【プレビュー】プレミアの灯を消すな! 昨季は完全ヒールも連勝記録懸かる“ラスボス”退治期待されるスパーズ《トッテナムvsチェルシー》

▽プレミアリーグ第20節、トッテナムvsチェルシーのロンドン・ダービーが日本時間4日29:00にホワイト・ハート・レーンでキックオフされる。4連勝で4位に付けるトッテナム(勝ち点39)と、13連勝で首位のチェルシー(勝ち点49)が対峙する今季2度目のロンドン・ダービーだ。▽第15節でマンチェスター・ユナイテッドに今季2敗目を喫して以降、リーグ戦4連勝と本来の調子を取り戻したトッテナムは、マンチェスター・シティを抜いて昨年10月以来となるトップ4圏内に浮上した。とりわけ、共に4-1で大勝した直近2試合のパフォーマンスは昨季の好調時を彷彿とさせる好内容で、前節のワトフォード戦で今季のリーグ戦ゴール数を二ケタに乗せたFWケイン、MFデレ・アリ、MFエリクセンらの充実ぶりが目を引く。また、昨年5月の対戦ではレスター・シティの初優勝を望む多くのファンによって、完全にヒール役としての戦いを強いられたものの、今回は憎らしいほど強いチェルシーの独走を阻め、との他クラブのファンからの心強い後押しを受けて、“ラスボス”退治に臨む。
▽一方のチェルシーは、前節苦しみながらもストーク・シティとの打ち合いを制し、2001-02シーズンのアーセナルと並び、1シーズンでのプレミアリーグ最多連勝記録を樹立。迎えた今節は、1シーズンでのプレミアリーグ最多連勝記録更新と共に、前述のアーセナルが翌シーズンに跨いで記録したプレミアリーグ最多連勝記録の14連勝を目指す。ヨーロッパへのコンペティションへの参加がない中、今季初めて迎える過密日程だが、MFカンテやMFマティッチ、FWペドロといったこれまでの主力をバックアップする立場のMFセスクやMFウィリアンが、指揮官コンテを良い意味で悩ます躍動ぶりを見せており、連戦の疲れを全く感じさせない盤石ぶりだ。

▽昨年11月末に行われた前回対戦では、開幕から12戦無敗を継続していたトッテナムをホームで迎え撃ったチェルシーが、FWペドロとFWモーゼスの2ゴールで逆転勝利し、連勝を「7」に伸ばしていた。なお、スタンフォード・ブリッジでは圧倒的に分が悪いトッテナムだが、ポチェッティーノ体制でのホームゲームでは、2015年元日に5-3での衝撃的な勝利を手にするなど、直近2試合で1勝1分けの戦績を残している。


▽トッテナム予想スタメンGK:ロリス
DF:エリック・ダイアー、アルデルヴァイレルト、ヴェルトンゲン
MF:ウォーカー、エリクセン、ワニャマ、デレ・アリ、ローズ
FW:ケイン、ソン・フンミン
負傷者:MFラメラ
出場停止者:なし▽出場停止明けのヴェルトンゲンとウォーカーが復帰するため、コンディションが整っていないラメラを除く全選手が起用可能だ。前回対戦ではアルデルヴァイレルトとローズの不在によって、ヴィマーを左サイドバックで起用する[4-1-4-1]の布陣を採用したが、今回の一戦ではここ最近になって採用している3バックで臨む可能性が高い。

▽ただ、起用する選手に応じて中盤フラットの[3-4-3]、ダイヤモンド型の[3-4-3]、[3-5-2]の布陣を使い分けており、ポチェッティーノ監督がいずれの布陣を採用するか、注目したいところだ。予想フォーメーションは、直近のワトフォード戦で機能した[3-5-2]としている。


▽チェルシー予想スタメンGK:クルトワ
DF:アスピリクエタ、ダビド・ルイス、ケイヒル
MF:モーゼス、カンテ、マティッチ、マルコス・アロンソ
FW:ペドロ、ジエゴ・コスタ、アザール
負傷者:DFテリー
出場停止者:なし

▽筋肉系の問題を抱えるテリー以外に負傷者はおらず、ベストメンバーで臨める。ただ、ここ数試合で好調を継続するセスクとウィリアンが、マティッチとペドロに代わってスタメンに抜擢される可能性は十分にある。前回対戦で見事な同点ゴールを記録して良い感覚の残るペドロは、直近のストーク戦を出場停止で欠場し休養十分であるため、先発に入ると予想。一方でマティッチとセスクは、前節出場時間を分け合っており、指揮官が敵地で攻撃に戦うか、守備的に戦うかというプラン次第でスタメンが決まるはずだ。

★注目選手
◆トッテナム:MFデレ・アリ▽2017年最初のビッグマッチの注目プレーヤーは、3戦連発を含め直近3試合で5ゴールと量産態勢に入っているデレ・アリだ。年末年始の過密日程の中でケインと共にコンディションを上げている20歳のイングランド代表MFは、課題のフィニッシュの精度が目に見えて改善されている。また、セカンドボールへの反応、一対一での仕掛け、視野の広さを生かしたパスで違いを生んでおり、相手守備陣にとっては対応し辛いプレーヤーだ。

▽今回の一戦でポチェッティーノ監督がいずれのシステムを採用するかは不明だが、ビルドアップの場面で存在感を放つエリクセンに対し、デレ・アリが崩しの場面で存在感を放てるかが、チェルシー撃破の鍵を握る。

◆チェルシー:FWペドロ・ロドリゲス▽一方、プレミア記録更新を目指すチェルシーのキープレーヤーは、前回対戦で圧巻のフィニッシュで同点弾を挙げ、試合の流れを一変させる活躍を見せたペドロだ。ここまではアザールとジエゴ・コスタの鉄板トリデンテで主役を担ってきたが、累積警告で出場停止となった前節ストーク戦でウィリアンが2ゴールを挙げる活躍を披露するなど、ライバルが積極アピールをしており、レギュラーの座は安泰ではなくなっている。

▽幸い、コンディションや前述の2選手との連係、セスクとの連係は良好であり、先発、ベンチスタートに限らず、活躍する準備は整っている。また、マッチアップが予想されるDFローズに最も難しい相手と言わしめた巧みな動き出しや仕掛けで、再びダービーで主役の座を掴みたいところだ。