【原ゆみこのマドリッド】順位は変わらなくても…2016.12.21 01:35 Wed

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▽「そういえば、まだいたんだっけ」そんな風に私が思い出していたのは月曜日、アトレティコ、今年最後の試合となるコパ・デル・レイ32強対決2ndレグのギフエロ(2部B)戦にチェルチが招集リスト入りしたというニュースを聞いた時のことでした。いえ、2シーズン前にトリノから期待されて入団した彼がチームカラーに馴染めず、たった半年で最初はミラン、次はジェノアとレンタルに出た後、大きなケガをして、今季はずっとマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でリハビリを続けているのは知っていましたけどね。この冬の移籍市場でボローニャに移籍する話が決まっていると言われていたため、試合には出ないんだろうと思っていたところ、もしやシメオネ監督は昨今のゴール日照りに藁にもすがりたい気になっている?

▽ただ、そういう意味ではこのギフエロ戦は選手を試すのに最適で、何せ11月末の1stレグでは相手のご当地特産品プロモーション、ハモン・イベリコ模様のユニフォームに惑わされることもなく、彼らにしては珍しい0-6というgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)で勝っていますからねえ。一応、シメオネ監督はお疲れ気味のグリースマン、ガビ、ゴディンには休みを与えたものの、ガメイロやカラスコ、フェルナンド・トーレス、コレアといった攻撃陣には最近、照準の狂いっぱなしのシュート力に磨きをかけるいいチャンス。火曜の午後9時(日本時間翌午前5時)からという遅い時間にキックオフなこともあり、ビセンテ・カルデロンが活況を呈する見込みはないものの、せめて胃のキリキリしない、「un equipo que termina un año extraordinario/ウン・エキポ・ケ・テルミナ・ウン・アーニョ・エクストラオルディナリオ(素晴らしい1年を終えたチーム)」(シメオネ監督)にふさわしい試合を見せてくれるといいのですが…。

▽え、それでも先週末のアトレティコはようやく、エスパニョール戦、CLバイエルン戦、ビジャレアル戦と続いた3試合連続白星なしの悪い流れをラス・パルマス戦で断ち切ったんだろうって?まあ、そうなんですが、内容自体はあまり威張れたものではなく、先発したグリースマン、ガメイロ、カラスコのFW陣は相変わらず、チャンスをモノにできず。それでも後半13分には、グリースマンのシュートが敵DFに当たって跳ね返ってきたのをサウルがエリア外から撃ち込んで、これがgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)になってくれたから、助かったの何のって!

▽ラス・パルマスが決定力に欠けているおかげもあって、1-0で逃げ切ることができましたが、実情は「Hemos logrado un 70% de posesion en el Calderon/エモス・ログラードー・ウン・セテンタ・ポル・シエントー・デ・ポセシオン・エン・エル・カルデロン(ウチはカルデロンでボールポゼッションが70%あった)」(ステイン監督)なんですから、ファンもちょっと寂しかったかと。そこへ、肩の脱臼で手術、長期離脱になってしまったオブラクの代わりに、1年以上ぶりでリーガでの先発に戻ったGKモヤに絶好機を阻まれたロケ・メサなどに、「Al Atletico ya lo conocemos, sin casi hacer nada te mete un gol/アル・アトレティコ・ジャー・ロ・コノセモス、シン・カシ・アセール・ナーダ・テ・メテ・ウン・ゴル(アトレティコのことはもうわかっている。ほとんど何もしないのにゴールを入れるんだ)」なんて言われてしまっては、もうほとんど立つ瀬がないような。

▽それでもこの1点のおかげで、「Para nosotros el partido de hoy era una final/パラ・ノソトロス・エル・パルティードー・デ・オイ・エラ・ウナ・フィナル(ウチにとって、今日の試合は決勝のようなものだった)」(ゴディン)という、崖っぷちの状態を切り抜けることができたアトレティコですから、とりあえず結果オーライですが、週末が終わってみれば、バルサ(エスパニョールに4-1)、セビージャ(マラガに4-1)、ビジャレアル(スポルィングに1-3)、レアル・ソシエダ(グラナダに0-2)と上位陣は全て勝ち点3を獲得。リーガ6位という不本意な順位のまま、年越えすることに。

▽まあ、自業自得と言ってしまえばそれまでですが、そんな中、最高の週末を過ごしたのはサウルで、自身がラス・パルマス戦で今季のリーガ初ゴールを挙げただけでなく、同日にはお兄さんのアーロン(テネリフェ、27歳)もマドリッドの2部チーム、アルコルコン相手に得点。翌日には長兄のジョナタン(アルコジャノ、31歳)も2部Bのバレアレス戦でゴールを挙げ、兄弟ハットトリックという珍しい記録を達成することに。うーん、傍目には、22歳で末っ子のサウルが一番いいカテゴリーでプレーしているのは、兄たちにとって、ちょっと複雑な気持ちになるんじゃないかと思ってしまうんですけどね。父親も元選手のサッカー家族だと、そういうのは実力の世界と、割り切れるもんなんでしょうか。

▽そして、翌日曜は家でクラブW杯決勝を見た後、予想外の延長戦に時間が押し気味となりながら、セルカニアス(国鉄均衡路線)に乗って、ブタルケ(レガネスのホーム)を訪れた私でしたが、マドリッドの新弟分も出だしは良かったんですよ。ええ、前半23分にはエイバルの左SB、ルナがGKジョエルへのバックパスを誤り、ゲレロが先制点をゲットします。ところが、その2分後には大きな逆境に襲われてしまい、セランテがヒザの靭帯断裂で今季絶望になってしまったため、このところ、先発GKはアスレティックから急遽、レンタルしたエレリンが務めていたんですけどね。

▽13分にもシュートを撃たれていたエイバルの乾貴士選手がボールを追って向かって行こうとしたところ、エリアを飛び出して相手に正面から激突。当人も「どうなったか、全然わからなかった」と後で言っていたんですが、宙で見事に一回転した彼には幸いケガはなかったものの、これでエレリンが一発退場となってしまったから、大変じゃないですか!

▽うーん、それでもレガネスは10人で一生懸命、リードを守ろうと頑張ったんですけどね。今季は2部に降格したヘタフェからエイバルに河岸を変えたペドロ・レオンもしっかり抑えていたんですが、後半30分、乾選手の代わりにピッチに入った、以前はラージョでもプレーしていたベベのシュートがアルベルト・マルティスに当たったのが運の尽き。エレリンの代役で、夢のリーガ1部デビューとなったレガネスB(3部)のGKバリオスを破り、1-1にされてしまったのは気の毒だったかと。

▽結局、そのまま引き分けたレガネスは降格圏と勝ち点4差のまま、16位で2016年を終わることになりましたが、年内最終戦は水曜のコパ、バレンシア戦。ただ、こちらは1stレグのホームで1-3と負けていますし、今は負傷禍に襲われているため、余力がほとんどありませんからね。コパは下手に勝ち上がると、ミッドウィークが潰れて、1月が地獄のようなことになるため、リーガ1部1年生の彼らには重荷が早くなくなった方がありがたいかもしれませんね。

▽え、ブタルケに来る前、ホテルでクラブW杯決勝を前半、ランチを取りながら、エイバルのチームメートたちと一緒に観戦、後半も自室で見ていたという乾選手は、マドリー相手に2ゴールを挙げた鹿島アントラーズの柴崎岳に感心していなかったかって?そうですね、これがキッカケになって、「スペインでプレーする夢が叶うといいね」と言っていましたが、彼の出場こそなかったものの、エイバルにも10月にサンティアゴ・ベルナベウを訪問した際には1-1で引き分けるという功績が。鹿島も「マドリーが相手をなめていたところを逆手に取った」(乾選手)おかげで90分では2-2の同点と、決して負けていませんでしたが、そこは決勝で「世界一のチーム」に当たってしまったのが不運だった?

▽ええ、リーガでは勝ち点1をゲットして、メデタシメデタシで終わるのとは違い、セルヒオ・ラモスの後半ロスタイム、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)弾こそありませんでしたが、鹿島はクリスチアーノ・ロナウドに同点PK、更に延長戦前半には勝ち越し、ダメ押し点を決めるハットトリックの活躍を許し、最後は4-2で敗北。マドリーが今年3つ目のタイトルを掲げることに。いやあ、スペインのマスコミ評では、ロナウドは最悪の試合をしながら最高の得点効率を挙げたと、もっぱら言われていたんですけどね。

▽延長戦突入前、ラモスが金崎を倒しながら、ザンビア人のシカズウェ主審が2枚目のイエローカードを出さなかったのも批判されてはいたんですが、この時は「ya tenia ganas de que la suerte cambiara un poco de cara/ジャー・テニア・ガナス・デ・ケ・ラ・スエルテ・カンビアラ・ウン・ポコ・デ・カラ(ツキがもう変わってくれるように願っていた)」当人にラッキーな目が出たこともあり、晴れてトロフィーを受け取ることができたとなれば、2014年の大会では自分が獲ったMVPをロナウドに譲ったとしても全然、文句はないかと。いえ、そのプレーの時、最初は胸ポケットに手をやっていた同主審の後日談によると、あれは副審がカードなしのファールとイヤホンに連絡してきたのを、なしの部分を聞き漏らしたために起こった、単純なコミュニケーションミスだったそうですけどね。

▽こういう時にこそ、FIFAが2018年W杯に向けて試験採用していたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が活躍すべきだったという意見もありますが、その辺はねえ。個人的にはたとえ、ラモスが減って10人になっていたとしても、そこはクラブの伝統として、根性のレモンターダがDNAに刷り込まれているマドリー。何だかんだで勝っていたんじゃないかと思いますが、苦労した分、優勝の喜びもひとしお大きくなったことでしょうし、始めからマジメにガンガン行っていればなんて、無粋なことは言わないに限りますって。

