【日本サッカー見聞録】日本vsサウジはアジアのクラシコ?2016.11.12 19:30 Sat

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▽4-0の勝利を収めたオマーン戦から一夜明けた12日、日本代表は午前10時30分からカシマスタジアムで約2時間近く汗を流した。スタメン組はウォーキングとランニングで、1時間ほどでクールダウンを切り上げたが、途中出場した選手とサブ組はランニングとストレッチ、パス交換などで1時間ほど費やすと、そこからインテンシティの高い練習を1時間30分に渡り繰り返した。

▽最初は10メートル四方のスクェアにミニゴールを4つ置き、1対1でのゴールの奪い合いを2分交代で繰り広げた。マッチアップしたのは岡崎対森重、原口対長友、久保対槙野、小林対井手口、浅野対植田、香川対長谷部という組み合わせ。10メートル四方という狭いスペースのため、スピードで抜くわけにはいかない。そこでフェイントをかけるわけだが、互いに代表選手だけに、そう簡単には引っ掛からない。

▽そこでボールをキープするためスクリーンすると、守備側は腰や上半身を使ってボールを奪おうと身体を密着させて圧力をかける。同様にボール保持者も身体や手を使って押し返すため、必然的にハリルホジッチ監督の求めるデュエルが、身体のサイズに関係なく要求されることになる。この1対1が、選手のコンディションの善し悪しを見るには一番分かりやすく、香川と長友はプレーにキレ味を欠いていること、原口と小林は動きがシャープなことが一目瞭然だった。

▽次は同じスペースでの2対2に移り、岡崎&久保対森重&槙野、小林&原口対長友&井手口、長谷部&植田対浅野&香川という守備陣と攻撃陣の攻防を2分交代で実施。その次は2タッチという制約つきでの3対3で、こちらは森重&槙野&植田対浅野&久保&岡崎、長友&長谷部&井手口対原口&小林&香川という組み合わせだった。

▽この練習で、さすがと思ったのが香川だった。人数が増えると、味方の動きをダミーに、アウトサイドでパスを出すと見せかけて、柔らかい足首のスナップからインサイドに切り替えマーカーの逆を取る。コンディションとスキルは関係ないことを証明していた。

▽スモールフィールドでの3対3の次は、GKを入れてペナルティエリアでの6対6の攻防で、こちらの練習もかなりハードにぶつかり合っていた。この練習を見る限り、香川と長友以外はサウジアラビア戦に向け臨戦態勢に入っていると判断してもよさそうだ。

▽この練習を見学中に、カタールのテレビ局に務めている日本在住のシリア陣記者から逆取材を受けた。日本に来て4年目になるが、内戦が勃発して母国には戻れないでいるという。日本人記者には非公開となるサウジアラビアの練習も取材していて、FWのナセル・アル・シャムラニにインタビューしたところ、ファン・マルバイク監督とは「一言も話したことはない」と、選手と監督間でコミュニケーションはほとんど取れていないそうだ。

▽1週間前にプライベートジェットで来日した理由は時差調整よりも気候に慣れるためで、「フィジカルの準備はできているので試合に勝つ自信はある。3点は取れるだろう」と豪語していたそうだ。日本が最後にサウジアラビアと対戦したのは2011年1月のアジアカップのグループリーグで、この時は5-0と大勝している。過去の対戦成績でも日本が7勝1分け3敗と圧倒しているものの、アジアカップに3度優勝しているからなのか、サウジアラビアの人々にとって日本戦は特別な試合であり、彼らは両国の対戦を「アジアのクラシコ」と呼んでいるのは初耳だった。

【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。

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【六川亨の日本サッカー見聞録】タイ代表の監督にドゥンガ氏とともに意外な日本人が候補に浮上

