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【原ゆみこのマドリッド】一番簡単に点が取れる方法なのに…2017.04.18 12:07 Tue

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▽「PK戦は考えちゃいけないわよね」そんな風に私が納得していたのは月曜。夕方にキングパワー・スタジアムであったシメオネ監督の記者会見の一節を読んだ時のことでした。いやあ、質問は単純に「2ndレグがアウェイなのは不利なのか、得なのか」といったものだったようなんですけどね。それに対して彼は「en caso de empate cuenta con 30 minutos más para marcar un gol que vale doble/エン・カソ・デ・エンパテ・クエンタ・コン・トレインタ・ミヌートス・マス・パラ・マルカル・ウン・ゴル・ケ・バレ・ドブレ(引き分けになった場合、倍の価値のあるゴールをマークする延長の30分間がある)。こういう拮抗した対戦でそれは大きいとUEFAの人は言っている」と返答。

▽要は90分で1-0とレスターに1stレグと同じスコアで負けて延長戦に入り、更に2点目を取られても、アトレティコは1点を取れば勝ち抜けられるということでしょうが、もしもその30分が0-0だったら、勝負は恐怖のPK戦に突入。何せここ近年、16強対決ではレバークーゼンやPSVにそれで勝ってきた彼らでしたが、一番大事だった昨季のミラノでのCL決勝では最後にファンフランが失敗して、リスボンに続いて、トロフィーをお隣さんに持ち帰られていますからね。その上、今季のPKにおける惨状を目の当たりにしていては、私が延長戦なんてダメ、PK戦なんてもってのほかという気分になってしまうのも仕方なかった?

▽まあ、その辺はまた後でお話しするとして、マドリッドの両雄が、どちらも火曜にCL準々決勝2ndレグを控えている中、土曜のリーガ戦はどうだったかというと。先にキックオフとなったレアル・マドリーでまず、驚かされたのはあまりにも徹底した先発ローテーションぶりで、いえ、CL準々決勝の谷間の試合ということで、ベイルのみ負傷ですが、クリスチアーノ・ロナウドもベンゼマもマドリッドでお留守番と、BBCメンバーが1人も招集リストにいなかった時点から、思い切ったことするなあという感じはあったんですけどね。

▽エル・モリロン(スポルティングのホーム)のピッチに立つスタメンが近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)のTV画面に紹介された時には、後ろにいたお客さんからも「Vaya, sale Coentrao!/バジャ、サレ・コエントラン(おいおい、コエントランが出るのか)」と呆気に取られたような声が聞こえていましたが、まさか、キャプテンのセルヒオ・ラモス以外、中盤の3人も含めて全員suplente(スプレンテ/控え選手)でスタートするなんて、もしやこれって2部Bのチームと当たるコパ・デル・レイ最初のラウンドの1stレグだった?

▽おそらくそれには相手のスポルティングも、たとえ自分たちが降格圏に長らく沈んでいる身分であっても、ちょっとモヤッとしたんでしょうね。地元のサポーターの大声援の後押しも受けて13分、ビガスの浮き球パスにチョップが早々と反応。vaselina(バセリーナ/ループシュート)で見事に先制点を決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。でもねえ、マドリーは普通のチームと違って、セカンドバージョンでも才能溢れる選手ばかりなんですよ。そのわずか3分後、イスコが敵DFの密集したエリア内を自力ですり抜け、同点ゴールを撃ち込んでくれたため、前半は1-1と、キックオフ時と同じ状態でハーフタイムを迎えることに。

▽ところが後半開始直後、マドリーは今季、ありがちな過ちを犯してしまいます。それは後でジダン監督も「Es un despiste, porque nos hemos quedado hablando/エス・ウン・デスピステ、ポルケ・ノス・エモス・ケダードー・アブランドー(うっかりミス。ウチは話し続けていたから)」と認めていたように、スポルティングのFKのチャンスの時に発生。ヴァバンが頭で繋いだボールをビガスに山なりのヘッドでネットに送られ、GKカシージャをまたしても破られてしまったから、たまったもんじゃありません。それでも58分にはダニーロのクロスをモラタがこちらもヘッドで決め、またしても追いついたマドリーでしたが、そこからなかなか勝ち越し点が奪えず。

▽何せ、いつもなら窮地に応援に赴くメンツが最初からピッチにいたため、その日の控えFWはカンテラーノ(RMカスティージャ出身の選手)のマリアーノしかいませんでしたからね。私も先行きが気になったんですが、その頃にはもうビセンテ・カルデロンに向かわないといけない時間になっていたため、バルを出て、メトロ(地下鉄)へ。途中、スコアは動かないまま、残すところ数分、ピラミデスの駅を出て、ラジオを急いでつけてみると、折しもCKからラモスのヘッドは枠を捉えられずとの報が。これはいよいよ引き分けかなと覚悟したところ…。

▽ラモスだけじゃないんですよ、土壇場のゴールを決められるのは! それは再びイスコで、今度はペナルティエリア手前からシュート。地面を真っ直ぐ転がったボールがゴール右隅決まり、マドリーの3点目になったというんですから、本当に最後の最後まで油断のならないチームじゃないですか。うーん、こんな選手が控え扱いで、BBCに何か理由がある時にしか先発できないというのは、まさに贅沢の極み。羨んでしまう向きも多いかと思いますが、ちなみに彼が決勝ゴールを挙げた後、見せていた親指と人差し指、小指を立てて、両手をヒラヒラさせたポーズは前日の夜、アウェイ時のファンサービスとして、チームが滞在するNHヒホン・ホテルでのサイン会で、両親に連れられたろう者の少女に応対した際、教わった手話。「Te quiero/テ・キエロ(君が好き)」の意味だとか。

▽試合でゴールを挙げたら、その仕草をする約束をしたそうですが、自身1点目の時にはしないで、2点目でやったっていうのはもしや、最初から2ゴール入れる自信があったから? まあ、その辺の事情はわかりませんが、当人はこのところ、契約延長交渉がなかなか進まないため、引きも切らない移籍の噂に対して、「Hay muchos bocazas por ahí, yo hablo en el campo/アイ・ムーチョス・ボカサス・ポル・アイー、ジョ・アブロ・エン・エル・カンポ(その辺にはイロイロ言う人が沢山、いるけど、ボクはピッチで喋るよ)」とのこと。マドリーに残りたい意志は強いようですが、それだと彼のプレーを見る機会が限られてしまうのは残念ですよね。

▽そんなマドリーの劇的勝利があったため、カルデロンに入るまで、私もつい忘れていたんですが、実はアトレティコも珍しく、シメオネ監督が大幅なローテーションを決行。いやあ、コケが出場停止、ガビが休養でベンチ入りしていなかったのは知っていたんですけどね。最初にオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況担当から、「グリーズマン、サウール、サビッチもベンチスタート。ボランチはヒメネスとトーマスです」と聞いた時には、あまりの大胆さに頭がクラクラしてしまったぐらいだったんですが、幸いそれは杞憂に終わります。ええ、何より30分、カラスコがエリア外から放ったシュートが先制点となったのが、元々、どこか諦め気味だった相手の最下位オサスナの抵抗力を完全に砕いてくれたから。

▽おかげで守備の方ではほとんど苦労もせず、49分にはガイタンのクロスをカラスコが今度はヘッドで決めてくれて、リードは2点に。更に61分にもコレアからラストパスをもらったフィリペ・ルイスがリーガここ4試合で3点目となるゴールを入れ、とうとう3-0になってくれたとなれば、その日はクラブが“El Dia del Nino/エル・ディア・デル・ニーニョ(子供の日)”と銘打って、スタジアム近隣に設置した数々のアクティビティを午前中から満喫。ちょっとお疲れモードで試合にやって来た親子連れだって、元気を取り戻しますって。

▽え、用心深いシメオネ監督は2点では心細く、3点目が入る寸前にはあろうことか、エースを投入するつもりだったんだろうって? その通りで、丁度、支度を整えて待っていたグリーズマンとフィリペ・ルイスが2人でNBAプレーオフ開催にちなみ、ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンのパフォーマンスを真似するなんてシーンもゴールの後には見られましたが、さすがにこのリードなら、もう大丈夫だと踏んだんでしょうね。そのままグリーズマンはベンチに戻り、70分にはフェルナンド・トーレスを昨年11月以来となる、負傷明けのチアゴに交代。ただ、場内が温かい拍手に沸いた後にガイタンを、マドリーダービーでは寸前のところで今季のリーガデビューをし損ねたチェルチに代えていたのにはちょっとビックリさせられたかと。

▽うーん、あとでシメオネ監督は「Está trabajando muy bien/エスタ・トラバハンドー・ムイ・ビエン(彼はとてもよく練習している)」と本来なら、冬の移籍市場でチームを出るはずだったため、ずっと員数外扱いされていたチェルチの起用を説明していましたけどね。やはり、お隣のコエントラン同様、アトレティコファンも彼のことは笑いのネタと捉えているようで、妙な大喝采を浴びていたのはちょっと気の毒だったかも。そんな余裕の温情交代策もあったため、そのまま試合は無事に終わるかと思いきや、そうはいかないのがアトレティコ。88分にはコレアがGKシリグに倒されて、90分にはトーマスのパスがエリア内でミゲール・デ・ラス・クエバスの手に当たって、別に必要もないのに2回もPKを与えられたんですが…。

