【原ゆみこのマドリッド】今は地道に勝っていくしかない…2017.01.10 12:30 Tue

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▽「このまま独走されたら、たまらないなあ」そんな風に私が愚痴っていたのは月曜日、リーガ第17節後の順位表を見てのことでした。いやあ、クラブW杯のせいでバレンシア戦を延期したレアル・マドリー以外、全ての上位チームが白星で揃い踏みした去年最後の節とは違い、先週末はレアル・ソシエダやビジャレアルが勝てなかったため、アトレティコも何とかヨーロッパリーグ出場圏の6位から、CLのプレーオフに出られる4位まで上がることができたんですけどね。首位に君臨しているお隣さんもしっかり勝ったため、結局、消化試合が1つ多い状態で勝ち点差9という根本はまったく変わりがないんですから、ちょっと私が空しくなってしまっても仕方ない?

▽とはいえ、そのマドリーが珍しく午後1時という、昼間の時間帯に当たった土曜の試合の相手は降格圏にいるグラナダでしたからねえ。ちょうどその前日はDia de los Reyes Magos(ディア・デ・ロス・レジェス・マゴス/東方三賢人の日、スペインでは子供たちがプレゼントをもらう習慣がある)だったため、サンティアゴ・ベルナベウを訪れた家族連れも選手たちが贈り物をしてくれるのを期待していたかと思いますが、お愉しみはキックオフ前にクリスチアーノ・ロナウドが昨年、受賞したバロンドールのトロフィーを披露しただけに留まらず。ジダン監督も先週ミッドウィークのコパ・デル・レイ16強対戦1stレグと打って変わって、ロナウドとベンゼマを惜しげもなく先発で起用したんですが、ただし、前半13分に先制点で早くもスタンドを沸かせてくれたのは、BBCの負傷メンバー、ベイルの代わりに前線に入ったイスコでした。

▽ええ、ベンゼマからパスを受けて、エリア内から撃ったシュートがGKオチョアを破ったんですが、これなどはまだ序の口すぎず、続いて21分にも、今度はモドリッチのシュートが弾かれたところをベンゼマが押し込んで2点目をゲット。更に27分にはマルセロのクロスをロナウドがヘッドで叩き込んだかと思えば、それから4分後には再びイスコがモドリッチのキラーパスにゴール前で合わせ、気が付けば、30分強で4点差のgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になっているとなれば、2シーズン前、やはりお昼の試合で9-1の大敗を喫した悪夢を思い出していたグラナダ関係者も多かったかも。

▽それでもハーフタイムの後は、グラナダが「Los segundos 45 minutos teniamos que competir como si fueramos 0-0/ロス・セグンドス・クアレンテアイシンコ・ミヌートス・テニアモス・ケ・コンペティール・コモ・シ・フエラモス・セロ・ア・セロ(後半45分間、ウチは0-0であるかのように競わなければならなかった)」と意地を見せたため、追加点は13分、クロースと交代で後半から出場したハメス・ロドリゲスの蹴ったFKをカセミロが決めた1点だけに留まったんですが、最終スコアは5-0ですからね。おかげで昨年から続いている公式戦無敗も39試合となり、ルイス・エンリケ監督がバルサで作ったスペイン最長記録に並んだとなれば、ジダン監督が「Es nuestro mejor momento desde que soy entrenador/エス・ヌエストロ・メホール・モメントー・デスデ・ケ・ソイ・エントレナドール(自分が監督となって以来、ウチの最高の瞬間)」と喜んでいたのも当然だったかと。

▽え、先日のコパ・デル・レイ16強対戦1stレグ、セビージャ戦もそうだったけど、今年のマドリーは前半から、随分、飛ばすようになったじゃないかって?そうですね、「El mister nos pide que presionemos arriba y como estamos bien fisicamente podemos/ル・ミステル・ノス・ピデ・ケ・プレシオネモス・アリバ・イ・コモ・エスタモス・ビエン・フィシカメンテ・ポデモス(監督は高い位置でのプレスを頼んでいて、ボクらもフィジカルがいい状態だから、それができるんだ)」とモドリッチも言っていたように、クリスマスのバケーション後、ミニプレシーズンとして、ピントゥス・フィジカルコーチに課された体力アップメニューがいい結果を出しているのだとか。

▽それだけでなく、そのセビージャ戦で2ゴールを挙げたハメス・ロドリゲスに続き、この日も同じ控え組のイスコが2得点と、どちらもベイルの長期離脱で回ってきたチャンスをしっかり生かしてくれているとなれば、ジダン監督も笑いが止まらないかと思いますが、次に控えているのは木曜にはコパの2ndレグ、そして日曜にはリーガでサンチェス・ピスファンに乗り込むセビージャ2連戦。何せ、相手は年明け最初の試合で3-0とマドリーに一蹴された悔しさをバネにしたか、同じ土曜にはレアル・ソシエダを0-4で粉砕。実のところ、彼らは昨年12月からハットトリックラッシュで、イボラ、ビトロと続いた後、3部のフォメンテラとのコパ32強対決2ndレグでビトロと共に3得点を挙げたイェデルがソシエダ戦でまたハットと、固め撃っているため、カシージャ、ケイロル・ナバスの両GKも決して油断はできないかと。

▽そこへ加えて、日曜にはバルサがビジャレアルとメッシのFKゴールで1-1と引き分けるのに留まったため、セビージャがリーガ2位に上昇し、勝ち点差は4あるものの、今やマドリーに一番近いライバルとなったとなれば、日曜は大いに盛り上がること間違いなしなんですが、まあ、木曜午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)キックオフのコパ2ndレグはねえ。よっぽどのことがない限り、1stレグの3点差が引っくり返されることはないはずですし、どちらもリーガの決戦に備えての予行演習みたいになるかもしれませんね。

▽一方、そのマドリーの次の時間帯でエイバルに挑んだアトレティコはどうだったかというと。うーん、こちらもまだ日の出ているうちの試合だったんですが、スペイン北部のためか、イプルアのピッチが半分凍結。それは元々、ボール扱いに長けている訳ではないアトレティコの選手たちには関係なかったようですが、前半は地の利のある相手に圧倒されてしまうことに。このところ、シメオネ監督が実験を続けていたヒメネスがボランチとして先発デビューしたため、実質、CB3人状態となり、何とか失点こそ免れていましたが、この日、ガメイロに代わってCFに入ったフェルナンド・トーレスもチャンスには恵まれず、両チーム無得点のまま、ハーフタイムに入ります。

▽後半の頭からは、「Veia que Inui estaba bien/ベイア・ケ・イヌイ・エスタバ・ビエン(乾選手が良かった)し、イエローカードをもらっていたから、退場で選手を失う危険を犯したくなかった」(シメオネ監督)という理由でブルサリコをファンフランに代えたアトレティコでしたが、ようやく8分には先制点を奪うのに成功。そう、コケの蹴った短いCKから、フィリペ・ルイスが上げたクロスをサウルがヘッドしてゴールに。リプレーではオフサイドの位置にいた彼ですが、線審に見咎められなかったため、スコアボードに上がってくれたのは幸運でしたっけ。

▽おかげで少し余裕のできたアトレティコは29分にもカウンターから、グリースマンがトーレスの代わりに入ったガメイロとの連携で2点目を追加。先日のコパ16強対戦1stレグ、ラス・パルマス戦に続いての得点ですが、これでリーガでも去年の10月2日以来となるゴール日照りから脱却となれば、試合後、「Dependemos mucho del estado de forma de Griezmann/デペンデモス・ムーチョ・デル・エスタード・デ・フォルマ・デ・グリースマン(ウチはグリースマンの状態に大きく頼っている)」と認めていたシメオネ監督もどんなに安心したことか。

▽結局、そのまま失点はせず、0-2で手堅く勝利したアトレティコは目標の3位まであと一歩と迫ったんですが、2017年を1分け1敗で始めたバルサもそうそう、不調のままではいないでしょうからね。勝ち点差も4あるため、ここを逆転するには少々、時間がかかるかもしれませんが、まあ、こればっかりは気長に勝ち続けていくしか、手立てはありません。何にせよ、今週はまず、火曜の午後9時15分からラス・パルマスとのコパ16強対戦2ndレグが控えている彼らなので、先週、0-2で勝利した1stレグの成果をムダにせず、しっかり準々決勝進出を決めてもらいたいものです。

▽そして週末には土曜にベティスをビセンテ・カルデロンに迎えて、再びリーガ順位の改善を目指す彼らですが、残念なことに、今季のカレンダーでは常に兄貴分の相手に先んじて当たるレガネスは日曜の試合で2-0と負けてしまうことに。いえ、出場停止のエレリンの代わりに移籍早々、スタメンに入ったGKチャンパネはまずまずの出来だったんですけどね。後半にルーベン・カストロとピッチーニにゴールを浴び、味方の反撃も実らなかったため、デビュー戦を白星で飾ることはできませんでしたっけ。ただ、彼らはマドリッドの先輩たちと違い、すでにコパの重荷からは解放されているため、次の試合は土曜のアスレティック戦。

▽世間の目がコパに向いているミッドウィークを心おきなく練習に費やせますし、相手は水曜にバルサとのコパ16強2ndレグ、しかも1stレグで2-1と勝利しているため、突破を決めようとカンプ・ノウで全精力を使い果たすはずですから、ホームで彼らを迎え撃つレガネスにも勝つチャンスはあるかも。何せ、現在16位で降格圏の外にいる彼らとはいえ、勝ち点差は4と、それ程余裕がある訳ではありませんからね。昨年中はブタルケで1勝しかできず、初のリーガ1部の晴れ舞台に張り切って応援に駆けつけているファンをあまり喜ばせてあげられなかったのも気の毒ですし、この新しい年は何とか運気が変ってくれるといいですよね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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【原ゆみこのマドリッド】上位戦線に異変が起こるかも…

