【原ゆみこのマドリッド】忙しい月が始まった…2017.01.07 08:45 Sat

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▽「主力が揃い踏みすればいいってもんでもないらしい」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日。コパ・デル・レイ16強対戦1stレグの結果を眺めていた時のことでした。いやあ、ようやく2週間のクリスマス休暇が終わり、年明け最初の試合ではどのチームの選手も体力気力が十分に回復。元気満々で挑むものと思ったんですけどね。意外だったのは、年末最後のコパ32強対戦2ndレグ前からお休み入りしていたMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)プラス、ピケを並べて、サン・マメスでアスレティックと対戦したバルサで、ラウール・ガルシアとイトゥラスペの退場で9人となった相手にアドゥリス、ウィリアムスに先制された2点を最後まで返せず。メッシのFKゴールによる1点だけで、2-1と負けてしまうとは一体、どうしたことしょう。

▽それと対照的だったのはレアル・マドリーで、長期離脱中のベイルはともかく、ジダン監督は元気なBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)のメンバーも温存。こちらはライバルが現在、リーガ3位と好調なセビージャですし、去年の公式戦は12月18日のクラブW杯決勝で終了。そこから即休暇入りと、他のチームより日数が空いていたため、titular(ティトゥラル/レギュラー)を並べても全然、おかしくはなかったんですが、前線をsuplente(スプレンテ/控え)だけで構成してもまったく差し障りがないのが、今のマドリーの凄いところかと。

▽ええ、この結果なら、来週の2ndレグでも主力は次の週末、しかもそれがまた、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦というのは皮肉ですが、リーガの試合に向けてお休みさせることができますし、今週末の彼らは降格圏19位にいるグラナダと対戦ですからね。となると、昨季バルサが作ったスペイン勢の公式戦無敗記録39試合を抜いても、まだ当分、記録更新となりそうですが、もしかしたら、まだ対戦相手がわからないコパの準々決勝が山場になる? うーん、と言ってもまだ突破が確実そうなのはマドリー以外、1stレグでボロ暫定監督率いるバレンシアに1-4で勝ったセルタ、オサスナを0-3で破ってカパロス監督の解任を引き起こしたエイバルぐらいなんですけどね。ここにバルサとアトレティコが混じれるかは来週、ミッドウィークの試合を待たないといけないんですが…。

▽え、それでもアトレティコはラス・パルマス戦の1stレグにベストメンバーを並べて、そこそこ満足いく結果を出しただろうって? まあ、その通りで、火曜日の一戦では24分にベルサリコのクロスを敵DFにクリアされたボールをコケがシュート、混雑したエリア内を通り抜けて決まった1点で先制。50分にはそのコケが起点となって、センターから放ったロングパスがブルサリコに届き、そのクロスをガメイロ、グリーズマンが頭で繋いで2点目を挙げてくれます。コケも後で「Nos ha venido muy bien este paron, a mi y a todos, para descansar/ノス・ア・ベニードー・ムイ・ビエン・エステ・パロン、ア・ミー・イ・ア・トードス、パラ・デスカンサール(ボクにも皆にも休息を取るのに、このお休みはとても良かった)」と言っていたように、これでようやく、去年の11月23日から続くグリーズマンのゴール日照りが解消されたのはありがたかったんですが、中にはガメイロのように相変わらず、チャンスをムダにし続けているFWもいたのはちょっと心配だったかと。

▽それでも2週間前のリーガでの対戦同様、相手が「al final toda esa posesion no la hemos convertido en acciones de peligro/アル・フィナウ・トーダ・エサ・ポセシオン・ノー・ラ・エモス・コンベルティードー・エン・アクシオネス・デ・ペリグロ(結局、このボールポゼッションの全てをウチは敵に危険なプレーに繋げられなかった)」(ステイン監督)ため、前回よりは少しだけ進歩した0-2で勝利を収めたアトレティコでしたが、点を取った後もあまり気を緩めずに、「El equipo ha vuelto a ser solido, intenso/エル・エキポ・ア・ブエルトー・ア・セル・ソリドー、インテンソ(チームに堅固さとプレーの激しさが戻った)」(フィリペ・ルイス)のは褒めてあげないといけません。

▽実際、昨年のコパ32強対決ギフエロ戦2ndレグや12月30日のサウジアラビアのアル・イテハドとの親善試合から、シメオネ監督が始めたファンフランを右中盤に上げ、右SBのブルサリコと併用、CBヒメネスの守備的ボランチとしての起用といった実験的布陣も上手くいっているようですしね。この調子でグリーズマンにゴールが戻ってきてくれれば、とりあえず来週火曜日の16強対戦2ndレグは無事乗り切れる? ちなみにそんなアトレティコは翌水曜日にビセンテ・カルデロンで公開練習を実施。スタンドに駆けつけた5000人のファンに胸を張って新年の挨拶をしたんですが、この週末には再び、厳しい現実を突きつけられることに。

▽ええ、クリスマス期間は努めて忘れるようにしていましたが、現在彼らのリーガ順位はヨーロッパリーグ出場権しかもらえない6位。首位のお隣さんとは消化試合が1つ多い状態で勝ち点9差、2位のバルサとも6差ですからね。この土曜日午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのエイバル戦でも総力を挙げて、勝ち点3を獲っていかないといけないんですが、今のところ、まだアキレス腱を痛めて別メニューで調整しているカラスコは復帰できるか不明のよう。その他ではガメイロの代わりにフェルナンド・トーレスが先発CFとして入りそうですが、相手はコパのオサスナ戦でローテーションをかけているだけに、体力満々で出てくるだろうペドロ・レオンや乾貴士選手には気をつけないといけませんよね。

