の最終戦になるため、ファンもあらん限りの力で応援してくれることですが、結局、プレーするのは選手たちですからねえ。

▽金曜にはリーガのエイバル戦を控えて、前日記者会見に臨んだシメオネ監督も少しは頭が冷えたのか、「ウチはマドリーやバルサ、バイエルンといった世界一のチームではない。ここ6年で進歩してきたが、彼らのような怪物に近づくにはまだ時間が足りない。Pero para conseguirlo el unico camino es seguir trabajando de esta manera/ペロ・パラ・コンセギールル・エル・ウニコ・カミーノ・エス・セギール・トラバハンドー・デ・エスタ・マネラ(だが、それを達成するにはこのやり方で努力し続けるのがただ1つの道だ)」と足に地をつけた発言をしていましたが…やっぱりこの試合でもローテーションは望めないようですよ。
▽ええ、ファンが来週水曜、最後のマドリーダービーでの奇跡に向けて、応援の予行演習をする土曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からの一戦ではサビッチこそ、累積警告で強制休養になりますが、ファンフラン、ベルサリコ、ヒメネスの誰もまだ戻ってこられず。今度は右SBがマジにトマスになるか、アトレティコBの選手という緊急事態にもなっていますからね。

▽ただ金曜に3位争いのライバル、セビージャがソシエダと1-1で引き分け、前節に続いて勝ち点を落としてくれたため、ベルナベウでは1度もシュートができなかったグリースマンなど、前半は温存して様子を見てもいい気はしますが、中盤なんて、とても替えの効く状況ではなし。それどころか、エイバルも、アラベスがコパ決勝で負ければEL出場権が与えられる7位のソシエダまで、あと勝ち点8とギリギリで希望が残ってしまったため、乾貴士選手を筆頭に勝利を目指して乗り込んでくるというのは厄介なところかと。

▽翻って同日午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、すでに降格の決まっているグラナダとのアウェイ戦に挑むマドリーからは、ロナウドが遠征に参加しない予定なんて聞くと、もう本当にどうしたらいいものやら。いえ、現在、消化試合が1つ少ないものの、バルサに首位に立たれている彼らにしても、先に相手のビジャレアル戦の結果はわかるものの、勝っておかないといけないのは同じなんですけどね。

▽もう、マドリーはBチームが出てもモラタ、ハメス・ロドリゲス、アセンシオ、ルーカス・バスケス、イスコ、コバチッチらは信頼できることを証明していますし、いざとなれば17日(水)の開催が決まったセルタ戦でAチームを投入、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦でボロボロになった相手を叩けばいいんですから、もう今は優秀な人材を持て余しているジダン監督を羨むばかり。そんなやるせなさに浸っている私ですが、せめてこの週末は気分を切り替えて、マドリッド勢の好結果を喜ぶことができるのいいんですが…。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢には準決勝がある…

▽「こんなんならいっそ、試合を延期しておけば良かったかも」そんな風に私が愚痴っていたのはワンダ・メトロポリターノからの帰り道、2夜連続で日付が変わった時間にメトロ(地下鉄)に乗っていた時のことでした。いえ、土曜のミッドナイドは車中、まだコパ優勝の余韻が覚めていないか、いきなり床に置いたビニール袋から手づかみで氷を取り出し、プラスチッテクのカップにお酒を注いでbotellon(ボテジョン/戸外でやる酒盛り)を始めたスペイン人ギャル集団が、乗り合わせた高齢者に快く席を譲るというシーンを目撃。日本人感覚ではマナーがいいのか、悪いのか、判断に困っていたところ、そのアスルグラナ(青と紫)の小旗を持ったお爺さんまで、息子に開けてもらった缶ビールを飲みだす始末と、まあこの日はバルサファンにとって、最高の憂さ晴らしになりましたからね。 ▽セビージャファンが静かだったのと対照的に翌晩は、晴れやかなベティスファンが目についたのはともかく、肩を落とし気味だったのはアトティコファン。うーん、確かにワンダのエレベーターで一緒になった売店のお兄さんなども、業務用マヨネーズの大袋を抱えながら、「セレソ会長が2日続けて試合ができると言ったからね。そりゃあできるけど、こっちは夜2時に終わって、朝10時にまた出勤だよ」と過重労働を嘆いていましたしね。ええ、今季の全てが懸かった木曜のヨーロッパリーグ準決勝、アーセナル戦1stレグを前にあんなチームのプレーぶりを見せられるぐらいなら、水曜にCL準決勝バイエルン戦1stレグを控えるお隣さん同様、34節は休んで、いっそ5月半ばのミッドウィークにやることにしておいた方が、ファンも余計な不安に襲われなかったような気がしないでもないんですが…。 ▽いえ、話は順番にしていかないといけません。レガネスがデポルティボとスコアレスドローで終わった金曜のリーガ戦から始まった先週末、マドリッド勢で唯一、朗報を伝えることができるのはもう1つの弟分ヘタフェ。いえ、日本のTVゴールデンタイムを意識した土曜午後1時からのキックオフというのは、エイバルの乾貴士選手もヘタフェの柴崎岳選手もピッチに立つ機会がなく、後半の出場を期待して近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に見に行った私もガッカリだったんですけどね。試合の方も前半22分にオリベイラのヘッドでヘタフェが1点を取っただけで、そのまま0-1で終了という淡泊なものだったんですが、大事なのはこの勝利で彼らが7位のセビージャと同じ勝ち点で並んだこと。 ▽そう、つまりその夜のコパ・デル・レイ決勝でバルサが優勝すれば、来季のEL出場権がリーガ7位に回るため、私も少し早めに出かけた会場のワンダでは若干、それを望んでいなかった訳ではありませんでしたけどね。何せヘタフェの残り試合にはジローナ、ラル・パルマス、アトレティコ、マラガと、すでに2部降格が決まったチームとの対戦が2つもありますからね。とりあえず、今週土曜正午からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスで直接ライバルの9位ジローナを叩くことができれば、たとえセビージャの消化試合が1つ少なくても、ギリギリでヨーロッパの大会に滑り込むことができるかも。それともやはり、昇格1年目で残留を達成したばかりのチームとあって、来季はまだ足場固めに専念した方がいいんでしょうか。 ▽え、いくら外様のサポーターで埋め尽くされたとはいえ、先週末の注目試合だったコパ決勝の様子も知りたいって?そうですね、当日はさすが決勝だけあって、スタジアムへのアクセスも厳しく、ゲートに辿り着く前にも持ち物チェックのため、行列ができていたんですが、幸いながらファン同士や警官隊との大きないざこざは起こらず。スペイン国王フィリペ6世をパルコ(貴賓席)に迎え、懸念されていたカタルーニャ(バルセロナのある州)から来たバルサファンのhimno(イムノ/国歌)へのpito(ピト/ブーイング)にもワンダ自慢、最新鋭の音響システムが抜群の効果を発揮してくれます。ええ、リング状の屋根の内側に設置されたスピーカーから降り注ぐ大音量にかき消され、私にはあまり聞こえませんでしたが、後で胸も張り裂けんばかりの声で「ロ、ロ、ロ…」と合唱したセビージャファンを称える報道も。 ▽それもまた、スペイン国歌には歌詞がないための苦労だったりするんですが、気の毒にも彼らの威勢が良かったのは短い時間だったかと。だってえ、先日のCL準々決勝ローマ戦での逆転敗退で二冠達成が義務となっていたバルサの強さが、その試合では半端なかったんですよ。前半13分にはGKシレッセンのゴールキックから、コウチーニョが敵エリア奥まで突き進むと、GKダビド・ソリアの上を越えてボールを出し、ルイス・スアレスが先制ゴール。30分にはジョルディ・アルバのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)をメッシが決めて2点目を取ると、40分にはメッシのスルーパスに突撃してきたルイス・スアレスが自身2本目って、え、これじゃあまりに一方的すぎない? ▽後半も後半で、せめて一矢を報いたいセビージャの先手を取って、7分には「Esta semana haré pública mi decisión, está un poco clara/エスタ・セマーナ・アレ・プブリカ・ミ・デシシオン、エスタ・ウン・ポコ・クラーラ(今週には自分の決定を公けにするけど、もう大体わかっているよね)」という、今季限りで退団予定のイニエスタがバルサで最後にプレーする決勝のスコアシートに自分の名を残すべく、4点目をゲット。24分にもPKでコウチーニョに5点目を追加されていては試合前、「Messi es un extraterrestre. Ojalá mañana no esté en la Tierra/メッシ・エス・ウン・エクストラテレストレ。オハラ・マニャナ・ノー・エステ・エン・ラ・ティエラ(メッシは宇宙人。