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【原ゆみこのマドリッド】ようやく休暇が終わった…2016.01.01 09:44 Sun

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▽「まったく年の瀬だっていうのに忙しい」そんな風に私が首を振っていたのは金曜日、バレンシのプランデッリ監督辞任の報を知った時のことでした。いやあ、クリスマスのparon(パロン/休止期間)が始まって早々にはマラガのファンデ・ラモス監督が、コパ・デル・レイ32強対戦で2部のコルドバに2連敗、総合スコア3-6で敗退してしまったせいだったんでしょうかね。いきなりアル・タニ会長からツィッターで別れを告げられた後、この木曜には後任が同監督のスタッフを務めていたマラガOBでもある”ガトー”・ロメロ氏に決まったというニュースにも驚かされたんですけどね。

▽予算的に期待通りの補強が叶わないと見て、ピーター・リン会長に辞表を出したプランデッリ監督の方はいよいよ、バケーションも終わってチームが練習を再開する直前の話だったとなれば、年明けは心機一転、レガネスを倒して進出したコパ・デル・レイ16強のセルタ戦1stレグも3日には控えていますしね。現在降格圏落ちをギリギリで免れているリーガ順位も改善しようと意気込んで、パテルナ(バレンシア郊外にある練習場)に出勤するつもりだった選手たちもどんなにショックだったことか。

▽いえ、今季、4節でアジェスタラン監督が解任された時も中継ぎ役を務め、今回も後釜が決まるまで、緊急出動することになった本職、チーム付き役員のボロ監督は前回、担当した3試合を2勝1敗で乗り切り、過去にも同様の状況で常にいい成績を残しているため、再び彼が戻ってきてくれて、ファンがホッとしている面もあるはあるんですけどね。

▽ただ、今季は早くも2度目の監督交代となったバレンシアは極端としても、グラナダ(パコ・ヘメスからルーカス・アルカラス)、オサスナ(エンリケ・マルティンからカパロス)、ベティス(グスアボ・ポジェからビクトル・サンチェス)、そしてマラガとまだシーズンも折り返していないのに、指揮官の首をすげ替えるチームはすでに5つ越え。私もようやくTV映像などで顔なじみなった頃、いつの間にか違う監督になっているのには当惑させられたりもしたものですが、未だにグラナダやオサスナが降格圏から脱出できてないように、上が代わったとて、選手たちは同じですし、なかなか即成績向上という訳にはいかないのは気の毒ですよね。

▽まあ、そんなことはともかく、今週はマドリッド勢も休暇が終わり、火曜からは先陣を切ってレアル・マドリーがバルデベバス(バラハス空港の近く)でセッションをスタート。バケーション前最後の試合が18日のクラブW杯決勝鹿島アントラーズ戦と、その次のミッドウィークにコパ32強対戦2ndレグを戦ったアトレティコやレガネスより早かったためですが、選手たちの中には、足首の手術をして、復帰予定が2月のベイルは当然としても、ペペやルーカス・バスケス、コバチッチら、まだ休暇前からの負傷が治りきっていないメンバーもいたとか。

▽とりわけ後者2人は全治に2週間程かかるそうで、年明け4日の水曜日午後9時15分(日本時間翌午前5時15分)、リーガの上位陣対決となったセビージャとのコパ16強対決1stレグには間に合わないのが確定。まあ、といってもベイルの代わりのアタッカーにはイスコやアセンシオ、ハメス・ロドリゲスら、中盤も今はモドリッチ、クロース、カセミロが戻っているため、人材には事欠いていないマドリーですからね。2016年はCLとユーロ大会で優勝、バロンドールも受賞して最高の年になったと認めているクリスチアーノ・ロナウドも、自身のインスタグラムにクリスマソングをセミヌードで歌う姿を掲載(https://www.instagram.com/p/BOp9PdXAF9R/?taken-by=cristiano&hl=ja)したりして、相変わらずご機嫌なようですし、ジダン監督の無敗記録更新にはそれ程、支障ないような。

▽ちなみに金曜の彼らは恒例のクリスマス期間に行う年1回の公開練習を実施して、バルデベバスの敷地内にあるアルフレド・ディ・ステファノ・スタジアムに5000人のソシオ(協賛会員)を招待。ピッチにジダン監督が獲得した3つのトロフィー(CL、UEFAスーパーカップ、クラブW杯)を展示したり、選手たちもスタンドにボールを投げ込むなど、ファンサービスに努めていたようですが、セッション後は全員がサンティアゴ・ベルナベウに移動すると、今季は日本行きがあったせいでしょうかね。例年より遅めのComida de Navidad(コミーダ・デ・ナビダッド/クリスマス昼食会)に参加することに。

▽そしてクラブ幹部、マドリーのバスケットチームメンバーらも参加したパルコ(貴賓席)前ホールでのランチの後にはジダン監督、ラソ監督を始め、各選手が市内の病院を訪問し、病気の子供たちにプレゼントを配っていましたが、練習は大晦日も続行。ここ毎年そうなんですが、年明けすぐに試合があるため、元旦こそお休みしても、それ以外はずっとトレーニングというのは、コパを勝ち上がっていくと、1月中全てのミッドウィークが潰れるハードスケジュールに備えるためとはいえ、本当に大変ですよね。

▽え、それで水曜夕方からマハダオンダ(マドリッド近郊)で練習を始めたアトレティコの方は何をやっているのかって?実はこちらは早くも試合をしていて、いえ、その28日はDia de Inocente(ディア・デ・イノセンテ/スペインのエイプリルフール)ということで、グリースマンがRNE(スペイン国営ラジオ)のドッキリ番組の犠牲者になったなんてこともあったんですけどね。おまけにアトレティコはマドリッド州政府のinocentada(イノセンターダ/嘘)の対象にもされ、「新スタジアムへの引っ越し手続き認定が間に合わず、来季はサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーと交代でホームゲームを行う」なんて公告がまことしやかにアップされていたりしたんですが、どうやらワンダ・メトロポリターノ・スタジアムから一番近いメトロ(地下鉄)の駅、7番線のエスタディオ・オリンピコ駅がエスタディオ・メトロポリターノ駅に8月から改名されるというのは本当のよう。

▽それはともかく、翌木曜にも練習を続けた彼らは夜にはサウジアラビアに向けて出発。ジッダのキング・アブドゥラー・スタジアムを満員にして、創設90周年記念を祝うアル・イテハドと金曜に親善試合を行ったんですが、この休み明けの足慣らしではチームのいいところと悪いところがくっきり現れてしまうことに。

▽ええ、バケーション入り直前のコパ、ギフエロ(2部B)戦に続き、再び右の中盤に入ったファンフランが前半23分、ガビのループパスを右足外側で浮かせてシュート。2試合連続のゴールで先制点を挙げてくれたのは、「Ha jugado toda la vida ahí/ア・フガードー・トーダ・ラ・ビダ・アイー(彼はずっとあそこでプレーしていた)し、常に攻撃的にいい選択肢を与えてくれる。今のブルサリコの好調と共にウチの右サイドに新しい可能性が生まれた」とシメオネ監督が言う通りなんですが、その1点で安心してしまうという、ここ最近のチームの悪癖は変わらず。

▽うーん、年明けの連戦を鑑みて、ゴディンをこの遠征に連れて来なかったのも悪かったのかもしれませんけどね。前半終了直前、ケガから復帰したフィリペ・ルイスを含めて、ヒメネス、サビッチのCBコンビが敵に後れを取り、モハムド、アカイチに連続ゴールを許してしまうんですから、たまったもんじゃありません。それでも6人を入れ替えた後半には、今度はポジションをボランチに移したヒメネスが発奮。18分にはエリア内で敵のハンドを誘い、フェルナンド・トーレスのPKゴールのお膳立てをしたかと思いきや、26分にはコレアの放ったFKに頭で合わせ、とうとう逆転ゴールを奪ってくれたとなれば、シメオネ監督の実験も悪い結果ばかりではなかった?

▽結局、これで2-3として勝ったアトレティコでしたが、気になるのはこの日もグリースマンのゴールは見られなかったことで、もう無得点が2カ月近く続いていますからね。年明けには運気が変わって、また以前のようにガンガン、ゴールを入れてくれるようになるといいんですが、こればっかりはわかないのが辛いところかと。試合後、すぐ帰りの飛行機に乗ったチームは5時間のフライトを経て、早朝5時にバラハス空港に到着。大晦日も練習して、3日午後9時45分(日本時間翌午前5時45分)からのコパ16強対決、アウェイでのラス・パルマス戦1stレグに備えることになりますが、ジッダといい、カナリア諸島といい、暖かいところでの試合が続くのは、選手たちもちょっと嬉しいかもしれませんね。

▽そして最後にコパの重荷から逃げることがマドリッドの新弟分、レガネスなんですが、こちらは年明け最初の試合が8日のリーガ、ベティス戦ということで、練習再開も木曜と遅め。ただその間もフロントは活発に動いていたようで、金曜にはオリンピアコスからレンタルで28歳のギリシャ人CBシオバスを獲得しています。更にGKの補強にも動いているようで、何せヒザの靭帯断裂で今季絶望となってしまった正GKセランテスの代わりに、12月にはアスレティックから来てくれたエレリンが年内最終節のエイバル戦で退場。ベティス戦は出場停止となってしまうばかりか、その次のアスレティック戦も契約条項でプレーできないんですよ。

