【原ゆみこのマドリッド】ラジオでは皆、よく喋る…2017.03.24 12:30 Fri

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▽「これじゃ罰ゲームみたい」そんな風に私が同情していたのは木曜。雪が降りしきるマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で各国代表に招集されなかったアトレティコの選手たちがトレーニングしている風景をTVのニュースで見た時のことでした。前日から真冬に逆戻りしたスペインでは国内各地が悪天候に見舞われ、私も午前中はみぞれが絶え間なく落ちてくるため、マドリッドのセントロ(中央部)にあるピソ(マンション)から、外に出る気も起きなかったんですけどね。

▽同じぐらいの時刻、アトレティコBの選手を呼んで数を水増ししたお隣さんと同様に、RMカスティージャの選手たちと一緒にセッションをしていたバルデベバス(バラハス空港の近く)のレアル・マドリー練習場では、まったく降っていなかったようなのは不思議ではありますが、前者はシメオネ監督までアルゼンチンに里帰りしていなかったとか。うーん、当人は旅行前日に受けたインタビューで「Mis futbolistas son mis hijos/ミス・フトボリスタス・ソン・ミス・イホス(選手たちは私の息子のようなもの)」と言っていましたけどね。これって、どこか見捨てられた感があったかも。

▽まあ、それでも居残り組はこの週末、リーガのparon(パロン/休止期間)で試合がなく、練習もお休み。ちょっとぐらいの逆境があった方が体を鍛えられていいのかもしれませんが、おかげで時間の余裕があったせいか、数社の取材を受けたシメオネ監督から、アトレティコのすでに今季も準々決勝にまで進出したCLでの強さの秘密が明かされたなんてことも。曰く、「El dolor es la fuerza más grande que tiene el Atlético en esta Champions/エル・ドロール・エス・ラ・フエルサ・マス・グランデ・ケ・ティエネ・エル・アトレティコ・エン・エスタ・チャンピオンズ(このCLでのアトレティコの一番大きい力は痛みだ)。大会のアンセムを聞くたび、自分は痛みを覚える」そうで、その理由はもちろん、昨季CL決勝での敗北。

▽さらにサン・シーロでの試合後会見の時、アトレティコの監督続投を疑問視されるような返答をしたことに対して、「Para mí lo de Milán fue un fracaso/パラ・ミー・ロ・デ・ミラン・フエ・ウン・フラカソ(自分にとってミラノでのことは失敗だった)。CLに優勝するという目標を持っていて、それが達成できなかったのは物凄く辛かった。その次のシーズンが大変になることがわかっていたから、PK戦で負けた後、チームを率いていく力が出るのか確信がなかった」と説明していましたけどね。「どんなチームだって、ほとんど連続してCL決勝に敗れた後、回復するのは不可能なのに、nosotros estamos otra vez ahí, peleando/(ノソトロス・エスアモス・オトラ・ベス・アイー、ペレアンドー(ウチはまたここにいて、戦っている))」というのは確かに、誇れることなのかもしれません。

▽え、その件に関しては、キャプテンのガビも「Perder dos finales fue duro, levantarse aún más duro/ペルデル・ドス・フィナレス・フエ・ドゥーロ、レバンタールセ・アウン・マス・ドゥーロ(2度の決勝に負けて辛かったし、そこから立ち上がるのはもっと辛かった)。今季は6カ月ぐらいかかった」と、リーガの前半戦で残念な試合が多かったことの理由付けをしていなかったかって? そうですね、これがカンテラーノ(ユース組織出身の選手)の後輩、コケになると、「Somos el Atlético y siempre nos levantamos/ソモス・エル・アトレティコ・イ・シエンプレ・ノス・レバンタモス(ボクらはアトレティコだから、いつも立ち上がるのさ)」と至極、単純明快でいいんですけどね。

▽何はともあれ、前節の彼らはセビージャに快勝して、リーガ3位フィニッシュへの道もようやく見えてきたようですし、4月のCL準々決勝レスター戦でもこの勢いを維持して、同じぐらい立ち直るのに苦労したアトレティコのファンたちにまた希望を与えてほしいもの。ちなみにこのコケは今週、スペイン代表合宿にアトレティコから1人参加しているんです。私もまだ寒波が襲来する前の火曜午前中、練習見学時間は15分しかなかったものの、チームの様子を見にラス・ロサス(マドリッドの近郊)まで足を伸ばしたんですけどね。定例記者会見では、昨年のユーロ大会当時、代表での先発機会が少ないのに「チームワークを高めるためだけに代表に来るのもどうかと」と、不満をマスコミに告白して以来の招集となったペドロ(チェルシー)と大人代表初参加だったイジャラメンディ(レアル・ソシエダ)が登場。

▽いやあ、ペドロもそれはそれでアトレティコやマドリー同様、クラブでの居残り練習メンバーとなるのは肩身が狭いことがわかったんですかね。「creo que aquello se malinterpretó/クレオ・ケ・アケージョ・セ・マルインテルプレト(あれは曲解されたんだと思う)」と、全てをなかったことに…。2年前に古巣に出戻って復活したイジャラメンディが、「マドリーが自分に分不相応だったとは思わない。Me faltó confianza y valentía/メ・ファルトー・コンフィアンサ・イ・バレンティア(自信と勇気が欠けていたんだ)」なんて言っているのを聞いていたんですが、どうやらその頃には選手たちのロビー行為が着々と成果を挙げていたよう。

▽私は、その後にあった保険会社のスポンサー契約延長を祝って行われた、グラウンドでの記念撮影時、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)がロペテギ監督とずっと何か話しているのには気づいたんですけどね。どうやらそれは、月曜に合宿入りした時、W杯予選イスラエル戦のため、木曜にヒホン(スペイン北部のビーチリゾート、スポルティングのホームタウン)入りしてから、金曜の試合後も同地に滞在。土曜日曜とあちらで練習して、次のフランスとの親善試合のため、直接パリに飛ぶという代表の今回の予定が気に入らなかったからのようで、初日からラモスが監督と交渉を始めていたんだとか。

▽そう、それから間もなく、イスラエル戦の後、マドリッドに帰京することになったとサッカー協会から公式発表されたんですが、火曜の午後に山のようにあった選手のラジオインタビューではブスケツ(バルサ)も「一番いいのはここの宿舎で休むことで、土曜に自由行動の午後があったら、最高にいいね」と言っていたように、選手たちの多くはヒホンでの合宿を望まず。いえ、もちろんロペテギ監督は「La decisión de volvernos es mía/ラ・デシシオン・デ・ボルベルノス・エス・ミア(戻って来るという決定は私がした)。こういうことを変えることは何度もあった」と主張していましたが、何かそんな話を聞くと、昔からよく、マドリーの選手たちがホームでの試合前日は合宿を止めてくれるよう、歴代監督に働きかけていた事例を思い出してしまうのは私だけ?

▽実際、ルイス・アラゴネス監督やデル・ボスケ監督時代のスペイン代表で選手たちの願望による予定変更があったか、ちょっと私も思い出せないんですが、ラモスなど、もうマドリーのキャプテン歴も長いですし、そういった交渉はお手のもの。こんなケースでは普段、「nos gusta tirarnos alguna piedrecita/ノス・グスタ・ティラールノス・アルグーナ・ピエドレシータ(ボクは小石を飛ばし合うのが好きなんだ)」(ラモス)という、マスコミへの発言やツィートで対立関係にされるピケ(バルサ)とも結託できるのか、どうやら今回はベテラン選手たちで共同戦線を張ったようです。でもねえ、せっかく代表チームを招いてのイベントを盛り沢山、企画していたアストゥリアス(ヒホンのある地方)のサッカー協会長はアテが外れて、かなり怒っていましたよ。

▽そんなことはともかく、木曜にアラブ諸国と根深い問題を抱えるイスラエルの代表チームを迎えるのと、現地の市議会がイスラエル製品ボイコット政策を取っており、市民のデモが予定されているため、厳戒態勢が敷かれているヒホン入りしたスペインはエル・モリロン(スポルティングのホーム)で前日練習を実施。前日は風邪による発熱でセッションをお休みしたカルバハル(マドリー)も無事回復し、どうやらロペテギ監督もGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、DFカルバハル、ピケ、ラモス、ジョルディ・アルバ(バルサ)、中盤はブスケツ、イニエスタ(バルサ)、コケもしくはチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)、前線をシルバ(マンチェスター・シティ)、ジエゴ・コスタ(チェルシー)、ビトロ(セビージャ)という、思い描いていたベストメンバーで挑めるようです。

▽え、相手は予選グループGでたったの勝ち点1差で3位につけるチームなのだから、実は試合も結構、厳しいものになるんじゃないかって? うーん、そうですね。前日記者会見でロペテギ監督などは、「Le queremos un poquito enfadado/レ・ケレモス・ウン・ポキート・エンファダードー(ちょっと怒っている彼がいい)。でもちょっとだよ、いつものようなサッカーをしてもらうためにね」とコスタに期待していましたが、「No salgo enfadado al campo, me enfado durante los partidos/ノー・サルゴ・エンファダードー・アル・カンポ、メ・エンファド・ドゥランテ・ロス・パルティードス(ボクは怒ってピッチに出るんじゃない。試合中に怒るんだ)」と答える当人も相変わらず。

▽それでも今シーズン始めは、「La relación con Conte no empezó bien/ラ・レラシオン・コン・コンテ・ノー・エンペソ・ビエン(コンテ監督との関係はいい始まり方じゃなかった)。着任した時に自分はアトレティコに戻りたいと言ったんだから。結局、アトレティコに待ってもらえなくて、尻尾を巻いた犬のようにボクが話しに行ったら、こっちを見てももらえなかったよ」と苦労した経験もある彼ですからね。そのせいで「アトレティコに移籍できるよう、できること全部をやったけど、クラブは待ってくれなかった。Ya no me pelearía igual para volver/ジャー・ノー・メ・ペレアリア・イグアル・パラ・ボルベル(もう戻るために同じようには戦わないよ)」と、ラス・ロサスでのインタビューで宣言していたのにはちょっとビックリさせられたかも。

