【原ゆみこのマドリッド】大事な試合に勝った…2017.03.21 11:25 Tue

twitterfacebookhatenalinegplus
photo
▽「今季絶望じゃなかったんだ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜。セビージャ戦の開始2分でピッチを去ったアトレティコのヴルサリコの診断結果が出て、痛めた左ヒザの前十字靭帯は切れておらず、内側と後ろの部分断裂だったため、3、4週間で戻って来られることがわかった時のことでした。いやあ、最近はファンフランに代わって先発することも増え、デポルティボ戦でフェルナンド・トーレスが頭部を挫傷して意識を失った際にはガビと一緒に適切な緊急措置を実施。おかげで一気に知名度も高まり、最近のホームゲームはとうとうサポーターにカンティコ(節のついたシュプレヒコール)も作ってもらえたのを先日のAS(スポーツ紙)のインタビューで大層、喜んでいた当人だったんですけどね。

▽日曜の試合ではエスクデロと接触した後、負傷して交代を要請。自分の足で歩いてロッカールームへ続く階段を降りて行ったため、そんなに重傷ではないんだろうとその時は私も比較的楽観視。ただ後々、ちょっと昔のことですが、アルゼンチン代表としてスペインとの親善試合に出たマキシ・ロドリゲスがその試合で靭帯を断裂。ところがすぐにはコトの重大さに本人も気づかず、バレンシアだか、アリカンテだかから車でマドリッドに戻った後、ケガが発覚したなんて、信じられない例がアトレティコの選手にはあるのを思い出したため、ヴルサリコも正式な検査が終わるまでちょっとドキドキしていたものの、大丈夫。これなら、4月8日のマドリーダービーと12日のCL準々決勝レスター戦1stレグはきつくても、18日の2ndレグには間に合うってことじゃないですか。

▽加えて今週から、リーガはparon(パロン/休止期間)に入るため、クロアチア代表の先輩、モドリッチや後輩のコバチッチと旧交を温める機会は逸してしまう彼ですが、2週間は試合のことを考えずにリハビリに専念できますからね。もちろんその間、右SB担当がファンフラン1人になってしまうのは、もしもの時に不安ではありますが、アレイクス・ビダルが足首を脱臼し、今季は戻って来られず。おかげでセルジ・ロベルトしか、そのポジションにいなくなってしまい、最近ではSBを置かない3人CB制をもっぱら採用しているバルサを思えば、次のCLの相手がユベントスやバイエルンではなく、レスターだったなんて辺りも含め、最近のアトレティコって結構、ツイているのでは?

▽まあ、私がついつい浮かれてしまうのは先週末のリーガ戦の結果のせいもあるんですが…。とりあえず順を追って話していくと、一足早く、土曜にキックオフしたのはレアル・マドリー。サン・マメスでのアスレティック戦だったんですが、さすが相手は今季、ホームで負けたのがバルサだけとあって、序盤から拮抗した展開に。それでも前半24分にはカゼミロのパスを受けたクリスチアーノ・ロナウドがベンゼマに絶妙のアシストを送り、マドリーは1点をリードしてハーフタイムに入ります。とはいえ、64分にはアスレティクのエース、36歳のアドゥリスのヘッドが炸裂。自分で撃つシュートにはあまり精度がなかったウィリアウスのクロスをラウール・ガルシアが頭で折り返し、ゴール前からGKケイロル・ナバスが破られてしまったから、一時、試合の行方はわからなくなったものの…。

▽やっぱりキッカーにクロースを持つマドリーのセットプレーは最強です。何とその3分後にはCKからロナウドがヘッドで流し、ファーポスト側にフリーでいたカゼミロが決めて再び勝ち越してしまうのですから、楽なもんじゃないですか。うーん、その試合は前日、急性胃腸炎で夜中に病院に駆けつけ、点滴を受けていたせいか、ヘッドは決まらなかったものの、このところゴールを量産していたセルヒオ・ラモスをバルベルデ監督も事前に警戒。「CKの守備時のマークを変えて、ニアポストに2人でなく、3人置いた」ものの、「Cuando hay una peinada generalmente todo el mundo se descoloca/クアンドー・アイ・ウナ・ペイナーダ・ヘネラルメンテテ・トードー・エル・ムンド・セ・デスコロカ(誰かにヘッドされると大概、皆バラバラになってしまう)」って、いや、そこをしっかりケアするのがプロなのでは?

▽まあ、その辺が攻める方も守る方も難しいところなんでしょうが、意外だったのはその後、点差は増えなかったにも関わらず、ジダン監督が15分を残してロナウドをイスコに代えてしまったこと。その理由はまたしても「Al final buscamos mas equilibrio con el 4-4-2/アル・フィナル・ブスカモス・マス・エキリブリオ・コン・エル・クアトロ・クアトロ・ドス(最後は4-4-2のシステムでバランスを求めた)」(ジダン監督)と、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)先発時に露見する守備の欠点を補うためだったようですが、今回選ばれてベンチに戻る時の当人が、「Por que a mi? Fodase!/ポル・ケ・ア・ミー?フォダセ(何でオレが?ファックユー)」と悪態をついていたこともTVの映像で発覚しています。

▽それでもジダン監督は、「En el cambio de Cristiano no pasa nada, el puede salir de vez en cuando/エン・エル・カンビオ・デ・クリスティアーノ・ノー・パサ・ナーダ、エル・プエデ・サリール・デ・ベス・エン・クアンドー(クリスチアーノが交代したからって何も起こらない。彼も時々、代わることがある)」と平然。「試合に勝ったから、満足していた」そうなので、あまり気にしないでもいいかと。ええ、結局、そのまま1-2でアスレティックを下したマドリーはこの2週間、暫定とは言えど、バルサに首位を奪われて過ごす憂鬱から解放された上、残り試合で一番厳しいと言われていたアウェイ戦で取りこぼしせずに済みましたからね。となれば、もう6年ぶりのリーガ優勝までの道筋もかなり見えて来た?

▽一方、他のマドリッド勢は日曜試合となったんですが、正午にミチェル新監督が率いるマラガをブタルケに迎えた新弟分のレガネスはゴールを奪うことができず、スコアレスドローで終了。順位も降格圏ギリギリの17位は変わらず、すぐ下のスポルティングとの勝ち点差5と、まだ危うい状態で、残留確定目安の勝ち点40まで、残り10試合であと14ポイント溜めないといけないのはいささか不安かと。いえ、下のチームとの兼ね合いですから、必ずしもそこまで達しなくてもいいんですけどね。来季には現在、2部でプレーオフ出場圏の6位にいるヘタフェも戻って来て、マドリッド1部4チーム体制が復活するのを望んでいる、私のようなファンもいるため、レガネスもこの2週間を最大限に活用して、リーガ再開後の頑張りを期待したいところです。

▽そしてお昼ご飯を済ました後、私はビセンテ・カルデロンへ向かったんですが、その日がスペインでは“El Dia de Padre/エル・ディア・デ・パドレ(父の日)"だったのと、ここ数日、急に春めいてきた気候のおかげもあったんでしょうかね。後でシメオネ監督も「No parecia un partido de Liga, sino de Champions/ノー・パレシア・ウン・パルティードー・デ・リーガ、シノ・デ・チャンピオンズ(リーガ戦ではなく、CLのようだった)」と驚いていましたが…。いやあ、水曜にあったCL16強対決レバークーゼン戦2ndレグとはスタンドの熱気が雲泥の差。それもそのはず、相手は3位のセビージャで、ええ、今シーズン終了後にお別れOB試合の予定も決まっているスタジアムで8月にCLプレーオフを戦うなんて、間抜けな事態を避けるための“final(フィナル/決勝)"と、誰もが思っていた試合だったから。

▽それがいきなりヴルサリコの負傷でケチがついた時には少々、暗雲が立ち込めなかった訳ではありませんが、やはり向こうに先週、レスターに予想外の逆転負けをして、CL敗退となったショックが残っていたのがラッキーだったんでしょうかね。大した攻撃は受けず、序盤にはガメイロのシュートが枠を直撃するなど、惜しい場面はあったんですが、その日は何とも喜ばしいことに今季、リーガ20チーム中下から2番目に低いセットプレーからの得点率を記録しているアトレティコが往年の特技を思い出してくれたんですよ。そう、35分、エリア前右側でFKをもらったところ、珍しくキッカーをグリーズマンが務めたんですが、いやあ、プライベートでも仲がいいだけにあうんの呼吸なんですかね。見事にゴディンの頭にヒットして、先制点を挙げてくれたから、サポーターもどんなに盛り上がったことか。

▽おまけに60分にもグリーズマンはレアル・ソシエダ時代から、当時の同僚、GKクラウディオ・ブラボ(現マンチャスター・シティ)相手にセッション終了後も居残り特訓していたという直接FKの妙技を披露。これがゴールバーに当たって入り、2点目となってくれたとなれば、毎試合、GKとの1対1で失敗したり、絶好のチャンスで外したりしてしまうことがあるとて、やっぱり凄い才能の持ち主と認めるしかないかと。ええ、これにはサンパオリ監督も「cuando empezamos a controlarlos vino el gol a pelota parada/クアンドー・エンペサモス・ア・コントロラールロス、ビノ・エル・ゴル・ア・ペロータ・パラダ(ウチが試合をコントロールしだした時にセットプレーでゴールを奪われた)。後半も同じだった」と、悔やんでも悔やみきれないようでしたっけ。

▽その直後、シメオネ監督はガメイロと交代でトーレスをピッチに入れ、レバークーゼン戦の時、45分間アップをしながら、出場機会を与えなかったため、世間で取り沙汰された不仲説を払拭。うーん、これで彼が復活ゴールを決めてくれれば、この試合の結末として最高だったんですけどね。71分、カウンターからガイタン、カラスコと繋ぎ、ファンフランがエリア内右奥から撃ったシュートがGKセルヒオ・リコに弾かれた時、無人のゴール前にいたのは現在のチームで最多の4得点、セビージャキラーとして君臨しているコケ。さすがにこの状態で的を外すことはなく、チームの3点目を決めてくれます。