▽そのため、控えがリーガ1部初体験のバリオスだけでは不安ということでしょうが、まあ、それを言ったら、昇格組のレガネスだけにキリがないですからね。ここまでの戦いを見る限り、FWや攻撃的MFを増やして、課題の得点力も上げておきたいところですが、予算も限られているクラブだけにどうなることやら。幸い、年越えは降格圏から嬉しい勝ち点差4でできたことですし、何とかこのまま残留を勝ち取ってもらいたいものですが、2017年は彼らにとって、果たしてどんな年になるのでしょうか。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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【原ゆみこのマドリッド】どこもかしこも祝っている…

▽「最高のフィエスタだったはずなのに」そんな風に私がモヤモヤしていたのは月曜日、前夜は眠りかけでTVを見ていたため、詳細までは把握していなかったレアル・マドリー、リーガV祝勝イベントの風景がお昼のニュースで流れた時のことでした。いやあ、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)にたどり着くと、すでにマラガ戦は後半が始まるところ。さすが、優勝決定戦とあって、いつもよりファンの数も多く、そんな時間からでは椅子もなくて、45分間、立ち見をした後にだけだったため、シベレス広場へ駆けつけるなんて選択肢は最初から、私にはなかったんですけどね。 ▽どうやら噴水を囲むキャットウォークでマイクを握って騒いでいたマドリーの選手から、「Pique, cabron. saluda al campeon!/ピケ・カブロン、サルーダ・アル・カンペオン(ピケ、クソ野郎、チャンピンに挨拶しろ)」なんていうのは、6月のスペイン代表戦で他にもイニエスタ、ブスケツ、ジョルディ・アルバと仲間の多い当人と顔を合わすことになるカルバハルが、ラス・ロサス(マドリッド近郊)での合宿で居心地悪くなってもそれは自業自得。実際、件のバルサのCBは以前から、マドリーに対してあれこれ言っていたため、広場を埋め尽くしたファンも喜んで唱和していた気持ちもわかりますけどね。 ▽最悪だったのは、「Indios, decidme que se siente.../インディオス、デシッドメ・ケ・セ・シエンテス(アトレティコ共、何を感じるか言ってみろ)」と、この後、2度も決勝に負けて云々と続く、今季のCL準決勝1stレグでサンティアゴ・ベルナベウに広げられた横断幕の元になったカンティコ(節のついたシュプレヒコール)を歌い出したのには目が点に。うーん、これはイスコだったんですが、人間、ハイになると、ここまでひどいことを言えるもの?何せ、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)のピッチでのお祝いではよちよち歩きの息子さんを連れ、思いっきりイクメンぶりを発揮していた彼ですからね。そんなシーンを見ると、ちょっと残念なパパでお子さんも可哀想にと思ってしまうんですが…。 ▽いやまあ、それについてはアトレティコのセレソ会長など、「No molesta, a ver quien gana el proximo ano.../ノー・メ・モレスタ、ア・ベル・キエン・ガナ・エル・プロキシモ・アーニョ(迷惑ではない。来季はどこが優勝するか見てみよう)」と余裕たっぷりで答えていましたしね。今回もサウルはU21だけで、A代表1人参加となったコケがセルヒオ・ラモスを始め、ナチョ、アセンシオ、モラタ、そしてカルバルとイスコという、最大集団のマドリー勢に抗議するなんて所詮、不可能ですので、別にいいんですが、実は私も先週末はフィエスタづくしの2日間に。そう、土曜はマハダオンダ(マドリッドの近郊)のアトレティコ練習場に女子チームの応援に行ったところ、これがまた、いつもは男子チームがセッションに使っているミニスタジアムが満員の盛況。 ▽女子選手たちもレアル・ソシエダ相手に前半12分までに2点を決める速攻を見せ、いえ、15分に見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)で1点を返された時にはヒヤリとさせられたんですけどね。後半も9番をつけたエステルが何度も敵GKとの1対1に失敗していたため、そんなところは男子チームといい勝負とも思ったものの、大丈夫。ビセンテ・カルデロンでの練習を終え、息子のラウタロウ君を連れて駆けつけたヒメネスも見守る前でアトレティコ女子は2-1で勝利。同じ勝ち点だったバルサがレバンテに同スコアで負けたのもあって、堂々、今季無敗という立派な成績でリーガ初優勝を飾ることに。 ▽試合後にはスピーカーに呼ばれて選手1人1人がピッチに登場するお祝いセレモニーもあって、もちろん男子チームみたいに華々しくはないんですけどね。これで来季の女子CL出場権を勝ち取っただけでなく、この先にはコパ・デ・レイナ(女王杯)も控えているため、もしかして男子も1996年に1度しか達成したことのないdoblete(ドブレテ/2冠)も夢じゃない?それどころか、奇しくもお隣さんには女子チームがないため、悲願のCL優勝まで先を越されてしまうことになったりしたら…。 ▽まあ、その辺は置いておいて、夕方にはブタルケへ向かった私はマドリッドの新弟分、レガネスの1部残留祝いを体験できることに。ええ、すでに目標は前節にアスレティックと引き分けて達成していたため、その日のアラベス戦はセレモニーの前座みたいでしたけどね。後半クルスティチッチのヘッドで先制されながら、残り3分にティモルの驚愕25メートル弾が生まれ、試合も1-1で引き分けています。満員のスタンドに見守られてのお祝いでは、センターサークルを取り巻く青と白の風船や紙吹雪のジェット噴射などもあって、やはり20クラブ中、最低予算であってもそこは1部の男子クラブ。そういえば、今は昇格プレーオフの座を目指している2部のヘタフェも最初のシーズンはこんな風に残留を祝ったものだったと、私も懐かしく思い出してしまいましたっけ。 ▽ただ、レガネスの本当の戦いは来季からで、何せ今季は残留ラインとなったスポルティングが勝ち点31。その1つ上の17位で終わった彼らも35留まりでしたからね。しかもその日、胴上げされていたビクトル・ディアス、アルベルト・マルティンら、3年前、2部B時代から貢献してきたベテランが退団。その他、レンタル選手も多いため、計12人もの入れ替えになるかもしれず、またしてもアシエル・ガリターノ監督がチームを最初から作らないといけないのは辛いところかと。それにまだ1部2年目ですから、あまり心配しなくてもいいものの、今季のようにホームでたった5勝しかできなかったりすると、いずれはヘタフェみたいにサポーターの足が遠のく可能性もありますからね。この夏はできるだけ使える選手を集めて、チームとしても何か特徴を出せるようになるといいのですが。 ▽そして翌日曜はキックオフ前、4万枚のモザイクでスタンドが覆われたビセンテ・カルデロンに私はいたんですが、アトレティコもすでに3位決定済みの消化試合。相手はヨーロッパリーグ出場圏順位の懸かっているアスレティックとあって、お祝い事があるたび、ズッコケてきた彼らの暗い過去をちょっと懸念していたんですが、それは杞憂に終わります。ええ、その日は今のアトレティコのメンバーの中でもひと際、このスタジアムに愛着を持つフェルナンド・トーレスが序盤から発奮。7分には、個人としてもお別れ試合となり、ガビの代わりにキャプテンマークを着けたチアゴのロングパスをグリースマンがエリア内で落としたボールを決め、先制点をゲットしてくれたから、どんなにファンたちも喜んだことか。 ▽おまけにその2分後、今度はグリースマン、コケとエリア内でのプレーが繋がって、最後はトーレスが半chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)で2点目となれば、いやあ、こんな活躍ぶり、マドリーとのCL準決勝で見たかったと思ってしまうのは私の性格が悪いせい?