▽そして試合後は、CL決勝に続いて、またしても出番のなかったハメス・ロドリゲスが、「オファーも来ているし、残留するかは確約できないよ。Estoy feliz en Madrid, pero quiero jugar mas/エストイ・フェリス・エン・マドリッド、ペロ・キエロ・フガール・マス(自分はマドリーにいて幸せだけど、もっとプレーしたい)」とぶちまけ、祝勝ムードに水を差したなんてこともありましたが、翌日にはチームもマドリッドに帰還。いえ、延長戦のせいで予定が遅れ、トロフィーと一緒の日産スタジアム場内一周にも加わらず、ダッシュでシャワーを浴びて空港へ直行、一足先にドバイでのバケーションに向かったモドリッチとコバチッチは一緒じゃなかったんですけどね。

▽その他の選手たちは、日本にはいかず、手術後に静養していたカーディフから戻って来てから、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で父親同伴のリハビリを続けているベイル(https://www.instagram.com/p/BOM_-WFDppT/?taken-by=garethbale11)を除いて、27日までクリスマス休暇を満喫。最初に行った通り、年内最終節の結果で、後続とはそれぞれ勝ち点3ずつ縮まったマドリーですが、それでも2位のバルサとまだ勝ち点差3あるとなれば、新年からはライバルと交代でユニの胸にクラブW杯優勝のワッペンをつけてプレーできますし、気分の持ちようもかなり違うかと。

▽一方、お隣さんは火曜のコパの後、28日までお休みですが、アトレティコには30日にサウジアラビアでアル・イティハッドと親善試合というお勤めも控えていますからね。順位のこともあって、あまりノンビリはしていられないかと思いますが、ラス・パルマス戦の後には「Intentar recuperar puntos en Liga, el partido a partido es asi, se suma tres a tres/インテンタール・レクペラール・プントス・エン・リーガ、エル・パルティードー・ア・パルティーオー・エス・アシー、セ・スマ・トレス・ア・トレス(リータでの勝ち点を取り戻す。1試合1試合ね。勝ち点3ずつ積んでいく)」(ゴディン)と、「ここ2カ月長期的な目標を見て、基本から外れていた」というガビと共に、原点回帰を誓っていたのはポジティブ。ここは心機一転、年明けから時間がかかってもCLだけでなく、リーガでも競い合うマドリッドの両雄の姿を見せてもらいたいものです。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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【原ゆみこのマドリッド】ただ差が開いただけだった…

▽「8月にプレーオフがあるのもイヤだけど、今更ヨーロッパリーグもねえ」そんな風に私が嘆いていたのは月曜。前夜は怖くて見られなかったリーガの順位表をスポーツ紙で確認した時のことでした。いやあ、一足早くセビージャがベティスとのダービーに1-2で勝ち、首位のレアル・マドリーと勝ち点で並んだ時は、TVでサンパオリ監督の満足顔を見てもまだ、アトレティコとの差が広がったって一晩だけのことと、あまり気にしていなかったんですけどね。日曜の試合が終わってみれば、上位3チームは勝ち点3差内と変わらないのに、彼らはお隣さんと10差、CLグループステージ出場圏内までは7ポイント。それどころか、5位のレアル・ソシエダと1差しかないとなれば、バルサ戦の後、キャプテンのガビが「Lo importante es mantener el cuarto/ロ・インポルタンテ・エス・マンエネール・エルクアルト(大事なのは4位の座を維持すること)」と話していたのは当然だったから。 ▽いえ、シメオネ監督の「A mí no me cambia el objetivo desde que llegué al club/ア・ミー・ノ・メ・カンビア・エル・オブヘティボ・デスデ・ケ・ジェゲ・アル・クルブ(このクラブに来てからの目標は自分にとって変わらない)」という言葉を伝え聞いたか、チームがダメダメだった時代をあまり覚えていない後輩のカンテラーノ(アトレティコB出身の選手)、コケなどは、「ボクらは常に上を見ていて、el objetivo es alcanzar la tercera plaza/エル・オブヘティボ・エス・アルカサール・ラ・テルセラ・プラサ(目標は3位の座につくことだよ)」と言っていましたけどね。今季、ここまでリーガ上位5チームとの対戦でたった勝ち点1しか取れていない現実を踏まえれば、直接対決で差を縮めればいいとか、そんな上手い話はとても考えられず。 ▽となると、精一杯楽観したとして、私のできるのは夏のバケーションを早めに切り上げて、8月15、16日には絶対マドリッドにいるようにすることぐらいですが、来季は新規にオープンするワンダ・メトロポリターノがホームとなるアトレティコ。ただ、それもリーガ開幕から2試合はLEP(スペイン・プロリーグ協会)にアウェイ戦にしてくれるように頼んでいるぐらい、少々遅れ気味なため、すでにビセンテ・カルデロンお別れイベントのOB試合やコンサートの予定も組まれていながら、またCLプレーオフの1試合のために芝を貼らないといけないというのはやっぱり、間が抜けて見えますよね。 ▽まあ、何でそんな破目になったかはまた後で話すとして、先週末のリーガ戦のマドリッド勢は土曜のレガネスからスタートすることに。ブタルケにデポルティボを迎えたんですが、前節にカンプ・ノウで善戦したのがよっぽど自信になったんでしょうかね。これまでゴール不足に悩んでいたチームとは思えない勢いで、前半はシマノフスキとマントバーニが、後半もウナイ・ロペスとブエノがゴールを決め、4-0と大勝してしまったから、驚いたの何のって。おかげでアシエルとガイスカのガリターノ監督対決は前者に軍配が挙がり、レガネスの順位も16位に上昇。降格圏とも勝ち点差4がついたため、今週ミッドウィーク開催の火曜のバレンシア戦でも浮かれず、その勢いを維持してほしいものです。 ▽そして翌日の夕方、私はビセンテ・カルデロンに向かったんですが、バルサを迎えたその一戦の前半はまるでコパ・デル・レイ準決勝の続きを見ているかのごとし。ええ、もちろん1stレグ前半でまったく覇気がなかったのを反省していたアトレティコは、あわや逆転勝ち抜けも夢ではないと思わせた2ndレグのような勢いでスタートし、実際、先制するチャンスもあったんですけどね。GKがシレッセンからテア・シュテーゲンに代わっても結果は同じ。グリーズマンの強烈な一撃はparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまいます。ただ、彼らも肩の脱臼から回復し、モヤから先発を引き継いだオブラクがメッシのFKを弾き飛ばし、ルイス・スアレスに蹴られてもゴールを死守したため、0-0のまま、ハーフタイムに入ったんですが…。 ▽うーん、基本的にバルサ来襲時のアトレティコは、どうせ自分たちはそんなに完璧なパスサッカーはできないからという諦めもあるんでしょうかね。ピッチの芝を長めにし、水も撒かないでおくため、現在はカタールでプレーしているチャビを筆頭に、試合後はいつもブーブー文句を言われていたんですが、この日は「Nos benefició para conseguir los dos goles y a ellos en una contra de Griezmann/ノス・ベネフィシオ・パラ・コンセギール・ロス・ドス・ゴーレス・イ・ア・エジョス・エン・ウナ・コントラ・デ・グリースマン(ウチが2点を取る助けになり、グリーズマンのカウンターを邪魔した)」(ルイス・エンリケ監督)という現象が発生。いえ、もちろんシメオネ監督は認めていませんし、「No logramos despejar una jugada de muchos rebotes/ノー・ログラモス・デスペハール・ウナ・フガダ・デ・ムーチョス・レボテス(何度も跳ね返ったボールをクリアすることができなかっただけ)」という意見はもっともなんですけどね。 ▽まずは63分、エリア内で行ったり来たりするボールを最後はルイス・スアレスが撃ちに行ったところ、この試合で復帰したゴディンが同じウルグアイ代表のチームメートの前をふさいだものの、ボールは通ってしまい、その辺りにいた誰より素早かったラフィーニャにゴールにされてしまうんですから、困ったもんじゃないですか! ▽でもこの時はまだ良かったんです。ええ、70分にはコケのFKをゴディンが名誉挽回とばかりにヘッドで同点弾を決め、勝負は一旦、振り出しに。折しも前回のリーガのホームゲームではセルタ相手に奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)を披露、お隣さんのようなこともできるんだとわかっただけでなく、火曜のCLレバークーゼン戦1stレグで4点も取っていたことあって、これですっかりスタンドのファンも行けると思ったところ…。 ▽それが諸刃の剣だったとは! 