▽結果的にそのゴールで助かったのは85分、トーレスのvaselina(バセリーナ/ループシュート)が失敗したのに気を取られているうちに、セビージャの方のFWコレアが単独でGKオブラクを襲い、名誉の1点を取られてしまったせいで、何せ、シーズン前半戦では1-0で負けているアトレティコですからね。2-1だと、直接対決における得失点差がなくなってしまうところ、3-1であれば、最後に同じ勝ち点で並んだとしても相手を上回れるため、コケの3点目の功績は大きかったと言えましょう。

▽え、それより何より、重要なのは3節前には9ポイントまで開いていた3位との差が2ポイントに縮まったことじゃないかって? その通りで、「素晴らしいシーズンを送って、世間やマスコミから賞賛されているセビージャ相手だけに、el resultado ensalza aun mas el partido que hizo el Atletico/エル・レスルタードー・エンサルサ・アウン・マス・エル・パルティードー・ケ・イソ・アル・アトレティコ(この結果はアトレティコのやった試合を尚更、褒め称えるものになる)」とプレーには満足しつつも、「残り試合数から考えてまだ差は大きい」とシメオネ監督はあくまで慎重でしたけどね。チーム内には状況の急変にしれっと態度を翻す選手もなきにしもあらず。

▽何せ、一番最初に4位死守を口にしていたキャプテンのガビからして、この節、レアル・ソシエダとビジャレアルが負けていたせいもあるんですが、「El cuarto puesto ya queda lejos, ahora vamos a por el tercero/エル・クアルト・プエストー・ジャー・ケダ・レホス、アオラ・バモス・ア・ポル・エル・テルセーロ(4位はもうかなり遠のいた。今は3位を取りにいく)」ですもの。となれば、カンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、コケが「Hemos dado un golpe en la mesa/エモス・ダードー・ウン・ゴルペ・エン・ラ・メサ(ボクらは机をガツンと叩いてやった/衝撃を与えるの意)」と、やたら大きく出ていたのもムリはなかった?

▽いえ、同じ後輩でも「チームのイメージ、一体感は凄く良かったけど、調子に乗っちゃいけない。Hay que pensar partido a partido, no perder la filosofia/アイ・ケ・ペンサル・パルティードー・ア・パルティードー、ノー・ペルデル・ラ・フィロソフィア(1試合1試合と考えて、フィロソフィを忘れてはいけない)」というサウルのように堅実な選手もいるんですけどね。実際、離れたと言っても5位との差は、アトレティコもセビージャとたったの2試合で詰めた5ポイントだけ。この先、後続との直接対決やマドリーダービーだってあるんですから、その時に泣きを見ないよう、選手たちが今の調子をキープしてくれるといいのですが。

▽ただ、今週からは16人招集されているお隣さんと同様、アトレティコも13人が各国代表に出向。バルデベバス(バラハス空港の近く)同様、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でも活動は最小限になってしまうんですが、逆に大賑わいだったのは月曜のラス・ロサスのサッカー協会施設でした。ええ、スペイン代表の合宿が始まり、丁度、前日の父の日が祝日だったための代休で、子供たちに学校がなかったのが良かったんでしょうね。午後6時半からの公開練習ではスタンドに人が鈴なりになっていましたが、トレーニング自体は前日に試合をした選手が過半数だったため、比較的軽いものだったよう。

▽ちなみに今回、マドリーからの参加はラモス、カルバハル、ナチョ、イスコ、モラタの5人で、アトレティコからはコケの1名だけ。いえ、同日、同じ施設で合宿を始めたU21代表の方にはサウールが呼ばれ、再びアセンシオとの友情を深めていますけどね。若い子たちは夏のユーロ大会に向けたデンマークとイタリアの親善試合を2つこなすだけなのに比べ、大人の代表にはこの金曜日、2018年W杯予選のイスラエル戦が入っている分、ちょっと大変でしょうか。

▽その他、A代表で目新しいのはマドリーからソシエダに戻って、復調著しいイジャラメンディが初招集されたことと、これまでU21で活躍していたデウロフェウ(ミラン)の昇格。また、2016年のユーロ以来、ご無沙汰していたペドロ(チェルシー)が戻って来たことですが、何せ総勢25名と、ロペテギ監督のリストはいつも人が多いですからねえ。ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート都市、スポルティングのホーム)での予選と、来週火曜にスタッド・ド・フランスで行われるフランスとの親善試合の2つで全員がプレーできるかは疑問。まあ、スペイン代表の情報はこれから追々伝えていきますが、彼らも同グループで現在、勝ち点が同じイタリアと10月マッチレースが続くため、楽な試合でも決して油断はできませんよね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

