【原ゆみこのマドリッド】最初からちゃんとやっていれば…2017.03.04 10:15 Sat

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▽「大したことなくて本当に良かった」そんな風に私がホッとしていたのは金曜日、お昼のニュースでフェルナンド・トーレスがデ・ラ・コルーニャ(スペイン北西部の避暑地、デポルティボのホームタウン)の病院から、歩いて出て来る映像を見た時のことでした。いやあ、すでに午前中にはアトレティコのツィターでも元気そうな本人の写真と共に退院報告があったため(https://twitter.com/Atleti/status/837601117643096066 )、前夜にリアソルでベルガンティーニョスと空中戦で争って、落下時に頭を打撲。危険な状態になりながら、後でデポルティボのチームドクターも「素早い措置で完璧だった」と褒めていましたが、毎シーズン、アトレティコの選手たちが参加している緊急救命法レッスンがブルサイコとガビによって、最大限に役立てられたのはわかっていたんですけどね。

▽「Gabi se llevo un mordisco al intentar sacarle la lengua/ガビ・セ・ジェボ・ウン・モルディスコ・アル・インテンタール・サカールレ・ラ・レングア(ガビは喉に詰まった舌を引き出そうとして、噛まれちゃったけどね)」というのは余談としても、おかげで正直、トーレスが担架で運び出されるまで、ピッチにいる選手たちもTVの前にいたファンもどうなることかとドキドキすることに。ただ、そんな場面であまりにひどいなと思えたのは、リアソル・ブルース(デポルティボの過激なファングループ)のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)で、折しも2014年11月にあったアトレティコのウルトラたちとの集団抗争事件の際、命を落としたデポルティボ側のメンバーの捜査が犯人不明のまま、お蔵入りになったことも影響していたのでしょうが、「Si se muere, qué se le va a hacer/シー・セ・ムエレ、ケ・セ・レ・バ・ア・アセール(死んじゃったら、何をしてやればいい)」なんて歌っているなんて、まったく縁起でもない。

▽トーレス自身は「Recuerdo hasta justo antes del golpe/レクエルドー・アスア・フストー・アンテス・デル・ゴルペ(打撃の前までしか覚えていない)。救急車の中で意識が戻った」そうなので、そのカンティコもスタンドからの拍手もその時は耳にしていないんですけどね。幸い検査の結果もただの脳震盪で、他に異常はなかったものの、凄い重傷だったりしたら、先週末レガネスに負け、ガイスカ・ガリターノ監督が解任となった後、火曜にチームを引き継いだメル新監督の下でようやく、今季リーガ初出場の機会をもらえたせいもあって、きっと張り切っていただけですよね。転倒の原因となったベルガンティーニョスのショックもただならぬものになっていたでしょうし、彼とメル監督が病院にお見舞いに駆けつけた時には当人がもう、話せる状態まで回復していたのは何より有難いことでしたっけ。

▽とまあ、ここまでがミッドウィーク開催の前節、ルイス・エンリケ監督がバルサとの契約を来季は延長しないと、スポルティングに6-1で大勝した後に発表したことと並んで、話題を独占した事件の顛末なんですが、肝心の試合の方もお伝えてしていかないと。マドリッド勢の先陣を切って、火曜にバレンシアに挑んだのは新弟分のレガネスだったんですが、残念ながら、デポルティボ戦に続いての連勝はならず。いえ、バレンシアも前半29分にCKからのrebote(レボテ/リハウンド)でマンガラが入れた1点しか取れなかったんですけどね。アシエル・ガリターノ監督のチームも攻撃の決め手に欠けたか、そのまま1-0でメスタジャから帰ることになりました。

▽そして水曜はバルサがカンプ・ノウで勝利して、勝ち点差2で首位に立った直後、特等席を取り戻すためにラス・パルマス戦に挑んだレアル・マドリーだったんですが、とりあえず出だしは良かったんですよ。ええ、ジダン監督のローテーションで一緒に先発に入ったモラタは意気込みすぎたか、ゴールを決めてもオフサイドだったものの、前半7分にはイスコがGKバラスの脇を抜くシュートを決めて先制。でもねえ、その2分後にはセルヒオ・ラモスがタナに後れを取り、同点弾を撃ち込まれているのではまったく、先が思いやられます。

▽ただ、マドリーに本当の災厄が襲い掛かったのは、そのまま1-1で迎えた後半で、2分も経たないうちにベイルがドリブルで先を行くジョナタン・ビエイラを後ろから2度も蹴ってイエローカードをもらった挙句、最後は相手を両手で突き飛ばして一発退場。うーん、当人は後で「あれはレッドカードじゃない。先にビエイラが押してきたんだから」と弁解していましたが、身長183センチ体重74キロ、筋肉隆々の彼が170センチ64キロの相手に手を出したら、審判が危険な行為と解釈してしまうのも仕方ないかと。

▽おかげで予期しない早い時間に10人になってしまったマドリーでしたが、元々、その日はラス・パルマスにボールを握られていた上、チームが前後に分かれやすくなっていたのが災いすることに。10分にはボアテングのシュートをエリア内で弾いたセルヒオ・ラモスが続く、シモンの撃ったボールを手で防いでしまいペナルティを献上。ビエイラがPKを沈めて勝ち越し点を奪われてしまいます。更に14分にはロングボールに抜け出したボアテングにマルセロ1人では対抗できず、GKケイロル・ナバスまでかわされて、とうとうスコアが1-3になってしまったから、驚いたの何のって。

▽え、先週末はビジャレル戦で2点差を覆して2-3で勝利したマドリーなら、人数が少なくたって、こんなのremontada(レモンターダ/逆転)可能範囲だろうって?まあ、その通りですし、実際、41分にはクリスチアーノ・ロナウドがクロスをカステジャーノの手に当てて稼いだPKで自ら1点を返すと、43分にはハメス・ロドリゲスのCKからヘッドを決めて、3-3にはしたんですけどね。これも今までサンティアゴ・ベルナベウで33試合して勝ち星なし、28敗しているラス・パルマスに「最後の10分間、ウチは経験が足りなかった」(ボアテング)おかげもなきにしろあらず。

▽ビエイラなども「Debimos tener cabeza y retener la pelota como hicimos durante todo el partido/デビアモス・テネール・カベッサ・イ・レテネール・ラ・ペロータ・コモ・イシモス・ドゥランテ・トードー・エル・パルティードー(ボクらは頭を使って、試合の間ずっとやっていたようにボールをキープするべきだった)」と嘆いていましたしね。それでも最後は奇跡の逆転劇まではさせず、勝ち点1が手元に残っただけでもラッキーだと思っている選手も多かったようですが…3度もナバスと1対1で対峙するチャンスを迎えながら、決めることができなかったヘセが、「si hay alguien que te puede empatar o remontar perdiendo 1-3 es el Real Madrid/シー・アイ・アルギエン・ケ・テ・プエダ・エンパタール・オ・レモンタール・ペルディエンドー・ウノ・トレス・エス・エル・レアル・マドリー(1-3で負けていて追いついたり、逆転したりできるチームがあるとすれば、レアル・マドリーだけ)」と威張っていたのはどうにも解せないかと。

▽いえ、ユースチームから過ごしたマドリーから今季は河岸を変え、PSGに移籍したものの、パリの水が合わずに生まれ故郷のチーム、ラス・パルマスにレンタルで来ることになった彼は、今でも「いつかはマドリーに戻ることを頭で描いている」ため、あまり反感を買うようなことは言えないのはわかりますけどね。あれだけはっきりしたチャンスに何度も失敗していては、お隣さんの間抜けなFWたちじゃあるまいし、キケ・ステイン監督は「Nos aporta cosas que no nos da nadie/ノス・アポルタ・コーサス・ケ・ノー・ノス・ダ・ナディエ(他の誰もできないことでチームに貢献してくれている)」と庇っていたものの、実は「あの位置まで行くと、多くの選手はゴールを入れることばかり考える。その瞬間に間を取れるのが偉大な選手だ」という方が本音だった?

▽ただ同様に試合後はマドリーサイドも後悔しきりで、勝てなかった場合はチームの内規みたいなもんなんでしょうね。キャプテンクラスが試合終了直後のピッチ上インタビューに出るんですが、それもまた序列があるのか、ここ3試合連続で狩り出されている第2キャプテンのマルセロは「こういう何が起きたか説明しないといけない試合にはいつも自分が当たる」と諦め顔。「ウチは最近、やらなきゃいけないことをしていない」と正直に認めたため、後でミックスゾーンに最後に登場した第1キャプテンのラモスが批判を避けるために、そのコメントを訂正することに。

▽曰く、「マルセロが言いたかったのは、nos precipitamos a la hora de tomar decisiones y no salen las cosas como quremos/ノス・プレシピタモス・ア・ラ・オラ・デ・トマル・デシシオネス・イ・ノー・サレン・ラス・コーサス・コモ・ケレモス(ボクらは決断する時に早まってしまい、上手くいかない)ということ」だそうですが、彼も「マドリーを倒すには何度も殺さないといけない。Tenemos mas vidas que un gato/テネモス・マス・ビダス・ケ・ウン・ガトー(ウチは猫より沢山の命がある)」と、ちょっとマドリー十八番の根性のレモンターダに自信を持ち過ぎな感も。うーん、今までの実績は買うものの、何せこの3試合で逆転勝ちできたのはビジャレアル戦だけで、ラス・パルマスには勝ち点2を取りこぼし、バレンシア戦なんてあと1点が足りずに負けてしまっていますからね。

▽それだけにジダン監督も「Hemos hecho un esfuerzo enorme/エモス・エッチョー・ウン・エスフエルソ・エノルメ(ウチは甚大な努力をした)だけに、あの前半は怒ってもいい。後半の力を注いだら、もっと簡単になっていた。もうこれで3、4試合、同じような傾向が続いている」と、追い込まれないと本気になれない選手たちに苦言を呈していましたが、まあこればっかりはねえ。普通なら、嵐のような終盤の攻撃に歓喜するベウナベウの観客たちもこの日はさすがに呆れていたようですし、そこは根性の逆転劇はたまに見るから感動するのであって、こう毎回毎回では食傷気味になるという私の意見と一致していたようです。

▽そして翌日、デポルティボとアウェイ戦だったのがアトレティコなんですが、こちらはまた、前半から信じられない場面に遭遇することに。それは12分、先週末のバルサ戦からレギュラーに戻ったGKオブラクがエリア近くでアンドネに後ろを張られていたヒメネスにゴロでゴールキックを出すって一体、どういうこと?もちろん、まんまとボールを取られてしまったCBも悪いんですが、そのアンドネのシュートが決まって、先制されているんですから、お粗末もいいところじゃないですか。さすがに選手たちにもこれは相当ショックだったんでしょうね。それまではボールを支配して、そこそこいいプレーをしていたアトレティコだったのが、この失点を境にパスが3本と繋がらない、完全なダメダメチームに変貌してしまうって、ちょっとお、精神面弱すぎじゃないですか?