▽「最終節前の平日にいきなり差をつけられてもねえ」そんな風に私が憂いていたのは金曜日、前夜のヨーロッパリーグ32強戦2ndレグはTVでこそ見られなかったものの、当日の午前中はチーム全員でバチカンに赴き、フランシスコ教皇に拝謁。1stレグで4-0と大敗した後、恥ずかしくない試合ができることを祈願してもらったのが効いたか、ローマに0-1で勝って、心安らかに敗退したビジャレアルはともかく、同じ早い時間のうちにアスレティックまでアポエルにキプロス島で2-0と負け、衝撃の逆転敗退という大番狂わせを演じてくれることに。そのせいもあって、スペイン勢最後の砦となったセルタがウクライナでのシャフタール戦、後半ロスタイムにPKで1点を取って延長に持ち込み、最後はカブラルのゴールで総合スコア2-1と逆転突破するのをドキドキしながら、スポーツ紙のテキスト中継で見守っていたんですけどね。 ▽おかげでEL16強戦でロシアのクラスノダールと当たることが決まり、それだったら、準々決勝進出も夢ではないと思わせてくれたセルタでしたが、問題は彼らには暴風雨でバライドス(セルタのホーム)の屋根が壊れ、延期になったレアル・マドリーとのリーガ戦があること。セルタがELのこのラウンドで負けていれば、3月にマドリーのCL16強戦2ndレグのない週の平日に設定できたんですが、まずこの可能性が消滅して、実はお隣さんも先週はCL16強戦1sレグでナポリに3-1と勝利と、準々決勝進出にかなり近づいているんですよ。となれば、最短で双方がベスト8で負けた場合には4月、片方でもそれ以上進んだら、やっぱり対戦すうのは5月17日頃となってしまう?現在のように2位との勝ち点差が1、未消化分を含んでも4しかないとなると、あまりリーガ終了が押し迫っての開催は、マドリーにとってもプレッシャーがかかるような気がするんですが…。 ▽まあ、余裕の首位だった彼らが何で急にそんなことまで心配しなければならなくなったのかはまた後でお話しすることにして、今週CL16強戦に挑んだアトレティコはどうだったかというと。これがまた、相手のレバークーゼンは2年前の同じステージで当たり、その時は互いにホームで1-0勝利の末のPK戦決着だったため、あまり得点が期待できない試合なるかと思いきや、まったく真逆なゴール祭り的展開に。ええ、前回のバイアレナ訪問時は相手選手との接触プレーで腎臓を痛めて途中交代。ロッカールームに着くまでに何度も吐いて、病院に緊急搬送となった上、4日間も入院しなければならなかったサウルが今度は絶対、いい思い出を作ってやると決心していたんでしょうかね。 ▽前半16分には1人、スルスルと右サイドを上がり、エリア内に入ってから、狙い澄ましたvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKレノを破っているんですから、こちらもビックリしたの何のって。おまけにそれから10分もしないうちにドラゴビッチが失ったボールを拾ってガメイロが敵陣をドリブル。最後はタイミングを見計らってグリースマンにパスを出すと、そのシュートが決まり、前半から2点もリードしているって、あまりに簡単じゃありません? ▽でも、そこはしなくてもいい苦労をするのが大好きなアトレティコ。後半開始早々、ベララビに1点を返されてしまったのは守備陣のちょっとした油断からだったんでしょうけどね。13分にはその日、大殺界だったようなドラゴビッチがガメイロをエリア内で倒し、アトレティコがPKを獲得。その際には同時進行のマンチェスター・シティ戦で、かつてのエース、今はモナコにいるファルカオがPKをGKカバジェーロに弾かれたという報も入っていたため、喜ぶよりもこのチームに奥深く根付いたPK失敗率の高さにむしろ頭が痛くなったものの、ようやく練習の成果が実ったようです。ガメイロが落ち着いて決めて、再び2点差となったんですが、まさか22分、フォラントのシュートをGKモヤが弾いたところ、サビッチに当たってオウンゴールになってしまうなんて、やっぱりアトレティコの不幸体質はまだ改善されていない? ▽おかげでそれまではサッカー的には上回るとこがなかったレバークーゼンがスタンドの後押しもあって勢いづき、私も気が気ではなかったんですけどね。2-3になって幾らもしないうちに、シメオネ監督は「mi intención era poner gente fresca/ミ・インテンシオン・エラ・ポネール・ヘンテ・フレスカ(自分の意図はフレッシュな選手をいれることだった)」と交代策を発動。フランス人の同僚の背番号が第4審判の掲げる電光ボードに現れたのを見た途端、グリースマンが「No, no! ¡Es el mejor, es el mejor!/!エス・エル・メホール(ダメ、ダメだよ。彼が一番いいんだから)」と抗議するのも無視して、ガメイロをトマスに代えると、その6分後には当人もカラスコと共にベンチへの道を辿ることになります。 ▽え、ガメイロも交代時には怒っていたようだったけど、結果的にはフェルナンド・トーレスとコレアが入って吉と出たんだろうって?そうですね、後でグリースマンも「彼は斜めに切り込んで、ボクらを凄く助けていてくれていたけど、el míster tuvo razón porque marcamos el cuarto/エル・ミステル・トゥボ・ラソン・ポルケ・マルカモス・エル・クアルト(ウチは4点目を取ったんだから、監督の考えが正しかった)」と認めていたように41分、トーレスがベルサリコのクロスを頭でゴールに流し込んでくれたんです!最後は2-4のスコアで終わり、つまりこれはレバークーゼンがビセンテ・カルデロンでの2ndレグを0-3で勝たないと逆転突破できないってことですからね。 ▽そんな余裕もあってか、その後はガビとフィリペ・ルイスがイエローカードをゲットし、累積警告で次戦出場停止となるローテーション計画も実行できたとなれば、試合後のシメオネ監督が「Fue tácticamente perfecto/フエ・タクティカメンテ・ペルフェクト(戦術的に完璧だった)」とほくそ笑んでいたのも当然だったかと。まあ、このところはグリースマン、ガメイロ、トーレスと、FWたちにゴールが戻っても来ましたしね。彼らにはその夜、軍配は5-3でシティに挙がったものの、それぞれ別のサイドで2ゴールを決めて大活躍。超一流のストライカーを持つという、アトレティコのいい方の伝統を作ってくれたアグエロやファルカオに負けない働きをこのシーズン残りに期待しています。 ▽そして翌日、CL戦でセビージャがラモン・サンチェス・ピスファンでレスター・シティを2-1と下す前、これもクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦にメスタジャで挑んだマドリーなんですが、まさかの伏兵に足元をすくわれることに。だってえ、本来の日程だった12月に試合をしていれば、開始早々、4分にムニルのクロスを胸で受け、エリア内で体を捻って先制弾を決めたザザ(ユーベからレンタル移籍、シーズン前半はウェストハムでプレー)も、その4分後、ザザ、ナニと繋いだカウンダーから2点目を挙げたオレジャナ(セルタから移籍)だって、バレンシアにはいなかったんですよ。 ▽もちろん、「Esos 10 minutos nos ha faltado concentración sin balón/エソス・ディエス・ミヌートス・ノス・ア・ファルタードー・コンセントラシオン・シン・バロン(この10分間、ウチはボールを持っていない時の集中力が欠けていた)」(ジダン監督)というのは自業自得ではありますが、まあそれは、かつて「眠ったままピッチに出る」という悪癖を性懲りもなく繰り返していた、どこぞのチームの例もありますからね。そんな時があるのはわかるんですが、予想外だったのはそれから80分も時間があったにも関わらず、ゴールには不自由していないはずのマドリーが同点にもできなかったことでしょうか。 ▽いえ、ハーフタイムに入るちょっと前にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドが見事なヘッドで決めて、1点は返したんですけどね。バレンシアは前半にナニを負傷で、後半には早々にオレジャナを引っ込め、専守防衛になっていたものの、ハメス・ロドリゲスに代えてベイル、その日は間の悪さでドラゴビッチと双璧を成していたバランがケガでナチョに代わったのはともかく、最後はモドリッチを下げて、ルーカス・バスケスまで投入したのも実らず、結局、2-1で負けてしまうことに。要は「Jugamos ochenta minutos concentrados, pero diez no/フガモス・オチェンタ・ミヌートス・コンセントラードス、ペオ・ディエス・ノー(ボクらは80分間集中して戦ったけど、10分間は違った)」(カセミロ)ということで、まさに覆水盆に返らずの典型だった? ▽おかげでこの日曜、保険分だった勝ち点3を増やせず、2位と1差のままとなった彼らは首位防衛を懸けてリーガ戦に挑まないといけなくなってしまったんですが、相手はローマ戦で主力を10人温存、しかも霊験あらたかなビジャレアルですからね。ELを敗退したことで、優勝ご褒美のCL出場権獲得の夢も消えてしまった今、彼らとしても来季もヨーロッパの大会でプレーできる6位の座は死守したいところでしょうし、果たしてマドリーが名誉挽回のプレーを見せられるのかどうか。 ▽そんなビジャレアルvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。そろそろBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)のスタメン復活が期待されますが、モラタやイスコらもあまり出られないと不満が溜まりそうですし、その辺はジダン監督の心づもり次第。負傷欠場者は肉離れで全治3、4週間となってしまったバランぐらいになりそうです。 ▽え、それならマドリッドの両雄として、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、2位のバルサをビセンテ・カルデロンに向かい撃つアトレティコが一肌脱いでやるべきだろうって?いやあ、ライバル意識とは恐ろしいもので、こういう機会ではお隣さんを首位から引きずり下ろすために負けた方がいいなんて声がファンから聞こえてくるのも珍しくないんですが、今回は状況が状況ですからね。というのも、ここでアトレティコが勝って、マドリーが負ければ、両者の勝ち点差は7から4に縮小。2位との差も3になって、CLグループステージ出場権のある3位以内フィニッシュが近付くだけでなく、一旦は諦めた優勝戦線に復帰するのも夢じゃなくなるってことなんですよ。 ▽その上、バルサ相手には2月上旬のコパ・デル・レイ準決勝であと一歩のところまで相手を追い詰めながら、逆転勝ち抜けを逃したという苦い記憶がまだ新しいですからね。向こうがCL16強戦1stレグでPSGに4-0の大敗を喰らったため、この先、今季は対戦の機会がないかもしれないとすれば、もうここでリベンジしておくしかない?うーん、シメオネ監督がこれまでバルサ戦で2勝しかしていないというのは気になりますけどね。そろそろゴディンもケガが治って戻って来られそうなため、今度こそはウルグアイ代表の同僚、ルイス・スアレスを抑えてくれることを期待。マドリッドで彼女との相互DV裁判で証言した後、レバークーゼンにプライベートジェットで当日移動してベンチ観戦していたルカスも体調は万全ですし、この試合ではいよいよGKがモヤからオブラクになるかもしれませんね。 ▽そして前節はそのバルサにカンプ・ノウで引き分け寸前まで行きながら、終了間間際のPKで2-1と涙を呑んだマドリッドの新弟分、レガネスは土曜にデポルティボ戦なんですが、今週末は兄貴分たちも上位チーム対戦なので、助けてあげられませんからね。勝ち点2まで迫ってしまった降格圏に落ちしないためには、何とか自力で勝つしかないかと。まあ、1つ上にいるデポルティボも今年になって白星がないという点ではレガネスと同じですし、ここで勝てば16位になれるというのもいいモチベーションになると思うので、選手たちが頑張ってくれることを私も祈っています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.25 08:50 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールを決めれば問題ない…

