【原ゆみこのマドリッド】一応、CLの順位は上だけど…2016.12.10 10:23 Sat

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▽「今のやつの方が好きかな」そんな風に私が感じていたのは金曜日、来季からアトレティコがホームとするペイネタ・スタジアムの正式名称がワンダ・メトロポリターノになったと発表されたプレゼンで、同時にクラブのエスクード(紋章)もリニューアルされると知った時のことでした(http://www.atleticodemadrid.com/noticias/el-escudo-evoluciona-para-la-temporada-2017-18)。いやあ、このチームカラーの赤白ストライプをメインにマドリッドの象徴であるoso(オソ/熊)がmadrono(マドローニョ/ヤマモモの木)に乗りかかっている図柄が左上に入っているデザインは、今年も回りの黄色い縁取りを取ったとかで、細々とは変わっているんですが、基本は1947年から大体同じ。

▽それが何故か、いきなり熊の向きが反対になったかと思いきや、アクセントになっていた木の葉の緑部分まで青くなったせいで、どこか茫洋としてしまった感は否めませんが、まあ、慣れの問題でしょうかね。逆にスタジアム名は、スポンサーの中国企業の名前はお約束で仕方ありませんが、ビセンテ・カルデロンができる前、1955年から1964年まで使っていたメトロポリターノを入れたため、プレゼンに出席したフェルナンド・トーレスが契約更新の希望を込めて、「いつか祖父に『ボクもメトロポリターノでプレーした』って言えるかも」と話していたように、年期の入ったファンの心はもちろん、若いファンの耳にもそこそこ恰好良く響くのではないかと思ってしまうのは私だけ?

▽いえ、だからって、「En 24 años que tengo sólo conocí un escudo y un estadio del Atlético de Madrid/エン・ベインテクアトロ・アーニョス・ケ・テンゴオ・ソロ・コノシ・ウン・エスクード・イ・ウン・エスタディオ・デル・アトレティコ・デ・マドリッド(24歳のボクはアトレティコの紋章もスタジアムも1つしか知らない)」と言っていたコケが、「悲しいけど満足もできる。だって、ボクらがサッカーで到達したレベルと同様、他の全ての面でもクラブが世界的なレベルになってきたってことだから」という意見には、諸手を挙げて賛成する気にはなりませんけどね。

▽というのも、今のところ、新スタジアムには最寄りにメトロ(地下鉄)の駅がなく、セルカニアス(国鉄近郊路線)の駅からかなり歩かないといけないことや、来季の開幕から2試合は準備が間に合うかどうか不明で、LEP(スペイン・プロリーガ協会)にアウェイ戦にしてくれるよう頼んだりしているのはともかく、最近の彼らはそんなにサッカーの面で成長したところを見せているとは言い難くなってきているからですが、やっぱり一番わかっているのは最後にコメントしたシメオネ監督。曰く、「新スタジアムについてはもう言い尽くした。Ahora hay que ganar el domingo/アオラ・アイ・ケ・ガナール・エル・ドミンゴ(今は日曜に勝たないといけない)」ということで、本質はその通りですから、次のビジャレアル戦は月曜なんだがというツッコミはなしにしましょうね。

▽ちなみにどうしてまた、私がアトレティコのサッカーに疑問を抱いてしまったのかというと、もちろん今週あったCLグループリーグ最終節、バイエルン戦のせいで、いえ、前半27分にレバンドフスキにFKを決められ、そのまま1-0で負けてしまったのは、すでに首位突破は確定していましたし、6戦全勝チームはCL優勝したことがないというジンクスもあるため、別にいいんですけどね。点が取れそうなチャンスは前半15分までにカラスコがGKノイアーに弾かれた2本のシュートぐらいで、それ以降は向こうも本気でなかったにも関わらず、バイエルンの独壇場。「Todos hemos estado atras ayudando a defender/トードス・エモス・エスタードー・アトラス・アジュダンドー・ア・デフェンデール(ボクらは皆、下がって、守備に協力していた)」(グリースマン)という状態だったなれば、どんなにこちらのフラストレーションが溜まったことか。

▽それでも終盤には少しは反撃を仕掛けたため、シメオネ監督は「Me quedo con los ultimos quince minutos, donde el Atletico volvio a ser lo que debe ser/メ・ケド・コン・ロス・ウルティモス・キンセ・ミヌートス、ドンデ・エル・アトレティコ・ボルビオ・ア・セル・ロ・ケ・デベ・セル(自分は最後の15分間が気に入った。アトレティコがそうでなければいけない姿に戻ったからね)」と満足を示していましたが、いや、ノイアーの純白のユニフォームは最後までまったく汚れてなかったですよ。おまけに先週末のエスパニョール戦同様、それどころか、マイナス4度でもっと寒かったアリアンツ・アレナでは尚一層、3本とパスが続かないのを見せられれば、たとえこのグループリーグ、6試合で32チーム随一のチーム走行距離703キロを記録したと聞いても、「そりゃあ、ミスパスであれだけボールを取り戻すのに駆け回っていればねえ」と思ってしまう私はもしや意地悪?

▽いやあ、敵方のアンチェロッティ監督など、気の毒に思ったのか、「Este Atleti tiene ahora mas calidad/エステ・アトレティ・ティエネ・アオラ・マス・カリダッド(今のアトレティコはより高い質を持っている)」と褒めてくれていましたけどね。丁度、その試合の直前には、これもアトレティコのカンテラーノ(下部組織出身の選手)故の間の悪さなのでしょうか。2012年にボルシア・メンヘングラッドバッハに移籍したCBドミンゲスが背中の負傷がずっと治らず、「A nadie le gustaría ser un inválido con 27 años/ア・ナディエ・レ・グスタリア・セル・ウン・インバリドー・コン・ベインテイシエテ・アーニョス(誰だって27歳で障がい者にはなりたくない)」と自身のSNSで引退を発表。それに選手たちもショックを受けてしまったのかもしれませんが、当のメンヘングラッドバッハも同日、カンプ・ノウでアルダ・トゥランにハットトリックを決められたりして、4-0でバルサに惨敗していましたからね。

▽実際、この最終節で勝っても負けても火曜組のスペイン勢が来週月曜のCLベスト16組み合わせ抽選でシードチームとなるのは決まっていたため、ルイス・エンリケ監督も「seguro que nos tocara el mejor o el que mas puntos lleve/セグロ・ケ・ノス・トカラ・エル・メホール・オ・エル・ケ・マス・プントス・ジェベ(きっとウチは一番のチームが最も勝ち点の多いチームと当たるだろう)」と言っていた通り、バルサにはバイエルンやPSGといった強豪を引き当ててもらいたいものですが、何にせよ、決勝トーンメントは2月後半の話。

▽今はむしろ、これでまたグリースマンのノーゴール時間が700分近くに伸びてしまったことや、せっかく先発に抜擢されながら、今回もガイタンは実力を見せることができなかったことなどが心配なんですが、さて。木曜にヨーロッパリーグのステアウア戦に2-1と勝って、グループ突破を決めたビジャレアルとの月曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からの試合に向けての数少ない、いいニュースは、フィリペ・ルイスは太もものケガが再発して年内はプレーできなくなってしまったものの、バイエルン戦で左SBを務めたルーカスが大いに信頼できることが再確認できたことでしょうか。

▽そして翌水曜はサンティアゴ・ベルナベウに足を運んだ私でしたが、こちらはレアル・マドリーの1位がまだ確定していなかったせいで、fond sur/フォンド・スール(南側ゴール裏スタンド)には華々しい垂れ幕も現れ、前日よりは両チームにも緊張感があったんですが、前半28分にはカルバハル、後半8分には久々に先発に復帰したハメス・ロドリゲスからのクロスでベンゼマが2得点。もうそれでマドリーが逆転首位で終わるかと思われたんですけどね。香川真司選手は負傷で来ていなかったものの、相手が近年、マドリーと撃ち合いを演じてきたドルトムンドだったのが災いしました。

▽そう、それまでも攻撃の回数では決して負けていなかった彼らは後半15分、シュメルツァーのパスを、「マドリーでいつかプレーすると祖父と約束した」というオーバメヤングがゴールにして、ペレス会長に猛アピール。これで1点を返すと、トゥーヘル監督は風邪気味だったロイスと若いエムレ・モレを投入して更に畳みかけることに。時間はかかりましたが、43分にはこの交代が功を奏して、今度はオーバメヤングのアシストからロイスが押し込み、とうとう同点になってしまったのですから、スタンドもガッカリしたの何のって。ええ、これでマドリーはまた2位に逆戻りです。

▽結局、その日はロスタイムにセルヒオ・ラモスの奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)弾も生まれず、試合は2-2の引き分けで終了。うーん、終盤の失点をマルセロなどは「el empate final ha sido mala suerte/エル・エンパテ・フィナル・ア・シードー・マラ・スエルテ(最後に引き分けになったのは運が悪かった)」と言っていましたが、いえいえ。それでもジダン監督は34試合連続無敗というクラブ記録に並びましたし、何せ、今季は2位終了チームに強豪が少なくないという特殊な状況にありますからね。同日、リヨンとスコアレスドローに持ち込んで、やはり2位で突破したセビージャもそうですが、アーセナルはともかく、レスター・シティやモナコ、ナポリなら十分、ベスト16で勝ち目があるかと。

▽ちなみにジダン監督の当たりたくない相手はユベントスなんですが、ファン的にはようやくこの日の試合で今季不調の汚名を払拭したベンゼマと、かつて彼とCFの座を争ったイグアインの元同僚対決なんか興味が持てますし、ケガが治ってドルトムンド戦に途中出場したモラタも2年間、お世話になった修行先の先輩たちに自身の成長を見てもらいたいことでしょうしね。そう思えば、結構、悪くないカードでは?ただ、その対戦相手が決まる前に彼らにも、クラブW杯のために日本に発つ前日の土曜、年内最後となるリーガ戦が控えています。

