飾らない人間味溢れる中にも情熱を感じさせる実況者・野村明弘氏「現地に近い感覚で伝えたい」《Foot!×超WS》
2016.11.22 21:00 Tue
▽国内唯一のデイリーサッカーニュースであるJ SPORTSの人気番組『Foot!』。超ワールドサッカーでは、今週の月曜から金曜にわたってFoot!×超WSコラボ企画を実施。2日目となる今回は、『Foot! TUESDAY』のMCを務める野村明弘氏のインタビューをお届けする。
──アナウンサーを志した理由とサッカーが主業となった経緯を教えてください
「アナウンサーになったのはスポーツが好きで、喋りたかったからですね。自分自身は運動神経がなくてプレーヤーとしては部活レベルでもダメ。その中で好きなスポーツにどのように携わっていくかと考えたときに、通っていた法政大学がたまたまアナウンサーになるための講座があったり、学校としてもアナウンサーになる人が多かったりしたんです。また、マスコミについて勉強する学部があったこともあり、アナウンサーというものが頭にありました。……と言うのは建前なんです(笑)」
「本音は不純な動機で、高校生時代に男子校だったんです。知り合えないじゃないですか、女の子と。知り合ってもなかなか、かわいい女の子に出会えない。それでもテレビ見ていたら、その中には凄くかわいい子がたくさんいるんですよ。あの人たちと知り合うにはどうしたら良いんだろうと考えたときに、バカな高校生の僕は、俺あそこに行けば良いんだ、と思ったんです(笑)」
「というのが最初のきっかけで、そんな風なことが頭にあったときに、建前だと言っていた話に結びつくんですけど。スポーツに携われるというのと、大学でアナウンサーになっている人が多くて、選択肢になりました。不純なところから硬派なところに変わっていったという動機ですね(笑)」
「そんな中で、たまたま弟がロンドンに留学していて遊びに行ったとき、『これは住めるな』と感じました。じゃあ、衝撃を受けたプレミアリーグがどんなものなのか見てみようと決めて、1年間お金を貯めて、会社を辞めてイングランドに行きました。プレミアを見ていく中でやっぱり凄いなと感じて、日本に戻って実況者として伝えたいと思ったんです」
──実況している中でこだわっている部分があれば教えてください
「ロンドンに留学していた時期に自費でチェルシーの試合を中心にプレミアリーグを見ていました。記者席ではなく観客席で見ていてシーズンチケットを持っているわけではないので、その都度ゴール裏であったり、メーンスタンドだったり、アウェイではチャンピオンズリーグでイタリアやスペインなど旅行しながら観戦していました。そのときに各国それぞれ雰囲気は違うんですけど、スタジアムで見ている感覚が観客の人が一体なんですよね」
「イングランドは特に顕著で、後ろでボールを回しているときなんかは『●選手の移籍ニュースがあったけど、あれ本当かな』とか『あの選手はこうだね』みたいな話を隣の人としているんですけど、アタッキングサードに入っていくと段々前のめりになって、ゴール前でチャンスになったら立ち上がる、ゴールが決まったらオーッってなるし、ダメだったら頭を抱えて座るとか、みんなサッカーを知ってる人たちばかりだから、反応が同じなんですよね。スタジアムの空気感が一体なんです」
「その空気感を本当は皆さんに味わってもらいたいんですけど、実際に現地に行くのは費用がかかる。だから、現地の雰囲気をよく知っている僕としては、なるべく現地で観戦している人と同じ感覚で実況したいと考えています。スタンドで見ている現地の人が隣の人としゃべっているようなときは雑談だったり情報だったりを入れる、立ち上がるような時には完全に試合のことを伝える。その感覚は大事にしようと心がけています」
「間違ってしゃべり過ぎたりすると、見ている人の感覚とズレが生じて邪魔になると思うので、その部分を大事にしています。それは毎年変わるようなもので。僕が留学したのが10年以上前。今でもできるだけ1年に1度は現地に行って、その年の空気感を味わって、今はこんな感じなんだというのを肌で感じてその感覚に近づけて実況しようと心がけています」
──自身がこれまでサッカーに触れてきて、1番思い入れのある選手を1人挙げるとすれば誰でしょう
「フランク・ランパードですね。イングランドの選手ってまずハートが大事だと思います。そのパッションを彼は持っている。今はなかなか少なくなりましたが、ボックス・トゥ・ボックス(自陣ボックスから相手ボックスまでカバーできるような攻守に動ける選手)、ジェラードやランパードに代表される、守備もできるうえで前線にも出て行って上下動を中央でしながら両方の役割を高い技術でこなせる選手。いるようで、高いレベルでこなせる選手ってなかなか出てこないですよね」
