八塚浩MC「大事なのは臨場感」『Foot! THURSDAY』は“遊ぼうよ”の精神で「カルチョを再発見してほしい」《Foot!×超WSコラボ企画》
2016.11.24 21:00 Thu
▽国内唯一のデイリーサッカーニュースであるJ SPORTSの人気番組『Foot!』。超ワールドサッカーでは、今週の月曜から金曜にわたってFoot!×超WSコラボ企画を実施。4日目となる本日は、『Foot! THURSDAY』のMCを務める八塚浩氏のインタビュー。アナウンサーを志したキッカケや実況の仕事におけるこだわり、『Foot! THURSDAY』の魅力などをうかがった。(※インタビューは11月10日に実施)
──アナウンサーを志したキッカケとその経緯を教えてください
「昔からスポーツが好きでした。どちらかと言えばライターになりたかったんです。ただ、それも漠然としたもので、一生スポーツを見ることができる仕事が良いなぐらいのことでした。放送局を受けたのもアナウンス研究会だったり、しゃべるのが好きだったからとかでもないです。むしろ、実は人見知りする方で、物静かなんですよ(笑)」
「そんな中、受けている時にある人から『君しゃべり面白いよ』と言われたことが自信になって、そうなのかなと思っていました。受けている内に1つ受かって、アナウンサーになりました。その時、僕に放送局を薦めてくれた人が放送局から新聞社に出向していた方で、アナウンサーっていう道があるよって教えてくれました。『僕はそういったこと勉強したことないです』と言ったら、『そんなのは入ってから磨けば良いんだよ。原石が欲しいんだから』って言われたのが本当に嬉しくてね。それがこの道に入った理由です」
──サッカーが仕事の大きな部分を占めるようになった経緯を教えてください
「確実に経緯があります。僕がラジオ福島という局を辞めた時は、まだプロスポーツとしてのサッカーはなかったんです。1988年に辞めまして、Jリーグが1993年に始まりました。僕がプロサッカーを最初に実況したのは、忘れもしない1991年にWOWOWさんが『スーパーサッカー・セリエA(エー)』という、当時は“エー”と言ったんですが、その番組を始める時にキャスティングされました。最初に見たのがイタリアサッカーで、最初に担当したのがローマ・ダービーだったんです。これが人生を決定させたというか、これで行ける。サッカーは面白い。知らなかった世界があったと思いました」
「生で揺れるスタジアム、フラッグ、発煙筒の煙を実況した時、これとは一生離れたくないなという感じでした。ただ、食べていくためにはフリーランスなので、不安ですよね。野球や格闘技、バスケ、バレーボール、高校野球もやったことがあります。でもサッカーで食っていこうと決心したのは、1993年のJリーグ発足当時からしゃべれたことでした」
──これまで数多くの試合で実況をされてこられた中で、大事にしていることやこだわりを教えて下さい
「これは臨場感ですね。実況には2つのパターンがあって、1つは現場に行くです。Jリーグなんかは当たり前ですが、スタジアムに行くもの。もう1つはオフチューブと言って、JSPORTSでのプレミアの実況の様に、映像を見てしゃべるというものです」
「実況は現場とブースとで違いますが、観ている方は一緒じゃないですか。そこで、違和感なく臨場感を感じてほしいんですよね。こんな熱狂があるとか。オフチューブの場合は懸命にリサーチすることです。気温が何度で、汗ばんでいる選手の表情を見て。出血の度合いと見るとか、こういった状況ですといつでもリアルに言えたらなと思います」
「現場に行っている時は自ずと情報が入ってくるので、見ているだけも100%言えます。ただ、ブースだと映像に映っていない部分があります。5割ぐらいしか分かりませんが、何とか100%に近づけられるように気をつけています」
「臨場感という点では、少々間違ってでも、その場でしか言えないことを大事にしています。あとで映像を見ると違ったかなと思うことはありますが、その時感じた1番ふさわしいのは『コレだ』というのを逃していますと、後追いで説教みたいな実況になってしまうんです。そういったことはしたくないですよね」
「シュートの時、あとでリプレイを見て誰のシュートだったとは言えますが、その場で見ていたらその場で名前を言わなくてはいけないとなった時、僕は間違ってでも良いからその時見えた名前を言います。その時一番ふさわしい言葉を探していますね。それを大事にしています」
──中継するリーグが変わるとその辺りは難しいと思ってしまうのですが