▽え、相手は16位のデポルティボなんだから、ジダン監督が連続無敗の新記録を達成するどころか、かなりの可能性でgleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)が期待できるんじゃないかって?いやあ、それが前節のデポルティボはレアル・ソシエダ相手に5-1と大勝をしていて、月曜のオープン放送枠だったため、TVを横目で見ていた私も呆気に取られた程の景気の良さ。それでもチーム力に自信を持つジダン監督は金曜日、クリスチアーノ・ロナウド、ベンゼマ、モドリッチに休養を与えるため、招集リストに加えないことにしたから、驚いたの何のって。

▽いえ、確かに2位のバルサと勝ち点差6というのは余裕ですし、日本までの長距離移動をした後、来週木曜には準決勝、日曜には決勝を戦って、CL、UEFAスーパーカップに続く、今年3つ目のタイトル獲得を目指しているマドリーにしてみれば、とりわけドルトムンド戦で冴えが見えなかったロナウドとモドリッチにはエネルギー満タンでいてもらいたいところでしょうけどね。クロースが中足骨の骨折から早期回復、カセミロも徐々にリズムを取り戻してきている上、コバチッチやイスコ、ルーカス・バスケスらも出場すれば、高いレベルで仕事をするため、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)抜きでも不安はないんでしょうが…それにつけても世の中は不公平。

▽だって、昇格したばかりの少ない予算で選手をかき集めながら、マドリッドの新弟分、レガネスなど、この土曜のラス・パルマス戦でも負傷欠場者が8人もいるんですよ。現在、順位は15位ですが、降格圏との差もいよいよ勝ち点2となって、お尻に火がついている状態なんですが、こればっかりはねえ。先週末のビジャレアル戦は緊急補強のGKエレリン(アスレティックからレンタル移籍)が活躍して、0-0で乗り切ったものの、果たして今度は得点の方まで手が回るかどうか。マドリーとその来年に持ち越される16節の相手のバレンシア以外、年内のリーガはあと2試合。ここで勝ち点を溜められるかどうかで、クリスマスのシャンパンの味も変わってきますから、レガネスの選手たちも頑張れるといいのですが…。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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【原ゆみこのマドリッド】わざわざ暴れに来ないでほしい…