▽おかげでセレソ会長に「Hay cosas que son imposibles y son imposibles/アイ・コーサス・ケ・ソン・インポシーブレス・イ・ソン・インポシーブレス(不可能なことはあって、それは不可能だった)」とたしなめられたりもしていましたが、現在のコスタがチェルシーで絶好調なのは紛れもない事実。金曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのイスラエル戦では勝利に貢献するゴールを決めてくれることを期待しています。いえ、万が一、彼が不発でもベンチにはモラタ(マドリー)やイアゴ・アスパス(セルタ)、ペドロも控えていますし、いざとなれば、伝家の宝刀、ラモスの頭もありますしね。多分、勝って、今節はアルバニアと戦う、同じ勝ち点で2位のイタリアにリードを許すことはないと思うんですが…。

▽そうそう、最後に、木曜にデンマークと親善試合をしたU21スペイン代表のことも伝えておくと、いやあ、一緒に合宿していたラス・ロサスで、後輩チームにこちらもアトレティコから1人参加だったサウールがラモスと火曜の写真撮影に行く時、やたら仲良くしていたおかげですかね。ムルシア(スペイン南西部)のヌエボ・コンドミナでの試合では、ふくらはぎのケガで離脱したレイナ(ナポリ)の代わりにケパ(アスレティック)がA代表の第3GKとして狩り出されたため、その試合はパウ(トッテナム)がゴールを守ることに。だからって、別に彼に罪はないとは思いますが、意表を突かれて、序盤に相手に先制されてしまったところ、22分にはミケル・メリーノ(ドルトムント)が、クロース役を務めたアセンシオ(マドリー)のCKから強烈なヘッドを決めて同点にしてくれます。

▽さらに75分には途中出場したサウールが、これまたラモスを彷彿させるゴールを頭で叩き込み、スペインが勝ち越してくれたから、嬉しかったの何のって。いえ、3点目を決めたデニス・スアレス(バルサ)は、さすがに足で決めていましたけどね。最後は3-1で勝利と、若いスペインにも強さが戻ってきたのには大満足。これなら月曜のイタリアとの親善試合もいい勝負になるかもしれません。うーん、何せ、この夏はスペインがコンフェデレーションズカップに参加しないため、オフシーズンに楽しめる大会が6月16日から30日までポーランドで開催されるU21ユーロ大会しかありませんからね。

▽その後、7月には各クラブのプレシーズンキャンプもだんだん始まって、7月23日にはサンフランシスコでマドリーvsマンチェスター・ユナイテッド、29日にはマイアミでマドリーvsバルサといった、チャンピオンズ・カップ(夏の親善大会)などもあるんですが、それまでをどう過ごすかが私の当面の課題。あ、でもマドリーやアトレティコが6月3日のCL決勝まで行けなかったら、その前もヒマになってしまう可能性もあるし…。となると、まずはスペイン勢がヨーロッパの大会で長く健闘してくるのを祈るのが先でしょうか。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】避けては通れない…