明日は地球にいませんように)」と言っていたモンテッラ監督が、「Sus jugadores son extraterrestres/スス・フガドーレス・ソン・エクストラテレストレス(あちらの選手は宇宙人だ)」と、バルサ全員を大気圏外の生き物にしてしまっていたのも仕方なかったかと。 ▽結局、そのバルサに手も足も出ず、0-5というコパ史上、2回目という大敗を喫してしまったセビージャだったんですが、まあ、アトレティコなんて、その彼らに5-2で準々決勝敗退しているため、私も批判なんてできないんですけどね。決勝前はあんなに応援していたセビージャファンたちが試合終了後、スタンドに頭を下げに来た選手たちに怒りをぶつけていたり、翌日、AVE(スペインの新幹線)で到着したサンタ・フスタ駅でも罵倒されているシーンなどを見ると、サッカー選手も難儀な職業だと思ってしまいますが…だからって、敗戦後のマドリッド泊中、深夜のディスコで目撃されたエンゾンジを庇える訳もありませんよね。 ▽そして翌日曜は私もいつもの風景に戻ったワンダを再訪、アトレティコvsベティス戦を見たんですが、ピッチ上でのギャップには驚くばかり。いえ、アルゼンチンに快勝したスペインの親善試合の後も似たような気分は味わったんですけどね。アーセナル戦を見据えて、シメオネ監督がグリーズマン、コケ、ゴディンを温存したのも、相手の3バックを打ち消すべく、自らもサビッチ、ヒメネス、リュカの3CBにフアンフラン、サウールをサイドに置いたのも結構なんですが、前節3-0で負けたレアル・ソシエダ戦から続く、「パスが3回と繋がらない」病は一体、どうしたものか。 ▽ただこれには、2月から、ずっと超少数精鋭でプレーしているため、選手の疲労を記者たちが心配。シメオネ監督も「Es normal, como los trabajdores en sus empleos/エス・ノルマル、コモ・ロス・トラバハドーレス・エン・スス・エンプレオ(普通のこと。勤め人と同じことだ)。皆、夏のバケーション前の6月7月が近づくと疲れるもの」と答えていましたが、アトレティコの場合、まだ元気なはずのシーズン前半でも、言ってしまえば毎シーズン、そういう試合が必ずありますからね。狭いスペースでのパスをビシバシ通すメッシや体を捻って敵をかわしてしまうイニエスタなどを前日、見たばかりの私としては、生まれつきの才能が違うんだと嘆くしかなかったんですが、せめても慰めはその日もGKオブラクがブデスやテージョのシュートを的確にセーブ。ヒヤリとするピンチにも向こうが勝手に外してくれたため、失点もせずに済んだことだったかと。 ▽いえ、アトレティコも前半にはフェルナンド・トーレスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)がGKダニ・ヒメンスの頭は越したものの、ゴール前でマンディにクリアされてしまったり、後半半ばにはようやくグリーズマンとコケが出場。普段の4-4-2に戻り、「Si hay uno incómodo es mejor a que haya cuatro/シー・アイ・ウノ・インコモドー・エス・メホール・ア・ケ・アヤ・クアトロ(やりにくい選手が1人の方が4人よりいい)」(シメオネ監督)という理由で、本職ではない左SBに回されていたサウールが右中盤に上がった途端、ゴールバーを直撃するシュートを撃つなど、チャンスがなかった訳ではないんですけどね。 ▽ベティスもベテラン、ホアキンを投入して終盤の決勝点を求めたんですが、最後までどちらも無得点で試合は終了。EL出場圏5位の座を安泰にしたベティス、レアル・マドリーがお休みだったため、3位との差を勝ち点4に広げたアトレティコと、おかげで来週末のレガネスとのミニダービーでお隣さんが、アラベス戦でアトレティコが揃って引き分け以下だと、バルサのリーガ優勝が日曜最後のデポルティボ戦を待たずに決まってしまうというのはともかく、それ以外、順位的には問題はなかったんですが…。 ▽うーん、トーレスなど、「No sirve de mucho pensar más en este partido/ノー・シルベ・デ・ムーチョ・ペンサール・マス・エン・エステ・パルティードー(この試合のことを考えてもあまり意味はない)。攻撃も守備も改善しないといけないけど、アーセナルに立ち向かうにはウチは最高の状態でないといけないんだから」と言っていましたけどね。どうやら木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)からの一戦では、リハビリ中の「Diego Costa tiene pocas opciones de jugar en Londres/ディエゴ・コスタ・ティエネ・ポカス・オプシオネス・デ・フガール・エン・ロンドレス(ジエゴ・コスタがロンドンでプレーする可能性は少ない)」(シメオネ監督)上、このベティス戦でもフアンフランがハムストリングを痛めて、全治2、3週間という新たな逆境が月曜に判明。 ▽このままだと、先日、22年間チームを率いてきたヴェンゲル監督の退団が発表され、日曜にもウェスト・ハムに4-1と快勝。ELのタイトルを獲って、有終の美を飾らせてあげようと勢い込んでいるアーセナル相手に、「El jueves es mejor marcar y no encajar/エル・フエベス・エス・メホール・マルカル・イ・ノー・エンカハール(木曜は点を取って、失点しないのが何よりいい)」という、オブラクのささやかな希望を叶えることができるのかどうか。月曜は休養に充て、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で火曜に1回だけセッションをした後、水曜にはエミレーツ・スタジアムで前日練習となる彼らですが、せめてそれまでにどの選手も体力ぐらいは回復していてほしいですよね。 ▽え、それで試合のなかったマドリーのミュンヘン遠征に向けての準備は進んでいるのかって?そうですね、先週は水曜にアスレティックと1-1で分けた彼らでしたが、ジダン監督は予定を変えることなく、金土と練習をお休みにして、日曜からセッションを再開。こちらで負傷中なのはナチョだけで、まだ全体練習に合流していませんが、他は全員、元気ですからね。すでにブンデスリーガ優勝が決まり、尚且つ7人もローテーションしながら、土曜にはハノーファーを0-3と一蹴したバイエルンとはいえ、怖がる必要はないかと。 ▽何せ昨季、CL準々決勝で対戦した際には2ndレグを延長戦に持ち込まれ、ドキドキさせられたものの、終わってみれば、2試合でクリスチアーノ・ロナウドが5ゴール。総合スコア6-3でバイエルンを圧倒していますからね。今年もCLにおける彼の好調ぶりは準々決勝ユベントス戦1stレグで2得点、3点差を追いつかれる逆襲を喰らったサンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグでも土壇場のPK弾でチームを救ってくれたことからも明らかとなれば、水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのアリアンツ・アレナでも大いに頼りになる? ▽一方、リベンジに燃えている相手もレバンドフキを筆頭にロッベンやリベリ、ミュラー、そしてレンタル移籍中でもヨーロッパの大会での対戦では出場できるハメス・ロドリゲスらが手ぐすね引いて待っているようで、ヒザを手術して今季絶望となったアレックス・ビダルの欠場は痛そうですが、何はともあれ、今季有数の熱戦になることは間違いなし。とはいえ、1stレグはどちらが勝っても、勝負は来週火曜の2ndレグ、サンティアゴ・ベルナベウでつくんじゃないでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.24 13:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】同じミッドウィークでもちょっと気が抜ける…

▽「まさか、ワンダで2日連続バルサの優勝が決まるの?」そんな風に私がおののいていたのは木曜日、ミッドウィーク開催のリーガ33節でアトレティコがレアル・ソシエダに手も足も出ず、3-0と1年以上ぶりの大敗を喫した直後のことでした。というのもTVのアナウンサーが「優勝までバルサはあと勝ち点3になった」と言うのを聞いたからで、今週末は土曜にコパ・デル・レイ決勝があるため、34節のバルサvsビジャレアル戦が先送りに。となれば、日曜にはもう、頭の中にはすでに来週木曜のヨーロッパリーグ準決勝アーセナル戦1stレグのことしかないアトレティコが、来季のEL出場圏を争っている5位のベティスに午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合で負ければ、その条件が満たされるんじゃないかと思ったんですけどね。 ▽どうやらそれは早合点で、当然ながら、コパ決勝の相手であるセビージャとレアル・マドリーの試合も延期。3位のお隣さんにも数字的には僅かに可能性があるため、リーガ優勝決定は早くとも来週末になるとわかったんですが、まったくねえ。どうもここ数年、コパではいつもバルサがトロフィーを掲げているような気がするという私の感覚は間違ってなくて、現在、彼らは3連覇中。