▽「もう人事じゃないわね」そんな風に私がおののいていたのは金曜日、UEFAの抽選会でアトレティコがヨーロッパリーグ16強対決で顔を合わすのがロコモティブ・モスクワに決まった時のことでした。いやあ、前日の32強対決2ndレグではビジャレアルとレアル・ソシエダが敗退。無事に次のラウンドに進めたのはアトレィコとアスレティックだけと、一挙に参加チームが半分になってしまったスペイン勢でしたけどね。翌日のEL関連報道は勝敗より、ビルバオに襲来したスパルタク・モスクワの準軍事的組織とまで言われるウルトラ(過激なファン)800人とアスレティックのウルトラ、そして警官隊800人の衝突についてばかりだったから。 ▽実際、その日は試合の結果に関わらず、騒ぎが起こることを心配して、サン・マメス(アスレティックのホーム)側の小学校は休校。近隣のバル(スペインの喫茶店兼バー)も武器として利用されないよう、テラス席を撤去するなど、用心はしていたようですが、恐れていた通り、キックオフ前にはbengala(ベンガラ/発煙筒)やビール瓶が飛び交い、三方入り乱れて殴るわ蹴るわの乱闘状態に。途中、機動隊員の1人が心臓発作で命を落としたこともあり、懸念はロシアで開催される6月のW杯にまで広がっていましたが、名前こそ違えど、3月6日にワンダ・メトロポリターノを訪れるのも危険なフーリガンがいるモスクワのチーム。こちらは立地的にスタジアム周辺300メートル程が更地と、住宅や商業地区とは隔たりがあるものの、フレンテ・アトレティコも好戦的ですからねえ。今はただ、一般のファンが騒ぎに巻き込まれないことを祈るしかないんですが、果たしてどうなるんでしょうか。 ▽まあ、その辺はまた試合が近づいたら話すことにして、今週のマドリッドでは月曜にヘタフェがセルタに3-0で快勝した試合に続き、水曜には昨年12月のクラブワールドカップで延期されていたレガネスとレアル・マドリーのミニダービーも開催。丁度、その日はCL16強対決1stレグ最後の2試合もあったため、時間をずらして午後6時45分からという、平日にしては早い始まりとなったんですが、1部2年目の弟分チームにとっては、兄貴分をブタルケに迎える試合は一大イベントですからね。正面ゲート前に止まったマドリーのチームバスとセルフィーを撮っているファンなども多く、当然ながらチケット完売でキックオフとなりましたっけ。 ▽ちなみに試合の方は、ジダン監督にお休みをもらったクリスチアーノ・ロナウドが自身のインスタグラムに彼女のジョルジーナさんとプライベートジェットでお出かけの写真(https://www.instagram.com/p/Bfa_LA0FgJS/?hl=ja&taken-by=cristiano)を投稿。加えてベイルはベンチスタート、クロース、モドリッチ、マルセロも負傷中とあって、メンバー的には1月のコパ・デル・レイ準々決勝のような感じだったマドリーに対し、レガネスが前半6分、CKからの混戦で最後は倒れこんだブスティンサが地上スレスレでヘッドを押し込んで先制しているから、ビックリしたの何のって。ええ、コパではサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転でマドリーから準決勝を奪い取った記憶もまだ新しいですからね。この先制点には寒風吹きすさぶ中、応援に駆けつけたファンも大いに期待を膨らませたんですが…。 ▽当時とはマドリーBチーム、とりわけルーカス・バスケスとアセンシオの調子が段違いなのが致命的だったんですよ。そう、早くも11分にはカセミロのパスをルーカス・バスケスが決めて同点に持ち込んだ彼らは、29分には役割を逆転してカセミロが勝ち越しゴール。ただこれには、後でガリターノ監督も「No ayuda tener tantos partidos y tan pocos entrenamientos/ノー・テネール・アジュダ・テネール・タントス・パルティードス・イ・タン・ポコス・エントレナミエントス(これ程試合が多くて、練習回数が少ないのは助けにならない)」と言っていたように元々、週1ペースを想定して組まれたチームが年明けからの負荷に耐えられず、息切れしてしまったせいもあるんですけどね。 ▽え、でも後半にはボービューが至近距離からのシュートをGKカシージャに弾かれてしまうなど、レガネスにも追いつくチャンスがあったんじゃないかって?まあ、そうだったんですが、当人も「ああいうのは運次第で、できるところに撃つだけだからね」と語っていたように、彼らには兄貴分のような決定力の高いFWがいないのが悲しいところ。この1年半、降格圏に落ちることなくやってこられたのはひたすら、「Hay que ser intensos, para defender major/アイ・ケ・セル・インエンソス、パラ・デフェンデール・メホール(より良く守るために激しくプレーしないといけない)」というガリターノ監督の信条を忠実に守ってきたおかげだったかと。 ▽それももちろん、体力あっての話ですから、終盤にはディエゴ・リコがコバチッチをエリア内で倒してPKを献上。その頃にはベイルもピッチに入っていたんですが、「Siempre que no esta Cris, si no es Gareth soy yo, nos alternamos/シエンプレ・ケ・ノー・エスタ・クリス、シー・ノー・エス・ガレス・ソイ・ジョ、ノス・アルテルナモス(ロナウドがいなくてベイルじゃなかったら、ボクが担当。交代でやっている)」というセルヒオ・ラモスがキッカーに立ち、自身のマドリー公式戦550試合出場を祝うチーム3点目を決められてはもう、どうしようもありませんって(最終結果1-3)。 ▽これで3試合連続の逆転勝利とあって、ジダン監督も「序盤の失点が集中力の欠如からなのは明白だが、firmaria que el rival marque uno y nosotros cuatro o cinco/フィルマリア・ケ・エル・リバル・マルケ・ウノ・イ・ノソトロス・クアトロ・オ・シンンコ(敵が1点を取って、ウチが4、5点取るならいい)」と言っていたように、おかげでバレンシアを追い越し、マドリーは3位に上昇。ただ、どうにも後味良く終われなかった選手が約2人いて、いや、それは試合後ブタルケのロッカールームでラモスが撮った記念写真(https://twitter.com/SergioRamos/status/966411958584053760)に当人たちだけが写ってなかったせいではありませんよ。 ▽それは先日の大一番、CL16強対決PSG戦1stレグでも先発を外れ、早くもこの夏の放出まで噂され始めたベイルとラモスのPKが決まった後、ピッチに入ったもののプレー時間がたった26秒しかなかったセバージョス。いやあ、後者は前節のベティス戦で古巣のベニト・ビジャマリンを訪れた際にもファンから、「Comepipas/コメピパス(ひまわりの種を喰っている奴)」とか、「Chupabanquillo/チュパバンキージョ(ベンチ要員)」といった酷い野次を受けて心痛めていたこともあり、ジダン監督もこの試合ではとにかく、出してやらなければという思いが強すぎたんですかね。 ▽おかげで時計を見るのを忘れたようで、金曜の記者会見では「Me senti muy mal y lo siento mucho/メ・センティ・ムイ・マル・イ・ロ・シエントー・ムーチョ(とても悪かったと思う。本当にすまない)」と選手に謝罪していたんですが、肝心のベイルの方は「大事な選手、100%でいてもらいたいだけ」と相変わらず、曖昧の域を出ず。