▽「どっちが良かったとは言えないのだけど」そんな風に私が複雑な心境に陥っていたのは金曜日、CL準決勝の抽選会であっさりレアル・マドリーとアトレティコの対戦が決まった時のことでした。いえ、もう残りはたったの4チームですから、たとえここでヨーロッパ・マドリーダービーを免れても、その先でまたお隣さんと戦う可能性はかなり高し。それこそ今年はカーディフで開かれる決勝で3度目の正直とならなかったら、いくらカンテラ(ユース組織)育ちのフェルナンド・トーレスなどは「ウチのクラブは小さい時から、決して後悔しないということを教えてくれる。Nos caemos, nos levantamos y volvemos a buscar otra oportunidad/ノス・カエモス、ノス・レバンタモス・イ・ボルベオス・ア・ブスカル・オトラ・オポルトゥニダッド(転んでも起き上がる、そしてまた次のチャンスを探すんだってね)」と言っていたものの、とてもじゃないけどアトレティコファンは立ち上がれないかも。 ▽だからって、ida(イダ/1stレグ)とvuelta(ブエルタ/2ndレグ)の2試合ある準決勝で当たった方がマシなのかと言えば、そうでもなく、実際、2015年の準々決勝ダービーは、先日、アトレティコが16強対決で倒したレバークーゼンに今はいるチチャリートのゴールが唯一の得点となって敗退。いえ、14年間続いた暗黒の「何をやってもマドリーには勝てない」時代が終わり、ここ近年はリーガやコパ・デル・レイでは破ったこともあるんですけどね。シメオネ監督も「CLに優勝するためにはただ1つの道しかない。Insisitir, insistir, insistir y seguir insistiendo/インシスティール、イ・セギール・インシスティエンドー(強く求めて、求め続ける)」と力説していましたが、最近、更に憂鬱にさせてくれるのは、準決勝だって、PK戦にもつれ込むケースを考えないといけないということ。 ▽ええ、レスター・シティから早朝に戻って来た水曜にはトーレスと一緒にアディダスのイベントに出演。ミニゴールへのPKをカンテラーノの先輩が枠に当てて失敗した後、リベンジどころか、自身は素人少年のGKに止められてしまう有様でありながら、コケなど「No estamos teniendo mucha suerte. Ya entraran/ノー・エスタモス・テニエンドー・ムーチャ・スエルテ。ジャーエントララン(ボクらはあまりツイてないね。そのうち入るさ)」と、まったくわびれる風もありませんでしたしね。一応、「もしマドリーに当たったら、ウチには2回の決勝の経験があるから、勝てなかった原因をよく考えて、できるだけいい方法で立ち向かうよ」とは言ってはいたものの、何かやっぱり、とても大船に乗った気にはなれませんよね。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週のマドリッドの両雄のCL準々決勝2ndレグがどうだったかをお伝えしておかないと。いやあ、その試合があった火曜は午後7時にサンティアゴ・ベルナベウ周辺に集合、チームバスのお迎えをしてくれるようにと、セルヒオ・ラモスがSNSを使って呼びかけたと前日に聞いた時には、1stレグでは1-2と勝って、アウェイゴールも2本もあるというのにちょっと大袈裟じゃないかと思ったものでしたけどね。 ▽結果としてはCL決勝トーナメントでは恒例のfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)を覆いつくす巨大なモザイクと共に、そうやってファンに応援してもらえたのが、効いたっていうのもあったんでしょうか。実際のところ、キックオフ前など、先週の1stレグとは違い、運悪くも近くで裏カードの放送をパソコンで見ている記者もいなかったため、私など、たった1-0のリードでキングパワー・スタジアムに乗り込んだアトレティコが、レスターの青と白の旗で埋め尽くされたスタンドに圧倒されているんじゃないかと、序盤など心ここにあらずだったんですけどね。 ▽朗報はまず、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継から届きました。そう、前半25分、フィリペ・ルイスのクロスをサウルがヘッドで決めて、アトレティコが先制したというから、どんなに安心できたことか。それでようやく、バイエルンがガンガン、攻めてきている目の前のマドリーに意識が行ったんですが、前半はGKケイロル・ナバスがそれ程、脅かされることもなく、マドリーもラモスのシュートがボアテングにライン上でクリアされるなど、両チーム共、無得点で終了。そのまま0-0ならば、試合として面白くはないけど、私がマドリッドに来た頃には毎年3月の16強対決で終わっていた彼らなのに、もう準決勝進出も7年連続になるんだなあと、感慨深く思っていたところ…。 ▽いえいえ、とんでもない!転じて後半は目まぐるしい展開となり、早くも7分にはカセミロがロッベンをエリア内で倒してしまい、バイエルンがPKをゲット。うーん、これが、エースがピッチにいるといないのとの違いでしょうかね。1stレグでは肩の負傷でレバンドフスキがスタンド見学していたため、カルバハルの疑惑のハンドで得たPKをアルトゥーロ・ビダルが蹴り、失敗していたバイエルンでしたが、この日は、アトレティコのPKシーンではついぞ感じたことのない自信をポーランド人の大型ストライカーは放出。難なくボールをネットに収め、バイエルンが1点を挙げます。とはいえ、もちろんこれでもアウェイゴールがあるため、マドリーの勝ち抜けになるんですが、そんなつまらない結果では決して満足しない選手が約1名。 ▽それはクリスチアーノ・ロナウドで、後で当人も「Lo unico que pido al Bernabeu es que no me silbe/ロ・ウニコ・ケ・ピド・アル・ベルナベウ・エス・ケ・ノー・メ・シルベ(ただ1つ、ベルナベウのファンに頼むのはボクをブーイングしないでくれということ)。自分は全ての試合で常に最高のパフォーマンスを見せようとしている」と言っていましたが、パスなどでミスした折にスタンドからpito(ピト/ブーイング)が数回、聞こえてきたことがよっぽど、気に入らなったんでしょうね。バイエルンはリベリをドグラス・コスタに代え、古巣のサポーターからのオベーションを味わう間もなく、シャビ・アロンソも急ぎ足でミュラーと交代、勝利へのあと1点を求めて総攻撃体制に入っていた30分、カセミロのクロスをヘッドで決め、この試合の同点ゴールを挙げてしまったから、場内がどんなに沸いたことか。 ▽ただしこの喜びはあまり長く続きません。というのもその2分後、マドリーのエリア内に入ったボールがミュラーとレバドフスキに当たり、更にラモスに当たってゴールを割ってしまったから、驚いたの何のって!実はリプレーを見ると、この時、レバドフスキがオフサイドの位置にいたため、この1点はスコアボードに挙がるべきじゃなかったんですけどね。今のCLにはVAR(ビデオ審判)が導入されていないため、この2点目で少なくともバイエルンは延長戦に入る権利を獲得。実際、後半ロスタイムにお馴染みのラモスの救世主ヘッドが炸裂することもなく、試合は120分の勝負になったんですが…。 ▽いやあ、その頃の自分は再びラジオに耳を澄ましていて、何せ後半10分にはファンフランが太ももを痛めてルカスに代わり、ポジションチェンジに右往左往しているうちにレスターのバーディが得点。それ以降もハーフで岡崎慎司選手と交代で入ったウジョアを始め、敵が「han metido gente grande para los centros/アン・メティードー・ヘンテ・グランデ・パラ・ロス・セントロス(クロスを生かすために大きな選手を入れてきた)」(コケ)ため、気が気ではなかったんですけどね。ええ、16強対決2ndレグでセビージャが逆転された記憶もありますし、「En la segunda parte ellos han jugado como siempre juegan, al balon largo/エン・ラ・セグンダ・パルテ・エジョス・アン・フガードー・コモ・シエンプレ・フエガン、アル・バロン・ラルゴ(後半、彼らは普段のプレーをしてきた。