▽スコアは5-0にはならなかったんです! というのも、最初のPKはハットトリックを狙ったカラスコが蹴って止められ、2本目は「quería hacer un gol en ese momento, no estaba escuchando nada/ケリア・アセール・ウン・ゴル・エン・エセ・モメントー、ノー・エスタバ・エスクチャンドー・ナーダ(あの時は自分がゴールを入れたかった。何も聞いちゃいなかった)」と、スタンドが「Circi tiralo!/チェルチ・ティラロ(チェルシ、PKを蹴って)」と合唱する中、ヒメネスもそう助言したにも関わらず、トーマスがキッカーを譲らず。やはりシリグに弾かれているんですから、もうどうしたらいいのか。

▽いえ、先日のCLレスター戦1stレグでPKをようやく決めてくれたグリーズマンはその日、ハーフタイムのアップ中、スポンサーが主催するファンのPK合戦に飛び入り参加。そこでもしっかり決めて、スタジアムDJに「Gol de Antoine Griezmann!/ゴール・デ・アントワーヌ・グリーズマン」と叫ばれていたぐらい、見かけによらず、練習熱心なんですけどね。

▽試合が3-0で終わって、カラスコの話を聞けば「Puede ser que no entrenemos demasiado los penaltis/プエデ・セル・ケ・ノー・エントレネモス・デマシアドー・ロス・ペナルティス(ボクらは十分にPKを練習していないのかもしれない)。ツキもある」ですし、トーマスに至っては「GKが上手く止めた。Son cosas que pasan en el fútbol/ソン・コーサス・ケ・パサン・エン・エル・フトボル(サッカーでは起きることさ)」ですもの。シメオネ監督は「説明はできない。個人がやることだしね。Pero no es mala suerte/ペロ・ノー・エス・マラ・スエルテ(だが、運が悪いせいではない)」と、これでリーガ戦6連続のPK失敗、今季は13本中8本も失敗していることに対して話していましたが、もうこうなるとホントに超迷惑ですよ。彼らがPKをもらうのって。

▽こんな調子ですから、この火曜のCL準々決勝2ndレグも心配でしようがないんですが、日曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)のセッションでもPKを練習していたのはグリーズマンとチェルチだけだったとか。おまけにレスターではフートは出場停止になるものの、しばらく負傷していたキャプテンのCBモーガンが復帰できるようで、1stレグより、アトレティコはチャンスを作りにくい可能性も。好材料としては3月のフランス代表戦以来、太もものケガで出場していなかったガメイロと控えGKモヤが招集リストに戻ったことですが、16強対決の2ndレグでうっかり敵のカウンター戦略にはまり、逆転敗退を喫したセビージャの二の舞だけはしないでくださいね。

▽そして同じ火曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からは、マドリーもサンティアゴ・ベルナベウで2ndレグに挑むんですが、最近は日が長いこともあって、私もお散歩気分でバイエルンのスタジアム練習を見学してきたところ、どうやら肩を痛めていたレバンドフスキは完全復活した模様。懸念のあったボアテングやフンメルスも普通に全体練習に参加していたため、ドイツ語は一切、使わず、質問も答えもほとんどスペイン語だったせいもありますが、ジャージの色さえ違えば、今もマドリーの監督と言われても全然、違和感のなかったアンチェロッテ監督も結構、remontada(レモンターダ/逆転劇)に自信を持っていた印象がありましたっけ。

▽いえ、もちろん先週、1-2で負けた彼らは0-2以上のスコアを挙げないと、準決勝に進むことはできないんですけどね。アンチェロッテ監督も「el Madrid marca todos los partidos pero también encaja en casi todos los partidos/エル・マドリッド・マルカ・トードス・ロス・パルティードス・ペロ・タンビエン・エンカハ・エン・カシー・トードス・ロス・パルティードス(マドリーは全ての試合で得点するが、同時にほとんど全ての試合で失点する)」と、ここ公式戦54試合連続得点しているジダン監督のチームに皮肉を言うことも忘れていませんでしたしね。

▽ドイツ語でも英語でも流暢に応対するシャビ・アロンソと一緒に記者会見に出ていたキャプテンのラームも、未だに2012年の準決勝でPK戦にもつれ込み、最後はセルヒオ・ラモスが天高く撃ち上げてくれたおかげで、勝ち抜けた対戦をベルナベウでのいい思い出として話していましたが、いやあ、やっぱりマドリーの試合でもPK戦なんて、ドキドキするからイヤですって。ちなみに午前中にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で会見したジダン監督は欠場するベイルの代役を訊かれても、「Lo tengo decidido pero no lo voy a decir/ロ・テンゴ・デシディードー・ペロ・ノー・ロ・ボイ・ア・デシール(決めてあるけど、言わないよ)」と、イスコが先発するかどうかは明言せず。まあ、アセンシオやハメス・ロドリゲスというカードもありますし、何はともあれ、まずは週末にゆっくり休養が取れたクリスチアーノ・ロナウドやベンゼマが頑張ってくれることが先決ですかね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】正念場はここから始まる…