▽「まだPK戦がないだけいいわね」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、夜のニュースでバイアレナで練習するアトレティコの選手たちを見た時のことでした。いやあ、もちろん1stレグとはいえ、プレー中にPKが発生する可能性はあるんですけどね。データを見たところ、今季9本中6本を失敗しているアトレティコに負けず劣らず、このCLベスト16で当たるレバークーゼンもPKが苦手。ここまで6本中成功したのがたったの1本しかなく、その時のキッカーだったチャノハノールはFIFA処分で4カ月の出場停止中と聞きますし、2年前のCL準々決勝の時にはレアル・マドリーにいて、2ndレグでアトレティコの敗退を決める2試合中唯一のゴールを挙げたチチャリートもすでに2度失敗しているとか。 ▽更に振り返ってみれば、そのシーズンもアトレティコは同じラウンドでレバークーゼンと対戦。それぞれホームで1-0と勝った後、もつれ込んだPK戦を制して、かろうじて勝ち抜けたんですが、そのスコアが3-2って、どちらのチームもかなり低水準じゃない?いえ、昨季のアトレティコはPSVとのベスト16でまたしてもPK戦に突入し、その時はサドンデスまで行ったものの、8人全員が成功したという実績は作りましたけどね。結局、決勝では5人目のファンフランがシュートをポストに当て、再びお隣さんの前に涙を呑んでいることを考えれば、火曜は肩の脱臼がようやく治ったオブラクになるか、継続路線でモヤとなるか、先発GKはまだわからないものの、やっぱりPK絡みで勝つのは計算に入れない方がいいかと。 ▽え、先週末の彼らの試合を見る限り、1stレグからPK戦突入を心配するような景気の悪い展開にはならないんじゃないかって?うーん、それはちょっと微妙なところで、土曜のスポルティング戦は最終スコアこそ、1-4と大勝ですが、正直、前半など、何もなかったんですよ。それどころか、ハーフタイム直前にはこの冬の移籍市場で加わった、2メートル3センチの長身FWラシナ・トラオレの一撃がゴールポストに当たったりと、さすが2000年代に入ってからの7試合でアトレティコが1勝しかしていないのは理由があるのかと納得させられたんですが、この日はロッカールームで”モノ”・ブルゴス第2監督がjugada de estrategia/フガダ・デ・エストラテヒア(戦術プレー)の復習をしてくれたんでしょうかね。 ▽それは後半開始直後のことでした。グリースマンが1人キックオフで自陣に蹴ったボールをガビが狙いを定めてロングパス。フェルナンド・トーレスの頭を経由してボールが落ち、カラスコが敵エリア内に持ち込んでシュートしたところ、GKクエジェルも一応、止めようとはしたんですけどね。手に当たったボールが彼の背後に転がって、それをすかさず回り込んだカラスコがダメ押ししてゴールラインを割ってくれたから、ビックリしたの何のって!うーん、最近はリーガ優勝した2年前など、面白いように入ったCKからのセットプレーもあまり成功していませんでしたからね。折しもヘッドに強いゴディンが負傷で休場中ということあり、レパートリーを少し広げてみたのが成功した? ▽でも、その後がダメだったんです。というのも3分には守備陣の隙を突かれ、ブルギのクロスをセルヒオ・アルバレスにフリーでエリア内から決められ、あっという間にスコアは同点に。これでまたしても停滞状態に陥ってしまったため、シメオネ監督も考えたんでしょうね。15分にはトーレスとコレアをガメイロとサウルに、続いてカラスコをトマスに代えて、「podiamos lastimar con menos gente arriba y ganando el medio/ポディアモス・ラスティマール・コン・メノス・ヘンテ・アリバ・イ・ガナンドー・エル・メディオ(前線の人数を減らして、中盤を支配することで打撃を与えられる)」(シメオネ監督)体制にシフトしたところ…。 ▽「Los espacios iban a estar/ロス・エスパシオス・イバン・ア・エスタル(スペースは生まれるはずだった)。スポルティングは勝つために上がる必要があったからね」という監督の読みが当たり、ガメイロの1人舞台が始まったのは、もう私など、「またムダなところで勝ち点落として、本当にワンダ・メトロポリターノでヨーロッパリーグをプレーすることになっても知らないから」とプンプンしていた34分のことでした。そう、まずはグリースマンがエリア前から繋いだスルーパスから、GKをかわして勝ち越し点を決めると、その1分後にはCBメレが自陣エリア近くにいたトマスに誤ってぶつけてしまったボールを拾って再びゴール。更に39分にも今度はセンターライン前からグリースマンが放ったロングパスを追って抜群の決定力を披露と、おやおや、この人、5分もしないうちにハットトリックじゃないですか! ▽いやあ、リーガ2番目に短い時間での3得点のおかげで、無事に勝ち点3を獲得した後、「Estos goles son para mi abuela, que ha fallecido esta semana/エストス・ゴーレス・ソン・パラ・ミ・アブエラ、ケ・ア・ファジェシードー・エスタ・セマーナ(このゴールは今週、帰らぬ人となったボクの祖母に捧げる)」とガメイロが言っていたため、翌朝、私がいつも新聞を買う売店のアトレティコファンのお兄さんが、「それなら毎週、誰か親戚に死んでもらわないと」と言っていたのは、あくまでブラックジョークのつもりだったと思いますけどね。先日のコパ・デル・レイ準決勝バルサ戦2ndレグでは痛恨のPK失敗、その後ゴールを入れたものの、アトレティコが逆転突破できなかったため、翌日は1人、PK練習に励むぐらい、ガメイロも頑張っていますからね。 ▽丁度CL決勝トーナメントという、今季まだ優勝の可能性がある大事な試合も始まりますし、このハットトリックが、2014年夏にレアル・ソシエダから加入して、12月までは泣かず飛ばずだったグリースマンがアスレティック戦で決めた3ゴールをキッカケに、チームの中心アタッカーに成長したような効果をガメイロにもたらしてくれることを今は祈るばかり。ちなみに火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレバークーゼン戦でシメオネ監督は先発CFをトーレスにするか、ガメイロにするか明言せず。あとは当日、午前11時に彼女との相互DV訴訟で出廷するCBルカスがプライベートジェットを使い、恙なくキックオフ前にバイアレナに着いてくれるといいんですが、さて。 ▽何にしろ、前日記者会見でシメオネ監督も「Muchas veces el talento es importante, pero el corazón y la ilusión a veces tienen más lugar en el fútbol/ムーチャス・ベセス・エル・タレントー・エス・インポルタンテ、ペロ・エル・コラソン・イ・ラ・イルシオン・ア・エセス・ティエネン・マス・ルガール・エン・エル・フトボル(サッカーでは多くの機会で才能が重要だか、時にハートと夢見る気持ちがより大きく影響することがある)」と言っていましたしね。2年前のリベンジに燃えている相手に憶することなく立ち向かい、とにかくアウェイゴールを決められるといいですね。 ▽そしてまたリーガに戻ると、土曜はアトレティコ戦の後、サンティアゴ・ベルナベウへ向かった私でしたが、マドリーvsエスパニョール戦の見せ場も後半まで待たされることに。いえ、先週ミッドウィークのCLナポリ戦から先発を6人変更したジダン監督だったものの、ベンゼマの代わりにCFとして先発したモラタが気を吐いて、前半33分にはイスコのクロスからヘッドで先制点を挙げていたんですけどね。リードされてもエスパニョールがgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)さえ、避けられれば御の字という戦術を貫いていたため、どうにも盛り上がりに欠けてしまった感は否めません。 ▽そんな中、何がクライマックスになったかというと、昨年11月のCLスポルティングCP戦で足首を痛め、戦列を離れていたベイルが88日ぶりに復帰。しかも後半25分にピッチに入ったと思いきや、38分にはカウンターからイスコのスルーパス目掛けて全力疾走、あれよあれよという間にGKディエゴ・ロペスに迫り、ゴールを決めているのですから、ジダン監督が「No hay otro como Bale, es especial/ノー・アイ・オトロ・コモ・ベイル、エス・エスペシアル(ベイルのような選手は他にいない。特別だ)」と褒めていたのも当然だった? ▽それでも本人よると、「100%に回復するにはあと2、3週間必要」らしいんですけどね。近頃ではクリスチアーノ・ロナウドがアシスト役に目覚めたせいか、数年前のような驚くばかりのスピードを見せてくれる機会も減ってきていますしね。脚力自慢のベイルが戻ってきてくれたことで、マドリーのプレーが速くなるのは私も大歓迎。ただ、一方のエスパニョールも本来なら、決してカウンターで負けているチームじゃなかったんですが、まだ1点差だった時、交代となったアトレティコ時代からキケ・サンチェス・フローレス監督の下にいたフラードーなど、テレテレ歩いてピッチを出て行ったりと、不可思議な行動が散見。よって、最後は2-0でマドリーの勝利と、「El equipo fue conformista y el resultado es logico/エル・エキポ・フエ・コンフォルミスタ・イ・エル・エル・レスルタードー・エス・ロヒコ(チームは現状に安穏としてしまったのだから、この結果は論理的)」(ディエゴ・ロペス)というのも仕方なかったでしょうね。 ▽そんなマドリーはこの試合で珍しく途中交代したナチョもただ、横っ腹が痛くなっただけとわかり、月曜にはナポリ戦での打撲でお休みしていたセルヒオ・ラモスも全体練習に戻ったため、ジダン監督はチーム24人全員をこの水曜のバレンシア戦で使えることに。ええ、これは昨年12月、彼らがクラブW杯参加のため延期されていた分の試合なんですけどね。CL開催週に割り込ませたため、セビージャがレスターシテイを迎える午後8時45分前に終わるよう、平日にも関わらず、午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)という早い時間にキックオフというのは、メスタジャ(バレンシアのホーム)の客の入りに関係するかも。 ▽加えてバレンシアは今週末、木曜に迫るアポエルとのEL32強戦2ndレグに備え、36歳のエース、アドゥリスを先発に使わず、途中出場してもらった途端、ケガで退場となったアスレティックに2-0と勝利して、自信を高めていますしね。ただ本職、チーム付き役員のボロ氏が正式に監督になってからも成績は安定していないチームのため、マドリー優位は揺るがないかと思いますが、この冬、セルタから加入したオレジャナには要注意。早くも頼りになる戦力になっているため、折り合いが悪くて放出を決めたベリッソ監督も、0-1でシャフタールに負けた1stレグを逆転しないといけない木曜のウクライナ遠征を前にちょっと後悔しているかも。 ▽そしてマドリッド勢のリーガ戦、最後は日曜に新弟分のレガネスがカンプ・ノウでバルサに挑んだんですが、ええ、一応私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に行って観戦していたんですよ。それでも前半3分にはルイス・スアレスのラストパスからメッシに先制点を決められて、早くも家に帰りたくなったのも事実ですけどね。その先はミッドウィークの試合がないにも関わらず、もしやこの日曜にリーガでアトレティコと当たるのを警戒したんでしょうか。ルイス・エンリケ監督が先週、ベストメンバーで挑んで4-0で大敗したCL、PSG戦から4人スタメンを変えたところ、どうやらマドリーの控え選手とバルサのそれは少々レベルが違うよう。 ▽実際、序盤は大舞台に足がすくんだか、目も当てられなかったレガネスですが、時間が経つにつれ、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)の消極性も手伝ってか、むしろより多く攻撃している側に。それでも前半、新戦力のエル・ザール(この冬、ラス・パルマスから移籍)が2回連続で放ったシュートがGKテア・シュテーゲンにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまうなど、なかなか得点はできなかったものの、とうとう後半25分には敵陣エリア付近でセルジ・ロベルトからボールを奪い、マチスのアシストでウナイ・ロペスが同点ゴールをゲット!その瞬間、お店にいたお客さんたちから歓声が沸き上がったため、1部の新参者でもやっぱりマドリッド市民はレガネスを応援しているんだと、私も嬉しくなったんですが…。 ▽44分、マントバーニがエリア内でネイマールを倒し、PK献上はないですよね。いえ、当人は後で「No veo lo que hace el/ノー・ベオ・ロ・ケ・アセン・エル(彼が何をしたのか、自分は見てない)けど、チームメートはまるで殺されでもしたかのように宙を舞ったと言っていた」と、相手のオーバーリアクションを非難していましたけどね。そのキャプテン自身、AS(スポーツ紙)などには「イエローカード2枚で退場になる危険があった。もし退場になっていれば、ペナルティは犯さなかっただろうに」なんて翌日、評価されていたため、こればっかりはねえ。おまけにこの日はメッシがPKをしっかり決めてしまい、あと数分だったレガネスの勝ち点1は雲散霧消してしまいましたっけ(最終スコア2-1)。 ▽でもまだ大丈夫。兄貴分がスポルティングに勝ってくれたおかげで、今週も彼らは降格圏から勝ち点2上の17位をキープしています。ただし、だんだん残り試合は減ってきていますけどね。PSG戦以来、イタリアの元名監督で一時、マドリーのスポーツディレクターも務めたサッキ氏などにも「王は死んだ。バルサはしばらく前から、昔の彼らではなくなっている」と言われ、低空飛行状態にあるとはいえ、強豪相手にあれだけ善戦したんですから、とりあえず土曜のデポルティボ戦で心機一転、残留確定への戦いを再開できるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.21 21:08 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】決勝トーナメントは厳しい…