要は3月6日のPSG戦2ndレグ前にケガをしてほしくないということのようですが、今季は永遠のライバルのMSN(メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの頭文字)時代が終わったのに続き、マドリーもBBC(同ベイル、ベンゼマ、ロナウド)時代が終焉を迎えつつあるんでしょうか。 ▽まあ、それはまだ先の話とはいえ、リーガに関しては今でも2位のお隣さんとは勝ち点差7、首位バルサとは14もありますからね。いくらラモスが「Vamos a seguir luchando y metiendo presion en la Liga/バモス・ア・セギール・ルチャンドー・イ・メティエンドー・プレシオン・エン・ラ・リーガ(ウチは戦い続けてリーガ優勝戦線にプレッシャーをかけていく)」と張り切ろうとあまり現実味はないですし、それは土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのアラベス戦でも同じ。 ▽むしろ今季、4人目の指揮官となったアベラルド監督が大当たりして、現在、降格圏から勝ち点10離れた堂々15位を張っている相手に冷や汗をかかされることにならないようにと思うんですが、向こうは最近好調なFWムニルが出場停止に。マドリーでは木曜に親知らずを抜いたアセンシオの出場が危ぶまれていますが、ここ6試合で10得点挙げているロナウドが戻ってくるのは頼りになりますね。 ▽一方、順位は13位と変わらないもの、これでリーガ3連敗となったレガネスは土曜に「Es una final para ellos y para nosotros/エス・ウナ・フィナル・パラ・ジョス・イ・パラ・ノソトロス(これは相手にとってもウチにとっても決勝のようなもの)」(ガリターノ監督)というラス・パルマス戦にブタルケで挑むんですが、向こうには先日、降格圏で苦しんでいるチームを残し、司令塔のジョナタン・ビエラが北京国安に移籍してしまうというショッキングな出来事も。でもねえ、実は2月28日まで開いている中国スーパーリーグの脅威はマドリッドのチームにも及んでいたんですよ。 ▽というのも木曜にはもう1つの弟分、ヘタフェのカラが河南建業に引き抜かれたというニュースが入ったからで、ボルダラス監督によると、「Si por mi hubiera sido no habria salido/シー・ポル・ミー・ウビエラ・シードー・ノー・アブリア・サリードー(自分の判断だったら、決して出しはしなかったろう)。急なことで本人とも話してなくて、メッセージをもらっただけ」という電撃移籍だったようなんですけどね。大体がして、補強もできないこの時期、今季ほとんどの試合で先発を務めていた選手を放出して、残り3カ月以上をCB3人で賄うなんて、とても正気の沙汰とは思えませんでしたが、ヘタフェは選手のお給料も控えめですからね。今季で契約が終わる当人、緊縮予算でやりくりしているクラブ、それぞれ事情があったんでしょうが、それがまさかアトレティコにまで飛び火するとは! ▽いやあ、カラスコの大連一方への移籍交渉が進んでいるのは同クラブを買収したワンダグループとの絡みもあるものの、シメオネ監督の元、なかなか実力を開花できない当人が中国で一稼ぎした後、第2のパウリーニョ(バルサ)を狙っているとも考えられますけどね。ついでに冬の市場で移籍先が決まらなかったガイタンもどうかとクラブが勧めたところ、向こうはフェルナンド・トーレスを狙っているって、ちょっとお。いくら水曜の記者会見でシメオネ監督が「グリーズマンの残留を実現するためと同じだけの努力をトーレスについてもするつもりか」と尋ねられ、「No」と答えたからって、あまりに話が飛躍しすぎじゃない? ▽うーん、翌日のELコペンハーゲン2ndレグの後、新規オープンしたワンダの映画館のようなプレスコンファレンスルームでは、「El y yo desde nuestro lugar queremos lo mejor para el club/エル・イ・ジョ・デスデ・ヌエストロ・ルガール・ケレモス・ロ・メホール・パラ・エル・クルブ(彼も私もそれぞれの立場から、クラブにとって一番良いことを望んでいる)」(シメオネ監督)というフォローは一応、あったんですけどね。大方のマスコミはたとえ、この6月で終わるトーレスの契約を延長しないことに監督が決めていたとしても今、そんな発言をするのは大きな間違いだったんじゃないかという意見なんですが、まあそれはともかく。前夜のレガネスでの失敗に懲り、再び厳寒冬装備で私も向かったその試合ではつつがなくトーレスが先発。 ▽何せこの対戦、1stレグでは1-4でアトレティコの圧勝。その割にはファンも結構、見に来てくれていたんですが、開始7分には、かつてセビージャで前人未踏のEL3連覇を達成したガメイロが威厳を見せて、エリア外からシュート。ここ3試合連続となるゴールを奪って呆気なく勝負がついてしまったため、後はラジオ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継も延々とトーレスやカラスコの話ばかりしているというオチだったんですけどね。スタンドからは「Ole, ole, ole, Cholo Simeone/オレ、チョロ・シメオネ」と「フェルナンド・トーレス、ロロロ」のカンティコ(節のついたシュプレヒコール)が同じぐらいの頻度で聞こえていましたっけ。 ▽そのため、サポーターを分断する騒ぎになっていないことがわかり、私もホッとできたんですが、この日は1500人来ていたコペンハーゲンのファンも唯一、覚えてきたらしいスペイン語で「Puta Atletico!/プータ・アトレティコ」と試合中、繰り返すぐらいで、実に穏やかなもの。結局、チェルシー時代にはEL優勝経験もあるトーレスがゴールでアピールする機会もなく、1-0のまま試合は終わり、総合スコア5-1で勝ち抜けたアトレティコはELグループリーグでコペンハーゲンを抑え、首位突破。このラウンドではニースを破ったロコモティブと当たることになったんですが…言うまでもなく、心配は相手チームの実力ではなく、ロシア人ウルトラたちの振る舞いですよね。 ▽そして今週末のアトレティコは日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイでセビージャ戦なんですが、何せ向こうはこの水曜、マンチェスター・ユナイテッドとの激戦をスコアレスドローで乗り切ったばかりですからね。その前日はチェルシーがスタンフォード・ブリッジでバルサと1-1で分け、両CL戦で元アトレティコのGK、デ・ヘアとクルトワが活躍していたのはともかく、現職のオブラクも3回目のサモラ(リーガで失点が最も少ないGKに与えられる賞)に向かってなく驀進中。ELではジエゴ・コスタやグリーズマンを温存と、楽することができた彼らがコパ準々決勝の敵を討つのに願ってもないチャンスかと。 ▽ちなみに同じ日曜は正午(日本時間午後8時)からヘタフェもビジャレアル戦で、逆にこちらはオリンピック・リヨンに総合スコア1-4でEL敗退というショックを利用できそうですが、まあ勝負は時の運ですからね。前節セルタ戦でのホルヘ・モリーナ、アンヘルのFWコンビの活躍ぶりを見ると、柴崎岳選手の先発復帰があるかどうかも微妙ですが、今季の残り試合もだんだん少なくなってきましたし、途中出場でもいいので、何とかチームの勝利に貢献する働きを見せてもらいたいところです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.24 11:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】いい試合ができるようになってきた…