ロングボールを放り込むというね)」(サウル)状態ではいつ、また失点するかわかったもんじゃありませんって。 ▽おまけに29分には右SBに続いて、左SBのフィリペ・ルイスまで手を踏まれ、指を骨折して交代に。シメオネ監督も「Es central, y lo seguira siendo/エス・セントラル、イ・ロ・セギラ・シエンドー(彼はCB、そしてそうあり続けるだろう)」と言うものの、その日はボランチで空中戦に奮闘していたヒメネスを最終ラインに戻すなど、またCB4人で守っているって、そんなにレスターの攻勢は激しかった?それでもアトレティコは1-1のまま、規定の時間で終了して、総合スコアでは2-1と、ここ4年で3度目の準決勝進出を確定。お手柄のサウルも「parece que estabamos jugando en casa con el apoyo de nuestra gente/パレセ・ケ・エスタバオス・フガンドー・エン・カサ・コン・エル・アポジョ・デ・ヌエストラ・ヘンテ(ウチのファンの応援で、ボクらはまるでホームでプレーしているみたいだったよ)」と言っていたように、ロンドンから100キロ程離れたレスターまで、1600人の熱いサポーターが遥々応援に行った甲斐はあったようですねね。 ▽その後は私もマドリーの延長戦に集中できるようになったんですが、実は後半38分にビダルが2枚目のイエローカードを出され、そこからバイエルンは10人でプレーしていたんですよ。そこからして、もう結果は見えていましたが、ただ延長前半14分にラモスのパスからロナウドが決めた自身2点目や後半3分のカウンター、マルセロからのボールをもらってのハットトリック達成、CL個人最多の100得点目となったゴールはどちらもオフサイドって、そんな上手い話があっていい?さすがに途中出場したアセンシオがその3分後に独走、敵DFをかわして挙げた4点目は真っ当だったようですけどね。これでは後で、あの温厚なアンチェロッティ監督が「En cuartos de final de la Champions hay que poner arbitros de mas calidad/エン・クアルトス・デ・フィナル・デ・ラ・チャンピオンズ・アイ・ケ・ポネール・アルビトロス・デ・マス・カリダッド(CL準々決勝にはもっと質の高い審判をよこさないといけない)」とカンカンだったのも無理はないかと。 ▽うーん、だからって4-2で試合が終わり、総合スコア6-3でマドリーの突破が決まった後、ビダルとチアゴ・アルカンタラ、レバンドフスキまでが審判控室に抗議に行って、警官が来るまでの騒ぎになったというのもあまり感心しませんけどね。マドリー側に言わせると、「El segundo de ellos tambien esta en fuera de juego/エル・セグンド・デ・エジョス・タンビエン・エスタ・エン・フエラ・デ・フエゴ(彼らの2点目もオフサイドだった)」(ジダン監督)ですし、「Alli les pitaron un penalti que no era/アジー・レス・ピタロン・ウン・ペナルティ・ケ・ノー・エラ(あっちじゃ、ペナルティじゃないのにPKをとられた)」と、1週間前の恨みを忘れていないイスコのような選手もいるため、これはこれで仕方ないんじゃないでしょうか。 ▽そして翌日は、PSG戦に続いて2度目の奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)はさすがに荷が勝ち過ぎましたかね。ユベントスとカンプ・ノウで0-0と引き分けて、総合スコア0-3でバルサの敗退が決定。並行して行われたモナvsドルトムント戦ではムバッペに続き、アトレティコ時代のゴール嗅覚を取り戻したファルカオも得点し、前者が2連勝でベスト4に入りました。ええ、こちらが準決勝のもう1つの対戦ですが…。 ▽なんて話をしているうちに週末が来て、またリーガ戦なんですよ。33節のマドリッド勢の予定は土曜にレガネスがビジャレアルにアウェイで挑んだ後、午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、アトレティコが前節、試合終了間際にレオ・バチストンが挙げたゴールで新弟分を破ったエスパニョールとあいまみえます。うーん、レスター戦の後遺症で、フィリペ・ルイスは手にプロテクターをはめてプレーすればいいだけなんですが、問題は太ももを痛め、全治3週間となってしまったファンフランの代役。何せ、ヒザの靭帯を部分断裂したブルサリコもまだリハビリ中ですしね。 ▽シメオネ監督も心を決めかねていたか、「」tres atras, Savic a la derecha, Koke como lateral, Gimenez.../トレス・アトラス、サビッチ・ア・ラ・デレッチャ、コケ・コモ・ラテラル、ヒメネス(CB3人制とか、サビッチが右とか、コケがSBやるとか、ヒメネスでも)」と、前日記者会見では適当なことを言っていましたけどね。健脚自慢はいいんですが、とうとうレスター戦では今季CLで通算素行距離ダントツ1位に120キロのコケが、2位にはFWなのに111キロも走ったグリースマンが入ってしまうなど、選手たちの疲労も心配ですしね。4位セビージャが金曜にグラナダに勝って、勝ち点で並んできているため、このビジャレアル、ラス・パルマス戦と続く、リーガの3連戦も疎かにはできないとなると、さて。 ▽そして日曜には世界中のサッカーファンが楽しみにしているクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)がやはり、午後8時45分からあるんですが、まだ先が読めないのはこれが3試合の出場停止の2試合目となるはずのネイマールがプレーできるのかどうか。うーん、CL敗退して、コパの決勝は残っていますが、ビッグタイトルを獲るにはリーガに懸けるしかなくなったせいか、バルサの法務部があざとく、金曜午前中のTAD(スポーツ調停法廷)が終わった後、上訴委員会の処分に異議を申し立てる書類を送付。調停員たちが土曜に臨時会合を持つのをイヤがるのを逆手にとって、それが裁かれるまで選手には出場する権利が法的にあると主張しているようですが、そんな無茶苦茶な話、あっていい? ▽まさに藁にもすがる気分なんでしょうが、2nレグでは一矢も報えずユーベに敗退した直後だけに、イニエスタでさえ、「De los Clasicos me quedo con el 2-6 o el 5-0/デ・ロス・クラシコス・メ・ケド・コン・エル・ドス・セイス・オ・シンコ・セロ(クラシコでは2-6のか、5-0の試合がいい思い出だね)」と過去の大勝の記憶に慰めを求めないと、元気が出ないようですからね。もちろんピケを始め、メッシやルイス・スアレスは意地を見せるでしょうが、メンタル的には今回、マドリーがかなり優勢なようです。 ▽そのジダン監督のチームでもギリギリまでベンチに入れるかわからないのが、ふくらはぎの軽度の故障が意外と長引いているベイルで、ただこのチーム、ローテーションしても全然、強いですからね。ロナウドも来週のデポルティボ、バレンシア戦、どちらかではCL準決勝を見据えて、お休みをもらうかもしれませんが、ここで2位バルサを叩けば、未消化試合も1つあって、リーガ優勝がかなり近づくこの一戦は欠かす訳にはいきませんって。それでも今季前半のクラシコでは、お馴染み土壇場のラモスのゴールで1-1と引き分けているだけに、油断は禁物。バイエルン戦に続いて、盛り上がること間違いないサンティアゴ・ベルナベウのファンを喜ばせる好ゲームになってくれるといいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.22 10:15 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】一番簡単に点が取れる方法なのに…