「ランパードやジェラードがプレミアから去って、そのあとに彼らクラスのボックス・トゥ・ボックスの選手がいるかと言われれば、僕はいないと思うんです。その意味でも懐かしいというか、例えば今のチェルシーに(全盛期の)ランパードがいれば、もっとカンテを楽にさせてあげれるんじゃないかとか、まあマティッチも良いですけど、あそこはランパードの方が合うんじゃないかとか考えますね。このチームに(全盛期の)ランパードがいれば(どうなるかな)なんて、いろんなチームで思いますね」
──現在はベン・メイブリーさんとのコンビで放送されている『Foot! TUESDAY』の魅力を教えてください。
「『Foot! TUESDAY』はある意味、ベンさんにおんぶに抱っこという感じです(笑)。ベンさんの地元の人、イングランドの人ならではの視点とイングランド人だからこそ得ることができる情報とか気づくところをベースにお伝えしています。僕はそれをいかにベンさんから引き出すことができるか。日本人から見て聞きたいところをベンさんから引き出すことを意識しています」
「日本にいると、現地メディアに触れることもなかなかできないので、翻訳のニュースはあると思いますが、少し空気感が違ったりだとか、注目するところも日本人の目線で見てしまうと思うんですよね。その中で、現地の人がどのような感覚でどのようなことに興味を持って、どのように伝えているのか。現場の雰囲気、そしてメディアがどのように捉えているか、どのように報道しているのか、あるいはファンの方がどのように接しているのかというような現地に行かないとなかなか味わえないようなことを代弁するというか、その感覚に近い番組づくりを心がけています」
「J SPORTSの中継や番組を見ていただいたら、現地に住んでいるような、現地のスタジアムで見ているような感覚になってもらえるように頑張っています。Foot!を見て、現地にいて毎日、新聞やハイライト番組を見ているような感覚、現地にいながらメディアに触れている感覚というのを感じてもらえたらと思っています」
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▽実況の仕事におけるこだわり、『Foot! TUESDAY』の魅力などを野村氏にうかがった。アナウンサーとなった理由について、「かわいい子に出会いたかったから」と冗談交じりに語る野村氏は、飾らない人柄と人間味あふれるコメントの中にも、サッカーと仕事に対する情熱を存分に感じさせた。(※インタビューは11月8日に実施)「アナウンサーになったのはスポーツが好きで、喋りたかったからですね。自分自身は運動神経がなくてプレーヤーとしては部活レベルでもダメ。その中で好きなスポーツにどのように携わっていくかと考えたときに、通っていた法政大学がたまたまアナウンサーになるための講座があったり、学校としてもアナウンサーになる人が多かったりしたんです。また、マスコミについて勉強する学部があったこともあり、アナウンサーというものが頭にありました。……と言うのは建前なんです(笑)」
「本音は不純な動機で、高校生時代に男子校だったんです。知り合えないじゃないですか、女の子と。知り合ってもなかなか、かわいい女の子に出会えない。それでもテレビ見ていたら、その中には凄くかわいい子がたくさんいるんですよ。あの人たちと知り合うにはどうしたら良いんだろうと考えたときに、バカな高校生の僕は、俺あそこに行けば良いんだ、と思ったんです(笑)」
「というのが最初のきっかけで、そんな風なことが頭にあったときに、建前だと言っていた話に結びつくんですけど。スポーツに携われるというのと、大学でアナウンサーになっている人が多くて、選択肢になりました。不純なところから硬派なところに変わっていったという動機ですね(笑)」
「アナウンサーになりたいと思って、まずは、局アナ受験をして、長崎文化放送に入社しました。忙しく働く中、自宅で見る楽しみがプレミアリーグでした。その中でサッカーを取り巻く環境の雰囲気やプレースピードまで、何から何まで『なんだこれ』と思ったんです。僕が知っているサッカーと全然違っていて、それまでの概念が壊されたんですよね」
「そんな中で、たまたま弟がロンドンに留学していて遊びに行ったとき、『これは住めるな』と感じました。じゃあ、衝撃を受けたプレミアリーグがどんなものなのか見てみようと決めて、1年間お金を貯めて、会社を辞めてイングランドに行きました。プレミアを見ていく中でやっぱり凄いなと感じて、日本に戻って実況者として伝えたいと思ったんです」
──実況している中でこだわっている部分があれば教えてください