コメント

関連ニュース

thumb

【原ゆみこのマドリッド】お祝いは沢山、あった方がいい…

▽「日曜夜のマドリッドは凄いことになるかも」そんな風に私がドキドキしていたのは金曜日、CL決勝の地、キエフに乗り込んだレアル・マドリーの試合後の予定を聞いた時のことでした。いやあ、先週の金曜はアトレティコのヨーロッパリーグ優勝祝賀行事でネプトゥーノの噴水を中心に通りがrojiblanco(ロヒブランコ/赤白のストライプ)に染まったんですが、お隣さんもtrigesimo(トリヘシモ/13回目のCL優勝のこと)を達成した場合、ウクライナから戻るのは5時間程の長旅。よって、恒例のシベレス広場への祝賀パレードやサンティアゴ・ベルナベウでのイベントは日を改めて、日曜午後に開催されるようなんですけどね。 ▽その脇で同じ日曜午後8時30分からはリーガ2部の41節が一斉にスタートし、ここ2試合、コルドバともう1つの2部のマドリッド勢アルコルコンに連敗。月曜にプレーしたウエスカに昇格確定1番乗りこそ、譲ってしまったものの、ラージョもバジェカスでルーゴに勝利するか、3位のスポルティングがグラナダに勝てなければ3年ぶりの1部復帰が決まることに。マドリー、アトレティコ、ヘタフェ、レガネスと肩を並べ、来季は前代未聞のマドリッド1部5チーム体制の幕開けとなれば、こちらでも大量のファンが駆けつける盛大な祝賀イベントが始まるのは容易に想像がついたから。 ▽いえ、同じマドリッド市内とはいえ、ベルナベウは北部、バジェカスは南部とメトロでも結構、離れているため、両チームのファンが混じり合うことはないと思いますけどね。ちょっと気の毒なのは大兄貴分のお祝いと被ってしまうと、その分、TVニュースで扱いが小さくなってしまうことですが、そんなの1部の大舞台に戻って来られるのに比べたら、何てことはない?万が一、予定が狂って、昨年のヘタフェのように昇格プレーオフに回ったりすると、6月中旬までシーズンが終わらないため、ラージョの選手たちも世間のCL決勝フィーバーには惑わされず、自分たちの仕事に集中してくれるといいのですが。 ▽とはいうものの、私も今週はほとんどマドリー関連のニュースしか聞いておらず、火曜には決勝前オープン・メディアデーが開催されたバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場を訪問。いやあ何せ、ここ3年連続の恒例行事ですからね。世界各国から来た130のメディアで満員のプレスコンファレンスルームとか、シーズン中唯一、フルで公開される練習を見るため、かなり広いバルコニーに鈴なりになっているカメラとかはもう、見慣れた風景と言っていいかと。選手も記者会見方式のアトレティコと違って、マドリーはTVやラジオ、活字等のメディア別に選手のインタビューゾーンを設けてくれるんですが、クリスチアーノ・ロナウドやベイルといった人気選手は放映権を持つ放送局やレアル・マドリーTVにしか話さないといったところも毎年同じで、いえ、別にナチョやバジェホに偏見がある訳じゃないんですけどね。 ▽とはいえ、やっぱり決勝で主役になりそうな選手の顔を見たいと思ってしまうのが人情かと。ちなみに各紙の今週の先発予想記事を追っていくと、GKケイロル・ナバス、カルバハル、バラン、セルヒオ・ラモス、マルセロ、クロース、モドリッチ、カセミロ、ロナウドまでは確定で、残り2席をイスコ、ベイル、ベンゼマで争うという話から、ベルデベバスで「皆、準備できているよ。決めるのはジダン監督さ。それで給料もらっているんだから。Que se coma el marron/ケ・セ・コマ・エル・マロン(ババ引き役になるといい)」と笑っていたイスコがどうやら、1席を勝ち取ったような按配に。あとはベイルとベンゼマの競り合いとなりますが、リーガ最後の4試合で4ゴール挙げている前者の方が調子はいいのかもしれません。 ▽え、さすがにここ5年間で4回CLに優勝ともなると、決勝前の雰囲気にもマンネリ感が出て来るんじゃないかって?いやあ、それにはジダン監督も2005年以来、CL優勝がなく、クロップ監督も2013年の決勝でドルトムントを率いてバイエルンに敗れた経験しかないことから、リバプールの方が燃えているんじゃないかと問われ、「相手には相手の事情が、ウチにはウチの事情があるが、no me puedes decir que vamos a tener menos hambre/ノー・メ・プエデス・デシール・ケ・バモス・ア・テネール・メノス・アンブレ(我々がハングリー精神で劣っているとは言えない)」と、温厚な彼にしてはかなり語気を強めて反論していましたしね。 ▽ロナウドなども「Ganar mi quinta Champions seria la hostia/ガナール・ミ・キンタ・チャンピオンズ・セリア・ラ・オスティア(自分にとって5度目のCL優勝をゲットするのは最高だろう)」とマンチェスター・ユナイテッド時代の1回を加え、現在のチームで最多獲得選手になるのは励みになっているよう。実際、その上の6回はCL創成記の1900年代半ばにマドリーで達成したゲントだけですからね。当人が張り切るのも当然ですが、そんな中、今季はCL以外、リーガでもコパ・デル・レイでも優勝できなかったマドリーとあって、決勝ではベンチ外の可能性が高いテオが年子の兄、リュカにアトレティコのEL優勝を自慢され、「Espero que ganemos y ya se la devolvere yo/エスペロ・ケ・ガネモス・イ・ジャー・セ・ラ・デボルベレ・ジョ(ボクらも勝って、言い返してやるよ)」と息巻いていたのはまあ、気にしなくていいんですけどね。 ▽それでも「Doblete del Barcelona? La Champions lo eclipsa/ドブレテ・デル・バルセロナ?ラ・チャンピオンズ・ロ・エクリプサ(バルサの2冠?CL優勝はそれをかすませるよ)」というラモスを筆頭に、W杯のスペイン代表合宿で顔を合わせるピケ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ、ブスケツらの前で肩身の狭い思いはしたくない選手(イスコ、カルバハル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、ナチョ)が複数いますからね。金曜日、会場のオリンピスキー・スタジアムでの前日練習ではセッション後、ラモスやイスコらがピッチで小さい息子たちを遊ばせていた光景にはちょっと???となったものの、きっとその辺もいいモチベーションになってくれるんじゃないでしょうか。 ▽ちなみに相手のリバプールで話題になるのは1にプレミアリーグ得点王のサラ、2もサラ、3もサラといった感じだったんですが、エジプト人の彼は現在、イスラム教のラマダン(断食)中。チームに帯同しているスペイン人トレーナーからの情報では先週、マルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)で合宿していた際には日が出ている間、飲食はしないという教えを守り、母国の新聞でも「ラマダンをきっちりやって、家族もお供えに子牛3頭を捧げる予定」なんて報道もあったんですが、どうやらこの木曜からは通常の食事に戻したとか。 ▽それが怖いのはとりわけ、彼のいる右サイドでは「よく攻撃参加する選手だが、守備をしない」と英紙のインタビューでクロップ監督が名指ししたマルセロとマッチアップすることになるから(当人はその発言を前日に否定)。あまりエネルギー満々で来られたら、他にもマネやフィルミーノら、得点力のあるFWと相まって、苦労しそうな気がするんですが、試合前日記者会見に出た当人は「Sabemos lo que tenemos que hacer, yo sé exactamente cómo tengo que jugar/サベモス・ロ・ケ・テネモス・ケ・アセール、ジョ・セ・エクサクタエンテ・コモ・テンゴ・ケ・フガール(ボクらは何をしないといけないか、わかっている。自分もどういう風にプレーするか正確に知っているよ)」とまったく心配していないよう。 ▽もちろんマドリーには取られたら取り返せる攻撃力もありますしね。現地への航空運賃も宿泊費も天文学的に跳ね上がっているにも関わらず、応援に駆けつけた両チームのファンも撃ち合いの方が楽しめるのは間違いないかと。そんなCL決勝は土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)キックオフ。ちなみにアトレティコ同様、今回はチケットが完売せず、UEFAに1000枚を返したというマドリーですが、これが当日売りに回るのかは不明です。マドリッドではサンティアゴ・ベルナベウで大スクリーンを全方向に向けて設置したパブリック・ビューイングの他、市内にある映画館でも観戦イベントがあるため、滞在中の方は覗いてみるのもいいかもしれませんね。 ▽え、すでにバケーションに入っているアトレティコも今週はシーズン最後の親善試合があったんだろうって?そうなんですよ、実はW杯出場の各国代表に招集されているメンバーを除いて、月曜にナイジェリアに向かった彼らは同国代表Bチームと対戦。GKオブラクが出た前半に31分にはヌワクリにエリア前から撃ち込まれ、先制されてしまったものの、それから2分もしないうちにトマスの奪ったボールをもらい、コレアが敵GKとの1対1で同点ゴールをゲットしてくれます。後半には、これが本当に最後にアトレティコのユニを着てプレーする機会となったフェルナンド・トーレスが19分、コレアからのCKをヘッドで決めてリードを奪ったんですが…まさか34分、カンテラーノ(アトレティコBの選手)2人がゴール前で敵にあっさりかわされ、追いつかれてしまうとは、まったく情けない。 ▽でも大丈夫、40分にはビトロのラストパスをもらったフベニル(Bチームの1つ下のカテゴリー)所属のボルハ・ガルセスがエリア内からシュートを決めて、最後は2-3と勝ったアトレティコでしたが、何せこの日参加していたトップチームのメンバーはまだ移籍先を決めていないトーレスはともかく、7月初旬まで長いオフを楽しめますからね。W杯に行かないスロベニア代表の招集を免除されたオブラクなど、特に今季の疲れを癒してほしいかと。ちなみにモンテネグロ代表のサビッチはこの遠征に行かなかったんですが、水曜にはドイツで恥骨炎とヘルニアの手術をしたそうで、プレシーズンキャンプには回復が間に合うというのは朗報でしょう。 ▽その横でファンが一番、気になっているグリーズマンはリュカと一緒にフランス代表の合宿に入り、クレールフォンテーヌで毎日、汗を流しているんですが、今のところ、先行きに関するコメントはまったくなし。コケ、サウール、ジエゴ・コスタのスペイン代表組は来週月曜、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設でマドリーメンバーだけ除いたトレーニングが始まるまでの短い1週間、バケーションに精を出しているようです。まあ、W杯に参加する選手たちに関してはCL決勝が終わったら、また情報も増えてくると思いますけどね。もう弟分チームなどはせいぜい、レガネスを退団したガリターノ監督がレアル・ソシエダと3年契約を結んだぐらいで、あとは移籍関連記事ぐらい。ヘタフェもレガネスもW杯に行く選手は数人止まりですし、クラブのファンには寂しい時期になってしまったといったところでしょうか。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.05.26 13:00 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】相手がマドリーじゃなきゃ勝てる…