▽「PK戦は考えちゃいけないわよね」そんな風に私が納得していたのは月曜。夕方にキングパワー・スタジアムであったシメオネ監督の記者会見の一節を読んだ時のことでした。いやあ、質問は単純に「2ndレグがアウェイなのは不利なのか、得なのか」といったものだったようなんですけどね。それに対して彼は「en caso de empate cuenta con 30 minutos más para marcar un gol que vale doble/エン・カソ・デ・エンパテ・クエンタ・コン・トレインタ・ミヌートス・マス・パラ・マルカル・ウン・ゴル・ケ・バレ・ドブレ(引き分けになった場合、倍の価値のあるゴールをマークする延長の30分間がある)。こういう拮抗した対戦でそれは大きいとUEFAの人は言っている」と返答。 ▽要は90分で1-0とレスターに1stレグと同じスコアで負けて延長戦に入り、更に2点目を取られても、アトレティコは1点を取れば勝ち抜けられるということでしょうが、もしもその30分が0-0だったら、勝負は恐怖のPK戦に突入。何せここ近年、16強対決ではレバークーゼンやPSVにそれで勝ってきた彼らでしたが、一番大事だった昨季のミラノでのCL決勝では最後にファンフランが失敗して、リスボンに続いて、トロフィーをお隣さんに持ち帰られていますからね。その上、今季のPKにおける惨状を目の当たりにしていては、私が延長戦なんてダメ、PK戦なんてもってのほかという気分になってしまうのも仕方なかった? ▽まあ、その辺はまた後でお話しするとして、マドリッドの両雄が、どちらも火曜にCL準々決勝2ndレグを控えている中、土曜のリーガ戦はどうだったかというと。先にキックオフとなったレアル・マドリーでまず、驚かされたのはあまりにも徹底した先発ローテーションぶりで、いえ、CL準々決勝の谷間の試合ということで、ベイルのみ負傷ですが、クリスチアーノ・ロナウドもベンゼマもマドリッドでお留守番と、BBCメンバーが1人も招集リストにいなかった時点から、思い切ったことするなあという感じはあったんですけどね。 ▽エル・モリロン(スポルティングのホーム)のピッチに立つスタメンが近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)のTV画面に紹介された時には、後ろにいたお客さんからも「Vaya, sale Coentrao!/バジャ、サレ・コエントラン(おいおい、コエントランが出るのか)」と呆気に取られたような声が聞こえていましたが、まさか、キャプテンのセルヒオ・ラモス以外、中盤の3人も含めて全員suplente(スプレンテ/控え選手)でスタートするなんて、もしやこれって2部Bのチームと当たるコパ・デル・レイ最初のラウンドの1stレグだった? ▽おそらくそれには相手のスポルティングも、たとえ自分たちが降格圏に長らく沈んでいる身分であっても、ちょっとモヤッとしたんでしょうね。地元のサポーターの大声援の後押しも受けて13分、ビガスの浮き球パスにチョップが早々と反応。vaselina(バセリーナ/ループシュート)で見事に先制点を決めてしまったから、意表を突かれたの何のって。でもねえ、マドリーは普通のチームと違って、セカンドバージョンでも才能溢れる選手ばかりなんですよ。そのわずか3分後、イスコが敵DFの密集したエリア内を自力ですり抜け、同点ゴールを撃ち込んでくれたため、前半は1-1と、キックオフ時と同じ状態でハーフタイムを迎えることに。 ▽ところが後半開始直後、マドリーは今季、ありがちな過ちを犯してしまいます。それは後でジダン監督も「Es un despiste, porque nos hemos quedado hablando/エス・ウン・デスピステ、ポルケ・ノス・エモス・ケダードー・アブランドー(うっかりミス。ウチは話し続けていたから)」と認めていたように、スポルティングのFKのチャンスの時に発生。ヴァバンが頭で繋いだボールをビガスに山なりのヘッドでネットに送られ、GKカシージャをまたしても破られてしまったから、たまったもんじゃありません。それでも58分にはダニーロのクロスをモラタがこちらもヘッドで決め、またしても追いついたマドリーでしたが、そこからなかなか勝ち越し点が奪えず。 ▽何せ、いつもなら窮地に応援に赴くメンツが最初からピッチにいたため、その日の控えFWはカンテラーノ(RMカスティージャ出身の選手)のマリアーノしかいませんでしたからね。私も先行きが気になったんですが、その頃にはもうビセンテ・カルデロンに向かわないといけない時間になっていたため、バルを出て、メトロ(地下鉄)へ。途中、スコアは動かないまま、残すところ数分、ピラミデスの駅を出て、ラジオを急いでつけてみると、折しもCKからラモスのヘッドは枠を捉えられずとの報が。これはいよいよ引き分けかなと覚悟したところ…。 ▽ラモスだけじゃないんですよ、土壇場のゴールを決められるのは! それは再びイスコで、今度はペナルティエリア手前からシュート。地面を真っ直ぐ転がったボールがゴール右隅決まり、マドリーの3点目になったというんですから、本当に最後の最後まで油断のならないチームじゃないですか。うーん、こんな選手が控え扱いで、BBCに何か理由がある時にしか先発できないというのは、まさに贅沢の極み。羨んでしまう向きも多いかと思いますが、ちなみに彼が決勝ゴールを挙げた後、見せていた親指と人差し指、小指を立てて、両手をヒラヒラさせたポーズは前日の夜、アウェイ時のファンサービスとして、チームが滞在するNHヒホン・ホテルでのサイン会で、両親に連れられたろう者の少女に応対した際、教わった手話。「Te quiero/テ・キエロ(君が好き)」の意味だとか。 ▽試合でゴールを挙げたら、その仕草をする約束をしたそうですが、自身1点目の時にはしないで、2点目でやったっていうのはもしや、最初から2ゴール入れる自信があったから? まあ、その辺の事情はわかりませんが、当人はこのところ、契約延長交渉がなかなか進まないため、引きも切らない移籍の噂に対して、「Hay muchos bocazas por ahí, yo hablo en el campo/アイ・ムーチョス・ボカサス・ポル・アイー、ジョ・アブロ・エン・エル・カンポ(その辺にはイロイロ言う人が沢山、いるけど、ボクはピッチで喋るよ)」とのこと。マドリーに残りたい意志は強いようですが、それだと彼のプレーを見る機会が限られてしまうのは残念ですよね。 ▽そんなマドリーの劇的勝利があったため、カルデロンに入るまで、私もつい忘れていたんですが、実はアトレティコも珍しく、シメオネ監督が大幅なローテーションを決行。いやあ、コケが出場停止、ガビが休養でベンチ入りしていなかったのは知っていたんですけどね。最初にオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況担当から、「グリーズマン、サウール、サビッチもベンチスタート。ボランチはヒメネスとトーマスです」と聞いた時には、あまりの大胆さに頭がクラクラしてしまったぐらいだったんですが、幸いそれは杞憂に終わります。ええ、何より30分、カラスコがエリア外から放ったシュートが先制点となったのが、元々、どこか諦め気味だった相手の最下位オサスナの抵抗力を完全に砕いてくれたから。 ▽おかげで守備の方ではほとんど苦労もせず、49分にはガイタンのクロスをカラスコが今度はヘッドで決めてくれて、リードは2点に。更に61分にもコレアからラストパスをもらったフィリペ・ルイスがリーガここ4試合で3点目となるゴールを入れ、とうとう3-0になってくれたとなれば、その日はクラブが“El Dia del Nino/エル・ディア・デル・ニーニョ(子供の日)”と銘打って、スタジアム近隣に設置した数々のアクティビティを午前中から満喫。ちょっとお疲れモードで試合にやって来た親子連れだって、元気を取り戻しますって。 ▽え、用心深いシメオネ監督は2点では心細く、3点目が入る寸前にはあろうことか、エースを投入するつもりだったんだろうって? その通りで、丁度、支度を整えて待っていたグリーズマンとフィリペ・ルイスが2人でNBAプレーオフ開催にちなみ、ヒューストン・ロケッツのジェームズ・ハーデンのパフォーマンスを真似するなんてシーンもゴールの後には見られましたが、さすがにこのリードなら、もう大丈夫だと踏んだんでしょうね。そのままグリーズマンはベンチに戻り、70分にはフェルナンド・トーレスを昨年11月以来となる、負傷明けのチアゴに交代。ただ、場内が温かい拍手に沸いた後にガイタンを、マドリーダービーでは寸前のところで今季のリーガデビューをし損ねたチェルチに代えていたのにはちょっとビックリさせられたかと。 ▽うーん、あとでシメオネ監督は「Está trabajando muy bien/エスタ・トラバハンドー・ムイ・ビエン(彼はとてもよく練習している)」と本来なら、冬の移籍市場でチームを出るはずだったため、ずっと員数外扱いされていたチェルチの起用を説明していましたけどね。やはり、お隣のコエントラン同様、アトレティコファンも彼のことは笑いのネタと捉えているようで、妙な大喝采を浴びていたのはちょっと気の毒だったかも。そんな余裕の温情交代策もあったため、そのまま試合は無事に終わるかと思いきや、そうはいかないのがアトレティコ。88分にはコレアがGKシリグに倒されて、90分にはトーマスのパスがエリア内でミゲール・デ・ラス・クエバスの手に当たって、別に必要もないのに2回もPKを与えられたんですが…。 ▽スコアは5-0にはならなかったんです! というのも、最初のPKはハットトリックを狙ったカラスコが蹴って止められ、2本目は「quería hacer un gol en ese momento, no estaba escuchando nada/ケリア・アセール・ウン・ゴル・エン・エセ・モメントー、ノー・エスタバ・エスクチャンドー・ナーダ(あの時は自分がゴールを入れたかった。何も聞いちゃいなかった)」と、スタンドが「Circi tiralo!/チェルチ・ティラロ(チェルシ、PKを蹴って)」と合唱する中、ヒメネスもそう助言したにも関わらず、トーマスがキッカーを譲らず。やはりシリグに弾かれているんですから、もうどうしたらいいのか。 ▽いえ、先日のCLレスター戦1stレグでPKをようやく決めてくれたグリーズマンはその日、ハーフタイムのアップ中、スポンサーが主催するファンのPK合戦に飛び入り参加。そこでもしっかり決めて、スタジアムDJに「Gol de Antoine Griezmann!/ゴール・デ・アントワーヌ・グリーズマン」と叫ばれていたぐらい、見かけによらず、練習熱心なんですけどね。 ▽試合が3-0で終わって、カラスコの話を聞けば「Puede ser que no entrenemos demasiado los penaltis/プエデ・セル・ケ・ノー・エントレネモス・デマシアドー・ロス・ペナルティス(ボクらは十分にPKを練習していないのかもしれない)。ツキもある」ですし、トーマスに至っては「GKが上手く止めた。Son cosas que pasan en el fútbol/ソン・コーサス・ケ・パサン・エン・エル・フトボル(サッカーでは起きることさ)」ですもの。シメオネ監督は「説明はできない。個人がやることだしね。Pero no es mala suerte/ペロ・ノー・エス・マラ・スエルテ(だが、運が悪いせいではない)」と、これでリーガ戦6連続のPK失敗、今季は13本中8本も失敗していることに対して話していましたが、もうこうなるとホントに超迷惑ですよ。彼らがPKをもらうのって。 ▽こんな調子ですから、この火曜のCL準々決勝2ndレグも心配でしようがないんですが、日曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)のセッションでもPKを練習していたのはグリーズマンとチェルチだけだったとか。おまけにレスターではフートは出場停止になるものの、しばらく負傷していたキャプテンのCBモーガンが復帰できるようで、1stレグより、アトレティコはチャンスを作りにくい可能性も。好材料としては3月のフランス代表戦以来、太もものケガで出場していなかったガメイロと控えGKモヤが招集リストに戻ったことですが、16強対決の2ndレグでうっかり敵のカウンター戦略にはまり、逆転敗退を喫したセビージャの二の舞だけはしないでくださいね。 ▽そして同じ火曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からは、マドリーもサンティアゴ・ベルナベウで2ndレグに挑むんですが、最近は日が長いこともあって、私もお散歩気分でバイエルンのスタジアム練習を見学してきたところ、どうやら肩を痛めていたレバンドフスキは完全復活した模様。懸念のあったボアテングやフンメルスも普通に全体練習に参加していたため、ドイツ語は一切、使わず、質問も答えもほとんどスペイン語だったせいもありますが、ジャージの色さえ違えば、今もマドリーの監督と言われても全然、違和感のなかったアンチェロッテ監督も結構、remontada(レモンターダ/逆転劇)に自信を持っていた印象がありましたっけ。 ▽いえ、もちろん先週、1-2で負けた彼らは0-2以上のスコアを挙げないと、準決勝に進むことはできないんですけどね。アンチェロッテ監督も「el Madrid marca todos los partidos pero también encaja en casi todos los partidos/エル・マドリッド・マルカ・トードス・ロス・パルティードス・ペロ・タンビエン・エンカハ・エン・カシー・トードス・ロス・パルティードス(マドリーは全ての試合で得点するが、同時にほとんど全ての試合で失点する)」と、ここ公式戦54試合連続得点しているジダン監督のチームに皮肉を言うことも忘れていませんでしたしね。 ▽ドイツ語でも英語でも流暢に応対するシャビ・アロンソと一緒に記者会見に出ていたキャプテンのラームも、未だに2012年の準決勝でPK戦にもつれ込み、最後はセルヒオ・ラモスが天高く撃ち上げてくれたおかげで、勝ち抜けた対戦をベルナベウでのいい思い出として話していましたが、いやあ、やっぱりマドリーの試合でもPK戦なんて、ドキドキするからイヤですって。ちなみに午前中にバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で会見したジダン監督は欠場するベイルの代役を訊かれても、「Lo tengo decidido pero no lo voy a decir/ロ・テンゴ・デシディードー・ペロ・ノー・ロ・ボイ・ア・デシール(決めてあるけど、言わないよ)」と、イスコが先発するかどうかは明言せず。まあ、アセンシオやハメス・ロドリゲスというカードもありますし、何はともあれ、まずは週末にゆっくり休養が取れたクリスチアーノ・ロナウドやベンゼマが頑張ってくれることが先決ですかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.18 12:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】決着は来週までお預けに…