▽それでも後半、22分にはフィリペ・ルイスのエリア外からのシュートがゴールポストに弾かれたのを起点に、クリアされたボールを繋いだ後、グリースマンが30メートル先から撃ち込んで、もうこれは天賦の才としか言えないgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を披露。おかげで同点にはできたアトレティコだったんですけどね。せっかく途中出場のトーレスにもチャンスが到来、GKルックスにparadon(パラドン/スーパーセーブ)を強いるシュートを撃って盛り上がったものの、例の昏倒騒ぎで試合が39分から4分間中断。もうその後は全員がチームメートの安否を気遣って、心そこにあらずの状態になってしまったため、ロスタイムが7分あった意味もまったくなく、そのまま引き分けで終了です。

▽その結果、レアル・ソシエダはエイバルと火曜に2-2で引き分けていたものの、丁度その日は3位のセビージャがアスレティックに1-0で勝利したため、アトレティコとの差が勝ち点9に拡大。おまけに金曜夜に再び試合をしたソシエダがベティスに2-3と勝ったため、もうこの今節は2ポイント下の5位として、バレンシアに挑むことになってしまったアトレティコですけどね。頭を打ったばかりのトーレスは当然、出られませんし、ゴディンも累積警告で出場停止と、この日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのビセンテ・カルデロンには、私も一体、何を期待して行ったらいいのか。せめてCL出場圏復帰ぐらいは果たしてもらわないと、来季からの新しいホームスタジアム、鳴り物入りでオープンするワンダ・メトロポリターノが泣いてしまいますよ。

▽一方、お隣さんは土曜にレガネスがブタルケにグラナダを迎え、残留争いの直接ライバルと対決をした後、やはり午後4時15分からアウェイで乾貴士選手のいるエイバルと試合なんですが、レッドカードをもらったベイルは2試合の出場停止処分が課されて不在。更にモラタも累積警告でお休み、軽い痛みのあるロナウドも来週火曜のCLナポリ戦2ndレグを見据え、お留守番となると、もうBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の生き残り、ベンゼマを頼りにするしかないのは辛いところかと。

▽いえ、それでもイスコやハメス、ルーカス・バスケスらがいるマドリーは大抵のチームが羨ましがる強豪。金曜の練習前には反省ミーティングをして、「Hay que defender todos, hay que correr todos/アイ・ケ・デフェンデール・トードス、アイ・ケ・コレール・トードス(全員で守り、全員で走らないといけない)」と周知徹底したようですしね。ただ、加えてラモスなどは、「El único que está liberado es Cristiano porque mete 60 goles/エル・ウニコ・ケ・エスタ・リベラードー・エス・クリスティアーン・ポルケ・メタ・セセンタ・ゴーレス(唯一、それをしないでいいのはクリチアーノ。年60本ゴールを入れるだから)」と言っていたようですが、今季のロナウドはリーガでまだ18得点、CLでも2得点と、ゴール数が減少しているため、その辺は現実と少々合致しないところ。

▽もちろん、ラス・パルマス戦の2点のように、彼が未だに救世主的な働きをしてくれる日もあるのは確かですが、とにかく最近のマドリーは失点が多いですからね。何かとミスを責められがちなGKナバスだけでなく、今季はラモスがプレーしている時は68分に1失点、いない時は185分に1失点と、不安なデータもスポーツ紙には出ていましたが、とにかくこの土曜はバルサがセルタを迎える前に再び、現在の勝ち点差1を引っくり返して、一時でも首位に返り咲いていたいもの。実際、相手のエイバルもすでに残留ほぼ確定の勝ち点を溜めて余裕ですし、ペドロ・ロンやエンリッチが好調ですから、油断はせずに立ち向かった方がいいですよ。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】リーガが戻って来る…