▽「1番乗りはテオじゃないのか」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、AS(スポーツ紙)でU21ユーロが終わった後、7月早々にレアル・マドリーがバジェホのプレゼンをするという記事を見つけた時のことでした。いやあ、今週の月曜には対抗馬がおらず、選挙もなかったため、あまり話題にもならなかったんですが、5期目の就任が決まったペレス会長がサンティアゴ・ベルナベウのパルコ(貴賓席)前ホールで挨拶。これ幸いと、このところ、あまりの猛暑に耐えきれず、午後は常にどこかクーラーのある場所を探していた私も見に行ってきたんですけどね ▽ちょうどその折、もうスタンドにお馴染みの仮設ステージがあるのに気づき、この夏、最初にそこに立つ新入団選手は誰かと訝っていたところ、顔馴染みのラジオ記者にすでにアトレティコからお隣さんへの移籍が決まっているテオじゃないかと言われ、ああそうかと頷いたもの。ただ、その当人は今季のレンタル先だったアラベスのシーズンが終わった後、フランスU20代表に行かず、マラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)でバケーションを過ごしているのを目撃されて以来、音沙汰がないですよ。いえ、年子のお兄さんでアトレティコとの契約延長が決まったルカスの方は先週、今年初めに起きたDV事件のせいで500メートル以内の接近禁止令が出ていた彼女とバハマから一緒に帰国。おかげでバラハス空港の入管で逮捕され、拘置所に一泊したとか、実はその彼女とラスベガスで挙式してきたなんて話もあったんですけどね。 ▽それだけに兄と一緒にいないのはわかっていましたが、やっぱりクラブとしても外様のテオより、自分のところのカンテラ(下部組織)で育ち、今季はレンタル先のアイントラハト・フランクフルトで成長。先日のU21ユーロのグループリーグ2節でMVPに選ばれたばかりのバジェホを先にお披露目したいと思うのは当然だったかと。ちなみに彼は今季限りで退団したペペの代わりに入るCBなんですが、他にもボヌッチ(ユーベ)のようなベテランも念のため、マドリーは獲るかもしれないなんて噂もなきにしろあらず。ファン的には早く、ムバッペ(モナコ)やディバラ(ユーベ)、ドンナルンマ(ミラン)といった大型選手のプレゼンを見たいものですが、とりわけアタッカーに関してはハメス・ロドリゲスやモラタの行き先がまだ決まっていませんからね。ジダン監督もようやくバカンス先のイビサ(地中海にあるリゾートアイランド)から戻って来たばかりですし、しばらく気長に待つしかないようです。 ▽え、そのバジェホが賞をもらった試合ではサウルも活躍しなかったかって?その通りで、火曜のポルトガル戦では前半21分、またしてもアトレティコから1人参加の彼が先制点を挙げたから、驚いたの何のって。いやあ、初戦のマケドニア戦ではchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で彼が決めた後、アセンシオ(マドリー)のハットトリックが生まれたため、影が薄くなってしまったんですけどね。今季のCL準々決勝バイエルン戦で見せたような、敵DF陣を何人もかわしてのゴールの後、この日は後半19分、センターからロングパスを出し、それを追ったデウロフェウ(今季はミランでプレー)のアシストでサンドロ(マラガ)が2点目を挙げるのにも貢献とは、頑張っているじゃないですか。 ▽うーん、こんな働きぶりを見ると、当人も「A mi tambien me gusta mas tener mas libertad y poder llegar sin la preocupacion de quedarme atras/ア・ミー・タンビエン・メ・グスタ・マス・テネール・マス・リベルタッド・イ・ポデール・ジェガール・シン・ラ・プレオクパシオン・デ・ケダールメ・アトラス(ボクもより自由に動けて、後ろに残ることを気にしないで敵エリア内に行く方が好き)」と言っていたように、シメオネ監督ももっと前でプレーさせてあげられれば良かったんですけどね。今季のアトレティコはチアゴやアウグストらが長期のケガでボランチに慢性的な人手不足が発生。 ▽それだけにバジェホ同様、来季はマドリーのトップチーム入りが噂されているマルコス・ジョレンテ(今季はアラベスにレンタル移籍)がDFライン前でしっかり踏ん張ってくれる、このU21スペイン代表では思う存分、サウルにも自身のゴール嗅覚を披露してもらいたいものかと。ただ、セラデス監督は「nos da un gran rendimiento y puede jugar en cualquier parte del campo/ノス・ダ・ウン・グラン・レンディミエントー・イ・プエデ・フガール・エン・クアルキエル・パルテ・デル・カンポ(ウチに大きなパフォーマンスを提供してくれるし、ピッチのどこでもプレーできる)」と買ってくれてはいるものの、「今は攻撃に行っても後ろに人がいるから、ボクがパスを失敗してもカウンターを受ける心配がないのさ」と、当人が開き直るのはちょっとねえ。 ▽ええ、そんな、いかにもパスがあまり得意でないアトレティコの選手らしい発言をしていると、U21を卒業して迎える来年、W杯ロシア大会参加を予定するロペテギ監督のA代表に呼ばれず、本当に「El ano que viene tendre vacaciones/エル・アーニョ・ケ・ビエネ・テンドレ・バカシオネス(来年はバケーションがあるよ)」(サウル)という破目になりかねませんが、まあそれは先の話。今はこの試合の続きをお伝えすることにすると、32分にはブルーマの豪快なvolea(ボレア/ボレーシュート)でポルトガルに1点を返されたスペインだったんですが、ロスタイムには途中出場のウィリアムス(アスレティック)が1人抜け出し、ダメ押しゴールを決めて最後は1-3で勝利することに。この2連勝でグループリーグ突破が決まったため、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのセルビア戦では大幅なローテーションもありそうですが、それより何より、来週火曜の準決勝の相手がどこになるかが気になりますよね。 ▽そして翌水曜、夕方にはコンフェデレーションズカップ・グループリーグでポルトガルがロシアと対戦。先日発覚した1470万ユーロ(約18憶円)の脱税容疑で、7月31日に出廷を求められたクリスチアーノ・ロナウドが、いえ、再任プレゼンでは彼について、何も言わなかったペレス会長ですけどね。その夜、出演したラジオ番組で「今は大会に集中しているだろうから、話してないが、ロナウドとは会わないといけない」と、スペインには戻らないと代表のチームメートに漏らしたと伝えられていた件に関しても前向きな対処を約束したため、当人の機嫌も少し良くなったんでしょうか。8分にはラファエル・ゲレイロのクロスをヘッドで決めると、そのまま試合にも0-1で勝利。2試合連続でMVPを獲得して、順調に準決勝進出に近づいています。 ▽最後のグループリーグは土曜のニュージランド戦と、基本的に格下相手の試合ですしね。同じ勝ち点のメキシコはロシアと潰し合いをしますから、よっぽどのことがない限り、来週も試合があるはずですが、私にとって、計算外だったのはその日の夜、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)を何軒も巡ってもリーガ1部昇格プレーオフの試合を流しているお店が1つもなかったこと。うーん、先週はまだ準決勝だったから、想像できたんですけどね。せっかくマドリッド勢のヘタフェが1年ぶりにマドリーやアトレティコら、先輩チームと肩を並べる舞台に戻って来られるかどうかの大事なゲームだというのにこの始末、やっぱりマドリッド市民は郊外のチームにあまり関心がないのかも。 ▽よって、テネリフェとのプレーオフ決勝1stレグはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)で聴いているしかなかったんですが、そんな日に限って、実況アナが一番繰り返していたのが柴崎岳選手の名前。ええ、前半21分など、とうとう彼のCKからホルヘ・サエンスがヘッドを決め、先制点を取られたとなればもう、悔しさ倍増だったのも仕方なかったかと。うーん、柴崎選手はプレーオフ準決勝2ndレグでもゴールを挙げ、カディスと総合スコア1-1に持ち込んで、チームが決勝進出を果たす原動力になっていましたからね。ヘタフェの守備陣も重々の注意を払って然るべきでしたが、まさに後悔先に立たず。彼らはそのまま1-0で負けて、本土に戻って来ることに。 ▽え、準決勝2ndレグはヘタフェが土曜、テネリフェが日曜でしかも延長戦だったのに、フィジカルでも相手が劣っていなかったのは意外じゃなかったかって?そうなんですけどねえ、何度も繰り返して申し訳ありませんが、このところマドリッドは連日の酷暑続き。これじゃ練習するだけでも消耗して当然ですし、逆にテネリフェがホームとするカナリア諸島(大西洋上にあるリゾートアイランド)は気温が10度程低くて過ごしやすいんですよ。ヘタフェはウエスカとの2ndレグで退場処分を受けたパチェコが出場停止だったという事情もありましたしね。更にはこの試合でフステルとファン・カラが負傷交代しているとなれば、土曜の2ndレグでremontada(レモンターダ/逆転劇)を起こすのは難しい? ▽いえ、ボルダラス監督は「mis jugadores tienen experiencia y calidad/ミス・フガドーレス・ティエネン・エクスペリエンシア・イ・カリダッド(ウチの選手たちには経験と質がある)。そこにファンの応援があれば、どうして引っくり返せないことがあろう」と自信を失ってはいませんでしたけどね。カディス戦では同じ1-0負けから逆転突破をしたテネリフェのマルティ監督も「Alli tendremos que hacer un gol/アジー・テンドレモス・ケ・アセール・ウン・ゴル(向こうでもウチはゴールを挙げないといけないだろう)。ヘタフェに得点機を作らせないというのは難しいから」と慎重でしたが、確かにその通り。13年前、ヘタフェが奇しくもテネリフェで初の1部昇格を決めた時にはラジオを聴きながら、伝説の4ゴールを挙げたパチョンの名前を耳に刻んだものでしたが、この土曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの決戦、コリセウム・アルフォンソ・ペレスのスタンドで見守る予定の私の心に残るのは一体、どの選手になるんでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.23 10:13 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】一生懸命な選手たちもまだいる…