その後はフィリペ・ルイスとヒメネスの累積警告、ゴディンの3試合出場停止、ファンフラン、ベルサリコの負傷でDF飢饉に陥りながら、急造SBのトマスとサウルも頑張り、アスレティックを零点に抑えていたため、スタンドも歴代選手の応援歌を次々披露したり、Ola(オラ/ウェーブ)をして楽しんでいたんですが、後半11分、せっかくトーレスがGKケパをかわし、撃ったシュートはライン上でラポルテに当たってすぐにはゴールに入らず。それを見て、グリースマンがカッコをつけたtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で押し込んだところ、オフサイドとなってしまったのは残念だったかと。 ▽トーレスもこれまで達成したことのなかったカルデロンでのハットトリックを逃したことになりますが、ツイてないことは続いて、25分にはウィリアムスのシュートがサビッチに当たってゴールを割り、1点を返されてしまうことに。それでも終盤に大きな拍手を受けて交代となったチアゴの後を引き継いだコレアが42分、グリースマンの弾かれたシュートを決めて、アトレティコは3-1で勝利することができました。うーん、同時進行の試合では終了間際にソシエダがセルタ相手に2-2の引き分けに持ち込み、その勝ち点1のせいで、アスレティックは今週土曜のコパ・デル・レイ決勝でアラベスがバルサに負けない限り、来季のELには行けない7位になってしまったんですけどね。まあこの日はカルデロン最後の公式戦、「ファンに今季のお礼を言いたかった。Ha sido increible, sobre todo en la derrota/ア・シードー・インクレイブレ、ソブレ・トードー・エン・ラ・デロータ(信じられない程だったよ。特に負けた時)」(トーレス)というアトレティコの選手たちの感謝の気持ちの方が強かったようです。 ▽そして前日、リーガ優勝を決めた女子チームを男子チームが花道を作って迎え、彼女たちがピッチを一周している間に舞台が整えられると、いよいよセレモニーが始まります。まずはこのカルデロンでの51年間にアトレティコが獲得したトロフィーを当時の選手たちが中央に運んで来るんですが、1つ気づいたのは1996年の2冠の後は時代がいきなり飛んで、次は2010年のELだったこと。ええ、それまでは監督として知っている中高年ばかりが出てきていたのも、そこからはペレア、アスンソン、アントニオ・ロペス、シモン、ドミンゲスといった比較的近くに引退した元選手となり、その後はフィリペ・ルイスやゴディン、コケ、ガビといった今のメンバーも加わって、最後は2014年のリーガとスペイン・スーパーカップで終わります。 ▽うーん、この14年間の空白期間も気になりますが、そこにorejona(オレホナ/大きな耳というCLトロフィーの愛称)が1つもないのは寂しい限り。いえ、お隣さんのようにリーガだけで33回も優勝していたら、一晩かかっても運びきれなくて困りますけどね。その日、展示されたのはリーガ、コパ、旧CLで優勝したバイエルンが辞退したため、準優勝のアトレティコが参加して勝ったインテルコンティネンタル(トヨタカップ)、EL、スーパーのつく大会合わせて19個。マイクを握ったシメオネ監督も「記者たちはずっと続投するのかと尋ねていたが、Si, me voy a quedar/シー、メ・ボイ・ア・ケダール(私は残る)。このクラブには未来があり、それは私たち全員だからだ」と、ファンの前で宣言してくれていましたし、このトロフィーの数、来季からプレーするワンダ・メトロポリターノでどんどん増やしていってくれませんかね。 ▽え、最後に残りの現チームメンバーが出て来た時、ファンの「madridista el que no bote/マドリディスタ・エル・ケ・ノー・ボテ(跳ねないのはマドリディスタ)」というカンティコに乗って、やたらピョンピョンしていたグリースマンはちょっと異様じゃなかったかって?そうですね、私も目を丸くして眺めていた口ですが、月曜には当人がフランスのTV番組に出て、「来季マンチェスター・ユナイテッドに行く確率は10のうち6」なんて答えていたりもして、何を考えているかはさっぱりわからず。ええ、6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定でFIFAの選手の新規登録禁止処分が解けるか解けないかに関わらず、彼の残留はクラブの最優先目標になっているはずなんですけどね。試合後にもあんなに元気だったにも関わらず、もしやグリースマンもアルダ・トゥラン(現バルサ)のように走りすぎてイヤになったとか? ▽トーレスに関してはシメオネ監督直々、「Fernando, cuento contigo/フェルナンドー、クエントー・コンティーゴ(フェルナンド、君をアテにしている)」と本人にお達しがあり、夏の補強が可能になれば、新規FWを2人獲りたいという意向があるため、中心的役割を与えられるかはともかく、来季もアトレティコでプレーできるようですけどね。その辺はまた、お伝えてしていくことにして、今はマドリーの優勝決定試合に話を進めないと。いえ、試合後しばらくカルデロンに残っていた私はミックスゾーンで、マラガ戦開始2分、これまた最近、ローテーションのおかげで若返り著しいクリスチアーノ・ロナウドがイスコからスルーパスを受け、先制点を決めたことを知ったんですけどね。 ▽並行して進むカンプ・ノウではエイバルの乾貴士選手が前半に2ゴールを挙げ、バルサから2得点した初めての日本人選手になったこともラジオで聞いていたんですが、ようやくバルで見られた後半10分にはCKからラモスのシュートは弾かれながら、最後はベンゼマが決めて、マドリーはリードを2点に拡大。それからバルサのremontada(レモンターダ/逆転劇)もあって、2位のライバルも4-2で勝利したものの、元々、勝ち点1さえあれば良かった彼らですからね。0-2で終わって、あっさりリーガ優勝が決まりましたっけ。 ▽そして家でTVを見ながら待つこと数時間、メデタイ優勝インタビューなのにロナウドが前節のセルタ戦で、相手の選手たちに「Maltin, maletin!/マレティン(勝利によってもらえる第3者からのボーナスの隠語)」と毒づいていたことを尋ねられ、「La gente no sabe la realidad de las cosas y hablan de mi como si fuera un delincuente/ラ・ヘンテ・ノー・サベ・ラ・レアリダッド・デ・ラス・コーサス・イ・アブラン・デ・ミー・コモ・シー・フエラ・ウン・デリクエンテ(人々は物事の真実を知らないのにまるで自分を犯罪者のように話す)」と怒りをぶちまけているシーンなども眺めていたんですが、その頃からでしょうか。地鳴りのように響く音楽が私の住んでいるピソ(マンション)に届き出したのは! ▽何と結構、距離はあるはずなのに、それってシベレス広場で始まった祝勝イベントの音楽だったんですよ!うーん、ラ・ロサレダのロッカールームでのお祝い終え、飛行機に乗ったチームがマドリッドに到着したのは午前2時頃。サンティアゴ・ベルナベウでオープンデッキバスに乗り換え、数万人のファンの待つ会場に着いたのはそれから30分程してからで、最後にキャプテンのラモスとマルセロが女神像にマドリーの旗とマフラーを巻き付け、バスで去っていったのは午前3時…いえ、マドリーがバルサを抑えて5年ぶりのリーガ優勝を遂げたのは嬉しいんですけどね。結局、翌日は働かないといけない月曜なのに私がずっとTVを見ていたのは、コンサートのような騒音で眠れなかったからというオチでした。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.23 11:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】多分、優勝できると思うけど…