実際、「前半での頑張りとミッドウィークのCL戦で、les pasó facture/レス・パソ・ファクトゥーラ(彼らはツケを払うことになった)」(イニエスタ)だったんでしょうかね。フェルナンド・トーレスとコレアが交代でピッチに立ったものの、いつまで経ってもアトレティコは追加点を奪えず。いえ、それどころか86分には再び、エリア内で混乱状態に陥ってしまいます。ええ、メッシの蹴ったFKが弾かれて、ラキティッチによって戻って来ると、ウムティティ、ルイス・スアレスと繋がれ、最後はまたメッシがシュートなんて一体、あっていい? 挙句の果てに前をふさいだサビッチの脚に当たったボールをもう1度メッシに蹴り込まれ、バルサに勝ち越し点を取られてしまったなんて日には、もう「今日みたいに好ゲームを演じたって、こういう試合では常に幸運が必要なんだ。No la hemos tenido/ノーラ・エモス・テニードー(それがボクらにはなかった)」とコケが嘆く気もわからなくはない? ▽いえまあ、サッカー選手として正しい姿勢は「上手いことプレーしても結果が出ないのをウチは見てきたから、habrá que apretar más el culo/アブラ・ケ・アプレタール・マス・エル・クーロ(もっと尻を引き締めていかないといけない)」と、できた後輩のサウールの言う通りなんでしょうけどね。こうもバルサに勝てない試合ばかりを見せられると以前、14年間、マドリーダービーで白星がなかった時代を思い出してしまうばかり。就任以来、リーガ戦でバルサに勝ったことのないシメオネ監督もこの日は珍しく、「おそらく今日は値しない勝利を持ち帰られた」と不満を漏らしていましたが、大事なのは「Ellos demostraron su categoría en el lugar más importante, el área/エジョス・デモストラロン・ス・カテゴリア・エン・エル・ルガール・マス・インポルタンテ、エウ・アレア(彼らは一番重要な場所、エリア内でクラスを見せた)」(シメオネ監督)なんですから、もう仕方ないですよね(最終結果1-2)。 ▽そして夜になって、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、さすがこちらは根性のレモンターダの本家本元。昨年12月、クラブW杯参加のため延期され、先週、ミッドウィークにあったバレンシア戦同様、前半は0-0という違いはあったものの、後半序盤にトリゲロスとバカンブのゴールで2点を先行されながら、きっちり逆転勝利しているのですから、伝統芸とは何とも恐ろしいものです。いえ、今回は起爆剤としてカゼミロに代えてイスコが入った後、60分にカルバハルのクロスをベイルがヘッドで決めてしばらく、同じバレンシア地方(スペイン南東部)のお隣さんですし、そのままビジャレアルに逃げ切られるんじゃないかと思われた時間帯もあったんですけどね。 ▽70分にクロースがエリア内に入れたクロスをビクトル・ルイスが弾いたところ、ボールがブルーノ・ソリアーノの腕に当たり、何と審判がペナルティを宣告。どうもこれは当人も後で「el balón me viene rebotado al brazo y no puedo cortarmelo/エル・バロン・メ・ビエネ・レボタンドー・アル・ブアソ・イ・ノー・プエド・コルタルメロ(ボールは弾かれて腕に当たったし、自分の腕を切り落とす訳にもいかないし)」と言っていましたし、この時の抗議で退場処分になったエスクリバ監督も「審判とのミーティングではリバウンドのボールが腕に当たってもペナルティにはならないと言われていた」と主張。スポーツ紙などでも概ね、PKを与えるのはおかしいという意見だったんですけどね。 ▽判定が覆る訳もなく、実際に蹴るまで3分程、中断されていたにも関わらず、ここはクリスチアーノ・ロナウドが落ち着いて同点をゲット。うーん、大体がして、どこそのチームの当てにならないPKキッカーたちとは違い、前節のレガネス戦ではメッシも土壇場で勝利のPKゴールを決めていましたしね。やはり一流の選手は、ここ一番の大事な場面では失敗しないのが普通です。木曜にはバチカンで教皇に福音を授けてもらったビジャレアルの選手たちもこれには落胆してしまったか、その後、83分にはイスコが取り戻したボールを起点となり、マルセロのクロスを同じ途中出場のモラタが頭で撃ち込んで、とうとうマドリーの逆転劇が完成となりました(最終結果2-3)。 ▽うーん、ジダン監督も後で「Isco y Morata cambiaron el partido, seguro que merecen más minutos/イスコ・イ・モラタ・カンビアロン・エル・パルティードー、セグロ・ケ・メレセン・マス・ミヌートス(イスコとモラタは試合を変えた。もっと多くのプレー時間を与えるに値するよ)」と、この日お手柄だった2人について言っていましたけどね。BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)が勢揃いしたからには、大事な試合は彼らが先発となるのがマドリーのマスト。となると、この日はモラタが3点目を挙げた後、痛みを訴えてルーカス・バスケスと交代したベイルも「Tiene un golpe, no parece que sea nada más/ガレス・ティエネ・ウン・ゴルペ、ノー・パレセ・ケ・セア・ナーダ・マス(ただの打撲で、それ以上には見えない)」(ジダン監督)ため、他のアタッカーたちにまだ辛抱の時期が続きそうなのはちょっと、気の毒かもしれませんね。 ▽え、ビジャレアルではそれどころではないケガ人が前半に出て、大変だったんだろうって? その通りで、実は24分にベンゼマのヘッドを弾いた拍子にGKアセンホが左ヒザの靭帯を断裂。実は彼、アトレティコにいた時代の2010年、マラガにレンタル移籍していた2011年、そして2015年にも今のチームで右ヒザの靭帯断裂を経験しており、今回は反対の脚だったからでしょうか。その直後は当人も気づかず、しばらくプレーを続けたものの、34分には控えのアンドレス・フェルナンデスに交代。すぐに病院に行って検査したところ、4度目の重傷発覚となりました。 ▽いやあ、今季のアセンホは絶好調で、チームはリーガでどこより失点が少なく、当人はサモラ(失点率の一番低いGKに与えられる賞)街道まっしぐら。昨年11月のスペイン代表戦でもデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、レイナ(ナポリ)に次ぐ第3GKとして招集を受けていた程だったんですが、本当にこういう話を聞くと、人生だけでなく、サッカーでも一番大事なのは運じゃないかと私も思うことしきりなんですけどね。27歳のアセンホはまた手術を受け、6カ月のリハビリに耐えての復帰を誓っていますが、何はともあれ、来季には元気になった姿を再びピッチで見せてくれるのを願っています。 ▽一方、マドリーはその夜、カステジョン(ビジャレアルのある州)の飛行場が霧に覆われ、帰京できなかったんですが、翌朝にはマドリッドに無事到着。そのままバルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に直行すると、水曜のラス・パルマス戦に備えて練習を開始しています。何せ、このミッドウィーク開催リーガでも2位のバルサは同じ水曜ながら、午後7時30分からスポルティング戦と、9時30分(日本時間翌午前5時30分)キックオフのマドリーの前にプレーしますからね。まだ日程が決まっていないセルタ戦(バライドスの屋根が壊れて延期)が行われるまで、消化試合が1つ少ないというのりしろはありますが、バレンシア戦の例もあることですし、ここは相手が先に勝って順位表の上に立ち、プレッシャーをかけてきても決して慌てず、自分たちのノルマをこなすしかないかと。 ▽ラス・パルマスも前節、レアル・ソシエダに0-1で負け、いえ、これが、アトレティコが5位に勝ち点1差に迫られてしまった原因というのはともかく、4連敗中と決して調子が良くないのも有難いかもしれませんしね。お楽しみは今季、PSGに移籍しながら、パリの水が合わず、1月から生まれ故郷のチームにレンタルで加入したヘセがサンティアゴ・ベルナベウに戻って来ることですが、果たして古巣への恩返しができるかどうか。 ▽そうそう、アトレティコは木曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイのデポルティボ戦なんですが、折しもレガネス戦で大敗したガイスカ・ガリターノ監督はラ・コルーニャ(スペイン北西部のリゾート都市)に戻るやいなや、解任の憂き目に。試合までにはペペ・メル監督が就任すると聞いていますが、こちらもソシエダが火曜にエイバル戦、セビージャも同じ木曜の早い時間帯にアスレティック戦となるため、自分の試合が終わるまで、選手たちには順位表を見ていてほしくないですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.28 10:59 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】上位戦線に異変が起こるかも…