▽「こっちは諦めちゃったみたいね」そんな風に私が頷いていたのは金曜。ヨーロッパリーグ32強1stレグでローマに0-4と叩きのめされたビジャレルのエスクリバ監督のコメントを読んだ時のことでした。ヨーロッパの大会が再開した今週、一足先の火曜には同じスコアで大敗したスペイン勢もいるんですけどね。それでもバルサからは、「Creer y creer, siempre/クレエル・イ・クレエル、シエンプレ(常に信じて信じまくる)」なんて、CL16強2ndレグで奇跡のremontada(レモンターダ/逆転突破)を目指す言葉が、イニエスタのツイッターから聞こえてきたりしたものの、エスクリバ監督はもう週末のレアル・ソシエダ戦で立ち直るとしか言っていなかったから。 ▽まあ、ELは来週木曜に早くも2ndレグがあるため、ちょっと事情が違いますけどね。PSGとの再戦が3月8日と、バルサには作戦を練る時間がたっぷりあるとはいえ、彼らの特技が永遠のライバル、レアル・マドリーと同じだという話はあまり聞かず。実際、お隣さんと違って、DNAにレモンターダ精神が刷り込まれていないアトレティコなど、バルサとのコパ・アメリア準決勝で1-2の負けを引っくり返そうとして、やっぱり叶わなかったことを鑑みれば、点差も遥かにあるため、難しいんじゃないかと思いますが、どうなることやら。 ▽ただ、そのおかげでここしばらく、彼らがPSGのことばかりを考えてくれれば、この週末の日曜、リーガでカンプ・ノウに乗り込むマドリッドの新弟分のレガネスや、その次週、ビセンテ・カルデロンにバルサを迎えるアトレティコが助かるんじゃないかと…。その辺は私も都合良く、考えてしまうのも否めず。レアル・マドリーのセルヒオ・ラモスだって、「No me gusta ver sufrir a amigos, pero obviamente no me gusta que gane el Barca/ノー・メ・グスタ・ベル・スフリル・ア・アミーゴス、ペロ・オビアメンテ・ノー・メ・グスタ・ケ・ガネ・エル・バルサ(友達が苦しむのを見るのはイヤだけど、バルサが勝つのがイヤなのも当り前さ)」と言っていましたしね。バルサがCL早期敗退してくれることで助かるのはマドリッドの両雄、どちらも同じってことでしょうか。 ▽それより今週はマドリーもCLナポリ戦に挑んだんだろうって? その通りで、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでは試合前、スコアボードに前日のPSGvsバルサのハイライトを流して、アップする選手たちを景気づけをしていましたが、「マラドーナがロッカールームで30秒話してくれた」(サッリ監督)というようにどうやらチームのレジェンドが訪問したナポリの方が序盤の士気は高かったよう。だって、フォンド・スール(南側ゴール裏席)には巨大なモザイクも出現して、前人未到のCL2連覇への後押しをファンがしてくれたにも関わらず、開始7分にはインシーニェが放ったミドルシュートがあっさり決まってしまったんですよ。さすがにこれには先が思いやられてしまったものの…。 ▽全然、大丈夫です! その10分後にはカルバハルのクロスをベンゼマがヘッドでゴールにして、マドリーはあっさり同点に追いつくことに。それから余裕を持って攻めることのできた彼らは前半こそ、その1点に留まりましたが、後半は49分にクリスチアーノ・ロナウドがエリア内右奥から入れたパスをクロースが決めて2点目をゲット。更に54分には、カゼミロが「Es una cosa que vengo entrenando mucho/エス・ウナ・コーサ・ケ・ベンゴ・エントレナンドー・ムーチョ(自分が沢山、練習してきていること)」を披露。ええ、ナポリの守備陣がエリア内からクリアしたボールを拾った彼が弾丸volea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込み、とうとう3点目を挙げてくれたのですから、もう安心ですって。 ▽いえ、パルコ(貴賓席)でマラドーナが26歳の彼女と応援する中、ナポリも2ndレグに繋がる2点目のアウェイゴールを奪おうと懸命に戦ったんですけどね。Falso nueve(ファルソ・ヌエベ/仮のCF)を務めるメルテンスが絶好のシュート機会で外してしまい、里帰りとなったカジェホンも久々のベウナベウで勝手が違ったんでしょうかね。サッリ監督も最後は、今季からユベントスに行ってしまったイグアインの代わりに獲得しながら、負傷で長期離脱。この試合で復帰したミリクまで投入と、手は尽くしてみたんですが、「マドリーはここ3カ月で最高の試合をして、ウチは最低の試合をした」(サッリ監督)のが響いたか、追加点が入ることはありませんでしたっけ。 ▽ただ、ジダン監督も「El 3-1 es un buen resultado pero no definitivo/エル・トレス・ウノ・エス・ウン・ブエン・レスルタードー・ペロ・ノー・デフェニテティボ(3-1というのはいい結果だが、決定的ではない)。勝負はまだ五分五分」と言っていたように、これでマドリーが準々決勝への切符を手に入れたと喜ぶのは時期尚早。何せ、3月7日の2ndレグでは「サン・パオロ(ナポリのホーム)は地獄と化すだろう」とサッリ監督も予告していましたしね。今回、半数以上はチケットを持っていないながら、計1万人がマドリッドに駆け付けたナポリファンの情熱を目の当たりにすると、きっとそうなんだろうと推測するのは難しくなし。 ▽それだけにマドリーもしっかり準備しないといけませんが、そうそう、人口に比例してか、EL32強のアポエルを応援しに、キプロスからビルバオ(スペイン北部、アスレティックのホームタウン)にやって来た300人程の過激グループが、チームが3-2で負ける前に警官隊と衝突していたのとは違い、イタリア人サポーターが騒ぎを起こすことはなかったんですが、ダフ屋に偽造チケットをつかまされ、ゲートでのチェックで入れなかったファンが結構いたとか。 ▽うーん、クラブが発売したナポリ戦のチケットはもうかなり前に売り切れていたんですけどね。せっかく来たのに見られないのは悔しく思ったイタリア人以外の観光客も騙されていたようで、どうすれば引っかからずに済むのか、私もアドバイスはできないんですが、被害者の証言によると、偽造チケットは70~100ユーロ(約8400~1万2000円)と相場より安め。あ、でも東洋人には160ユーロ(約2万円)で売り付けられていたので、あまり参考になりませんかね。 ▽そしてもう土曜には次のエスパニョール戦が迫っているですが、マドリーにはとっておきの朗報があって、今週からずっと全体練習に参加していたベイルがとうとう招集リストに復帰したんですよ! ただ彼らには来週、水曜にクラブW杯参加のため、延期していたバレンシア戦も控えているため、ジダン監督はゼンゼマ、モドリッチ、そしてGKケイロル・ナバスを温存しますけどね。そのため、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)勢揃いとはならないんですが、木曜に屋根の修理もすっかり終わったバライドスでセルタがシャフタールに0-1で敗戦。EL32強で敗退する可能性も出てきただけに下手したら、2月初旬に延期された試合もミッドウィークに入る可能性もあり、そうなると3月の代表戦週間までマドリーはハードシュケジュールが続くかもしれませんからね。 ▽おかげで、ナポリ戦で途中交代したラモスも腰の打撲だけで重症ではないものの、用心のため、お休みすることになり、代わりにアセンシオやマリアーノがベンチ入りすることに。加えて、ジダン監督は「Contra el Espanyol él va a jugar de inicio/コントラ・エスパニョール・エル・ヴァ・ア・フダール・デ・イニシオ(エスパニョール戦では彼が先発する)」と、このところ出番が減っていたモラタの起用を宣言。うーん、ベンゼマは得意のCL戦で面目躍如を果たしたものの、モラタもこのままベンチ生活が続くと、また別のチームに行ってしまうかもしれませんしね。とりあえず、2位のバルサとは勝ち点1差とはいえ、消化試合が2つ少ない状態で首位を維持している今は比較的、余裕があるため、ローテーションにはいいタイミングじゃないでしょうか。 ▽一方、キケ・サンチェス・フローレス監督率いるエスパニョールでは、2週間前のマラガ戦で頭蓋骨にヒビが入り、休養していたピアッティがアーセナルのチェフのようなヘッドギアをつけて復活。同チームではエルナン・ペレスも鼻骨骨折でマスクをつけてプレーしているんですが、この2人が揃うと結構、怖いかも。あとはカシージャ、ディエゴ・ロペスの両GKが、それぞれ河岸を変えて対戦するのが楽しみだったりしますが、そんなマドリーvsエスパニョールは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)キックオフ。今度はナポリ戦ではアシスト役に徹していたロナウドのゴールも見られるといいですね。 ▽それで、今年になって初めて試合のない1週間を過ごしたアトレティコは何をしていたんだって? 木曜の夜などには選手たちが集まって、前節のセルタ戦での逆転勝利から、盛り上がったムードを維持しようとしてか、決起ディナーなどを開いていたようですけどね。今週にはマハダオンダ(マドリッド近郊)での全体練習に戻ったGKオブラクやチアゴもまだ、ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート都市)遠征のメンバーには入っていません。 ▽同様に負傷中のゴディンやファンフアン、ガイタンも来週火曜のCLレバークーゼン戦を目指して、リハビリを続けていますが、困ったのはその大事な日に彼女との相互DV訴訟で出廷しなければならないリュカが日程変更を認めてもらえず、午前11時に裁判、午後3時過ぎの飛行機でドイツまで移動して、8時45分のキックオフに間に合わさないといけないこと。まあ、何事もなければ、この土曜午後1時(日本時間午後9時)からのスポルティング戦でプレーして、レバークーゼンではサビッチとヒメネスのコンビでCBを賄えば済みますけどね。これ以上、DFにケガ人が出るとシメオネ監督が困ることになるため、今週末は何事もなく終わってくれるのを祈るばかりかと。 ▽そんな中、やっぱり時間がたっぷり取れるというのは良かったようで、彼らもとうとう金曜にはPK練習を実施。いえ、その日はたまたま、マドリッドは祝日で学校がお休みだったため、見学の子供たちでギャラリーが多かったというのを利用したみたいですけどね。今季はもらったPK9本中6本を失敗、クラブ通算でも445本中30%近い129本もゴールにできず、リーガ1の失敗率という、呪いのようなデータを聞けば、さすがのシメオネ監督だって、ちょっとは練習させなきゃと思っても不思議はない? ▽ちなみにその練習はPK戦形式でグリーズマン、フェルナンド・トーレス、ガメイロ、コケ、サウルが蹴り、今回は枠に当ててしまったのがガメイロだけ。あとは成功したそうですが、もしスポルティング戦でPKがあっても「Seguro que saldrá de los que ya patearon/セグロ・ケ・サルドラ・デ・ロス・ケ・ジャー・パテアロン(きっと今までに蹴った選手が蹴るだろう)」(シメオネ監督)とのことなので、あまり不安は晴れませんけどね。 ▽個人的には丁度、今週は昨季のCL決勝でお隣さんに再び負けた後、後半にPKを失敗していたグリーズマンが「試合が終わって、負けたのは自分のせいだと思っていたら、シメオネ監督が来て、まったく反対だと言ってくれた。ボクはチームにとって重要な選手だから、心配しないで、また決勝に行けるように努力すべき時だってね」と話しているインタビューを読んだばかりだったので、そろそろ彼にリベンジを果たしてもらいたいと思いますが、さて。 ▽加えて、アトレティコには先週、スポルティングに負けてしまった弟分の敵をとるという使命もありますしね。とりわけ今節、レガネスはバルサと分が悪いだけでなく、18位のスポルティングだけでなく、金曜には19位のグラナダもベティスに勝ってしまったため、降格圏にいる両チームとの差がたったの勝ち点2と厳しい状況になってしまったため、とにかくここは先輩が勝ってあげないと。ええ、それでなくても今は勝ち点4ある3位セビージャとの差も縮めないといけないアトレティコなので、私もいい結果を出せるように願うばかりです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.18 16:20 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】珍しいものを見た…