▽「もうバケーション中の人はいいわよね」そんな風に私が溜息をついていたのは日曜日、この週末はやたら結婚式のニュースが多いのに気がついた時のことでした。いやあ、始まりは金曜のことで最近、熱波に襲われているスペインでも特別、暑いことで有名。観光客泣かせのトレド(マドリッドから1時間の世界遺産都市)にある古城、パラシオ・デ・ガディアーナでグリースマンが披露宴というのはTVのスッパ抜きでわかったんですけどね。気温40度はあろうかという中、アトレティコの同僚、コケやゴディン、ファンフランらに加え、火曜にあったフランス代表今季最後の親善試合、イングランド戦まで一緒だったウムティティ(バルサ)やラガゼット(リヨン)まで、スーツ着用で駆けつけていたんですが、幸い、すでに一女をなす仲のエリカさんとの決めの写真はしっとり写っていて良かったかと(https://twitter.com/AntoGriezmann/status/875992015011549184)。 ▽そして翌土曜には、こちらはスポーツ紙などで予定もわかっていたんですが、お隣さんのモラタが彼女のイタリア人モデル、アリス・カンペッロさんとベネツィアで挙式(https://www.instagram.com/p/BVcrJKwnocf/?taken-by=alvaromorata)。当人はすでにマンチェスター・ユナイテッドのモウリーニョ監督からラブコールをもらっているということで、もうチームメートでいられる時間も少ないかもしれませんが、レアル・マドリーからはイスコ、ヤニス、ナチョ、RMカスティージャ時代の仲間だったナチョの弟のアレックス・フェルナンデス(エルチェ)、サラビア(セビージャ)、モスケラ(デポルティボ)らが出席しています。ただこの日、式を挙げたマドリーの選手はモラタだけでなく、コバチッチも母国のクロアチアで学生時代からの彼女、イサベラさんと結婚。こちらはマルセロがお祝いに行っていますが、地球の反対側ブラジルでもダニーロの披露宴があったり、続いて日曜はルーカス・バスケスって、もしや6月のマドリーではご祝儀貧乏に陥る人が多発しているのでは? ▽まあ、そんなことはともかく、私もスペイン代表のワールドカップ予選マケドニア戦が終わったら、勝手にもうバケーションだと思い込んでいた口だったんですが、実はまだあったんですよ。この殺人的な猛暑の中、マドリッドで真剣にサッカーをやっているチームが。それに気づいたのは金曜で、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設のグラウンドでは、スペインでは夏はシエスタ(昼寝、昼休み)後で、決して外へ出てはいけない時間帯、午後5時と7時からコパ・デル・レイナ(女子のカップ戦)準決勝が開催。リーガでも最後まで優勝を争ったバルサがバレンシアに勝った後、アトレティコ女子がリーガ6位のグランディージャ・テネリフェと戦ったんですが、こちらは昨季のコパ女王の余裕で2-0と快勝することに。 ▽いやあ、相手には今年の2月頃、男子のリーガ2部のテネリフェに移籍したばかりの柴崎岳選手が適応に苦しんでいた際、エールを送った件で話題になった堂園綾乃選手が在籍。その日もフル出場したことにまったく気づかなかったため、せっかくオープン放送で中継があったにも関わらず、私も試合自体は見逃してしまったんですけどね。日曜午前11時30分からあった決勝をTV観戦したころ、やっぱり一枚上手だったのはバルサ。そう、準決勝で暑さに苦しんだことから学んだか、前後半両方の半ばに設けられた水分補給タイムには袋詰め氷を用意して、選手たちの首や頭を冷やしていたんですが、アトレティコなんて本当に水を飲むだけなんですよ。ちょっとお、もう少し女子の体を心配してあげられない? ▽おまけに男子チームの悪いところが伝染したか、最初にもらったPKをエースのソニアが外してしまうんですから、困ったもの。その後はリーガ得点女王ジェニに2ゴールを奪われるわ、せっかくソニアが1点を返しても、守備ミス続出でアレシア、アイタナに追加点を許すわで、結局、4-1で敗戦です。うーん、彼女たちが2冠を達成したら、今季はタイトルなしで終わったシメオネ監督率いるチームの励みになるかもしれないという、私の目論見は見事に外れてしまったんですけどね。意外と肩身が今以上に狭くならず、こっそりホッとしていたアトレティコ男子もいるかもしれませんね。 ▽そして変わらず暑かった翌土曜には、先日のマドリーとローマのOB戦、コラソン・クラシック・マッチでは途中で直射日光に耐えられなくなった私も午後9時という遅い開始時間に勇気づけられ、1部昇格プレーオフ準決勝2ndレグを戦うヘタフェを応援に。1年ぶりに訪れたコリセウム・アルフォンソ・ペレスがここ数年、1部のリーガ戦ではまず、お目にかかれなかった活況を呈していたのに驚いたの何のって。チームバスのスタジアム入りにも大勢のファンが集まって、派手なお出迎えがあったようですしね。同じく昨季に2部降格した同じマドリッドの弟分、ラージョがどのカテゴリーにいようと常に熱い地元サポーターに支えられているのとは違い、うつろいやすいヘタフェファンが昇格プレーオフを機にまた戻って来てくれたのは何とも喜ばしい限りかと。 ▽すると試合ではチームの方もスタンドの期待にしっかり応えて、いえ、水曜にあった1stレグでは終盤にウエスカに追いつかれ、2-2と引き分けていたため、その日はスコアレスドローでも全然、突破に問題なかったんですけどね。前半36分にはモラのケガで急遽、スタメン入りをしたベテラン、ラセンの浮かしたFKをホルヘ・モリーナが繋ぎ、ゴール前でファン・カラが押し込んで先制点をゲット。後半にもパチェコとフステルがエリア外からゴールを決め、リーグ3位と6位の差はこんなところに出るのかと感心させてくれることに。 ▽ただ、スタジアム中が歓喜していた3-0の勝利、総合スコア5-2での決勝進出も全てがハッピーで終わった訳ではなく、うーん、元々、1stレグからファール数でウエスカが19、ヘタフェが28、イエローカード計9枚。その日の2ndレグもそれぞれ25、16、計10枚と、1部に比べてフィジカルと言われる2部の試合にしてもとかく荒っぽさの目立つ展開ではあったんですけどね。残り3分にはウエスカのイニゴ・ロペスがカラの顔に唾を吐きかけ、両チームが揉み合う事態に。その時、何やら抗議した交代済みのパチェコがレッドカードを受けるって、どこから見ても理不尽では? ▽ええ、昨季はアラベスを1部昇格に導き、今季は9月にスナイデル監督からチームを降格圏で引き継いで以来、3位まで躍進させたボルバラス監督も「Estoy enojado porque con 3-0 no nos pueden expulsar a un jugador del banquillo/エストイ・エノハードー・ポルケ・コン・トレス・セロ・ノー・ノス・プエデン・エクスプルサール・ア・ウン・フガドール・デル・バンキージョ(3-0なのにベンチにいる選手を退場させられたんだから、自分はとても怒っている)」と、完全に枯れた声で言っていましたけどね。スタンドで最初、アウェーで2点を挙げていたモリーナへのカードかもしれないとオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況アナが言っているのを聞いた時、私が味わった思いに比べれば、まだ良かったんでしょうが、パチェコもその日は殊勲の2点目を挙げていますし、このままだと決勝1stレグに出場停止なのは辛いところかと。 ▽一方、聞き覚えのある名前だと思っていたウエスカのアンケラ監督は実は2009年、未だにマドリーの黒歴史となっているアルコルコナソ(コパ・デル・レイ16強対戦で当時、ペレグリーニ監督の率いていたチームを2部Bのアルコルコンが総合スコア4-1で敗退させた事件)があった時の監督で、そのシーズンに昇格を果たしたマドリッド勢の末っ子は今季を含め、それからずっと2部を維持。そんな所縁のある監督だったんですが、「Ha sido superior en todo, nos han superado desde el inicio al final/アシードー・スペリオール・エン・トードー、ノス・アン・スペラードー・デスデ・エル・イニシオ・アルフィナル(最初から最後までウチを圧倒して、相手が全てにおいて上だった)」とヘタフェの強さに脱帽していたよう。 ▽うーん、彼らは水曜の1stレグの後、夜にホームスタジアムの事務所が強盗に遭い、当日のチケットやプレーオフ出場記念グッズの売り上げ等、7万ユーロ(約900万円)がなくなってしまうという不運にも見舞われていますからね。ちょっと気の毒な感じもしましたが、このプレーオフで1部に上がれるのはたった1チーム。それだけ大変ということで、昇格を目指してモリーナやフステル、カタ・ディアスら、1部経験の長い選手を揃えて戦ってきたヘタフェだって、今週の水曜と土曜にある決勝でうっかりしていたら、今季一番長く戦って、骨折り損のくたびれ儲けだったクラブとなってしまうのですから、甘いことは言っていられませんって。 ▽ちなみにもう1つの準決勝の勝者は日曜にテネリフェに決定。1stレグではカランサ(カディスのホーム)で1-0と負けたものの、テネリフェ(大西洋のカナリア諸島のリゾートタウン)のエリオドロ・ロドリゲスでは前半34分、柴崎選手がゴールを挙げ、そのまま勝負は延長に。そのまま総合スコア1-1のまま終わったんですが、プレーオフルールでPK戦にはならず、リーガ終了順位が上のテネリフェが勝ち抜けました。 ▽え、私がヘタフェにいた間、スペインのU21代表もユーロ大会の初戦に挑んでいなかったかって?その通りで、先週中は2月に完治していた精巣ガンの再発が発覚、ジェライ(アスレティック)が合宿を離脱したり、開催国のポーランド入りしてもグリマルド(ベンフィカ)のケガが治らず、こちらもグダニスクから帰国。代わりにディエゴ・ゴンサレス(セビージャ)、ロドリ(ビジェレアル)が繰り上がるなんてこともあったんですけどね。5月末からのラス・ロサスでの合宿には、A代表に応援に行くメンバーもいることを考えて、彼らも加わっていたため、チームとして問題はなかったよう。 ▽いえ、それどころか、これはたまたまなんですが、先日のワールドカップ予選の相手でもあったマケドニアは普段はA代表にいるものの、U21にも該当する選手8人を使わずに温存。満を持して挑んだU21ユーロのグループリーグ初戦でありながら、スペインに5-0と惨敗を喫していたから、ビックリしたの何のって。ちなみに突破口を作ったのはアトレティコから1人参加のサウルで前半10分、ガヤ(バレンシア)のクロスをchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)して先制点を挙げたんですが、その後はお隣さんの注目株、アセンシオ(マドリー)の独壇場になりました。 ▽何せ、デウロフェウ(今季はミランでプレー)のPKゴールを挟んで、前半に1点、後半に2点を入れてハットトリックですからね。セラデス監督に自由に動くことを許されているという当人は、「Me atrevo mas a disparar y soy mas agresivo arriba/メ・アトレボ・マスア・ディスパラール・イ・ソイマスアグレシーボ・アリーバ(思い切ってシュートする気になるし、前線だとボクはアグレッシブなんだ)」と言っていましたが、ちょっと振り返れば、先日のCL決勝ユベントス戦でマドリーの4点目を入れたのも彼。FWではないとはいえ、これからもゴールを連発してくれるようなら、クラブもクリスチアーノ・ロナウドの退団要望という非常事態にパニックに陥らないで済む? ▽ええ、そうなんですよ。実は先週はスペイン検察局から2011~14年の肖像権収入をタックスヘイブン経由にして、1470万ユーロ(約18憶円)の脱税があると告発されたことに端を発し、一応、マドリーは選手を信じる旨の公告をオフィシャルウェブに出したものの、当人はクラブのバックアップが不十分と感じたよう。それにここ数年のサンティアゴ・ベルナベウでのpito(ピト/ブーイング)に対する不満も相まってか、金曜にはア・ボラ(ポルトガルのスポーツ紙)に「スペインには戻らないと代表仲間に話している」という記事が出ることに。うーん、だからって、ロナウドの契約破棄金額は10憶ユーロ(約1240億円)という、常識外れの額ですし、そこまで行かずとも、マドリーは4億ユーロ(約500億円)が最低交渉スタートラインと言っているようなので、そう簡単に移籍できる訳でもないんですけどね。 ▽現在、ポルトガル代表でコンフェデレーションズカップに参加している当人からの意思表示コメントもないため、実際は何を考えているのか不明なんですが、脱税容疑の方はたとえ、プレーする国を変えても、ちょっと前にはディ・マリア(PSG)がマドリッドの裁判所に出頭していたように逃れることはできず。万が一、有罪となれば、罰金込みで2950万ユーロ(約37億円)の支払いプラス、執行猶予付きながら21カ月の刑事罰を受けたメッシのようになりかねませんし、何と言ってもイメージダウンは免れないかと。ちなみに日曜にはロシアでの初戦に先発したロナウドはメキシコ戦でクラレスマ(ベシクタシュ)に先制ゴールをアシストをしたものの、自身に得点はなく、試合も2-2のドローで終了。それでもMVPだったため、プレーに影響はないようですが…水曜のロシア戦を横目に当分、マドリーファンのヤキモキは続くかもしれません。 ▽おっと、話が逸れてしまいましたが、スペインU21代表の次戦は火曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からで、またややこしいですが、相手はポルトガルとなります。ただし、こちらは大人の代表と違って、ロナウドはいませんし、スター選手もレナト・サンチェス(バイエルン)ぐらいなんですが、彼らもセルビアとのグループ初戦に2-0と勝っていますからね。この大会、3グループあって、次ラウンドの準決勝に進出するためには首位か、成績最高の2位になるしかないため、スペインも決して気を抜くことはできないかと。日本ではTV中継がないようですが、you tubeのUEFA.tvのライブ配信を見るといった手もあるので、若い選手の活躍をチェックしたい向きにはお勧めです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.19 09:30 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】まだ真剣に戦っているチームもある…