▽「リーガが終わってからが長いわね」カレンダーを見ながら私が溜息をついていたのは金曜日、レアル・マドリーではCL決勝チケットのソシオ(協賛会員)割り当て抽選があったりしたものの、試合まであと2週間も待たないといけないと気づいた時のことでした。いえ、この水曜にラツィオを下し、コッパ・イタリア優勝を果たした相手のユベントスの選手たちなどはロッカールーム内でのお祝いで、「Que vamos a Cardiff/ケ・バモス・ア・カーディフ(カーディフに行くぞ)」と早くも歌っていたようなんですけどね。それがスペイン語だったのはイグアインやディバラらアルゼンチン出身の選手や、リーガ歴の長いダニエウ・アウベスのせいということで納得ですが、実は彼らはまだ、セリエA優勝が決まっておらず。 ▽もちろん前節、2位のローマに返り討ちに遭い、せっかくのチャンスを逃したとはいえ、勝ち点差は4もありますから、断然有利なのは間違いないですが、この日曜のクロトーネ戦でも決まらなかった時は要注意。何せ3年前、最終節でバルサと引き分け、ようやくの思いでリーガ優勝を決めたアトレティコなど、その後のお祝い行事疲れも相まって、1週間後のCL決勝はロスタイムにセルヒオ・ラモスに奇跡の同点弾を喰らい、延長戦で3点も取られちゃいましたからね。ユーベも来週末のボローニャ戦まで優勝を持ち越すことになると、カーディフでの決勝が大変なことになりかねませんが、ファン的にはその方が緊張感も持続して楽しかったりする? ▽まあ、その辺は今回、優勝すればリーグ6連勝という恐ろしい記録になるイタリアのチームですから、余裕を持って受け止めているとは思いますが、意外なことにリーガのタイトルからはもう、5年も遠ざかっていたというマドリーの話を今はしないと。このミッドウィークは彼らだけ、2月に順延になったセルタ戦に挑んだんですが、やっぱりローテーションで選手が交代で出ているチームは元気があって本当に羨ましい。いえ、セルタも先週、ヨーロッパリーグ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに負けるまで、平日はベストメンバー、週末は控え中心という起用方針だったんですけどね。 ▽片や2月のコパ・デル・レイ準決勝に続き、クラブ史上初の決勝進出の夢破れたばかり、その間にリーガでも5連敗と失速しているチームと、宿命のライバル、バルサが時々、3冠(CL、リーガ、コパ・デル・レイ)を達成しているのと比べると気が引けますが、1958年以来の2冠(CL、リーガ)まであと一歩と迫り、ノリに乗っているチームではああいう結果になったのも当然だったかと。 ▽そう、最近では珍しくクリスチアーノ・ロナウドが2試合連続出場したマドリーは、イスコも「Cristiano ha llegado al final de temporada como un avion/クリスティアーノ・ア・ジェガードー・アル・フィナル・デ・テンポラーダ・コノ・ウン・アビオン(クリスチアーノはシーズン終盤にまるで飛行機のような勢いで着いた)。でも、彼だけじゃなく、ボクら皆、飛行機みたいだよ」と言っていた通り、開始9分には後者のパスから前者が左足で決めて早くも先制。前半はその1点止まりでしたが、ハーフタイムで休憩したすぐ後にもカウンターで抜け出したイスコが再びスルーパス。これもロナウドが決めて2点差になった上、後半16分にはセルタのエース、イアゴ・アスパスが2枚目のイエローカードをもらって退場になってしまったから、もう勝負は決まったと思ったところ…。 ▽え、前半のアスパスのイエローカードはバランの手にボールが当たったにも関わらず、審判がハンドを取らなかったことに抗議したせいで、2枚目もエリア内でラモスに倒されながら、piscinazo(ピシナソ/ダイブ)と判断されて出されたものって、ちょっとひどくないかって?うーん、確かにその1分後にはロナウドが同じようなプレーでペナルティはもらえず、かといって、当人にカードも出されなかったため、その日、ベリッソ監督が処分でベンチに入れず、セルタの指揮を執っていたマルクッチ第2監督も猛抗議。おかげで彼まで退場になってしまいましたが、何せロナウドが警告を受けていたら、累積で最終節に出られなくなってしまいますからね。 ▽そういう意味ではマドリーもラッキーだったんですが、まさか23分にはグィディッティのシュートがラモスに当たってゴールに入り、1点差に迫られてしまうとは!でも大丈夫ですよ。というのも、その1分後にはマルセロのパスをベンゼマがゴール前から押し込んで、スコアが1-3になったからで、終盤にはファールを受けたラモスがパブロ・エルナンデスと揉めていたりもしたんですけどね。後でジダン監督も「un poco cansado porque aunque no juego tengo tension como todos/ウン・ポコ・カンサードー・ポルケ・アウンケ・ノー・フエゴ・テンゴ・テンシオン・コモ・トードス(プレーはしなくても自分も皆同様、緊張していたから、ちょっと疲れた)」と言っていましたが、42分にもクロースが決め、最後は1-4という余裕のあるスコアで勝つことができましたっけ。 ▽この結果、いよいよマドリーは順位表でバルサの下に居ることを止め、勝ち点3差をつけて堂々首位に復帰。つまり、日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に揃ってキックオフする最終節で、バルサがエイバルに勝ち、マドリーがマラガに負けた場合のみ、シベレス広場でのお祝いが見られないことになります。そんな状況だからでしょうか、ルイス・エンリケ監督は月火水と3日も練習をお休みにして、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)もバルセロナ市内にオープンした高級ブランドシューズショップのイベントに夫人同伴で駆けつけていた姿の方が今週は印象に残っているんですが、マラガにもバルサ育ちで「Si marco y le doy la Liga... ojala se de/シー・マルコ・イ・レ・ドイ・ラ・リーガ…オハラ・セ・デ(もし自分がゴールを決めて、リーガ優勝を贈ってあげられたら…そうなってくれますように)」なんて言っているサンドロのような選手もいますからね。マドリーも油断は大敵かと。 ▽ただその一方で、ここ4勝1分けとマラガのシーズン終盤の快進撃を演出したものの、ミチェル監督はマドリーのカンテラ(ユース組織)育ち、1980~90年代に活躍した古巣だけに手心を加えるんじゃないかなんて言う、口の悪い人もいますが、こういうのはプロとしてのプライドの問題ですからね。クラブも11位で終わるのと、今同じ勝ち点のバレンシアに抜かれて12位になるのでは、TV放映権収入が100万ユーロ(約1憶3000万円)も違うそうですし、同時にマドリーが優勝すると3シーズン前に売却したイスコのオプションボーナスでやはり100万ユーロがもらえることに。となれば、結論としては来季、マラガに移籍すると言われているミチェル監督の息子さん、エイバルのアドリアンや乾貴士選手のカンプ・ノウでの好パフォーマンスを期待しつつ、ここ立て続けに引退を表明したデミチェリス、ウェエリグトン、ドゥーダらを勝利で見送れるよう、ミチェル監督も頑張ってくれるんじゃないですか。 ▽え、今週前半3日間、練習しなかったのはアトレティコも同じじゃないかって? いやあ、彼らの場合、もう目標である来季CLグループリーグに出られる3位が前節に確定していますからね。ようやくマハダオンダ(マドリッド近郊)の施設に出て来たと思った木曜もセッション後、チーム全員揃って、完成間近のワンダ・メトロポリターノを見学に行く始末。それから経営陣も加わって、シーズン終了ご苦労さんランチ会って、いや、まだ日曜午後4時15分(日本時間翌午前1時15分)からビセンテ・カルデロンと今生の別れをする大事な試合が残っているんですけどね。おまけにそのアスレティック戦ではゴディン、ヒメネス、フェリペ・ルイスが出場停止、更にファンフランやベルサリコら負傷したままシーズンを終える選手もいるため、フィールドプレーヤーが14人しかいないって、まったく最後まで苦労の尽きないチームです。 ▽そのせいもあってなんですが、今週出て来た彼らの話題はもう来季を見据えてのものが多くて、ラジオのインタビューを受けていたグリースマンからは、「Me encanta Cavani, seria un fichaje top/メ・エンカンタ・カバーニ、セリア・ウン・フィチャヘ・トップ(自分はカバーニが大好き、最高の補強になるね)。ウルグアイ人だから、どんなボールでも全力で行くよ」と、マテ茶を一緒に楽しめる未来の前線のパートナーに夢を馳せるコメントも。とはいえ、現段階ではPSGのエースよりも、オリンピック・リヨンのフランス人FW、ラガゼットの方が確立的に高そうなマスコミの論調もチラホラ見かけます。 ▽逆にまだ契約延長が決まっていないフェルナンド・トーレスなどは、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の友人を応援する本の発売プレゼンに出席した機会を利用して、「Todo el mundo sabe cual es mi deseo/トードー・エル・ムンド・サベ・クアル・エス・ミ・デセオ(誰もがボクの望みが何か知っている)。あと何年もこのユニフォームを着続けられたらいいね」と残留の意志をアピールしていましたが、これもどうなることやら。とにかく、万年3位止まりに満足せず、優勝を目指すチームになるためには得点力の高いFWの獲得が絶対必要なため、ガメイロやコレアを含め、この夏にはイロイロ、動きがあるかもしれませんね。 ▽そんな調子だったので、今週のアトレティコはスポーツ紙面でも主役をもっぱら女子チームに奪われがちで、いやあ、実は彼女たちの立場はお隣さんと近くて、男性陣の不甲斐なさをせせら笑うかのごとく、土曜のリーガ最終戦で2位のバルサと同じ結果を出せば優勝できる首位だったんですよ。その大一番、レアル・ソシエダ戦でビセンテ・カルデロンが使えず、マハダオンダのミニスタジアムになってしまったのは気の毒でしたけどね。タイトルを獲得できれば、日曜には男子チームの試合前にPasillo de Campeones/パシージョ・デ・カンペオーネス(チャンピオンの花道)で迎えてもらえるとなれば、一層やる気に拍車がかかるというものかと。 ▽そして前節、アスレティックと引き分け、見事に昇格1年目での1部残留を決定。おかげで相手がEL出場権をよりいい順位で確保するため、兄貴分との試合に真剣に挑まないといけない理由を作ってしまったレガネスは土曜にアラベスと最終節となるんですが、こちらはブタルケのサポーターのお祭りになるのは確かかと。昨季までの3シーズンで彼らを2部Bからステップアップ、1部でやっていけるまでに導いたアシエル・ガリターノ監督は、「La gente nos decia que ahora tocaba disfrutar, pero yo disfrute poco/ラ・ヘンテ・ノス・デシア・ケ・アオラ・トカバ・ディスフルタール、ペロ・ジョ・ディスフルテ・ポコ(人々は今度は自分たちが楽しむ番と言っていたが、私はほとんど楽しめなかった)」と今季の苦労を語っていたものの、この試合だけは心おきなく満喫できるのでは? ▽いえ、現在9位で8位のエイバルと同じ勝ち点のアラベスにはマラガ同様、バルサと戦う同じバスク地方のチーム仲間の最終節を利用して、1つでも順位を上げたいという思惑もあるようですけどね。向こうには来週土曜にコパ・デル・レイ決勝が控えているため、主力は温存するのではないかという読みもなきにしろあらず。マドリッドの3チームはそんな感じで、いよいよ今季が終わるリーガですが、去年のヘタフェやラージョのように最後の最後に降格なんて大ショックが待ち受けているのではなく、マドリーの優勝祝いが見られるかもしれないっていうのは、私も気が楽でいいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.20 08:48 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】優勝だけがまだ決まらない…