▽「別にいいけど、ちょっと微妙」そんな風に私が感じていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会で5月27日のコパ・デル・レイ決勝会場がビセンテ・カルデロンに決まったという報を知った時のことでした。いやあ、先週末のリーガであった予行演習、アラベスvsバルサ戦は0-6という後者の圧勝で終わったんですけどね。昇格組にも関わらず、ミッドウィークにも試合がある年明けからのハードスケジュールを乗り切ったペレグリーノ監督のチームはもう精根尽き果てていたはずで、それでも一応、リーガでは降格圏まで勝ち点10以上の余裕を持っての12位。となれば、その日、2得点挙げたルイス・スアレスもコパ決勝では出場停止ですし、ここはバルサに手の内を明かさず、「チョロい相手と」と過信させて、メンディソローサから気分良く帰ってもらうのも決して悪くはなかったかと。 ▽ただ、予想外だったのはアトレティコからレンタル移籍で修業に出ているテオが、もしかしたら決勝の当日はU20ワールドカップ参加のフランス代表に招集されており、自分が年子の兄、ルカスの敵をとってあげられないかもしれないのが悔しかったのかもしれませんね。ボールを奪おうと激しくいったアレイス・ビダルの当たり所が悪く、足首の脱臼で今季絶望にしてしまったのはあと味が悪かったかも。うーん、実はお兄さんの方も来週のCLレバークーゼン戦の日に、先日起きた彼女との相互DV訴訟で出廷を命じられていて、今クラブと代理人が日付を変えるよう、裁判所と交渉している最中なんですけどね。兄弟揃って乱暴事がこうも続くと、ご両親も辛いかと思いますが、それより何より、前節は仮想コパ3位決定戦の方が見応え満載。それもあって、返す返すもアトレティコが今季限りのホーム、ビセンテ・カルデロンで最後の試合となる決勝に進出できなかった間の悪さを嘆くことになったんですが…。 ▽まあ、そのことは後で詳しく話すとして、先にお隣さんのオサスナ戦がどうだったか伝えておかないと。土曜にバルサが勝利した後、消化試合は2つ少ないものの、順位表の上では勝ち点2下の2位でエル・サダル(オサスナのホーム)のピッチに立ったレアル・マドリーでしたが、結構、首位に返り咲くのには苦労したんですよ。いえ、序盤にイスコとの接触プレーでオサスナの選手が足を骨折、「Tano gritaba 'tibia y perone'. No quise ni mirar/タノ・グリタバ・ティビア・イ・ペロネ。オー・キセ・ニ・ミラール(タノは脛骨と腓骨だと叫んでいた。ボクは見たくもなかったよ)」というショックを選手たちは乗り越え、前半23分にはベンゼマのスルーパスからクリスチアーノ・ロナウドが先制点を決めてリードと、順調に見えたんですけどね。 ▽ジダン監督が採用した3CB制は、私もほとんどマドリーで見たことがないだけに、やっぱりチームカラーに合わないんでしょうか。バラン、この日がマドリー公式戦500試合出場の節目となったセルヒオ・ラモスと共に先発した、まだ100試合のナチョなど、「tenemos un gran equipo y mucha variedad de jugadores/テネモス・ウン・グラン・エキポ・イ・ムーチャ・バリエダッド・デ・フガドーレス(ウチには偉大なチームがあって、イロイロな種類の選手がいる)から、どんなシステムでも快適だよ」と言っていたものの、中盤まで上がった2人のSB、ダニーロとマルセロはそうでもなかったよう。ええ、この形でスタートした1月のリーガのセビージャ戦(2-1で負け)もコパ準決勝セルタ戦2ndレグ(2-2で敗退)でもいい結果は出ませんでしたしね。この日も32分にはセンターから敵にロングパスを出され、セルヒオ・レオンの見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)でオサスナが追いついて、1-1でハーフタイムを迎えることに。 ▽ただ後半早々、マドリーはダニーロが足に打撲を負って担架で退場。幸か不幸か、これがキッカケでハメス・ロドリゲスがピッチに入り、「Hemos tenido mas equilibrio con cuatro, cerrando por dentro/エモス・テニードー・マス・エキリブリオ・コン・クアトロ、セランドー・ポル・デントロ(ウチは4人のDFラインでよりバランスが取れた。内側を締めてね)」(ジダン監督)という効用をもたらします。おかげで中盤で動きやすくなったイスコが16分、ベンゼマがエリア内でシュートできなかったボールに突っ込んで勝ち越し点をゲット。その頃にはだんだん、オサスナも「notamos la exigencia fisica/ノタモス・ラ・エクシヘンシア・フィシカ(体力的な消耗を覚えた)」(バシリエビッチ監督)という状態になってきたため、ロスタイムにはルーカス・バスケスもゴールを奪い、最後は1-3で勝利することができましたっけ。 ▽え、前々節のセルタ戦が中止になって、間が12日も空いたため、この試合ではイロイロ考えてしまったジダン監督だけど、もうここからはシーズンも正念場。水曜のCL16強対決ナポリ戦1stレグで実験的な布陣を組んだりはしないだろうって?そうですね、相手は昨年グループリーグが終わって以来、11試合無敗ですし、ドリース・メルテンスを始め、カジェホン、ハムシークと強力な攻撃陣を擁している上、カジェホンと共に里帰りとなるCBアルビオルや34歳ながら、GKレイナも絶好調のようですしね。昨年11月のCLスポルティングCP戦で負傷した足首を手術したベイルも日曜から全体練習に戻り、復帰は近いと言われていますが、まだ実戦には早いと思うので、とりあえずこの試合ではルーカス・バスケス辺りを前線に入れた4-3-3に戻るのでは? ▽そんな注目のマドリーvsナポリ戦はバルサが火曜にパリでPSGと戦った後、水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。ちなみにマドリーを率いて、2007年には奇跡のremontada(レモンターダ/逆転)優勝を遂げたカペッロ元監督など、イタリアのメディアを通じて、ナポリのサッリ監督に「マドリッドでは試合は決して最後まで終わらないから気をつけるように」と警告。スペイン代表でマドリーの選手たちのことをよく知るレイナも「Lo de Ramos y el minuto 93 no es casualidad/ロ・デ・ラモス・イ・エル・ミヌート・ノベンタイトレス・ノー・エス・カスアリダッド(ラモスとあの93分のことは決して偶然じゃない)」と、後半ロスタイムにミラクルゴールを挙げる相手の特殊体質を挙げて、用心していましたけどね。実は先週末、彼らの十八番を奪ったチームが出現。ええ、それがお隣さんだったんですよ。 ▽翌日曜のことです。マドリッドの新弟分、レガネスが夕方の試合で奮闘空しく、降格圏のスポルティングに0-2と負け、猶予が勝ち点2となってしまった上、金曜からずっと雨混じりのうっとおしい天気に強風が加わったため、私も夜のビセンテ・カルデロンに行くのはちょっと憂鬱だったんですけどね。そこへ直前には3位セビージャがラス・パルマスに終盤の1点で勝利という報が加わり、ただでさえ、金曜にレアル・ソシエダがエスパニョールに勝ったため、CL出場圏外の5位落ちというプレッシャーを受けていたアトレティコがセルタ戦でどんなプレーをするか心配だったんですが、ええ、見事にやってくれましたよ。 ▽開始5分、いえ、まさか雨が降っているから、ボールが滑っていつも以上にパスが下手になるんじゃないかと、私が疑っていたのはともかく、GKモヤもうっかり取り損ねたらマズいと思ったんでしょうかね。