【原ゆみこのマドリッド】いい結果で終われた…2016.12.24 10:55 Sat

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▽「最後の最後でツイていたじゃない」そんな風に私が喜んでいたのは金曜日。お昼にあったコパ・デル・レイ16強対戦の抽選結果を知った時のことでした。というのもアトレティコの相手がラス・パルマスだったからで、何せ彼らにはリーガの年内最終節で1-0と勝ったばかり。もちろん贅沢を言えば限りなく、32強対決で1部のマラガを破ったコルドバ(総合スコア6-3)やエスパニョールをPK戦の末に退けた2部のマドリッド弟分であるアルコルコン(総合スコア2-2)といった、もっと格下になる可能性もなかった訳じゃないんですけどね。

▽その2部の両者が16強で当たることになったのは、興行的にどうかという疑問も沸かなくはありませんが、その一方でお隣さんなど、水曜日にフォルメンテーラ(3部)を総合スコア14-2で粉砕したのみならず、今季はサンパオリ監督の下で一皮むけた感のあるセビージャとの対戦が決定。ええ、彼らは首位のレアル・マドリーと勝ち点4差、2位バルサとは1差のリーガ堂々3位というだけでなく、今季は前人未到のヨーロッパリーグ4連覇を諦め、CL決勝トーナメントに挑むことも決まっている絶好調なチームですからね。夏のUEFAスーパーカップでは延長戦で3-2と制したものの、そこからかなり成長していることを考えれば、ジダン監督の無敗記録が37試合で途切れてしまう恐れも十分ある?

▽おまけにバルサの相手もアスレティックとなったため、さすがにこのラウンドはMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)とピケをバケーションに行かせながらも7-0と大勝したエラクレス(2部B)戦2ndレグ程、容易には勝てないでしょう。リーガの4位と5位を占めるビジャレアルとレアル・ソシエダもどういう運命のいたずらか、ここで潰し合うことに。となると、準々決勝に残るチームは意外と手頃なメンツとなる目も出てくるため、結構、コパの先行きを期待してもいいような気もしたんですが、どちらにしろ、試合があるのは年明けの4日と11日の前後とまだ随分、先のことですからね。どのチームもクリスマスの休暇から帰ってきてみないことには、予想を立てるのが難しいといったところでしょうか。

▽ちなみにそのアトレティコは、クラブW杯で優勝したマドリーがすでにバケーションに入っていた今週火曜日、32強対決のギフエロ戦2ndレグに挑んだんですが、試合の方での驚きも多少はあったんですけどね。それより異様だったのはギフエロのいで立ちで、アトレティコがrojiblanco(ロヒブランコ/赤と白)の第1ユニを着るビセンテ・カルデロンではさすがに、赤っぽい生ハム模様の地元名産品アピールユニは着られないだろうと安心していた私が甘かったんです! ええ、晴れの大舞台とばかりに、普段の緑色の第1ユニの左側に堂々とイベリコ豚の脚1本をプリントしてきたから、もう呆気に取られたの何のって。

▽まあ、その奇妙キテレツさはアトレティコのオフィシャルページで試合のダイジェストが見られるので、そちらで堪能してもらえばいいんですが…。一応、どういう内容だったかお伝えしておくことにすると。1stレグで0-6と大勝していたアトレティコだったため、別段、張り切ることもなかったんですが、ありがたいことにここまで、あまりリーガで活躍できていなかった面々が発奮。ええ、17分には早速、ガイタンが先制点を決めると、22分にも彼のシュートがゴールバーを直撃。跳ね返ったボールをコレアが拾って、2点目にしてくれたから、ここしばらく、胃のキリキリするような展開しか目にしていなかったスタンドのファンもどんなに喜んだことか。

▽更に29分には左サイドのスローインから、コレアが繋いで、最後はファンフランが3点目。もうこうなると、そのちょっと後にラウール・ルイスが2枚目のイエローカードをもらって、ギフエロが10人になる必要もまったくなかったんですが、そのおかげもあったんでしょうか。前半終了直前にはまたしてもコレアが仲介役を引き受け、フェルナンド・トーレスまで3カ月ぶりのゴールを決めてくれるんですから、やはり2部Bとは差があります。いえ、チェルチが2年ぶりにカルデロンのピッチを踏んだ79分、ピノのヘッドで不覚にもGKモヤが1点を取られてしまったなんてこともあったんですけどね。これでギフエロの選手たちも一矢を報いたと満足して、クリスマス休暇に入れるのでは(最終結果4-1)?

▽え、バケーション入りに一番、ウキウキしていたのは試合後の記者会見もすっ飛ばしてブルゴス第2監督に委任、アルゼンチン行きのフライトに間に合うよう、バラハス空港に直行していたシメオネ監督なんじゃないかって? まあ、確かにそうなんですが、その日は、グリーズマンやガビと一緒にお休みをもらったゴディンは別として、ガイタン、コレア、ヒメネスら、お勤めを果たした南米系の選手たちも大急ぎで着替えを終えて、フィジカルコーチのプロフェ・オルテガと一緒にターミナルを走っていたのが目撃されていますからね。練習再開の集合日は同じ27日でも、大西洋横断組は移動で実質の休日日数が減ってしまうため、少しでも早く出発したかった気持ちはわからなくもありませんよね。

▽おかげで試合後、ミックスゾーンに姿を現したのも実家がフランスと近いルーカスぐらいだったんですが、当人もこのところ、フィリペ・ルイスがケガをしていたため、左SBとして連続出場できたのが嬉しかったんでしょうか。「Venimos de hacer un año increíble/ベニモス・デ・アセール・ウン・アーニョ・インクレイブレ(ボクらは信じられない1年を過ごしてきた)」と、2016年のアトレティコのパフォーマンスを絶賛。ただ突っ込むと、「ウチは昨季、リーガ優勝争いを残り2試合まで続けたし(3位)、CL決勝ではPK戦まで行ったし(マドリーにCL決勝2連敗)、コパでも戦った(準々決勝でセルタに敗退)」と、あと1歩が足らないという残念な結果ばかりなんですが、そこに加えて、今季は残り1節でグループリーグ首位突破を決めたCLはともかく、リーガが不安定で6位で年を越すという状態なのはあまり気にならない?