▽「最終節前の平日にいきなり差をつけられてもねえ」そんな風に私が憂いていたのは金曜日、前夜のヨーロッパリーグ32強戦2ndレグはTVでこそ見られなかったものの、当日の午前中はチーム全員でバチカンに赴き、フランシスコ教皇に拝謁。1stレグで4-0と大敗した後、恥ずかしくない試合ができることを祈願してもらったのが効いたか、ローマに0-1で勝って、心安らかに敗退したビジャレアルはともかく、同じ早い時間のうちにアスレティックまでアポエルにキプロス島で2-0と負け、衝撃の逆転敗退という大番狂わせを演じてくれることに。そのせいもあって、スペイン勢最後の砦となったセルタがウクライナでのシャフタール戦、後半ロスタイムにPKで1点を取って延長に持ち込み、最後はカブラルのゴールで総合スコア2-1と逆転突破するのをドキドキしながら、スポーツ紙のテキスト中継で見守っていたんですけどね。 ▽おかげでEL16強戦でロシアのクラスノダールと当たることが決まり、それだったら、準々決勝進出も夢ではないと思わせてくれたセルタでしたが、問題は彼らには暴風雨でバライドス(セルタのホーム)の屋根が壊れ、延期になったレアル・マドリーとのリーガ戦があること。セルタがELのこのラウンドで負けていれば、3月にマドリーのCL16強戦2ndレグのない週の平日に設定できたんですが、まずこの可能性が消滅して、実はお隣さんも先週はCL16強戦1sレグでナポリに3-1と勝利と、準々決勝進出にかなり近づいているんですよ。となれば、最短で双方がベスト8で負けた場合には4月、片方でもそれ以上進んだら、やっぱり対戦すうのは5月17日頃となってしまう?現在のように2位との勝ち点差が1、未消化分を含んでも4しかないとなると、あまりリーガ終了が押し迫っての開催は、マドリーにとってもプレッシャーがかかるような気がするんですが…。 ▽まあ、余裕の首位だった彼らが何で急にそんなことまで心配しなければならなくなったのかはまた後でお話しすることにして、今週CL16強戦に挑んだアトレティコはどうだったかというと。これがまた、相手のレバークーゼンは2年前の同じステージで当たり、その時は互いにホームで1-0勝利の末のPK戦決着だったため、あまり得点が期待できない試合なるかと思いきや、まったく真逆なゴール祭り的展開に。ええ、前回のバイアレナ訪問時は相手選手との接触プレーで腎臓を痛めて途中交代。ロッカールームに着くまでに何度も吐いて、病院に緊急搬送となった上、4日間も入院しなければならなかったサウルが今度は絶対、いい思い出を作ってやると決心していたんでしょうかね。 ▽前半16分には1人、スルスルと右サイドを上がり、エリア内に入ってから、狙い澄ましたvaselina(バセリーナ/ループシュート)でGKレノを破っているんですから、こちらもビックリしたの何のって。おまけにそれから10分もしないうちにドラゴビッチが失ったボールを拾ってガメイロが敵陣をドリブル。最後はタイミングを見計らってグリースマンにパスを出すと、そのシュートが決まり、前半から2点もリードしているって、あまりに簡単じゃありません? ▽でも、そこはしなくてもいい苦労をするのが大好きなアトレティコ。後半開始早々、ベララビに1点を返されてしまったのは守備陣のちょっとした油断からだったんでしょうけどね。13分にはその日、大殺界だったようなドラゴビッチがガメイロをエリア内で倒し、アトレティコがPKを獲得。その際には同時進行のマンチェスター・シティ戦で、かつてのエース、今はモナコにいるファルカオがPKをGKカバジェーロに弾かれたという報も入っていたため、喜ぶよりもこのチームに奥深く根付いたPK失敗率の高さにむしろ頭が痛くなったものの、ようやく練習の成果が実ったようです。ガメイロが落ち着いて決めて、再び2点差となったんですが、まさか22分、フォラントのシュートをGKモヤが弾いたところ、サビッチに当たってオウンゴールになってしまうなんて、やっぱりアトレティコの不幸体質はまだ改善されていない? ▽おかげでそれまではサッカー的には上回るとこがなかったレバークーゼンがスタンドの後押しもあって勢いづき、私も気が気ではなかったんですけどね。2-3になって幾らもしないうちに、シメオネ監督は「mi intención era poner gente fresca/ミ・インテンシオン・エラ・ポネール・ヘンテ・フレスカ(自分の意図はフレッシュな選手をいれることだった)」と交代策を発動。フランス人の同僚の背番号が第4審判の掲げる電光ボードに現れたのを見た途端、グリースマンが「No, no! ¡Es el mejor, es el mejor!/!エス・エル・メホール(ダメ、ダメだよ。彼が一番いいんだから)」と抗議するのも無視して、ガメイロをトマスに代えると、その6分後には当人もカラスコと共にベンチへの道を辿ることになります。 ▽え、ガメイロも交代時には怒っていたようだったけど、結果的にはフェルナンド・トーレスとコレアが入って吉と出たんだろうって?そうですね、後でグリースマンも「彼は斜めに切り込んで、ボクらを凄く助けていてくれていたけど、el míster tuvo razón porque marcamos el cuarto/エル・ミステル・トゥボ・ラソン・ポルケ・マルカモス・エル・クアルト(ウチは4点目を取ったんだから、監督の考えが正しかった)」と認めていたように41分、トーレスがベルサリコのクロスを頭でゴールに流し込んでくれたんです!最後は2-4のスコアで終わり、つまりこれはレバークーゼンがビセンテ・カルデロンでの2ndレグを0-3で勝たないと逆転突破できないってことですからね。 ▽そんな余裕もあってか、その後はガビとフィリペ・ルイスがイエローカードをゲットし、累積警告で次戦出場停止となるローテーション計画も実行できたとなれば、試合後のシメオネ監督が「Fue tácticamente perfecto/フエ・タクティカメンテ・ペルフェクト(戦術的に完璧だった)」とほくそ笑んでいたのも当然だったかと。まあ、このところはグリースマン、ガメイロ、トーレスと、FWたちにゴールが戻っても来ましたしね。彼らにはその夜、軍配は5-3でシティに挙がったものの、それぞれ別のサイドで2ゴールを決めて大活躍。超一流のストライカーを持つという、アトレティコのいい方の伝統を作ってくれたアグエロやファルカオに負けない働きをこのシーズン残りに期待しています。 ▽そして翌日、CL戦でセビージャがラモン・サンチェス・ピスファンでレスター・シティを2-1と下す前、これもクラブW杯参加のため、延期されていたバレンシア戦にメスタジャで挑んだマドリーなんですが、まさかの伏兵に足元をすくわれることに。だってえ、本来の日程だった12月に試合をしていれば、開始早々、4分にムニルのクロスを胸で受け、エリア内で体を捻って先制弾を決めたザザ(ユーベからレンタル移籍、シーズン前半はウェストハムでプレー)も、その4分後、ザザ、ナニと繋いだカウンダーから2点目を挙げたオレジャナ(セルタから移籍)だって、バレンシアにはいなかったんですよ。 ▽もちろん、「Esos 10 minutos nos ha faltado concentración sin balón/エソス・ディエス・ミヌートス・ノス・ア・ファルタードー・コンセントラシオン・シン・バロン(この10分間、ウチはボールを持っていない時の集中力が欠けていた)」(ジダン監督)というのは自業自得ではありますが、まあそれは、かつて「眠ったままピッチに出る」という悪癖を性懲りもなく繰り返していた、どこぞのチームの例もありますからね。そんな時があるのはわかるんですが、予想外だったのはそれから80分も時間があったにも関わらず、ゴールには不自由していないはずのマドリーが同点にもできなかったことでしょうか。 ▽いえ、ハーフタイムに入るちょっと前にはマルセロのクロスをクリスチアーノ・ロナウドが見事なヘッドで決めて、1点は返したんですけどね。バレンシアは前半にナニを負傷で、後半には早々にオレジャナを引っ込め、専守防衛になっていたものの、ハメス・ロドリゲスに代えてベイル、その日は間の悪さでドラゴビッチと双璧を成していたバランがケガでナチョに代わったのはともかく、最後はモドリッチを下げて、ルーカス・バスケスまで投入したのも実らず、結局、2-1で負けてしまうことに。要は「Jugamos ochenta minutos concentrados, pero diez no/フガモス・オチェンタ・ミヌートス・コンセントラードス、ペオ・ディエス・ノー(ボクらは80分間集中して戦ったけど、10分間は違った)」(カセミロ)ということで、まさに覆水盆に返らずの典型だった? ▽おかげでこの日曜、保険分だった勝ち点3を増やせず、2位と1差のままとなった彼らは首位防衛を懸けてリーガ戦に挑まないといけなくなってしまったんですが、相手はローマ戦で主力を10人温存、しかも霊験あらたかなビジャレアルですからね。ELを敗退したことで、優勝ご褒美のCL出場権獲得の夢も消えてしまった今、彼らとしても来季もヨーロッパの大会でプレーできる6位の座は死守したいところでしょうし、果たしてマドリーが名誉挽回のプレーを見せられるのかどうか。 ▽そんなビジャレアルvsマドリー戦は日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。そろそろBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)のスタメン復活が期待されますが、モラタやイスコらもあまり出られないと不満が溜まりそうですし、その辺はジダン監督の心づもり次第。負傷欠場者は肉離れで全治3、4週間となってしまったバランぐらいになりそうです。 ▽え、それならマドリッドの両雄として、日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、2位のバルサをビセンテ・カルデロンに向かい撃つアトレティコが一肌脱いでやるべきだろうって?いやあ、ライバル意識とは恐ろしいもので、こういう機会ではお隣さんを首位から引きずり下ろすために負けた方がいいなんて声がファンから聞こえてくるのも珍しくないんですが、今回は状況が状況ですからね。というのも、ここでアトレティコが勝って、マドリーが負ければ、両者の勝ち点差は7から4に縮小。2位との差も3になって、CLグループステージ出場権のある3位以内フィニッシュが近付くだけでなく、一旦は諦めた優勝戦線に復帰するのも夢じゃなくなるってことなんですよ。 ▽その上、バルサ相手には2月上旬のコパ・デル・レイ準決勝であと一歩のところまで相手を追い詰めながら、逆転勝ち抜けを逃したという苦い記憶がまだ新しいですからね。向こうがCL16強戦1stレグでPSGに4-0の大敗を喰らったため、この先、今季は対戦の機会がないかもしれないとすれば、もうここでリベンジしておくしかない?うーん、シメオネ監督がこれまでバルサ戦で2勝しかしていないというのは気になりますけどね。そろそろゴディンもケガが治って戻って来られそうなため、今度こそはウルグアイ代表の同僚、ルイス・スアレスを抑えてくれることを期待。マドリッドで彼女との相互DV裁判で証言した後、レバークーゼンにプライベートジェットで当日移動してベンチ観戦していたルカスも体調は万全ですし、この試合ではいよいよGKがモヤからオブラクになるかもしれませんね。 ▽そして前節はそのバルサにカンプ・ノウで引き分け寸前まで行きながら、終了間間際のPKで2-1と涙を呑んだマドリッドの新弟分、レガネスは土曜にデポルティボ戦なんですが、今週末は兄貴分たちも上位チーム対戦なので、助けてあげられませんからね。勝ち点2まで迫ってしまった降格圏に落ちしないためには、何とか自力で勝つしかないかと。まあ、1つ上にいるデポルティボも今年になって白星がないという点ではレガネスと同じですし、ここで勝てば16位になれるというのもいいモチベーションになると思うので、選手たちが頑張ってくれることを私も祈っています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.25 08:50 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】ゴールを決めれば問題ない…