敵のCKをカブラルの前にパンチングして、有難くヘッドでゴールを決められているなんこと、あっていい?これではようやく肩の脱臼手術から全快通知をもらったオブラクと早速、来週のCLレバークーゼン戦で正GK交代もやむなしかと、こっちも呆れるしかありませんでしたけどね。そういえば2年前もモヤは同じカードでケガをして、そこからオブラクの時代がやって来たんですが、これも何かの因縁かもしれません。 ▽でも、大丈夫。その日のアトレティコは迅速に反応して、10分にはカラスコのスルーパスをエリア内でゴールに背を向けて受けたフェルナンド・トーレスが天才的な技を披露。ええ、一旦トラップして浮かしたボールを後ろに向けて蹴り上げて、それがゴールにスッポリ入ってしまったのにはスタンド中がビックリしたの何のって。それこそgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)でしたが、その当人がPKという、見た目には絶対、蹴る方が有利そうなシュートを枠に当ててしまうとは、これもサッカーの7不思議の1つ。 ▽うーん、28分にロンカリアのファールを受けて、PKをゲットしたのはカラスコだったんですけどね。最初は彼が「Me encontraba con confianza para tirar el penalty/メ・エンコントラバ・コン・コンフィアンサ・パラ・ティラーウ・エル・ペナナルティ(PKを蹴るのに自信があった)」とボールを掴んでいたんですが、19分には同じ選手にエリア内で倒されながら、PKをもらえなかった年長者を敬って、トーレスにキッカーを譲ってしまったのが裏目に出た? ▽まあ、先週のコパ準決勝2ndレグでガメイロが決められなかったこともあり、シメオネ監督が今度の担当者はスポーツ紙のファンが選ぶキッカー候補ナンバーワンだったトーレスにしてみようと思ったとしても責められませんけどね。ただ先日、私がトーレスもよく外していたと言っていたのは何となくの記憶からだったんですが、実はデータ的にもそれは正しかったようで、これまで彼はリーガで28回PKを蹴って、うち9本を失敗。ロナウドも9回、メッシも8回ゴールにできていませんが、彼らはそれぞれ65、50と蹴った回数自体が多いため、やはりトーレスがPKに強くないという印象は本当だったかと。 ▽おかげで1-1のまま、後半を迎えたアトレティコでしたが、しばらくはどうにもいけてない状態が続きます。そう、コパのバルサ戦以外の最近の試合の傾向で、1点取ればもう十分病がまた発症してしまったのかと、私も雨を防げるスタンドの奥の方に引っ込んで見守っていたファンたちも時間が経つにつれ、イライラが募っていったんですが、それに合わせるようにセルタはバスやボンゴンダら、アラベスとのコパ準決勝2ndレグからローテーションした主力を投入。それが30分過ぎ、電光石火のカウンターに繋がり、最初はシュートを撃ち上げてしまったグイデッティだって、2度目となれば、しっかりゴールを決めてきますって。残り10分ちょっとでスコアは1-2。アトレティコにとって、これって完全に負けパターンですよね。 ▽ところがその日は奇跡が起きたんです!もうあまりパスも繋がらないし、頼りのトーレスもガメイロに代わってしまっていたため、場内を静けさが包んでいた40分、ガビが右サイドから入れたクロスもルカスが味方に渡せず、ロンカリアがクリア。エリア前に上がったボールをタイミングバッチリでvolea(ボレア/ボレーシュート)して、ネットに叩き込んでくれたのはカラスコでした。いやあ、彼は前半、GKセルヒオとの1対1を決められず、それ以降、ファンからブーイングを受けていたんですけどね。シメオネ監督も後半26分にはコレアと交代させるつもりだったんですが、まさにその瞬間、「下がるのはボクだったけど、Saúl fue honesto y pidió el cambio porque estaba tocado/サウル・フエ・オネストー・イ・ピディオ・エル・カンビオ・ポルケ・エスタバ・トカードー(サウルが正直に痛みがあるからと交代を頼んだ)」(カラスコ)おかげで、プレーを続行できることに。 ▽そこへ「En el campo no se oyen los pitos/エン・エル・カンポ・ノー・セ・オジェンロス・ピトス(ピッチではブーイングは聞こえない)」という、当人の持って生まれたスルー力の賜物か、心を乱さず撃てたのが幸いしたんでしょうね。「自分のいた位置だとボールをキープすることができなくて、ファーストかセカンドタッチで捌かないと敵のカウンターに繋がるから、蹴らなきゃいけなかった。Esta salió perfecta, pero otras puede irse por encima del estadio/エスタ・サリオ・ペルフェクタ、ペロ・オトラス・プエデ・イルセ・ポル・エンシーマ・デル・エスタディオ(今回は完璧にいったけど、別の時はスタジアムから飛び出しちゃうかも)」(カラスコ)という一撃だったようですが、このゴールでどんなにスタンドが盛り上がったことか。 ▽そう、現金なもので同点になった途端、嵐のような応援が巻き起こった場内でしたが、その2分後、今度はコレアのクロスをガメイロが頭で落とし、そこへ突撃してきたグリースマンが勝ち越しゴールを挙げた瞬間、我が目を疑ってしまったのはきっと私だけではなかった?だってえ、トーレスは後で「Al final se ha visto una victoria de casta/アル・フィナル・セ・ア・ビストー・ウナ・ビクトリア・デ・カスタ(最後は血統による勝利を見ることができた)」と言っていましたが、奇跡のレモンターダなんて、彼らの辞書にはないんですよ。私もとんと記憶になかっただけでなく、これにもデータの裏付けがあって、アトレティコが後半41分以降に逆転勝利をしたのはクラブ史上、1997年のラージョ戦の1度限り。 ▽となれば、稀に見る僥倖を目撃したシメオネ監督が喜びの余り、ピッチサイドを走って、グリースマンのゴールを祝う選手の輪に加わってしまったのも理解できますが、いやあ、これがコパ準決勝でできていればねえ。5月には大舞台で胸を張って、ファン共々、ビセンテ・カルデロンにお別れを告げることができたはずでしたが、まあそれはそれ。今は3-2でセルタに勝った彼らがリーガ4位を取り戻し、お隣さんの専売特許を真似することも可能だとわかっただけでいいかと。ええ、きっとパルコ(貴賓席)に偵察に来ていたレバークーゼンのシュミット監督も感心してくれたかと思いますが、もしや16強対決でアトレティコに勝つにはやっぱりPK戦しかないと意を決していたら、どうしましょう。 ▽そんなアトレティコは今週、土曜のスポルティング戦まで試合がなく、ようやくミッドウィークがヒマになったんですが、シメオネ監督は「Digo lo bueno que seríamos si los marcáramos/ディゴ・ロ・ブエノ・ケ・セリアモス・シー・ロス・マルカラモス(PKも入れていれば、ウチはもっと良くなるだろう)。だが、3万、4万の人が見に来てくれない限り、練習の仕様がないんだよ。同じ状況じゃないからね」と、相変わらずPK特訓には消極的。だったら、試合前のアップの時間を使って蹴ってみたらいいんじゃないかというのが、私の素人考えですが、何せこの先は落とせない試合が続きますからね。要はファンにまで頭を絞らせてしまうぐらい、このPK問題は深刻ってことですよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.14 12:45 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】奮闘空しく…