▽「あまりピンとはこないけれど」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、そろそろリーガ再開が近づいてきたため、マドリッドの4クラブから代表戦に行っていたメンバーについて調べていたところ、弟分レガネスにも来年のW杯に参加できる選手がいるのに気がついた時のことでした。いやあ、アムラバトのプレーするモロッコはまだ、11月の予選最終戦でコートダジュール(コートジボワール)に引き分け以上の成績を残さないと確定しないんですけどね。当人もワトフォードからの1年間のレンタル移籍とあって、大会開催時はレガネスの選手と言っていいのかも微妙なところですが、それでも1人しかいないinternacional(インテルナシオナル/各国代表選手のこと)がロシアに行けるかもしれないとなれば、チームメートたちのいい励みになるかも。 ▽加えてモロッコと言えば、お隣さんヘタフェのファイルや大先輩レアル・マドリーで先日、デビューしたアクラフ・ハキミも同僚になりますからね。強敵イタリアをrepesca(レペスカ/プレーオフ)に追いやって、先週金曜にグループ1位でW杯進出を決めたスペインも来月は親善試合のみですし、それなら私もアフリカ予選を気にする余裕もあるかと。唯一、気になるのはマドリーのモドリッチとコバチッチ、そしてアトレティコのヴルサリコのいるクロアチアが17日の抽選で相手の決まるプレーオフに出場。相手はスウェーデン、北アイルランド、ギリシャ、アイルランドのどれかになるようですが、ここで勝ち抜けないと本大会に行けないとはいえ、まだ1カ月ありますしね。できれば、W杯でもマドリッドのクラブの選手たちがなるたけ沢山、活躍してほしいものの、今は元気でも来年6月にはケガに見舞われていたり、調子が落ちていたりなんてこともあるため、あまり取らぬ狸の皮勘定はしない方が無難ですかね。 ▽え、それでもW杯行きが決まって消化試合となった月曜のイスラエル戦、スペインのロペテギ監督は将来を見据えて、控えメンバーを試しまくっていたじゃないかって?そうですね、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)こそ、「que jugara Ramos es una decision mia/ケ・フガラ・ラモス・エス・ウナ・デシシオン・ミア(ラモスが先発したのは私の決断)。多くの選手を代えたから、彼はプレーすべきだった」という理由でリピートしたんですが、後はアルバニア戦で出場停止だったブスケッツ(バルサ)やペドロ(チェルシー)を除き、あまり代表では馴染みのない選手が並ぶことに。ただ、だからといって、そんなに若いチームという訳でもなく、トップは36歳のアドゥリス(アスレティック)、GKは34歳のレイナ(ナポリ)って、ちょっと世代交代に逆行していた例もなきにしろあらず。 ▽そこへやはり、試合の前夜10時過ぎにチーム全員でエルサレムの嘆きの壁を訪問するなど、観光気分が混じっていたのも災いしたんですかね(https://twitter.com/SeFutbol/status/917120666062729222)。敗退の決まっているイスラエル相手になかなか点を取れず、後半からラモスを下げ、イアゴ・アスパス(セルタ)を入れて3バック制にした上、ロペテギ監督率いるスペインの切り札、イスコ(マドリー)も31分に投入。彼の放ったCKが敵DFにクリアされ、そのボールをイジャラメンディ(レアル・ソシエダ)がエリア外から撃ち込んだシュートが決まってくれたため、何とか0-1で勝利を手に入れた彼らでしたが、まあ他に喜ばしかったのはジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)の代表デビュー、後半にはキャプテンも務めたブスケツの代表100試合出場達成ぐらいだったでしょうか。 ▽そして翌火曜にはスペイン代表の選手たちもそれぞれのチームに帰還、マドリッド勢を乗せた飛行機がバラハス空港に着くのが遅れたため、アトレティコなどは午前11時開始予定のセッションを遅らせて、コケとサウールがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に着くのを待っていたそうですが、やはり次は強敵バルサをワンダ・メトロポリターノに迎える大一番ですからね。今週は私も2度程、彼らの夕方練を見学に行くことに。 ▽ええ、月曜には1月からスペイン代表復帰を目指すジエゴ・コスタはともかく、モンテネグロにまだプレーオフ出場の可能性がありながら、2差試合目は出場停止となったサビッチしか、代表から帰還した選手はグラウンドにいませんでしたが、水曜になると同様に予選敗退が決まったスロベニアから戻ったGKオブラク、すでにベルギーのW杯進出が確定していた1戦目のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でゴールを挙げ、次戦出場停止だったカラスコも合流。火曜のベラルーシ戦で1ゴール1アシストと活躍、フランスのW杯出場決定に大きく貢献してきたグリーズマン、2試合目のサウジアラビアとの親善試合では2得点したものの、ガーナの予選敗退を防ぐことはできなかったトマスはジムにいたとかで、姿を見ることはできなかったんですが、朗報は代表選週間直前のレガネス戦をケガで欠場したフィリペ・ルイスとルカスの両名が完全復活していたことでしょうか。 ▽そう、何せ弟分とのミニダービーでは本職はもとより、CB兼任の控えも欠き、苦肉の策で左SBをサウールがやらされていたなんてこともありましたからね。別にそればかりがスコアレスドローに終わった理由ではありませんが、とりわけ予選最終節エクアドル戦でハットトリック、アルゼンチンを1-3の逆転勝利に導いて、土壇場で劇的なW杯出場を達成したメッシを迎えるとなると、やはりこのポジションには百戦練磨のフィリペ・ルイスにいてもらいたいもの。いえ、何度も対決している当人は「Es imposible parar a Messi uno contra uno sin faltas/エス・インポシブレ・パラール・ア・メッシ・ウノ・コントラ・ウノ・シン・ファルタス(メッシを1対1でファールなしに止めるのは不可能)。自分が1人の時、ボールを持って向かって来られたら、引っ張るとか、何か変なことをしない限り、20回のうち1度ぐらいしか勝てない」と言っていましたけどね。 ▽それでも不慣れな選手が対峙したら、相手は今季リーガでも11得点していますから、勢い余って、レッドカードでももらってしまうんじゃないかという心配があるからですが、加えてバルサにはまだ今季2ゴールとはいえ、ウルグアイがW杯行きを決めた最終節、ボリビア戦でdoblate(ドブレテ/1試合2得点のこと)してきたルイス・スアレスの脅威も。木曜夕方の練習から合流した同僚のゴディンが、間が悪くもその試合でオウンゴールしてしまったなんてこともありましたしね。おまけにスペイン代表戦をケガで欠場、その間にクラブと期限なし契約延長更改をしたイニエスタも回復し、累積警告でイスラエルに行かなかったピケもセットプレーでは要注意となると、シメオネ監督もスタメン守備陣はよくよく考えて選ばないと。 ▽そんなアトレティコvsバルサ戦は結局、カタルーニャ州の独立宣言が議会でされたかされないか、曖昧なまま、延期状態に入ったようなので、相手はスペイン・:リーガのチームのまま、予定通り土曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。幸いクロアチアがウクライナに勝ってプレーオフ進出を決めた試合で筋肉痛になったヴルサリコも金曜には練習に参加できていますが、右SBの先発はこの2週間、じっくりトレーニングを積んだファンフランになる目が高い?ちなみにその彼曰く、バルサ戦での「La clave es que no se sientan comodos/ラ・クラベ・エス・ケ・ノー・セ・シエンタン・コモドス(カギは相手に心地良くプレーさせないこと)」だとか。 ▽ただ、今回はホームゲームとはいえ、フィリペ・ルイスも「ビセンテ・カルデロンではドリブルしやすい場所、どこに窪みがあるか、何時なら日差しに目をくらませられないとか、全部わかっていた。Esa es la soltura que aun no tenemos en el Wanda/エサ・エス・ラ・ソルトゥーラ・ケ・アウン・ノー・テネモス・エン・エル・ワンダ(それがまだボクらがワンダでノビノビプレーできてない理由なんだ)」と言っていたように、アトレティコ自身も3試合目とあって、未だに手探り状態のところがありますからね。このparon(パロン/リーガの停止期間)でスタジアム内や周辺の工事もかなり進んだと聞きますが、今回は私も時間的にギリギリの到着になるため、あまりわかりにくくなっていないと助かるかと。 ▽というのもその土曜には午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに弟分のヘタフェがマドリーを迎えるからで、こちらにはクリスチアーノ・ロナウドと共に火曜のスイス戦に勝利、ポルトガルのW杯行きを決めたアントゥネスがいるんですけどね。実際、ファジルのモロッコもそれに続けば、日本代表の柴崎岳選手と合わせ、W杯に3人も参加できるかもしれないというのは昇格組ながら、ヘタフェはかなりいい人材を擁していると言っていいかと。 ▽それでも「Nosotros tenemos que confiar en nuestras cualidades/ノソトロス・テネモス・ケ・コンフィアール・エン・ヌエストラス・クアリダーデス(ボクらは自分たちの質の高さを信じないといけない)。サッカー選手なんだから、自分たちの才能や努力を信じないと」(アントゥネス)と、マドリー戦前にはどこか、精神論頼みになってしまうのは仕方ないことで、何せ相手にはそのロナウドを始め、ラモス、イスコ、アセンシオ、ナチョ、そしてウィルス感染による心膜炎は快方に向かっているものの、まだこの試合には出られないカルバハルらスペイン代表勢の面々、1試合目でドイツのW杯出場が決まったため、お役御免で早期帰還をしたクロース、フランス代表でバルサのユムティティとCBコンビを組んでいるヴァラン、そしてブラジルの初キャプテンを務めてきたカゼミロに、この代表戦週間は負傷のリハビリをしていたマルセロと、ロシアに行くメンバーがゴロゴロいますからね。 ▽そんな中、コスタリカの出場が決まったGKケイロル・ナバスは足のケガでこの試合、カシージャにゴールを譲るようですが、元々、代表戦週間明けのローテーションはジダン監督の恒例行事。ただ1人、目の前でウェールズの敗退が決まるのを見ているしかなかったベイルはふくらはぎのケガで全治1カ月となっているため、当人が落ち込んでいてもこの試合では関係ありませんしね。フランス代表には事情があって呼ばれず、この2週間、ケガが治ってから、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で調子を整えてきたベンゼマやU21ユーロ予選でゴールを挙げたセバジョスなど、却ってモチベーションの高い選手が出てきそうとなれば、やっぱりボルダラス監督のチームが勝利をつかむのは至難の業かと。 ▽まあ現在、首位バルサとマドリーの差がもう勝ち点7もありますし、柴崎選手も12月まで負傷で出られず。頼みの綱のアトレテティコもシメオネ監督がバルサに勝っていないのもあって、これ以上差が開くと優勝戦線が面白くなくなるため、私も今回はそうそう、弟分に肩入れもしていられないんですけどね。コリセウムも今季、2度目のチケット完売だそうですし、スタンドを埋めたサポーターに胸を張れる試合をしてくれればまずは良しとするしかないかと。そうそう、レガネスは日曜にアウェイで最下位のマラガに挑むんですが、こちらは続投が懸かっているミチェル監督には悪いものの、私的にはマドリッド勢の応援一択といったところでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.13 13:59 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】これなら期待してもいいかも…