今季は丁度、両者ともCLを準々決勝で敗退したばかりという状況でコパ決勝に臨むんですが、火曜のリーガでデポルティボと0-0で引き分けてすぐ、フェリア・デ・アブリル(春祭り)で湧く地元を避け、マルベジャ(地中海沿岸のビーチリゾート)で合宿入り、マンチェスター・ユナイテッドやバイエルン相手に慣れていないビッグマッチで全力を振り絞ったセビージャの方が、疲れが溜まっているのでは? ▽となると、CL準々決勝ローマ戦2ndレグで不覚の逆転敗退を喰らい、三冠の夢が消えたリベンジとして、二冠獲得に燃えているバルサがコパ4連覇を達成する方がありそうですが、そこは何が起こるかわからないサッカー。マドリッド勢からすると、セビージャ優勝の場合、コパ王者が来季ELグループリーグ出場権獲得となり、リーガの7位に回らず。そこまであと勝ち点3に迫っている弟分、ヘタフェなどにはちょっと残念なことにもなりますが、結局は、コパでバルサに負けてもセビージャがリーガ経由で6月末に始まる予選2回戦から、EL本大会出場への長き道をたどることになるかもしれませんしね。とりあえず土曜午後9時30分(日本時間翌午前3時30分)からのコパ決勝は今季、オープンしたワンダ・メトロポリターノ初の大舞台として、私も素直に試合を楽しみたいところです。 ▽まあ、ヨソ様のチームが争うコパ決勝の話はともかく、このミッドウィークのリーガ戦の様子もお伝えしておかないと。またしても先陣を切ったのは弟分のレガネスで、火曜の夜にエスタディオ・セラミカでビジャレアルに挑んだんですが、やはり前節で残留がほぼ確定していたというのが気の緩みに繋がったんでしょうか。ええ、もう少しでハーフタイムという前半42分にCKから、ビクトル・ルイスに先制点を決められると、後半10分にもバッカにエリア外から撃ち込まれてしまう始末。37分にはブラサナツのゴールでようやく1点を返したんですが、今季コパ16強対決2ndレグと同じスコアとはいえ、その時は1stレグの1-0勝利がモノを言って、アウェイゴール差による準々決勝進出というご褒美があったのとは大違い。リーガではただの敗戦にすぎないなのは残念だったかと。 ▽一方、もう1つの弟分、ヘタフェは翌水曜、こちらもアウェイでバレンシア戦だったんですが、いやあ、5位のベティスに勝ち点差10をつけて、ほぼ来季は3年ぶりのCLグループリーグ返り咲きが決まっている相手でもローテーションすると、意外と力が落ちるものですね。ボルダラス監督のチームもアンヘルが出場停止でいなかったものの、この日はエースのホルヘ・モリーナとペアを組んだレミが大当たり。前半15分にはダミアンのパスが先制ゴールを挙げると、後半3分にもモリーナの横パスを見事なワンタッチでGKジャウメ・コスタを破り、2点差にしてくれるんですから、嬉しいじゃないですか。 ▽これを機にバレンシアは15分、「creo que debo potenciar el ataque, las bandas, y tener un centro del campo más creativo/クレオ・ケ・デボ・ポテンシアール・エル・アタケ、ラス・バンダス、イ・テネール・ウン・セントロ・デル・カンポ・マス・クレアティーボ(攻撃と両サイドを強化して、クリエイティブな中盤にするべきだと思った)」というマルセリーノ監督の考えで、一気にビエット、マクシモビッチ、アンドレス・ペレイラをロドリゴ、ソレル、フェランに代える大技に出たんですが、幸いにも反撃は24分のロドリゴの一発止まり。残り5分にはキャプテンのパレホがモリーナにやり返してレッドカードを出されたことなどもあり、そのままヘタフェは1-2で逃げ切ることに成功します。 ▽まあ、この辺が来季は試合数がぐっと増えるバレンシアの課題で何せ、CLとリーガを同時に戦い抜くにはとにかく、上質で厚い選手層が必要ですからね。このオフシーズンの動きが注目されますが、残留を達成しても万が一の7位のご褒美、EL出場権を目指して気を抜いていないヘタフェの健闘も称えてあげないと。唯一、気になるのはこの日も前節のエスパニョール戦に続き、出場機会のなかった柴崎岳選手ですが、この土曜午後1時(日本時間午後8時)からは乾貴士選手との日本人対決となるエイバル戦も控えていますしね。丁度、3連戦最後の試合となるだけに今度は先発を期待してもいいかも。 ▽いやあ、実を言うと、私がオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況に耳を澄まし、ヘタフェの白星を喜ぶことができたのはサンティアゴ・ベルナベウのスタンドでのことで、というのもその直後にレアル・マドリーとアスレティックの試合がキックオフ。先週末のマラガ戦にはお休みをもらったクリスチアーノ・ロナウドやモドリッチ、マルセロらも復帰して、メンバー的には来週水曜のCL準決勝バイエルン戦1stレグの予行演習だったような感じでしたが、後でマルセロも「Esta complicado pero tenemos que jugar/エスタ・コンプリカードー・ペロ・テネモス・ケ・フガール(難しいけれど、プレーしないといけない)」と認めていた通り、優勝の可能性がほぼない状況では、選手たちにリーガ戦に真剣に取り組む意欲が起きないのは仕方なかったかと。 ▽そのせいもあったんでしょうねえ、開始から7分にはサン・ホセの至近距離シュートをGKケイロル・ナバスがparadon(パラドン/スーパーセーブ)しなければならなかったと思えば、13分にはコルドバのスルーパスをウィリアムスがvaselina(バセリーナ/ループシュート)。「Aritz me suele decir que contra el portero hay que picarla/アリツ・メ・スエレ・デシール・ケ・コントラ・エル・ポウテーロ・アイ・ケ・ピカールラ(アドゥリスはボクによく、対GKではボールを突っつけと言うんだ)」とその日はベンチスタートとなった、37歳の大先輩FWのアドバイスがゴールに繋がったと当人は打ち明けていましたが、マドリーにとって誤算だったのはそのたった1点がなかなか返せなかったこと。 ▽原因はアスレティックのGKケパで、ロナウドもバランもアセンシオもことごとくシュートを弾かれてしまったんですよ。何せ彼はこの冬、マドリー移籍が本決まりと言われていながら、最後はジダン監督の意向で破談に。結局、契約延長をして、ビルバオ(スペイン北部、アスレティックのホームタウン)に留まることを選んだんですが、まさか初めて立つサンティアゴ・ベルナベウの舞台で逃した魚は大きかったことを見せつけてくれるとは!それどころか、後半にはコルドバとラウール・ガルシアのダブルチャンスで相手がリードを広げかねなかったため、23分にはジダン監督もその日も期待に沿う働きができていなかったベンゼマ、そしてアセンシオをベイルとイスコに交代。いよいよ根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)態勢に入ったところ…。 ▽やっぱり最後はロナウドです。ええ、かなり長い時間、アスレティックのエリアを取り巻いて攻撃していたマドリーでしたが、いよいよタイムアップが迫ってきた41分、モドリッチが撃ったシュートをゴール前で彼がtaconazo(タコナソ/ヒールキック)。コースの変わったボールにケパは届かず、土壇場で同点に追いついているんですから、ジガンダ監督が「Es una pena que tan cerquita del final nos hayan empatado/エス・ウナ・ペナ・ケ・タン・セルキータ・デル・フィナル・ノス・アジャン・エンパタードー(あれだけ最後が近づいてきた時に追いつかれたのは残念だ)」と嘆くのも当然だったかと。いかにも、ちょっと本気になれば、点が取れるタレント満載のチームなればこその所業ですが、優勝が懸かっていなかったためか、奇跡の93分弾は生まれず、試合は1-1の引き分けで終わりましたっけ。 ▽そしてアスレティック戦後のジダン監督の記者会見でも大活躍だったケパの件を除けば、ほとんどの質問がバイエルン戦についてだったことからもわかるようにもう、この先のマドリー話題はCL準決勝一色。いえ、日曜夕方に練習が再開される前、セルヒオ・ラモスやセバージョスらはおめかししてセビージャに帰郷、フェリア・デ・アブリルのお祭り気分を満喫する機会を逃していませんでしたが、中には休日返上でバルデベバス(バラハス空港の近く)に通いつめ、リハビリを急ピッチで進めているナチョのような選手も。水曜の1stレグに間に合うかはわかりませんが、相手にも主力のアレクッス・ビダルが半月板手術で一足早く今季を終えるなど、負傷者が出ているため、まだその辺の選手情報は試合が近づくのを待って、お伝えすることになりましょうか。 ▽え、怖いもの見たさじゃないけど、アトレティコ惨敗の詳細も知りたいって? いやあ、実は水曜、マドリー戦の前にマハダオンダ(マドリッド近郊)に彼らの練習を見に行った私だったんですが、選手たちがグループに分かれてパス&ゴーのエクササイズをやっている最中、驚かされたのはシメオネ監督が「パスは受け手のことを考えて出すこと。もらう方がいい感じで受けられるように」とやたら強調していたこと。いえ、だって少年サッカーじゃあるまいし、彼らはプロなんですよ。そんなの言うまでもないことなんじゃないかと思っていたところ、そのソシエダ戦ではまず、「パスは何もないところでも敵めがけてでもなく、味方に向けて出す」という指示から必要だったのかと考えさせられる破目に。 ▽ええ、前半にはゴディンのヘッドが、アトレティコから2月に移籍したモヤが負傷したのに代わり、復帰してきたGKルリに上手くセーブされてしまうなんてこともあったんですが、全体的に動きの鈍かった彼らは26分、トマスのボールロストから、ジャヌザイに右サイドから折り返しノクロスを入れられ、ウィリアム・ホセに先制点を奪われてしまったんですよ。おまけに後半34分にはトマスから代わったガビのミスから、フアンミの独走に繋がって、またしても失点してしまったから、3季連続でのサモラ(リーガ1失点率の低いGKに与えられる賞)獲得に向け、バルサのテア・シュテーゲンと熾烈な争いを繰り広げているオブラクが気の毒だったの何のって。 ▽うーん、その頃には総攻撃態勢を発動したシメオネ監督がフアンフランに代え、ビトロを投入していたため、累積警告のリュカを補ったベルサイコの後を継いで、サウールが不慣れな左SBにポジションチェンジ。間が悪くもオフサイドラインを乱してしまうという不運もあったんですけどね。更にガメイロが抜け出したチャンスは2度とも、不当なオフサイドと怪しげなフェルナンド・トーレスのハンドを取られてシュートまで行きつけずと、ジャッジとの相性も悪かったんですが、ロスタイムにもデ・ラ・ベジャのクロスをフアンミにヘッドで3点目を入れられていてはもう開いた口も塞がらないとはまさにこのこと? ▽いえ、後でサビッチなど、「No jugamos tan intenso porque hay veces que el rival no te lo permite/ノー・フガモス・タン・インテンソ・ポルケ・アイ・ベセス・ケ・エル・リバル・ノー・テ・ロ・ペルミテ(ウチはいつもように激しいプレーはしなかった。時に相手がそれを許してくれないこともある)」と弁解していたんですけどね。もうずっと、少数精鋭での週2試合ハードスケジュールが続いている彼らだけに疲労が溜まっているのもわかりますが、おかげでどんなに来週木曜のア-セナル戦が心配になったことやら。 ▽とはいえ、目前に迫るは日曜のベティス戦で、まだこの時点ではジエゴ・コスタは回復していない見込み。それどころか、ロンドンでの1stレグに間に合うかもわからないんですが、ここは彼らを信頼してあげないと。同日、木曜には遅い試合でロスタイムにレバンテに決勝点を取られてマラガの降格が数字的に決定、同様にベティスに負けたラス・パルマスもほぼ2部行きが確実となり、早くも始まった金曜の34節では弟分のレガネスがデポルティボとスコアレスドローを演じ、更に相手を崖っぷちに追い落とすなど、上下ともにカタがつきかけているリーガですが、次に注目となるのは現在、スポルティングと同勝ち点で2位にいる2部のマドリッド弟分、ラージョの昇格がいつ決まるかでしょうかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.21 19:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】4チーム共、勝ってくれたけど…

▽「お預け喰わされている気がするわよね」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、今週の予定と見たところ、ヨーロッパの大会がなく、ミッドウィークにリーガ戦が入っているのに気がついた時のことでした。いやあ、これがシーズン半ばであれば、先週末の節も含めて勝ち点9が動くとあって、オチオチしていられなかったんですけどね。優勝争いといった言葉が世間から、聞こえなくなったのはもう随分と前。首位バルサと2位アトレティコの差が勝ち点11、3位のレアル・マドリーは15ともあって、残りは6試合、いつ戴冠が決まるのかの方にもう焦点が移っているのは当然のことだったかと。 ▽実際、5位のベティスとアトレティコとの差も先週末で19ポイントとなり、数字的に来季のCL出場権ゲットが確定。マドリーも15差ありますし、今回から4位だとプレーオフを戦わないとグループリーグに出られないという制約もなくなったため、それこそ2位も4位も変わりないですしね。加えてマドリッドの弟分チームたちも残留をほぼ達成、かといって、10位のヘタフェは7位のセビージャまで5ポイントと、ヨーロッパリーグ出場圏入りまで望むのは少々、難しいとなれば、こちらも消化試合に付き合わされているような倦怠感に陥っても仕方なかった? ▽それだけに早く見たいのはCL、ELの準決勝で、何せマドリーはバイエルン、アトレティコはアーセナルとどちらも決勝と言ってもおかしくないような好カードになっていますからね。その前に毒にも薬にもならないような試合をして、自在にローテーションをかけられるお隣さんはともかく、超少数精鋭主義のシメオネ監督のチームから、更にケガ人発生といった事態になるのは困るんですが…いえ、先のことを慮っていても始まりせん。とりあえず、マドリッド勢の前節リーガ戦がどうだったか、お伝えしていくことにすると。 ▽4チームに先立って土曜試合となったのはレガネスで、このところバレンシア、バルサと強敵に連敗していた上、アムラバットやガブリエル・ピレス、ボービューらが出られないと聞いていたため、このセルタ戦はちょっと心配していたんですけどね。それでもチームへの全幅の信頼を失わず、ブタルケのスタンドを埋め尽くしたファンに力づけられ、レガネスは前半からゲレロのシュートやシオバスのヘッドでゴールを積極的に狙っていきます。その努力が実ったのは後半になってからで17分、エル・ザールが入れたラストパスをゲレロが押し込み、とうとう先制してくれたから、ホッとしたの何のって。 ▽スタンドの一角にはセルタの応援団も駆けつけていたんですが、この日はイアゴ・アスパスにチャンスが回らなかったせいでしょうか。相手はこの1点が返せず、そのまま1-0でレガネスが勝利を手に入れることに。これで勝ち点39、降格圏と13差となったため、ガリターノ監督も「A seis jornadas la salvación está prácticamente hecha/ア・セイス・ホルナーダス・ラ・サルバシオン・エスタ・プラクティカメンテ・エッチャ(6節残して実質上、1部残留は達成できた)」と試合後、満足そうだったんですけどね。週が明けて月曜日、次節のビジャレアル戦を控えての会見では、「matematiamente(マテマティカメンテ/数字的に)残留を確定するまで戦わないといけない」と新たな目標ができていたんですよ。まあ、今週は金曜にデポルティボ戦も入っていますし、4月からチーム全体にバケーション気分が広まっても困りますからね。それでもセルタ戦で決勝点を挙げたゲレロを始め、6月で契約の終わる選手が大半とあって、そろそろクラブも来季を見据えて動き始めるんじゃないでしょうか。 ▽そして翌日曜、まだ日の高い午後4時頃、ちょうど毎年恒例のel Dia del Nino(エル・ディア・デル・ニーニョ/子供の日)のイベントに当たったため、スタジアム周辺に設けられたトランポリンやミニサッカー場、フットボリン(サッカーゲーム)などのアトラクションを楽しむ家族連れで賑わうワンダ・メトロポリターノに着いた私でしたが、この日は場内の演出もバッチリ。キックオフ前には大弾幕がバックスタンドに広がり、他は一面、rojiblanco(ロヒブランコ/赤と白)の旗でさざ波かえる美しい光景を楽しめることに。ええ、これにはジエゴ・コスタが負傷中なのに加え、金曜早朝にリスボンから戻って来たばかり、土曜など45分ぐらいしか練習をしなかったというアトレティコの選手たちも大いに勇気づけられたのでは? ▽実際、相手はパコ・ロペス新監督になってから、勝ち点12中10を獲得しているレバンテとあって、その辺もあの、大雨のジョゼ・アルバラーデでパスが3回とが続かない、恐ろしいEL準々決勝2ndレグを見た後だけに、私も不安だったんですが、応援の効果やてきめん。意外と大丈夫だったんですよ。そう、ここ3試合連続の先発出場を仰せつかい、ようやくスペイン代表でも常連だったセビージャ時代の自分のサッカーを思い出したか、この日はビトロがキープレーヤーに。前半32分には敵DF数人をかわしてエリア内でバトンタッチ、ここ数試合の悪いパフォーマンスを反省していたコレアがシュートを決め、アトレティコが先制点を挙げてくれたから、ファンも喜んだの何のって。 ▽更に40分にはリュカのスルーパスにグリーズマンが抜け出したんですが、GKオイエルに倒されてシュートできず。ペナルティをもらうどころか、逆にpiscinazo(ピシナソ/ダイブ)とされて警告を受けてしまったため、後でゴディンなど、「時々、プレーのスピードのせいで、相手に触らなくても向こうが切り返そうとしたりして、バランスを崩すことがある。Por eso la amarilla me parece excesiva/ポル・エソ・ラ・アマリージャ・メ・パレセ・エクセシーバ(だからイエローカードは過剰に思えるよ)」と意見していたんですけどね。後半3分にはコケのサイドチェンジからベルサイコがクロス。エリア内からvolea(ボレア/ボレーシュート)でグリーズマンが撃ち込み、無事に2点目を取ってくれたため、「por suerte no lo hemos tenido que necesitar por los tres puntos/ポル・スエルテ・ノー・ノ・エモス・テニードー・ケ・ネセシタール・ポル・ロス・トレス・プントス(幸いウチは勝ち点3のためにPKを必要としなかった)」(フェルナンド・トーレス)のは良かったですよね。 ▽え、この日、スタジアムが最高に盛り上がったのは後半13分、グリーズマンに代わって、トーレスがピッチに入った瞬間だったんじゃないかって?そうですね、折しも彼は先週、今季限りでのアトレティコ退団を表明。ファンも事情を汲んでか、お馴染みの「Torres quedate/トーレス・ケダテ(トーレス、残って)」というカンティコ(節のついたシュウレヒコール)こそ、聞こえなかったものの、スタンドは「Fernando Torres lo lo lo lo/フェルナンド・トーレス、ロロロロー」の大合唱となります。そこへ32分にはコレアからのパスをネットに沈めて、El Nino(エル・ニーニョ/子供、トーレスの愛称)がチームの3点目を取ってくれるのですから、まさに最高の“子供の日”だったかと。 ▽いえ、シメオネ監督は「Fernando es un icono haciendo goles o no, ganando titulos o no/フェルナンド・エス・ウン・イコノン・アシエンドー・ゴーレス・オ・ノー、ガナンドー・ティトゥロス・オ・ノー(フェルナンドはゴールを決めても決めなくても、タイトルを獲っても獲らなくても偶像だ)」と言っていましたけどね。できれば、「Para mi, cada partido hasta el final va a ser una fiesta/パラ・ミー、カーダ・パルティードー・アスタ・エル・フィナル・バ・ア・セル・ウナ・フィエスタ(自分にとって、最終戦まで全ての試合がフィエスタになるだろう)」という当人には、この日達成したアトレティコでのリーガ1部100得点を少しでも上積みして、有終の美を飾ってほしいですよね。 ▽おかげで、いつもながらGKオブラクが完璧なセーブを見せたこともあり、3-0で快勝したアトレティコでしたが、バルサも前日、バレンシアに2-1と勝利していたため、差が縮まることはなし。次は木曜午後7時30分(日本時間翌午前2時30分)からアノエタでのレアル・ソシエダ戦で、トマスに代わって、今度はリュカが累積警告となるため、トップチームの頭数に変わりはありません。その後、ホームで彼らを再び見られるのは日曜のベティス戦になるんですが、実はこの週末にワンダで開かれるのはこの試合だけではないんです! ▽そう、土曜にはコパ・デル・レイ決勝のセビージャvsバルサ戦が開催されますからねえ。実はこの日付が決まった折、セレソ会長を始め、2日連続で試合があっても対応可能なクラブの運営力を自慢したかったか、アトレティコはベティス戦を先送りにするのを望まず。とはいえ、3月の各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)以来、毎週木日と試合が続いているだけに選手たちも若干、お疲れ気味ですし、セビージャ戦が延期となったお隣さんのように、EL準決勝の前にお休みがあった方が、今となっては良かったかもしれませんね。 ▽そしてこの日は続いてヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスでエスパニョール戦をキックオフ。いやあ、今季は梯子観戦もよくした私なんですが、さすがに直後の時間帯となると、公共交通機関を使っての移動はムリで、何せメトロ(地下鉄)のエスタディオ・メトロポリターノ駅から、イロイロ乗り継いで、ヘタフェまで行くのは1時間以上かかりますからね。よって、後でサマリーを見るだけになりましたが、いい結果が出てくれました。ええ、後半8分にFKをショートでもらったダミアンが撃ち込んだgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)で先制した彼らは、その10分後にはフラミニが2枚目のイエローカードをもらって退場となったものの、最後まで耐え抜いて1-0で勝利。こちらもレガネス同様、2連敗の不調を乗り越えることができたんですが、残念ながら、柴崎岳選手の出場機会はありませんでしたっけ。 ▽そんなヘタフェは水曜午後7時30分からアウェイでのバレンシア戦、週末もコリセウムには戻って来ず、土曜午後1時(日本時間午後8時)から、乾貴士選手のいるエイバルのホームで試合となります。この先、彼らのコリセウム開催ゲームもあと4月29日のジローナ戦、5月2週目の週末の兄貴分、アトレティコとのミニダービーだけなので、今季中にマドリッドで柴崎選手のプレーを見たいファンは要注意。日付が合わなければ、ヘタフェのオフィシャルページの予定表(http://getafecf.com/PrimerEquipo/Entrenamientos.aspx、スペイン語のみでもgoogle翻訳などで大体わかる)をチェックして、スタジアムの右奥にある練習場に行ってみるのもいいかもしれません。 ▽え、それで日曜最後のカードでラ・ロサレダでマラガと対戦したマドリーはどうだったのかって?いやあ、当日移動したジダン監督のチームだったんですが、予想通り、クリスチアーノ・ロナウドは機上の人とはならず。更にモドリッチとベイルが休養ローテーションに入っただけでなく、クロースやマルセロまでベンチ見学とは、選手が多いチームはまったく羨ましい。ただ、今季はCFのベンゼマが極端なゴール日照りに見舞われているため、無得点のまま、前半も30分近くになると、本当にゴールが入るのか、いささか懸念が出て来たものの、そこに救世主として現れたのはご当地選手のイスコ。 ▽エリア近くでゲットしたFKに古巣の選手たちから、苦労してボールを返してもらった後、キャプテン権限でキッカーをやろうかと申し出たセルヒオ・ラモスも断ると、彼の蹴ったボールが弧を描いてスッポリ、ゴールに収まったから、驚いたの何のって。後でマラガがFKを得た際にもスタンドから、「Isco tiralo/イスコ・ティラロ(イスコが蹴って)」というカンティコが湧いていたぐらいだったんですが、実はイスコがマドリーで直接FKからゴールを決めたのはこれが初めて。いえ、もちろんロナウドやベイルがいたら、キッカーをやらせてもらえないせいもあるでしょうけどね。 ▽むしろこの才能は夏のW杯スペイン代表で役立ててもらいたいものですが、後半にもマドリーはイスコのアシストでカセミロが追加点を挙げ、リードが2点に。その後はセバージョスやマジョラルら、これまでほとんど出番がなかった若手をピッチに送り、アセンシオとイスコを休ませたジダン監督でしたが、何せ相手はもう、残り全勝したとて、降格が避けられそうもない最下位のマラガですからね。ロスタイムにバジェホがクリアできなかったボールをロランが決めて1点は返したものの、そこでゲームセット。ええ、ホセ・ゴンサレス監督も「Nadie tiene dudas de que el Malaga volvera a Primera/ナディエ・ティエネ・ドゥーダス・デ・ケ・エル・マラガ・ボルベラ・ア・プリメーラ(マラガが1部に戻って来ることに疑いを持つ者はいない)」と2部落ち前提で話していましたし、この1-2の敗戦も淡々と受け止めているようでしたっけ。 ▽おかげでバレンシアを追い越し、3位に復帰してマドリーは帰京したんですが、今週の予定は水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)から、サンティアゴ・ベルナベウでのアスレティック戦。当面、ケガ人はナチョしかおらず、ジダン監督もCL準決勝バイエルン戦1stレグまで週末を挟んで丸々1週間空くため、「ローテーションをして、休めるようにしたい。でもno pueden descansar todos/ノー・プエデン・デスカンサール・トードス(全員は休めないだよね)」とどこか余裕でしたが、まあ、相手もすでにブンデスリーガ優勝済みとあって、直前のリーグ戦に主力は使わないでしょうしね。やっぱり私がドキドキするのは25日(水)まで、とっておくことになりそうです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.17 08:35 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢だけが生き残った…

▽「もしやこの週ってゴールデンウィーク?」そんな風に私が日本のカレンダーを確認していたのは金曜日、UEFA本部でのCL準決勝抽選が終わり、試合日程が決まった時のことでした。いえ、すでに1時間前に先行していたEL準決勝抽選ではアトレティコとアーセナルと対戦することが決定。こちらの大会は2カードとも木曜開催となるため、3日の2ndレグではワンダ・メトロポリターノでプレミアリーグの老舗を見られるのがすぐわかったんですけどね。奇しくもバイエルンを引いたレアル・マドリーも2ndレグが1日にサンティアゴ・ベルナベウって、要は5月の第1週にマドリッド滞在を予定している観光客には、ヨーロッパの2大クラブ大会のファイナリストが決まる大一番をまとめて観戦する機会があるってことじゃないですか。 ▽え、でもどちらもチケットをゲットするのは難しいんだろうって?まあ通常、大会のこの辺りになると、相手に関わらず、即日完売することも多いんですが、意外にもこの水曜のCL準々決勝2sdレグ。先週の1stレグが0-3と大勝だったせいか、ユベントスというネームバリューでは決して引けを取らない相手だったにも関わらず、80~300ユーロ(約1万1000~4万円)ぐらいで、当日売りのチケットが出ていましたからね。いよいよ、コペンハーゲン、ロコモティブ・モスクワ、スポルティングCPとは一線を画す強敵、アーセナルを迎えるワンダもここまでのEL戦が満員御礼にならなかったという先例があるとなれば、結構、スタジアム窓口で買えてしまったりするかも。 ▽その辺はまだ3週間も先の話なので、情報が入り次第、お伝えしていくことにしますが、まずは今週の準々決勝2ndレグがどう決着したかを語っておかないと。いやあ、火曜は1stレグに4-1と快勝していたバルサが一体、何がどうしたんでしょうかね。スタディオ・オリンピコでは序盤にジェコに決められると、後半にはデ・ロッシがPKで、残り8分にはマノラスがセットプレーからヘッドで、両者共にカンウ・ノウで献上したオウンゴールの無念を晴らされて、総合スコアが4-4に。まさに先週末のリーガ、レガネス戦でハットトリックを挙げたメッシが1本でもこのローマ戦にゴールを取っておけばと思わせる展開で、結局、無得点に終わったバルサはアウェイゴール差による大逆転負けって、こんな奇跡があっていい? ▽おかげで翌水曜のお昼のニュースでは、宿敵のCL敗退に溜飲を下げているマドリー・サポーターの姿を何度も見たものですが、彼らもこの先、何が待っているのか知っていたら、きっとあんなに有頂天にはならなかったかと。というのもその夜、いえ、私も前日にドシャ降りの中、見学に行ったバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でのジダン監督とバランの会見や夕方、ベルナベウであったアッレグリ監督とブッフォンの会見でもほとんど、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)の可能性は話されていなかったため、むしろ恐れていたのは再び、ぶり返してきた寒さの方だったんですけどね。それが何と、同じイタリア勢でも4位のローマとは勝ち点差21をつけて、優勝が間近に迫っているユベントスだからでしょうか。前日の先制点より、全然早い開始1分18秒にはケディラのクロスから、カルバハルを軽々超えて、長身のマンジュキッチがヘッドで決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。 ▽ただ、それでもまだ2点差ありましたし、13分にはイスコのゴールが怪しいオフサイドで認められないなんてこともあったため、じきに相手の攻勢も収まるだろうと私など、楽観視していたんですが、いえいえ、とんでもない。37分には再び、マルセロの守る左サイドからクロスを上げられ、またしてもマンジュキッチに頭で得点されてしまっては心落ち着かず、ハーフタイムに定番のボカディージョ(スペイン風バゲットサンド)を食べることもできないファンがいても仕方なかったかと。さすがこれにはジダン監督も「Hay que cambiar algo/アイ・ケ・カンビアール・アルゴ(何かを変えないといけない)」と思ったそうで、マドリーは後半頭から、ベイルとカセミロを下げ、ルーカス・バスケスとアセンシオを投入したものの…。 ▽悪夢が現実になったのは後半15分、この日、ユベントスの攻撃を牽引していたドグラス・コスタが入れたクロスをGKケイロル・ナバスがしっかり掴めず、詰めていたマトゥイディに押し込まれてしまったんですよ。いえ、バルサとは違い、これで総合スコアは互いにアウェィゴールでの3-3ですから、あくまでユベントスはprorroga(プロロガ/延長戦)に持ち込める権利を得たに過ぎないんですけどね。おそらく、それで安心してしまったのでしょうか。その後の彼らは4点目を奪いに行くことより、失点を避けることを優先したのを大いに悔やむことに。 ▽ええ、いよいよ試合も後半ロスタイムに入り、その頃には出場停止でこの試合に出られず、ソンブレロ(帽子)を被ってパルコ(貴賓席)で優雅に観戦していたセルヒオ・ラモスも危ないと思ったか、ベンチ脇にあるトンネルから檄を飛ばしていたんですけどね。私も厚めのヒートテックを着てきた先見の明に感謝しながら、更なる30分の長丁場に耐える覚悟を決めていたところ、何と48分、クリスチアーノ・ロナウドが頭で落としたボールをゴール前に受けに行った身長172センチ、体重70キロのルーカス・バスケスが190センチ、92キロのベナティアに後ろから足を回されて転倒。ペナルティの笛が吹かれるって、こんなラッキーな出来事があっていい? ▽というのもこのプレー、専門家でも意見が分かれる程、判断が微妙で、アッレグリ監督などはCLにVAR(ビデオ審判)がないのを嘆いていましたけどね。もちろんルーカス・バスケスは「Es penalti claro/エス・ペナルティ・クラーロ(明らかにペナルティだ)。ボールをコントロールしようとした時、敵CBに倒されたんだからね」と正当性を主張、対するベナティアは「自分の太ももが触れたけど、接触は最小限で、これはサッカーの一部」と互いの言い分が相反するのは当然で、ユベントスの選手たちも主審を取り巻いて猛抗議をしたところ、何とGKブッフォンがレッドカードで退場させられてしまったから、逆転突破の夢もここでジ・エンドに。 ▽だってえ、どの選手が蹴ってもPKが入らない弟分のヘタフェじゃあるまいし、キッカーはあのロナウドですよ。代わりのGK、シュチェスニーが用意する時間も含め、4分程、間があったため、当人も「Los minutos antes de tirar el penalti se hicieron eternos・ロス・ミヌートス・アンテスデ・ティラール・エル・ペナルティ・セ・イシエロン・エテルノス(PKを蹴るまでが永遠に感じられた)」と言っていたものの、大丈夫。ドサクサに紛れ、ユベントスの選手たちが入れ替わり立ち替わり、PKマーク付近をスパイクで荒らしていたのもモノともせず、しっかり総合スコア4-3で準決勝進出を決めるゴールを挙げているのですから、歓喜の余り、またユニフォームを脱いで、自身の筋肉を見せつけていたって、ここはもう褒めるしかないかと。 ▽え、ロナウドは昨夏、スペイン・スーパーカップ1stレグでもユニを脱いで、それが2枚目のイエローカードだったために退場。更に5試合の出場停止処分を受けていなかったかって?いやあ、そこは少し学んだようで、この日はまだカードをもらっていませんでしたし、大会通算でも2枚目。累積枚数にはならない上、準決勝では全員ゼロからスタートになるって知っていたんでしょうね。おかげで心いくまでゴールを祝うことができたんですが、ラモスの方もスタッフが必死に止めて、ピッチレベルまで上がらなかったため、UEFAのお咎めがなかったのは幸い。何せ、バランとバジェホのCBコンビではその日のように、大物相手では頼りないのが発覚してしまいましたからね。準々決勝こそ、2ndレグは0-0で、セビージャのオウンゴール2本で勝った1stレグのおかげで突破したバイエルンとはいえ、レバンドフスキを前にラモス抜きで戦うなんて、想像したくもありませんって。 ▽そして試合後は、「Si hay penalti, lo hay. Pasamos y estamos contentos/シー・アイ・ペナルティ、ロ・アイ。パサモス・イ・エスタモス・コンテントス(ペナルティがあると言われればある。ウチは突破して満足だ)」(ジダン監督)というマドリーだったんですが、マルセロなどからは「no nos iba a pasar como al Barcelona porque somos el Real Madrid/ノー・ノス・イバ・ア・パサール・コモ・アル・バルセロナ・ポルケ・ソモス・エル・レアル・マドリッド(バルサみたいにはならないよ。ウチはレアル・マドリーだからね)」なんて、ちょっと調子に乗ったコメントも聞かれたんですが、ミックスゾーンで誰より吠えていたのはブッフォンだったかと。 ▽ええ、最初は放映権のあるTVカメラ、次になしのTV、イタリアのラジオ、最後は新聞記者たちの前で、「93分にあんなペナルティを取るなんて、人間のやることじゃない。彼はキラー、アニマルだ。ハートの代わりにゴミバケツを持っている」と各所で主審批判をリピート。うーん、世間から、CLの試合はこのマドリー戦が最後となるだろうと言われていた彼ですから、有終の美を飾れなかったのが悔しいのはわかりますけどね。あの手のジャッジは時の運ですし、昨季もバイエルン相手の準々決勝2ndレグ、延長戦にもつれ込みながらも勝ち抜けを決めたマドリーですから、やっぱり残り30分に畳かけず、120分勝負に懸けたユベントスの戦略にこそ、敗因があったんじゃないかと私など、思ってしまうんですが…。 ▽え、それで木曜にスポルティングとの2ndレグを戦ったアトレティコはどうしたんだって?うーん、リスボンは大雨だったからですかねえ。1週間前のワンダとは違い、相手にガンガン攻めてこられた上、パスが3回と繋がらない惨状にとうとう、普段は見て見ぬ振りをしている番記者たちも試合後は「就任して以来、最低の試合だったのでは?」と記者会見で尋ねざるを得ない始末。それには「この6年間、もっとひどい試合はあったが、comparto que estuvimos tremendamente imprecisos en el primer tiempo/コンパルトーケ・エストゥビモス・トレメンダメンテ・インプレシソス・エン・エル・プリメール・ティエンポー(ウチが前半、恐ろしく正確さを欠いていたという意見には同意する)」と答えていたシメオネ監督ですけどね。 ▽もうホント、私だって、視界が悪くてスポルティングの緑のユニと芝生の区別がつきにくいのだろうとか、濡れた髪でヘディングすると滑って狙いが狂うんだろうとか、TVを見ながら、自分で自分に言い訳するのがどんなに苦しかったことか。どうやらコケなどに言わせると、「相手もプレーしているんだから、hay veces que no es culpa tuya/アイ・ベセス・ケ・ノー・エス・クルパ・トゥジャ(自分たちのせいじゃない時もある)」そうですが、何せ、1stレグでは2-0で勝利しているとはいえ、バルサやマドリーの先例がありましたからねえ。GKオブラクの奮闘も空しく、とうとう前半27分、彼が弾いたクロスをノーマークだったモンテロに決められてしまった時にはどんなに背筋が凍ったことか。 ▽おまけにリュカは前半の接触プレーで顔を強打され、後半からはベルサイコが出場していたのに加え、5分にはダッシュをかけた際にジエゴ・コスタが左太ももを痛め、交代要請って一体、どこまでアトレティコは祟られている?それでも幸い、この時は先日、今季限りのアトレティコ退団宣言をしたフェルナンド・トーレスがアップなしで入り、更にスポルティングも「70分までウチは素晴らしい試合をしていたが、リスクを犯して点を取りにいかないといけない時間帯になり、アトレティコがスペースを得てチャンスを作った」(ジェズス監督)という状態になったため、そのまま試合は1-0で終了。総合スコア2-1で逃げ切りましたが、30分過ぎにグリーズマンが迎えたGKルイ・パトリシオとの1対1の好機にシュートを決めていてくれれば、あそこまでファンをヒヤヒヤさせることもなかったはずでよ。 ▽まあ、内容はともかく、今はアトレティコがリヨンへの道から外れなかったことを喜んでいればいいんですが、気になるのはコスタのケガがいつ治るのか。一応、全治2週間という報が金曜の検査の後、出ていましたが、4年前は負傷から復帰の後、リーガ優勝が決まった最終戦でもCL決勝でもすぐ再発させて、序盤で交代という黒歴史の持ち主ですからね。今週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、ワンダ初のDia del Nino/ディア・デル・ニーニョ(子供の日)が祝われるレバンテ戦はもちろん、アーセナルとの2試合もあまり期待しない方がいいかも。ちなみにもう1つのEL準決勝はオリンピック・マルセイユvsザルツブルクで、前者にはライプツィヒとの準々決勝2ndレグでチームの5点目を挙げた酒井宏樹選手、ラツィオを大逆転で退けた後者には南野拓実選手がいるため、どちらが勝っても決勝に必ず日本人選手が参加するっていうのは楽しみですね。 ▽そして他のマドリッド勢の週末の日程は土曜にレガネスがセルタとブタルケで対戦。日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにエスパニョールを迎えるヘタフェ同様、残留をほぼ達成してしまったため、このところ2連敗とモチベーションを奮い立たすのが難しいようですが、せめてホームゲームではいいプレーをして、サポーターを喜ばせてあげてほしいかと。兄貴分のマドリーは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、降格決定が秒読みに入っている最下位マラガとのアウェイ戦ですが、ユベントス戦で負傷したモドリッチ共々、金曜のセッションでグラウンドに姿を見せなかったカルバハル辺りはお休みしそうです。 ▽実際、バルサとは勝ち点差15とすでにリーガ優勝の望みは失くしている彼らですが、一応、前節にバレンシに奪われてしまった3位の座は取り戻したいですからねえ。来週はミッドウィークの水曜にアスレティック戦をこなした後、週末21日にコパ・デル・レイ決勝が開催。そのファイナリストであるセビージャとの対戦が先送りにされているため、バイエルン戦1stレグまでの丸々1週間、調整に使えるのは羨ましい限りですが、ジダン監督がどんな風にロナウドやクロース、カセミロらをローテーションしてくるのか、ちょっと興味が湧くところでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.14 21:45 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】2位争いは盛り上がらない…

▽「ここまで冷遇されるなんて」そんな風に私が呆気に取られていたのは月曜日、マドリーダービーで見逃したシーンでもないかと、楽しみお昼のニュースをつけたところ、最初に始まったのはMotoGP、アルゼンチンGPで走行中、ヴァレンティーノ・ロッシにぶつかって転倒させたマルク・マルケスとの度重なる諍いの件。続いてはバレンシアの闘牛場で開催されたデビスカップ準々決勝第2戦でフェレールが熱闘の末、コールシュライバーに勝利、スペインがドイツを破って準決勝進出を遂げた件で、いえ、このテニスの国別対抗戦には金曜にバルサのピケが見学に来ていたなんて話もあったんですけどね。 ▽いよいよ次こそは身構えていたところ、マスターズで4位になったスペイン人ゴルファーのジョン・ラームの映像が流れた日には、どうしたらいいものか。だってえ、サッカー至上主義のこの国で番組開始から15分以上、ほっておかれるなんて、バルサとエスパニョールのカタルーニャダービー、アスレティックとレアル・ソシエダのバスクダービー、セビージャとベティスのアンダルシアダービーと、スペインにはライバル意識の強いお隣さん同士の対決はいくつかあるものの、天下のマドリーダービーなんですよ。それがこの扱いって、どこまでレアル・マドリーもアトレティコもリーガで影が薄くなってしまったんだと、私も嘆くしかなかったんですが…。 ▽まあ、そこは気を取り直して、先週末のマドリッド勢を振り返っていくことにすると。トップバッターは土曜の午後1時という早い時間から、メンディソローサでアラベスと対戦したヘタフェだったんですが、やっぱり残留ほぼ確定という立場になってしまうと、今季は再昇格1年目のチームというのもあって、それ以上の野心を持つのが難しいんでしょうか。前半は両者無得点だったものの、後半3分にはラグアルディア、30分にもムニルと、2本のヘッドで点を奪われた彼らはそのまま2-0で敗戦。終盤にもらったPKもアントゥネスが外してしまい、とうとう今季9本中5本目のPK失敗って、ちょっと情けない感じがしますが、数年前には兄貴分のアトレティコも延々と入らない時期があったりしましたからねえ。 ▽こればっかりは練習不足を責めても仕方ないんですが、この日は前節のベティス戦でPKを弾かれてしまったポルティージョが累積警告で出場停止だったため、先発に抜擢された柴崎岳選手も後半17分で交代。あまり見せ場がなかったのも残念ですが、ボルダラス監督も「せっかくここまで素晴らしいシーズンを送ってきたのに、終盤で失速するのは痛ましい」と言っていたように、今週末日曜のエスパニョール戦を含めて、あと7試合、せめて半分ぐらいは勝てると、ファンもいい気分で夏を迎えられるんじゃないでしょうか。 ▽そして同じ土曜、夜の試合でカンプ・ノウのピッチに立ったのはレガネスだったんですが、いえ、普段はスルーしているバルサ戦を見に近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に入ったところ、顔馴染みのcamarero(カマレーロ/ウェイター)に「何しに来たの?」と驚かれてしまったなんてこともあったんですけどね。やはりアトレティコにもムリだったことを弟分に期待した自分が愚かだと前半から、思い知らされることに。ええ、相手もCL準々決勝ローマ戦の谷間ということで、イニエスタやジョルディ・アルバがベンチ待機だったですが、あの選手さえ、いればいいんですよ。まずは前半27分、CBシオバスが絶対、やってはいけないエリア前右側でファールを犯し、そのFKをメッシが直接決めてバルサが先制。丁度、1カ月前、首位との直接対決に張り切って乗り込んだアトレティコもこれでやられたっけと、悔しさを反芻していたところ…。 ▽ええ、後でガリターノ監督も「Nuestro error ha sido no saber dar dos pases seguidos/ヌエストロ・エロール・ア・シードー・ノー・サベール・ダール・ドス・パセス・セギードス(ウチのミスはパスが2本と続かなかったこと)」と反省していたんですけどね。レガネスは32分にもコウチーニョからパスをもらったメッシに再びゴールを奪われてしまったんですよ。それでも後半、リードして相手の気が緩んだのか、少しは攻められるようになってきたため、しばらく様子を伺っていると、何と23分にはエル・ザールがGKテア・シュテーゲンを破ってくれたから、期待度が再び上昇。でもねえ、最後はやっぱりメッシでした。残り3分、GKクエジェルの体をヒョイと超えるチップキックで3点目を取られてはどうしようもありませんって。 ▽結局、3-1と負けてしまい、ハットトリックを挙げた好調メッシの引き立て役で終わってしまったレガネスでしたが、まあこちらも降格圏とは勝ち点13と残留はほぼ確定していますからね。