「基本は一緒ですね。ありがたいことはプレミアを見た目で、次の日にスタジアムに行ってJリーグを見て話すことができます。その時に、スピードの違いや当たりの違いなど、明確にイメージしているものとのギャップはあります。その時は解説の方と、『プレミアだとこうですよね』といった話になることはありますね」
「ただ、どっちが上、どっちが下ということはないじゃないですか。こっちにはこっちの良さがあるというのは実際にあります。上から目線、下から目線ではなく、違いを上手く言えると文化としても違いが面白いのかなと思います。ジャッジメントについてもですね」
「あとは世界のスタンダードは常に意識します。この選手たちが、イングランド代表で出てくる。この選手たちが日本代表で出てきてぶつかるわけですからね。同じ土俵に立った時に違和感が生まれないようにというのは、常に考えています」
──最後に『Foot! THURSDAY』の魅力を教えてください
「結構な異端児的な番組でして、カルチョに特化しています。カルチョに馴染めない方が若い方にはいるかもしれませんが、僕ら世代は多くがカルチョから入りました。今の指揮官などに聞いても、ローマに行った、ミラノに行った。ずっとユーベについていたとか。80年代の終わりから90年代の前半にかけては、世界最高のタレントが揃って、最高峰の戦いがイタリアにありました。だから、そこで学んだ人が多いです」
「ただ、段々トレンドがイングランドに行き、スペインに行き、今はドイツにも行っています。僕は伝統的にカルチョが持っている、本当に負けないメンタリティ、弱者ならどうすると行った戦術の磨き合いを、木曜日では深く掘り下げたいです」
「単にマッチリポートとして試合を振り返るのではなく、深く深く入ると、実はオーナーとここの問題だったとか、イタリアはたくさん弊害があるんです。スタジアムが古いとか、サポーターの気質がおかしい、南北の経済格差があるとか。何があの黄金期と比べて違うのかといったヒストリーも追いたいと思います」
「あとは、再発見してもらいたいですね。イタリアはこういった見方をすると面白いよという部分を、説教とか教えるという立場ではなく、“遊ぼうよ”っていう感じです。チェーザレ・ポレンギと一緒にいつもやっていますが、心がけているのはいつも“遊ぼうよ”、“おいでよ”っていう姿勢ですね」
「他とは違うスピード感があります。イタリアで遊ぼうよ。街にもおいでよ。食べ物も美味しいし。という感じです。観光名所としてのイタリアはみなさん行きますが、サッカーは4番手になっています。スペイン、イングランド、ドイツの下になっちゃいます。もう1回発見したいなというのがあります」
──アナウンサーを志したキッカケとその経緯を教えてください
「昔からスポーツが好きでした。どちらかと言えばライターになりたかったんです。ただ、それも漠然としたもので、一生スポーツを見ることができる仕事が良いなぐらいのことでした。放送局を受けたのもアナウンス研究会だったり、しゃべるのが好きだったからとかでもないです。むしろ、実は人見知りする方で、物静かなんですよ(笑)」
──サッカーが仕事の大きな部分を占めるようになった経緯を教えてください
「確実に経緯があります。僕がラジオ福島という局を辞めた時は、まだプロスポーツとしてのサッカーはなかったんです。1988年に辞めまして、Jリーグが1993年に始まりました。僕がプロサッカーを最初に実況したのは、忘れもしない1991年にWOWOWさんが『スーパーサッカー・セリエA(エー)』という、当時は“エー”と言ったんですが、その番組を始める時にキャスティングされました。最初に見たのがイタリアサッカーで、最初に担当したのがローマ・ダービーだったんです。これが人生を決定させたというか、これで行ける。サッカーは面白い。知らなかった世界があったと思いました」
「生で揺れるスタジアム、フラッグ、発煙筒の煙を実況した時、これとは一生離れたくないなという感じでした。ただ、食べていくためにはフリーランスなので、不安ですよね。野球や格闘技、バスケ、バレーボール、高校野球もやったことがあります。でもサッカーで食っていこうと決心したのは、1993年のJリーグ発足当時からしゃべれたことでした」
「これでサッカーで食える。食えると言うのは豪華な暮らしができるということではないですが、Jリーグ、世界のサッカーを両輪にしようと覚悟ができました。上手く行っても行かなくても、この2つはとにかく一生懸命やろうと決意しました」