▽「せっかく盛り上げてくれているのに」そんな風に私が肩透かしを喰らったのは火曜日、クラブワールドカップで延期されていたリーガ16節のレガネス戦を翌日に控え、どうやら今回もクリスチアーノ・ロナウドはお休みとなりそうなことがわかった時のことでした。そう、日程の妙で今季、レアル・マドリーがこのマドリッドの弟分チームと試合をするのはコパ・デル・レイ準々決勝に続いて3回目。その際はジダン監督のローテーション政策により、BBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)がベンチ入りすらせず、ブタルケでの1stレグにはアセンシオのゴールで0-1と先勝したものの、サンティアゴ・ベルナベウで1-2と逆転突破され、赤っ恥をかくことに。 ▽その経験に懲りていないばかりか、いつも捻ったジョークで笑わせてくれるレガネスのオンライン対戦ポスター(https://twitter.com/CDLeganes?ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fwww.deportivoleganes.com%2F )では、折しもCL16強対決1stレグ最後の2試合と同じ日付となっていることと、マドリーが同2ndレグでPSGのホーム、Parc de Princes(パルク・デ・プランス、直訳すると王子たちの公園でスペイン語はParque de los Principes)を訪れることをかけて、「Jornada de Champions en el 'Butarque de los Príncipes’/ホルナーダ・デ・チャンピオンズ・エン・エル・’ブタルケ・デ・ロス・プリンシペス’(CLの節、王子たちのブタルケ)」と銘打ってくれたにも関わらず、ジダン監督は「llega un momento que es necesario de vez en cuando no jugar/ジェガ・ウン・モメントー・ケ・エス・ネセサリオ・デ・ベス・エン・クアドー・ノー・フガール(時々はプレーしないことが必要な時期が来ている)」とロナウドの出場に否定的だったから。 ▽昨季のリーガ戦でも地元のスタジアムで生ロナウドを見ることができなかったレガネスサポーターをガッカリさせてくれましたが、それもねえ。確かにマドリーはこの先、土曜にアラベス戦、来週火曜にはミッドウィーク開催リーガのエスパニョール戦、更に3月3日の土曜にはベルナベウでもう1つの弟分、ヘタフェにいる柴崎岳選手も楽しみにしているはずのミニダービーと試合が途切れず。切り札にはできるだけ、体力を温存させたいのはわかりますけどね。ただコパ準決勝でセビージャに敗退したショックから立ち直れず、2連敗中のレガネスとはいえ、この水曜午後6時45分(日本時間翌午前2時45分)からの一戦ではシオバス、ティト、ガブリエル・ピレス、オマール・ラモス、マウロ・ドス・サントスら、出場停止やケガでジローナに3-0と完敗とした金曜の前節に出られなかった選手たちが復帰。うっかりコパの時のようにBチームを当てると、痛い目に遭う可能性もなきにしろあらずなんですが、その辺はあまり考えないんでしょうか。 ▽まあ、それはともかく、レガネス以外のマドリッド勢の前節の様子もお伝えしておかないと。久々にまだお日様の出ている時間にワンダ・メトロポリターノに私が向かったのは日曜日。先週のアトレティコはコペンハーゲンで、アスレティックはモスクワで雪の降りしきる中、ヨーロッパリーグ32強対決1stレグを戦い、どちらもそれぞれ1-4、1-3で余裕のある先勝と、互角のコンディションだったんですが、その日の大きな違いはコペンハーゲン戦には筋肉痛で参加しなかったジエゴ・コスタが先発に戻った前者に比べ、後者はエースのアドゥリスとラウール・ガルシアを出場停止で欠いていたこと。そのせいか、風邪が治ったGKオブラクの手をほとんど煩わすこともなく、前半を今季のリーガ24試合中13回目の0-0で終えたアトレティコでしたが、コスタがエリア内でムニョスに倒され、明らかにペナルティのように見えながら、PKをもらえないところも今季恒例と言ってよかったかと。 ▽だってえ、もう2月にもなるというのに彼らには1本もPKがないんですよ。シメオネ監督など、もう「このテーマはあまり触れない方がいい。審判も記事を読んで考えるから、cuanto mas hablemos, menos penaltis nos van a dar/クアントー・マス・アブレモス・メノス・ペナルティス・ノス・バン・ア・ダール(話せば話す程、ウチにPKをくれないだろう)」と半ば、諦め気味でしたけどね。このままではいざその時が来ても一体、誰がキッカーだったのか、選手たちも忘れてしまわない? ▽でも大丈夫、相手の攻撃力は恐れるに足らずと気づいたか、後半の彼らは一歩、前に出ることに。いえ、リュカがゴディンに代わっていたのはウィリアムスに足をぶつけ、打撲を負ってしまったせいで、まだバレンシア戦で折れた3本の前歯治療のため、口内にプロテクターをつけているCBの頭を当てにした訳ではなかったんですけどね。試合前、アスレティックのジガンダ監督が「El Atleti tiene ocho o nueve delanteros de primer nivel/エル・アトレティコ・ティエネ・オチョー・オ・ヌエベ・デランテーロス・デ・プリメール・ニベル(アトレティコは8、9人、一流のFWを持っている)」というのはちょっとサバの読みすぎなんですが、13分にはコケをガメイロに代え、元からピッチにいたコスタ、グリーズマン、コレアと合わせてFW4人体制で畳みかけるんですから、感心したの何のって。 ▽それが実ったのは22分、グリーズマンのパスをガメイロが撃ったところ、敵守備陣の隙間を縫って先制点が入ります。その直後にはコレアからガビにしている辺り、1-0なら逃げ切れるというシメオネ監督の信条なんでしょうが、その日は34分に追加点という嬉しいおまけも。この時は最近、先日のコペンハーゲン戦でもパス成功率91%を記録するなど、成長著しいトマスが中盤でボールを奪い、ガメイロに繋ぐとそこからコスタへ絶妙なスルーパス。いえ、GKとの1対1を毎試合数回は失敗というのも彼らの十八番だったりするんですけどね。コスタは見事にケパの脇を抜き、とうとう2-0となったとなれば、もう安心です。おかげで前日、エイバルに0-2で勝利した首位バルサが勝ち点10に広げていた差を7に戻すことができましたっけ。 ▽まあ、「Tenemos que atacar tan bien como defendemos/テネモス・ケ・アタカール・タン・ビエン・コモ・デフェンデモス(ウチは守備同様、上手く攻撃しないといけない)」とフィリペ・ルイスも言っていたように、攻守に渡って相手を上回ったアトレティコが快勝したため、これなら木曜午後7時(日本時間午前3時)からのELコペンハーゲン戦2ndレグも観客の入りはともかく、心配することはないだろうと、私も気分良く家路を辿ったんですが、お隣さんの試合を見るため、その夜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に出向くことに。ええ、マドリーがベティスとのアウェイ戦に挑んだんですが、先週水曜のPSG戦でのベイルに続き、この日はベンゼマがベンチスタート。代わって、CL16強対決1tstレグで終盤2点を挙げての3-1逆転勝利に大きく貢献したアセンシオとルーカス・バスケスが先発しているとは、何ともわかりやすい。 ▽ただ実際、前半11分にはロナウドのシュートをGKアダンが弾いたところ、アセンシオが抜け目なくヘッドでゴールを決め、先制点を奪った彼らだったんですが、そのせいで「Nos echamos atras y les dejamos jugar demasiado/ノス・エチャモス・アトラス・イ・レス・デハモス・フガール・デマシアドー(ウチは後ろへ引いてしまい、敵にプレーさせすぎた)」(ルーカス・バスケス)だなんて、これって今季はアトレティコだけの悪癖じゃなかったんですね。29分にはマルセロが負傷、テオに代わったのも響いたのか、33分にはホアキンのクロスをマンディに頭で押し込まれて同点にされたかと思えば、その10分後には再び36歳のキャプテンが今度はジュニオールにラストパス。彼のシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、運悪く目の前にいたナチョに当たってしまい、オウンゴールで逆転されているですから、困ったもんじゃないですか。 ▽え、それでも後でアセンシオも「El plan que hablams en el desanso salio bien/エル・プラン・ケ・アブラモス・エン・エル・デスカンソ・サリオ・ビエン(ハーフタイムに話し合ったプランが上手くいった)」と言っていたように、最近のマドリーにはremontada(レモンターダ/逆転)体質が戻って来つつあるんじゃないかって?そうですね、気合を入れ直した彼らは後半5分に早速、CKからセルヒオ・ラモスが自慢のヘッドを決めて同点にすると、13分にはカルバハルのパスをアセンシオがワンタッチでシュートして勝ち越し点をゲット。更に20分にはロナウドも続くと、いえ、40分には途中出場のセルジ・レオンに1点を返され、ちょっとベティスが盛り返したんですけどね。最後はロスタイムにベンゼマが仕上げの5点目を挙げ、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)の完成です(最終結果3-5)。 ▽いやあ、今季のベティスはセティエン監督のポゼッションサッカーが浸透してよく点を取るんですが、5点以上失点をしている試合もこの日で5回目。しかも「今週、ずっと改善しようと練習してきて、試合前にも注意した場所でボールを失った」(セティエン監督)のではどうしたものやらですが、本音を言えば、マドリーが3失点もしたのは決して褒められたもんではないかと。それこそパリでの決戦でこうも守備ミスが出ては、余裕の準々決勝進出が悪夢に変わってしまう恐れもあるんですが、こればっかりは。今はロナウドを始め、チームとして打ち負けなくなったことを喜ぶべきかと。 ▽ただ懸念は他にもあって、まだ時間はありますが、先週のPSG戦でヒザを痛めたクロース、この試合で太ももを負傷したマルセロに加えて、月曜にはモドリッチも太もものケガを再発。このAチームメンバー3人が3月6日までに回復するかどうか、ギリギリのところと言われている点で、何せマドリーはその前にリーガ戦4試合をこなさないといけないですからね。大事な選手をプレーさせればケガするかもしれない、かといって、ずっとお休みにしても実戦の勘が鈍るとあって、この2週間はジダン監督も頭が痛いですよね。 ▽そして土曜に3位のバレンシアもマラガに勝っていたため、マドリーの順位は勝ち点差1の4位のままだったんですが、翌月曜には前節最後の試合がコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催。ええ、ヘタフェがセルタを迎えたんですが、平日の夜ながら、スタンドがかなりの盛況だったのは2年前、2部降格するまでの数年間、閑古鳥が鳴きまくりだったのを知っている私などには嬉しい限りだったかと。そんなファンたちの応援のおかげもあってか、いえ、残念ながら、先週カンプ・ノウでスコアレスドローを勝ち取ったバルサ戦で先発した柴崎選手は控えだったんですけどね。 ▽あまり覇気のなかったセルタを前にこの日はアンヘルが爆発。前半37分、自身の1対1では天高く撃ち上げてしまったアマトからもらったパスをエリア外からシュートして、ヘタフェに先制点をもたらしてくれます。続いて後半7分にも彼はホルヘ・モリーナにラストパスを送り、チームの2点目に貢献すると、クライマックスは40分。早帰りの習慣ある観客が引き揚げていく中、ブルーノが押し戻したボールが落ちてきたところを完璧なタイミングでvolea(ボレア/ボレーシュート)、3-0で勝利って、ここ4試合引き分けの停滞状態から脱出するのに最高の形じゃないですか。 ▽え、これで勝ち点33となったからって、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)のアナのように「昨季18位で降格したスポルティングは31ポイントだったから、もうヘタフェはこの先、全部負けても残留できるかも」なんて安易な考え方はしてほしくないって?そうですね、今季も現在、降格圏にいるマラガ、デポルティボ、ラス・パルマスはまだ20ポイントにも届いておらず、ボーダーラインは低くなりそうなんですが、殊勲のアンヘルも「今はウチの目標を達成するのにいい時期。勝ち点40を貯めるというね」と言っていましたし、最低、そのくらいは軽く超えてほしいかと。 ▽それよりボルダラス監督に見てもらいたいのはもっと上の順位で、コパ・デル・レイ決勝がバルサvsセビージャになったため、今季もご褒美のコパチャンピオンのEL出場権がリーガ7位に回ってくる可能性が高いですしね。現在9位ながら、7位のエイバルとは勝ち点2差となれば、ヘタフェにもまだ十分チャンスがあるかと思いますが、さて。ちなみにこの日は冬の移籍市場で加入したレミ(ラス・パルマスからレンタル)、カンテラーノ(ヘタフェBの選手)のメルヴェイユ、セルヒオ・モラが交代出場、柴崎選手にはピッチに立つチャンスがなかったんですが、日曜にはアウェイでビジャレアル戦がありますからね。来週は水曜にデポルティボ戦も控えているため、必ずチャンスは巡ってくるはずですが…最近はチーム内のポジション争いが激化しているため、ここは気合を入れないといけません。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.21 09:30 Wed
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【原ゆみこのマドリッド】勝てば何でも微笑ましく見える…