▽「男女合同どころか、全チーム出て来るって!?」そんな風に私が呆気に取られていたのは金曜日、ネプトゥーノの噴水前に組まれた祝勝イベント用舞台を眺めながら、アトレティコがヨーロッパリーグのトロフィーと共に到着するのを待っていた時のことでした。いやあ、予想通り、リーガ1部2連覇を果たした女子チームは男子と2台、オープンデッキバスを連ね、マドリッド市庁舎、大聖堂、マドリッド州庁舎を回るパレードをしていたんですけどね。どうやら今季のカンテラ(ユース組織)は非常に出来が良かったようで、全てのカテゴリーで優勝。そこで小さな子供たちから順に男女、計10チーム程が次々、舞台に上がり、すでにかなり集まっていたファンの前でお祝いって、これって完全に男子トップチームに便乗していない? <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">女子に続いてアトレティコ男子のバスが煙に包まれて会場入り<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">アトレティコの選手たちがバスの上ではしゃいでいる<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">本当にはしゃいでいる<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">カンテラのチームも舞台に上がる<hr></div> ▽まあ、祝勝イベントのことはまた後で報告しますが、そのアトレティコのEL決勝があった水曜はまず午前中、コリセウム・アルフォンソ・ペレスまで私は足を運ぶことに。いえ、練習はすでに前節、セビージャがベティスと引き分けたせいで、来季のEL予選出場権をもらえる7位になれないことが確定。今週末土曜の最終節はアウェイで降格チームのマラガとの消化試合のヘタフェだというのに何故か、puerta cerrada(プエルタ・セラーダ/非公開)のセッションだったため、練習は見ることができなかったんですけどね。おかげで数人いた日本人ファンたちもスタジアムのロビーで柴崎岳選手が着替えて出て来るのを待っているしかなかったのは気の毒だったんですが、その日の私の目的はボルダラス監督の契約延長発表記者会見。 ▽非公式にはしばらく前から確定済みになっていたものの、リーガの結末がついたため、ようやく2年間の延長が発表されたんですが、スポーツディレクターのプラナス氏と一緒に現れたボルダラス監督は1部再昇格後の初シーズンを「La temporada es de sobresaliente, le daría un 9'5/ラ・テンポラーダ・エス・デ・ソブレサリエンテ、レ・ダリア・ウン・ヌエベ・コンマ・シンコ(今季の成績は最優秀、9.5点をつけたいね)」と評価。先日、兄貴分のアトレティコとのミニダービーの後などはやはりヨーロッパの夢が消えてしまったため、ご機嫌斜めだったんでしょうね。日本人記者から出た柴崎選手に関しての質問を「今はチームのことを話したい」と一蹴していたものの、この日は「人としてのレベルではとても満足している」と答えてくれました。 ▽ただ、「Futbolísticamente nos hubiera gustado que rendimiento fuera mayor/フットボリスティカメンテ・ノス・ウビエラ・グスタードー・ケ・レンディミエントー・フエラ・マジョール(サッカー的にはもっと大きなパフォーマンスがあった方が良かった)」そうで、うーん、確かに最近は出番も多くありませんでしたからね。もちろん、「だが簡単ではない。彼だけでなく、世界最高のリーガ1部にデビューした皆に起こったことだ」とフォローしてくれていましたが、翌日、シーズン終了を告げるチーム全員揃っての教会への献花を終えたヘタフェのプレーを見られるのも土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのマラガ戦が最後。これで彼らもバケーション入りですから、せめてピッチで柴崎選手の雄姿を見られるといいんですが…。 ▽そして夕方にはEL決勝のパブリック・ビューイングが行われるワンダ・メトロポリターノに向かった私でしたが、グラウンドには3方のスタンドに向けて5台の大型スクリーンが設置されていたものの、何と記者席の前にはないという逆境に遭遇。正面スタンドの両脇にある電光スコアボードで見る破目になった上、キックオフまでは場内を埋める、2万5000人のアトレティコファンが盛り上がる様子ばかり映っていたため、本当に観戦できるのか不安になったものでしたが、大丈夫。普段通り、スピーカーでラインアップが発表された後、いよいよリヨンからの中継が始まりました! ▽え、開始3分にはパイエのスルーパスからジェルマンにフリーでシュートを撃たれたり、酒井宏樹選手の負傷中、レギュラーになったサールにも狙われたりと、序盤のアトレティコは相手の勢いに押され、パスが3回も続かない恐ろしい有様じゃなかったかって?いやあ、私も開会セレモニー中にオリンピック・マルセイユのサポーターが陣取るゴール裏席がbengala(ベンガラ/発煙筒)で赤く燃え上がり、ピッチまで白く煙に覆われて、お隣さんとPSGのCL16強対戦2ndレグのパルク・デ・プランス化しているのには閉口したんですけどね。まさか、そのせいでボールが見えにくかったなんて言い訳はしなくても、彼らにはよくあることだったため、ハラハラしつつも視界が良くなるのを待っていたところ…。 ▽何と前半21分、アトレティコが先制点を取ってしまったんですよ!キッカケを作ってくれたのはマルセイユのアンギッサで、GKマンダンダから受けたパスを自陣エリアから近い場所で逃してしまったから、さあ大変。詰めていたガビが戻したボールをグリーズマンが持ち込み、どうやら相手が顔馴染みだったのが吉と出たんでしょうか。「彼はボクが右側に蹴ると予想して動いた。フランス代表の練習ではいつもそっちへ撃っているから。それで試合前、自分に言ったんだ。もし1対1になったら、反対に蹴ってやろうって。Y funcionó bien/イ・フンシオノ・ビエン(おかげで上手くいったよ)」と当人も後で言っていた通り、見事にゴールを決めてしまったとなれば、ワンダで応援していたファンたちもどんなに喜んだことか。 ▽いやあ、これにはルディ・ガルシア監督も「ウチのミスから失点した。アトレティコのようなチームにこういう失敗をすると高くつく」と嘆いていたんですが、32分には更なる不幸がマルセイユを襲うことに。いえ、チームの入場時に当人がサッカー界の迷信を無視して、勝ち取る前のトロフィーに触れてしまったせいだとは思いませんけどね。体調が100%でなかった司令塔のパイエがふくらはぎを痛め、代表チームメートのグリーズマンに慰められながら、早々にマキシム・ロペスと交代って、もしや2014年のCL決勝でジエゴ・コスタが10分ともたなかったアトレティコと似た目が敵に出ている? ▽実際、マルセイユの選手たちの士気にそれが影響を与えたのもあったか、0-1のまま後半に入った彼らは、うーん、ミス続きでイエローカードももらってしまい、エミレーツ・スタジアムの二の舞を懸念されたヴルサリコがシメオネ監督と”モノ"・ブルゴス第2監督の事前の打ち合わせ通り、フアンフランに代わったおかげもあったんですかね。いきなり「相手のレベルが上がった」(ルディ・ガルシア監督)という変身を見せ、4分にはサウールの奪ったボールを「El sábado me dio el a mí una asistencia y hoy me ha tocado a mí/エル・サバドー・メ・ディオ・エル・ア・ミー・ウナ・アシステンシア・イ・オイ・メ・ア・トカードー・ア・ミ(土曜は彼がボクにアシストしてくれて、今日は自分に回った)」というコケが繋ぐと、またしてもグリーズマンが今度はマンダンダの頭上を越えるシュートで2点目をゲット。 ▽いやあ、そのヘタフェ戦だって、0-1で勝っていたアトレティコですし、ゴールには”San/サン(聖)”オブラクもいたので、この時には「敵のミスに乗じただけ」とか、後々言われないで済むと私もホッとしたものでしたけどね。それでも35分にはミトログルのヘッドがゴールポストを直撃なんてこともあったため、助かった面もあったんですが、まさか44分にはまたコケがラストパスを送り、ガビが3点目まで取ってくれるとは一体、誰に予想できたでしょう! ▽ええ、これにはCAS(スポーツ仲裁裁判所)がベンチ入り禁止処分の一時停止措置を却下。結局、準決勝アーセナル戦2ndレグ同様、1人観戦したパルク・オリンピック・リヨンのパルコ(貴賓席)でシメオネ監督も安心できたに違いませんって。何せ、「Perdimos una faltando dos minutos, otra en penales y nos volvimos a levantar/ペルディモス・ウナ・ファルタンドー・ドス・ミヌートス、オトラ・エン・ペナレス・イ・ノス・ボルビモス・ア・レバンタール(ウチは残り2分で、もう1つはPK戦で負けたが、再び立ち上がった)」(シメオネ監督)という、2014年、2016年CL決勝でお隣さんに連敗して以来の決勝でしたからね。相手はマドリーではないとて、点は沢山取っておくにこしたことありませんって。 ▽するとこの直後、ベンチの方へ走って行ったグリーズマンがフェルナンド・トーレスを出すように”モノ”・ブルゴス第2監督に進言。ちょっと前にはコレアをトーマスに代え、守備固めに入っていたアトレティコでしたが、おかげで3人目の交代選手として、今季限りでチームを去ることを発表したエル・ニーニョ(子供/トーレスの愛称)がピッチに入ることができたのは、本当に良かったかと。彼が心から敬愛するチームもそのまま0-3で勝利して、キャプテンのガビと一緒にアトレティコで自身、初めて獲得したトロフィーを掲げられるなんて、もしや今季、CLをグループリーグで敗退。めぼしいライバルが少ないELに河岸を変えられたのはラッキーだった? ▽実際、アゼルバイジャンのカラバフに2戦連続引き分けて、決勝トーナメント進出が厳しくなった際など、「今はELなんてクソみたいなもんだ」と吐き捨てていたガビも、「Ahora me tengo que tragar mis palabras/アオラ・メ・テンゴ・ケ・トラガル・ミス・パラブラス(今は自分の言ったことを飲み込まないとね)」と苦笑いしていましたしね。ピッチでのお祝いではトーレスがスタンドのファンのところまで行ってメガフォンを握り、「Te quiero Atleticoc lo lo lo lo/テ・キエロ・アトレティ・ロ・ロ・ロ(アトレティコ、好きだよ)」と定番カンティコ(メロディーのついたシュプレヒコール)を歌っている珍しい姿なども見られましたし、何よりワンダや帰りのメトロ(地下鉄)でのファンのうかれようときたら。ええ、タイトル獲得に勝る喜びはないというのを私も心底、実感できましたっけ。 ▽え、シメオネ監督は「Hay situaciones que le acercan a querer seguir con nosotros/アイ・シトゥアシネス・ケ・レ・アセルカン・ア・ケレール・セギール・コン・ノソトロス(私たちと一緒に続ける方に近づける状況はある)。彼がアトレティコで決勝を戦うのは3度目でうち2回優勝している。もっと財力のあるチームとウチはサッカー的にそれ程、離れている訳ではない」と言っていたものの、この決勝でMVPにもなったグリーズマンが残留するのか、出るのかは明らかにならなかったんだろうって?そうですね、ネプトゥーノでの祝賀イベントでもリュカが音頭をとって、「Giezmann quedate!/グリースマン・ケダテ(グリーズマン、残って!)」と詰めかけた5万人のファンも合唱してくれたんですけどね。 ▽肝心の当人が「No es momento de hablar del future/ノー・エス・モメントーデ・アブラール・デル・フトゥロ(今は自分の未来を話す時じゃない)」とはぐらかしてばかりだったため、相変わらず、バルサへの移籍があるのかは不明。うーん、ヒル・マリン筆頭株主も「全てが彼中心に回るアトレティコで歴史を作るか、歴史の一部にはなれないクラブに行くのか、それはグリーズマンの気持ち次第」と言っていたように、あちらに行って出番もあまりなく、今は故郷のトルコでプレーしているアルダ・トゥランの例などは気に留めておいた方がいいかと。 ▽あのネイマールでさえ、メッシがいる限り、自分はナンバーワンにはなれないと悟ってPSGへ移ったのは周知の事実ですからね。あ、そうそう、同じ金曜にはバルデベバス(バラハス空港)の練習場でセッション後、決起バーベキュー大会を開催。クリスチアーノ・ロナウドやカルバハルも回復し、最後の総合リハーサルとなる土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのリーガ最終節、ビジャレアル戦のためではなく、来週土曜のCL決勝に向けて士気を高めていたマドリーがキエフでリバプールを破り、優勝を果たした暁には8月15日のUEFAスーパーカップでアトレティコと対戦することに。 ▽正直、すでにプレミアリーグが終わり、今週はマルベジャ(スペイン南部のビーチリゾート)で合宿をしているリバプールと当たった方がアトレティコには勝算はあるかと思いますが、クラブもバルサを上回る年棒2500ユーロ(約33億円)のオファーをグリーズマンに出したと聞いていますしね。その結果を見て、本当に今のチームはEL優勝止まりのレベルなのか、いつかはお隣さんを破ってCL優勝できるのか、検討してみるっていうのもいい手かもしれませんよ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">トーレスにとっては初めてのアトレティコ凱旋だ<hr></div> <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">ガビ、コケ、ゴディン、トーレスがマフラーを像に巻き付ける<hr></div> ▽そして祝賀イベントでは女子チームが舞台に立った後、待望の男子チームメンバーが1人1人名前を呼ばれて登場。ネプトゥーノ像にガビ、ゴディン、コケの3キャプテンと一緒にbufanda(ブファンダ/マフラー)を巻き付けに上がり、とうとう宿願を果たしたトーレスがスピーチの際、涙に声を詰まらせていたのには私も心を動かされましたが、実は彼にはもう1つ、お別れの舞台が。それはこの日曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのエイバル戦で、一応、勝ち点1を取って、マドリーより上の2位でリーガを終わるというチームの目標もありますけどね。ワンダ・メトロポリターノがこれまでずっとアトレティコのアイドルでいてくれたトーレスに感謝を示し、盛大に送り出してくれるのは間違いないかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180519_18_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">祝賀イベントは最後は男女一緒にクライマックスを迎えた<hr></div> ▽その一方で弟分のレガネスは土曜にベティスとの最終戦なんですが、こちらは4年間、2部Bから1部の高みまでチームを引き上げてくれたガリターノ監督とキャプテン、マントバーニがブタルケのファンとお別れすることに。いやあ、日曜ラストのバルサvsレアル・ソシエダ戦でもカンプ・ノウで最後となるプレーを披露するイニエスタへの送別モザイクが予定されていますし、どうやらこの週末はそこここで感動的なラストゲームが見られそうですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.05.19 21:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】お祝いが見たい…