──これまで数多くの試合で実況をされてこられた中で、大事にしていることやこだわりを教えて下さい
「これは臨場感ですね。実況には2つのパターンがあって、1つは現場に行くです。Jリーグなんかは当たり前ですが、スタジアムに行くもの。もう1つはオフチューブと言って、JSPORTSでのプレミアの実況の様に、映像を見てしゃべるというものです」
「実況は現場とブースとで違いますが、観ている方は一緒じゃないですか。そこで、違和感なく臨場感を感じてほしいんですよね。こんな熱狂があるとか。オフチューブの場合は懸命にリサーチすることです。気温が何度で、汗ばんでいる選手の表情を見て。出血の度合いと見るとか、こういった状況ですといつでもリアルに言えたらなと思います」
「現場に行っている時は自ずと情報が入ってくるので、見ているだけも100%言えます。ただ、ブースだと映像に映っていない部分があります。5割ぐらいしか分かりませんが、何とか100%に近づけられるように気をつけています」
「臨場感という点では、少々間違ってでも、その場でしか言えないことを大事にしています。あとで映像を見ると違ったかなと思うことはありますが、その時感じた1番ふさわしいのは『コレだ』というのを逃していますと、後追いで説教みたいな実況になってしまうんです。そういったことはしたくないですよね」
「シュートの時、あとでリプレイを見て誰のシュートだったとは言えますが、その場で見ていたらその場で名前を言わなくてはいけないとなった時、僕は間違ってでも良いからその時見えた名前を言います。その時一番ふさわしい言葉を探していますね。それを大事にしています」
──中継するリーグが変わるとその辺りは難しいと思ってしまうのですが
「基本は一緒ですね。ありがたいことはプレミアを見た目で、次の日にスタジアムに行ってJリーグを見て話すことができます。その時に、スピードの違いや当たりの違いなど、明確にイメージしているものとのギャップはあります。その時は解説の方と、『プレミアだとこうですよね』といった話になることはありますね」
「ただ、どっちが上、どっちが下ということはないじゃないですか。こっちにはこっちの良さがあるというのは実際にあります。上から目線、下から目線ではなく、違いを上手く言えると文化としても違いが面白いのかなと思います。ジャッジメントについてもですね」
「あとは世界のスタンダードは常に意識します。この選手たちが、イングランド代表で出てくる。この選手たちが日本代表で出てきてぶつかるわけですからね。同じ土俵に立った時に違和感が生まれないようにというのは、常に考えています」
──最後に『Foot! THURSDAY』の魅力を教えてください
「結構な異端児的な番組でして、カルチョに特化しています。カルチョに馴染めない方が若い方にはいるかもしれませんが、僕ら世代は多くがカルチョから入りました。今の指揮官などに聞いても、ローマに行った、ミラノに行った。ずっとユーベについていたとか。80年代の終わりから90年代の前半にかけては、世界最高のタレントが揃って、最高峰の戦いがイタリアにありました。だから、そこで学んだ人が多いです」
「ただ、段々トレンドがイングランドに行き、スペインに行き、今はドイツにも行っています。僕は伝統的にカルチョが持っている、本当に負けないメンタリティ、弱者ならどうすると行った戦術の磨き合いを、木曜日では深く掘り下げたいです」
「単にマッチリポートとして試合を振り返るのではなく、深く深く入ると、実はオーナーとここの問題だったとか、イタリアはたくさん弊害があるんです。スタジアムが古いとか、サポーターの気質がおかしい、南北の経済格差があるとか。何があの黄金期と比べて違うのかといったヒストリーも追いたいと思います」
「あとは、再発見してもらいたいですね。イタリアはこういった見方をすると面白いよという部分を、説教とか教えるという立場ではなく、“遊ぼうよ”っていう感じです。チェーザレ・ポレンギと一緒にいつもやっていますが、心がけているのはいつも“遊ぼうよ”、“おいでよ”っていう姿勢ですね」
「他とは違うスピード感があります。イタリアで遊ぼうよ。街にもおいでよ。食べ物も美味しいし。という感じです。観光名所としてのイタリアはみなさん行きますが、サッカーは4番手になっています。スペイン、イングランド、ドイツの下になっちゃいます。もう1回発見したいなというのがあります」
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