▽まあ、それも昔の彼らを思えば、相当進歩したと言えなくはないんですが、折しもこの23日の金曜日はシメオネ監督が来てからちょうど5年となる節目。そのため、本人は母国で家族と水入らずで過ごしていますが、休暇前に複数のメディアで取ったインタビューが公開されることに。その中では、「Va a ser difícil encontrar un equipo mejor que el Atlético en mi future/バ・ア・セル・デフィシル・エンコントラール・ウン・エキポ・メホール・ケ・エル・アトレティコ・エン・ミ・フトゥロ(将来、自分にとってアトレティコよりいいチームと出会うのは難しいだろう)」という当人の台詞が、このところ、ジェノアでプレーする長男のジョバンニや代理人をしている姉のナタリアさんから、インテル・ミラン行きをほのめかされていたこともあり、ファンにとっては一番嬉しかったかも。

▽まあ、それも今季の成績次第というところなんでしょうが、とりあえず、アトレティコには年明けのコパでラル・パルマスを撃破、続いて7日の土曜日にはリーガのアウェイ戦でエイバルを倒して、少しずつでも順位を上げてほしいもの。そうそう、そのエイバルも水曜日には、乾貴士選手は出ていなかったものの、コパ32強対戦2ndレグでスポルティングを3-1で破り、総合スコア5-2で16強に進出。次はオサスナと当たることになっています。

▽一方、クラブW杯に出発する前にクルトゥラル・レオネサ(2部B)を総合スコア13-2で圧倒し、コパ16強進出を決めていたマドリーを含めて、マドリッドの兄貴分たちが次ラウンドに意気揚々と挑むのとは対照的だったのはレガネスで、いえ、アシエル・ガリターノ監督も「Estamos un poco justos con mucha gente fuera del equipo/エスタモス・ウン・ポコ・フストス・コン・ムーチャ・ヘンテ・フエラ・デル・エキポ(ウチは多くの選手が戦力外でちょっと、人数的にギリギリだった)」と言っていたように、決してムリできるような状態でないことはわかっていたんですけどね。1stレグに続いて、水曜日の2ndレグでもバレンシアに2-1と負け、あっさりコパからの脱落が決定。

▽いえ、それでもメスタジャの一戦ではロドリゴが2度のゴールポスト直撃を含む、5度のシュート失敗の後、ようやく決まった36分のゴールで先制されながら、後半早々にはマティスがゴール前の混乱から押し込んで1度は同点に。その後も惜しいチャンスを作りながら、最後は再びロドリゴに決められて沈むといった具合でなかなか、善戦はしたんですけどね。やはりない袖は振れないため、ここは1月の試合数が減ってくれたことが、現在、18位のスポルティングと同じ勝ち点でかろうじて降格圏外にいるバレンシアから、勝ち点差4でキープしている16位の座を死守する方に全力を注いだ方が賢いかと。

▽何せ、年明け最初の日曜日、8日には同じく、総合スコア4-1でデポルティボに負け、コパを敗退。心おきなくリーガに専念できるようになったベティスと当たりますからね。前節のエイバル戦で乾選手にエリア外で激突、空中1回転させて退場になったGKエレリンが出場停止になるというハンディキャップもあるため、今元気な選手たちにはこのクリスマス休暇中、27日までは心と体を十分休めて、現在、勝ち点差2で追い越すことが可能な14位の相手を破ることができるといいのですが、さて。

▽ちなみにFIFAによる未成年選手獲得に対する処分が、CAS(国際スポーツ仲裁裁判所)の裁定でこの冬のみの新規選手登録禁止のみに減ったマドリー、それに準じた結論が出るのを待っているアトレティコとは違い、レガネスは1月に補強ができるんですが、あまり噂が聞こえてこないのはやはり、予算が限られているせいでしょうかね。

▽そして最後に先週日曜日の横浜で鹿島アントラーズを下して、今年3つ目のトロフィーを掲げた後、リーガの他チームに先んじて休暇に入ったマドリーに関してなんですが、やっぱり選手たちが世界中に散らばってしまったからでしょうか。CASの裁定を受けて、去年のデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)獲得失敗にも懲りず、来年の夏には同じく元アトレティコのクルトワ(チェルシー)を連れて来る算段を始めているとか、移籍を示唆したハメス・ロドリゲスは冬の市場で誰も獲れないため、絶対出さないとか、人事系以外の話題はほとんどない状態。

▽いえ、休暇明けには30日に恒例のソシオ(協賛会員)対象公開練習をエスタディオ・アルフレド・ディ・ステファノ(バルデベバスにあるRMカスティージャのホーム)でやるとか、ジダン監督は自身がアシスタントをしていた2年前のアンチェロッティ監督時代、クラブW杯後にチームが不調に陥ったのを反省して、ハードなトレーニングメニューを用意しているとかいった程度はありましたけどね。

▽おそらくしばらくはまたカーディフに戻り、リハビリを着々と続けているベイルのように、個々の選手がSNSで発信してくる情報で近況を探るしかないかと。そんなこんなで年内中は、私がお伝えする情報もあまりなくなってしまうかと思いますが、まだシーズンは半分以上残っていますからね。ファンが気を揉まずに済むこのクリスマス週間、私もノンビリできるのは嬉しいです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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