▽「これなら最後にまたフィエスタが見られるかもしれない」そんな風に私がほくそ笑んでいたのは月曜。リーガ2部の昇格プレーオフの日程表を見ていた時のことでした。いやあ、いつだか思い出せないぐらい前に1位で直接昇格を決めたレバンテ、数節前に2位確定してそれにジローナが続いた後、先々週にはマドリッドのチーム3番手復活を狙っているヘタフェもプレーオフ出場を決めていたんですけどね。3位で終わるか、4位で終わるかだけ、土曜の最終節を待たないといけなかったんですが、幸い自身が何とか追いついて、マジョルカと3-3で引き分けたおかげで3位をキープ。同日、レバンテ戦に勝利して、バジャドリッドとオビエドとの差を保ち、6位の座を確保したウエスカとプレーオフ準決勝で激突することに。 ▽いやあ、まだ1部の試合のあった頃はなかなか、2部で頑張っているマドリッドの弟分たちに目を配る暇がなかったんですけどね。準決勝1stレグはこの水曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレス(ヘタフェのホーム)で迎える2ndレグは土曜で、勝ち上がれば、彼らは3位の柴崎岳選手がいるテネリフェと4位のカディスの準決勝勝者と対戦。また水曜、土曜と決勝を戦わないといけないものの、リーガ終了順位が上のチームが2ndレグをホームで戦うという規則からいくと、24日にはヘタフェが1年ぶりの1部回帰を地元のファンと一緒に祝えるという計算にならない? ▽ただ、懸念もちょっとあって、この昇格最後の1席をプレーオフで決める方式は2011年から始まったんですが、その6回中、3位のチームが目的を達成したのは2回だけ。おまけに1部より多いシーズン42節に加え、プレーオフ4試合と6月終盤まで公式戦をした後、ようやく昇格が決まるチームは夏休みが短くなりますからね。今季もプレーオフ経由で昇格してきたオサスナなんて、チーム力が整わないまま開幕を迎え、真っ先に2部Uターンが決まってしまいましたし、それを考えると、たとえヘタフェが来季、お隣りのレガネスと肩を並べることができるようなったとしても難題が山積みしそうですが、まあそれはそれ。 ▽今はまず、ウエスカに勝利することを考えるだけかと。そうそう、最終節には他にもいいニュースがあって、1節前まで降格圏にいたアルコルコンがルゴに3-0で勝利を収め、UCAMを追い越して残留を達成。12位で終わったラージョと共に来季も2部での戦いを続けられることになりました。ちなみに今季の2部B降格チームはそのUCAMの他にマジョルカ、エルチェ、ミランデス。数年前までは普通に1部でプレーしていたチームでも一旦、歯車が狂うとどんどん落ちて行くばかりというのは、スペインリーグの怖いところでもありますね。 ▽そんなことはともかく、先週末、お話しすべき試合があったのは日曜で、夕方からはサンティアゴ・ベルナベウでコラソン・クラシック・マッチが開催。ええ、レアル・マドリーが毎年開くチャリティマッチで、今回はローマOBとの対戦だったんですが、マドリッドはここ数日、まだ6月だというのに真夏モードに突入しているんですよ。おかげで直射日光の当たるスタンドで私も頭をクラクラさせて観戦していたんですが、出場した往年のスターの中でも著しく大型化していたブラジル人のロナウドにとっては、かなりの苦行だったよう。29分、ロベルト・カルロスのクロスをモリエンテスが自慢のヘッドで決めた後、交代一番手となっていましたが、それから間もなくのことでしたっけ。現役時代の鋭さを思わせるFKをフィーゴが直接捻じ込んで、マドリーの2点目を取ったのは! ▽実際、フィーゴやこの試合2点目を挙げたモリエンテス、ロベルト・カルロス、ラウール、サルガドらは今はもう懐かしい、マドリーのギャラクティコ時代のメンバーですからね。5~15ユーロ(約600~1900円)というお手頃値段もあって、スタジアムをほぼ満員にしたファンもノスタルジーを感じたか、うだるような暑さにも関わらず、大いに盛り上がっていました。しかし残念だったのはそこにジダンやベッカムの姿がなかったこと。いえ、今季限りでポルトを退団したものの、GKカシージャスはまだ現役を続けるようなので呼べなかったのはわかりますけどね。ジダンもマドリー監督に就任する前はこういう試合の常連だったんですが、丁度、1週間前にドゥオデシマ(12回目のCL優勝)を同じピッチで盛大に祝ったばかりとあって、今はノンビリ休暇を取りたかったのかも。 ▽どちらにしろ、ローマは最後まで1点も返すことができず、試合は4-0でマドリーの完勝と結果も申し分なかったんですが…。いえ、私は後半開始と同時にスタジアムを出てしまったんですけどね。これは別に日焼けを恐れたせいではなく、夜に控えていたスペイン代表戦を見るためだったんですが、まさに正解でした。何故なら、W杯予選でスコピエに赴いた彼らはその日のマケドニア戦で先日の親善試合とは異なり、Aチームを投入。序盤から圧倒的にボールを支配して、14分にはイニエスタ(バルサ)からジョルディ・アルバ(同)と繋がり、最後はシルバが半回転してシュートと、水曜のコロンビア戦同様、先制点を挙げてしまうんですから、熱中症になる危険を避けたのは賢かったかと。 ▽さらに畳みかけたスペインは26分にも、今度はイスコ(マドリー)が敵DFをかわしてエリア内に入り込むと、ゴール前にキラーパス。ドンピシャの場所にいたジエゴ・コスタ(チェルシー)が押し込んで2点目ゲットとなれば、この先のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は保証されたかと思ったんですが…。その後、ハーフタイムまでにあった2度程のチャンスはどちらもイスコがゴールを決めきれず。おかげで後半、マケドニアがカウンター攻撃を発動、センターから抜け出したリストフスキ(リエカ)を「Quizá he podido hacer un poco más pero había riesgo de tarjeta en esa jugada/キサ・エ・ポディードー・アセル・ウン・ポコ・マス・ペロ・アビア・リエスゴー・デタルヘタ・エン・エスタ・フガダ(多分、もう少し何かできる余地はあったかもしれないけど、あのプレーにはイエローカードをもらう危険があった)」というセルヒオ・ラモス(マドリー)が止められなかったのも響きましたよね。デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)もそのシュートを止められなかったため、スペインは1点差に迫られてしまうことに。 ▽そこでロペテギ監督はチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)をコケ(アトレティコ)に代え、守備の強化を図ったんですが、実際、相手も別に攻撃的に優れたチームという訳ではありませんからね。ピケ(バルサ)のヘッドが外れたり、コスタのシュートが敵GKに止められたりと、追加点は入らなかったものの、最後は1-2でスペインが逃げ切って試合は終了。ええ、ロスタイムにはイニエスタに代わり、U21から応援参加しているサウール(アトレティコ)が出場と、ご褒美A代表公式戦デビューまでさせてもらえるなんて、実は意外と余裕だった? ▽まあ、あくまでこれは予選ですから、スペインのような本大会常連は勝って当然なんですが、何より喜ばしいのはロペテギ監督になってから、コスタがちゃんとゴールゲッターとしての役目を果たせていること。ええ、これでもう5得点として、このW杯予選フェーズではシルバと並んでチームの得点王ですからね。デル・ボスケ監督時代とは随分、変わったものかと。ちなみに当人はこの試合後もミックスゾーンでチェルシー退団の意志を強調。「Fichar por el Atlético no significa estar sin jugar. Podría irme cedido a otro equipo/フィチャール・ポル・エル・アトレティコ・ノー・シグニフィカ・エスタル・シン・フガール。ポドリア・イルメ・セディードー・ア・オトロ・エキポ(アトレティコに移籍するのはプレーしないでいるってことじゃない。他のチームにレンタルで行くこともできるんだから)」と言っていましたが、この口ぶりだと、本当に来年1月まで新規選手登録をできない古巣に戻って来てくれるかもしれませんね。 ▽そして同日、グループのライバル、勝ち点が同じイタリアは予想通り、リヒテンシュタインに5-0と圧勝。それでもまだ得失点差が4あるため、スペインが1位のままなんですが、こうなるとますます9月2日にサンティアゴ・ベルナベウで行われる直接対決から目が離せないことに。幸い、ロペテギ監督が試合中に何度も注意してくれたため、マケドニア戦はコスタを含め、累積警告が迫っていたラモス、ピケ、ブスケツ、チアゴ、ビトロは誰もイエローカードをもらいませんでしたしね。ピケに限っては会場の雰囲気重視のため、出場停止で、ラモスとナチョで馴染みのマドリーCBコンビでも良かったような気がしないでもありませんが、バケーションを挟んだ後のことなので、今の段階ではpito(ピト/ブーイング)を警戒するのも気が早いかと。 ▽実際、8月のスペイン・スーパーカップの結果次第では、場所的に絶対マドリーファンの多いだろう観客も彼に寛容になれるかもしれませんしね。ちなみに試合後、スコピエからスペインに戻った選手たちはそれぞれ、休暇の予定をこなしに散って行ったんですが、例外はサウール、アセンシオ(マドリー)、デウロフェウ(今季後半はミランでプレー)、GKケパ(アスレティック)の4人。月曜には再び、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会に戻り、今度はこの金曜に始まるU21ユーロ大会参加の準備を始めることに。うーん、イスコ同様、ジダン監督の下で今季はあまり出場時間がなく、今が一番波に乗っているようなアセンシオなんかはいいんですけどね。負傷者続発による頭数不足のせいもあって、シーズンフル稼働だったサウールはちょっと疲労が心配なところですが、彼はまだ22歳。若い選手ですから、大丈夫なんですかね。 ▽そしてこのW杯予選期間、今季終盤を絶好調で終えたクリスチアーノ・ロナウドはポルトガル代表でもラトビア戦で2ゴールを挙げて勝利に貢献。土曜から始まるコンフェデレーションズカップにも期待を持たせてくれた他、ヴァランとグリーズマンが先発したフランスは2-1でスウェーデンに不覚、モドリッチとコバチッチが出たクロアチアもアイスランドに1-0で負けるなど、波乱もあったようですが、マドリー勢の中には出場停止でウェールズのセルビア戦に出られなかったベイルやレーブ監督にコンフェデレーションズカップも含め、参加を免除されたクロースなど、一足先にバケーション入りしている選手も。 ▽こうなると後はモウリーニョ監督からラブコールを受けているモラタのマンチェスター・ユナイテッド移籍がいつ決まるのかとか、火曜にヘタフェで行われるカメルーンとの親善試合のため、驚いたことに現在、バルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場でコロンビア代表のトレーニングしているハメス・ロドリゲスが彼とご一緒するのかといった選手の出入りの話題ばかりになってしまいますが、そうそう月曜にはアトレティコファンに朗報が1つ。グリーズマンと2022年まで、1年間の契約延長に合意に達したそうですが、契約破棄金額は1億ユーロ(約123憶円)のままで、先日、2024年まで延長したコケの1億5000万ユーロ(約185億円)より少なくてもいいよう。それもあってか、当人はアトレティコが選手登録できるようになる1月の移籍を考えているのではと穿つ向きもありますが、その時はその時。マドリーが9000万ユーロ(約111億円)と言っているモラタが本当にその値段で決まったら、私もちょっと心配になるかもしれません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.13 12:03 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ちょっと調子が良すぎるかも…