▽「まだPK戦がないだけいいわね」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、夜のニュースでバイアレナで練習するアトレティコの選手たちを見た時のことでした。いやあ、もちろん1stレグとはいえ、プレー中にPKが発生する可能性はあるんですけどね。データを見たところ、今季9本中6本を失敗しているアトレティコに負けず劣らず、このCLベスト16で当たるレバークーゼンもPKが苦手。ここまで6本中成功したのがたったの1本しかなく、その時のキッカーだったチャノハノールはFIFA処分で4カ月の出場停止中と聞きますし、2年前のCL準々決勝の時にはレアル・マドリーにいて、2ndレグでアトレティコの敗退を決める2試合中唯一のゴールを挙げたチチャリートもすでに2度失敗しているとか。 ▽更に振り返ってみれば、そのシーズンもアトレティコは同じラウンドでレバークーゼンと対戦。それぞれホームで1-0と勝った後、もつれ込んだPK戦を制して、かろうじて勝ち抜けたんですが、そのスコアが3-2って、どちらのチームもかなり低水準じゃない?いえ、昨季のアトレティコはPSVとのベスト16でまたしてもPK戦に突入し、その時はサドンデスまで行ったものの、8人全員が成功したという実績は作りましたけどね。結局、決勝では5人目のファンフランがシュートをポストに当て、再びお隣さんの前に涙を呑んでいることを考えれば、火曜は肩の脱臼がようやく治ったオブラクになるか、継続路線でモヤとなるか、先発GKはまだわからないものの、やっぱりPK絡みで勝つのは計算に入れない方がいいかと。 ▽え、先週末の彼らの試合を見る限り、1stレグからPK戦突入を心配するような景気の悪い展開にはならないんじゃないかって?うーん、それはちょっと微妙なところで、土曜のスポルティング戦は最終スコアこそ、1-4と大勝ですが、正直、前半など、何もなかったんですよ。それどころか、ハーフタイム直前にはこの冬の移籍市場で加わった、2メートル3センチの長身FWラシナ・トラオレの一撃がゴールポストに当たったりと、さすが2000年代に入ってからの7試合でアトレティコが1勝しかしていないのは理由があるのかと納得させられたんですが、この日はロッカールームで”モノ”・ブルゴス第2監督がjugada de estrategia/フガダ・デ・エストラテヒア(戦術プレー)の復習をしてくれたんでしょうかね。 ▽それは後半開始直後のことでした。グリースマンが1人キックオフで自陣に蹴ったボールをガビが狙いを定めてロングパス。フェルナンド・トーレスの頭を経由してボールが落ち、カラスコが敵エリア内に持ち込んでシュートしたところ、GKクエジェルも一応、止めようとはしたんですけどね。手に当たったボールが彼の背後に転がって、それをすかさず回り込んだカラスコがダメ押ししてゴールラインを割ってくれたから、ビックリしたの何のって!うーん、最近はリーガ優勝した2年前など、面白いように入ったCKからのセットプレーもあまり成功していませんでしたからね。折しもヘッドに強いゴディンが負傷で休場中ということあり、レパートリーを少し広げてみたのが成功した? ▽でも、その後がダメだったんです。というのも3分には守備陣の隙を突かれ、ブルギのクロスをセルヒオ・アルバレスにフリーでエリア内から決められ、あっという間にスコアは同点に。これでまたしても停滞状態に陥ってしまったため、シメオネ監督も考えたんでしょうね。15分にはトーレスとコレアをガメイロとサウルに、続いてカラスコをトマスに代えて、「podiamos lastimar con menos gente arriba y ganando el medio/ポディアモス・ラスティマール・コン・メノス・ヘンテ・アリバ・イ・ガナンドー・エル・メディオ(前線の人数を減らして、中盤を支配することで打撃を与えられる)」(シメオネ監督)体制にシフトしたところ…。 ▽「Los espacios iban a estar/ロス・エスパシオス・イバン・ア・エスタル(スペースは生まれるはずだった)。スポルティングは勝つために上がる必要があったからね」という監督の読みが当たり、ガメイロの1人舞台が始まったのは、もう私など、「またムダなところで勝ち点落として、本当にワンダ・メトロポリターノでヨーロッパリーグをプレーすることになっても知らないから」とプンプンしていた34分のことでした。そう、まずはグリースマンがエリア前から繋いだスルーパスから、GKをかわして勝ち越し点を決めると、その1分後にはCBメレが自陣エリア近くにいたトマスに誤ってぶつけてしまったボールを拾って再びゴール。更に39分にも今度はセンターライン前からグリースマンが放ったロングパスを追って抜群の決定力を披露と、おやおや、この人、5分もしないうちにハットトリックじゃないですか! ▽いやあ、リーガ2番目に短い時間での3得点のおかげで、無事に勝ち点3を獲得した後、「Estos goles son para mi abuela, que ha fallecido esta semana/エストス・ゴーレス・ソン・パラ・ミ・アブエラ、ケ・ア・ファジェシードー・エスタ・セマーナ(このゴールは今週、帰らぬ人となったボクの祖母に捧げる)」とガメイロが言っていたため、翌朝、私がいつも新聞を買う売店のアトレティコファンのお兄さんが、「それなら毎週、誰か親戚に死んでもらわないと」と言っていたのは、あくまでブラックジョークのつもりだったと思いますけどね。先日のコパ・デル・レイ準決勝バルサ戦2ndレグでは痛恨のPK失敗、その後ゴールを入れたものの、アトレティコが逆転突破できなかったため、翌日は1人、PK練習に励むぐらい、ガメイロも頑張っていますからね。 ▽丁度CL決勝トーナメントという、今季まだ優勝の可能性がある大事な試合も始まりますし、このハットトリックが、2014年夏にレアル・ソシエダから加入して、12月までは泣かず飛ばずだったグリースマンがアスレティック戦で決めた3ゴールをキッカケに、チームの中心アタッカーに成長したような効果をガメイロにもたらしてくれることを今は祈るばかり。ちなみに火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレバークーゼン戦でシメオネ監督は先発CFをトーレスにするか、ガメイロにするか明言せず。あとは当日、午前11時に彼女との相互DV訴訟で出廷するCBルカスがプライベートジェットを使い、恙なくキックオフ前にバイアレナに着いてくれるといいんですが、さて。 ▽何にしろ、前日記者会見でシメオネ監督も「Muchas veces el talento es importante, pero el corazón y la ilusión a veces tienen más lugar en el fútbol/ムーチャス・ベセス・エル・タレントー・エス・インポルタンテ、ペロ・エル・コラソン・イ・ラ・イルシオン・ア・エセス・ティエネン・マス・ルガール・エン・エル・フトボル(サッカーでは多くの機会で才能が重要だか、時にハートと夢見る気持ちがより大きく影響することがある)」と言っていましたしね。2年前のリベンジに燃えている相手に憶することなく立ち向かい、とにかくアウェイゴールを決められるといいですね。 ▽そしてまたリーガに戻ると、土曜はアトレティコ戦の後、サンティアゴ・ベルナベウへ向かった私でしたが、マドリーvsエスパニョール戦の見せ場も後半まで待たされることに。いえ、先週ミッドウィークのCLナポリ戦から先発を6人変更したジダン監督だったものの、ベンゼマの代わりにCFとして先発したモラタが気を吐いて、前半33分にはイスコのクロスからヘッドで先制点を挙げていたんですけどね。リードされてもエスパニョールがgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)さえ、避けられれば御の字という戦術を貫いていたため、どうにも盛り上がりに欠けてしまった感は否めません。 ▽そんな中、何がクライマックスになったかというと、昨年11月のCLスポルティングCP戦で足首を痛め、戦列を離れていたベイルが88日ぶりに復帰。しかも後半25分にピッチに入ったと思いきや、38分にはカウンターからイスコのスルーパス目掛けて全力疾走、あれよあれよという間にGKディエゴ・ロペスに迫り、ゴールを決めているのですから、ジダン監督が「No hay otro como Bale, es especial/ノー・アイ・オトロ・コモ・ベイル、エス・エスペシアル(ベイルのような選手は他にいない。特別だ)」と褒めていたのも当然だった? ▽それでも本人よると、「100%に回復するにはあと2、3週間必要」らしいんですけどね。近頃ではクリスチアーノ・ロナウドがアシスト役に目覚めたせいか、数年前のような驚くばかりのスピードを見せてくれる機会も減ってきていますしね。脚力自慢のベイルが戻ってきてくれたことで、マドリーのプレーが速くなるのは私も大歓迎。ただ、一方のエスパニョールも本来なら、決してカウンターで負けているチームじゃなかったんですが、まだ1点差だった時、交代となったアトレティコ時代からキケ・サンチェス・フローレス監督の下にいたフラードーなど、テレテレ歩いてピッチを出て行ったりと、不可思議な行動が散見。よって、最後は2-0でマドリーの勝利と、「El equipo fue conformista y el resultado es logico/エル・エキポ・フエ・コンフォルミスタ・イ・エル・エル・レスルタードー・エス・ロヒコ(チームは現状に安穏としてしまったのだから、この結果は論理的)」(ディエゴ・ロペス)というのも仕方なかったでしょうね。 ▽そんなマドリーはこの試合で珍しく途中交代したナチョもただ、横っ腹が痛くなっただけとわかり、月曜にはナポリ戦での打撲でお休みしていたセルヒオ・ラモスも全体練習に戻ったため、ジダン監督はチーム24人全員をこの水曜のバレンシア戦で使えることに。ええ、これは昨年12月、彼らがクラブW杯参加のため延期されていた分の試合なんですけどね。CL開催週に割り込ませたため、セビージャがレスターシテイを迎える午後8時45分前に終わるよう、平日にも関わらず、午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)という早い時間にキックオフというのは、メスタジャ(バレンシアのホーム)の客の入りに関係するかも。 ▽加えてバレンシアは今週末、木曜に迫るアポエルとのEL32強戦2ndレグに備え、36歳のエース、アドゥリスを先発に使わず、途中出場してもらった途端、ケガで退場となったアスレティックに2-0と勝利して、自信を高めていますしね。ただ本職、チーム付き役員のボロ氏が正式に監督になってからも成績は安定していないチームのため、マドリー優位は揺るがないかと思いますが、この冬、セルタから加入したオレジャナには要注意。早くも頼りになる戦力になっているため、折り合いが悪くて放出を決めたベリッソ監督も、0-1でシャフタールに負けた1stレグを逆転しないといけない木曜のウクライナ遠征を前にちょっと後悔しているかも。 ▽そしてマドリッド勢のリーガ戦、最後は日曜に新弟分のレガネスがカンプ・ノウでバルサに挑んだんですが、ええ、一応私も近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に行って観戦していたんですよ。それでも前半3分にはルイス・スアレスのラストパスからメッシに先制点を決められて、早くも家に帰りたくなったのも事実ですけどね。その先はミッドウィークの試合がないにも関わらず、もしやこの日曜にリーガでアトレティコと当たるのを警戒したんでしょうか。ルイス・エンリケ監督が先週、ベストメンバーで挑んで4-0で大敗したCL、PSG戦から4人スタメンを変えたところ、どうやらマドリーの控え選手とバルサのそれは少々レベルが違うよう。 ▽実際、序盤は大舞台に足がすくんだか、目も当てられなかったレガネスですが、時間が経つにつれ、MSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)の消極性も手伝ってか、むしろより多く攻撃している側に。それでも前半、新戦力のエル・ザール(この冬、ラス・パルマスから移籍)が2回連続で放ったシュートがGKテア・シュテーゲンにparadon(パラドン/スーパーセーブ)されてしまうなど、なかなか得点はできなかったものの、とうとう後半25分には敵陣エリア付近でセルジ・ロベルトからボールを奪い、マチスのアシストでウナイ・ロペスが同点ゴールをゲット!その瞬間、お店にいたお客さんたちから歓声が沸き上がったため、1部の新参者でもやっぱりマドリッド市民はレガネスを応援しているんだと、私も嬉しくなったんですが…。 ▽44分、マントバーニがエリア内でネイマールを倒し、PK献上はないですよね。いえ、当人は後で「No veo lo que hace el/ノー・ベオ・ロ・ケ・アセン・エル(彼が何をしたのか、自分は見てない)けど、チームメートはまるで殺されでもしたかのように宙を舞ったと言っていた」と、相手のオーバーリアクションを非難していましたけどね。そのキャプテン自身、AS(スポーツ紙)などには「イエローカード2枚で退場になる危険があった。もし退場になっていれば、ペナルティは犯さなかっただろうに」なんて翌日、評価されていたため、こればっかりはねえ。おまけにこの日はメッシがPKをしっかり決めてしまい、あと数分だったレガネスの勝ち点1は雲散霧消してしまいましたっけ(最終スコア2-1)。 ▽でもまだ大丈夫。兄貴分がスポルティングに勝ってくれたおかげで、今週も彼らは降格圏から勝ち点2上の17位をキープしています。ただし、だんだん残り試合は減ってきていますけどね。PSG戦以来、イタリアの元名監督で一時、マドリーのスポーツディレクターも務めたサッキ氏などにも「王は死んだ。バルサはしばらく前から、昔の彼らではなくなっている」と言われ、低空飛行状態にあるとはいえ、強豪相手にあれだけ善戦したんですから、とりあえず土曜のデポルティボ戦で心機一転、残留確定への戦いを再開できるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.21 21:08 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】決勝トーナメントは厳しい…