「余裕があるチームはいいわね」そんな風に私が羨ましがっていたのは金曜。CL準々決勝の合間にあるスポルティング戦に向けた、レアル・マドリーの招集リストを見た時のことでした。いやあ、午前中にジダン監督の記者会見があったため、水曜のバイエルン戦1stレグでふくらはぎをケガしたベイルが出られないことはわかっていたんですけどね。蓋を開けてみれば、出場停止のカルバハルや負傷中のヴァランやペペは仕方ないものの、クリスティアーノ・ロナウドもベンゼマも、GKケイルロ・ナバスまでがマドリッドでお留守番。こんな思い切った真似、消化試合が1つ少ない状態でバルサと勝ち点差3をつけている首位でなければできないのでは? いえ、同じくレスターとのCL準々決勝2ndレグを来週、火曜に控えるアトレティコの場合、お隣さんとは正反対で守備陣は控えGKモジャ以外、皆健康で頭数は揃っているんですが、負傷者多発でボランチから上はここ3試合、選びようのない状態に。ようやくガイタンが水曜の試合でベンチに戻って来たため、メンバー表から馴染みのないカンテラーノ(アトレティコBの選手)の名前こそ一時、消えたものの、この土曜のオサスナ戦ではコケが累積警告になるという逆境も。 ガメイロの復帰がまだとなると、FW陣もグリーズマンとフェルナンド・トーレスが先発すれば、リフレッシュ要員はコレアしかいない今、シェイクスピア新監督下でのプレミアリーグ5連勝で降格圏から遠く離れることに成功。かといって、現在の11位では来季のヨーロッパリーグ出場圏を目指すのも非現実的なレスターが土曜のクリスタル・パレス戦で再び、大ローテーションをかけるのを横目に、アトレティコは同じメンツで乗り切るしかないって、何だか不公平じゃない?うーん、彼らには前節のマドリッド・ダービーで引き分けてしまったため、4位セビージャとの差が勝ち点1に縮小。CLグループリーグ直接出場権をもらえる3位を死守しないといけないという火急の事情もありますしね。 ただ、ビセンテ・カルデロンでの試合後、リーグ前節のエバートン戦でも主力5人をローテーションしていながら、「チームは疲れているようだった」とレスターの岡崎慎司選手が言っていたのは対照的に、その日も相手より合計7キロメートル多く走ったアトレティコの選手たちは体力だけはまだ余裕があったよう。それでも今季の彼らのCL1試合平均より6キロ程少なかったため、帰宅前にはフィジカルコーチに命じられて、ロッカールームで自転車漕ぎをさせられていましたしね。ミュンヘンでマドリーの救世主となったロナウドも「He hecho un cambio radical en los entrenamientos para llegar a tope al final de temporada/エ・エッチョー・ウン・カンビオ・ラディカル・エン・ロス・エントレナミエントス・パラ・ジェガール・ア・トペ・アル・フィナル・デ・テンポラーダ(シーズン終盤にトップコンディションになるため、練習方法を大きく変えた)。ここ数年は限界が来て、ケガとかもしていたからね」と言っていましたし、やっぱり体力があるというのは何物にも代えがたいことかと。 まあ、そんなことを再確認させられることになった今週のCL戦の様子をお伝えしていくことにすると、バルサがトリノでユベトス相手に3-0負けと、16強対決のPSG戦に続いて、2ndレグで奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を目指すことが決まった翌日の水曜、マドリーとアトレティコはそれぞれミュンヘンとマドリッドで同じ時間にプレー。もちろん私はビセンテ・カルデロンに行ったんですが、キックオフ前にはバックススタンドを埋め尽くすモザイクでアトレティ、垂れ幕で「Nada mas que tu/ナーダ・マス・ケ・トゥ(君以外にはいない)」という、熱いメッセージを送ったファンたちもお隣さんの様子は気になっていたよう。ええ、開始4分でコケのエリア外からのシュートがゴールポストを直撃して以来、ずっと攻め続けながら、なかなか得点が入らなかったじれったさもあったんでしょうが、25分、最初に大歓声が場内が沸いたのは、アルトゥーロ・ビダルがヘッドでバイエルンの先制点を挙げた時でしたっけ。 それが呼び水になったんでしょうかね。折も折、私が隣に座った記者がパソコンで見ていた数分遅れの中継画像で、ビダルのゴールシーンを確認している時のことでした。ふっと視線をピッチに戻すと、グリーズマンがボールを持って敵陣を全力疾走。エリアに入るか入らないかの辺りでオルブライトンに倒されてしまったから、驚いたの何のって。いえ、後でシェイクスピア監督も「あれはエリア外だった」と言っていたように、すんなりPKをもらえたのも意外でしたけどね。まさか、4度連続してPKを失敗し、ここ数回はキッカーをしていなかったグリーズマンが密かに特訓。その成果を3月のフランス代表W杯予選、ルクセンブルク戦に続いて披露してくれたとなれば、スタンドの盛り上がりが最高潮に達したのも無理はありませんって。 前半はそれ以降、チャンスもなかったため、リベリのシュートを胸に当てたカルバハルがハンドと判定され、PKを蹴ることになったビダルが失敗に終わったせいでの溜息に包まれて、試合はハーフタイムに入ったんですが、ここで岡崎選手はアンディ・キングと交代。「ウチはボランチから後ろの押し上げができなかったから、中盤を1枚増やすため、自分が45分で交代になった」そうですが、だからといってレスターが最後まで優勢になることはなかったような。ただアトレティコも、トーレスが絶好のシュートチャンスに足を滑らせてしまったり、カラスコと代わったコレアも枠を捉えられなかったりと、追加点を挙げることはできません。 いえ、後でコケなどは「Nos vamos contentos porque el 1-0 lo firmábamos/ノス・バモス・コンテントス・ポルケ・エル・ウノ・セロ・ロ・フィルマバモス(ボクらは満足だよ。だって1-0でも良かったんだから)」と負け惜しみを言っていましたけどね。「アトレティコはウチが引いていると後半、困っていた感じもあった」(岡崎選手)なんて意見も聞かれたため、ボールを持ち過ぎると、何をしていいかわからなくなるという欠点はまだ直ってないのかと。ちなみに岡崎選手は「リーガのチームはプレミアと違って、サッカーが上手い。ボールの出し入れとか、ワンタッチパスとかの差があるね。あっちだったら、引いてもやられることはないんだけど」とアトレティコを褒めてくれていましたが、何せ16強対決では2-1と先勝したセビージャがキングパワー・スタジアムの2ndレグで2-0、逆転敗退した例がありますからね。 もちろん、彼らはサンパオリ監督のチームと違い、アウェイゴールを許すこともなく、与えられたPKもちゃんと決めて勝ちましたし、「nosotros somos el Atlético de Madrid, sabemos a lo que jugamos y lo que tenemos que hacer/モソトロス・ソモス・アル・アトレティコ・デ・マドリッド、サベモス・ア・ロ・ケ・フガモス・イ・ロ・ケ・テネモス・ケ・アセル(ボクらはアトレティコ。何を懸けて戦っているかも、やらなければならないこともわかっている)」(コケ)と、勝ち抜ける自信はあるみたいですけどね。私事で恐縮ではありますが、来週の火曜はサンティアゴ・ベルナベウでバイエルン戦を見ながら、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の2元中継で展開を追うことになる自分としては、もっと安心できるスコアの方が有難かったかと。 え、そうは言ってもマドリーだって、1stレグに大勝した訳じゃないんだろうって?その通りで、後半は2分にカルバハルのクロスをロナウドが決めて同点にすると、15分にはハビ・マルティネスが2枚目のイエローカードをもらって退場。相手が10人になったおかげで、そこから俄然、優勢になった彼らは32分、ベイルと交代したアセンシオのラストパスを再びロナウドが押し込んで、とうとう逆転に成功します!いえ、他にも惜しいシュートは何本かあったんですけどね。GKノイアーにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を連発されてしまい、ロスタイムにFKからセルヒオ・ラモスが入れたゴールも「Me han pitado fuera de juego por milésimas/メ・アン・ピタードー・フエラ・デ・フエゴ・ポル・ミレシマス(数ミリのオフサイドを取られてしまった)」(ラモス)というのは少々、誇張ですが、スコアには上がらず。最後は1-2という最少得点差での勝利に。 それでも彼らは2ndレグがホームだけに圧倒的に有利ですからね。その上、肩を痛めていたレヴァンドフスキがプレーしなかったおかげもあって、出場停止目前だったラモスがイエローカードをもらわずに済んだというのは大きかったかと。そうそう、殊勲の2ゴールを挙げたロナウドはこれで、初のUEFA主催大会で100得点を記録した選手になったんですが、ジダン監督に言わせると、当人は「Estaba contento, pero no contento porque ha tenido el tercero también/エスタバ・コンテント、ペロー・ノー・コンテントー・ポルケ・ア・テイードー・エル・テルセーロ・タンビエン(満足していたけど、3点目も決められたかもしれなかったから、満足していないところもある)」そう。それだけにベルナベウでの2ndレグでもdoblete(ドブレテ/2得点のこと)を目指しているとなれば、マドリーファンは大船に乗った気でいていい? おまけに最初に言ったように、この土曜、午後4時15分(日本時間翌午前11時15分)からのスポルティング・ヒホン戦には出ずに、自宅で英気を養いますからね。最近、5キロの減量に成功して、プレーに磨きがかかっているベンゼマと一緒にバイエルン戦には体力十分で挑めるとなれば、鬼に金棒とはまさにこのこと。実際、今では「Ya no sé ni en qué posición juega./ジャー・ノ・セ・ニ・エン・ケ・ポシシオン・フエガ(もうどこのポジションでプレーしているかもわからない…)。どこの場所でも守って、CFのようにゴールを決め、MFのようにアシストする」(シメオネ監督)とまで言われている、アトレティコのエースとはそれこそ雲泥の差じゃないですか。 その結果、エル・モリロン(スポルティングのホーム)では、モラタやイスコ、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ハメス・ロドリゲスらが先発のチャンスを得ることになりますが、Bバージョンのマドリーでも普通に強いですからね。それでも、さすがに降格圏にいる相手には荷が重いとはいえ、何が起こるかわからないのがサッカーのいいところ。同日、最後の試合でレアル・ソシエダをカンプ・ノウに迎えるバルサも、マラガ戦で退場したネイマールは次のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)を含む3試合の出場停止処分を受けていますが、勝敗の如何によっては、一気にモチベーションが上がるかもしれませんね。 一方、その次の時間帯、午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からオサスナに挑むアトレティコは金曜の夕方練習の後に1つだけ朗報が。それは昨年の12月のビジャレアル戦以来、ずっと負傷で休んでいたチアゴが招集リストに復帰したことですが、それと交代でキャプテンのガビが休養って、とうとうシメオネ監督もローテーションを実施するつもり?いやあ、確かにオサスナはダントツの最下位ですが、前節はレガネスを破って少々、運気が変ったようですからねえ。こんなところでうっかり火傷をしないよう、私も祈るしかありません。 そしてそのオサスナに負けて、ショックを受けている新弟分、レガネスは日曜にエスパニョールをブタルケに迎えるんですが、今も降格圏とは勝ち点差5あるものの、ここ5試合白星なしと、なかなか残留確定ラインに近づけず。あと残りは7試合、ちょっと気合を入れていかないと、昨季のラージョやヘタフェのように最終節まで、ファンをドキドキハラハラさせる破目になりかねない?ちなみに今季は2部でプレーしているマドリッドのチームで昇格に最も近いのは現在、6位のヘタフェ。ただこれも今は柴崎岳選手のいるテネリフェが占めている3位から6位までの4チームでのプレーオフという試練があるため、リーガ1部の試合がマドリッドの近場で沢山、見られるという利点を保つ意味でも、ここはどうしてもレガネスに頑張ってもらわないといけないですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.15 19:28 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】長所が戻ってきた…