▽「まだ考えるには気が早いよね」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スペインのロシア・ワールドカップ予選最終節が余裕の消化試合となってしまったせいでしょうかね。スポーツ紙の代表ページではもう、来年6月のW杯ロシア大会行き選手名が取り沙汰されているのを見た時のことでした。いやあ、私は、これで11月の代表ウィークは親善試合三昧、ホームゲームの会場を引き受ける予定のワンダ・メトロポリターノで初めてプレーする相手はどの国なのかの方が気になってしまったんですけどね。ロペテギ監督にはすでに16人の固定メンバーがいると言われても今回、モラタ(チェルシー)、カルバハル(レアル・マドリー)、イニエスタ(バルサ)の常連が欠けていたように、本大会まであと半年以上もあるとなれば、負傷者の発生はもとより、各人の調子自体も大きく変わっている可能性があったから。 ▽ただそうは言っても逆にもし、この11月に開催するんだったら、2014年のW杯ブラジル大会ではグループリーグ敗退、2016年ユーロでもベスト16で姿を消すという残念ぶりだったスペインも再び、優勝候補に入れるんじゃないかと思わせてくれたのが金曜のアルバニア戦だったのは事実。そう、試合前はカタルーニャ州の独立を問う住民投票に対するコメントetc.のせいで、ピケ(バルサ)にしかスポットが当たっていなかったような代表チームだったんですが、ロペテギ監督は世間の騒音に惑わされず、着々と準備を整えていたよう。リコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での一戦に秘密兵器を投入とは、スタメンを見て驚いたのは私だけではなかったかと。 ▽それは今季、好調バレンシアを支えるFWロドリゴと当日、ホテルでの軽食時間に先発を告げられ、すぐに母親に電話して伝えたところ、「Pobrecita, casi le da un ataque cuando se lo he dicho/ポブレシータ、カシー・レ・ダ・ウン・アタケ・クアンドー・セー・ロ・エ・ディッチョー(可哀そうに、ボクが先発すると言うと心臓発作を起こさんばかりだったよ)」という22歳のオドリオソラ(レアル・ソシエダ)ら新顔の抜擢。いえ、この夏、ポーランドで共にU21ユーロ準優勝という結果を残したサウール(アトレティコ)も実は代表での先発はその日が初めてだったんですけどね。 ▽そこへイスコ(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)ら、ロペテギ監督の下、2013年のU21ユーロで優勝したメンバーが加わり、2008年~2012年に国際メジャータイトル三連覇を達成した黄金期メンバーはシルバ(マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ラモス(マドリー)、ピケ、ジョルディ・アルバ(バルサ)の4人しかいないって、おやおや、いつの間にか随分、世代交代が進んでいるじゃないですか。 ▽実際、若いメンバーが多いせいか、ピッチに上がった選手たちも気合十分。ピケがボールを持つたびスタンドから湧き上がるpito(ピト/ブーイング)とaplauso(アプラウソ/拍手)など、まったく意に介さず、スペインは序盤から高い位置でプレッシャーをかけてボールを独占します。それこそ30分ぐらいまで、TV画面に時折映るポゼッション率もアルバニアが30%を切っていたぐらいなんですが、この日は嬉しいことにゴールも順調に決まってくれたから、助かったの何のって。 ▽そう、16分にはそれまで2度程、シュートを外していたCFのロドリゴがイスコの浮き球パスをエリア内、コントロールの難しいボールながら器用にGKベリシャ(アタランタ)の手の届かないゴール右上に撃ち込んで先制。続いて23分にはデ・ヘアから始まって18本目、最後は代表に来るといつも「El balon va super rapido!/エル・バロン・バ・ア・スーペル・ラピド(ボールが超速く動く)」と戸惑いながら、2、3日経つと慣れるというコケがスルーパスを送り、イスコが見事な弾丸シュートでフィニッシュすることに。おまけにその3分後にはオドリオソラが右サイドを上がりきり、そのクロスを2列目から飛び込んだチアゴがヘッド。あっさり3点目をゲットしているんですから、まさに目を見張るような効率の良さじゃないですか。 ▽え、中でも9月の予選でもイタリア戦で2ゴール、リヒテンシュタイン戦でも1ゴールを挙げているイスコの代表での活躍ぶりは特筆に値するんじゃないかって?そうですね、後で当人も「クラブであまり出ていなかった時も呼んでくれた監督には感謝している。Yo intento devolverle la confianza en el campo/ジョ・インテントー・デボルベールレ・ラ・コンフィアンサ・エン・エル・カンポ(ボクはその信頼をピッチで返そうとしているんだ)」と言っていましたが、その相乗効果か、今季はマドリーでも頼りになる存在になっているのは誰しも認めるところ。この調子を維持してくれれば、W杯でも2014年優勝時のイニエスタ的役割が期待できるかも。 ▽同時にブスケツ(バルサ)の出場停止を受け、本人は「No es algo nuevo para mi, Julen me conocia en esa posicion de categorias inferiors/ノー・エス・アルゴ・ヌエボ・パラ・ミー、ユーレン・メ・コノシア・エン・エサ・ポシシオン・デ・カテゴリアス・インフェリオーレス(自分にとって新しいことじゃないよ。ロペテギ監督は年代別代表でボクがこのポジションでプレーできることを知っていたのさ)」とは言っていたものの、イジャラメンディ(レアル・ソシエダ)を差し置いて,珍しくDFライン前の1人ボランチという役目を与えられたサウールもかなり上手くやっていたと思いますけどね。U21ユーロではもう少し前の位置で大会ピチチ(得点王)もゲットしている彼だけに、このまま精進を続ければ、本大会でも中盤の万能選手として重宝されるのは間違いありませんって。 ▽ただそれ以降、とりわけ後半のスペインは「no me ha gustado porque hemos perdido el control/ノー・メ・ア・グスタードー・ポルケ・エモス・ペルディードー・エル・コントロル(ウチがコントロールを失ってしまったのは気に入らなかった)」とロペテギ監督も言っていた状態で、いえ、別にイエローカードを受けたピケがナチョ(マドリー)に代わったのは関係なかったと思いますけどね。アルバニアもゴール枠に当たったシュートが2本あったものの、得点するまでには至らず。そのまま3-0でスペインが勝利すると、終了後には2位のイタリアがマケドニアと1-1で引き分けたという報も入り、「En el vestuario hemos cantado, saltado y bailado/エン・エル・ベストゥアリオ・エモス・カンタードー、サルタードー・イ・バイラードー(ロッカールームでウチは歌って跳んで踊った)」(ロペテギ監督)と、最終節を残してのW杯出場決定をお祝いできることに(https://twitter.com/andresiniesta8/status/916578309978447873)。 ▽おかげで翌日、午前中に予定されていたセッションは中止となり、代わりに途中出場のナチョ、アセンシオ(マドリー)、アドゥリス(アスレティク)を含め、この試合に出場しなかった選手たちはリコ・ペレスのピッチで遅くまで練習させられていましたけどね。午後4時にテル・アビブ行きの飛行機が出るまで自由時間となったのはとりわけ、アルバニア戦の会場となったアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)の隣町、エルチェの出身で、「Jugar tan cerquita de mi casa es muy especial para mi/フガール・タン・セルキータ・デ・ミ・カサ・エス・ムイ・エスペシアル・パラ・ミー(実家のこんな近くでプレーするのはボクにとって特別)。親族が大勢、会いに来てくれた」サウールなどには嬉しかったかと。 ▽ちなみにそんなスペインではピケ同様、アルバニア戦でイエローカードをもらったシルバは次の試合が出場停止となるため、両人とも土曜には代表を離脱。90分プレーしたものの、足首を捻挫したチアゴも4時間のフライトを免れましたが、彼はイスラエル戦が行われるエルサレムのテディ・スタジアムで2013年U21ユーロに優勝した時のメンバーの1人ですからね。思い出の地を踏めないのはちょっと残念だった? ▽ただ、この月曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合ではロペテギ監督も「Habra cambios, vamos a refrescar el equipo/アボラ・カンビオス、バモス・ア・レフレスカール・エル・エキポ(スタメン変更はある。チームをリフレッシュするつもりだ)」と言っていたため、今度はイジャレメンディやバルトラ(ドルトムント)ら、他の当時の仲間や初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)、再招集のカジェホン(ナポリ)といったところをブスケツが率いていく形になるんでしょうが、ふむふむ、アルバニア戦でフル出場したコケやサウールが休めそうなのは今週末のバルサ戦に向けて嬉しい話かも。 ▽更にアトレティコ勢は日曜にスロベニア、モンテネグロの最終節が終わり、両国共予選敗退となったものの、GKオブラクとサビッチが月曜にはマドリッドに帰還できますしね。すでにW杯出場が決まっていたベルギーのカラスコもこの2戦目は出場停止となり、早期合流が期待されているため、あと気になるのは火曜のベルラーシ戦に1位通過か2位プレーオフかが懸かったフランスのグリーズマン、ほぼウルグアイの出場は決まっているものの、こちらの火曜深夜にボリビア戦があるゴディンとヒメネスの到着が遅いといった辺りですが、まあバルサにも来年のロシアにアルゼンチンが行けないかもしれない瀬戸際にいるメッシやヒザの関節に水が溜まり、手術するしないの話になっているウルグアイのルイス・スアレスなど、イロイロ逆境はありますからね。 ▽まあ、細かいことはまだ予選も全て終了していないですし、後日、お伝えすることにしますが、実はお隣さんにもW杯出場が最終節に懸かっている選手がいるんですよ。その筆頭はクリスティアーノ・ロナウドで、いえ、土曜のアンドラ戦ではあと1枚で出場停止になるイエローカードをフェルナンド・サントス監督が恐れ、当人をベンチ待機に。相手が相手だけにそれでも楽勝できると思ったんでしょうが、前半に点を取れなかったため、後半から投入されたんですけどね。先制点を決めた上、2点目のキッカケになるクロスも上げるという活躍でポルトガルを0-2の勝利に導いて、火曜のスイス戦で勝てば1位でW杯進出が決まるところまで来たんですが、そうでなくとも2位でプレーオフに回れるのが確定しているのはまだ気が楽かと。 ▽それ以上に大変なのはモドリッチがキャプテンを務めるクロアチアで、いえ、アトレティコのヴルサリコも一緒なんですけどね。火曜のウクライナ戦の結果次第では2位で終わっても、最低成績の2位となり、プレーオフ出場権も得られない可能性があるとはビックリ。うーん、微妙なのは代表に合流してふくらはぎのケガが見つかったものの、マドリーに戻らず、カーディフに残ってチームを応援しているベイルのウェールズも同じなんですけどね。最初の試合でW杯出場が決まったドイツのクロースが第2戦参加を免除されたり、土曜の試合でホンジュラスと土壇場で引き分けたケイロル・ナバスのコスタリカが出場決定といった朗報もあるものの、11月の代表戦週間明けはいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでの初マドリーダービーとなれば…ジダン監督もプレーオフに参加する選手は多くない方がありがたいかと。 ▽まあ、そんな先の話はともかく、先週末はどこも2連休だったマドリッド勢4チームですが、月曜からは週末のリーガ戦に向けて練習を再開予定。うーん、またしてもこの土曜はヘタフェvsレアル・マドリーのミニダービーが午後4時15分からコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催、午後8時45分にはワンダ・メトロポリターノでアトレティコvsバルサ戦となるため、綱渡り梯子観戦をする予定の私も頭が痛いんですけどね。日曜にマラガとのアウェイ戦に挑むレガネス同様、各国代表選手の少ないヘタフェなど、大先輩に一泡吹かせるいい機会と張り切っているようですが。とはいえ、相手には代表に呼ばれず、丁度、負傷が治って戻って来るマルセロやベンゼマなどもいますしね。左足第5中足骨のヒビを手術した柴崎岳選手も出られないですし、とりあえず私も弟分の善戦を期待するぐらいな気持ちでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.09 13:31 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】誰もサッカーの話をしていなかった…