▽「まさかバックれたのでは」そんな風に私が呆れていたのは日曜。いよいよ残り2節となり、キックオフがunificacion/ウニフィカシオン(統一)されたカードが一斉に終わった時のことでした。いやあ、とりあえず、順位以上の物が懸かっていたため、この時間帯にプレーしたマドリッドの3クラブは一応、それぞれの目標を達成。これまでなら、サンチャアゴ・ベルナベウのスタンドでオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の3元中継をドキドキして聴いたはずの私も今回はまだ、最終節という持ち札がありましたし、アトレティコもレガネスもあと勝ち点1で上がりとハードル的には低かったため、比較的、穏やかに過ごすことはできたんですけどね。 ▽それでも聞き捨てならなかったのは、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)で試合をしていたアトレティコがフェリペ・ルイスに続き、ヒメネスまでボールを手でシュートするという愚行を犯し、前半にイエローカードをゲット。これで切りよく両者共5枚目となり、今週末のリーガ最終戦、それも新スタジアムへ移転のため、51年の歴史にピリオドを打つビセンテ・カルデロン最後の公式戦で累積警告って、もう今季はリーガ終了後に何かの大会の決勝もありませんからね。一刻も早くバケーションに入りたい気持ちもわかりますが、折も折。ゴディンが3試合の出場停止で一足早くシーズンを終え、ファンフラン、ヴァルサリコもケガが治らないまま、トップチームのDFがサビッチとリュカだけって、まさか相手のアスレティックにgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)されるという結果になっても、優しいファンは拍手でお別れしてくれると思っている? ▽まあ、その辺はシメオネ監督が何とか辻褄を合わせてくれることを祈るしかありませんが、まずはその37節の試合がどうだったか、お伝えすることにしましょうか。私が見に行ったレアル・マドリーは、アトレティコとCLグループリーグ出場権をもらえる3位を争っているセビージャとの対戦だったんですが、ジダン監督は今回、ABチーム混合のメンバーをピッチに送り出すことに。それでモラタやハメス・ロドリゲス、アセンシオ、コバチッチらがクリスチアーノ・ロナウドをサポートするような形で先発したんですが、9分、意外にも先制点を挙げたのはこの日、マルセロの代理で左SBに入ったマルチDFナチョでした。 ▽キッカケはアセンシオが敵エリア前でファールを受けたことだったんですが、そこで目を離してしまったのは、「Nosotros queríamos ponernos en la barrera y creo que pedimos barrera al arbitro./ノソトオス・ケリアモス・ポネールノス・エンラ・バレラ・イ・クレオ・ケ・ペディモス・バレラ・アル・アルビトロ(ボクらは壁を作りたくて、審判に頼んだと思う)」(ヨベティッチ)というセビージャの選手たちも私も同じ。そこへアセンシオが敵に助けられてようやく立ち上がっているのを横目に、「He visto que todo el mundo estaba descolocado y ante esa indecisión he estado el más listo/エ・ビストー・ケ・トードー・エル・ムンドー・エスタバ・デスコロカードー・イ・アンテ・エサ・インデシシオン・エ・エスタードー・エル・マス・リストー(皆、まだ位置取りをしていなくて、決めかねていた状況で自分が一番、利口だった)」とナチョがさっさとFKを蹴り、ネットに入ったボールがゴールとして認められてしまったから、ビックリしたの何のって。 ▽いえ、もちろん油断したセビージャも悪いですし、障害物がないのにそんな距離からのシュートを外す選手もいるため、正確に決めたナチョは偉いんですけどね。それでも若干、天下のマドリーにしてはせこい感じが…。絶好のFKゴールのチャンスをフイにされたロナウドが怒ってないか心配されたんですが、大丈夫。23分にはハメスの一撃がGKセルヒオ・リコに弾かれたところを押し込んで、当人が2点目を入れてくれます。 ▽これで助かったのは後半早々、ヨベティッチがゴールを挙げ、相手が2-1と差を詰めてきたせいで、うーん、前半の彼は2度もゴール枠に阻まれたり、GKケイロル・ナバスに弾かれたりと、すでに得点していない方がおかしいくらいのノリでしたからね。今季1月からセビージャに加入、ここまで6ゴール、うちマドリー戦3試合で3点となると、まさに天敵と言っていいかと思いますが、きっとジダン監督もそれには同感だったんでしょう。60分に差し掛かるころにはハメスとモラタに代え、カセミロとルーカス・バスケスを投入。さらにはモドリッチも入れ、中盤をAチーム体制にして逃げ切りを図ることに。 ▽というか、実際カセミロが入ったことにより、結果的にマドリーはより攻撃の形が作れるようになったんですけどね。ええ、77分には自由に上がれるようになったクロースがエリア内から折り返したラストパスをロナウドが決めて3点目を奪うと、84分にもまるでデ・ジャブのように今度はナチョの折り返しからクロースがゴール。結局、最後は4-1と快勝したため、並行してプレーしていたバルサがネイマールのハットトリックなどで、奇しくも同じ1-4でラス・パルマスに勝っていたのにも煩わされることはなかったかと。 ▽おまけに彼らの次の試合はいよいよ、順延されていたセルタ戦で、ここで勝ち点を奪えば、しばらく直接対決の結果でバルサの後塵を拝していた状態を脱し、堂々、首位に返り咲けますからね。とりわけ現在、先週木曜にはマンチェスター・ユナイテッドを前にヨーロッパリーグで準決勝敗退したばかり。2月のコパ・デル・レイでも準決勝でアラベスに負け、コパ優勝=来季EL出場権獲得の目が無くなっていた上、EL優勝=来季CL出場権獲得に目がくらみ、このところ週末の試合を疎かにしていたツケが回って、日曜のアラベス戦も含めて5連敗と、リーガ順位でのEL出場チャンスからもすっかり遠ざかるという、尾羽打ち枯らしているチームが相手となれば、ローテーション政策のおかげで体力も十分なマドリーがどうして負けるはずがありましょう。 ▽え、そういうセルタを見ていると、同じダブル準決勝敗退だったアトレティコも非常に哀れに思えてこないかって? いやあ、ベティス戦後にコケが「Sólo nos han eliminado el Madrid en Champions y el Barcelona en Copa del Rey/ソロ・ノス・アン・エリミナードー・エル・マドリッド・エン・チャンピオンズ・イ・エル・バルセロナ・エン・コパ・デル・レイ(CLではマドリー、コパではバルサだけがウチを破ることができた)」と威張っていたのは、一番大事な問題から目をそらしているような気がしないでもないんですけどね。あと2試合の時点でビクトル・サンチェス監督からアレクシス・トルヒージョ監督に交代、最後のホームゲームでファンに報いたいと熱望していた相手から、形はともかく、何とか勝ち点1をもぎ取ったのは賞賛に値するかと。 ▽そう、後でシメオネ監督も「Había un cansancio tremendo en los futbolistas/アビア・ウン・カンサンシオ・トレメンドー・エン・ロス・フットボリスタス(選手たちは途方もなく疲労していた)」と言っていましたが、水曜のCL準決勝2ndレグで慣れないremontada(レモンターダ/逆転劇)を試みて、やっぱり柄じゃないことは叶わず。精神的ショックが大きい上、お隣さんと違って、ほぼ同じメンバーで戦ってきたため、さすがに体力自慢のアトレティコとはいえ、ここにきて限界が。そのため、試合はほぼベティスに攻められっぱなしとなり、挙句の果てに57分、セバジョにgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決められてしまったんですが、この日はツキが味方してくれたんです! ▽66分、コケのFKを押し込んだサビッチはオフサイドの位置にいただけでなく、ボールが落ちる前、これもヒメネスに続いて意味がわかりませんが、ジャンプしたサウルが手で触っていたにも関わらず、1点としてスコアボードに挙がってくれたんですから、こんなにありがたいことがあっていい? その後、「sabíamos que el empate nos valía y hemos jugado con eso/サビアモス・ケ・エル・エンパテ・ノス・バリア・イ・エモス・フガードー・コン・エソ(引き分けでOKなのはわかっていたから、それ前提でプレーした)」(コケ)アトレティコはこの試合でサモラ(リーガで失点率が一番低いGKに与えられる賞)レースのトップに躍り出たオブラクの活躍もあり、そのまま1-1のドローをゲット。 ▽まあ、結局セビージャが負けたため、必要はなかった訳ですが、「今季は出足が悪く、10、11月には誰もがウチは順位争いから脱落したと思っていたのに、estamos llegando al final otra vez terceros/エスタモス・ジェガンドー・アル・フィナル・オトラ・ベス・テルセーロス(また最後に3位になった)」(シメオネ監督)のは素直に褒めてあげるべきかと。おかげで収容人数がアップしたワンダ・メトロポリターノで客入りの悪いELを戦うこともなく、華々しくお別れ試合をした後、恥を忍んで8月のCLプレーオフのためにビセンテ・カルデロンを使う必要もなく、ここ5年連続、ファンに9月からCLグループリーグを堪能してもらえますからね。 ▽となると、ここは私もすでにエアチケットも目を覆わんばかりに高騰、宿に至っては街が小さいため、カーディフ市内に取ることもできなくなっているというCL決勝に行くお金と手間を今年は節約できたといい方向に考えて、マドリッド南部から北東部にホームが移り、きっと風水的にも良くなっていると信じたい来季に期待するばかり。最後の気掛かりは日曜にはビジャレアル、レアル・ソシエダとEL圏内5~7位(ただし7位はコパでバルサが優勝した時のみ出場)の順位を争っているアスレティックと残念でない試合をしてくれるか、6月にFIFA処分がCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定で解け、この夏にマドリーやバルサに対抗できる才能のある選手を補強、ローテーション可能に持っていけるかどうかですが…いや、これはまだ取らぬ狸の皮算用です。 ▽そして先週末、どこより頑張ってくれたのはレガネスで、ええ、その来週マドリッドに来るアスレティックから、相手のホーム、サン・マメスで引き分けを勝ち取ってしまったんですから、この新弟分、意外と見上げた根性をしているじゃないですか。いえ、ベルナベウに私がいた前半、アドゥリスに先制ゴールを奪われ、降格を争っているスポルティングがエイバルにリードしているという報が入って来た時にはちょっと心配になったんですけどね。後半16分にはシマノフスキがヘッドで同点とし、最後は1-1と、こちらもマストだった勝ち点1と獲得できることに。 ▽うーん、後でアシエル・ガリターノ監督などは「No me gusta festejar las permanencias, porque creo que hace más pequeños a los equipos/ノー・メ・グスタ・フェステハール・ラス・ペルマネンシアス、ポルケ・クレオ・ケ・アセ・マス・ペケーニョス・ア・ロス・エキポス(私は残留を祝うのは好きではない。チームをちっぽけにするから)」と、ちょっと恰好つけていましたけどね。実際、その虎の子の1点を守ろうと、終盤の彼らは何人もの選手がこむら返りを起こす程、必死でプレーしなければならなかったとなれば、本当に紙一重で降格を回避できたのかも。 ▽何せ、その日はビジャレアルとスコアレスドローに持ち込んだデポルティボも17位で残留を決めましたが、勝ち点33というのはいまだかつてない低い数字だそうですからね。16位のレガネスもそれより1つ多いだけと、決して自慢はできませんが、その日は勝ったにも関わらず、降格となってしまったスポルティングを反面教師として、来季はもっと早い段階から勝利を積み上げていくようにしてほしいものです。 ▽そんなレガネスは土曜に最終戦、アラベスをブタルケに迎えて残留決定祝いとなりますが、まず今週は水曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタvsマドリー戦に注目。故郷コロンビアのラジオではすでにマンチェスター・ユナイテッドと移籍で合意ができてきると報じられ、セビージャ戦でベルナベウのファンたちにお別れをしていたようだったハメスや、ジエゴ・コスタの後釜にとコンテ監督に乞われているというモラタなど、もうマドリーでは見納めになってしまう選手もいるかもしれませんし、幸い他の試合もないですしね。どう転んでも優勝は日曜のマラガ戦を待たないことには決まらないとはいえ、久々に私も心おきなくマドリーを応援できるのは嬉しいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.16 16:39 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】信念だけでは足りない…