▽「要はまた同じメンツなのね」そんな風に私が首を振っていたのは月曜。マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で午前中に行われたアトレティコのトレーニングには、ガメイロもガイタンも姿が見えなかったというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、もうこの状態は先月の代表戦週間が明けて以来、変わっていなくて、水曜のCL準々決勝レスター戦1stレグでスタメンがリピートするのも3試合目。別に彼らには体力もあるため、それはいいんですが、とにかくシーズンも今が正念場。コパ・デル・レイの初期ラウンドでもないため、ベンチ入り18人の枠を満たすため、回り持ちで呼んでいるカンテラーノ(アトレティコBの選手)のFWやMFをおいそれと入れる訳にもいきません。結果、点が欲しい展開で投入できるのがコレア以外いないというのにはちょっと、心細い気がしてしまうのは決して私だけではなかったかと。 ▽え、それでも先週末のマドリーダービー、アトレティコは何とかこのメンバーで乗り切ることができたじゃないかって? そうですね、前回、午後4時15分からのサンティアゴ・ベルナベウでのアラベス戦で、正面から西日を1時間以上浴びたのに懲りた私がしっかり、UVカット帽子持参で挑んだ土曜。アップ中には数日前に近所の駐車場で7万ユーロ(約800万円)相当の腕時計を盗られたコケに、「Koke, ?que hora es?/コケ、ケ・オラ・エス(今、何時だ?)」なんてカンティコ(節のついたシュプレヒコール)がレアル・マドリーファンから飛んでいたなんて、心痛むこともあったんですけどね。fondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)を大きく覆った「El trono es nuestro/エル・トローノ・エス・ヌエストロ(王座は我々のもの)」という、含蓄のある垂れ幕にも臆せず、彼らはお隣さんに立ち向かったんですが…。 ▽うーん、前半はどちらも用心していたんでしょうかね。散発的なチャンスがあるだけで、時間が経つにつれ、両者共にパスミスが激増。いえ、アトレティコの場合は元々、そんなシーンはお馴染みですし、その日は「Estuvimos imprecisos, pero no es facil el ritmo al que se juega/エストゥビモス・インプレシーソス、ペロ・ノー・エス・ファシル・エル・リトモ・アル・ケ・セ・フェガ(ウチは正確性に欠けていたが、あのリズムでプレーするのは簡単ではない)」(シメオネ監督)という理由があったようなので、私も驚きはしませんでしたけどね。30分近くにはGKオブラクがベンゼマのシュートを弾き、さらにそのオブラクも飛び出してしまった後、クリスチアーノ・ロナウドの一撃をサビッチがライン上でヘッドクリアするなど、ドッキリさせられる場面も…。 ▽これには後でオブラクも同じバルカン半島仲間のサビッチにお礼を言っていたそうですが、後半に入ってすぐ、至近距離からベンゼマに撃たれた時には当人が圧巻のparadon(パラドン/スーパーセーブ)を披露。あまりに強い日光に当たっていたこともあって、私も目の前がクラクラしてしまった程でしたが、どうやらこれは相手を前半無得点に抑えたのをいいことに、アトレティコがハーフタイム後のピッチに「Hemos salido como dormidos/エモス・サリードー・コモ・ドルミードス(ボクらは眠っているかのように出て行った)」(グリーズマン)せいだったよう。当然、そのツケは回ってきて、今度は52分、クロースのFKからペペにヘッドを決められ、マドリーに先制されてしまったから、さあ大変! ▽いやあ、この時、すがすがしいぐらいペペがノーマークだったのは、未だに2回のCL決勝のトラウマを抱えるアトレティコの選手たちが、セルヒオ・ラモスばかりに目が行ってしまったせいだと思いたいんですけどね。加えて、滅多にないチャンスでは59分、フェルナンド・トーレスが1対1になりながら、GKケイロル・ナバスに向けてシュート。そしてその2分後にサウールの代わりに入ったコレアがアトレティコ最初で最後の弾丸だったとなれば、この先一体、何を期待したらいい? いえ、マドリー側にもクロースがボールをクリアしようとした際、同僚にヒザ蹴りを喰らわせ、鋤骨を2本骨折したペペがナチョに代わるというアクシデントはあったんですけどね。 ▽それでもグリーズマン、会心のchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)もナバスに弾かれ、75分を過ぎてもゴールが入らず、その上、シメオネ監督は「Era instinto de lo que necesitabamos/エラ・インスティントー・デ・ロ・ケ・ネセシタバモス(ウチが必要としているものを直観した)」とトーレスを下げ、ボランチのトーマスを投入。不可解なFW削減策に出ただけでなく、お隣さんと違って、アトレティコのDNAには根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)は刷り込まれていませんからねえ。終盤、最後の交代を今季、移籍先が決まらず仕方なく残留。リーガでまだ1度もプレーしていないチェルチがピッチ際で待っているのを見た暁には、私もほとんど絶望していたんですが…あったんですよ! 彼らにも自慢できるものが! ▽え、それはシメオネ監督も「いい選手である以上に働いて、走って、エリア内にも入り込む。才能のある選手が献身的にプレーするのを見るのは喜びが倍増する」と褒めていたグリーズマンのことだろうって? うーん、そうでもありますが、いよいよ85分、コレアのスルーパスが通って、彼が3度目の正直でナバスを破り、先日は下に着たTシャツに彼女のエリカさんへの誕生日祝いメッセージを書いて披露、後付で罰金を喰らったせいで頭を絞り、今度は娘のミアちゃんの1歳のバースデーのお祝いをテープに書いて足首に装着。念願通り、TVカメラにアップしてもらえたのは、1にも2にもアトレティコの選手たちが「Fisicamente hemos acabado mejor que el Madrid/フィシカメンテ・エモス・アカバードー・メホール・ケ・エル・マドリッド(フィジカル的にウチはマドリーを上回って終わった)」(グリーズマン)おかげ。 ▽いえ、ジダン監督は「No creo que nos haya faltado algo fisicamente/ノー・クレオ・ケ・ノス・アジャ・ファルタードー・アルゴ・フィシカメンテ(ウチが体力的に何か欠けていたとは思わない)」と否定していましたけどね。実際、カゼミロなども「Ellos han presionado mas en esa fase/エジョス・アン・プレシオナードー・マス・エン・エサ・ファセ(その時間、彼らはますますプレスをかけてきていた)」と証言していますし、キャプテンのラモスも「el partido en cinco minutos por no achicar y por dejar tantos espacios/エル・パルティードー・エン・シンコ・ミヌートス・ポル・ノー・アチカル・イ・ポル・デハール・タントス・エスパシオス(試合残り5分で敵に詰めないで、あんなにスペースを与えてしまった)せいで勝利を逃がした」と言っていましたからね。 ▽それも疲労があったからだとしたら、納得いくんですが…。残念ながら、この試合は4年前にアトレティコが延長でマドリーを下したコパ・デル・レイ決勝にあらず。ええ、もちろんアディショナルタイムで終わりというのはわかっていたため、記者会見では「ウチは勝利に近かった」と言っていたシメオネ監督もスコアが同点になった途端、チェルチのリーガデビューを撤回、CBヒメネスをボランチとして投入して、勝ち点1を守り抜きましたが、いやあ、本来なら土壇場に得点するのはマドリーの十八番ですからね。その後の短い時間に再び勝ち越されなくて本当に良かったですし、2014年にリーガを制した時の古き良き長所は、次回のCL決勝の時にでも発揮されてほしいですね(最終結果1-1)。 ▽ただ、その日はマドリーにもツキはあったんですよ。というのもサンティアゴ・ベルナベウを出た私は柴崎岳選手のいるテネリフェが来ると言うので、久々にエスタディオ・デ・バイェカスを訪問。開始3分でアマトに速攻で先制された、今季から2部で戦っているラージョが23分にはエンバルバのゴールで同点に。柴崎選手は残り10分程。試合はダービーと同じスコアで決着と、何とか今節も降格圏外で終わることになったのはまあ、嬉しいんですけどね。同じ時間にプレーしていたバルサが、こちらはマドリーが古巣のミチェル新監督が指揮するマラガに2-0で負けたという報をラジオで知って、驚いたの何のって。 ▽おかげで順位を逆転されるどころか、2位との差を勝ち点3に広げられたとなれば、ダービー引き分けの痛みも少しは和らぐというもの? 実際のところ、マドリーには未消化のセルタ戦も残っていますしね。丁度、私が移動中の試合でセビージャがデポルティボに4-2と勝利、4位との差を勝ち点1に縮められてしまったアトレティコの方がまた、来季のCLグループリーグ直接出場権死守を懸けて、この先大変な思いをしそうですが、さて。実際、今週末、彼らが当たる最下位オサスナにはマドリッドの新弟分、レガネスが日曜に2-1で競り負けているだけに決して、油断はできませんよね。 ▽え、今はそれより、マドリッドの2強は水曜に差し迫ったCL準々決勝1stレグの準備で大わらわなんだろうって? そうですね、昨季のグループリーグじゃあるまいし、どうして同じ曜日に振り分けてくれるんだと、ちょっとファンとしては噴飯ものなんですが…。バイエルンとのアウェイ戦となるマドリーは火曜にはミュンヘンに移動。こちらはメンバー的にはペペはもちろん、肉離れのヴァランもまだ戻って来ませんが、その他には負傷者がいないため、最初の試合はCBが人手不足になる心配はありません。 ▽そうは言っても、ラモスがあとイエローカード1枚で累積警告なので、ここは要注意。幸い今回は先週末のドルトムント戦で肩を痛めたエース、レバンドフスキや2週間前に手術をしたばかりのGKノイアーの状態が心配な相手の方が悩みも多そうですし、やはりマドリーとしてはその2人が本調子になる来週の2ndレグに攻守で頼りになるラモスが出られるよう、気をつけてプレーするのが最優先? 懸念としては、ダービーであまりいいところを見せられなかったロナウドとベンゼマ、まったく存在感がなかったベイルがアリアンツ・アレナで主砲として名誉挽回してくれるのかといった辺りですが、アンチェロッテ監督のチームはアトレティコとは全然、タイプが違いますからね。いよいよ大物同士の対決とあって、火曜のユベントスvsバルサ戦同様、期待のできるカードなのは間違いないかと。 ▽一方、同じ水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)にレスター・シティをビセンテ・カルデロンに迎えるアトレティコは最初に言った通り、ダービーとまったく同じメンバーで挑むしかないんですが、気になるのは16強対決1stレグでセビージャに負け、ラニエリ監督を解任してシェイクスピア監督に代わって以来、相手はプレミアリーグ5連勝。それでもこの日曜にはエバートンに負けたと聞いたのはいいものの、実は岡崎慎司選手を含む主力5人を温存して、アトレティコ戦に備えていたというのはかなり不気味じゃないですか。 ▽ヴァーディ、スリマニといったFWたちも好調のようですしね。向こうは休みが1日少ない上、CLではあまり馴染みのないチームと侮ったりすると、いよいよセマナ・サンタ(イースター週間)が始まり、月曜にはセビージャ(スペイン南部の街)のバルコニーから、本場のプロセシオン(キリストやマリアの像を立てた神輿が街を練り歩くスペインの習慣)を優雅に見学していたサンパオリ監督のように、シメオネ監督も2週間後にはこの先、ミッドウィークの予定がなくなってしまうという目に遭いかねないかと。一応、私はこちらの方を観戦に行きますが、自分のパソコンで並行カードの中継を見ている記者も多い昨今。マドリーも気になるため、席運に恵まれるといいのですが…。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.11 13:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ツキはいつまで続くのか…