▽「これもかなり絵に描いた餅よね」そんな風に私が呆れていたのは金曜日、前日のAS(スペインのスポーツ紙)が「ラガゼット(リヨン)は1月まで寝かせるつもりで獲る計画」と報じたのに続き、マルカ(同競合紙)に至っては「ジエゴ・コスタ(チェルシー)は6カ月のプレシーズンキャンプ」と、どう考えても冗談としてか思えない記事を載せていたのを見つけた時のことでした。いやあ、先日、CAS(スポーツ仲裁裁判所)がFIFAの処分を肯定する裁定を下した際には自分もいささか動転して、グリースマン40得点、フェルナンド・トーレス、ガメイロは20得点、サウルやコケにまで身の丈に余るだろう期待を懸け、来季のアトレティコのゴール数を計算。今年の1月に続いて、この夏も戦力補強ができない不安から、無理矢理目をそらそうとしたりもしたんですけどね。 ▽コスタ自身も「来年はW杯があるから」と言っていた通りで、いくらスペイン代表のロペテギ監督がレアル・マドリーのローテーション政策大成功を目の当たりにしたばかり。CL決勝でのクリスチアーノ・ロナウドの働きはともかく、今季はジダン監督にあまりプレー時間をもらえなかったアセンシオもGKブッフォンからマドリーの4点目を挙げるなど、シーズン終盤に体力に裏打ちされた才能を遺憾なく発揮しているため、この6月の国際代表週間ではA代表でプレーした後、U21ユーロ大会にも参加してもらえる程、お役立ちになっているなんて例もありますけどね。1月から試合に出始めれば、疲労蓄積のない状態でロシアに行ってもらえるはずというのも、やっぱり獲らぬ狸の皮勘定すぎないような。 ▽だってえ、2年前、バルサが同様のFIFA処分を受け、シーズン半分、ムダにすることを承知で入団したアルダ・トゥラン(アトレティコから移籍)やアレイチェ・ビダル(同セビージャ)みたいにならないなんて保証、どこにもないんですよ。いえ、先日、アルダが随行記者を罵倒して、その結果、トルコ代表引退宣言に繋がってしまったというのまで、そのせいだったと言うつもりはありませんけどね。両者ともプレーが解禁となっても、すでに出来上がっていたスタメンに割って入ることはできず、ビダルには足首の脱臼という長期離脱もありましたが、今季もその状況は変わらなかったのは周知の事実。 ▽それを思うと、同じく補強選手候補に挙がっているビトロ(セビージャ)やサンドロ(マラガ)など、前者はラス・パルマスへの半年レンタル、後者は来季前半までミチェル監督のチームで過ごすという段取りをアトレティコは画策中。できれば、コスタにもCLに出ないどこかのチームで待機してもらいたものですが、当人もラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でサウルと再会して、満更でもなさげだったですし(https://twitter.com/saulniguez/status/871814114833727488)、中国などに行って言葉や生活習慣で戸惑うより、意外と半年間の充電期間は悪くないと思っているかも。 ▽あ、チェルシーに留まるのはコンテ監督から、「一緒に過ごした今季はありがとう。Buena suerte para el proximo ano, pero no estas en mis planes/ブエナ・スエルテ・パラ・エル・プロキシモ・アーニョ、ペロ・ノー・エスタス・エン・ミス・プラネス(来季の幸運を祈る。でも君は私の構想には入っていない)」という携帯メッセージをもらったことをコスタ自らが激白。まずありえないので、それこそチェルシーは「Me tienen que vender en las rebajas.../メ・ティエネン・ケ・ベンデル・エン・ラス・レハッハス(値下げしてボクを売らないといけない)」(コスタ)というのはアトレティコにとって、願ったり叶ったりなんですが、うーん、その発言あったのが、自身は出場しなかったスペインの親善試合後のミックスゾーンだったとは…何か、国際メジャー大会予選中はあんまりサッカー自体の話題が注目されない傾向にありますよね。 ▽まあ、もう1人のお騒がせ常連のことはまた後程、お伝えしますが、とりあえずここで水曜のコロンビア戦がどうだったか、振り返ってみることにすると。ムルシア(スペイン南部)のヌエボ・コンドミニナで行われたこの試合、昨年夏からの宿題になっていたマドリー移籍がケイロル・ナバスの復調で今年も叶いそうになくなったせいかどうかは知りませんが、急性胃腸炎でホテルに残ったGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)はともかく、ロペテギ監督は日曜のマケドニアとのW杯予選を考えながらスタメンを選択。そんな中、スペインの攻撃を牽引したのはシルバ(マンチェスター・シティ)で、前半9分に連続して3度もシュートを放ちながら、全て弾かれてしまった時には頭を抱えたものですが、大丈夫。21分にはペドロ(チェルシー)のラストパスをゴール前から押し込んで、しっかり先制点を挙げてくれます。 ▽ただ、その後は今季、マドリーであまりチャンスがない分、代表を心の拠り所としてきたハメス・ロドリゲス率いるコロンビアが発奮。強いプレスをかけたのが効を奏したか、39分には数日前のCL決勝ではイエローカード2枚で退場、12分しかプレーしていないため、先発に入ったクアドラード(ユーベ)が入れたクロスにピケ(バルサ)とアスピリクエタ(チェルシー)のどちらも足を出さず、GKレイナ(ナポリ)のすぐ前でカルドーソがvaselina(バセリーナ/ループシュート)して、同点ゴールとなってしまったから、驚いたの何のって!ええ、ピケがゴールラインで試みたクリアも空しく、コロンビアのTV実況アナから、「No pudiste Shakiro!/ノー・プディステ・シャキーロ(シャキーロも防げなかった)」と絶叫されてしまうんですから、まったく困ったもんじゃないですか(http://www.marca.com/futbol/seleccion/2017/06/08/5939a319ca47413e7b8b45c6.html)。 ▽まあ、スペイン語ではマリオ、マリアのように、語尾がオなら男子、アなら女子になるため、同国の誇る世界的シンガー、シャキーラの彼氏であるピケがコロンビア人たちからシャキーロと呼ばれてしまうのはわかるんですけどね。どうにもこの日は守備陣がレギュラーメンバーでなかったのが、後半9分にも災いしたよう。ええ、今度はハメスのCKをファルカオ(モナコ)が、まるでアトレティコ時代を思わせるような激しいヘッドでゴールにしてしまったから、さあ大変。試合前日、「Me lo encontre hace 5 minutos y me alegro mucho de su estado de forma/メ・ロ・エントントレ・アセ・シンコ・ミヌートス・イ・メ・アレグロ・ムーチョ・デ・ス・エスタードー・デ・フォルマ(5分前に会ったけど、彼が好調でとても嬉しいよ)」なんて言っていたコケ(アトレティコ)なども、これにはあまり喜べなかったかもしれません。 ▽それでロペテギ監督も勇断を下すことになったんですが、すでに後半頭からは打撲を受けたシルバ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ(バルサ)に代えて、サウル、アセンシオ、モンレアル(アーセナル)を投入していたのに加えて、更にイアゴ・アスパス(セルタ)とピケに代わって、モラタ(マドリー)とデウロフェウ(今季後半はミランでプレー)がピッチに入ることに。ええ、ここからスペインは3バックで反撃に行ったんですよ。ただ、なかなか得点はできなくて、試合終了が近付くにつれ、ロペテギ監督就任後、初めての敗戦は免れないかと思われたところ…。 ▽まさか、こんなところで、どこぞのチームの伝統芸が見られるとは一体、誰が予想できたでしょう。そう、43分、モラタのヘッドが決まって、土壇場でスペインは追いついたんですよ。え、そのプレーの起点となるパスを出したのはコケ、左サイドからクロスを上げたのはサウルとアトレティコ勢が混ざっていたため、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)まで行かなかったんじゃないかって?そうですね、ここにまだCL決勝の後、代表に合流していなかったセルヒオ・ラモスやイスコら、もっとマドリー勢が多くいたら、残り時間は少なくても勝てていたかもしれませんが、試合は2-2の引き分けで終了。コロンビアもファルカオやハメスは最後までプレーしませんでしたから、助かったようなところもありましたっけ。 ▽そんな展開だったため、ピッチサイドでのインタビューではモラタが喋ったんですが、彼もマドリーからの移籍が噂されていますからね。「Quien sabe, igual somos companeros el ano que viene/キエン・サベ、イグアル・ソモス・コンパニェロス・エル・アーニョ・ケ・ビエネ(誰にわかる。来季もボクらはチームメートかもしれない)」と、ハメスのことを尋ねられてそう答えたのは、2人揃って、マンチェスター・ユナイテッド入りかなんて深読みされたりもしたんですが、そんなのまだまだ可愛い方。ミックスゾーンでその日の主役を見事にかっさらって行ったのはお馴染みの彼でした。 ▽いやあ、私も先週末、ラス・ロサスに練習見学に行った時から心配していたんですが、やはりムルシアの地元ファンも試合中、ピケにpito(ピト/ブーイング)を浴びせていたんですよ。そのことについて、しつこく訊かれた当人が、「Por que os interesa tanto lo de los pitos?/ポル・ケ・オス・インテレサ・タントー・ロ・デ・ロス・ピトス(どうして君たちはそんなにブーイングに興味があるんだ)。マスコミがコトを大袈裟にしている。2016年のユーロの後はもう誰もブーイングしなかったのに、それでまた始まった」と大爆発。でもねえ、その原因には、コロンビア戦の前にも彼がマドリーファン挑発発言をしていたせいもありませんか? ▽というのも、代表合宿中のインタビューでピケは「バルサがコパ・デル・レイ優勝でパレードをする時は、マドリーが絶頂期にあるっていうこと。Nosotros conseguimos que el Madrid hiciera una rua por ganar una Copa del Rey/ノソトロス・コンセギモス・ケ・エル・マドリッド・イシエラ・ウナ・ルア・ポル・ガナール・ウナ・コパ・デル・レイ(ウチはマドリーにコパ優勝でパレードをやらせた)」と、2011年にモウリーニョ監督時代のマドリーが決勝でバルサを破って戴冠した時、シベレス(マドリーがファンと優勝を祝う市内の広場)でイベントを開いたことを揶揄。ラモスがオープンデッキバスからトロフィーを落とし、潰してしまったせいで、世間の記憶にもまだくっきり残っている曰くつきのパレードのことですが、え、でも翌年の2012年、バルサもカンプ・ノウにファンを集めて盛大にコパ優勝を祝っていませんでしたか? ▽うーん、今季のバルサは確かに何もしなかったため、要は前人未到のCL2連覇、今季はリーガとの2冠といえど、ここ近年で3冠(CL、リーガ、コパ)を2度も成し遂げている彼らが羨む程の差がついている訳ではないと、ピケは言いたかったのかもしれませんけどね。こうも口が減らないのでは何せ、スペイン人の観客には人がやっているから、面白がって一緒にブーイングするという傾向もあるため、余計に面倒。とりわけ次の代表ホームゲーム、9月のW杯予選イタリア戦はサンティアゴ・ベルナベウで開催されることが決定しているだけに、この件はまだまだ尾を引くかと。もちろん、そんな状況は他の選手たちにもいい影響を与えませんから、たとえ8月のスペイン・スーパーカップでバルサがマドリーに圧勝したとしても、ここは少し、当人も物議を醸すようなコメントや行動は控えた方がいいんじゃないでしょうか。 ▽そして最初に話したコスタのコンテ監督メッセージ暴露などもあった後、チームはマドリッドに戻り、木曜は午前練習してから、夜まではフリータイムを満喫。金曜のセッションからは最終合流組のラモス、イスコ、カルバハルも特にピケと問題はないようで、和気藹々と汗を流すと、夕方にはスコピエに向けて出発しています。どうやらケガを心配されたシルバも大したことはなかったようで、デ・ヘアも体調を回復。今回のメインディッシュであるマケドニア戦ではベストメンバーで挑めそうですが…むしろ気になるのは同グループで勝ち点で並ばれているイタリアがリヒテンシュタイン戦を利用して、現在の1位と2位を分けるスペインとの得失点差8を縮めるため、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を計画しているという辺り、予選というもののレベルが知れるかと。 ▽あとイエローカード1枚でラモス、ピケ、ブスケツ(バルサ)、チアゴ(バイエルン)、ビトロ、コスタがイタリアとの直接対決で出場停止になってしまうというのも結構、懸念の種ですが、試合の方はまあ、スペインが普通に勝つことを期待していいはず。そんなマケドニア対スペイン戦のキックオフは日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)。今度はモラタにしろ、コスタにしろ、大型CFを据えてのスタートになりますから、もっとシュートが増える展開になるのは確実かと。その日は夕方から、マドリーとローマのOBの対決するチャリティマッチ、コラソン・クラシック・マッチを見にサンティアゴ・ベルナベウに行く私ですが、ロナウドやラウール、フィーゴら、往年の名選手に気を取られず、早めに家に帰らないとゴールを見逃してしまいそうですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.10 10:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】勝負は意外とあっさりついた…