▽「器物破損罪って、スペインにはないのかな」法律に疎い私がそんな風に首を捻っていたのは金曜。ビセンテ・カルデロンで最後のヨーロッパの大会の試合となったCL準決勝2ndレグでスタンドのシートを引き剥がし、持って帰ったアトレティコファンが部屋に飾った戦利品をTVで自慢しているのを見た時のことでした。いやあ、AS(スポーツ紙)などには、試合終了間際に突如として降り始めた大雨に、とりわけ500席程が被害にあったfondo sur(フォンド・スール/南側ゴール裏席)では備えのなかったファンが傘替わりに利用。その場を動かず、応援を続けていたなんて美談的に書いてあったものの、まあ、その日はパソコンを持っていたため、とてもじゃないけどタイムアップの笛が鳴るまで待っていられず、プレスルームに逃げ込んでしまった自分ですから、気持ちはわからなくもないんですけどね。 ▽今季でお役御免となるスタジアムの思い出にそのままシートをお持ち帰りしようとしたファンの大多数は出口で係員に没収され、ほとんどは内部に留まったとも聞いていますが…。いや、ちょっと待って! 私が非力なせいもあるものの、まずはどうして、あのしっかり固定されている席を外してやろうなんて発想が出てくる? その昔、今季は2部で昇格プレーオフを目指して戦っているマドリッドの弟分、ヘタフェがUEFAカップで、GKオリバー・カーンも現役だったバイエルンをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えた際、ビジターチームのウルトラ(過激なサポーター)たちがシートを引き剥がして暴れたと聞いた時には、体格のいいドイツ人ならではの蛮行かと思ったこともあったもの。 ▽試合後、その件について訊かれたウルグアイ人のヒメネスが、「Yo tambien me hubiera llevado un asiento/ジョ・タンビエン・メ・ウビエラ・ジェバードー・ウン・アシエントー(ボクだって、シートを持っていったよ)」と言っていたのはあくまで冗談で、決してお国柄ではないことを祈りたいんですが、ビセンテ・カルデロンでもポルトガルのクラブか何かが来た時、相手方のファンが座るfondo norte(フォンド・ノルテ/北側ゴール裏席)2階のシートが被害にあったこともありましたしねえ。でもいくら、移転が決まっているとはいえ、まだこの先、リーガ最終戦のアスレティック戦、アトレティコは出ないけど、コパ・デル・レイ決勝、お別れOB戦だってあるんですよ。 ▽それまでに座席を元通りにしないといけない整備の人たちにしてみたら、いくら最後のご奉公とはいえ、あまりに心ない仕打ち。運良く私はかち合わなかったものの、キックオフ1時間程前にスタジアム周辺でアトレティコのウルトラたちと警官隊が衝突。ビール瓶や石が飛び交い、25人の負傷者が出た騒動もありましたし、選手たちが「la mejor aficion del mundo/ラ・メホール・アフィシオン・デル・ムンド(世界一のサポーター)」(ガビ)と絶賛するファンの中にも素行の悪い者たちが混じっているのは、こちらのサッカーの本当に嘆かわしい側面かと。 ▽まあ、そんなことはともかく、肝心の試合の話をしないといけません。火曜の夕方はその最高のサポーターたち700人余りがホテル・モンレアルの前に集合。1stレグの前は午後11時に応援を始め、選手たちにわざわざ部屋から出て来させたのを反省したか、この日はビセンテ・カルデロンでの最終練習を終えたチームがバスで到着する時間だったんですが、「Hasta la ultima gota de sangre/アスタ・ラ・ウルティマ・ゴタ・デ・サングレ(最後の血の1滴まで)」という横断幕とカンティコ(節のついたシュプレヒコール)で元気づけられた彼らもその夜、先週のホームゲームを0-2で落としていたモナコがかつてのアトレティコのエース、ファルカオの奮闘も空しく、ユベントスに2-1と再び敗北。総合スコア4-1で姿を消したのにはさぞかし、remonatada(レモンターダ/逆転劇)の難しさを噛み締めることになったのでは? ▽え、それでもアトレティコは奇跡を起こしかけたじゃないかって? その通りで、最初は満員のスタンドも試合がどうあれ、とにかく応援することが目的になっていた感もあったんですけどね。立ち上がりから、お隣さんに怒涛の攻勢を仕掛けた彼らは開始4分、コケがゴール左脇から撃ったシュートこそGKケイロル・ナバスに弾かれてしまったものの、12分にはそのコケの蹴ったCKを頼りになるカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)の後輩、サウールがヘッドで決めて早々に先制。さらに16分には先輩のフェルナンド・トーレスがエリア内でヴァランに倒され、PKをゲットしてくれた時には、どんなに我が目を疑ったことか。 ▽アトレティコにとっては大鬼門、そのPKもこの日はグリーズマンがナバスの手を弾いてゴールにしてくれたため、これで総合スコアは2-3に。いよいよ、これはもしかするとファンも湧きたったんですが、後でジダン監督も「ウチは序盤の20~25分、問題があったが、no habia que preocuparse porque ibamos a tener ocasiones/ノー・アビア・ケ・プレオクパールセ・ポルケ・イバモス・ア・テネール・オカシオネス(チャンスは来るはずだったから、心配する必要はなかった)」と言っていた通りになったのは、シメオネ監督がここでチームを後退させてしまったせいもあったかも。いえ、もちろん「Es dificil sostener los primeros 25 minutos que se hicieron/エス・デフィシル・ソステネール・ロス・プリメーロス・ベイテンティシンコ・ミヌートス・ケ・セ・イシエロン(最初の25分にやっていたことを維持するのは難しい)」(シメオネ監督)という意見も、ローテーションすら満足にできず、選手たちにシーズン終盤の疲れが溜まっているチームならでの事情もわかりますけどね。 ▽その時点でのレアル・マドリーはいくら、マルセロが「No hemos tenido miedo en ningun momento/ノー・エモス・テニードー・ミエードー・エン・ニングン・モメントー(ウチは一瞬だって怯えを感じたりはしなかった)」と言い張ろうと、勢いに任せて攻めていくアトレティコに押されていたのは事実。それを利用して、早々に総合スコアをイーブンにする3点目、更に4点目、5点目、6点目…と取っていれば、あとはヘロヘロでも守り倒すぐらいはできただろうにと、自分の素人考えでは思ってしまうんですが…現実は常に非情。それみたことかというプレーが、もうすぐハーフタイムという43分に生まれます。 ▽ええ、クリスチアーノ・ロナウドが急いでスローインしたボールを受けたベンゼマがサビッチ、ゴディン、その日左SBとして入ったヒメネスに囲まれながらも左奥のライン際を突破。エリア内に折り返したパスをシュートしたクロースの一撃はGKオブラクが弾いてくれたものの、ひょっこりゴール前にいたイスコに押し込まれ、致命的な失点をしてしまうんですから、もうどうしたらいいものやら。 ▽うーん、ジダン監督も「le pregunte como ha salido de ahi y el no lo sabia tampoco/レ・プレグンテ・コモ・ア・サリードー・デ・アイー・イ・エル・ノー・ロ・サビア・タンポコ(どうやってあそこから抜けたのか訊いたが、彼も知らなかった)」と説明できなかった程だったベンゼマのjugadon(フガドン/スーパープレー)には、両CBがすでにイエローカードをもらっていて、足をかけたりできなかったのも幸いしたんですけどね。