【プレビュー】逆転優勝&20年連続トップ4阻止を懸けたノースロンドン・ダービー《トッテナムvsアーセナル》

2017.04.30 07:01 Sun
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▽プレミアリーグ第35節、トッテナムvsアーセナルの“ノースロンドン・ダービー”が日本時間30日24:30にホワイト・ハート・レーンでキックオフされる。逆転優勝を目指す2位トッテナム(勝ち点74)と、20年連続のトップ4フィニッシュを目指す6位アーセナル(勝ち点60)が、互いの悲願阻止を狙う今季2度目のダービーだ。

▽ミッドウィークに行われたクリスタル・パレス戦を苦しみながらもMFエリクセンのゴラッソで勝ち切ったトッテナムは、破竹の8連勝で首位チェルシー(勝ち点78)との4ポイント差をキープ。さらに、5試合を残してプレミアリーグにおけるクラブ新記録の74ポイントに到達した。そして、勢いづくヤング・スパーズは、宿敵アーセナル撃破で逆転優勝への望みを繋ぐと共に、1984-85シーズンに記録したクラブ記録の77ポイント(42試合制)到達を目指す。
▽一方、ミッドウィークに行われたレスター・シティ戦を幸運なオウンゴールで勝ち切って、3バックへのシステム変更以降の公式戦3連勝を飾ったアーセナル。しかし、消化試合が最も少ないとはいえ、3位リバプール(勝ち点66)、4位マンチェスター・シティ(勝ち点65)、5位マンチェスター・ユナイテッド(勝ち点64)とのトップ4争いで後れを取り、20年連続のトップ4フィニッシュに黄色信号が灯る。また、仮に今回のダービーで敗れると、トップ4フィニッシュと共に、ガナーズファンの心の拠りどころとなっていた“セント・トッテリンガムズ・デイ(アーセナルがトッテナムよりも上の順位で終えることが確定した日)”が、22年ぶりに消滅するという屈辱を味わうことになる。そのため、形振り構わずに勝利が求められるところだ。

▽なお、トッテナムは28日、2017-18シーズンのウェンブリー・スタジアムへの一時移転と共に、118年を過ごしたホワイト・ハート・レーンの今季限りでのスタジアム解体を発表。そのため、今回のダービーが同スタジアムでのラストダービーとなる。したがって、トッテナムとしては、1シーズンでのクラブ新記録となる12連勝中の愛するレーンで宿敵を破り、有終の美を飾りたい。直近のリーグ戦では3連続ドロー中のダービーだが、今回の一戦では白黒ハッキリした結果を期待したいところだ。

◆トッテナム◆
【3-4-3】

▽トッテナム予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ロリス
DF:エリック・ダイアー、アルデルヴァイレルト、ヴェルトンゲン
MF:ウォーカー、ワニャマ、デンベレ、ベン・デイビス
FW:エリクセン、ケイン、デレ・アリ
負傷者:GKフォルム、DFローズ、カーター=ヴィッカーズ、MFラメラ、デンベレ、ウィンクス
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しては、今季絶望のラメラ、ウィンクス、カーター=ヴィッカーズの3選手に加え、リハビリが続きフォルムとローズの欠場が決定的だ。また、足首のケガでパレス戦で途中交代したデンベレにも欠場の可能性がある。

▽システムに関しては、[3-4-3]と[4-2-3-1]を併用しているが、相手の3バックに合せて[3-4-3]の採用が有力だ。ただ、デンベレが欠場する場合、セントラルMFの選手層に不安があるチームは、ワニャマの相棒にダイアーを置くか、デレ・アリを置くかの2択を迫られる。ダイアーを中盤で起用する場合は[4-2-3-1]を採用し、ムサ・シッソコとソン・フンミンが左右のウイングに入り、デレ・アリを採用する場合は、ソン・フンミンをエリクセンと共に2シャドーに配す[3-4-3]の採用が濃厚だ。

◆アーセナル◆
【3-4-3】

▽アーセナル予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:チェフ
DF:ガブリエウ、コシエルニー、ホールディング
MF:チェンバレン、ラムジー、ジャカ、モンレアル
FW:サンチェス、ジルー、エジル
負傷者:GKオスピナ、DFコシエルニー、ムスタフィ、MFカソルラ、MFレイン=アデライド、FWルーカス・ペレス
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関しては、カソルラ、ルーカス・ペレス、レイン=アデライドの長期離脱組に加え、オスピナとムスタフィも欠場となる見込みだ。また、直近のレスター戦でヒザを痛めたコシエルニーの出場は“60パーセント”と言われており、間に合わない場合はモンレアルが3バックに入り、ギブスが左ウイングバックに入るか、ホールディングとガブリエウを2センターバックに配した[4-2-3-1]でベジェリンを右サイドバックに置く可能性も考えられる。

▽システムに関しては、直近の3試合で結果が出ている[3-4-3]の採用が濃厚だが、レスター戦では[4-2-3-1]への変更後にゴールが生まれており、相手のシステムの熟成度の差を考慮し、通常の[4-2-3-1]に戻す可能性もある。

★注目選手
◆トッテナム:FWハリー・ケイン
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▽トッテナムの注目プレーヤーは、“ロンドン・ダービーキング”の異名を持つエースストライカーのケインだ。これまで出場したロンドン・ダービー25試合で18ゴールを量産してきたケインは、アーセナルのレジェンドであるFWティエリ・アンリ氏に次ぐダービーでの得点率を誇る。前回の対戦でもPKから1ゴールを記録したイングランド代表FWは、“ノースロンドン・ダービー”でも通算4試合で5ゴールと抜群の相性を誇る。

▽直近のパレス戦こそノーゴールに終わったものの、足首のケガから復帰後の先発試合でいずれもゴールを記録しており、好調を継続している。また、先日のボーンマス戦で3シーズン連続のリーグ戦20ゴールを達成した頼れる“ワン・シーズン・ワンダー”は、得点以外にも確度の高いポストプレーや献身的な守備で貢献しており、アーセナルにとって最も脅威となる存在だ。

◆アーセナル:MFアレックス・オクスレイド=チェンバレン
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▽一方、アーセナルの注目プレーヤーは、新システムで躍動する右ウイングバックのチェンバレンだ。[3-4-3]のシステム変更で課題の空中戦、中央の守備を改善したアーセナルだが、攻撃の場面ではビルドアップや連係面で思ったように行かず、やや攻撃が停滞している印象だ。その中で1人生き生きとしたプレーを見せているのが、23歳のイングランド代表MFだ。

▽卓越したスプリント能力に加え、ドリブルスキルを誇るチェンバレンだが、これまでのウイングやセントラルMFのポジションでは判断面やスペースのない密集でのプレーで良さを出し切れずにいた。しかし、比較的プレッシャーが少なく豊富なスペースを享受できるウイングバックでは、持ち味の推進力を遺憾なく発揮できている。また、後方に守備的なガブリエウが控えるため、一時期プレーしていた右サイドバックに比べて思い切った攻撃参加ができている。今回のダービーではサイドからの果敢な仕掛けで対面のベン・デイビスを押し込み、カバーに入るヴェルトンゲンを釣り出し、中央の味方のマークを分散する役割。精度の高いアーリークロスからジルーやウェルベックへのチャンスメークが期待される。
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