▽「やっぱり頼りにはできないか」そんな風に私が失望していたのは水曜日、アトレティコ・フェメニーノが初めて女子CLに挑んだ試合をTVで見た後のことでした。いやあ、男子チームが午前中、練習で使ったシューダッド・デポルティーボ・ワンダ(マドリッド郊外のマハダオンダにある練習施設)のミニスタジアムで開催というあたり、見事に女子大会のマイナーさを象徴している気がしないでもありませんでしたけどね。彼女たちの試合は先週の土曜、同じ会場でのリーガ戦も中継されていて、その時はアスレティックを6-0と粉砕。 ▽さすが昨季のリーガ女子1部覇者、何と強いのだろうと感心したまさにその後、ブタルケでマドリッド勢の弟分、レガネスと対戦した男子は昨季に続き、スコアレスドローがやっとだったとなれば、いっそ代表戦週間明けのバルサ戦は女子チームに出てもらった方がいいかもなんて、私がつい思ってしまったとしても仕方ない? ▽でもねえ、男子CLと違い、グループリーグではなく、いきなりラウンド32・1stレグでから始まったアトレティコ・フェメニーノは女子CL2度の優勝を誇る強豪、ボルフスブルクを迎えたんですが、あまりにドイツのチームとは選手の体格が違いすぎたせいもあるんでしょうかね。前半から押されっぱなしだった上、後半には3点を奪われ、まだ2ndレグはあるものの、0-3の負けではほとんど敗退は確実。ヨーロッパの壁は厚かったと言っていいかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171006_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽え、月曜にラジオのインタビューに出ていたシメオネ監督も「Empatamos en Leganes y parecia que se habia caido el mundo/エンパタモス・エン・レガネス・イ・パレシア・ケ・セ・アビア・カイドー・エル・ムンド(レガネス戦で引き分けたら、まるで天が落ちてきたように思われた)。大丈夫、そんな単純なことじゃない」とチームの不調説を否定。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で合宿中のサウルもエル・ムンド(一般紙)の取材を受け、「creo que estamos bastante bien para lo que podía haber sido/クレオ・ケ・エスタモス・バスタンテ・ビエン・パラ・ロ・ケ・ポディア・アベール・シードー(起こりうることからしたら、ボクらは十分、いい状態だよ)」とまずクラブについて語ってしまい、記者に「いや、代表のことを訊きたいんだけど」と言われていたように、アトレティコ男子チーム当事者たちは不安を感じていないんだろうって? ▽そうですね、ここ数日、ジエゴ・コスタがプロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)にしごかれているのは、たとえ早期にコンディションが整ったとて、出場できるのは来年1月からなのであまり重要じゃないんですが、木曜には前節をケガでお休みしたフィリペ・ルイスとルカスがグラウンドに姿を現し、9月のアルゼンチン代表招集時に負傷したアウグストもようやくalta medica/アルタ・メディカ(全快通知)をゲット。ワンダ・メトロポリターノにバルサを迎える14日には戦力となってもらえそうなのは朗報なんですけどね。 ▽未だにレガネス戦での惨状が記憶に残っている私としては、グリースマン(フランス)やオブラク(スロベニア)、ゴディン(ウルグアイ)、サビッチ(モンテネグロ)、そしてコケ、サウルといった中心選手たちが各国代表に駆り出されているため、このparon(パロン/リーガの停止期間)でもちっとも休めないことが心配。それ以上に向こうの方が代表選手数は多いとはいえ、元々、バルサはあまり走らないでも勝ててしまうチームですからね。せめてアルゼンチンがW杯に出場できるかどうかの瀬戸際にあるメッシ辺りが消耗して帰って来てくれるといいのですが、きっとそう上手くはいかないかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171006_21_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽まあ、そんなことはともかく、いよいよこちらもW杯出場決定が目前と迫ったスペイン代表の話をしておかないと。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に集合直後の月曜夕方、最初のセッションのみ一般公開すると、いえ、別にスペイン政府から違法と見なされ、中止命令が出ながら、前日には独立を問う住民投票がカタルーニャ州で実施。警察との衝突で多くの負傷者が発生したことなどもありましたが、その住民投票開催をずっと支持していたピケ(バルサ)がスタンドを埋めたファンのpito(ピト/ブーイング)や野次の標的に。おかげで練習が20分程で終わってしまったのとは関係なく、最初からの予定で続く2日間は非公開でアルバニア戦に向けて準備をしていた彼らですが、一応、水曜には私もマスコミ向けの15分のみ公開時間目当てに足を運んでみたところ…。 ▽実際、アトレティコやレアル・マドリー同様、セッションもこの部分はフィジカルやロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)しかやらないため、せいぜい不在の選手がいないかどうか確認するぐらいで、あまりチームの調子を見る役には立たないんですけどね。ただその後、施設のプレスルームに閉じ込められ、練習後の記者会見を待っていると、うーん、火曜に壇上に座ったコケ(アトレティコ)とチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)への質問がほとんどピケ関連だったせいなんでしょうかね。「Cansa un poco el tema/カンサ・ウン・ポコ・エル・テーマ(その話題にはちょっと疲れたよ)。いつも同じこと話している」とコケも愚痴っていたんですが、そんな状況に終止符を打つべく、渦中の人が現れたからビックリしたの何のって。 ▽ええ、そのことは私なんかより全然、情報通のTVやラジオの代表番記者たちも5分前に広報から知らされるまで予想もしていなかったようで、私も初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)やまだ新顔のロドリゴ(バレンシア)やオドリオソラ(レアル・ソシエダ)が来るんだろうと思っていたんですけどね。運がいいんだか悪いんだか、30分以上もそのご高説を拝聴する破目に。 ▽ただ、「自分の発言は後悔していない。それはボクが感じたことだから。人は皆、意見を持つものさ」とか、「un independentista podría jugar en la selección porque no hay selección catalana/ウン・インデペンデンティスタ・ポドリア・フガール・エン・ラ・セレクシオン・ポルケ・ノー・アイ・セレクシオン・カタラーナ(独立主義者もスペイン代表でプレーできる。だってカタルーニャ代表はないのだから)」と言いながら、自身は独立派なのかと訊かれると、「No te la voy a contestar porque creo que los jugadores somos figuras globales/ノー・テ・ボイ・ア・コンテスタール・ポルケ・クレオ・ケ・ロス・フガドーレス・ソモス・フィグラス・グロバーレス(それには答えない。何故なら、選手は世界的な有名人だから)」って、ちょっと矛盾していない? ▽大体、これまでのコメントやツィートだって、大きな反応を引き起こすことをわかってやっていたはずですが、とりあえず重要なのは、金曜に迫ったアルバニア戦前に彼が「今、代表辞退はブーイングする人たちが正しいという認識を与えるからしない」という点と、懸念されたセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)との仲に亀裂は入っていないということ。ええ、「Incluso vamos a ser socios en un negocio/インクルソ・バモス・ア・セル・ソシオス・エン・ウン・ネゴシオ(それどころか、ボクらは共同事業をするつもり)」って、後でそれはスポーツ紙などにより「Power to the Players」というスポーツ選手専門のSNSプラットフォーム開設だと明かされているのを見るにつけ、もしや宣伝も兼ねていたのでは疑ってしまったのは私だけではなかったかと。 ▽まあ、それでも自ら事態を収拾するために出て来た姿勢を評価されたか、翌木曜に移動したアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)では宿泊先のホテル・メリダにチームが裏口から入ったこともあり、そこではファンからブーイングはあったものの、夕方のリコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での公開練習時には拍手と拮抗しましたからね。時にピケの言動にチェックを入れるラモスも試合前日記者会見では「人には人の意見がある」的なコメントに終始するなど、アルバニア戦を前にとにかくチームの団結を優先したいようでしたっけ。 ▽実際、火曜の夜には今回の事態を重く見たスペイン国王フェリペ6世が、父のファン・カルロス1世の在任時も2度しかしたことのないという、国民に向けて緊急メッセージをTVで発信。それがカタルーニャ自治政府の暴走を強く非難する内容だったせいか、「Quería escucharlo pero se me pasó, estaba jugando a la pocha/ケリア・エスクチャールロ・ペロ・セ・メ・パソ、エスタバ・フガンドー・ア・ラ・ポチャ(聞きたかったんだけど逃した。ポチャ/スペインのカードゲームをしていたからね)」とピケが流してしまったことについても、「Chapeau para el Rey/シャポー・パラ・エル・レイ(王様にシャッポを脱ぐよ)。絶対必要なメッセージだったし、言っていることにも同感だ。彼がアトレティコファンなのは何だけど、良かったのは認めないと」程度でラモスが留めていたのは大人の対応だったかと。 ▽一方、ピケの件はもう終わったことと見なしていたロペテギ監督は、「Estamos pensando en el estilo que podemos utilizar/エスタモス・ペンサンドー・エン・エル・エスティーロ・ケ・ポデモス・ウティリサール(使えるスタイルを考えている)」と、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合にどんな戦略で行くのか明かさず。公開練習ではCFとしてアドゥリス(アスレティック)を使った4-3-3やアセンシオ(マドリー)のfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/CFの場所にいるMF)など、イロイロ試していたそうですけどね。うーん、モラタ(チェルシー)やイニエスタ(バルサ)、カルバハル(マドリー)の負傷欠場やこの試合にはブスケツ(バルサ)が出場停止になるというハンデはあったとしても相手はアルバニアですからね。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171006_21_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽いくら昨年のアウェイ戦では0-2と少し苦労したとはいえ、このぐらいは軽く勝利してくれないとW杯に行ってからが思いやられるのでは?ちなみにグループ3位のアルバニアはイタリアと勝ち点6差で、最終戦ではそのイタリアと対決。ただ、得失点差も大きいため、よっぽどのことがない限り、プレーオフに回れる2位に上がるのは無理なんですが、要注意なのはこの夏、指揮官がデ・ビアージ監督(現アラベス)からパヌッチ監督に代わっていることでしょうか。ええ、現役時代にマドリーでもプレーし、スペインのファンにも馴染みのあるイタリア人元DFは勝ち点差3で逆転1位通過を狙っている母国のため、ひと肌脱ぎたいと思っているようですが、さて。何にしてもスペインには早めにW杯進出を決めてもらいたいところです。 ▽え、この1週間、アトレティコが何しているかは聞いたけど、お隣さんの情報は何もないのかって?そうですね、マドリーも小所帯となりながら、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングを続けていたんですが、負傷中だったマルセロやテオ、ベンゼマがセッションに加わり、復帰が間近になった半面、前節のエスパニョール戦を欠場、満を持してウェールズ代表に向かったベイルがケガでプレーできないという残念な知らせも届くことに。 ▽それも少々、経過が謎めいていて、先週のCLドルトムント戦で途中交代した後、ジダン監督は「ただのこむら返り」としながら、リーガ戦の前にはハムストリングの筋肉痛にステップアップ。それが代表で検査を受けたところ、またしても左ふくらはぎのミニ肉離れで全治1カ月って、いやあ、飛行機で移動している間にもしや何かあった? ▽ただ、今回のW杯予選最終2試合、ウェールズは勝ち点4差のセルビアを上回る可能性もあれば、最終節で当たる1差の3位、アイルランドに2位の座を奪われてしまう可能性もあるといった予断を許さない状況のため、ベイルはマドリッドには戻らず、帯同してチームを応援するようですけどね。これで2013年にマドリーに入団して以来、18回目の負傷ともなると、中にはロッベン(バイエルン)のようにリーグを変えた途端、丈夫になった選手もいますからね。要はスペインの水が合っていないんじゃないかと思えてきますが、果たしてどうなんでしょうか。 ▽同様に水曜はポルトガル代表での練習をセーブしたと報じられ、体の不調が心配されたクリスチアーノ・ロナウドの方は大したことはなかったようで、木曜には軍用機でチームメートと一緒にアンドラ入り。こちらの2位は確定していますが、1位のスイスと勝ち点差3、最終節で直接対決となるため、勝利が見え次第、フェルナンド・サントス監督も温存を考えてくれるんじゃないかと。 ▽その他、木曜に1位突破を決めたクロースのドイツやすでにW杯進出が決まっていたブラジルのカセミロなどはともかく、モドリッチのクロアチアなど、突破が懸かっての激戦になりそうな代表に行っている選手はケガをしないかどうか、注意していないといけませんが、その辺、アムラバット(モロッコ)1人しか各国代表がいないレガネス、ジェネ(トーゴ)、ファジル(モロッコ)、アントゥネス(ポルトガル)と3人だけのヘタフェは余裕があって、このミッドウィークにはそれぞれエイバル(2-0で勝利)、ヒムナスティック・セゴビアーナ(1-2で勝利)と親善試合で調整。それって、リーガ再開2日前ぐらいならないと選手が揃わない兄貴分チームたちの監督にとっては羨ましい限りかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.06 17:25 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】この先が思いやられる…