イスコなども「Despues del 2-0 hemos entrado en el partido por fin/デスプエス・デル・ドス・セロ・エモス・エントラードー・エン・エル・パルティードー・ポル・フィン(2-0とされた後、とうとうボクらも試合に没頭した)」と言っていたように、寝た子を起こすようなアトレティコの戦略も失敗だったのは確か。 ▽これで再び3点が必要になったアトレティコだったんですが、後半も決して「Creíamos que la remontada era possible/クレイアモス・ケ・ラ・レモンターダ・エラ・ポシーブレ(逆転は可能だと信じていた)」(フィリペ・ルイス)という態度は変わりませんでした。でも哀しいかな、選手たちのタレントの差は如何ともしがたし。ええ、そのことはこの試合のチーム走行距離計が片や113.1キロ、相手は103.4キロと10キロも違いながら、パスの成功率では70%対86%と、クロースやモドリッチのような選手がいないアトレティコが大きく劣っていたことでもわかるんですが、せっかく65分につかんだカラスコとガメイロの連続シュートもナバスに弾かれてしまう有様ではねえ。 ▽結局、どちらも後半は点を取れず、試合は2-1で終了。久々にマドリーに勝てたものの、総合スコア2-4で敗退となれば、「Nosotros dependemos del equipo y ellos de las individualidades/ノソトロス・デペンデモス・デル・エキポ・イ・エジョス・デ・ラス・インディビドゥアリダーデス(ウチはチーム頼りだが、彼らは個人技次第)。ベンゼマのようなプレーをされたら厳しい」というシメオネ監督のコメントに同意するしかありません。ただ昨季のミラノでのCL決勝後と打って変わって、彼はチームのその日の戦いぶりに「Soy feliz/ソイ・フェリス(自分は幸せだ)」と満足していることを開口一番で強調。 ▽お隣さんの選手との質的量的な差でさえ、「Un paso chico, pero que es muy grande. Ojala lo demos/ウン・パソ・チコ、ペロ・ケ・エス・ムイ・グランデ。オハラ・ロ・デモス(ほんの小さな一歩だが、それがとても大きい。ウチが前進できることを願っている)」と、この敗退を来季に向けての重点補強をフロントにアピールする機会にすることにしたよう。いえ、それも6月に出るCAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の判定でFIFA処分が解けるか解けないか次第ですけどね。あの豪雨の中、シートを引っぺがすかどうかは別として、敗退が決まってもスタンドに留まり、再びピッチに現れた選手たちをずっと励ましていた忠実なファンたちには、クラブだって応えない訳にはいかないはずですよ。 ▽一方、2年連続での決勝行きとなったマドリーの選手たちもその後、カルデロンに駆けつけた4000人余りのファンに感謝するため、ピッチに出て来たんですが、ちょっとミソをつけてしまったのは、カルバハル負傷中で空きのあった右SBをダニーロに取られ、出番のなかったナチョ。芝の上にマドリーの旗を広げたため、挑発行為と取られてしまったんですが、おかげで翌日の商業イベントで当人が、「Si hubiera querido provocar, la hubiera puesto en otra parte del campo/シー・ウビエラ・ケリードー・プロボカール、ラ・ウビエラ・プエストー・エン・オトラ・パルテ・デル・カンポ(もし挑発したかったのなら、ピッチの別のところに置いただろう)」と釈明する破目に。 ▽大体がして、2013年に当時、若干21歳だったコケがサンティアゴ・ベルナベウで宿敵マドリーを倒してのコパ・デル・レイ優勝に舞い上がり、アトレティコの旗をセンターサークルに置いたのと比べるのも27歳のナチョに失礼かと思いますが、その日ではゴールではなく、殊勲のスローインで貢献したロナウドも「Somos el Real Madrid y demostramos tener mas experiencia/ソモス・エル・レアル・マドリッド・イ・デモストラモス・テネール・マス・エクスペリエンシア(ボクらはレアル・マドリー、ウチにはより経験があることを示した)」と試合後、いかにも余裕たっぷりだったのも何ともねえ。 ▽勝てば官軍なのは当然ですが、それでも6月3日の決勝で当たるユーベには要注意。セルヒオ・ラモスなどは「al Pipa no le voy a regalar cacahuetes/アル・ピパ・ノー・レ・ボイ・ア・レガラル・カカウエテス(ピパにピーナッツを贈るつもりはないよ)」と言っていたものの、相手には2年前、そちら側でマドリーの準決勝敗退に繋がるゴールを挙げたモラタに続いて、古巣への恩返しを虎視眈々と狙っているイグアインや、モナコとの2試合で1ゴール3アシストを決め、バルサに放出したことを後悔させようと決意しているダニエル・アウベス、1年だけでもアトレティコにお世話になった恩を返そうとしている(いや、していないって?)マンジュキッチといった旧知のライバルがゴロゴロしている上、GKブッフォン、新鋭FWディバラ、ユーベ版BBC(ボヌッチ、バルザーリ、キエッリーニの頭文字)までいて、まったく一筋縄ではいきそうにありませんからね。 ▽これまでCLを連覇したチームがないのも気掛かりですが、当面の彼らの課題はリーガ優勝を決めること。いえ、現在2位のバルサとは勝ち点差がないため、マドリーがミッドウィークのセルタ戦で木曜にはオールド・トラフォードでやはり、ヨーロッパリーグ準決勝逆転突破の夢をマンチェスター・ユナイテッドに阻まれ、失意のドン底にいる相手を倒すのも含め、どちらも連勝を続ければ、21日の最終節に決着なんですけどね。まずはこの日曜にホームでセビージャを破り、敗退のショックと疲労がピークに達しているお隣さんに来季CLグループリーグ出場権の手に入る3位確定をプレゼントするなんていうのはどうでしょう。順番から言って、今度はBチームの出動になるかと思いますが、その強さはもうお墨付きですし、バルサがラル・パルマスに負ける確率も低いので、どちらにしても勝利は必須かと。 ▽ちなみにアトレティコは前節、新弟分のレガネスに4-0と惨敗して、すでに残留確定しているにも関わらず、ビクトル・サンチェス監督を解任したベティスとのアウェイ戦。右SB全滅という事態を受け、マドリーとの2ndレグに出場しようとリハビリを急いだファンフランが再び負傷、もう今季は絶望とか、先週のエイバル戦で退場したゴディンが3試合の出場停止処分を受け、こちらもシーズン終了といった悪いニュースもありますが、自力でもあと勝ち点1で3位は決まりますからね。最終節のアスレティック戦ではビセンテ・カルデロンとのお別れを満喫できるよう、ひと踏ん張りしてくれるといいんですが。 ▽そして土曜の2試合以外、順位が懸かっている試合だけ日曜午後8時(日本時間翌午前3時)に設定された今週末のリーガ、やはりあと勝ち点1ないと残留が確定しないレガネスも兄貴分と同様、この時間帯にサン・マメスでのアスレティック戦を迎えるんですが、こちらもエイバルに挑むスポルティング、ビジャレアルを訪問するデポルティボを睨みながらの展開になるかと。できれば自力で1部の椅子は勝ち取ってもらいたいものですが、相手もEL出場権が懸かっていますからね。アシエル・ガリターノ監督のチームも余力はあまりないため、何とかいい目が出てくれませんかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.13 11:50 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】落ち込んでいても仕方ない…