▽「一緒にネプトゥーノに行くべきね」そんな風に私が思っていたのは月曜日、アトレティコの女子チームがリーガ2連覇をピッチで祝う姿をTVで見た時のことでした。いやあ、前日の最終節で勝てば、2位のバルサを抑えて優勝というのは知っていたんですけどね。見事、アウェイでサラゴサに1-6のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で戴冠とは、うーん、これが男子なら文句なしにネプトゥーノ(アトレティコが優勝を祝う恒例の広場)にファンも直行なんですが、昨季の例を見ても女子のために祝賀パレードをする習慣はないよう。となれば、この水曜のヨーロッパリーグ決勝で男子が優勝した暁には合同祝賀イベントとして、広場に設けられる舞台に女子選手たちも上げてあげたら喜ぶかも。 ▽ただ、リーガでは男子に爪のアカでも煎じて飲ませてあげたくなるようなアトレティコ・フェメニーノなんですが、課題は女子CLで、初出場だった昨年は強豪ボルフスブルクとの32強対決に2試合で15点も奪われて速攻敗退。その後、相手はこの24日、熊谷紗希選手のいるオリンピック・リヨンとの決勝まで進んでいるため、もちろんクジ運もなかったんですが、ヨーロッパでは2014年と2016年にはCL決勝に進出している男子の方が1日の長があるかと。でもねえ、折しも同じ10月にはシメオネ監督のチームもグループリーグでアゼルバイジャンのカラバフと2試合連続で引き分け。グループ3位でCLから失意の敗退をする原因を作っていましたからね。となるとやっぱり、EL優勝ぐらいはしておかないと、男子としてのメンツが保てないような気がしないでもないんですが…。 ▽まあ、そんなことはともかく、先週末のリーガがどうだったか、お伝えしておかないと。EL出場権の順位が懸かったカードだけが集められた午後6時30分の時間帯を外れ、一足先にアノエタでレアル・ソシエダと対戦した弟分のレガネスは、いえ、前半25分までにオジャルサバルとカナレスのゴールで2点リードを許したものの、ディエゴ・リコとゲレロが返して、一旦は同点にしたんですけどね。最後は後半33分にウィリアム・ホセにPKを決められて、終盤の出場となった今季限りで引退するキャプテンのシャビ・プリエト、ソシエダでの18年間のキャリアにピリオドを打つカルロス・マルティネスへのお別れセレモニーに華を添える白星をプレゼントしてしまうことに。 ▽どうやらこれで来週土曜のベティス戦を待つことなく、レガネスは降格圏すぐ上の17位で終了することが決まってしまったようですが、彼らの場合、昇格から3年目もまた1部で過ごせることが何より大事。来季もブタルケに兄貴分のレアル・マドリーやアトレティコ、バルサといった人気チームを迎えられますし、週末をマドリッドで過ごす日本人サッカーファンの観戦選択肢が多いのはいいことかと。加えて、日曜はコルドバに負けてしまったものの、2部の弟分、ラージョも次節のアルコルコンとのダービーに勝って、3位のスポルティングがテネリフェ戦で引き分け以下なら、いよいよ1部昇格が決まるところまで迫っていますからね。前代未聞の1部にマドリッド勢5チームともなると、来季は私も梯子する日が増えそうですよ。 ▽土曜はその後、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで兄弟分ダービーが始まったんですが、うーん、ヘタフェのサポーターはあまりモザイクとか、作り慣れていないせいでしょうかね。7位のセビージャがベティスとのアンダルシア・ダービーで負けることに一縷の望みを懸けて、勝利が必須なチームを奮い立たせようと、青の中に白でクラブ名を浮かび上がらせる計画のようでしたが、席に着くのが遅い観客もいたため、あまり成功したとは言えず。 ▽この辺はもう少々、先輩チームのペーニャ(ファンクラブ)から教えを受けた方がいいかと思いましたが、キックオフ後間もなく、ボルダラス監督が3日間、スタジアムで非公開練習をして練った秘策が炸裂するのを待たず、先手を取ったのは「sorprendimos al principio con la posicion de Koke para desordenar a su defensa/ソルプレンディモス・アル・プリンシピオ・コン・ラ・ポシシオン・デ・コケ・パラ・デスオルデナール・ア・ス・デフェンサ(敵の守備陣を崩すため、序盤にコケのポジションで驚かせた)」(シメオネ監督)アトレティコの方。 ▽いえ、水曜にEL決勝を控えているにも関わらず、ローテーションを避け、スタメンに並んだアトレティコのMFはカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)のcuatrivote(クアトリボテ/4人ボランチ)、コケ、サウール、トマス、ガビだったんですけどね。この日はジエゴ・コスタとグリーズマンの後ろにコケがつき、トップ下を務めていたところ、前半8分、ワンタッチでボールを右サイドのフアンフランに流してチャンスを作ったんですよ。するとエリア付近でボールを受けたグリーズマンが2列目から入ってきたコケに繋ぎ、そのシュートがGKグアイタを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽おかげで早々にリードを奪ったアトレティコでしたが、やはり1週間休みがあると、選手たちの動きも軽快なんですね。前節エスパニョール戦のダメダメ感がまったくなく、36分にグアイタと1対1になったコスタはシュートを弾かれてしまったものの、珍しいぐらいキレいにパスを回しているんですから、アトレティコだって疲れてなければいいサッカーができる?そうこうするうちに相手に焦りが出て来たか、後半早々にはフィリペ・ルイスやガビが乱暴なプレーで倒されたりしたため、15分にはシメオネ監督もコスタとグリーズマンをガメイロとフェルナンド・トーレスに、23分にはコケもコレアと交代させて温存することに。 ▽え、それより一番、ヒヤリとさせられたのは31分、ゴディンがアンヘルを倒してPKを献上。この日はファジルがキッカーに立ったものの、「Es una situacion totalmente anomala/エス・ウナ・シトゥアシオン・トータルメンテ・アノマラ(これはまったく異常な状態だ)」と、すでに今季3回PKを失敗しているキャプテンのホルヘ・モリーナも嘆いていたように、GKオブラクが見事に弾いてしまったのはともかく、こぼれ球を追ったブルーノに当人が頭を蹴られてしまった時じゃないかって?そうですね、実際、その後もガメイロやトーレスが絶好機に追加点を奪えなかったアトレティコですが、それでも不安がまったくなかったのは幸いオブラクがすぐ回復し、ずっとゴールにいてくれたから。 ▽おかげで0-1のまま勝利し、3位のお隣さんとの勝ち点3差を守った彼らでしたが、「el Barca no ha perdido ningun partido.../エル・バルサ・ノー・ア・ペルディードー・ンングン・パルティードー(バルサは1つも試合を落とさなかった)。2つ3つ負けていれば、ウチもリーガ優勝を争っていたのに」(フアンフラン)というのにはちょっと負け惜しみもあったかと。ええ、翌日曜にはメッシをお留守番にしたバルサが今更ながらレバンテに5-4で負け、今季初黒星を喫したんですけどね。それでもアトレティコとの差は勝ち点12もあるため、やっぱり1位になるのは絵に描いた餅だったでしょうが、決勝を前にしているだけに、「Ganar trae ganar/ガナール・トラエ・ガナール(勝利は勝利を呼ぶ)」と勢いがついたのはいいかと。 ▽反面、柴崎岳選手の出場もなく、ここまでシメオネ監督のアトレティコに13試合で1勝もできておらず、通算スコアを0-26としてしまったヘタフェは気の毒だったんですが、その日はセビージャもベティスと引き分けたため、どちらにしろ7位の座に返り咲くのはムリでしたからね。大体がして今季11回もらったPKで7回も失敗しているようではもう、自業自得としか言えないんですが、それでも彼らは再昇格からほんの1年目。残留決定祝いすら、忘れ去られる程の高みで残り1試合まで戦ってきた今季は、「estaremos todos orgullosos de lo que ha hecho el equipo/エスタレモス・トードス・オルグジョーソス・デ・ロ・ケ・ア・エッチョ・エル・エキポ(チームがやったことに皆、誇りを持てるだろう)」(ボルダラス監督)というシーズンだったのは間違いないと思いますよ。 ▽そして土曜の最後の時間帯ではサンティアゴ・ベルナベウでマドリーvsセルタ戦が始まったんですが、いえ、もちろんこの場合、両スタジアム間の移動には1時間ぐらいかかるため、私も梯子はムリだったんですけどね。コリセウムのミックスゾーンを出る前から、すでに凄いことになっていたよう。クリスチアーノ・ロナウドは26日のCL決勝を目安に足首のネンザの治療中でまだ出ていなかったんですが、キエフでのリバプール戦でスタメンに入りたいバイルが爆発。ええ、前半13分にはモドリッチのスルーパスに抜け出て先制点を決めると、30分にもスピードを見せつけて2点目をゲットしているんですから、「claro que sera un dolor de cabeza hacer el once para la final/クラーロ・ケ・セラ・ウン・ドロール・デ・カベッサ・アセール・エル・オンセ・パラ・ラ・フィナル(決勝でのスタメンを選ぶのが頭痛の種なのは明らか)」と、ジダン監督が苦笑いするのも当然だった? ▽加えて32分には、うーん、当人によると、「CL準決勝バイエルン戦2ndレグに間に合わせようとしてムリしたら、練習でまた肩を痛めてしまって、余計に時間がかかった」そうなんですけどね。ようやく4月25日以来の復帰を果たしたイスコが、エリア内入ってすぐの場所からすくい上げるように撃ったシュートがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)になったとなれば、ジダン監督の悩みが倍増したのは確実だったかと。その後、私がメトロに乗って帰宅中も彼らは得点を重ね、後半7分には右SBのアクラフが、29分には途中出場のアセンシオのシュートをセルジ・ゴメスがオウンゴールに、そして36分にもマジョラルのアシストからクロースが決めて、終わってみれば6-0の大勝。ええ、これなら今季、ヘタフェ戦に次ぐ少ない観客数の5万6000人だったとはいえ、スタジアムに足を運んだファンがどんなに喜んだか、想像はつきますって。 ▽そんなマドリーは今週は火曜から練習を再開。土曜のリーガ最終節ビジャレアル戦で最終調整をして、その翌週末のCL決勝に臨むことになりますが、それまではどうやら、キエフで誰をスタメンにするべきかと、セルタ戦の後にはマルセロも「Al Madrid vienen los mejores y a mi me encantaria jugar con Neymar/アル・マドリッド・ビエネン・ロス・メホーレス・イ・ア・ミー・メ・エンカンタリア・フガール・コン・ネイマール(マドリーには最高の選手たちが来るし、自分はネイマールとプレーするのが大好きだ)」と素直に認めていたブラジル代表の同僚を含む、夏の人事異動の話題が中心になるかと。 ▽一方、もうEL決勝まで時間のないアトレティコは、日曜はマハダオンダ(マドリッドの郊外)の練習場で、月曜はワンダ・メトロポリターノでセッションを実施。火曜の現地移動を控えて発表された招集リストには、第3GKのドス・サントス以外、トップチーム全員19人が名を連ねています。ロンドンでの準決勝ア-セナル戦1stレグで退場となり、4試合のベンチ入り禁止処分を喰らったシメオネ監督については何せ、日曜に販売終了となったソシオ(協賛会員)限定チケットが1000枚売れ残ったということで、アトレティコファンも1万人程は応援に駆けつけるものの、マルセイユとリヨンが距離的に近いため、パルク・オリンピック・リヨンでは少数派になってしまうかもしれませんからね。 ▽ワンダでのアーセナル戦2ndレグのように、サポーターを煽れる位置のパルコ(貴賓席)にシメオネ監督がいられる保証もないため、クラブもCAS(国際スポーツ裁判所)から一時執行停止令をもらって、ベンチで指揮を執ってもらおうと努力しているんですが、まだこれはどうなるか不明。水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの決勝はワンダ・メトロポリターノでも大画面スクリーンを設置して、パブリックビューが行われるんですが、こちらはクラブのオフィシャルウェブで買える一般10ユーロ(約1300円)の入場券(https://entradas.atleticodemadrid.com/clubatleticodemadrideuropa/es_ES/entradas/evento/11975/session/637841/select)がかなり残り少なくなっているようです。 ▽金曜に一足早く、リーグ1のギャンガン戦を3-3で引き分けたオリンピック・マルセイユでは酒井宏樹選手が復帰していますが、やはり危険なのはトヴァンとパイエのフランス人アタッカーコンビかと。うーん、火曜にエル・ムンド(スペインの一般紙)に載ったインタビューでサウールなど、「Nos falta un poco de suerte y de calidad/ノス・ファルタ・ウン・ポコ・デ・スエルテ・イ・デ・カリダッド(ウチはツキと質がちょっと足りない)。どの大会でも明白な有力馬となれる何かがね」と言っていましたが、相手のレベルがヘタフェ程度なら、かなり自信持っていいんですけどね。これまでお隣さんに負けたCL決勝はさておいて、EL決勝ではフラム、アスレティックを寄せ付けずに優勝してきた彼らですが、果たしてアトレティコでタイトルを獲りたいというトーレスの願いを叶え、金曜にはネプトゥーノに凱旋することができるのでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.05.15 19:00 Tue
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】オフシーズンのことはまだ考えたくない…