▽「いくらこれじゃ練習する気にならないって言ってもね」そんな風に私が呆れていたのは月曜。通常より遅めの午後7時45分からの練習開始だったからですかね。モンクロア(バスターミナル)で帰宅ラッシュに遭遇し、予定していたバスに乗れずに10分程、遅れてしまったのも悪いんですが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)サッカー協会施設のグラウンドでロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)をしていたスペイン代表選手たちが早くも8時5分、サウール(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、ペドロ(チェルシー)、イアゴ・アスパス(セルタス)だけを残して全員、ロッカールームに戻ってしまうのを見た時のことでした。 ▽いやあ、誰もが想像した通り、今回、W杯グループ予選最後の2試合を控えた合宿で唯一、一般公開されるセッションとあって、スタンドに詰めかけたファンたちはピケが姿を現すと、力の限り大きなpito(ピト/ブーイング)で迎えたんですけどね。実際、ロンドの最中も観客の野次は止まらず、その一方であてつけのように「yo soy español/ジョ・ソイ・エスパニョール(ボクはスペイン人)」というカンティコ(節のついたシュプレヒコール)や、「Que viva España!/ケ・ビバ・エスパーニャ(スペイン万歳)」といった歌が聞こえてくるとなれば、ロペテギ監督だって、火曜以降の非公開ダブルセッションで形を整えていけばいいと判断した? ▽実際、本当のところはわかりませんが、何にしろ、スペイン代表の最初の試合は金曜と先ですし、どうしてピケがそんなことになってしまったのかはまた後でお伝えすることにして、とりあえず先週末のリーガの話をしておかないと。この7節、マドリッド勢の先陣を切ったのは弟分のヘタフェで、いやあ、私もゴールレスだった前半は見逃してしまったんですけどね。それでも8分にはアマトがGKとの1対1をようやく制して、今季初ゴール。先制のシーンに間に合ったため、今日はツキがあるのかと思いきや、それは束の間の夢に終わることに。ええ、ペペ・メル監督のクビが懸かっていたデポルティボは65分にはルーカス・ペレスが決めて同点に追いつくと、86分にはエリア内の混戦を制してアンドネがゴールを挙げ、ヘタフェは勝ち点を稼いでおくことができませんでしたっけ(最終結果1-2)。 ▽うーん、代表戦週間明けにはコリセウム・アルフォンソ・ペレスに大先輩マドリーを迎える彼らだけに、この敗戦は痛かったんですが…。月曜には左足第5中足骨にヒビが入っていた柴崎岳選手の手術が成功に終わったというパルテ・メディコ(医療報告)もクラブのオフィシャルウェブにアップ。マルカ(スポーツ紙)によると、これで実戦復帰は12月までお預け確定だそうで、もちろんマドリー戦にも出られないため、ボルダラス監督もこの2週間、ホルヘ・モリーナやアンヘル、そしてアマトらのFW陣、アルバロ・ヒメネス、ポルティージョといったところにもっとシュート精度を磨いてもらわないといけないかと。何にしろ、今のところヘタフェが12位と降格圏から離れているのはありがたいことですよね。 ▽そしてその日の夜、「ブタルケに行かなくて良かった」と私が心から思ってしまう試合をしてくれたのが兄貴分のアトレティコ。というのもクラブ史上初の1部ミニダービーとなった昨季同様、スコアレスドローだったからで、いえ、「Leí el partido a mi manera/レイ・エル・パルティードー・ア・ミ・マネラ(自分なりに試合を読んだ)。水曜にCLチェルシー戦をプレーしたから、選手たちが元気な前半が勝負だった」というシメオネ監督は、「最初の20分には攻撃のチャンスもあった」とも言っていたものの、どうやらそれはフィリペ・ルイスとリュカの両名が負傷で欠場したため、ヒメメス、ゴディン、サビッチが先発。メンバー表からは3CB制に見えながら、実はヒメネスが右SB、そして左SBが何とサウールだったことに相手が戸惑っていた時間だけだったような。 ▽まあ、確かにサウールはラージョ(今は2部)にレンタル移籍時代、CBの修行もしていたし、本職はボランチながら、トップ下もサイドもこなせてしまう器用な選手なんですけどね。いくら何でもこれはと思っているうちに前半は0-0で終了。それでもこのところ、後半の得点で勝つことが多かったアトレティコなので、まだ一縷の望みはあったんですが、やはり「ウチはアウェイゲームが多かった上、ホームにもまだ慣れる必要がある」(シメオネ監督)という選手たちの疲労度には余程、凄いものがあったんでしょうね。時間が経つにつれ、パスですら、ようよう出せなくなり、面倒臭いのか思考停止に陥ってしまったのか、ロングボールを放り込むだけの単調な攻めに終始したため、レガネスの反撃を招き、「Ha sido diferente, hemos generado más ocasiones/ア・シードー・ディファレンテ、エモス・ヘネラードー・マス・オカシオネス(昨季とは違った。ウチはもっとチャンスを作れたからね)」とガリターノ監督を喜ばすことに。 ▽ええ、実際、レガネスはキッチリ守っていただけでなく、2度のエル・ザールのシュート、そしてアマラバットの一撃をGKオブラクにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてなければ勝てていましたからね。それに比べてアトレティコはコレア、ビエットの先発FWをカラスコ、フェルナンド・トーレスに代えてもまったく改善せず、最後はグリーズマンを下げ、ヴルサリコを左SBに置くってもう、最初からそうしていれば良かったんじゃないの? これにはそれこそ、シメオネ監督からして疲れているのではと思えましたけどね。一生懸命慣れないポジションで頑張り、前半には惜しいシュートを弾かれているサウールも「hay que tener... no más de ganas/アイ・ケ・テネール…ノー・マス・デ・ガナス(もっと必要なものがあって…やる気じゃないけど)、前線でガツンといって、攻撃する時は態度で示さなきゃ」と、2年連続弟分のホームで0-0引き分けを演じてしまった理由についてはよくわかっていないようでしたっけ。 ▽え、翌日曜のエスパニョール戦の後、ジダン監督も「La segunda parte creo que estuvimos algo cansados/ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エストゥビモス・アルゴ・カンサードス(後半のウチはどこか疲れが出ていたと思う)」と言っていたように、9月の代表戦終了からずっと、週2試合で厳しかったのはお隣さんも同じじゃないかって? まあ、その通りで実際、ベイルなど、火曜のCLドルトムント戦でのこむら返りが筋肉痛にステップアップ、それでもケガではないそうですが、月曜にはウェールズ代表に加わるため、サンティアゴ・ベルナベウのピッチに上がるのは控えていたぐらいなんですけどね。それでも大丈夫なのは、マドリーには才能のある選手が沢山いるから。 ▽ちなみにその日はマドリッドでは特に騒ぎはなかったんですが、独立を問う住民投票がスペイン政府に法的に無効とされながらもカタルーニャ州で実施。