ヘタフェ同様、この土曜のセルタ戦からまた気を取り直して、いい試合を見せてくれればいいんですが、ボルダラス監督共々、ガリターノ監督も今週は契約更新の交渉が進展しそうな雰囲気です。 ▽そして翌日曜はお昼を食べてから、サンティアゴ・ベルナベウへ向かった私でしたが、確かにスタジアム周辺にもいつもの宿敵対決の盛り上がりは見られず。もちろんアトレティコファンも一定数、応援に駆けつけていたものの、fondo norte/フォンド・ノルテ(北側ゴール裏)3、4階のスタンドが赤白で埋め尽くされることはなく、マドリーが用意したモザイクもfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏)限定だったため、初めてマドリーダービーを見た人はちょっと肩透かしを感じたかも。加えて、フィールドプレーヤーが15人しかおらず、ローテーションする余裕のないアトレティコはともかく、ジダン監督など、水曜のCL準々決勝ユベントス戦2ndレグを見据えて、ベンゼマ、イスコ、モドリッチ、カセミロを先発させませんでしたしね。 ▽とはいえ、そこはシメオネ監督も「Creo que el Madrid tiene la mejor plantilla del mundo/クレオ・ケ・エル・マドリッド・ティエネ・ラ・メホール・プランティージャ・デル・ムンド(マドリーは世界一の選手層を持っていると思う)。PSGより、マンチェスター・シティより、バルサよりもいい」と認めていたマドリー。おかげで前半から、GKオブラクはクリスチアーノ・ロナウドの2本やカルバハルのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)しなければならなかった上、アセンシオやマルセロらの試みはゴール枠に助けてもらう羽目に。対照的にアトレティコ唯一のチャンスはジエゴ・コスタが作ったんですが、こちらもGKケイロル・ナバスが見事なセーブを披露。惜しむらくは41分、トマスのパスから、ビトロが1人で抜け出し、シメオネ監督も思わずテクニカルエリアを一緒に走り出す程、最高のカウンターが発動しながら、自陣からスタートしたのを気づいてもらえず。オフサイドの笛を吹かれてしまったため、敵エリアまで行きつけなかったことでしょうか。 ▽そんな調子で0-0のまま始まった後半は、うーん、ジダン監督と約束した60分が迫ってきたからですかね。8分にはベイルが左サイドから上げたクロスをリュカがクリアできず、そのボールをロナウドがしっかりvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めてしまったから、場内のマドリーファンは大喜びすることに。するとその途端、アトレティコが豹変したんです。ええ、「Tras su gol tuvimos que subir nivel y el ritmo/トラス・ス・ゴル・トゥビモス・ケ・スビール・ニベル・イ・エル・リトモ(彼らのゴールの後、ウチはレベルとリズムを上げた)」(グリーズマン)そうで、4分後には敵エリアに迫ると、ビトロのシュートは弾かれたものの、そのこぼれ球をグリーズマンがシュートして同点に。得意満面で娘のミアちゃん、2歳のバースデーを祝うダンスを踊っていたから、私もホッとしたの何のって。 ▽え、だったら最初から積極的にやっていれば、点だってもっと早く取れていたんじゃないかって?うーん、そうなんですが彼らにも事情というものがあって、火曜にCL戦を済ませたマドリーと違い、木曜にEL準々決勝1stレグがあったアトレティコは翌日など、自転車漕ぎぐらいで、前日土曜も練習はたった30分。いつもはファンのため、必ず車を止めてくれるコケですら、直帰してしまう程、体力に余裕がありませんでしたからねえ。その彼のエリア内から撃った渾身のシュートもナバスに阻止されて間もなく、一気呵成の攻撃も終了。シメオネ監督は満足していませんでしたが、ロナウドがベンゼマに交代したものの、モドリッチやイスコを投入してきたマドリーに2点目を許さず、ロスタイムのセルヒオ・ラモスのFKも「es un cancerbero que da puntos/エス・ウン・カンセルベーロ・ケ・ダ・プントス(勝ち点を稼いでくれるGK)」(サウール)であるオブラクがはじき出し、引き分けただけでも褒めてあげないといけないかと。 ▽その一方でアトレティコもコスタを早々に引っ込め、ガビを入れて守備態勢に移行していたため、こちらも木曜のスポルティング戦2ndレグを優先したと言えなくはないんですが、どちらにしろ、この結果でリーガ首位との差は11にまた拡大。ええ、およそ4試合分で、サルールも「今季は1度も負けていないバルサがこれだけの試合を落とすのは変だろう」と言っていたように、逆転優勝を考えるのは完全な夢物語になってしまいましたが、少なくともお隣さんとの4ポイント差を維持できたのは良かったかと。ただし、今度はマドリーに代わってバレンシアが3位に浮上、3ポイント差と近づいていますからね。あと7試合、2位をキープするのも結構、大変かもしれません。 ▽そして今週はマドリーが過密日程に苦労する番で、水曜のユベントス戦まではたったの中2日。幸い、ダービーで足首を捻ったルーカス・バスケスは軽傷のようですが、土曜の練習で筋肉痛を起こし、せっかくの先発出場の機会をフイにしたバジェホの容体が気遣われています。何せ、今回はラモスが出場停止、ナチョは全治1カ月のケガとあって、使えるCBが減っていますからね。実を言うと、あまりバランの連投もお勧めじゃないんですが、バジェホが出られない場合、カセミロが代役という緊急事態も想定されるかと。 ▽とはいえ、1stレグはアウェイで0-3と快勝、シメオネ監督も「cuando se le prende la luz de la Champions tienen una fuerza diferente/クアンドー・セ・レ・プレンデ・ラ・ルス・デ・ラ・チャンピオンズ・ティエネン・ウナ・フエルサ・ディフェレンテ(CLのライトがつくと違う力を発揮する)」と太鼓判を押していたマドリーですからね。相手はセリアA前節のベネベント戦でハットトリックを挙げ、2-4の勝利に貢献したディバラも出場停止となれば、ジダン監督は「Vamos a sufrir mucho, nos jugamos la temporada/バモス・ア・スフリール・ムーチョ、ノス・フガモス・ラ・テンポラーダ(苦労するだろう。ウチはシーズンを懸けているのだから)」とあくまで慎重だったものの、水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのサンティアゴ・ベルナベウではあまり心配しなくてもいいかも。 ▽アトレティコの方は木曜午後9時5分(日本時間翌午前4時5分)から、リスボンでスポルティング戦2ndレグとなるんですが、メンバー的にはもういつも同じとしか言えなくて、唯一、回復を待たれているのはヒメネス。ベルサイコはすでにマドリー戦でベンチに戻っています。一応、1stレグでは2-0で勝っていますし、向こうはその試合の後、会長がやる気のないことを理由に19人の選手を業務停止処分にしたり、それが日曜のパソス・デ・フェレイラ戦では解除されて、2-0で勝ったものの、何だかゴタゴタしているみたいですしね。その試合でゴールを決めたエースのドン・バストも出場停止ですし、真面目に守って0-0でもいいアトレティコには有利なはずではあるんですが…。 ▽それをいい機会と思ったか、月曜になって、いきなり出たんです。LG(韓国の携帯メーカー)のコマーシャルイベントに出席したフェルナンド・トーレスから、「今季限りで退団」のコメントが。そう、極限人数になっているアトレティコですが、FWだけは多いため、ダービーでもプレーする機会がなく、最近は出番がめっきり減っていたというせいもありますが、シーズンが終わるのを待たずに当人が意志を表明したのは、「Me sentía en la obligación de decírselo a la afición/メ・センティア・エン・ラ・オブリガシオン・デ・デシールセロ・ア・ラ・アフィシオン(ファンに言う義務を感じたから)」だからだとか。まだ来季の行き先は決まっていないそうですが、2007年にリバプールに移籍する前も2016年にミランからレンタルで戻って来てからも、アトレティコでは1つもタイトルを獲得できていない彼ですからね。 ▽寝耳に水だったクラブもこの報を聞いて即、5月20日の週末にあるリーガ最終節のエイバル戦をトーレスのお別れ記念試合にすることを発表したんですが、折しもその直前の16日にあるのはリヨンでのEL決勝。2年前のCL決勝では涙を呑んだものの、せめてここで優勝杯を掲げ、それを置き土産に愛するチームを去ることができれば、最高だと思いますが、さて。ええ、トーレスはCLもELもチェルシー時代にゲット、スペイン代表でも2008年から2012年までのユーロ、W杯、ユーロ3連覇メンバーでしたからね。最後のお勤めとして、きっとこの先、佳境に入ったELではその経験を生かしてくれると私も信じています。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.04.10 19:15 Tue
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