風間イズムを引き継ぎ、より攻撃的なサッカーを目指す川崎Fの鬼木達監督「縦に速くなることも」

2017.01.22 23:57 Sun
©超ワールドサッカー
▽川崎フロンターレは22日、2017シーズンの新体制発表会を行った。

▽内部昇格でコーチから監督に就任した鬼木達監督は発表会見終了後に記者の囲い取材に応対。これからのサッカースタイルや新加入選手、FW小林悠の新キャプテン任命について語った。
◆鬼木達監督(川崎フロンターレ)
──今日の会見について
「本当に大勢の方が来てくださったので緊張した。ただ、登場の仕方がイリュージョンだったので、そういう意味では最後の方はリラックスできた」

──選手時代は寡黙な印象があり、今日は終始笑顔だったが、コーチを経験してこれから監督を務めるにあたって変わったことは
「そうですね。そういう印象持たれてると思うし、僕自身も自分たちはグラウンドで示すものだと思ってやってきた。ただ、こうやって長い間フロンターレと携わっていくうちに、何が大事かというものを学んだ。そういう意味でいろんな方々と共に戦っていく上では笑顔は必要ですし、それは今日この場というわけではなく、自分が選手からコーチに変わっていく中で僕自身変わったところからなと思う。ここだけではなくグラウンドでもこういう感じなので是非見ていただければ(笑)」

──キャンプの現状について
「思った通りと言いますか、思った以上に選手がやる気に満ち溢れている。やはり、去年のああいう敗戦で悔しい思いをしてるし、そういう思いがトレーニングから溢れ出ている。新たに各チーム、各学校での中心選手がうちに集まってくれたので、良い刺激になっている。今は本当の意味で戦える集団になっていけるのではないかと思う」
──風間八宏監督のサッカーを引き継ぐ部分はあると思うが、どこで鬼木色を出していくか
「選手にも言ったが、細かく言えば技術の部分の考え方は受け継いでいく。それは今まで自分たちが上手くなってきたところでもあると思うし、僕が約5年間見てきた中でも大事だなと思うところだったので、みんなにも続けていこうと言いました。プラス、これから僕がやっていく中で、大事にしていきたいのは、気持ちのところ。それはもう、皆さんもわかると思うが、勝利への執着心というもの、チームの結束力を大事にいこうとスタートした」

「サッカーの部分で言えば、当然、風間さんのサッカー、攻撃的、それをより攻撃的にいきたいと思っているし、そういう思いで集まってきてくれたメンバーだと思う。そして、サポーターの方たちもそういうものを期待していると思うので、より攻撃的にというのは考えている。それはサッカーで言えば、少し縦に早くなったりとかそういうものも含めてのところ」

──勝利への執着心と言ったが、鬼木監督は現役時代に鹿島アントラーズに所属していてそういう時の経験もあってのことか
「鹿島でだけではないが、高校時代も含めて勝つということに対してそういうものはあったが、それを全て鹿島の通りにやるかと言われたらそれは全然違うものだと思う。歩んできた歴史が鹿島とフロンターレは違う。フロンターレの良いところは良いところでしっかりと続けていきたいと思う」

「ただ、勝負というものに対しては、去年のJリーグの結果じゃないですけど、やはり大きく変わってしまう。僕が天皇杯で感じたのは、鹿島がJリーグのチャンピオンになり、クラブ・ワールドカップをああやって戦っていく中で、彼らはすごく経験というものをしたなと感じたので、やはり勝利することで得るものは数多くあると思う。そこは目指したい」

──川崎フロンターレのサッカーは新加入の選手が入っていくのは難しいと言われているが
「いや、もう新加入の選手みんな能力が高いなというのが率直なところ。もちろん、自分たちがやってきた4年半という積み重ねがあるので、一気にそこまでというのは難しいが、それでも別メニューでも少しやったり、こういうものだよとすぐにスッと入ってくる選手が多いので、そういう意味では心配していない」

──家長昭博選手を獲得した。中村憲剛選手や大島僚太選手と言った選手がいる中でどのような使い方を考えているか
「そんなに難しいとは考えていない。彼のプレーは1週間見ていく中で、彼自身がもうこのチームで中心になれるくらいのポテンシャルがあるのは短時間でわかった。あとは競争。今回、これだけ良いメンバーが来たというのは僕の中で競争というのがどうしても欲しかった。もちろん、素晴らしい選手ですが、彼にも競争の意識を持って、本人もそういう意識を持っていますけど、全選手がゼロからのスタートになる」

──小林悠選手を新キャプテンに任命したことについて
「これは(中村)憲剛がどうこうではなく、憲剛の立場で言えば、もう役職がなくてもやってくれるということで、彼とは最初に話して自分の考えを伝えて、さかのぼれば、ミーティングで責任感というのをみんなに持って欲しいと。責任というのはみんなが取るべきだが、責任感はみんなに持って欲しい。それはトレーニングを100%でやるとか、そういうところ。そういう意味で、分散したいというのを憲剛に話して、そういう中で昨年の1年で小林悠が責任感を持ってやっていた。そう言えば、憲剛も納得してくれた。憲剛はもうMVPを獲ったりだとか(大久保)嘉人が抜けたりそういう意味で背負うものや注目を集める。小林+憲剛でより層が厚くなるのかなと」

──大久保嘉人選手がいない中の戦い方は
「彼の代わりはいないと思っている。元々、日本で一番うまい選手なので、その代わりを探そうなんて思わない。ただ、彼が抜けたら弱くなるのではなく、逆にプラスアルファの力がこういうとき必ずついてくるから、そういうものを信じながら、そういう選手が出てくるようにするのが僕の仕事」
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