「ロンドンに留学していた時期に自費でチェルシーの試合を中心にプレミアリーグを見ていました。記者席ではなく観客席で見ていてシーズンチケットを持っているわけではないので、その都度ゴール裏であったり、メーンスタンドだったり、アウェイではチャンピオンズリーグでイタリアやスペインなど旅行しながら観戦していました。そのときに各国それぞれ雰囲気は違うんですけど、スタジアムで見ている感覚が観客の人が一体なんですよね」
「イングランドは特に顕著で、後ろでボールを回しているときなんかは『●選手の移籍ニュースがあったけど、あれ本当かな』とか『あの選手はこうだね』みたいな話を隣の人としているんですけど、アタッキングサードに入っていくと段々前のめりになって、ゴール前でチャンスになったら立ち上がる、ゴールが決まったらオーッってなるし、ダメだったら頭を抱えて座るとか、みんなサッカーを知ってる人たちばかりだから、反応が同じなんですよね。スタジアムの空気感が一体なんです」
「その空気感を本当は皆さんに味わってもらいたいんですけど、実際に現地に行くのは費用がかかる。だから、現地の雰囲気をよく知っている僕としては、なるべく現地で観戦している人と同じ感覚で実況したいと考えています。スタンドで見ている現地の人が隣の人としゃべっているようなときは雑談だったり情報だったりを入れる、立ち上がるような時には完全に試合のことを伝える。その感覚は大事にしようと心がけています」
「間違ってしゃべり過ぎたりすると、見ている人の感覚とズレが生じて邪魔になると思うので、その部分を大事にしています。それは毎年変わるようなもので。僕が留学したのが10年以上前。今でもできるだけ1年に1度は現地に行って、その年の空気感を味わって、今はこんな感じなんだというのを肌で感じてその感覚に近づけて実況しようと心がけています」
──自身がこれまでサッカーに触れてきて、1番思い入れのある選手を1人挙げるとすれば誰でしょう
「フランク・ランパードですね。イングランドの選手ってまずハートが大事だと思います。そのパッションを彼は持っている。今はなかなか少なくなりましたが、ボックス・トゥ・ボックス(自陣ボックスから相手ボックスまでカバーできるような攻守に動ける選手)、ジェラードやランパードに代表される、守備もできるうえで前線にも出て行って上下動を中央でしながら両方の役割を高い技術でこなせる選手。いるようで、高いレベルでこなせる選手ってなかなか出てこないですよね」
「ランパードやジェラードがプレミアから去って、そのあとに彼らクラスのボックス・トゥ・ボックスの選手がいるかと言われれば、僕はいないと思うんです。その意味でも懐かしいというか、例えば今のチェルシーに(全盛期の)ランパードがいれば、もっとカンテを楽にさせてあげれるんじゃないかとか、まあマティッチも良いですけど、あそこはランパードの方が合うんじゃないかとか考えますね。このチームに(全盛期の)ランパードがいれば(どうなるかな)なんて、いろんなチームで思いますね」
──現在はベン・メイブリーさんとのコンビで放送されている『Foot! TUESDAY』の魅力を教えてください。
「『Foot! TUESDAY』はある意味、ベンさんにおんぶに抱っこという感じです(笑)。ベンさんの地元の人、イングランドの人ならではの視点とイングランド人だからこそ得ることができる情報とか気づくところをベースにお伝えしています。僕はそれをいかにベンさんから引き出すことができるか。日本人から見て聞きたいところをベンさんから引き出すことを意識しています」
「日本にいると、現地メディアに触れることもなかなかできないので、翻訳のニュースはあると思いますが、少し空気感が違ったりだとか、注目するところも日本人の目線で見てしまうと思うんですよね。その中で、現地の人がどのような感覚でどのようなことに興味を持って、どのように伝えているのか。現場の雰囲気、そしてメディアがどのように捉えているか、どのように報道しているのか、あるいはファンの方がどのように接しているのかというような現地に行かないとなかなか味わえないようなことを代弁するというか、その感覚に近い番組づくりを心がけています」
「J SPORTSの中継や番組を見ていただいたら、現地に住んでいるような、現地のスタジアムで見ているような感覚になってもらえるように頑張っています。Foot!を見て、現地にいて毎日、新聞やハイライト番組を見ているような感覚、現地にいながらメディアに触れている感覚というのを感じてもらえたらと思っています」
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