▽「こっちは諦めちゃったみたいね」そんな風に私が頷いていたのは金曜。ヨーロッパリーグ32強1stレグでローマに0-4と叩きのめされたビジャレルのエスクリバ監督のコメントを読んだ時のことでした。ヨーロッパの大会が再開した今週、一足先の火曜には同じスコアで大敗したスペイン勢もいるんですけどね。それでもバルサからは、「Creer y creer, siempre/クレエル・イ・クレエル、シエンプレ(常に信じて信じまくる)」なんて、CL16強2ndレグで奇跡のremontada(レモンターダ/逆転突破)を目指す言葉が、イニエスタのツイッターから聞こえてきたりしたものの、エスクリバ監督はもう週末のレアル・ソシエダ戦で立ち直るとしか言っていなかったから。 ▽まあ、ELは来週木曜に早くも2ndレグがあるため、ちょっと事情が違いますけどね。PSGとの再戦が3月8日と、バルサには作戦を練る時間がたっぷりあるとはいえ、彼らの特技が永遠のライバル、レアル・マドリーと同じだという話はあまり聞かず。実際、お隣さんと違って、DNAにレモンターダ精神が刷り込まれていないアトレティコなど、バルサとのコパ・アメリア準決勝で1-2の負けを引っくり返そうとして、やっぱり叶わなかったことを鑑みれば、点差も遥かにあるため、難しいんじゃないかと思いますが、どうなることやら。 ▽ただ、そのおかげでここしばらく、彼らがPSGのことばかりを考えてくれれば、この週末の日曜、リーガでカンプ・ノウに乗り込むマドリッドの新弟分のレガネスや、その次週、ビセンテ・カルデロンにバルサを迎えるアトレティコが助かるんじゃないかと…。その辺は私も都合良く、考えてしまうのも否めず。レアル・マドリーのセルヒオ・ラモスだって、「No me gusta ver sufrir a amigos, pero obviamente no me gusta que gane el Barca/ノー・メ・グスタ・ベル・スフリル・ア・アミーゴス、ペロ・オビアメンテ・ノー・メ・グスタ・ケ・ガネ・エル・バルサ(友達が苦しむのを見るのはイヤだけど、バルサが勝つのがイヤなのも当り前さ)」と言っていましたしね。バルサがCL早期敗退してくれることで助かるのはマドリッドの両雄、どちらも同じってことでしょうか。 ▽それより今週はマドリーもCLナポリ戦に挑んだんだろうって? その通りで、水曜のサンティアゴ・ベルナベウでは試合前、スコアボードに前日のPSGvsバルサのハイライトを流して、アップする選手たちを景気づけをしていましたが、「マラドーナがロッカールームで30秒話してくれた」(サッリ監督)というようにどうやらチームのレジェンドが訪問したナポリの方が序盤の士気は高かったよう。だって、フォンド・スール(南側ゴール裏席)には巨大なモザイクも出現して、前人未到のCL2連覇への後押しをファンがしてくれたにも関わらず、開始7分にはインシーニェが放ったミドルシュートがあっさり決まってしまったんですよ。さすがにこれには先が思いやられてしまったものの…。 ▽全然、大丈夫です! その10分後にはカルバハルのクロスをベンゼマがヘッドでゴールにして、マドリーはあっさり同点に追いつくことに。それから余裕を持って攻めることのできた彼らは前半こそ、その1点に留まりましたが、後半は49分にクリスチアーノ・ロナウドがエリア内右奥から入れたパスをクロースが決めて2点目をゲット。更に54分には、カゼミロが「Es una cosa que vengo entrenando mucho/エス・ウナ・コーサ・ケ・ベンゴ・エントレナンドー・ムーチョ(自分が沢山、練習してきていること)」を披露。ええ、ナポリの守備陣がエリア内からクリアしたボールを拾った彼が弾丸volea(ボレア/ボレーシュート)で撃ち込み、とうとう3点目を挙げてくれたのですから、もう安心ですって。 ▽いえ、パルコ(貴賓席)でマラドーナが26歳の彼女と応援する中、ナポリも2ndレグに繋がる2点目のアウェイゴールを奪おうと懸命に戦ったんですけどね。Falso nueve(ファルソ・ヌエベ/仮のCF)を務めるメルテンスが絶好のシュート機会で外してしまい、里帰りとなったカジェホンも久々のベウナベウで勝手が違ったんでしょうかね。サッリ監督も最後は、今季からユベントスに行ってしまったイグアインの代わりに獲得しながら、負傷で長期離脱。この試合で復帰したミリクまで投入と、手は尽くしてみたんですが、「マドリーはここ3カ月で最高の試合をして、ウチは最低の試合をした」(サッリ監督)のが響いたか、追加点が入ることはありませんでしたっけ。 ▽ただ、ジダン監督も「El 3-1 es un buen resultado pero no definitivo/エル・トレス・ウノ・エス・ウン・ブエン・レスルタードー・ペロ・ノー・デフェニテティボ(3-1というのはいい結果だが、決定的ではない)。勝負はまだ五分五分」と言っていたように、これでマドリーが準々決勝への切符を手に入れたと喜ぶのは時期尚早。何せ、3月7日の2ndレグでは「サン・パオロ(ナポリのホーム)は地獄と化すだろう」とサッリ監督も予告していましたしね。今回、半数以上はチケットを持っていないながら、計1万人がマドリッドに駆け付けたナポリファンの情熱を目の当たりにすると、きっとそうなんだろうと推測するのは難しくなし。 ▽それだけにマドリーもしっかり準備しないといけませんが、そうそう、人口に比例してか、EL32強のアポエルを応援しに、キプロスからビルバオ(スペイン北部、アスレティックのホームタウン)にやって来た300人程の過激グループが、チームが3-2で負ける前に警官隊と衝突していたのとは違い、イタリア人サポーターが騒ぎを起こすことはなかったんですが、ダフ屋に偽造チケットをつかまされ、ゲートでのチェックで入れなかったファンが結構いたとか。 ▽うーん、クラブが発売したナポリ戦のチケットはもうかなり前に売り切れていたんですけどね。せっかく来たのに見られないのは悔しく思ったイタリア人以外の観光客も騙されていたようで、どうすれば引っかからずに済むのか、私もアドバイスはできないんですが、被害者の証言によると、偽造チケットは70~100ユーロ(約8400~1万2000円)と相場より安め。あ、でも東洋人には160ユーロ(約2万円)で売り付けられていたので、あまり参考になりませんかね。 ▽そしてもう土曜には次のエスパニョール戦が迫っているですが、マドリーにはとっておきの朗報があって、今週からずっと全体練習に参加していたベイルがとうとう招集リストに復帰したんですよ! ただ彼らには来週、水曜にクラブW杯参加のため、延期していたバレンシア戦も控えているため、ジダン監督はゼンゼマ、モドリッチ、そしてGKケイロル・ナバスを温存しますけどね。そのため、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)勢揃いとはならないんですが、木曜に屋根の修理もすっかり終わったバライドスでセルタがシャフタールに0-1で敗戦。EL32強で敗退する可能性も出てきただけに下手したら、2月初旬に延期された試合もミッドウィークに入る可能性もあり、そうなると3月の代表戦週間までマドリーはハードシュケジュールが続くかもしれませんからね。 ▽おかげで、ナポリ戦で途中交代したラモスも腰の打撲だけで重症ではないものの、用心のため、お休みすることになり、代わりにアセンシオやマリアーノがベンチ入りすることに。加えて、ジダン監督は「Contra el Espanyol él va a jugar de inicio/コントラ・エスパニョール・エル・ヴァ・ア・フダール・デ・イニシオ(エスパニョール戦では彼が先発する)」と、このところ出番が減っていたモラタの起用を宣言。うーん、ベンゼマは得意のCL戦で面目躍如を果たしたものの、モラタもこのままベンチ生活が続くと、また別のチームに行ってしまうかもしれませんしね。とりあえず、2位のバルサとは勝ち点1差とはいえ、消化試合が2つ少ない状態で首位を維持している今は比較的、余裕があるため、ローテーションにはいいタイミングじゃないでしょうか。 ▽一方、キケ・サンチェス・フローレス監督率いるエスパニョールでは、2週間前のマラガ戦で頭蓋骨にヒビが入り、休養していたピアッティがアーセナルのチェフのようなヘッドギアをつけて復活。同チームではエルナン・ペレスも鼻骨骨折でマスクをつけてプレーしているんですが、この2人が揃うと結構、怖いかも。あとはカシージャ、ディエゴ・ロペスの両GKが、それぞれ河岸を変えて対戦するのが楽しみだったりしますが、そんなマドリーvsエスパニョールは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)キックオフ。今度はナポリ戦ではアシスト役に徹していたロナウドのゴールも見られるといいですね。 ▽それで、今年になって初めて試合のない1週間を過ごしたアトレティコは何をしていたんだって? 木曜の夜などには選手たちが集まって、前節のセルタ戦での逆転勝利から、盛り上がったムードを維持しようとしてか、決起ディナーなどを開いていたようですけどね。今週にはマハダオンダ(マドリッド近郊)での全体練習に戻ったGKオブラクやチアゴもまだ、ヒホン(スペイン北部のビーチリゾート都市)遠征のメンバーには入っていません。 ▽同様に負傷中のゴディンやファンフアン、ガイタンも来週火曜のCLレバークーゼン戦を目指して、リハビリを続けていますが、困ったのはその大事な日に彼女との相互DV訴訟で出廷しなければならないリュカが日程変更を認めてもらえず、午前11時に裁判、午後3時過ぎの飛行機でドイツまで移動して、8時45分のキックオフに間に合わさないといけないこと。まあ、何事もなければ、この土曜午後1時(日本時間午後9時)からのスポルティング戦でプレーして、レバークーゼンではサビッチとヒメネスのコンビでCBを賄えば済みますけどね。これ以上、DFにケガ人が出るとシメオネ監督が困ることになるため、今週末は何事もなく終わってくれるのを祈るばかりかと。 ▽そんな中、やっぱり時間がたっぷり取れるというのは良かったようで、彼らもとうとう金曜にはPK練習を実施。いえ、その日はたまたま、マドリッドは祝日で学校がお休みだったため、見学の子供たちでギャラリーが多かったというのを利用したみたいですけどね。今季はもらったPK9本中6本を失敗、クラブ通算でも445本中30%近い129本もゴールにできず、リーガ1の失敗率という、呪いのようなデータを聞けば、さすがのシメオネ監督だって、ちょっとは練習させなきゃと思っても不思議はない? ▽ちなみにその練習はPK戦形式でグリーズマン、フェルナンド・トーレス、ガメイロ、コケ、サウルが蹴り、今回は枠に当ててしまったのがガメイロだけ。あとは成功したそうですが、もしスポルティング戦でPKがあっても「Seguro que saldrá de los que ya patearon/セグロ・ケ・サルドラ・デ・ロス・ケ・ジャー・パテアロン(きっと今までに蹴った選手が蹴るだろう)」(シメオネ監督)とのことなので、あまり不安は晴れませんけどね。 ▽個人的には丁度、今週は昨季のCL決勝でお隣さんに再び負けた後、後半にPKを失敗していたグリーズマンが「試合が終わって、負けたのは自分のせいだと思っていたら、シメオネ監督が来て、まったく反対だと言ってくれた。ボクはチームにとって重要な選手だから、心配しないで、また決勝に行けるように努力すべき時だってね」と話しているインタビューを読んだばかりだったので、そろそろ彼にリベンジを果たしてもらいたいと思いますが、さて。 ▽加えて、アトレティコには先週、スポルティングに負けてしまった弟分の敵をとるという使命もありますしね。とりわけ今節、レガネスはバルサと分が悪いだけでなく、18位のスポルティングだけでなく、金曜には19位のグラナダもベティスに勝ってしまったため、降格圏にいる両チームとの差がたったの勝ち点2と厳しい状況になってしまったため、とにかくここは先輩が勝ってあげないと。ええ、それでなくても今は勝ち点4ある3位セビージャとの差も縮めないといけないアトレティコなので、私もいい結果を出せるように願うばかりです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.18 16:20 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】珍しいものを見た…

