【CLプレビュー】マドリー優位もレヴィ復帰のバイエルンの巻き返しは《レアル・マドリーvsバイエルン》

2017.04.18 07:00 Tue
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▽チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝2ndレグ、レアル・マドリーvsバイエルンが、日本時間18日27:45からサンチャゴ・ベルナベウで開催される。エースの2発によって敵地で逆転勝利を手にして勢いに乗るマドリーと、エース復帰を追い風に敵地での逆転を目指すバイエルンが、ベスト4進出を懸けて激突する注目のビッグマッチだ。
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▽12日にアリアンツ・アレーナで行われた1stレグでは、ホームのバイエルンがMFビダルのゴールで先制に成功するも、前半終了間際のビダルPK失敗で流れはマドリーに傾く。すると、後半開始直後にFWクリスティアーノ・ロナウドのゴールで追いついたアウェイチームは、MFハビ・マルティネスの退場で数的不利となったホームチームを押し込むと、試合終盤に再びC・ロナウドのゴールで逆転し、敵地で先勝した。
▽PK失敗と退場が響き、16戦無敗を継続していたホームでまさかの逆転負けを喫したバイエルンは、直近のリーグ戦でもレバークーゼン相手にゴールレスドローとなり、公式戦2試合未勝利。この試合ではMFロッベンやMFシャビ・アロンソ、MFリベリといった一部主力を温存したエクスキューズはあったものの、残り30分で10人となった相手からゴールを奪えず、敵地で最低2点が求められるマドリーとの2ndレグに向けて不安を残す結果となった。

▽一方、苦しみながらも相手のミスと、圧巻の勝負強さを誇るエースの活躍で先勝したマドリーは、悲願のCL連覇に向けて好位置に付ける。C・ロナウドやFWベンゼマ、MFモドリッチら多数の主力を温存して臨んだ直近のスポルティング・ヒホン戦では、2度のビハインドを負う苦しい展開を強いられたが、MFイスコやFWモラタ、DFダニーロら代役の活躍で劇的な3-2の逆転勝利を飾り、最高の形で今回のバイエルン戦を迎える。

▽両チームの勝ち抜け条件は、マドリーが引き分け以上で文句なし。また、アウェイゴール2点を奪っているため、0-1の敗戦でも突破が決まる。一方のバイエルンは2点差の勝利か、3点以上奪っての1点差の勝利で逆転突破となる。なお、バイエルンが2-1で勝利した場合のみ、延長戦へと突入する。(延長戦でもアウェイゴールが適用)
◆レアル・マドリー◆
【4-3-1-2】

▽レアル・マドリー予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ケイロル・ナバス
DF:カルバハル、ナチョ、セルヒオ・ラモス、マルセロ
MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース
MF:イスコ
FW:ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド
負傷者:DFヴァラン、ペペ、MFベイル
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関しては、1stレグに続きヴァランとペペのセンターバックコンビと、ふくらはぎを痛めたベイルの欠場が決定。そのため、代役には直近のスポルティング・ヒホン戦でチームを救う2ゴールを決めるなど、好調を継続するイスコが入る見込みだ。ジダン監督はイスコをベイルと同じ右ウイングに配する[4-3-3]か、同選手をトップ下に配した[4-3-1-2]のいずれかを採用することになる。

◆バイエルン◆
【4-2-3-1】

▽バイエルン予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ノイアー
DF:ラーム、フンメルス、ボアテング、アラバ
MF:シャビ・アロンソ、ビダル
MF:ロッベン、チアゴ、リベリ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFフンメルス、ボアテング
出場停止者:MFハビ・マルティネス

▽1stレグで退場したハビ・マルティネスが出場停止。負傷者に関しては足首のケガで1stレグを欠場したフンメルス、1stレグ後に内転筋を痛めたボアテングに欠場の可能性がある。アンチェロッティ監督は前日会見で両選手の起用の可能性を示唆したが、間に合わない場合はレバークーゼン戦でセンターバックを務めたアラバに加え、キミッヒ、シャビ・アロンソという中盤が本職のプレーヤーが代役を担う。その一方、肩のケガで1stレグを欠場したレヴァンドフスキの復帰が確実となっている。

★注目選手
◆レアル・マドリー:MFイスコ
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▽ホームで逃げ切りを図るマドリーの注目プレーヤーは、ベイルの代役として先発出場が濃厚なイスコだ。敵地での1stレグを2-1で先勝しているマドリーは、ホームでの2ndレグで0-1で敗れてもアウェイゴール数で逃げ切れる優位な状況だ。ただ、強力な攻撃陣を誇る相手に対して防戦一方の展開を避けたいジダン監督は、攻守両面でハードワークをこなし、且つ卓越した創造性をフィニッシュの局面にもたらすスペイン代表MFの起用を決断したようだ。

▽直近のスポルティング・ヒホン戦では圧巻のゴラッソ2発でチームを救うなど、絶好調のイスコは、バイエルンの中盤に対しても優れたボールスキルを武器にボールの落ち着けどころとして機能するはずだ。そして、モドリッチらと共にボール支配に貢献しつつ、前がかりな相手の背後を突くドリブルやラストパスでゴールにも絡みたい。

◆バイエルン:FWロベルト・レヴァンドフスキ
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▽一方、敵地で逆転突破を目指すバイエルンの注目プレーヤーは、1stレグで無念の欠場となったレヴァンドフスキだ。今シーズンの公式戦40試合で38ゴールを記録する怪物ストライカーは、ドルトムント時代の2012-13シーズンCL準決勝で1試合4ゴールを挙げるなど、マドリー相手に相性の良さを見せている。

▽最低2ゴールが求められる中、セルヒオ・ラモスらを相手にきっちり前線でボールを収め、2列目の攻撃参加を促すと共に、クロスボールのターゲットとして存在感を発揮したい。加えて、足首を固定して蹴る独特の直接FKでGKケイロル・ナバスが守るゴールをこじ開けたい。

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