▽「随分、近くにいたのねえ」そんな風に私がビックリしていたのは金曜日、アトレティコのコケがマドリッド市内の地下駐車場で強盗に遭い、7万ユーロ(約800万円)相当の腕時計を奪われたというニュースをお昼のTVで知った時のことでした。いやあ、現場の風景にもしやと調べてみると、その駐車場は私の家から徒歩数分の場所。時刻は午後7時だったそうで、丁度、自分も春めいてきた陽気に浮かれ、ダービーに着て行けるような明るい色の服をやはり、その近くにあるMANGO(スペインのファストファッションブランド)のお店で探していた頃だったんですけどね。別にこの地区は治安の悪いところでなく、というか、近年、マドリッドで選手自宅の空き巣被害の話はたまに聞くものの、ピストルを突きつけられてホールドアップって、もしやコケって、とっても運が悪いんじゃない? ▽いえ、同日には彼のU21時代からのスペイン代表仲間、レアル・マドリーのイスコも友人とテラスで食事中の写真を自身のインスタグラムに載せたところ、テーブルの上にアスルグラナ(青と紫)色のポテトチップの袋が置いてあったことが問題に。慌てて違う写真に代えたて、後の祭りで(http://www.marca.com/futbol/real-madrid/2017/04/07/58e6bde546163f41508b45d8.html)、SNSでの反響は止まらず。結局は削除する破目になったものの、最近の彼は契約を延長するしないで、イロイロ話題となっていましたからね。 ▽おかげでバルサ移籍の噂を混じえて面白おかしくいじられたため、とうとう本人も「Que no me voy al Barça pesados!/ケ・ノー・メ・ボイ・ア・バルサ・ペサードス(ボクはバルサには行かないよ、しつこい奴ら!)」と自身のツイッター(https://twitter.com/isco_alarcon/status/850107273397633026)で逆切れする事件なども発生。その上、「ちなみに自分はそのポテチを味見してもいないよ。友達がボクにゲキを飛ばすために置いたんだ(https://twitter.com/isco_alarcon/status/850108105060954112)」と付け足していましたが、それってやっぱり、健康第一のサッカー選手でありながら、カロリーの高いスナックをバリバリ食べていると思われるのはイヤだったから? ▽まあ、そんなことはともかく、マドリーダービー直前の節だった今週、ミッドウィークのリーガがどうだったかをお話ししておかないと。先に試合があったのはアトレティコの方で、火曜にほんの少し前まで4位争いの手ごわいライバルだったレアル・ソシエダをビセンテ・カルデロンに迎えたんですけどね。序盤のプレーも先週末のマラガ戦より、平日の夜だというのに場内を満員にして応援してくれるサポーターの前ではあまり恥ずかしいことはできないという程度ぐらいにしか、改善はしておらず、ボールはほぼ相手に支配されっぱなし。それでも前半27分、グリースマン、フェルナンド・トーレスとパスが繋がり、最後はフィリペ・ルイスが決めて先制してくれたから、助かったの何のって。 ▽え、ここまで最も多いシーズンでも3得点しかしていないフィリペ・ルイスがマラガ戦に続いてゴールだなんて、珍しいこともあるじゃないかって?そうですね、ただ本当にその1点は貴重で、何せその後、チャンスを迎えたトーレスはゴール左すぐ前からのシュートをポストに当ててしまうし、撃ち直しもサイドネットへ。GKルリと1対1だったカラスコも相手の正面に蹴って追加点にならないんですから、まったく困ったものです。おまけに後半になると、シメオネ監督も次の永遠のライバルとの対戦を考えたんですかね。相変わらず1-0というあやういスコアだったにも関わらず、ソシエダがイエローカードを連発する展開に怖くなったか、26分にはグリースマンをコレアに交代。ベンチに避難させることに。 ▽これでガメイロもガイタンも負傷でいないため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)以外のアタッカーが尽きたアトレティコは36分、トーレスもヒメネスに代え、CBの彼をボランチにして守り倒す体制に入ったんですが、この頃からだったでしょうか。シメオネ監督が激しい身振りで、「Estan dormidos? Alenta, que pareces del Real!/エスタン・ドルミードス?アレンタ、ケ・パレセス・デル・レアル(眠っているのか?まるでマドリーのファンみたいだぞ。応援してくれ)」とスタンドを鼓舞。いやあ、その日は遅いスタートでもう午後11時を回っていましたし、一応、リードしていましたし、ソシエダもエリア外からのシュート程度で「No hemos llegado al area con peligro ni ocasiones/ノー・エモス・ジェガードー・アル・アレア・コン・ペリグロ・ニ・オカシオネス(ウチは危険を伴って敵エリアに入ることもチャンスもなかった)」という状態でしたからね。 ▽何というか、ほとんど攻めていかないチームにどう対応していいか、ファンも考えあぐねていたところもあったと思うんですが、シメオネ監督の指示に忠実なのは選手もファンも同じ。ええ、終盤、数度のCKでコケとカラスコが時間稼ぎするのやら、ヒメネスがミドルシュートを飛ばすのを見守りながら、声の限りカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を大合唱。うーん、ほとんどはダービーに向けて、お隣さんを落とす類いでしたけどね。そうこうするうちにタイムアップとなり、アトレティコは1-0で勝利をゲット。これで翌日のバルサvsセビージャ戦を待つことなく、2節連続の3位を死守することができました! ▽ちなみにミックスゾーンではソシエダ側から、「Termina el partido y ves el equipo visitante cuatro tarjetas amarillas y el local ninguna/テルニマ・エル・パルティードー・イ・ベス・エル・キポ・ビシタンテ・クアトロ・タルヘタス・アマリージャス・イ・エル・ロカル・ニングーナ(試合が終わってみれば、ビジターチームはイエローカード4枚でホームチームはゼロ)。信じられない。ベラへのエリア前でのファールには出なくて、ラウール・ナバスがカラスコを倒したらもらった。おまけにガビなんて、審判に抗議しまくりだったのに」(ジュリ)なんて文句も出ていたんですが、いや、アトレティコも結構、ファールをスルーされていましたからね。そういうこともあるということで、何よりあと1枚で出場停止だったコケとサビッチが難を逃れたのは有難かったかと。 ▽だって、水木金と過ぎてもガメイロもガイタンも回復せず、更にはブルサリコもモヤもアウグストもチアゴもリハビリ中のアトレティコには戦力的にまったく余裕がないんですよ。そうなると、リーガ5連勝で「Llegamos al Bernabeu en un muy buen momento/ジェガモス・アル・ベルナベウ・エン・ウン・ムイ・ブエン・モメントー(とてもいい時期にベルナベウに乗り込める)」(ゴディン)ぐらいは言っても良くても、とても「Llegamos al derbi en un momento inmejorable/ジェガモス・アル・デルビ・エン・ウン・モメントー・インメホラブレ(ウチはこれ以上ない時にダービーを迎える)」(フィリペ・ルイス)なんて、恐れおおいかと。 ▽いえ、中にはグリースマンのように「Me veo favorito, confio en mis companeros y en el entrenador/メ・ベオ・ファボリート、コンフィオ・エン・ミス・コンパニェロス・イ・エン・エル・エントレナドール(ボクらが本命だと思う。チームメートと監督を信頼しているよ)」と強気な選手もいますけどね。サンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦ではここ3連勝中とはいえ、できれば、彼には試合前にPK練習の時間も作ってほしいかと。ここ5試合1失点と、堅固さを取り戻した守備陣にもマラガやソシエダのアタッカーとBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)は格が違うことを今一度、思い出してもらいたいと私が願っていたところ…。 ▽翌日のプチダービーではその誰1人、ブタルケのピッチに現れなかったんですよ!ええ、今季から1部で頑張っているマドリッドの新弟分、レガネスとの試合ではロナウド、ベイルが招集外だっただけでなく、ベンゼマも控え、ご当地出身選手であるカルバハルまで累積警告の瀬戸際にあるということでベンチ見学に。前節のアラベス戦から7人も先発を変えたものの、ジダン監督も後で「Para mi no ha sido una apuesta atrevida, ha sido normal/パラ・ミー・ノー・ア・シードー・ウナ・アプエスタ・アトレビーダ(自分にとっては思い切った賭けではなかった)。ウチは全員いい状態で、多くの選手を変えることができる」と言っていた通り、やはりチーム力に差がありすぎたようです。 ▽実際、マドリーはキックオフから落ち着きのなかったレガネスのミスを利用して、前半15分にはアセンシオが敵陣をドリブルで走破。そのラストパスをハメス・ロドリゲスが決めてあっさり先制すると、その3分後にも今度はハメスのCKをナチョが繋ぎ、モラタの山なりのヘッドが2点目に。更にモラタが22分にコバチッチのアシストで3点目を入れ、早くも勝負はついたかと思われたものの…そこからいきなり、「con el 0-3 nos hemos relajado un poco/コン・エル・セロ・トレス・ノス・エモス・レラハードー・ウン・ポコ(0-3になって、ウチはちょっとリラックスしてしまった)」(ナチョ)はどうにもいただけません。ええ、31分にはディエゴ・リバスが右サイドを抜け出し、ガブリエウにゴール前から1点を返された上、その2分後にはCKからシオバスが繋いだボールをルチアーノに決められ、あっと言う間に1点差になっているんですから、スタンドを埋め尽くした地元サポーターもどんなに喜んだことか。 ▽でもねえ、気合も新たに同点を目指すはずだった後半開始直後、キャプテンのマントバーニがハメスのFKをバレーボールのトスもどきで自陣ゴールに入れてしまっては元も子もありません。いえ、主審はその前でジャンプしたモラタが大きくてよく見えなかったのか、得点者を彼にしていましたけどね。それをいいことにハットトリック達成と、いそいそ試合球を持ち帰り、チームメート全員にサインしてもらっていた当人にモヤッとした気持ちは微塵もなかった?この4点目があまりにショックだったか、エル・ザールもおたふく風邪で休んでいる、その後のレガネスは得点を増やすことができず。 ▽おかげで注目どころになってしまったのが、25分に最初の交代となったハメスが「La concha de tu madre, no me pone un partido completo/ラ・コンチャ・デ・トゥ・マドレ、ノー・メ・ポネ・ウン・パルティードー・コンプレトー(バカ野郎、ボクは試合丸々プレーされてもらえないのか)」と激怒。移動式で簡素な造りのブタルケのベンチの壁を力任せに叩いて、器物破損の罪になりかねなかったことですが、その日、大活躍だったアセンシオも、彼と交代にピッチに入ったイスコも、少ないプレー時間内にできるだけアピールしようと頑張っている仲間同士なんですから、あまり悪目立ちするのもどうかと。 ▽結局、終盤はアシエル・ガリターノ監督もこの日曜の最下位オサスナとの残留を懸けた大一番に備え、主力を温存していましたしね。2-4で試合は終わり、直前にセビージャに3-0と快勝していたバルサに一時、抜かれていた順位も元に戻ったマドリーは満足して家路を辿ることに。ちなみにこちらはレガネス戦でも負傷者が増えることはなく、先週末に今季3度目となる左太ももの負傷で全治3週間となってしまったバラン以外は皆、コンディションに問題なし。ジダン監督も金曜には元気な選手全員をバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習施設内にある宿泊所に合宿させていましたしね。 ▽実際、あれだけレガネス戦で働いたアセンシオレベルでも当日のベンチに入れるのかどうか、定かでない辺り、本当に贅沢なチームなんですが、スポーツ紙などによると、縁起を担いでか、昨年5月CLミラノ決勝で先発したメンバーをリピートするとか。そんな今シーズン後半戦のマドリーダービーは土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)キックオフ。11月はカルデロンで0-3と完敗してしまっただけにアトレティコも今回はリベンジに燃えているはずですが、心配なのは当人は普通の顔で練習していたんですが、あのコケの強盗事件被害のせいで、せっかくこのところ、ツキに恵まれている運気が下がってしまわないかということ。 ▽何せ、どの試合でも守備で気が抜ける時間があるお隣さんでも、ダービーとなると気合が入りますからね。勝ち目があるとすれば、そのぐらいしか思いつかない私も悪いんですが、3位確定まではアトレティコもまだ努力が必要。もちろん勝って、首位との差が勝ち点7になれば、セビージャとの9差を4試合で引っくり返したような棚ボタもあるかもしれないとはいえ…いやいや、2位のバルサも好調ですし、いくら私でもそこまで夢を見てはいませんって。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.08 10:00 Sat
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