先日も「投票に行こう」のアピールツィートを発信したピケは何の問題もなく、自身の票を預けてくることができたんですが、どうやら一部の投票所ではグァルディア・シビル(国家憲兵)の介入から、衝突が起こり、ケガ人が大量発生していたよう。おかげでお昼(スペインは午後2時~4時がランチタイム)のスポーツニュースでも丁度、バルサvsラス・パルマス戦が午後4時15分キックオフだったため、カンプ・ノウに入場できずに困っているファンを映しながら、試合が開催されるのか、延期になるのか、注目していたところ…。 ▽カタルーニャとの連帯を示すため、延期にしたかたったものの、LEP(スペイン・プロリーガ)からプレーしなければ没収試合と見なし、ラス・パルマスの不戦勝だけでなく、制裁で3ポイント減点という連絡を受け、板ばさみになっていたバルサのバルトメウ会長はロッカールームにいた選手たちに相談。そこではピケやセル・ロベルトは試合をしないという立ち位置だったものの、最後はリーガで勝ち点6を失うのはあまりに危険すぎるという意見が大勢を占めたとか。ちなみに結局、無観客で行われたその試合で2ゴールを挙げ、3-0の勝利に貢献したメッシに関しては、「Leo no dijo ni mu/レオ・ノー・ディホ・ニー・ムウ(レオはひと言も喋らなかった)」(マルカ)という報道と、彼の言葉が決定的だったというTVキャスターのコメントがあったため、真相はわからず。 ▽それより試合後、ミックスゾーンに出て来たピケが涙ながらにreferendum ilegal(レフェレンドゥム・イレガル/法律違反の住民投票)が中央政府により弾圧されたことを嘆き、更にスペイン代表についても言及。曰く「Ir a la selección no es una competición de patriotismo/イル・ア・ラ・セレクシオン・ノー・エス・ウナ・コンペティシオン・デ・パトリオティスモ(代表に行くのは別に愛国精神の表れではないよ)。スペイン人でない多くの選手が国籍を取って代表に入る。ボクにとって、代表はそこに行って、勝つために最善を尽くすということ」だそう。まあ、その辺は私も同感ですけどね。いくら当人が、「監督やサッカー協会の幹部が自分を問題だと思うなら、2018年より前に辞めてもいい」とまで口にしたとて、カタルーニャ独立への動きに反感を覚えているスペイン人も多い昨今の折、火に油を注ぐような結果になるのは仕方ありませんって。 ▽おかげでその日の夜にキックオフとなったサンティアゴ・ベルナベウではスペイン国旗が散見。チーム入場時のみならず、12分にはサポーターは12番目の選手という意味から、まるでスペイン代表戦のように赤黄赤のボーダーがスタンドを彩っていましたが…。おっと、そろそろ話を試合に戻さないといけません。まだベンゼマもリハビリ中のため、クリスチアーノ・ロナウドをトップに置き、アセンシオ、イスコらが入ったマドリーですが、いえ、もうメッシにゴール11本も差をつけられていたため、一番、得点したかったのは当人だったんでしょうけどね。どうにもCLと違って、リーガでは照準が曇るのか、ロナウドは出場3戦目でもネットを揺らせなかったんですが、このエスパニョール戦ではイスコが発奮。<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171003_9_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽ええ、開始1、2分からGKパウの手を煩わせていた彼ですが、とうとう27分にはロナウドのスルーパスからゴールをゲット。「Metí yo así uno con la sub 21, con la puntera. Es un recurso más/メティ・ジョー・アシー・ウノ・コン・ラ・スブ・ベインティウノ、コン・ラ・プンテラ。エス・ウン・レクルソ・マス(U21の試合でもこういう、つま先でのシュートを入れたよ。テクニックの1つさ)」(イスコ)という先制点だったんですが、更に敵が3ボランチを2人に代え、攻勢に出た後半にも追加点を挙げることに。それは70分、自らカウンターの起点となると、最後はアセンシオがエリア内から折り返しのパス。これがロナウドでなく、イスコの方に行ったのは普段から2人の仲がいいからかもしれませんけどね。 ▽しっかりダメ押しの2点目を決めてしまったため、試合後にはジダン監督からも「juega como se juega en la calle, y eso me gusta/フエガ・コモ・セ・フエガ・エン・ラ・カジェ、イ。エソー・メ・グスタ(町の通りでプレーするみたいにプレーする。そういうのは好きだ)」とお褒めの言葉をもらっていましたが、ああまったく! ゴール嗅覚のある選手が何人もいるっていうのは本当に羨ましい。ただ1つ、そのまま2-0で勝ったその試合で付け加えておきたいのはお隣さん同様、マルセロ、テオの両左SBが負傷欠場、そこへカルバハルがウィルス性の疾患で心膜に炎症を起こし、右SBレギュラーもいないという人出不足の事態にジダン監督は18歳のカンテラーノ、アシュラフを信用して先発起用したこと。 ▽やはりそこは若くても本職ですし、左SBを務めたナチョは最近、スーパーマルチDFと呼んでもいい域に達していますからね。ピンチらしいピンチもジュラール・モレノのシュートがゴールポストを叩いた時ぐらいしかありませんでしたし、GKケイルロ・ナバスのセーブに頼らなくも勝てている辺り、マドリーの選手層はレベルが違うと言うしかないかと。この勝利で首位バルサとの差は勝ち点7のままながら、5位に上昇した彼らに対して、アトレティコは好調を維持しているバレンシアに抜かれて4位に後退したんですが、かろうじて勝ち点差1をキープ。ただ、paron(パロン/リーガの停止期間)明けは片やヘタフェとのミニダービー、もう一方はバルサをワンダ・メトロポリターノに迎えないといけませんからね。 ▽うーん、試合後のミックスゾーンでは待機時間にツィターを眺めていたラジオマルカ(スポーツ専門局)の記者が、「カタルーニャ州知事がindependencia unilateral(インデペンデンシア・ウニラテラル/一方的独立)を宣言するって! それじゃ革命じゃないか」と大笑いしていましたが、どうやら住民投票の現場は大混乱で、国家警察が自治体のシステムをブロックしたため、投票人の身元チェックができず。同じ人が2度も3度も投票できたり、住民登録してなくてもOKだったりと、賛成過半数という結果も怪しげながら、2日後には独立宣言するなんて話も…。 ▽まさか次のリーガ8節、アトレティコの相手が外国のチームになっているなんてことがないといいんですが、さて。あまり普段は政治のことなど考えない私ですけど、留学中、日本などでは戦後も遠い彼方になっていた1981年、スペインでは軍事クーデター未遂事件が勃発。あの時代にそんなことが起きる西ヨーロッパの国があったのかと知って驚いた記憶があるため、もう少し、普通のニュースも気にしていた方がいいかもしれないです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.03 11:07 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】こんなに弱いチームだったっけ…