「可愛いと言えばそうかもしれないけど」そんな風に私が首を傾げていたのは金曜日、チャイニーズ・ニューイヤーを祝うアトレティコのビデオを見た時のことでした。いやあ、昨今はどこのクラブも中国人ファンを増やそうと熱心で、この時期は選手たちが中国語で新年おめでとうと言っている映像が沢山出るんですけどね。今回のアトレティコ版は、いえ、先日、大連万達(ワンダ)グループがスタジアムのスポンサー契約は続けるものの、持ち株をイスラエルの企業に売却。そのせいで制作費が減ったなんてことはないと思いますが、戌年にちなんだ企画として、サウール、カラスコ、ヒメネスがペットのワンちゃんたちを紹介って、あまりに安易すぎる企画な気がしたから。 ▽え、今週はヨーロッパの大会が再開したせいで、選手たちに中国語を覚えてもらう時間がなかったんじゃないかって?そうですね、お隣さんなども現在、解説者をしているロベルト・カルロスが主役。さり気にCLトロフィーが神々しく12個並んだクラブ博物館内の風景も入れ、こういうのを見て駆けつけたファンがまた、サンティアゴ・ベルナベウ前のツアーチケット売り場の行列を長くするんだなと思いましたが、まあそれはそれ。まずはレアル・マドリーの今季全てが懸かった水曜のCL16強対決PSG戦1stレグがどうだったか、お伝えすると。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180217_14_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽セルヒオ・ラモスの呼びかけにファンが応え、その日はチームバスがスタジアム入りする午後7時15分頃には周辺の道路が人で溢れんばかりに。予想通り、bengala(ベンガラ/発煙筒)が何本も赤々と燃え上がっている光景を近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で眺めてから、観戦に向かった私でしたが、何せフランスからPSGの応援に来るサポーター4000人中、1割ぐらいウルトラ(過激なファン)が混じっていると聞いていましたからね。ビジターファン区画に繋がるTorre D(タワーD)の入り口もボディチェックが厳しいせいか、物凄い渋滞ぶりでしたが、幸い大きな騒ぎはなかったよう。私も無事にスタンドの席に着くことができたんですが…。 ▽fondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に巨大垂れ幕がかかり、ビッグマッチ特有の華々しさで幕を開けた試合の方は、いえ、ジダン監督の「Jugamos cuatro en el medio contra tres de ellos/フガモス・クアトロ・エン・エル・メディオ・コントラ・トレス・デ・エジョス(相手の3人に対し、ウチは4人を中盤に入れてプレーした)」という作戦でイスコがトップ下を務めたため、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)対MCN(ムバッペ、カバーニ、ネイマール)のガチンコ対決にならなかったせいではないんでしょうけどね。最初のゴールが決まったのは前半33分と遅めで、しかも今季のベルナベウでは珍しいことではないんですが、ムバッペのクロスをネイマールが戻し、フリーだったラビオが撃ち込んで先制されてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。ハーフタイムに入る前にクロースがロ・セルソにエリア内で倒されてPKをゲットすると、ロナウドがしっかり決めて、1-1の同点で折り返したんですが、後半、両チームの明暗を分けたのはそれぞれの交代策でした。そう、アウェイゴール付きの引き分けを良しとしたか、PSGのエメリ監督が20分にはカバーニをムニエに代え、ダニエウ・アウベルとの右サイドダブルSB制を敷いたのとは違い、ジダン監督はまずはベンゼマをベイルに。とはいえ、最後の最後にモノを言ったのは30分過ぎ、カセミロとイスコを引き上げ、ルーカス・バスケスとアセンシオをサイドに投入したことで38分、後者のラストパスをGKアレオラが弾いたところ、詰めていたロナウドのヒザに当たり、勝ち越しゴールが入るとは何てラッキーなんでしょう。 ▽つまりこういうことがあるから、「Esto es la Champions y el Madrid tiene experiencia/エストー・エス・ラ・チャンポンズ・イ・エル・マドリッド・ティエネ・エクスペリエンシア(これはCLでマドリーには経験がある)」(ロナウド)と威張れるんだと思いますが、これで当人はマドリーに来てからのCL得点記録を101ゴールに更新。その3分後にも再びアセンシオが違いを見せつけ、今度はマルセロにアシストすると、とうとう3-1という、かなり安全なスコアで勝利したとなれば、私も含め、もしやこの日で今季のCLナイトは終わりかもしれないと恐れていたマドリーファンたちがどんなに喜んだことか。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180217_14_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽いえ、後で帽子をかぶった粋な姿でミックスゾーンに現れたラモスは、「Al Real Madrid no se le puede dar por muerto/アル・レアル・マドリッド・ノー・セ・レ・プエデ・ダール・ポル・ムエルトー(レアル・マドリーは死んだものと見なすことはできない)」と言ってはいたものの、この手の終盤のremontada(レモンターダ/逆手劇)は今季、珍しいんですけどね。やはり「Este club tiene 12 Champions por algo/エステクルブ・ティエネ・ドセ・チャンピオンズ・ポル・アルゴ(このクラブがCLに12回優勝しているには理由がある)」(ジダン監督)ということなのか、前評判は高かったPSGですが、ここぞという時のマドリーの強さには私も感心するばかりだったかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180217_14_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽ただ、エメリ監督を始め、相手側からはクロースへのペナルティや、逆にエリア内でラモスの腕にボールが当たったプレーでPKをもらえなかったことなど、ジャッジに対する文句が山積みで、いえ、結局、せっかくこの冬獲ったラス・ディアラではなく、若いロ・セルソを先発させたり、今年になって絶好調のディ・マリアを最後まで投入せず、交代枠を余らせたりした采配が災いした面もあると思うんですけどね。時折、個人技で光っただけのネイマールなど、3月6日の2ndレグで逆転突破を期して、「El ano pasado tuvimos una situacion mas dificil para poder pasar/エル・アーニョ・パサードー・トゥビモス・ウナ・シトゥアシオン・マス・デフィシル・パラ・ポデール・パサール(昨季は突破にもっと難しい状況だった)」と強気でしたが、いや、それ、バルサがパリで4-0と大敗して、カンプ・ノウで6-1と逆転した16強対決のことですか? ▽うーん、その時は2得点した当人が大逆転の立役者になっていましたが、今回は横にメッシもルイス・スアレスもイニエスタもいないとなると、さてどうなることやら。一方、マドリーも嬉しいことばかりではなく、金曜にはクロースが試合中にムバッペとぶつかった際、左ヒザを痛め、その日は走行距離13キロとチーム一の健脚ぶり、ミックスゾーンでもドイツ人記者にたちと楽しそうに話していたものの、2ndレグまでに回復できるか、ギリギリのところだとか。いえ、それまでのリーガ戦5試合はこの日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのベティス戦を含め、首位のバルサとの差も縮まったとはいえ、勝ち点17と凄まじいものがあるため、生ぬるく来季CL出場圏内の4位維持に努めてくれればいいんですけどね。セバージョスのケガも治り、コバチッチやマルコス・ジョレンテら、出場したい中盤の選手には事欠かないとはいえ、クロースのプレーが見られないのは残念なファンも多いかと。 ▽そして翌木曜には、キラキラしたCLの舞台と昨季中に縁を切ったアトレティコがヨーロッパリーグ32強対決1stレグでコペンハーゲンと顔合わせ。それでもパルケン・スタディオンのサポーターがキックオフ前、大弾幕やスモークで場を盛り上げてくれたおかげもあったんですかね。あれだけ前夜、マドリーが注目された後、ワンランク下の大会で戦う肩身の狭い思いを忘れられたか、序盤からグリーズマンやサウールがチャンスを迎えていた彼らだったんですが、前半14分、エリア内でアンケルセンのシュートをフィッシャーがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)で軌道を変え、当日、オブラクの風邪で先発を任されたGKモヤを破ってしまったから、驚いたの何のって。 ▽いやあ、この遠征にはふくらはぎの筋肉痛でジエゴ・コスタも参加しておらず、CLグループリーグではアゼルバイジャンのカラバフに1度も勝てなかったアトレティコですからね。もうこの時点で、1-1で帰って来てくれたら御の字と気弱になった私だったんですが、どうやら彼らを見損なっていたよう。ええ、早くも21分にはグリーズマンのクロスをサウールがヘッドで叩き込み、スコアが同点に。37分にはグリーズマン、リュカが連携し、最後はゴール前からガメイロが決めて見事に逆転って、もしやコペンハーゲンは本当に格下だった? ▽おまけにピッチに激しい雪が降り注ぐ中、後でトマスも「Hacia frio, pero corriendo no hace tanto/アシア・フリオ、ペロ・コリンドー・ノー・アセ・タントー(寒かったけど、走っているとそうでもなかった)」と言っていたように前線から、勤勉に全員がプレスをかける作戦が成功したんでしょうかね。後半にもアトレティコは得点してくれたんです。ええ、26分にはコレアから代わったカラスコからスルーパスを受けたグリーズマンが3点目を挙げ、32分にはガメイロ同様、セビージャで前人未踏の3連覇を達成と、この大会のスペシャリストと言っていいビトロが相手にとって、ほぼ死刑宣告に等しい4点目をゲット。最後は1-4の勝利で終わり、いえ、相手のソルバッケン監督が「アトレティコはウチが当たった最高のチームの1つ。誰も休まず、ずっと働き続けているし、マドリッドの隣人に勝ち点差10つけているのもわかる」と褒めていたのは、多分にお世辞も混じっていたんでしょうけどね。 「マドリッドでは違うメンバーが出るかもしれない」ともう逆転を諦め、ローテーションに出ることも仄めかしていたため、来週木曜午後7時からのワンダ・メトロポリターノでの2ndレグは大船に乗ったつもりでいいかも。ただちょっと気になるのはアトレティコファンの反応で、AS(スポーツ紙)ではすでに1万2000枚売れて、残りのチケットは4000枚程と、満員近くなるような記事が出ていましたけどね。私の経験から言うと、最後に戦った2013年EL決勝トーナメントなどもそうでしたが、32強対決辺りではスタンドはガラガラ。1月のコパ・デル・レイでのエルチェ(2部B)戦やジェイダ(同)戦のように当日券も出るんじゃないかと思いますが、さて。来週は水曜にブタルケで延期されていたリーガのレガネスvsマドリー戦もあるものの、そちらはチケット完売が見込まれているため、ミッドウィークにマドリッドを訪れるファンにはいいサッカー観戦の機会になるんじゃないですかね。 ▽ちなみに今週末のアトレティコは日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、アスレティックをホームに迎えるんですが、実は相手も同じ木曜、雪の降るロシアでスパルタク・モスクワとのEL32強1stレグを戦ったばかり。リヨンに3-1で負けたビジャレアル、アノエタで後半ロスタイムに南野拓実選手にゴールを決められ、ザルツブルクと土壇場で2-2と引き分けたレアル・ソシエダなどとは違い、この11日に37歳となったアドゥリスの2得点などで1-3と快勝してきたものの、この試合では彼と共にラウール・ガルシアも出場停止になるのはラッキーだったかと。金曜にはジエゴ・コスタも練習に合流し、土曜のエイバル戦の結果次第ではバルサとの差を勝ち点7から更に縮めるチャンスと、アトレティコファンも意気込んでいるんですが…うーん、そう上手く事が運ぶのかどうか。 ▽そしてマドリッドの弟分チームは金曜と月曜の平日開催という気の毒な扱いを受けている今節のリーガなんですが、まだコパ酔いが抜けていなかったか、レガネスはジローナに3-0で先程完敗したばかり。何せ、年明けから準決勝まで、ずっと週2試合のハードスケジュールをこなしたせいで負傷者が続発していますし、まだ降格圏までは勝ち点差10以上とちょっと余裕があるのも油断に繋がった可能性はありますけどね。来週はミッドウィークのマドリー戦、そして土曜にはラス・パルマス戦と続くため、後悔する前に早く調子を取り戻せるといいのですが。 ▽一方、月曜午後9時(日本時間翌午前5時)からセルタをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えるヘタフェも前節、カンプ・ノウでバルサからスコアレスドローをもぎ取った直後なだけに別な意味での二日酔いが心配なんですが、そこはよく考えて。何せ、首位相手から勝ち点1ゲットはお手柄ですが、その前から彼らは引き分けが続き、ここまで4連続ドローですからね。そろそろ毎試合きっちり勝ち点3を溜めて、速やかに1部残留ライン突破に漕ぎつけてもらいたいかと。前節では先発に返り咲いた柴崎岳選手が再び、スタメンに入れるのかもファンには気になるところでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.17 14:30 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】戻って来たのはCLだけじゃない…