▽「これもローテーション政策の賜物かな」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、これまでにもイロイロ、噂はあったものの、アトレティコからレンタル移籍でアラベスに修行に出ているテオがとうとうレアル・マドリーのメディカルチェックを受けたというニュースを聞いた時のことでした。いやあ、本来なら19歳の彼は来季、年子の兄ルカスと一緒にまたアトレティコでプレーする予定だったんですけどね。自身の左SBというポジションを考えれば、あと数日で29歳になるマルセロより、この夏でもう32歳、ブラジル代表でもマドリーの同僚の控えを務めているフィリペ・ルイスの方がレギュラー争いに勝ち目があるような気はするものの、お隣のジダン監督と違って、シメオネ監督はそれ程、頻繁にスタメンを入れ替えず。 ▽しかも昨夏、入団した右SBのブルサリコを見てもわかる通り、いくらアラベスでは不動のレギュラーの座を獲得、前節のアスレティック戦で見事な決勝ゴールを挙げるなどの大活躍をしていても、監督が納得できるレベルのプレーができるまで、アトレティコではほとんど使ってもらえませんからね。CBのルカスも左SBとしてプレーできるため、兄弟で争うのもイヤだったのかもしれませんが、いやいや、ちょっと待って!一番の疑問は何でまだシーズンが終わっていないこの時期、しかも2日後の水曜にはビセンテ・カルデロンで最後のマドリーダービーとなるCL準決勝2ndレグを控えているという今、とりわけアトレティコのファンが嫌がる、同じ街のライバルへの移籍話が脚光を浴びないといけない? ▽ただ、マルカ(スポーツ紙)によると、テオの契約解除金は2400万ユーロ(約30億円)であるものの、アトレティコ経営陣は慰謝料込みなんでしょうか、3000ユーロ(約37億円)を要求。交渉は試合が終わった後の木曜から始まるそうですけどね。実はテオにはバルサも触手を伸ばしていて、マドリーよりいい年棒条件を提示したものの、そこは兄のいるマドリッドから離れたくない気持ちが優先したなんて話も読みましたが…うーん、これじゃ、月曜にはCLがなくなって、ヒマになった平日、テニスのマドリッド・オープンを見にカハ・マヒカに姿を現したバルサのピケではありませんが、すでに余裕で1部残留を達成しているアラベスも27日のコパ・デル・レイ決勝しか目標はなし。だからといって、このヨーロッパ・ダービー、テオがスタジアムのパルコ(貴賓席)に来て応援する(どっちを?)なんてことは、できなくなってしまいましたね。 ▽まあ、そんなことはともかく、いよいよシーズン日程も僅かとなり、こちらも目が離せない週末のリーガ戦がどうだったかというと。マドリッドの2強はCL準決勝の狭間だったため、双方共、土曜にプレーしたんですが、先にキックオフしたのはアトレティコ。ええ、もうビセンテ・カルデロンではあと3回しか、ひいきのチームを応援できる機会がないとあって、その日も満員御礼だったんですが、「Combato y me levanto/コンバト・イ・メ・レバントー(戦うぞ、立ち上がるぞ)」というfondo sur/フォンド・スール(南側ゴール裏席)の大きな垂れ幕と共に始まった、水曜のremontada(レモンターダ/逆転劇)に向けての応援予行演習はエイバル戦の前半、時間が経過していくにつれ、徐々に尻つぼみになることに。 ▽いえ、その日、サビッチも出場停止だったため、先週のCL準決勝1stレグで即興右SBを務めたルカスがゴディンとCBペアを組まねばならず、思い切った策を取らなければならなかったシメオネ監督に抜擢された、ボランチのトマスがそのポジションにいたせいではなかったんですけどね。そこはまあ、序盤から丁度、マッチアップした乾貴士選手を潰してみたり、次にはかわされてシュートを撃たれてみたりと少々、波乱含みだったものの、だんだん落ち着いてきたため、良かったんですが、スタンドを盛り下げたのは、アトレティコの悲しいまでの決定力のなさ。ええ、コケを筆頭にカラスコ、サウルと前半だけで3人もフリーのシュートを枠外に飛ばしているのでは、とにかく最低でも3本はゴールが必要な水曜に向け、ファンが悲観的になってしまったのも仕方ないかと。 ▽そんな雰囲気を察したか、後半頭からはガイタンに代わり、フェルナンド・トーレスを投入したシメオネ監督でしたが、暗雲を吹き飛ばしてくれたのはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の後輩でした。ハーフタイム間際の大失敗に頭を抱えながらロッカールームに向かい、その反省が実ったか、24分、このままではいけないと男気を発揮して、珍しく敵陣をボールを持って上がって行ったゴディンからのパスをトーレスがスルーすると、サウルがエリア前からシュート。マドリーのイスコやクロースにも負けないゴールポストギリギリのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めてしまったから、驚いたの何のって! ▽このゴールに活気づいたのはファンも同じで、それからはこれでもかというように大音量の応援が始まったんですが、残念ながら、その後、アトレティコが追加点を奪うことはできず。幸い、勝てば、コパでバルサが優勝した場合、リーガ7位に回ってくるヨーロッパリーグ出場権に届くかも程度の薄い期待しかなかったエイバルもあまり熱心には反撃はせず、そのまま試合は1-0で終わったんですが、おかげでグリースマンを引っ込められたのはようやく残り5分いなってからというのは痛いですよね。 ▽その上、もうあとロタイムだけという頃になり、些細な判定に抗議したゴディンが続けざまにイエローカードをもらい、退場となってしまったのはいかがなものかと。いやあ、審判の報告書によると、「ponte gafas/ポンテ・ガファス(眼鏡をかけろ)」、「sois muy malos/ソイス・ムイ・マロス(お前らはひどい審判だ)」といった言葉が咎められたようですけどね。下手をすると3~6試合の出場停止処分を喰らいかねず、もう今季のリーガには出られないかもしれないというのはまったく、余計なおまけでしたっけ。 ▽そんなことはあったものの、その日のクライマックスはタイムアップの笛が鳴った後で、というのも席を立たずに歌っていたファンに応えて、選手たちがまた、ピッチに出て来てくれたから。え、そんなのコパ準決勝2ndレグ、逆転が必要なバルサとのアウェイ戦の前にもあったけど、結果はそれみたことかだったんじゃないかって?まあ、そうなんですが、アトレティコの選手のいいところは素直にムードに乗ってくれることで、試合後のサルルなど、「先週の結果にも関わらず、ファンは今日、スタジアムに来てボクらを応援してくれた。感動的だよね。Vamos a intentar remontar, es lo unico que podemos hacer/バモス・ア・インテンタール・レモンタール、エス・ロ・ウニコ・ケ・ポデモス・アセール(逆転を目指すよ。それが自分たちにできる唯一のことだ)」と決意表明。 ▽とはいえ、ミックスゾーンでフィリペ・ルイスが、「Por supuesto, mira el Barcelona si pudo y tuvo un resultado mas complicado/ポル・スプエストー、ミラ・エル・バルセロナ・シー・プド・イ・トゥボ・ウン・レスルタードー・マス・コンプリカードー(もちろんできるさ。バルサを見なよ。もっと難しかったのにやったじゃないか)」と言っていたのには、いや、アトレティコにはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)がいないし、16強対決では4-0を引っくり返してPSGに逆転した彼らだって、どんどん相手も強くなっていく準々決勝ではユベントス相手に3-0を覆せなかったなんて思いもチラと私の頭をよぎったんですけどね。 ▽シメオネ監督が「El miercoles tenemos un partido dificilisimo, para algunos imposible, pero para nosotros no/エル・ミエルコレス・テネモス・ウン・パルティードー・ディフィシリシモ、パラ・アルグーノス・インポシーブレ、ペロ・パラ・ノソトロス・ノー(水曜にウチは最高に難しい試合を控えている。ある者にとっては不可能だろうが、我々にとっては違う)」と断言していたのも一体、何をもって、そんなにも確信しているのだろうといぶかってしまった私でしたが、とにかくまずは信じることが大事なんですよね。そう、元々、選手の質で劣るアトレティコがまかり間違ってもお隣さんに逆転勝ちできる訳がないとウジウジしていても、していなくても試合があるのは水曜日。せめてその時ぐらいまでは、希望を持ち続けていた方がいいに決まっていますって。 ▽実際、リーガだけ見れば、3位争いのライバル、セビージャが金曜にレアル・ソシエダと引き分けてくれたため、この勝利でアトレティコは勝ち点5差をつけ、あと1ポイントあれば、来季もCLグループリーグから出場できることが確定することになりましたしね。それだけに私も比較的、明るい気分で帰宅して、土曜最終試合のグラナダvsマドリー戦を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に見に行ったところ…。 ▽いやあ、相手がすでに降格が決まっているチームというせいもありましたが、マドリーBチームの強いことと言ったら。ええ、開始2分にはルーカス・バスケスのラストパスをゴール前でハメス・ロドリゲスが押し込んで先制したかと思いきや、10分にはまた、久々にプレーできるようになったコエントランのクロスをハメスが今度はヘッドで2点目ゲット。29分と34分にはモラタが2ゴールを挙げ、今季19得点として、AチームのCFを務めているベンゼマより2点も多いって、もしかしてアトレティコは水曜の試合に前者が先発しないのを喜ぶべき? ▽これで0-4としたマドリーは後半、アセンシオをベンゼマ、カセミロをイスコ、ルーカス・バスケスをマリアーノへと更にローテーションを実施。追加点が入ってもおかしくはなかったんですが、すでに矢折れ刀尽きた敵をそれ以上、痛ぶっても仕方ありませんからね。そのままのスコアで試合は終了し、前の時間帯でビジャレアルに4-1で勝利していた首位バルサと同じ勝ち点に戻ったんですが、やっぱり羨ましいなと思うのは、ジダン監督も「partidos fuera de casa son mas descanso/パルティードス・フエラ・デ・カサ・ソン・マス・デスカンソ(アウェイ戦はより休養になる)」と認めていたように、この日もクリスチアーノ・ロナウドがマドリッドでお留守番だったこと。 ▽うーん、このところ、彼はずっとそうですからね。リーガの遠征には同行せず、体力を温存して、CL戦になるとゴールを入れまくっていますし、他の選手たちも皆、プレー時間を配分しているため、「nosotros podemos decir que fisicamente estamos todos bien/ノソトロス・ポデモス・デシール・ケ・フィシカメンテ・エスタモス・トードス・ビエン(ウチは皆、フィジカル的にいい状態だと言える)」(ジダン監督)というのは今のマドリーの大きな強みでしょう。これだと残り3試合、セビージャ、セルタ、マラガ戦のどれかで勝ち点を落としてくれるという、あと2試合、ラス・パルマス、エイバル戦しかないバルサの願望が成就するのもかなり難しいかと。 ▽そして月曜、ベティスをブタルケに迎えたレガネスもようやく4-0と、これまでの鬱憤を晴らすかのようなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝利。週末にラス・パルマスに勝って一旦は距離が縮まり、残留の希望が再燃したスポルィングとの差を6ポイントに戻したため、あと勝ち点1で1部残留が確定することに。今季が昇格1年目の彼らだけに、最終節のホームゲーム、アラベス戦で残留祝いができれば、盛り上がること間違いありませんって。 ▽そうそう、丁度、その日の夕方、マハダオンダ(マドリッド近郊)の施設でセッションを行っていたアトレティコは、「Necesitamos precision y tranquilidad para llegar al partido del miercoles/ネセシタモス・プレシシオン・イ・トランキリダッド・パラ・ジェガール・アル・ミエルコレス(水曜の試合には正確さと落ち着きが必要)」とシメオネ監督も言っていた通り、とにかくなかなかゴールが決まらない欠点を克服しようとシュート練習に特化。それもセルヒオ・ラモスやバランに邪魔されても力負けしないためなんでしょうかね。各人が重り入りのベストを着たり、腰にゴムを付けたりして、シュートやヘディングに励んでいたそうですが、何かそれって、余計疲れが溜まらない?ついでに思い出してほしいのはもし、相手に1点取られたら、アトレティコは5点が必要になるということなんですが、どうやらファンフランとヒメネスが戻って来られられそうだとはいえ、万が一に備えて一応、守備練習も一生懸命やっておいた方がいいかも。 ▽まあ、その辺はシメオネ監督の考えなので、私には何も言えませんけどね。そんな今季、スペインの地で最後となるCLの試合は水曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)にキックオフ。常識的に考えれば、火曜にモナコとの2nレグに挑むユベントスも初戦で0-2と勝っていますし、6月3日の決勝はマドリーvsユーベということになるんでしょうが、私も今はただ、試合が始まるのを待つしかありません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.05.09 12:00 Tue
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