【編集部コラム】G大阪の絶対的司令塔・遠藤保仁に迫り来る世代交代
2017.05.01 20:00 Mon
▽ガンバ大阪に所属する元日本代表MF遠藤保仁に世代交代の波が押し寄せている。G大阪は4月30日、日産スタジアムで行われた明治安田生命J1リーグ第9節で横浜F・マリノス戦と対戦。この試合、長谷川健太監督は主将の遠藤を前節の大宮アルディージャ戦に続きスターティングメンバーから外すことを決断した。
▽遠藤といえば、精度の高いパスと高度な戦術眼でゲームを司る日本を代表するレジスタ。今年、その遠藤が出場した公式戦は13試合だが、現時点で「司令塔・遠藤、ここにあり」と言える試合が限りなく少ない。加えて、ボールロストやPK失敗など不安定なプレーが目立ち、例年以上に精彩を欠いている印象だ。もちろん、37歳という年齢を考慮すれば、衰えがあるのは仕方がない。その点を踏まえた長谷川監督は、遠藤の負担を軽減すべく、新たな居場所としてトップ下やアンカー起用を提案してきたが、フィットできずにいるのが現状。頭打ちの状況に陥っていると言えるだろう。
▽そして、チームは遠藤に追い打ちをかける。4月30日、G大阪が2010年以来勝利から遠ざかっていた日産スタジアムで、横浜FM相手に1-0の完封勝利を収めた。加えて、世代交代を象徴するかのように、決勝ゴールを決めたのは直近の公式戦2戦連発中だった18歳のユース出身MF堂安律。6-0で大勝した前節の大宮戦に続きクローザー役を託されるかと思われた遠藤だったが、1点リードの緊迫した展開の中で長谷川監督が最後の交代枠としてピッチに送り出したのは、守備固め要員として控えていたDF丹羽大輝だった。
《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》
Getty Images
▽リーグ戦において、遠藤がキックオフから試合終了まで監督からお呼びがかからなかったのは、ケガを含めたコンディション不良を除けば、1998年の横浜フリューゲルス時代以来。また、2試合連続で先発メンバーから外されたのは、1999年以来のことだ。その遠藤は、1998年に鹿児島実業高校から入団した横浜フリューゲルスでプロキャリアをスタート。37歳の誕生日を迎えた今年は、遠藤にとってプロ20年目、G大阪の選手としても在籍17年目のシーズンにあたる。しかし、周囲からの遠藤に対する見方が変わりつつある。Getty Images
▽そうした状況の中、チーム内では日本代表メンバーにも選出されているMF井手口陽介やMF倉田秋が、今や欠かせない選手にまで成長。さらに、MF今野泰幸においても、34歳ながら得点力という部分で新たに才能を開花させ、3月には日本代表復帰を果たすなど、負傷離脱するまでチーム随一の輝きを放っていた。それらの現状を考えると、チーム内で置かれた遠藤の立場は厳しく、個よりも常勝を最優先に求められている長谷川監督が2試合連続ベンチスタートという決断に至ったことも理解できるところだ。▽そして、チームは遠藤に追い打ちをかける。4月30日、G大阪が2010年以来勝利から遠ざかっていた日産スタジアムで、横浜FM相手に1-0の完封勝利を収めた。加えて、世代交代を象徴するかのように、決勝ゴールを決めたのは直近の公式戦2戦連発中だった18歳のユース出身MF堂安律。6-0で大勝した前節の大宮戦に続きクローザー役を託されるかと思われた遠藤だったが、1点リードの緊迫した展開の中で長谷川監督が最後の交代枠としてピッチに送り出したのは、守備固め要員として控えていたDF丹羽大輝だった。
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▽戦術的な理由や試合の流れで仕方がない面も否めないが、常に自身の存在価値をピッチ上で示してきた遠藤が、この状況に居心地の良さを感じるわけがない。他チームでは、MF中村俊輔(ジュビロ磐田/38歳)や、DF中澤佑二(横浜FM/39歳)、MF小笠原満男(鹿島アントラーズ/38歳)ら遠藤より年上の選手も若手の突き上げに遭いながら、日々の激しい定位置争いに身を置いている。「脱・遠藤」を推し進めるチームの中で、どのようなリアクションを見せるのか。かつて本人が語ったように、世代交代の波に逆らう姿に期待したい。《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》
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