▽「今度こそホントよね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、スペイン・サッカー協会理事会の会合でようやく、4月21日に開催されるコパ・デル・レイ決勝の会場がワンダ・メトロポリターノに決定したという記事をスポーツ紙のネット版で見つけた時のことでした。いやあ、FAカップはウェンブリー、クープ・ド・フランスはスタッド・ド・フランス、DFBポーカルはオリンピアシュタディオンといったように、ヨーロッパの主要リーグでは決勝のスタジアムが固定されているのとは違って、スペインは毎シーズンどこになるかわからず。それでも丁度、今季はアトレティコの新しいホームが華々しくオープンしたとあって、誰もがその任を授かるとつい最近までは疑っていなかったんですけどね。 ▽それが、いえ、別にアトティコが準々決勝であっさり敗退してしまったせいではありませんよ。ファイナリスタがセビージャとバルサに決まった後、前者のホセ・カストロ会長が決勝は地元のサンチェス・ピスファンかエスタディオ・オリンピコがいいと主張。後者は後者でコパ5連覇を永遠のライバルのお膝元で果たしたいという、嫌味な願いもあって、サンティアゴ・ベルナベウを希望する声もあったものの、その週末に重なるリーガ34節のベティス戦をコパ決勝翌日の日曜にプレーすることになっても準備は滞りなくできると、クラブが請け合ったのが効いたんでしょうか。結局、アトレティコの望み通り、会場はワンダと決まったんですが、そのベティス戦の方も同じ節のセビージャvsレアル・マドリー戦、バルサvsビジャレアル戦と一緒に5月9日に延期されることに。 ▽実際、これはまだ取らぬ狸の皮勘定ですが、ありがたいことにパルケン・スタディオンはすでにチケット完売。スペインからも勇気あるアトレティコファン400人が応援に駆けつけると言われている、この木曜午後9時5分(日本時間翌午前5時5分)からの32強対決コペンハーゲン戦1stレグから始まるヨーロッパリーグ決勝トーナメントを順調に勝ち上がっていったとしたら、その頃は準決勝間近と佳境に入っているはずですからね。もちろんコパ決勝でトロフィーを掲げ、初年度からワンダに歴史を刻む夢が無残に砕けた後ですし、参加チームにドルトムントやアーセナル、ナポリ、ミランといった老舗もある中、5月16日のリヨンでのEL決勝に出ようなんて、昨今のプレーぶりからすれば、高望みもいいところなのかもしれないんですが…どういう訳か、最近アトレティコにリーガ優勝争いの目が戻って来たみたいなんですよ。 ▽え、先週末はマドリッド勢のトップバッターとしてマラガ戦に挑んだ彼らだったけど、開始41秒、ベルサイコのスローインを敵がクリアしたところ、サウールがエリア前からシュート。ケコに当たってエリア内にこぼれたボールをグリーズマンが素早く拾って先制点を挙げてから、後は何もなかったじゃないかって? まあ、そのゴールの後、当人が用具係の渡してくれたユニフォームをかざし、先日、サッカーをプレー中に急死した15歳のアトレティコファン、ナチョ・バルベラ君に哀悼の意を捧げていたのは感動的だったんですけどね。その日もパスが3回と続かないせいで、ジエゴ・コスタにボールが届かなかったのもありますが、せっかくリーガ初先発を飾ったビトロも実力を示すことができず。 ▽結局、その後、枠内シュートが1本もなかったチームで目立ったのは、「lo de hoy fue extraordinario, estando en todos los sitos, arriba, abajo, cortando centros/ロ・デ・オイ・フエ・エクスラオルディナリオ、エスタンドー・エン・トードス・ロス・シティオス、アリバ、アバッホ、コルタンドー・セントロス(今日は格別に素晴らしかった。クロスをカットしたり、前線でも後方でも全ての場所にいた)」とシメオネ監督も褒めていたグリーズマンの攻守に渡る獅子奮迅ぶりと、いつもながらのGKオブラクの安定感。後半43分にはコスタと代わったフェルナンド・トーレスにラセン(冬の市場でヘタフェとの契約を解除してマラガに移籍)が頭をぶつけ、担架退場となったこともあり、最後は10人で戦った相手にそのまま0-1で勝利したんですが、いやはや。 ▽いえ、シメオネ監督自身も「Tenemos que mejorar, pero ganando es mas facil hacerlo/テネモス・ケ・メホラール、ペロ・ガナンドー・エス・マス・ファシル・アセールロ(ウチは向上しないといけないが、勝ちながらの方がやりやすい)」と言っていたものの、ここ2週間、コパ敗退のおかげで週1試合ペースになったにも関わらず、最下位のマラガにも最少得点差勝利しかできない有様ですからね。いくらゴディンとサビッチの負傷のおかげで先発が回ってきたヒメネスが、「Lo importante es ganar, nadie se va a acordar de como jugaste contra el Malaga/ロ・インポルタンテ・エス・ガナール、ナディエ・セ・バ・ア・アコルダール・デ・コモ・フガステ・コントラ・エル・マラガ(大事なのは勝つこと。マラガにどんな風に勝ったかなんて誰も思い出しはしない)」と開き直っていたとて、90分間、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)でイライラしながら、じっと見ているこちらの身にもなってくださいって。 ▽ただそんな勝利でも実になったのは多分に翌日曜、弟分のヘタフェがカンプ・ノウで頑張ってくれたおかげで、まず驚かされたのはキックオフ前、顔なじみのオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の記者が、まあ私にしてくれたバルサ戦の先発予想が外れたせいもあったんでしょうかね。柴崎岳選手のスタメン出場を伝えてきてくれたことなんですが、いやいや。まさかボルダラス監督がエースのホルヘ・モリーナを外してくるなんて、誰も予想できませんって。その日の前線を担ったアンヘルや柴崎選手もシュートを撃って得点を狙ったんですが、まあそれはともかく、何より助けになったのは先週木曜にバレンシアとコパ準決勝2ndを戦っていたバルサには、「Nos falto chispa para hacer algo mas/ノス・ファルト・チスパ・パラ・アセール・アルゴ・マス(ウチはもっと何かをするための火花が欠けていた)」(バルベルデ監督)ということ。 ▽幸い前半終了間際のルイス・スアレスのゴールもオフサイドを取ってもらえましたしね。そこへ「Hemos hecho un gran partido a nivel defensivo, alternando marcas a Messi/エモス・エッチョー・ウン・グラン・パルティードー・ア・ニベル・デフェンシボ、アルテルナンドー・マルカス・ア・メッシ(ウチは守備のレベル的に素晴らしい試合をした。交代でメッシをマークしながらね)」(ボルダラス監督)というヘタフェの堅守が功を奏し、GKグアイタのparadon(パラドン/スーパーセーブ)にも助けられた彼らは終了の笛が鳴るまで、相手を無得点に抑えることに成功。スコアレスドローで勝ち点1をマドリッドに持ち帰って来るんですから、何て頼りになる弟分なんでしょう! ▽おかげでここ2節連続の引き分けとなったため、バルサと2位のアトレティコとの差が勝ち点11から7に縮小。いえ、まだ世間は本気にしていないからか、お隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転優勝)体質がアトレティコに備わっていないせいか、リーガ23節から、この差をひっくり返した前例があるのかといった情報はまだ出ていないんですけどね。楽観的なファンからは「直接対決とクラシコ(伝統の一戦)で勝ち点1差になる」なんて意見も聞かれたんですが、いや、アトレティコもマドリーもカンプ・ノウで勝てるんですか? ▽まあその辺は何ですが、とりあえずリーガ次節はアトレティコが日曜にワンダでアスレティック戦、バルサは土曜にアウェイのエイバル戦ですから、今度は乾貴士選手の力を借りることができるかも。一方、ヘタフェもホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスでセルタ戦なんですが、こちらは月曜午後9時からの設定。終わる時間が遅いのは気になりますが、徒歩1分のLos Espartales(ラス・パスパルタレス)駅から、メトロスールと10号線でセントロ(マドリッド市内中心部)に戻れる地下鉄は午前1時過ぎまでありますし、15分歩いてLas Margaritas(ラス・マルガリータス)駅でセルカニアス(国鉄近郊路線)を捕まえるにしても、終電の午後11時40分には間に合うと思うので、チケットの取りやすそうな試合としてお勧めはできます。 ▽え、コパ疲れが出たのは準決勝でセビージャに敗退したレガネスも同じじゃないかって?そうですね、先週末はアトレティコの次の時間帯にブタルケにエイバルを迎えた弟分の片割れだったんですが、こちらは最後の最後までゴールが生まれず。それでもミッドウィークに試合がなく、体力満々で攻めてくる相手の攻撃を凌いでいたものの、後半ロスタイム4分、CKからラミスがヘッドを叩き込み、土壇場で勝ち点3を持っていかれることに。とはいえ、それでも彼らは12位ですし、消化試合が1つ少ないという状態ですから、別に悲観することはないんですけどね。今週は金曜にジローナ戦をプレーした後、いよいよ来週水曜にはその延期されていたマドリー戦が到来。その後は日程も楽になるため、少しずつコパ酔いを解消して、1部残留ライン確定に早く近づけたらと思います。 ▽そして土曜の夜、サンティアゴ・ベルナベウに足を運んで私が見た、マドリーの今季が懸かったCL16強対決PSG戦のensayo general/エンサージョ・ヘネラル(総合リハーサル)、レアル・ソシエダ戦はどうだったのかというと。いやあ、それが前半は完璧な出来で、お隣さんに対抗するかのように開始50秒、クリスチアーノ・ロナウドのクロスをルーカス・バスケスがヘッドして、先制点が決まっているんですから、驚いたの何のって。逆にまたその後、何も起きないのだろうかと私も先行き不安に駆られたものでしたが、いえいえ、とんでもない。29分にはマルセロの折り返しをゴール前でロナウドがコースを変えて2点目、33分にもクロースがエリア前から決めると、その3分後にはロナウドがCKを頭で叩き込み、前半だけで4点差をつけているんですから、心強いじゃないですか。 ▽うーん、この日のジダン監督はベイル、カセミロ、ナチョを温存していたんですけどね。ルーカス・バスケスとアセンシオを入れた4-4-2のシステムが良かったのか、「Claro que estaba presente el partido del miercoles en la segunda parte.../クラーロ・ケ・エスタバ・プレセンテ・エル・パルティードー・デル・ミエルコレス・エン・ラ・セグンダ・パルテ(後半、水曜の試合が頭にあったのは当然)」(セルヒオ・ラモス)というハーフタイム後は、ブスティンサとイジャラメンディに守備のミスからGKケイロル・ナバスが破られ、2点を返されていただけに、PSG戦ではBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)の揃い踏みにあまり、固執しない方がいいんじゃないかとも思ったんですが…。 ▽いえ、CL再開が目の前に迫ってきたためか、その日は傍目でも明らかな程、ハングリー精神に満ち溢れていたロナウドが35分、3本目のゴールを挙げ、今季初のハットトリックを達成できたのは途中出場のベイルのシュートをGKルリがこぼしてしまったせいというのは否定できませんけどね。どうにも間が悪かったのはベンゼマでまさか、最後のプレーでベイルのゴール前へのラストパスを天高く撃ち上げてしまい、場内から大きなpito(ピト/ブーイング)を浴びて試合を終えることになるとは。結局、この日は5-2の大勝、ジダン監督も「Tengo claro quien va a jugar el miercoles/テンゴ・クラーロ・キエン・バ・ア・フガール・エル・ミエルコレス(水曜にプレーするメンバーは決めている)」と屈託なく言っていたものの、ちょっとこのベンゼマの状態は、「es importante que equipo y aficion esten unidos/エス・インポルタンテ・ケ・エキポ・イ・アフィシオン・エステン・ウニドス(チームとファンが一体になることが大事)」(ルーカス・バスケス)なビッグマッチを前に気になるかと。 ▽そこへ加わるのがマドリーには昨年12月のセビージャ戦以来、リーガで無失点に終わった試合がないということで、このPSG戦には3月6日に2ndレグもあるんですよ。昨季は同じラウンドでバルサに4-0とホームで先勝しながら、2ndレグで6-1と大逆転負けを喰らった相手ですが、今年はネイマールやエムバペでかなりパワーアップしているとなれば、たとえ大勝してもアウェイゴールを奪われるのは怖いような。ええ、グループリーグ5節のドルトムント戦でわざとイエローカードをもらい、最終節のアポエル戦で累積警告を済ませようとしたとして、これが2試合目の出場停止となっているカルバハルなども、「右SBをやるナチョもアクラフもわかっているだろうけど、向こうが絶好調でなくて、自分が最高の状態の日でないと、ネイマールと対峙するのは難しい」と認めていましたっけ。 ▽そんなPSG戦1stレグは水曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)キックオフ。もうとうにチケットは売り切れで、ネットやスタジアム周辺に出没するダフ屋からは1万ユーロ(約140万円)越えなんて法外な値段が聞こえてくるんですが、丁度、マドリッドに旅行に来ているファンでしたら、ラモスがソシエダ戦直後、自身のツイッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/962462712788930561)で呼びかけたように、サンティアゴ・ベルナベウの角にあるlos Sagrados Corazones(ロス・サグラードス・コラソネス)広場で午後6時30分にチームバスのお出迎えをしてもいいかも。 ▽いえ、人が多すぎてバスが見えないかもしれませんし、側でbengala(ベンガラ/発煙筒)とか炊かれたら怖いですし、実際、まだ16強対決、しかも1stレグの時点でやることじゃないんですけどね。とはいえ、ここで躓いてしまってはかつて6シーズン程、続いた3月でマドリーのCLが終わるという10年以上前の悪夢が蘇ってしまいますからね。アトレティコもいない折、私もまだしばらくはヨーロッパ最高のクラブが見られる大会がマドリッドで続いてほしいんですが…。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.13 11:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】ようやくコパが終わって…