▽「じゃあ、こっちは3位決定戦?」そんな風に私が皮肉に思っていたのは金曜。この週末のリーガの予定を見直していた時のことでした。いやあ、昨季はアトレティコを破りながらも準決勝でセビージャに負け。今季もレアル・マドリーを退けるもアラベスに敗れて2年連続で決勝進出の夢が消えたセルタの選手も、似たようなことを考えながらマドリッドに来るんでしょうけどね。その対戦相手であるアトレティコの予定が狂ったのは、来季からワンダ・メトロポリターノにホームを移すため、最後のお勤めをコパ・デル・レイ決勝の舞台で飾りたいと、昨年中からビセンテ・カルデロンが会場候補に名乗りを上げていながら、どちらのファイナリストも違うスタジアムを希望しているから。 ▽そう、毎年のことながら、スペインのカップ戦は日付こそ5月27日とシーズン当初に決まっていながら、どこでやるかは未定。理想は対戦するクラブから等距離にある中立地ですが、なかなかすんなりとは決まらず、今回もバスク(スペイン北東部)地方のアラベスとカタルーニャ(西部)のバルサということで、もちろん3年連続決勝に進出している後者は毎度の嫌がらせで、最初はサンティアゴ・ベルナベウを口にしていたんですけどね。そこは先手を取って、レアル・マドリーのペレス会長はスタジアム改装工事がリーガ終了直後からあると、最大のライバルが自分たちのホームでトロフィーを掲げる可能性を却下。 ▽一方、初のコパ決勝進出とあって、メンディソローサでセルタ戦2ndレグ終了の笛が鳴った直後には花火まで上がり、選手たちはファンの声援に応えて場内一周。まるで優勝したかのような祝賀ムードになっていたアラベスなど、スタンドでもロッカールームでも皆、「Si, si, si, nos vamos a Madrid!/シー、ノス・バモス・ア・マドリー(オレたちはマドリッドへいくぞ!)」と唱和していたため、てっきりビセンテ・カルデロンで異論はないと思ったんですけどね。どういう訳か、先週末も選手たちは予定通りプレーしたいと言っていたにも関わらず、サン・マメスでの決勝開催をリクエストしているんですよ。 ▽うーん、確かに同じバスク地方のビルバオにあるアスレティックのホームスタジアムなら、新しいし、収容人数もビセンテ・カルデロンと大して変わらず。さらに毎年のように決勝に出るバルサより、一生に一度あるかないかのアラベスファンが応援に行きやすい近場にしてほしいという気持ちは何となくわかりますけどね。それがどうにも通らなさそうなのは折しも、サン・マメスでは決勝から3日後にガンズ・アンド・ローゼスのコンサートが開催。それもスペインだからなのかは知りませんが、ステージやら音響設備やら、会場の整備に1週間は必要とのことで、日程的に無理なのだとか。 ▽え、アトレティコファンだって、自分の応援するチームが出ない試合でビセンテ・カルデロンに別れを告げたいとは思わないだろうって? そうですね、どちらかというと、セレソ会長を始め、クラブ経営陣が予定通りに決勝をやりたいという感じですが、その一方でベルナベウが使用できないことを知ったバルサは、今度は自身のスタジアム、カンプ・ノウでの開催を主張。これも2年前のアスレティックとの決勝の例があるため、ないとは言えませんが、当時、負けたチームのメンバーだったトケロなど、それだけは絶対に避けたいのだそう。となると、マドリッドはビトリア(アラベスのホームタウン)からも、バルセロナからも行きやすいため、やはり最後はビセンテ・カルデロンで落ち着きそうですが…はい、一番悪いのは準決勝で負けたアトレティコだというのは、私もわかっていますって。 ▽ただ、火曜のカンプ・ノウでの2ndレグは序盤から、冗談のように彼らが優勢で、いえ、もちろん前半、カラスコのGKシレッセンと1対1のシュートや、サビッチやゴディンのヘッドがゴールにならなかったんですから、試合を見てない人にはあまりわからないかもしれないんですけどね。おまけに42分にはメッシのシュートはGKモヤが弾いたものの、こぼれたボールをルイス・スアレスに押し込まれ、総合スコアをバルサに3-1と広げられているのでは、いくら「前半のボクらはいい感じがしなかった。Ellos han tenido protagonismo con el balon/エジョス・アン・テニードー・プロタゴニスモ・コン・エル・バロン(相手はボールを持って主導権を握っていたね)」とベンチにいたイニエスタに言ってもらえたとて、結果にはまったく反映されません。 ▽それでも「Sabiamos que si nos marcaban daba igual, teniamos que hacer dos goles de todas formas/サビアモス・ケ・シー・ノス・マルカバン・ダバ・イグアル、テニアモス・ケ・アセル・ドス・ゴーレス・デ・トーダス・フォルマス(得点されても、とにかくウチが2ゴールを入れないといけないのが変わらないのはわかっていた)」(コケ)ため、ハーフタイム後にも気落ちせずにピッチに出て来たアトレティコでしたが、またいきなり不運に襲われるんです。そう、再開2分でガイタンが打撲のため、コレアに代わったかと思えば、その1分後には守備の要、ゴディンまで太ももを痛めて交代になってしまった日にはもう私など、目の前が真っ暗に。 ▽でも、大丈夫。ここは先日の彼女に対するDV容疑でバルサファンに激しいpito(ピト/ブーイング)を浴びながらもリュカが奮闘。更に56分には丁度、ルイス・エンリケ監督が「lo iba a cambiar por la tarjeta que tenia/ロ・イバ・ア・カンビアル・ポル・ラ・タルヘタ・ケ・テニア(イエローカードをもらっていたから、代えるつもりだった)」というセルジ・ロベルトが、フィリペ・ルイスへ激しいタックル。2枚目をもらい、退場となってくれたって、もしや前半に当人がエリア内でフェルナンド・トーレスを倒したのをペナルティに取らなかったことを内心、主審も後悔していた? ▽でもやっぱりアトレティコは不幸体質の方が強いようで、その2分後にグリーズマンが決めたゴールは脚の分、ピケが前にいたんですけどね。オフサイドで認められず。その上、68分にはカラスコが出場停止のネイマールの代理を務めていたアルダ・トゥランを吹っ飛ばし、こちらも2枚目のイエローカードをもらっているんですから、困ったもんじゃないですか。ええ、本人が抗議していたように、直前で滑って止まれなかったのはリプレーを見れば明らかですが、大体がして、その日のアルダはアトレティコ時代とは違って、全然、存在感を示せず。なので、そんなところで突っ込まなくても良かったのに、これでせっかくの数的優位もオジャンとはいかにもアトレティコ的展開です。 ▽そしていよいよ、悲劇のクライマックがやってきます。そう、77分にはメッシのFKが枠に弾かれ、命拾いしたすぐ後、フェルナンド・トーレスから代わっていたガメイロがピケにエリア内でファールを受け、今度はPKが与えられたんですけどね。何とこれを最近、PK7回中5回失敗していたグリーズマンに代わって、キッカーを引き受けた当人がゴールバーに当ててしまうって、ああ、このチームって一体、どこまでファンを失望させたら気が済むんでしょう。 ▽うーん、マドリッドに戻った翌日、マハダオンダ(マドリッド近郊)での練習では、ガメイロもよっぽど悔しかったのか、居残りでPKを蹴っていたそうなんですけどね。