▽「別にいいけど、ちょっと微妙」そんな風に私が感じていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会で5月27日のコパ・デル・レイ決勝会場がビセンテ・カルデロンに決まったという報を知った時のことでした。いやあ、先週末のリーガであった予行演習、アラベスvsバルサ戦は0-6という後者の圧勝で終わったんですけどね。昇格組にも関わらず、ミッドウィークにも試合がある年明けからのハードスケジュールを乗り切ったペレグリーノ監督のチームはもう精根尽き果てていたはずで、それでも一応、リーガでは降格圏まで勝ち点10以上の余裕を持っての12位。となれば、その日、2得点挙げたルイス・スアレスもコパ決勝では出場停止ですし、ここはバルサに手の内を明かさず、「チョロい相手と」と過信させて、メンディソローサから気分良く帰ってもらうのも決して悪くはなかったかと。 ▽ただ、予想外だったのはアトレティコからレンタル移籍で修業に出ているテオが、もしかしたら決勝の当日はU20ワールドカップ参加のフランス代表に招集されており、自分が年子の兄、ルカスの敵をとってあげられないかもしれないのが悔しかったのかもしれませんね。ボールを奪おうと激しくいったアレイス・ビダルの当たり所が悪く、足首の脱臼で今季絶望にしてしまったのはあと味が悪かったかも。うーん、実はお兄さんの方も来週のCLレバークーゼン戦の日に、先日起きた彼女との相互DV訴訟で出廷を命じられていて、今クラブと代理人が日付を変えるよう、裁判所と交渉している最中なんですけどね。兄弟揃って乱暴事がこうも続くと、ご両親も辛いかと思いますが、それより何より、前節は仮想コパ3位決定戦の方が見応え満載。それもあって、返す返すもアトレティコが今季限りのホーム、ビセンテ・カルデロンで最後の試合となる決勝に進出できなかった間の悪さを嘆くことになったんですが…。 ▽まあ、そのことは後で詳しく話すとして、先にお隣さんのオサスナ戦がどうだったか伝えておかないと。土曜にバルサが勝利した後、消化試合は2つ少ないものの、順位表の上では勝ち点2下の2位でエル・サダル(オサスナのホーム)のピッチに立ったレアル・マドリーでしたが、結構、首位に返り咲くのには苦労したんですよ。いえ、序盤にイスコとの接触プレーでオサスナの選手が足を骨折、「Tano gritaba 'tibia y perone'. No quise ni mirar/タノ・グリタバ・ティビア・イ・ペロネ。オー・キセ・ニ・ミラール(タノは脛骨と腓骨だと叫んでいた。ボクは見たくもなかったよ)」というショックを選手たちは乗り越え、前半23分にはベンゼマのスルーパスからクリスチアーノ・ロナウドが先制点を決めてリードと、順調に見えたんですけどね。 ▽ジダン監督が採用した3CB制は、私もほとんどマドリーで見たことがないだけに、やっぱりチームカラーに合わないんでしょうか。バラン、この日がマドリー公式戦500試合出場の節目となったセルヒオ・ラモスと共に先発した、まだ100試合のナチョなど、「tenemos un gran equipo y mucha variedad de jugadores/テネモス・ウン・グラン・エキポ・イ・ムーチャ・バリエダッド・デ・フガドーレス(ウチには偉大なチームがあって、イロイロな種類の選手がいる)から、どんなシステムでも快適だよ」と言っていたものの、中盤まで上がった2人のSB、ダニーロとマルセロはそうでもなかったよう。ええ、この形でスタートした1月のリーガのセビージャ戦(2-1で負け)もコパ準決勝セルタ戦2ndレグ(2-2で敗退)でもいい結果は出ませんでしたしね。この日も32分にはセンターから敵にロングパスを出され、セルヒオ・レオンの見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)でオサスナが追いついて、1-1でハーフタイムを迎えることに。 ▽ただ後半早々、マドリーはダニーロが足に打撲を負って担架で退場。幸か不幸か、これがキッカケでハメス・ロドリゲスがピッチに入り、「Hemos tenido mas equilibrio con cuatro, cerrando por dentro/エモス・テニードー・マス・エキリブリオ・コン・クアトロ、セランドー・ポル・デントロ(ウチは4人のDFラインでよりバランスが取れた。内側を締めてね)」(ジダン監督)という効用をもたらします。おかげで中盤で動きやすくなったイスコが16分、ベンゼマがエリア内でシュートできなかったボールに突っ込んで勝ち越し点をゲット。その頃にはだんだん、オサスナも「notamos la exigencia fisica/ノタモス・ラ・エクシヘンシア・フィシカ(体力的な消耗を覚えた)」(バシリエビッチ監督)という状態になってきたため、ロスタイムにはルーカス・バスケスもゴールを奪い、最後は1-3で勝利することができましたっけ。 ▽え、前々節のセルタ戦が中止になって、間が12日も空いたため、この試合ではイロイロ考えてしまったジダン監督だけど、もうここからはシーズンも正念場。水曜のCL16強対決ナポリ戦1stレグで実験的な布陣を組んだりはしないだろうって?そうですね、相手は昨年グループリーグが終わって以来、11試合無敗ですし、ドリース・メルテンスを始め、カジェホン、ハムシークと強力な攻撃陣を擁している上、カジェホンと共に里帰りとなるCBアルビオルや34歳ながら、GKレイナも絶好調のようですしね。昨年11月のCLスポルティングCP戦で負傷した足首を手術したベイルも日曜から全体練習に戻り、復帰は近いと言われていますが、まだ実戦には早いと思うので、とりあえずこの試合ではルーカス・バスケス辺りを前線に入れた4-3-3に戻るのでは? ▽そんな注目のマドリーvsナポリ戦はバルサが火曜にパリでPSGと戦った後、水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。ちなみにマドリーを率いて、2007年には奇跡のremontada(レモンターダ/逆転)優勝を遂げたカペッロ元監督など、イタリアのメディアを通じて、ナポリのサッリ監督に「マドリッドでは試合は決して最後まで終わらないから気をつけるように」と警告。スペイン代表でマドリーの選手たちのことをよく知るレイナも「Lo de Ramos y el minuto 93 no es casualidad/ロ・デ・ラモス・イ・エル・ミヌート・ノベンタイトレス・ノー・エス・カスアリダッド(ラモスとあの93分のことは決して偶然じゃない)」と、後半ロスタイムにミラクルゴールを挙げる相手の特殊体質を挙げて、用心していましたけどね。実は先週末、彼らの十八番を奪ったチームが出現。ええ、それがお隣さんだったんですよ。 ▽翌日曜のことです。マドリッドの新弟分、レガネスが夕方の試合で奮闘空しく、降格圏のスポルティングに0-2と負け、猶予が勝ち点2となってしまった上、金曜からずっと雨混じりのうっとおしい天気に強風が加わったため、私も夜のビセンテ・カルデロンに行くのはちょっと憂鬱だったんですけどね。そこへ直前には3位セビージャがラス・パルマスに終盤の1点で勝利という報が加わり、ただでさえ、金曜にレアル・ソシエダがエスパニョールに勝ったため、CL出場圏外の5位落ちというプレッシャーを受けていたアトレティコがセルタ戦でどんなプレーをするか心配だったんですが、ええ、見事にやってくれましたよ。 ▽開始5分、いえ、まさか雨が降っているから、ボールが滑っていつも以上にパスが下手になるんじゃないかと、私が疑っていたのはともかく、GKモヤもうっかり取り損ねたらマズいと思ったんでしょうかね。