▽「あちらはまだ決勝まで間があるからいいわよね」そんな風に私がうんざりしていたのは金曜日、このところグリーズマンのバルサ移籍の報道ばかりだったニュース番組が突然、ネイマールのレアル・マドリー入り一辺倒になっているのに気づいた時のことでした。いやあ、前者については、とうにリーガ優勝を決め、クラシコ(伝統の一戦)も終わったバルサにはもう今季、他にやることもなし。それでバルトメウ会長も「昨年10月に選手の関係者に会った」なんてラジオで洩らして、人事関連の噂で注目を集めたかったんだろうなんて推測していたんですけどね。 ▽問題なのは今回、筆頭株主のヒル・マリン氏が即座に「Estamos hartos de la actitud del Barcelona/エスタモス・アルトス・デ・ラ・アクティトゥッド・デル・バルセロナ(バルサの態度には飽き飽きしている)」と抗議文をオフィシャルウェブに掲載したように、アトレティコには4年ぶりのタイトル獲得が懸かったヨーロッパリーグ決勝が来週に控えているということ。おかげでこの水曜、ワンダ・メトロポリターノで華々しく開催されたオープン・メディア・デーでも記者会見の質問の大半がグリーズマン関連となり、いえ、フィリペ・ルイスなど、「Estoy seguro de que Griezmann hoy es barato: 100 millones es barato/エストイ・セグオ・デ・ケ・グリーズマン・オイ・エス・バラート:シエン・ミジョネス・エス・バラート(今のグリーズマンが安いことは確かだ。1億ユーロ(約131億円)は安いよ)」なんて、まるでお買い得品みたいに言っていましたけどね。 ▽そりゃあ昨夏、2億2000万ユーロ(約290億円)でネイマールをPSGに売却した後、デンベレ(1億5000万ユーロ/約200億円)やコウチーニョ(1億2000万ユーロ/160億円)といった高額な買い物を続けてきたバルサにしてみれば、グリーズマンには実績も十分あるだけにコストパフォーマンス的に最高というのはわかりますよ。とはいえ、そのせいで2014年のチェルシー移籍前、アトレティコで出場した最後の試合がリスボンでのCL決勝。その時はケガの再発で10分と持たず、チームもお隣さんに負けてトロフィーを掲げることができなかったため、リベンジに燃えているはずのジエゴ・コスタだというのに自身の調子や意欲について、誰にも聞かれないってことあっていい? ▽いえ、だからって、隣でフィリペ・ルイスが話している間、マイクを反対側に折り曲げたりして遊んでいたのはどうかと思いますけどね。最後は「Yo me quedo, estoy muy bien feliz, soy importante para el equipo/ジョー・メ・ケド、エストイ・ムイ・ビエン・フェリス、ソイ・インポルタンテ・パラ・エル・エキポ(ボクは残るよ。とても幸せだし、チームにとって重要な存在だから)」と、自らアピールをしなくちゃならなかったのはちょっと、気の毒だったかと。 ▽その後、ワンダのピッチで行われた公開練習にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)が10人程、参加していたため、何せ決勝の相手、オリンピック・マルセイユは1日早い、金曜にギャンガンとのリーグ戦を前倒していますからね。コケなどは「ボクらはプロだし、慣れているし、全然問題ない。Las finales se juegan con el corazon y lo demas no influye/ラス・フィナレス・セ・フエガン・コン・エル・コラソン・イ・ロ・デマス・ノー・インフルージェ(決勝はハートでプレーするもので、他のことは影響しないよ)」と言っていたものの、いよいよこれは土曜の弟分、ヘタフェとのミニダービーでシメオネ監督も規定ギリギリまで選手をローテーションかと予感したところ…いやあ、金曜に発表になった招集リストにあった名前は負傷のリハビリ中で、決勝まで温存されるビトロを除き、トップチームメンバーだけの18名って、もしやミッドウィークの試合でお隣さんが負けたせいで、リーガ2位死守の目標を思い出した? ▽そう、実はその水曜、私がワンダから急いで帰って近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見たセビージャ戦ではジダン監督がここぞとばかりにBチームを投入。いえ、クラシコで足首を捻挫したクリスチアーノ・ロナウドを始め、カルバハル、イスコは26日のCL決勝リバプール戦に万全で挑めるよう、ケガの完治に努めているところなんですけどね。ベイルがいなかったのは累積警告で出場停止だったせいですが、移籍金2億6000万ユーロ(約340億円)以上と言われるネイマールが来ると、完全に放出候補ナンバーワンになるというのに、マドリッドの蝋人形館で自身の人形と入れ替わり、観光客を驚かせている映像(https://www.youtube.com/watch?v=dLP59ePKFNQ)などが公開されたりしているところ見ると、あまり当人も深刻に受け取っていない? ▽加えてGKケイロル・ナバス、マルセロ、バラン、モドリッチ、クロースもお留守番で、サンチェス・ピスファンのピッチに立ったtitular/ティトゥラル(レギュラー)は、どんなにpito(ピト/ブーイング)を受けても古巣に恩返しするチャンスを逃したくないセルヒオ・ラモスとカセミロ、ベンゼマだけだったなれば、3節前、モンテッラ監督を解任。カパロス新監督の下で来季のEL出場権がもらえるリーガ7位の座を何が何でも確保しようとしているセビージャとは序盤から、気合が違うのは仕方なかったかと。 ▽ええ、前半26分にはGKダビド・ソリアからのロングフィードを、いえ当人は「Nunca es un marron jugar en el Madrid/ヌンカ・エス・ウン・マロン・フガール・エン・エル・マドリッド(マドリーでプレーするのは決してババ引くことじゃない)」と言っていたんですけどね。第4CBのバジェホがムリエルに競り負け、そのパスからベン・イェデルが先制点をゲット。44分にもエリア内のプレーでエンゾンジのシュートは一旦、テオが阻んだものの、余裕で跳ね返りをフリーのラユンに送られて、2点目を取られているのですから、いかに守備陣の気が緩んでいたか、わかろうというものです。 ▽それでも後半12分にはルーカス・バスケスがムード・バスケスに倒され、PKをもらったマドリーだったんですが、キッカーのラモスがシュートをゴールバーに当ててしまい、得点はならず。いやあ、どうやらこの日の彼は主役を張る運命だったのか、38分にはメルカードの角度のないところからのシュートを防ごうとしてオウンゴールを献上し、とうとうスコアは3-0にまでなってしまったんですが、ここからマドリーは反撃に出ます。41分にアセンシオのクロスを出場機会は限られているものの、ピッチに入った時は決して失望させないマジョラルがヘッドで1点を返すと、ロスタイムにはセットプレー中、テオがメルカードに突き飛ばされるのを目撃され、再びPKがもらえることに。 ▽いえ、このプレーについては「Me empuja, forcejea, me pega una patada, me putea y yo, logicamente, respond/メ・エンプーハ、フォルセヘア、メ・ペガ・ウナ・パタダ、メ・プテア・イ・ジョ、ロヒカメンテ、レスポンド(向こうが押してきて争って、蹴ってきた上に悪態をつかれて当然、自分も応酬した)」と、原因はテオにもあったことをメルカードも主張していたんですけどね。その一方でアトレティコなんて先日、フェルナンド・トーレスがPKを失敗した後、次のPKでは素直にガメイロにキッカーを譲っていたものですが、そこはセビージャのカンテラから彼を抜擢。育ての親であるカパロス監督も「Su ADN es muy competitive/ス・アーデーエネ・エス・ムイ・コンペティティボ(非常に競争的なDNAを持っている)。父親や家族と競っても勝ちたがる程にね」と言っていた鋼鉄の意志の持ち主、ラモスがベンゼマのオファーを断り、今度は見事に決めてくれたんですが…残念ながら、あと1点を取る時間はありませんでしたっけ。 ▽まあ、この3-2での敗戦はジダン監督によると、「Estamos decepcionados, pero no afectara nada/エスタモス・デセプシオナードス、ペロ・ノー・アフェクタラ・ナーダ(ウチは失望しているが、何の影響もない)」そうですし、大体、プレーする選手がほとんど違うんですから、CL決勝の参考にはまったくならないんですけどね。ただこの結果、2位アトレティコと3位の彼らの差は勝ち点3のままに留まったのはいいものの、信頼していた兄貴分に裏切られた気分になってしまったのはヘタフェ。だってえ、おかげでセビージャに勝ち点差2をつけられて、7位の座を奪われてしまったんですよ。 ▽おまけにこの土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)から、試合時間のunificacion(ウニフィカシオン/統合)でベティスvsセビージャのアンダルシアダービーと同時開催される、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのミニマドリーダービーではシメオネ監督も「jugaran los de siempre/フガラン・ロス・デ・シエンプレ(いつもの選手がプレーする)」と言っていたように、アトレティコはトップチーム総動員で乗り込んで来ますからね。いくら前節は前代未聞の負傷、出場停止者が大量11人という非常事態にありながら、柴崎岳選手の抜け目ないボール奪取もあって、ラス・パルマスに0-1の勝利という嬉しい結果を掴めたヘタフェとはいえ、今季ホーム最終戦を白星で飾れるかは微妙なところ。 ▽もちろんシーズン前半はベティスに3-5を負けたセビージャが今回、すでに来季のEL出場を確定し、ライバルとご一緒は絶対避けたい相手にリベンジを果たせるかどうかも不確かですし、何よりアトレティコも選手は、面子はともかく、頭の中は来週水曜のEL決勝でいっぱいですからね。更に土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのサンティアゴ・ベルナベウで、再びローテーションをかけてくるだろうお隣さんがセルタに勝てなければ、負けてもアトレティコの2位は安泰とか思ったりすると、どうにも私自身、もう何をどう応援したらいいのかわからなかったりするんですが…とりあえず、今週は3日連続、スタジアムでの非公開練習で秘密特訓をしていたヘタフェの方は出場停止だったファジル、モラ、ブルーノ、モリネーロが処分明けで戻ってくるため、柴崎選手のスタメンリピートは厳しいかもしれません。 ▽そしてもう1つの弟分、レガネスは17位ながら、残留は確定ということで、気楽に土曜午後4時15分からのレアル・ソシエダ戦に臨めばいいんですが、今週はここまで5年間、チームを率いて、2部Bから2部、更に1部へとダブル昇格、この2シーズン連続1度も降格圏に落ちなかったという功労者、ガリターノ監督が契約を延長しないことを発表。さすがにレガネスでは予算上、これ以上のレベルアップを目指すのは難しいと悟ったんでしょかね。まだ次のチームは決まっていないそうですが、オファーには事欠かないようなので、また来季はリーガのどこかのクラブの監督として里帰りしてくれるかと。 ▽ちなみにレガネスの後任監督に関しては今のところ、まだ情報はまったくなく、これからイロイロ名前が挙がってくるんだと思いますが、何せ2部ではラージョ・バジェカーノがあと4試合を残し、2位のウエスカと勝ち点差2の首位と、どうやら来季は1部のマドリッド勢が5チームになる気配が濃厚ですからね。それだけマドリッド第3のチームになるのが難しくなるということですが、レガネスもせっかく積み上げたこの2年間の経験を無駄にせず、弟分同士、切磋琢磨を続けていけるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.05.12 14:30 Sat
twitterfacebook
thumb