その時も3本中1本をポストに当てていたとかで、これってシメオネ監督になってから、チームがもらったPK46本中失敗14本、30%はゴールにできていない彼らの実態をまさに証明していない? ただそれはもう、キッカーが誰とかという問題ではなく、アトレティコは元々、PKが苦手なようで、クラブ通算でも432本中119本(28%)は失敗しているのだとか。 ▽おかげで昨季のCL決勝など、PK戦で決められなかったファンフランはともかく、90分内でもグリーズマンがGKケイロル・ナバスに止められていて、後悔してもしきれない程の損をしているため、言わせてもらえれば、全員に週1ぐらいでPKだけのセッションを課していいぐらいですが、こればっかりはねえ。ちなみにマルカ(スポーツ紙)の行ったウェブアンケートでファンの選んだキッカー、一押しはトーレスなんですが、ピッチにいないこともありますし、以前の在籍時代から、彼も結構、外したりしているため、シメオネ監督も決めかねるところでしょうか。 ▽え、それでもPK失敗後、2分もしないうちにガメイロはグリーズマンからパスをもらって、同点ゴールを決めているじゃないかって? 加えて、45分にはルイス・スアレスが「No me doy cuenta de que el jugador del Atleico esta ahi/ノー・メ・ドイ・クエンタ・デ・ケ・エル・フガドール・デル・アトレティコ・エスタ・アイー(アトレティコの選手がそこにいたなんて、気がづかなかった)」と、コケの顔に肘が当たった接触プレーで、3分前に続いて2枚目のイエローカードをゲット。とうとう9人になったバルサ相手に、お隣さんのremontada(レモンターダ/逆転)精神を見習えとばかりに、最後はセットプレーにモヤまで上がっての全員攻撃でロスタイムの5分を戦ったアトレティコでしたが…。 ▽1-1のまま、延長に持ち込むゴールは奪えずタイムアップです。いやあ、試合後はシメオネ監督も「Si fuera hincha del Atletico estaria muy orgulloso/シー・フエラ・インチャ・デル・アトレティコ・エスタリア・ムイ・オルグジョーソ(アトレティコのファンなら、とても誇りに思っているはずだ)」と言っていましたし、ここまで彼らがバルサを圧倒するところは見たことがなかったため、それはその通りなんですけどね。とはいえ、問題は「ボクらは全力を尽くした。El partido de ida sobre todo el segundo tiempo y el partido de hoy/エル・パルティードー・デ・イダ・ソブレ・トードー・エル・セグンド・ティエンポー・イ・エル・パルティードー・デ・オイ(1stレグのとりわけ後半と今日の試合でね)」(コケ)だったとしても、1stレグ前半にまったく精彩がなく、ルイス・スアレスとメッシにゴールを許してしまったのが、そもそもの敗因だったかと。 ▽それ故、「En los 90 minutos no hemos merecido este resultado/エン・ロス・ノベンタ・ミヌートス・ノー・エモス・メレシードー・エステ・レスルタードー(90分間、ウチはこの結果に値することをしていない)。しかしこの大会でやってきたことから、決勝でプレーするのにふさわしい」(ルイス・エンリケ監督)ということになってしまうのでは? うーん、もちろんこの2ndレグではその日、コケとのダブルボランチで出場停止のキャプテン、ガビの役割をしっかり補ったサウールなども「Hemos hecho todo lo que estaba en nuestras manos/エモス・エチョー・トードー・ロ・ケ・エスタバ・エン・ヌエストラス・マノス(自分たちにできることは全部やった)」と残念がっていたように、グリーズマンのゴールがオフサイドにされていなければといったタラレバはありますけどね。 ▽かといって、シメオネ監督がスペイン人の審判への皮肉を込めて、「Tengo claro por que en Champions tenemos mas opciones que en Liga o en Copa/テンゴ・クラーロ・ポル・ケ・エン・チャンピオンズ・テネオス・マス・オプシオネス・ケ・エン・リーガ・オ・エン・コパ(ウチにはリーガやコパ・デル・レイより、CLでの方が、オプションがある理由ははっきりわかっている)」と言うのは正しいかどうか。とりあえず、彼らのCL16強対決レバークーゼン戦は21日の火曜。どうやら木曜にはゴディンも全治10日程と診断され、戻って来られるようですから、2年前の同じラウンドではPK戦で何とか下した相手ということを忘れず、今は地道にPK練習に励んでほしいかと。 ▽その傍らで、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からは、コパに全身全霊を注いでいただけにショックも大きく、そのせいか、やはりローテーションをしてくるというセルタとの試合に勝って、リーガでもCLグループリーグ出場権が獲得できる3位争いに後れを取らないようにするのが肝要。バルサ戦で見せた、どこまで不幸が降りかかってもメゲずに立ち向かう姿勢を維持できれば、大丈夫かとは思いますが、予想はあまりアテにならないのがアトレティコですから、やっぱり心配ですよね。 ▽そしてそのセルタ戦が順延したため、この土曜が12日ぶりの試合となるマドリーはどうしていたかというと。うーん、水曜には25歳のバースデーパーティ第2弾をチームメート全員招いて開いたネイマールと違い、32歳になったクリスチアーノ・ロナウドには表立ったお祝いの席がなかったため、今週はマスコミ露出がかなり低下していた選手たちですが、いつの間にか、バルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションが賑やかになっていたのには私もちょっとビックリ。というのもセルタ戦で復帰予定だったマルセロやペペに加え、ハメス・ロドリゲス、カルバハルやモドリッチまで全体練習でアクセル全開だったから。 ▽実際、金曜のジダン監督の会見によると、足首の手術をしたベイルだけ、復帰がCL16強対決ナポリ戦2ndレグになる予定ではあるものの、他は全員、完全に回復したよう。土曜午後8時45分からのオサスナ戦に出られないのは累積警告のクロースだけだとか。この予期せぬparon(パロン/休止期間)で体力満々な上、何より相手は最下位ですしね。同日、近隣でアラベスとコパ決勝の予行演習をする2位バルサとの差が現在、勝ち点1しかなく、試合までは抜かれてしまう可能性があるとはしても、エル・サダル(オサスナのホーム)で日が変る前に順位は元に戻っているのでは? ▽一方、マドリッドの新弟分、レガネスは翌日曜にブタルケに残留の直接ライバル、スポルティングを迎えるんですが、いよいよ本腰を入れて勝ち始めないといけないということで、サポーターはhimno(イムノ/クラブ歌)をアカペラで歌ってチームを迎え、選手たちを励ますよう。まあ一応、降格圏にいる相手とは勝ち点差5あるとはいえ、まだ18ポイントしか貯めていないのでは心もとないですからね。冬の移籍市場で獲った新戦力7人もそろそろ馴染んだ頃でしょうし、早くファンを安心させてあげられるといいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.11 13:11 Sat
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