敵のCKをカブラルの前にパンチングして、有難くヘッドでゴールを決められているなんこと、あっていい?これではようやく肩の脱臼手術から全快通知をもらったオブラクと早速、来週のCLレバークーゼン戦で正GK交代もやむなしかと、こっちも呆れるしかありませんでしたけどね。そういえば2年前もモヤは同じカードでケガをして、そこからオブラクの時代がやって来たんですが、これも何かの因縁かもしれません。 ▽でも、大丈夫。その日のアトレティコは迅速に反応して、10分にはカラスコのスルーパスをエリア内でゴールに背を向けて受けたフェルナンド・トーレスが天才的な技を披露。ええ、一旦トラップして浮かしたボールを後ろに向けて蹴り上げて、それがゴールにスッポリ入ってしまったのにはスタンド中がビックリしたの何のって。それこそgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)でしたが、その当人がPKという、見た目には絶対、蹴る方が有利そうなシュートを枠に当ててしまうとは、これもサッカーの7不思議の1つ。 ▽うーん、28分にロンカリアのファールを受けて、PKをゲットしたのはカラスコだったんですけどね。最初は彼が「Me encontraba con confianza para tirar el penalty/メ・エンコントラバ・コン・コンフィアンサ・パラ・ティラーウ・エル・ペナナルティ(PKを蹴るのに自信があった)」とボールを掴んでいたんですが、19分には同じ選手にエリア内で倒されながら、PKをもらえなかった年長者を敬って、トーレスにキッカーを譲ってしまったのが裏目に出た? ▽まあ、先週のコパ準決勝2ndレグでガメイロが決められなかったこともあり、シメオネ監督が今度の担当者はスポーツ紙のファンが選ぶキッカー候補ナンバーワンだったトーレスにしてみようと思ったとしても責められませんけどね。ただ先日、私がトーレスもよく外していたと言っていたのは何となくの記憶からだったんですが、実はデータ的にもそれは正しかったようで、これまで彼はリーガで28回PKを蹴って、うち9本を失敗。ロナウドも9回、メッシも8回ゴールにできていませんが、彼らはそれぞれ65、50と蹴った回数自体が多いため、やはりトーレスがPKに強くないという印象は本当だったかと。 ▽おかげで1-1のまま、後半を迎えたアトレティコでしたが、しばらくはどうにもいけてない状態が続きます。そう、コパのバルサ戦以外の最近の試合の傾向で、1点取ればもう十分病がまた発症してしまったのかと、私も雨を防げるスタンドの奥の方に引っ込んで見守っていたファンたちも時間が経つにつれ、イライラが募っていったんですが、それに合わせるようにセルタはバスやボンゴンダら、アラベスとのコパ準決勝2ndレグからローテーションした主力を投入。それが30分過ぎ、電光石火のカウンターに繋がり、最初はシュートを撃ち上げてしまったグイデッティだって、2度目となれば、しっかりゴールを決めてきますって。残り10分ちょっとでスコアは1-2。アトレティコにとって、これって完全に負けパターンですよね。 ▽ところがその日は奇跡が起きたんです!もうあまりパスも繋がらないし、頼りのトーレスもガメイロに代わってしまっていたため、場内を静けさが包んでいた40分、ガビが右サイドから入れたクロスもルカスが味方に渡せず、ロンカリアがクリア。エリア前に上がったボールをタイミングバッチリでvolea(ボレア/ボレーシュート)して、ネットに叩き込んでくれたのはカラスコでした。いやあ、彼は前半、GKセルヒオとの1対1を決められず、それ以降、ファンからブーイングを受けていたんですけどね。シメオネ監督も後半26分にはコレアと交代させるつもりだったんですが、まさにその瞬間、「下がるのはボクだったけど、Saúl fue honesto y pidió el cambio porque estaba tocado/サウル・フエ・オネストー・イ・ピディオ・エル・カンビオ・ポルケ・エスタバ・トカードー(サウルが正直に痛みがあるからと交代を頼んだ)」(カラスコ)おかげで、プレーを続行できることに。 ▽そこへ「En el campo no se oyen los pitos/エン・エル・カンポ・ノー・セ・オジェンロス・ピトス(ピッチではブーイングは聞こえない)」という、当人の持って生まれたスルー力の賜物か、心を乱さず撃てたのが幸いしたんでしょうね。「自分のいた位置だとボールをキープすることができなくて、ファーストかセカンドタッチで捌かないと敵のカウンターに繋がるから、蹴らなきゃいけなかった。Esta salió perfecta, pero otras puede irse por encima del estadio/エスタ・サリオ・ペルフェクタ、ペロ・オトラス・プエデ・イルセ・ポル・エンシーマ・デル・エスタディオ(今回は完璧にいったけど、別の時はスタジアムから飛び出しちゃうかも)」(カラスコ)という一撃だったようですが、このゴールでどんなにスタンドが盛り上がったことか。 ▽そう、現金なもので同点になった途端、嵐のような応援が巻き起こった場内でしたが、その2分後、今度はコレアのクロスをガメイロが頭で落とし、そこへ突撃してきたグリースマンが勝ち越しゴールを挙げた瞬間、我が目を疑ってしまったのはきっと私だけではなかった?だってえ、トーレスは後で「Al final se ha visto una victoria de casta/アル・フィナル・セ・ア・ビストー・ウナ・ビクトリア・デ・カスタ(最後は血統による勝利を見ることができた)」と言っていましたが、奇跡のレモンターダなんて、彼らの辞書にはないんですよ。私もとんと記憶になかっただけでなく、これにもデータの裏付けがあって、アトレティコが後半41分以降に逆転勝利をしたのはクラブ史上、1997年のラージョ戦の1度限り。 ▽となれば、稀に見る僥倖を目撃したシメオネ監督が喜びの余り、ピッチサイドを走って、グリースマンのゴールを祝う選手の輪に加わってしまったのも理解できますが、いやあ、これがコパ準決勝でできていればねえ。5月には大舞台で胸を張って、ファン共々、ビセンテ・カルデロンにお別れを告げることができたはずでしたが、まあそれはそれ。今は3-2でセルタに勝った彼らがリーガ4位を取り戻し、お隣さんの専売特許を真似することも可能だとわかっただけでいいかと。ええ、きっとパルコ(貴賓席)に偵察に来ていたレバークーゼンのシュミット監督も感心してくれたかと思いますが、もしや16強対決でアトレティコに勝つにはやっぱりPK戦しかないと意を決していたら、どうしましょう。 ▽そんなアトレティコは今週、土曜のスポルティング戦まで試合がなく、ようやくミッドウィークがヒマになったんですが、シメオネ監督は「Digo lo bueno que seríamos si los marcáramos/ディゴ・ロ・ブエノ・ケ・セリアモス・シー・ロス・マルカラモス(PKも入れていれば、ウチはもっと良くなるだろう)。だが、3万、4万の人が見に来てくれない限り、練習の仕様がないんだよ。同じ状況じゃないからね」と、相変わらずPK特訓には消極的。だったら、試合前のアップの時間を使って蹴ってみたらいいんじゃないかというのが、私の素人考えですが、何せこの先は落とせない試合が続きますからね。要はファンにまで頭を絞らせてしまうぐらい、このPK問題は深刻ってことですよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.02.14 12:45 Tue
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