【原ゆみこのマドリッド】決勝ファーストではあるんだけど…

▽「やっぱりそうだったのね」そんな風に私が頷いていたのは火曜日、ムチュア・マドリード・オープン出場前にラファ・ナダルが記者会見で話すのを聞いた時のことでした。いやあ、このスペインが誇る世界ランキング1位のテニスプレーヤーは自他共に認めるレアル・マドリーファンなんですが、何故か先週の木曜にはワンダ・メトロポリターノのパルコ(貴賓席)に出現。ヨーロッパリーグ準決勝アーセナル戦2ndレグを観戦中、アトレティコのユニフォームを首に巻き付けていたため、応援するチームを変えたのかと騒がれていたんですけどね。翌日のイベントで当人と一緒になったヒル・マリン筆頭株主までが、「Nadal es del Atleti aunque no lo sepa/ナダル・エス・デル・アトレティ・アウンケ・ノ・ロ・セパ(自分では気づかなくてもナダルはアトレティコファンなんだよ)」とジョークを言っていた程でしたが、そのコメントは単純明快。 ▽ナダル曰く、「ハーフタイムにセレソ会長にユニをもらってね。Hacia mucho frio y me la puse de bufanda/アシア・ムーチョ・フリオ・イ・メ・ラ・プセ・デ・ブファンダ(とっても寒かったから、マフラーにしたんだ)」とのことでしたが、いや、本当にファンだったら、首に巻くならアトレティコのマフラー、ユニだったら着るはずですし、あの夜は風も吹いて冷えたからだろうと私など、最初から思っていたんですけどね。ええ、アトレティコのファンたちなんて、2014年以来の決勝進出を後押ししようと、熱い声援を途切れなく送っていたため、寒さなど感じる暇もなかったかはずなんですが、まあ世の中、そんなもの。でもねえ、ポカポカ陽気の日でも時々、アトレティコって、非常にお寒い状態になるのはどうしてなんでしょうか。 ▽それは先週末の日曜、まだ日の高い午後4時過ぎから始まったリーガのエスパニョール戦だったんですが、何せ、アーセナルとの死闘を彼らが演じたのはたったの3日前。後でシメオネ監督も「コスタとコレアは出場停止だったし、グリーズマンは前の試合で凄まじい消耗をした。ガビは34歳、ゴディンは32歳…que quieres, muchacho?/ケ・キエレス、ムチャチョ(どうしてほしいんだい、君)」と開き直っていましたが、選手をローテンションした彼らは、いえ、フィリペ・ルイスが腓骨骨折を乗り越えて復活したという朗報はあったんですけどね。ビトロが前半25分に太ももを痛め、カンテラーノ(アトレティコBの選手)のサネに代わっても、その日は3CB制を敷いていたとあって、せめてスコアレスドローぐらいには持ち込めるかと期待していれば…。 ▽いやあ、DFの数が多いからって守備が良くなる訳じゃないんですね。逆に「Con El Cholo no hemos trabajado mucho esto/コン・エル・チョロ・ノー・エモス・トラバハードー・ムーチョ・エスト(シメオネ監督とこのシステムはあまり練習していないんだ)」(ヒメネス)のが仇になったか、後半8分には目が点になるような不幸なミスが連発することに。ええ、エリア内でベルサイコがクリアしたボールをメレンドに送り、そのシュートをサビッチが頭でそらしたため、GKオブラクが意表を突かれてゴールって、今は遠い昔になったダメダメ時代のアトレティコを彷彿させない? ▽おまけに31分、レオ・バプティスタンにも5シーズン前、1年だけ在籍した古巣への恩返し弾を決められ、2点差にされたとなれば、テア・シュテーゲンにサモラ(リーガで一番、失点率の低いGKに与えられる賞)レースで1点差に迫られてしまったオブラクが可哀そうじゃないですか。うーん、この日、先発ツートップを務めたフェルナンド・トーレスとガメイロが悪いということもなかったんですけどね。実際、コケとサウールは前後半半分ずつ、ようやく右SBから解放されてボランチに戻ったトマスも疲労からか、まったくゲームの組み立てを望めない中、前線にボールが届くことも稀とあって、結局、アトレティコは0-2のまま、リーガ戦ワンダ初黒星を喰らってしまいましたっけ。 ▽え、試合後、アーセナル戦1stレグでの退場で4試合のベンチ入り禁止処分中、先日の2ndレグやEL決勝、更に優勝した場合、夏のUEFAスーパーカップでもピッチで指揮が執れないせいでしょうか。この日は声を枯らして選手たちを鼓舞していたシメオネ監督も「Nos quedan cuatro días para la final/ノソウ・ケダン・クアトロ・ディアス・パラ・ラ・フィナル(ウチには決勝まで4日間しかない)」と、今週土曜の弟分、ヘタフェとのミニダービーをすっ飛ばし、いきなり来週水曜の話になっていたように、もうアトレティコサイドはタイトル獲得しか頭にないんだから、リーガでのヘタレっぷりは大目に見てやるしかないだろうって? ▽そうですね、月曜からはワンダの窓口でソシオ(協賛会員)歴が古い順に決勝チケット販売が始まりましたし、リーグ1の試合を金曜に前倒ししたオリンピック・マルセイユをリヨンで倒すには、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのコリセウム・アルフォンソ・ペレスではそれこそ、全員カンテラーノでプレーしてもいいぐらい。その方が折しも同じ日曜、私がようやく近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に辿り着き、最後の15分だけ見られたラス・パルマス戦では後半43分に決勝点。ええ、すでに降格済みの相手からレンタル中のレミこそ、アンヘル・トーレス会長が交渉して出場できたものの、10人もの負傷、出場停止者がいたせいもあって、ヘタフェB(3部)のメンバー3人と共に久々の先発となった柴崎岳選手が、こんな時間になっても集中力を失っていなかったことを証明してくれたんですよ。 ▽敵陣エリア近く、GKからパスをもらったハビ・カステジャーノの背後から、柴崎選手がボールを奪うとホルヘ・モリーナにバトンタッチ。最後はアンヘルが決め、土壇場で0-1の勝利をもぎ取ったヘタフェですからね。これで兄貴分からも勝ち点3をゲットできれば、来季のEL予選出場権がもらえる7位に喰いこめるかもしれないとなったら、相手がローテーションしてくれるのは渡りに舟かと。ただし、サッカー協会の規則で7人以上、ピッチにトップチームの選手がいないといけないという縛りがありますし、ビトロはEL決勝を目指してリハビリ中とますます、アトレティコは少数精鋭になっているため、シメオネ監督にあまり選びようはないんですけどね。 ▽そんな中、ヘタフェが再びヨーロッパの大会に返り咲いた場合、昨季、昇格プレーオフで1部に上がり、シーズンがどこより長かった彼らが来季は7月下旬、EL予選3回戦でどこより早いシーズンインになるのはちょっと気の毒なところも。とはいえ、月曜に同じ残留決定組のレバンテとブタルケで対戦、突如、降り始めた大雨にお祝い気分に水を差されたか、0-3と大敗してしまったレガネスではガリターノ監督から、火曜に今季限りで退団という発表があったのとは対照的に、ボルダラス監督の続投はほぼ決定していても選手の入れ替えはかなりあるでしょうからね。休みが短いのはスタッフ以外、あまり気にしなくていいのかもしれませんね。 ▽え、それよりヘタフェ戦終盤からバルに居座っていたのが大成功。珍しく私が席取りに苦労しなかったクラシコ(伝統の一戦)の話も聞きたいって?いやあ、これがすでにバルサの優勝が前節のデポルティボ戦で決まっていたため、戦前はdescafeinado(デスカフェイナードー/カフェインレス)なクラシコなんて言われていたんですが、始まってみればとんでもない。ええ、ワンダでの裏クラシコ(マドリーとバルサが対戦する時はいつもアトレティコとエスパニョールのカードになる)とは真逆の激しさで、それに油を注いだのがどちらも満足しなかったエルナンデス・エルナンデス主審のジャッジだったんですよ。 ▽というのも前半10分、セルジ・ロベルトのクロスをルイス・スアレスが撃ち込んでバルサが先制、15分にはクリスチアーノ・ロナウドのtaconazo(タコナソ/ヒールキック)をエリア内左奥に持ち込んだクロースがゴール右前のベンゼマにクロス、彼が頭で落としたボールにロナウドが駆けつけて同点をゲットした際にピケに足首を蹴られてしまったなんて辺りまではまだ、普通だったんですけどね。だんだんゲームがヒートアップしていき、前半ロスタイムにはマルセロがセルジ・ロベルトに顔を殴られ、一発レッドで退場となってしまったから、驚いたの何のって。 ▽おかげでハーフタイムが終わり、後半のピッチに出るのを選手たちがカンプ・ノウのトンネルで待っている間、ピケが「Sabes que ganamos las ligas con muchos puntos de ventaja/サベス・ケ・ガナモス・ラス・リーガス・コン・ムーチョス・プントス・デ・ベンタハ(ウチは大差の勝ち点差でリーガ優勝したのを知ってるかい?)」とからかって、温厚なナチョを激怒させたり、映像はないものの、メッシなど、セルジ・ロベルト退場前にウムティティのふくらはぎをスパイクで蹴ったベイルにレッドカードが出なかったことを根に持って、「Te cagas, te cagas, siempre estais igual/テ・カガス、シエンプレ・エスタイス・イグアル(ビビッたな、あんたたちはいつも同じだ)。ボクらがリーガ優勝してるんだから、もう奴らに試合を贈る必要はない」と主審に噛みついていたなんて話も発覚。 ▽その件については、試合後のミックスゾーンでセルヒオ・ラモスも「Si, le ha metido un poco de presion al arbitro/シー、レ・ア・メティードー・ウン・ポコ・デ・プレシオン・アル・アルビトロ(そうだね、彼は少し、審判にプレッシャーをかけていた)」と証言していましたが、でもねえ。確かに後半7分、当人も「Es falta, porque Varane controla y le meto el pie/エス・ファルタ、ポルケ・バラン・コントロラ・イ・レ・メト・エル・ピエ(あれはファール、ボールをコントロールしているバランに自分は足をかけたから)」と言っていた通り、ルイス・スアレスが相手を倒しながら、止められることなくプレーを続行できたのはともかく、パスを受け取ったメッシにああも見事にラモスとカセミロがかわされ、シュートを決められてしまっては…。 ▽それでもこの1点は28分、後半からロナウドに代わってプレーしていたアセンシオのラストパスをベイルが豪快に打ち込んで返してくれたため、オブラクとテア・シュテーゲンの失点差がまた3に広がっただけでなく、10人になったバルサに負けるという醜態は避けられたんですけどね。30分にはジョルディ・アルバがマルセロをエリア内で倒しながら、PKを取ってもらえないという不運もありましたが、結局、「11体10になった後半、ウチは忍耐が足りなくて、先走ったプレーをしてしまった」とジダン監督も反省していたように、試合はそのまま2-2で終了です。 ▽いやあ、バルサが優勝決定してから、最初のホームゲームだったため、マドリー勢が引き揚げた後、選手たちが場内一周を始めたのは別に構わなかったんですけどね。そのシーンを中継していたGOL TVのアナウンサーが、「ピケがマイクを持っています!」とやたら興奮。そこで私もそのまま見ていると、「Como no nos han querido hacer el pasillo, le pido a nuestro staff que nos lo haga/コモ・ノー・ノス・アン・ケリードー・アセール・エル・パシージョ、レ・ピド・ア・ヌエストロ・スタッフ・ケ・ノス・ロ・アガ(ボクらに花道を作りたがらなかったから、やってくれるよう、スタッフに頼んだ)」と当人が説明、バルベルデ監督も含むチーム関係者が2列に並んで、その間を選手たちが通ってロッカールームに帰って行くって、わざわざこれみよがしにマイクで言うこと? ▽うーん、いくらジダン監督がクラブW杯優勝直後の前期クラシコでバルサが花道を作らなかったのを理由に今回、マドリーもこの慣習に従わないことにしたとはいえ、何だか子供っぽいリベンジのような気がしましたが、まあピケですからね。この日、最後のクラシコをプレー、翌日には中国の重慶当代力帆から一転、バルサのスポンサーである楽天の所有するヴィッセル神戸への移籍が浮上して、日本のファンをドキドキさせているイニエスタがラモスにメッセージ入りユニを贈っていたり(https://twitter.com/SergioRamos/status/993504736467935232)と、来週末にリーガが終わった後、スペイン代表として一緒にW杯に行く選手たちが試合後、仲良く談笑しているのを見られたのは何よりでしたっけ。 ▽そして今週はマドリッド勢でマドリーだけ、コパ・デル・レイ決勝で延期されたセビージャ戦がミッドウィークにあるんですが、こちらも頭には26日のCL決勝しかないのは言う必要もなし。試合前日記者会見でジダン監督はすでに全体練習に復帰しているイスコはもちろん、現在、負傷中のロナウド、カルバハルもキエフでのリバプール戦には間に合うと太鼓判を押していましたが、当然、水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からのリーガ消化試合はローテーションが大前提かと。クラシコをベストメンバーで戦ったばかりのため、おそらくマジョラル、セバージョス、ジョレンテ、テオら、Bチームの出場となると思うんですが、いやあ、この辺は私も痛し痒し。 ▽だってえ、セビージャはヘタフェの直接ライバルのため、勝って弟分に恩義を売るいいチャンスとはいえ、そうなると2位のアトレティコとマドリーの勝ち点が並んでしまいますからね。モンテッラ監督を解任、前節から就任したカパロス監督がレアル・ソシエダに勝ち、向こうもいいムードになっているため、どちらが優勢とも言えないものの、何はともあれ、マドリーにとっては負傷者を出さない試合をするのが最優先事項でしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.05.09 22:15 Wed
twitterfacebook


ACL

ACL

ACL

欧州移籍情報
Jリーグ移籍情報
hikari

アクセスランキング

@ultrasoccerjp

新着ニュース