▽「今、試合に出られないんじゃ意味ないよね」そんな風に私がやさぐれていたのは金曜日、3カ月もブラジルでバケーション三昧していた割には意外と早く、その日からチームの全体練習に加わったジエゴ・コスタについて、シメオネ監督が「Muy bien anímicamente y espiritualmente/ムイ・ビエン・アニミカメンテ・イ・エスピリトゥアルメンテ(士気も精神的にも凄くいい)」と記者会見で答えているのを聞いた時のことでした。いやあ、当人の移籍がこの水曜、正式に決まったため、同日にあったCLチェルシー戦の前、ワンダ・メトロポリターノにあるオフィシャルメガストアで彼がつけることになる背番号18のユニフォームが大いに売れたのは大いに結構なことなんですけどね。 ▽とはいえ、FIFAに科された選手の新規登録禁止処分が解ける来年1月までコスタはアトレティコでプレーできないため、先週末のセビージャ戦に続き、その試合もパルコ(貴賓席)で応援していたんですが、これぞまさかの青天霹靂。CL優勝を目指すチームに戻って来たはずなのが、この先の出来如何によってはヨーロッパリーグ優勝に目標を切り替えることも視野に入れないといけなくなったって、いえ、セビージャ在籍中に前人未到のEL3連覇を達成したビトロ(現在はラル・パルマスにレンタル移籍)が来るのは頼もしいですけどね。昨今はELタイトルにCLグループリーグ出場権がついてくるのもおいしいんですが、ここ数年でCL決勝に2度進出しているアトレティクにしてみれば、後退感は否めないところかと。これでは来年のW杯でスペイン代表エースの座をモラタに譲る危険を犯し、わざわざ古巣に帰還した当人も後悔してしまうかも。 ▽まあ、どうしてそんなことになったのかはまた後で話しますが、まずはお隣さんのCL2節の結果をお伝えしておかないと。今回火曜試合となったレアル・マドリーはアウェイでのドルトムント戦だったんですが、ジグナル・インドゥナ・パルクでこれまで1勝もしたことがないせいもあって、試合前は厳しい予想も出ていたものの、案ずるより産むがやすしとはまさにこのこと。ええ、前半18分にはカルバハルのクロスをベイルが見事なvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めて先制すると、後半にはリーガこそ、5試合の出場停止処分が終わった後に出たベティス戦、アラベス戦でゴールが生まれず、心配されていたクリスチアーノ・ロナウドがCLでの好調ぶりを披露。9分にはベイルのラストパスをワンタッチで流し込むと34分にもエリア内からシュートを決めて、初戦のアポエル戦に続き、doblete(ドブレテ/1試合2得点のこと)を挙げてくれます。 ▽これで0-3と快勝したマドリーだったんですが、ちょっとラッキーだったところもあって、まだ0-0だった前半13分、GKケイロル・ナバスのクリアしたボールがゴールライン上でセルヒオ・ラモスの手に当たったプレーは、「VAR(ビデオ審判)があればペナルティになったかもしれない」とドルトムントのボス監督も嘆いていたようにお咎めはなし。どうやらUEFAは判定する審判の人員不足で導入を見送っているようですけどね。それをいいことに「cuando no es voluntaria no es penalty/クアンドー・ノー・エス・ボルンタリオ・ノー・エス・ペナルティ(意図的でなければペナルティではない)と教わった」(ラモス)と、当人があっけらかんとしているのもどうでしょうか。 ▽もう1つの幸運は、「ドルトムントはホームで戦う時、守備ラインをかなり上げてくる。Si le dejas espacio, Bale es letal/シー・レ・デハス・アスウパシオ、ベイル・エス・レタル(スペースを与えられたベイルは非常に危険だからね)」とジダン監督も言っていましたが、相手がここまで19得点1失点で1位というブンデスリーガでの優位に過信してしまったこと。その辺、リーガの対戦相手は心得ているんですが、おかげでこのシーズン序盤、まだ調子が上がっていなかったベイルも1ゴール1アシストと面目躍如できましたしね。 ▽いつもこうだと、ホームサポーターからのpito(ピト/ブーイング)回避も早期達成できそうですが、そうそう、残り4分で彼が交代したのは「Sólo se le ha subido el gemelo/ソロ・セ・レ・ア・スビードー・エル・ヘメロ(ふくらはぎがつっただけ)」(ジダン監督)だそうで、マドリッドに戻ってからの検査でもケガは見つからなかったとのこと。ただし、来週はプレーオフ出場が懸かったウェールズのW杯予選もあるため、日曜の試合に出るかどうかは微妙なようです。 ▽え、CLでは2連勝して、10月17日、11月1日のトッテナムとの2試合でグループ首位突破も決まるかもしれないぐらい順調なマドリーだけど、リーガではまだホームでの勝利がないんじゃないかって?その通りでバレンシア、レバンテと引き分けた後、ベティスに0-1で負けてしまったため、全勝している首位バルサとの勝ち点差7の6位に甘んじているんですが、その元凶のサンティアゴ・ベルナベウではこの木曜、金曜にもバラン、アセンシオと選手の契約延長プレゼンが続くことに。 ▽うーん、これでマルセロ、イスコ、カルバハル、ベンゼマ、マルコス・ジョレンテと7人が2021~23年までの延長にサインしたことになり、ロナウドなどもドルトムント戦の後には「Mi renovacion? A lo major el presidente lo sabe contestar mejor/ミ・レノバシオン?ア・ロ・メホール・エル・プレシデンテ・ロ・サベ・コンテスタール・メホール(ボクの契約更改?会長の方が上手く答えられるかもね)」と、自分の番が回ってくるのを待っているようでしたけどね。彼の場合、現在、2100万ユーロ(約28億円)の手取りをクラブは2500万ユーロ(約33億円)に上げようという心積もりはあるものの、当人はメッシやネイマール級の3000~4000万ユーロ(40~53億円)を希望しているらしいので、そう簡単にはいかないかも。 ▽まあ、その辺は日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのエスパニョール戦をまずは皮切りに、ホームのリーガ戦でもゴールを量産、もう9得点しているメッシの追撃を始めることでアピールしてほしいものですが、キケ・サンチェス・フローレス監督のチームも前節はデポルティボに4-1で勝利して自信をつけていますからね。とにかく根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)の掛け声が年内のうちからスポーツ紙を賑わすのもうっとうしいですし、これ以上、バルサとの差が広がらないよう、気合を入れてプレーしてもらいたいものですが…。 ▽いやあ、アトレティコがまた悲劇に見舞われてしまったせいで、私もあまりヨソ様の幸せを祈る余裕がなくなっているんですよ。そう、他のCLスペイン勢は火曜にセビージャがマリボルにベン・イェデルのハットトリックで3-0のグループリーグ初勝利、水曜のバルサも敵のオウンゴールでスポルティングに0-1と勝って2連勝と好結果だったんですが、ワンダ・メトロポリターノでの初開催となったヨーロッパの試合で彼らは序盤からチェルシーに圧倒されてしまうことに。それでもGKオブラクがモラタの至近距離ヘッドをparadon(パラドン/スーパーセーブ)してくれたり、敵のシュートがギリギリ外れてくれたりしたため、失点は免れていたんですけどね。 ▽もしやそんな劣勢だったにも関わらず、CKの時にダビド・ルイスがルーカスを倒してPKをゲット。昨季はあれだけ呪われていたにも関わらず、グリースマンがGKクルトワをあっさり破り、先制してしまったことでその日のツキを使い果たしてしまった?後半になってますます激しくなったチェルシーの攻勢が実を結んだのは14分。キレまくっていたアザールのクロスをモラタがヘッドして追いついたとなれば、コスタがチェルシーを出る原因を作ったコンテ監督だって、もう誰にも文句は言われないに決まっていますって。 ▽実際、後でアトレティコサイドも口を揃えて「Fue superior tácticamente, físicamente.../フエ・スペリオール・タクティカメンテ、フィシカメンテ(相手が戦術的にもフィジカル的にも上だった)」(シメオネ監督)と認めていたように、もうここまでピッチで実力の差をつけられてしまうと、30分にはヒメネスを入れ、CB3人体制で引き分けを守りにいったのも理解できるんですけどね。まさか、あと一息というロスタイム、予想もしなかった悲劇に見舞われるとは!最初の戦犯はダビド・ルイスを倒して無用なFKを与えたコケだったんですが、ボールをエリアに放り込まず、チェルシーが回してチャンスを伺う中、右奥でボールを持ったマルコス・アロンソにゴディン、ルカス、ヒメネスの3CBがついていくって一体、何を考えていたんでしょう。 ▽その結果、マークの外れたFWバチュアイにパスが渡り、そのシュートが決まったのは94分のこと。アトレティコに反撃する時間はまったくなく、そのまま1-2で試合終了のホイッスルが鳴っているんですから、たまったもんじゃありませんって。おかげで2節を終えて勝ち点1に留まった彼らは、「Tenemos que ganar todos los partidos que nos quedan/テネモス・ケ・ガナール・トードス・ロス・パルティードス・ケ・ノス・ケダン(ウチは残った試合に全勝しないといけない)」(グリースマン)状態になってしまったんですが、まあ正確には3、4節のアポエルとの連戦に勝ち、次にホームに迎えるローマも倒せば希望が見えるといったところかと。 ▽うーん、試合後、ファンフランなどは「Si nos dan por muertos, major/シー・ノス・ダン・ポル・ヌエルトス、メホール(もうダメと思われたなら、その方がいい)。ウチはハンデがある時程、上手くいくから」とまったくメゲてはいなかったんですけどね。昨季もそうでしたが、どうにもアトレティコは5人DF制のチーム攻略が苦手なようで、いえ、私が金曜に偵察に行ったリーガの次の相手、レガネスのガリターノ監督は「El Atlético tiene capacidad para jugar bien con cualquier sistema/エル・アトレティコ・ティエネ・カパシダッド・パラ・フガール・ビエン・コン・クアルキエル・システマ(アトレティコはどんなフォーメーションにも適応できる能力がある)。そんな単純なら、ウチもやればばいいだけだが、そうはいかない」と、ジローナやチェルシーの例に倣うことはしないよう。 ▽それよりインスタラシオン・ブタルケでのセッションでは選手たちに手とり足とり指導、「サウルはこういう時、上がっていくから」と事細かにポジションニングを指示していた彼は、「これまで先手を取られると皆、逆転は不可能と思っていたが、それが崩れた」と、アトレティコが珍しく逆転負けを喰らったことに希望の光を見出していたようで、何せ今はレガネスも7位と余裕がありますからね。前節のラス・パルマス戦ではチームで一番テクニックのあるシマノフスキが2アシストと調子に乗ってきたこともありますし、土曜午後8時45分からのマドリー兄弟分ダービーにまったく気後れしている風はなかったかと。 ▽実際、アトレティコではフィリペ・ルイスとルカスが揃ってハムストリングを痛め、この試合ではベルサリコかファンフランが左SBを務めないといけないというのもちょっと心配の種なんですが、こればっかりはねえ。一応、チェルシー戦でのショックな負け方が後を引くのではないかという懸念に対しては、シメオネ監督も「lo que pasó se queda atrás/ロ・ケ・パソ・セ・ケダ・アトラス(過ぎたことは過ぎたこと)」と切り替えができていることを強調していましたが、果たして選手たちは如何に?ようやくリーガではここ3連勝して2位に躍進しているだけに、チケット完売で満員となるブタルケで兄貴分の貫録を示すことができるといいのですが。 ▽そしてレガネス同様、今週はミッドウィークの試合がなかったもう1つの弟分、ヘタフェはどうしていたかというと。いやあ、こちらは木曜に見学に行ったところ、また熱心にシュート練習を続けていましたが、相変わらず柴崎岳選手の姿はグランウンドに見られず。クラブの広報の話では左足第5中足骨のヒビを手術するしないを含めて、月曜には正式なパルテ・メディコ(医療報告)が出るだろうとのことでしたが、今週もジムでのリハビリをずっと続けているのだとか。 ▽ちなみにコリセウム・アルフォンソ・ペレスのロビーでバッタリ遭ったヘタフェ最初の1部昇格時のレジェンド、今はユースチームのコーチをしているパチョンに柴崎選手の様子と訊くと、「よくスタジアム内のバル(喫茶店兼バー)で朝食をとっているのを見かけるけど、el es muy serio/エル・エス・ムイ・セリオ(彼は本当にマジメだね)」と言っていましたが、まあスペイン語でなくても外国語で雑談するのは難しいですからね。慣れていけば、そのうちチームメートと談笑する姿なども見られるんじゃないかと思いますが、今はとにかく辛抱が大事。早くケガが治って、最近増加傾向にある日本人観戦客を沸かせてくれることを期待するしかありません。 ▽そんなヘタフェは今週末、土曜の午後1時(日本時間午後8時)からアウェイのデポルティボ戦に挑むんですが、うーん、前節はビジャレアルに4-0と大勝したところ、相手のエスクリバ監督が翌日解任の憂き目に。現在18位のチームを率いるペペ・メル監督も進退が危ない状況で、ここでヘタフェが勝つと不穏なジンクスができてしまいそうですが、各国代表戦週間明けの14日にはマドリーを迎えないといけない彼らですからね。ボルダラス監督としてもここは絶対、落とせないところかと。今回はデポルティボがレンタル元になるファジルが契約条項で欠場するものの、何とか勝ち点3をゲットして、気分良くparon(パロン/リーガの停止期間)に入ってほしいものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.01 08:00 Sun
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