【ELプレビュー】疲労と負傷者に悩まされる優勝候補筆頭が難敵セルタと初対決《セルタvsマンチェスター・ユナイテッド》

2017.05.04 09:00 Thu
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▽ヨーロッパリーグ(EL)・準決勝1stレグ、セルタvsマンチェスター・ユナイテッドが日本時間4日28:05からエスタディオ・ムニシパル・デ・バライードスで開催される。クラブ史上初の欧州カップ戦ベスト4進出を果たしたセルタと、優勝候補筆頭のユナイテッドによる注目の初対決だ。
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▽スペイン勢大会4連覇の期待を背にして快進撃を続けるセルタは、4試合中3試合が延長戦までもつれ込む激戦となった準々決勝で、ゲンクを相手に2戦合計4-3で勝利し、クラブ史上初の準決勝進出を決めた。打ち合いとなったホームでの1stレグをFWシスト、FWアスパス、FWグイデッティの主力アタッカー揃い踏みの活躍で逆転勝利を飾ると、敵地での2ndレグはシストのゴールで先制。その後、追いつかれるもきっちり逃げ切った。国内リーグでは3連敗中も既に残留を確定させているうえ、EL出場権獲得が絶望的となっているため、全精力を注ぐELに向けてコンディションを整えている印象だ。そのため、今回の2戦ではレアル・マドリーやバルセロナを苦しめたベリッソ監督仕込みのハイインテンシティのアグレッシブなフットボールが展開されるはずだ。
▽一方、国内リーグを優先しながらも圧倒的なタレント力を武器にグループステージ、決勝トーナメントを勝ち上がってきたユナイテッドは、準々決勝で格下と目されたアンデルレヒトに大苦戦を強いられるも、延長戦までもつれこんだ戦いを2戦合計3-2で制し、辛くも準決勝進出を決めた。1stレグ、2ndレグ共にほとんどの時間を支配しながらも“試合を殺す”という課題を克服できず、2戦共に1-1のスコアで90分間の戦いを終えた。それでも、FWラッシュフォードの値千金の決勝点で勝ち切ったところは、指揮官モウリーニョのチームの真骨頂と言えるだろう。だが、国内リーグではクラブ記録の25戦無敗を継続も、その中身は13勝12分けと勝ち切れない試合が目立つ。そして、熾烈なトップ4争いの中で4位マンチェスター・シティと勝ち点1差の5位に甘んじるチームは、来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に黄色信号が灯る。そのため、CLストレートインが約束されるEL制覇へのプレッシャーが日増しに高まっている。過密日程と大量の負傷者に悩まされるユナイテッドは、このミッションを達成できるか。

▽UEFA主催大会における両チームの対戦は今回が初めてだ。なお、セルタはイングランド勢との対戦では5勝4敗の戦績。一方のユナイテッドは、スペイン勢と12勝16敗19分けの戦績となっている。とりわけ、スペインでのアウェイゲームでは22試合でわずかに2勝と苦手としている。

◆セルタ◆
【4-2-3-1】

▽セルタ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:セルヒオ・アルバレス
DF:マージョ、フォンタス、カブラル、ジョナタン・カストロ
MF:パブロ・エルナンデス、ラドヤ
MF:アスパス、ヴァス、シスト
FW:グイデッティ
負傷者:GKルベン・ブランコ、DFプラナス、FWロッシ
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。主力メンバーに負傷者はいないが、古巣対戦のロッシはヒザ前十字断裂の重傷を負っており、欠場が確定している。直近のビルバオ戦ではほとんどの主力を温存しており、アスパスやグイデッティ、パブロ・エルナンデスなどベストメンバーが揃う見込みだ。

◆マンチェスター・ユナイテッド◆
【4-3-3】

▽マンチェスター・ユナイテッド予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:デ・ヘア
DF:バレンシア、ダルミアン、ブリント、ヤング
MF:フェライーニ、エレーラ、ポグバ
FW:ムヒタリャン、ラッシュフォード、マルシャル
負傷者:DFスモーリング、フィル・ジョーンズ、バイリー、ショー、ロホ、フォス=メンサー、MFポグバ、FWイブラヒモビッチ
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。シーズン終盤戦に入って負傷者が続出し、野戦病院化している中、スモーリング、ジョーンズ、バイリー、ポグバが前日練習で復帰を果たした。ただ病み上がりのセンターバック陣のスクランブル起用はリスクが大きく、ブリントと共に本職サイドバックのダルミアンかキャリック、トゥアンゼベのいずれかが急造センターバックコンビを組む見込みだ。その一方で、直近のスウォンジー戦を回避したポグバに関しては、フェライーニ、エレーラと共に中盤で3センターを組むことになる。

★注目選手
◆セルタ:FWイアゴ・アスパス
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▽セルタの注目プレーヤーは、絶好調のエースFWアスパスだ。2015年に古巣に復帰を果たして以降、好調時のパフォーマンスを完全に取り戻した29歳FWは、今季の公式戦24ゴール8アシストと圧巻の数字を残している。加えて、ELの舞台ではチームの苦境を幾度も救うゴールを記録するなど、勝負強さも光る。対戦相手のユナイテッドとは、リバプール時代に2度対戦経験があるものの、目立った活躍は見せられず。今回の一戦ではユナイテッド相手にチームを勝利に導くプレーを披露し、酷評されたイングランドのサッカーファンの鼻を明かしたいところだ。

◆マンチェスター・ユナイテッド:FWマーカス・ラッシュフォード
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▽一方、ユナイテッドの注目プレーヤーは大エース、イブラヒモビッチの代役を担うラッシュフォードだ。今季はイブラヒモビッチとの併用で左右のウイングでの起用が多く、そのエースに遠慮する場面も見受けられ、昨季のようなインパクトを残せず。だが、先日のチェルシー戦で見事な活躍を披露し、自信を取り戻した俊英は、アンデルレヒト戦で値千金の決勝点を記録するなど、ポルトガル人指揮官の信頼を確固たるものとしている。奇しくもイブラヒモビッチ不在で自身の特長が発揮しやすい縦に速い攻撃を志向し始めた中、勝負度胸満点の仕掛けに加え、課題とされるフィニッシュの精度を改善し、チームを勝利に導きたい。

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