▽そして水曜日の夜にはマドリーがサンティアゴ・ベルナベウにセビージャを迎えたんですが、最初にお話ししたようにロナウドは招集外、ベンゼマもベンチで待機させて、ジダン監督はモラタ、ハメス・ロドリゲス、アセンシオの3人のアタッカーで試合をスタート。それでも先制点を挙げるのに大して時間はかからず、開始10分にはカゼミロがエリア前でエンゾンジから取り戻したボールをハメスがゴール左端に決めて、あっさりゴールを奪ったかと思えば、その4分後にはモドリッチのchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)がポストを直撃する惜しいチャンスも生まれることに。

▽更にこの日は今週になって左ふくらはぎを痛めたペペに加え、セルヒオ・ラモスもクラブW杯決勝こそ、無理をして出場したものの、その前から痛めていた筋肉の負傷のため、休んでいたんですが、29分にはクロースのCKをヴァランが頭で叩き込み、攻守両面でキャプテンの不在を感じさせない働きをしてくれたとなれば、続く絶好のチャンスでモラタがGKセルヒオ・リコに弾かれてしまったとて一体、何の不足がある?

▽逆に「En el primer tiempo fuimos sorprendidos por la intensa presión del Madrid/エン・エル・プリメール・ティンポ・フイモス・ソルプレンディードス・ポル・ラ・インテンサ・プレシオン・デル・マドリッド(前半、ウチはマドリーの強烈なプレスに驚かされた)」(サンパオリ監督)というセビージャはイボラやビトロのシュートが決まらず、ハーフタイム直前にはマリアーノがモドリッチをエリア内で倒してPKまで献上。これもハメスが決めて、3-0としたため、ジダン監督曰く、「Hicimos un partido casi perfecto, 45 minutos espectaculares/イシモス・ウン・パルティードー・カシー・ペルフェクトー、クアレンタイシンコ・ミヌートス・エスペクタクラーレス(ほぼ完ぺきな試合をした。スペクタクルな45分だった)」前半で、ほとんど勝負がついてしまいましたっけ。

▽え、前線にはベイルがケガをして以来、代役を務めていたルーカス・バルケスも負傷していたため、あまりプレー時間の多い選手はいなかったものの、これは中盤をクロース、モドリッチ、カゼミロのベストトリオで固めたジダン監督の作戦勝ちだったんじゃないかって? そうですね、結局、セビージャは後半もチャンスは作ったものの点を取ることはできず、試合はそのままのスコアで終わったんですが、まだ年明け1戦目のため、「Hicimos uno de los mejores partidos del año/イシモス・ウノ・デ・ロス・メホーレス・パルティードス・デル・アーニョ(今年最高の試合の1つだった)」(カゼミロ)というのはちょっと気が早いような気がしますが、やはりこの3人が揃っていいプレーをしてくれたのは大きかったかと。

▽ただ、この一戦で誰よりアピールに成功したのはハメスで、いえ、当人がピッチに出る機会のなかったクラブW杯決勝後に移籍を仄めかすようなコメントをしたため、元から注目の的ではあったんですけどね。それでもdoblete(ドブレテ/2得点のこと)で気分を良くしたか、試合後には「No, no, me quedo, me quedo/ノー、メ・ケド(いや、自分は残る)」とこの冬の退団を強く否定。「今のボクはいい感じだし、誰だって悪い時を過ごすことはあるさ。Pero es un año nuevo y una nueva vida/ペロ・エス・ウン・アーニョ・ヌエボ・イ・ウナ・ヌエバ・ビダ(でも今は新しい年だし、新しい人生だ)」とのことですが、そうですね。ジダン監督のローテーション政策を見る限り、コパの続く1月はプレー機会が増えそうですし、ハメスも不満を溜めることはないかも。

▽それも土曜日午後1時(日本時間午後9時)からのグラナダ戦から、先発復帰を指揮官に保証されたロナウドやベンゼマ、すでにボールを使った練習を始めているルーカス・バルケスらが戻って来て、再びベンチ生活が続くとまた、その気がどう変わるかわからないんですが、FIFA処分のせいでこの冬の移籍市場では選手の新規登録ができないマドリーですからね。これから負傷者が増える可能性もありますし、まだ先の長いシーズン後半、今いる選手たちにはやる気を失わずに続けてもらうことが肝心。そういう点においても上手くチームを操縦しているジダン監督の手腕は評価されるべきですよね。

▽そして新弟分のレガネスがベティスとアウェイ戦で日曜日に対戦して、マドリッド勢の年明け最初のリーガ戦が終わるんですが、コパでは32強対戦でバレンシアに敗退して、これが今年最初の試合となるアシエル・ガリターノ監督のチームには新年早々、新しいGKが加わるという朗報が。ええ、去年最後のエイバル戦でエレリンが退場となり、このベティス戦に出られないのがずっと懸念されていたんですが、正GKセランテスの長期離脱でアスレティックから緊急レンタルとなった彼同様、アルゼンチン1部リーグのオリンポ・デ・バイア・ブランカから加わった31歳のチャンパンもこの週末、到着早々のデビューとなるようです。現在、16位とまだ降格圏に近いレガネスですが、この試合に勝てば、14位の相手を追い抜くことも可能ですからね。幸先いい1年を始めるためにも白星を掴めるといいんですが…。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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