▽「自分のチームはいいんだろうか」そんな疑問を私が覚えていたのは月曜。お昼のニュースでヨハン・クライフ財団主催のゴルフ大会に来ていたグアルディオラ監督のインタビューを訊いた時のことでした。いやあ、自身同様2回、指導者としてCL優勝を2回成し遂げたジダン監督と共通点はあるかと訊かれ、「Zidane y yo nos parecemos en el pelo/ジダン・イ・ジョ・ノス・パレセモス・エン・エル・ペロ(ジダンと私は髪が似ているね)」とジョークを言っていた辺りはいかにもオフシーズンっぽかったんですけどね。加えて、「レアル・マドリーは正当なCLチャンピオン。お祝いを言うけど、過信しちゃいけない。バルサは常に戻って来るから」って、あれ? 彼が来季も指揮するマンチェスター・シティは優勝争いに加わらなくてもいいんですか? ▽まあ、今季CLでは16強対決でモナコに敗れ、初体験のプレミアリーグでも3位と無冠に終わった彼ですから、いきなりシティがマドリーに対抗馬宣言するのは難しいと思っていてもムリはありませんけどね。だったら、来季はバルベルデ監督が率いる自身の古巣に期待したいといったところでしょうが、ちょっと寂しいのは今現在、誰も来季のアトレティコにCL優勝争いができるかどうか、論じてくれないこと。私が日曜にスペイン代表の練習見学に行った時に会ったTVE(スペイン国営放送)の女性レポーター、普段はアトレティコ番をしている彼女なんかも今年は決勝の地に行けなかったのが不満だったんでしょかね。「ワンダ・メトロポリターノで優勝することになっているのよ」と来季はすっ飛ばして、アトレティコが決勝会場に立候補している2年後の話をしていましたしね。 ▽というのも、今年もCL準決勝という、あと一息のところまで漕ぎつけたアトレティコですが、CAS(スポーツ仲裁裁判所)の裁定でFIFA処分が確定し、1月に続いてこの夏も新戦力を補強することができず。その知らせにバケーション中、マンチェスター・ユナイテッド行きに色気を出していたグリースマンが「今、出て行くのはチームに悪い。来季も残るよ」とフランスのTVで宣言してくれた上、代表合宿で一緒にいるラガゼット(リヨン)にアトレティコに来るよう、勧誘してくれているのは良かったんですけどね。サンドロ(マラガ)やビトロ(セビージャ)らにもラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でそれぞれ、U21スペイン代表のサウール、A代表のコケが働きかけてくれているかとは思いますが、たとえ契約がこの夏にまとまったとしても、彼らが合流できるのは来年の1月以降。 ▽それまでリーガやCLグループリーグを現有戦力プラス、今季レンタルしていたクラネビテル、ビエット(セビージャ)、ジエゴ・ジョタ(ポルト)ぐらいのメンバーでやっていかざるを得ないとなると、その頃には取り返しのつかない状態になっている可能性もありうる? うーん、施設内のホテルで代表チームメートと揃ってカーディフでの決勝を見ていたら、やっぱり準決勝でマドリーに負けたのには理由があったんだなと、アトレティコ加入を考えてくれている選手も迷ってしまうかもしれませんしね。その一方でバルサ勢などは、自分たちが準々決勝でまったく敵わなかった相手があんなことになってしまって、忸怩たる思いを抱えていたんじゃないでしょうか。 ▽そう、お隣さんは土曜のCL決勝でユベントスに圧勝してしまったんですよ。とりあえず、試合の様子をお伝えすると、中継系列局が総力を挙げて、キックオフの27時間前から代わる代わるプレマッチ番組を放送するなど決勝の日は特別ですね。昼間に外に出た折、マドリーのユニを着た人と何度もすれ違ったため、自分も試合の時間にTVをつけた時には結構、ドキドキしていたんですが…。その頃にはジダン監督が泣く泣くスタンド観戦にしたのはルーカル・バスケス、ハメス・ロドリゲス、ナチョだったと判明済み。 ▽ふくらはぎのケガが治ったばかりのベイルも「最終テストでまだ違和感があったから、後半をベンチで待つことにした」ため、イスコ先発で挑んだマドリーは序盤、ユベントスの猛攻を耐え抜くと、19分にはカルバハルのクロスに合わせたクリスチアーノ・ロナウドのシュートがボヌッチの足に当たり、幸先良く先制点となることに。でもこの時はまだ、敵も気力を失わず、26分にはアレックス・サンドロのクロスをイグアインが落としたところ、マンジュキッチが自作自演のchilea(チレナ/オーバーヘッドシュート)で同点ゴールをゲット。丁度、準決勝に行けなかった2014-15シーズンだけアトレティコにいた彼ですが、どうやらその時、準々決勝で敗れたのがやはりマドリーだったのが、いいモチベーションになったんでしょうか。 ▽そのまま1-1で試合はハーフタイムに入ったんですが、後半、効き目を現したのはミレニアム・スタジアムのロッカールームでのジダン監督の言葉だったよう。モドリッチ曰く、「ウチはよくやっているけど、もっと改善できると言われた。Ser más agresivos, presionar más arriba, no dejar a la Juve jugar fácil/セル・マス・アグレシーボス、プレシオナル・マス・アリバ、ノー・デハール・ア・ラ・ユーベ・フガール・ファシル(もっとアグレッシブに行って、前の方でプレスをかけて、ユーベに容易くプレーさせない)」ということで、アッレグリ監督も「守備が機能しなかったのはウチがマドリーに押し込まれていたせい」とは言っていたものの、60分にカゼミロのミドルシュートが決まったのは運もありましたよね。ええ、1点目に続き、Decima(デシマ/10回目のCL優勝のこと)時にはマドリーのメンバーだったケディラに当たり、ボールの軌道が変ってしまっては、天下のGKブッフォンだってどうしようもありませんって。 ▽その3分後、さらに畳みかけたマドリーですが、その日、1点目を入れた時点ですでにメッシと並んで、11ゴールで今季CL得点王になっていたロナウドだけに、どうせなら独り占めしたかったんでしょうかね。モドリッチがゴールラインギリギリから出したラストパスを押し込んで3点目を追加。こうなると後はもう、注目は地元のスター、ベイルがいつ登場するかになってしまったんですが、それは76分に実現します。一方、反撃を試みるしかなかったユーベはバルザーリをクアドラードに代えたんですが、まさか当人がたった12分間で退場してしまうとは! ▽うーん、セルヒオ・ラモスを押して受けた2枚目のイエローカードはちょっと、審判が厳しかったような気はしましたけどね。こんな状態になって、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を期待できるチームは世の中広しと言えど、マドリーだけ。セリエAでは泣く子も黙るユーベも例外ではなく、逆に89分にはイスコとの交代で入ったアセンシオにダメ押しの4点目を決められて、最後は1-4という大差でマドリーが2連覇を飾ることに。そう、Duodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝)の達成です! ▽え、試合後はMVPとなったロナウドも「He hecho un final de temporada espectacular, me prepare para ello/エ・エッチョー・ウン・フィナル・デ・テンポラーダ・エスペクタクラル、メ・プレパレ・パラ・エジョ(自分はスペクタクルなシーズン終盤を送った。そのために準備したんだ)。監督も頭が良かったね」と言っていた通り、彼を含めて選手全員がローテーション。おかげで「前半は苦労したが、後半はボールを持てて、相手にフィジカルでも勝っていた。El físico y la determinación también han sido clave/エル・フィシコ・イ・ラ・デテルミナシオン・タンビエン・アン・シードー・クラブ(フィジカルと決定力もカギだったね)」(ジダン監督)という結果になったのを見ると、やっぱり体力を温存した才能のある選手ばかりのチームに勝つ方法はこの世には存在しないんじゃないかと絶望的にならないかって? ▽そうですね、今季バルサがリーガでマドリーに追いつけなかった理由の1つにもレギュラー以外のレベルが合格点に達していなかったことがありますし、アトレティコも一生懸命、身体は鍛えていたんですが、ケガ人などで頭数に制限があった上、才能は練習して何とかなるものではなし。こうなると、「Hay mucho talento, pero mucho trabajo también/アイ・ムーホ・タレントー、ペロ・ムーチョ・トラバッホ・タンビエン(大きな才能のおかげもあるが、沢山、働いたおかげもある)」という、ジダン監督のチームには一生、敵わないんじゃないかと思ってしまいますが、でも待って! 控えまで一流選手ばかりというのは諸刃の剣で、すでに決勝のベンチに入れなかったハメスや顔見せ出場に留まったモラタなんかについては、移籍が確定的みたいな話になっていますからね。 ▽イスコやアセンシオにしても1年ぐらいはいいでしょうが、控え扱いではもったいない存在となると、いつまでも上手くいくとは限らないかと。ちなみに優勝後、「Se puede quedar en el Madrid toda la vida/セ・プエデ・ケダール・エン・エル・マドリッド・トーダ・ラ・ビダ(生涯、マドリーにいることができる)」とジダン監督の続投を宣言していたペレス会長は、今季のチームを維持したい意向のようですが、何せ、こちらはお隣さんとは違って、CASのおかげでこの夏、選手補強が可能になったマドリーですからね。ファンに夢を抱かせるためにも1シーズン、1クラックは欲しいところですし、すでにムバッペ(モナコ)やアザール(チェルシー)の名前など挙がっているため、この先は何があるかわからないですよ。 ▽そしてスタジアムでお祝いした後、明け方にマドリッドに戻った彼らはそのままシベレス(マドリーがファンと優勝を祝う市内の広場)には行かず、全ての祝賀イベントを日曜夕方から一斉決行。ええ、私がラス・ロサスでスペイン代表の練習を眺めている間、マドリッッド州庁舎、市庁舎を回ると、それからシベレスにオープンデッキバスで向かい、2週間前のリーガ優勝時には2日に分けてやった行程を完了させます。ただ、この日はまだ続きがあって、いえ、予定が午後10時だったため、何とか私も駆けつけることができたんですけどね。最後はサンティアゴ・ベルナベウでこの4年間で3回目となるメガフィエスタの開催となりました。 ▽いやあ、この3度の決勝ともスタジアムのピッチに大型スクリーンを設置、観客を入れてパブリックビューイング。そのセットをそのまま祝賀イベントにも使えているんですから、マドリーって、本当にラッキーですよね。プロブラムも毎回、ほぼ同じで、デシマの時こそ、アンチェロッテ監督がカラオケを歌い出したのには驚かされましたが、控え目なジダン監督が、今はその歌詞もドゥオデシマに変わってる、変わってないに関わらず、そんな大それた真似をするはずもなし。1人1人、選手が司会に呼ばれて登場、監督の胴上げ、大音響の花火が上がって、最後の場内一周では奥さんや子供も加わってセルフィー大会になっているというのもまったく同じでしたが、檀上に居る時、いきなりスポーツ刈りになっていたロナウドが自ら、「Cristiano, Balon de Oro/クリスチアーノ、バロン・デ・オロ(ロナウドにバロンドールを)」と歌いだしたのはちょっと引いたかも。 ▽あと、あまりにCL優勝に慣れてしまうのもちょっと問題で、カーディフではマルセロが小さい方の息子さんをトロフィーの中に立たせていて、目が点になったものですが、その夜はラモスの彼女、TVタレントのピラル・デ・ルビオさんも同じことをしていたのを目撃。うーん、3度目のCL決勝負けを喰らい、39歳でまだそのトロフィーを掲げたことないブッフォンや、クラブ史上1度も獲得したことのないアトレティコの選手だったりしたら、神棚にでも祀ってしまうんじゃないかと思うんですが、こんなに頻繁に手にしていると貴重さも薄れてしまうんですかね。 ▽そして途中、チラチラ登場していたスペイン代表のことを最後に伝えておくと、実は彼らが合宿しているのは日曜のW杯予選、マケドニア戦のためなんですが、その前にこの水曜にはムルシア(スペイン南部)でコロンビアと親善試合を開催。CL決勝があったマドリーの選手たちの不在を補うため、U21からサウール、ウィリアムス(アスレティック)ら、何人かがヘルプに来ていますが、月曜の午後練習からはカーディフで先発しなかったモラタ、アセンシオ、ナチョ、ルーカス・バスケスも合流しました。ハメスも同日、現地でトレーニングしている母国代表に加っていますし、相手には元アトレティコのファルカオ(モナコ)もいるとなれば、水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からは面白い試合が期待できるかと。 ▽他のマドリーメンバー、ラモス、イスコ、カルバハルはこの親善試合の後、木曜に合流予定ですが、最近また、ちょっと心配なのはピケ(バルサ)のことで、いえ、ミレニアム・スタジアムを始め、シベレスでもサンティアゴ・ベルナベウでも「Piqué, cabrón, saluda al campeón/ピケ、カブロン、サルーダ・アル・カンペオン(ピケ、クソ野郎、チャンピオンに挨拶しろ)」とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)がマドリーファンから湧き上がっていたのは理解できるんですけどね。私がセッションを訪ねた日曜も当日、ハーバード大学のビジネスマスターコースを終え、マドリッドに直接飛んで来た彼がグラウンドに出て来た時にもそれがスタンドから聞こえることに。 ▽何せ、その頃、マドリーファンはマドリッド市内のお祝いに行っていたか、見学客も近年、稀にみる不入りだったんですが、こういうのは代表戦の観客にも伝染しますからね。最終節から1つ前でジローナの1部昇格が決定し、プレーオフに回ることが決まったヘタフェはともかく、今季スペイン国内で行われる最後のビッグゲームですから、なるたけいい雰囲気で終えてほしいものですが、さて。うーん、これは当人の自業自得の面もあるものの、最近、代表の練習も非公開が多いのはそれが理由かもと私なんか、ちょっと穿ってしまったりもしますよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.06.06 15:06 Tue
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