▽「これって最高の旅程よね」そんな風に私が感心していたのは金曜日、週明けの降雪から始まって連日、朝晩の気温はマイナスに。そこへ北風まで吹いて全然、外出する気にならなかった今週のマドリッドだったんですが、その日は少し寒さが和らいだため、ヘタフェの練習場を訪ねてみたところ、日本から来たという女子2人に遭遇。フットテニスやロンド(輪になって中にいる選手がボールを奪うゲーム)などの軽い試合2日前のセッションを終え、グランドから上がって来る柴崎岳選手のサインやツーショットの写真をゲットした彼女たちは明日にはバルセロナに移動して観光、日曜にはカンプ・ノウでバルサvsヘタフェ戦を見ることになっていると聞いた時のことでした。 ▽いやあ、最近はリーガの時間割が出るのも結構、早まって、1カ月ぐらい前には予定が組めますからね。地中海沿いのバルセロナはマドリッド程、寒くはならないですし、今季はカンプ・ノウの観客が減っていて、チケットが手に入りやすいというのも旅行で来る日本人ファンには嬉しいニュースですが、ただ1つ難なのはコリセウム・アルフォンソ・ペレスでボルダラス監督の記者会見を待つ間、顔なじみの記者たちに訊いたところ、前節のレガネスとの弟分ダービーで控えだった柴崎選手がバルサ戦で先発復帰する可能性はかなり薄いんじゃないかという意見が多かったこと。 ▽オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の番記者など、「ケガでブランクがあった後、ほとんど貢献していないし、彼は守れないから。そういった面では同じにゴールやアシストがなくても、チームのために汗をかくアマトとかの方が監督の評価は高い。ヘタフェはガクを守備のために獲ったんじゃないけどね」と言っていましたが、まあ確かに。おまけに今回の相手にはメッシやルイス・スアレスら、点を取ることに秀でた選手が多いため、ベルガラが負傷中、新加入のフラミニ(昨季クリスタル・パレスを退団後、フリーだった)はまだ調整に時間がかかるという事情もありながら、中盤で使えるMFを総動員。アランバリ、モラ、ファジルによるtrivote(トリボテ/3人ボランチ)起用の可能性まで、マルカ(スポーツ紙)で論じられていましたからね。 ▽それでもバルサにも木曜のコパ・デル・レイ準決勝2ndレグにヒザのケガを押して出たピケが休養見込み、ベルマーレンはまだリハビリ中、そしてウムティティは出場停止。CBが1月に入ったジェリー・ミナ(パルメイラから移籍)しかおらず、DFに駒が足りないという弱点が今回はありますから、何とか無失点を終盤まで保ち、今季シーズン前半の対戦でゴールを挙げている柴崎選手が途中出場から決勝点を奪うなんて展開になったら、練習場で遭った彼女たちには一生記憶に残るラッキーな旅行になるかと思いますが、さて。そんなバルサvsヘタフェ戦は日曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からキックオフ。ちなみにこういう流れでスペイン観光定番のマドリッドとバルセロナを回る予定のあるファンにお勧めの次の日程は3月の第1週で、3日の土曜にサンティアゴ・ベルナベウでレアル・マドリーvsヘタフェ戦、日曜はカンプ・ノウでバルサvsアトレティコ戦なんていうのはおいしいと思いますよ。 ▽え、いきなり週末の話になっているってことは、やっぱりレガネスはコパ決勝に行けなかったのかって?そうなんですよ、準々決勝では大先輩のマドリーにサンティアゴ・ベルナベウで1-2と勝利、逆転突破を果たしていた彼らは今回、1stレグで1-1という拮抗した状態でセビージャに挑んだんですけどね。一応、ガリターノ監督も「Queríamos evitar el arranque fuerte que suele tener el Sevilla/ケリアモス・エビタルエルアランケ・フエルテ・ケ・スエレ・テネール・エル・セビージャ(セビージャがよくやる序盤の猛攻を避けたかった)」と言っていたように兄貴分の片割れ、アトレティコが準々決勝2ndレグ開始23秒で失点したような大ポカはしなかったんですが、何せ先週、ブタルケで私が観戦した時も両チームのレベルの差と言いますか、全般的に押され気味でしたからね。 ▽選手たちがキックオフ前の「Volver a ser campeon es lo que mas quiero/ボルベル・ア・セル・カンペオン・エス・ロ・ケ・マス・キエロ(自分が一番したいのは再びチャンピオンになること)」といった垂れ幕や、サンチェス・ピスファン恒例の暗くした場内に響き渡るhimno del centenario/イムノ・デル・センテナリオ(クラブ創設100周年歌)アカペラ合唱に気を飲まれることはなかったものの、前半15分にはエリア内右奥に入りこんだムリエルをシオバスが止められず、ゴール前にラストパスを出されてコレアに先制点を決められてしまうことに。それでも1点を取れば延長戦に入れることから、決して気落ちせず、アムラバットやガブリエル・ピレスを中心にゴールを挙げようと頑張ったんですが…終盤、最後の切り札として投入されたのがCBマントバーニだった辺りがやはり、チームとしての限界だったかと。 ▽うーん、後でガリターノ監督は「延長戦に入った場合、ゲレロを入れていたら、バランスが崩れていただろう」と言っていましたけどね。クロスを放り込んでキャプテンのヘッドで何とかしてもらうという算段もあったのかもしれませんが、とにかく負けているですから、ここは先を考えずにFWを入れた方が良かった?そうこうするうち、セビージャのカウンターがはまり、残り1分にフランコ・バスケスが2点目をゲット。これで総合スコア3-1と完全に息絶えてしまったレガネスでしたが、無料バス6台を連ねて応援に駆け付けたファン400人もスタンドでチームを称えていたように、このコパでビジャレアル、マドリーと強豪を倒してきた彼らの健闘は立派としか言いようがありませんって。 ▽年明けからずっと続いた週2試合ペースにも絶妙のローテーションで息切れしなかったですしね。選手たちにも自信がついたことでしょうし、木曜朝にセビージャ(スペイン南部)からAVE(スペインの新幹線)で帰京した彼らにはなるたけ早く、気持ちを切り替えて、チームの根本目標である1部残留を速やかに達成してほしいかと。ちなみに今週末、レガネスは土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)から、ホームに先日、近々契約延長が決まりそうだ報じられた乾貴士選手のいるエイバルをブタルケに迎えるんですが、奇しくも前節、セビージャに5-0と大勝した相手とはいえ、幸いガリターノ監督のチームにはコパ準決勝による負傷者は発生しておらず。 ▽リーガでは現在、お隣さんのヘタフェと同じ勝ち点数29で、どちらも降格圏までは12、来季のヨーロッパリーグ出場権をもらえる6位まで4と、これだとどちらのチームも残留決定後、更に上を目指す余裕がありそうな。加えて、忘れてはいけないのはここ12年で17回目の決勝進出、コパでは8回の決勝で5回優勝しているセビージャですが、翌木曜にはサンチェス・ピスファン同様、大勢のファンがメスタジャ入りするチームバスをお出迎え。声を限りに応援したものの、バレンシアはコウチーニョとラキティッチにゴールを許し、総合スコア0-3で準決勝敗退に。 ▽おかげで誰もがワンダ・メトロポリターノで行われると思っていたにも関わらず、その週末がベティス戦と重なるため、新たにメスタジャやサンティアゴ・ベルナベウが開催スタジアムとして浮上してきた4月21日のコパ決勝では2年前にも負けているバルサと対戦するんですよね。となると、かなり分が悪そうですが、もしここでバルサがコパ4連覇を遂げると、うーん、リーガ独走は勝ち点差9で2位のアトレティコも何とか止めたいと努力はしているものの、彼らの来季CL出場権獲得はまず確実。その場合、コパ優勝チーム用のEL出場権がリーガ7位に回るとなれば、マドリッドの弟分チームが揃ってヨーロッパの大会に参加なんてこともありうるかもしれない? ▽おっと、そんな絵に描いた餅のような話は置いといて、試合のないミッドウィーク2週目を終えた兄貴分たちについても触れておかないと。月曜に練習場を覆った雪も火曜にはすっかりキレいになっていたため、どちらも4日間じっくりトレーニングに励めたんですが、やっぱり首位まで勝ち点19ともなると、マドリーファンも来週水曜のCL決勝トーナメント16強対決PSG戦1stレグの方が気になっているはずと各紙も判断したんでしょうね。ただ、ネイマールの連日バースデーパーティや雪の中でサンタ帽をかぶってパンツ一丁でポーズをとるツイート(https://twitter.com/neymarjr)などばかりではさすがにネタがもたないためか、木曜にはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)の復活により、控えに戻ってからの態度の悪さに失望して、ジダン監督はこの夏、イスコを放出する意向を固めたという噂なども現れることに。 ▽まあ、これは金曜の試合前日監督会見に出た当人が「自分はイスコが好きだ。マドリーにずっといてほしい。Todo lo dicho es mentira/トードー・ロ・ディッチョー・エス・メンティーラ(言われていることは全て嘘だよ)」と否定していましたので、そんなに気にしないでもいいかと思いますが、ちょっと心配なのはあまりにCLが近づきすぎて、土曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのレアル・ソシエダ戦で選手たちが上の空にならないかということ。何せ、今回はウィリアム・ホセとジャヌザイがケガで出られないとはいえ、相手は前節デポルティボに5-0と大勝して、調子を取り戻しつつありますからね。今季のマドリーはサンティアゴ・ベルナベウでの試合でも勝ち点を落とすことが多いため、うっかり選手を温存もできないって、なんだか大変そうですが、とりあえず、現在5位のビジャレアルと勝ち点差2の4位の座だけは死守しないと面目が立たないかと。 ▽そして土曜の午後4時15分から、4試合ぶりのアウェイゲームで最下位のマラガに挑むのがアトレティコなんですが、こちらもバルサ程ではありませんが、前節のバレンシア戦でサビッチとゴディンが全治3週間見込みのケガを負ってしまったため、今週の練習ではシメオネ監督がCBコンビを務めるヒメネスとリュカに居残りまで命じて鍛えていたとか。いえ、ゴディンなど、金曜には失くした前歯3本の治療を終え、マハダオンダ(マドリッド近郊)のグラウンドで元気な姿を見せていたんですけどね。やはり当分は頭を使うようなプレーは避けた方がいいようで、招集リストには入らず。相手のマラガはミチェル監督がヘタフェ戦の後に解任され、ホセ・ゴンサレス新監督となってから、2分け1敗とまだ白星がないんですが、窮鼠猫を噛むといったことわざもありますしね。アトレティコとしても油断は禁物ですが…こちらも来週木曜にはEL32強対決コペンハーゲン戦1stレグなのにまったく盛り上がってないのはやっぱり大会柄、仕方ないんでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.02.10 10:15 Sat
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