▽海外から朗報が届いた。JFA(日本サッカー協会)の元技術委員長だった霜田正浩氏が、タイ代表の監督候補にあがっていると、同国のメディアが4月19日に報道したのだ。タイ代表は同国のレジェンドともいえるキャティサック監督が、ロシアW杯アジア最終予選の日本戦に敗れたことで辞任。すでにW杯出場の可能性は消えたものの、代表監督が空位になっていた。 ▽そこで監督候補として白羽の矢が立ったのが、元ブラジル代表監督のドゥンガ氏と並び、霜田氏もその1人に選ばれたのだった。20日午前、霜田氏に連絡したところ、つい先ほど成田に着いたということで、「現地では面談しただけで新聞に顔写真入りで掲載されて困りました」と明るい声で話していた。 ▽霜田氏はS級ライセンスを保有しているものの、京都で下部組織の監督経験こそあるが、強化担当がメインの仕事で、FC東京時代も強化部で若手選手の発掘や外国人選手の獲得で手腕を発揮してきた。その経験を高く評価されて2009年に原技術委員長に請われてJFAの技術委員となった。 ▽その後はザッケローニ、アギーレ、ハリルホジッチと3人の日本代表監督の交渉と招へいに尽力。しかし昨年3月、田嶋幸三のJFA会長就任により技術委員会は再編され、新たに西野朗氏が技術委員長に就任。霜田氏はナショナルチームダイレクターという名の降格人事を受け入れざるを得なくなった。 ▽そして迎えたW杯アジア最終予選は、初戦でUAEに逆転負けする不安なスタートとなった。それでもタイとイラクに勝ち、オーストラリアとは引き分け、11月のサウジアラビア戦にも勝ったことで、霜田氏は自身の役割は終わったと辞意を決断した。その理由は、もしも成績不振でハリルホジッチ監督を途中解任することになれば、それをハリルホジッチ監督に伝えるのは招へいした自身の役目である。その時は一緒に身を引くつもりでいた。 ▽しかしW杯予選の前半戦のヤマ場であるサウジアラビアに勝ったことで予選突破に見通しが立った。そしてハリルホジッチ監督は霜田氏に全幅の信頼を置いているものの、監督の人事権はもう霜田氏にはなく、西野技術委員長にある。その西野技術委員長は「途中から就任したので、現場に口を挟む気はない」と霜田氏の職務を尊重していたが、霜田氏は自身が代表スタッフにいることで、ハリルホジッチ監督と西野技術委員長とのコミュニケーションが円滑ではないことを危惧した。 ▽ハリルホジッチ監督に対し、『お前のボスは自分ではなく、西野技術委員長だ。生殺与奪の権限は西野技術委員長が握っている。だからW杯の後半戦と本大会は西野技術委員長と命運を賭けて欲しい』というメッセージが、霜田氏の辞任の真相でもある。 ▽ただ、これまでJリーグの監督経験のない霜田氏に、タイのサッカー協会が監督のオファーを出したのは意外だった。霜田氏は、「いつかはプロチームの監督をしたい」と夢を語っていた。それが、いきなりタイ代表の監督候補である。 ▽過去には、元大宮などの監督を務めた三浦俊也氏がベトナム代表の監督を務めたことがある。クラブチームでは岡田武史氏が中国甲級リーグの杭州緑城の監督を務めたし、JFAの指導者海外派遣でネパールやブータン、チャイニーズタイペイ、北マリアナ諸島へ監督を送り出したことはある。それが今回は、W杯アジア最終予選に残り、急激な発展途上にあるタイの代表監督就任のオファーだ。 ▽プロの監督経験のない霜田氏のどこを評価してのオファーなのか。機会があったらタイ協会に取材したいし、何よりも霜田氏がタイ代表の監督に就任することを願わずにはいられない。見ている人は見ているのだろう。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.21 22:45 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】ドルトムントのチームバス襲撃事件に思うコト

▽ドルトムントのチームバスが襲撃された事件で、スペイン代表DFマルク・バルトラが右手を負傷したものの、彼以外の選手が無事だったのは不幸中の幸いと言える。翌日に延期された試合ではモナコに2-3と敗れたものの、1点差に留められたことはセカンドレグに向けて好材料だろう。 ▽スポーツにおけるテロ行為は、古くは1972年の西ドイツ五輪でパレスチナの武装組織がオリンピック村に侵入し、敵対するイスラエルの選手を人質にとって立てこもった事件が有名だ。西ドイツ当局は人質の救出作戦を強行したものの、人質9人全員が死亡するなど痛ましい結果となった。 ▽当時は、政治的な対立から五輪がテロ行為のターゲットになったものの、「サッカーで同じことをしたら全世界を敵に回すことになる。だからW杯を標的にするテロリストはいないだろう」と言われたものだ。 ▽しかし、それも昔の話。1996年にはEUROを開催中のイングランドで爆破事件が発生。こちらも政治的に対立するアイルランド共和軍(IRA)の犯行と見られた。そして2002年には、レアル対バルサのCL準決勝の数時間前に、サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアム付近で車に仕掛けられた爆弾が爆発。こちらもバスク地方の分離独立を目指す民族組織「バスク祖国と自由」(ETA)の犯行とみられ、17人が負傷した。 ▽サッカーを標的にしたテロは、最近では2010年にウガンダの首都カンパラで、W杯を観戦する飲食店で爆破事件が起こり、死者は50人にも及んだ。国際テロ組織アルカイダの関与が疑われたものだ。そして記憶に新しいところでは、2015年にEUROが開催されたフランスで、パリ同時多発テロ事件が起き、フランス対ドイツの行われていたサン・ドニ・スタジアムの入り口付近で3度の爆発があり、劇場や料理店なども含めると130人近くの人が亡くなった。こちらはイスラム国(IS)の犯行とされ、彼らは様々な国でテロ行為に及んでいる。 ▽もはや「サッカーだから標的にされない」という時代は過去のものとなり、「サッカーだからこそ狙われる」時代になっているようだ。過去2回のW杯は南アフリカとブラジルという、ムスリム(イスラム教徒)とはあまり縁のない国だったため、テロよりも強盗に注意を払ったものだ。しかし来年W杯を開催するロシアはイスラム教徒も多く、1990年代以降はテロ事件も増加しているだけに、ターゲットにされる可能性も少なくはないだろう。 ▽そしてドルトムントである。W杯やEUROといった国際大会ではなく、1クラブが狙われる事件が起きた。神戸に加入の決まったルーカス・ポドルスキは、トルコ(ガラタサライ)では常にテロの危険があるため日本行きを決断したという噂もあるほどだ。欧州でのサッカー観戦は、特にムスリムの多いフランスやベルギーでは十分な警戒が必要になるだろう。といっても、スタジアム周辺は人混みが多いため、どう警戒すればいいのか分からないのが実情だ。 ▽香川については、FC東京のGK林が事件直後にメールで「大丈夫か?」と送信したところ、すぐに「大丈夫」との返信が来たことを明かしていた。続けて林は「ちょっと世界ではいろんな、ボクらの予測外のことが起きる状況で、死者が出ないで不幸中の幸いだった。どういう価値観なのか分からないので口のはさみかたがないけど、サッカーがどうのこうのではなく、人の命は尊いもの。容認できないことが多すぎるし、国内じゃないからいいやじゃなく、なくなるように願うしかない」と話していた。 ▽林の言う通り、テロが「なくなるのを願うしかない」現実に無力感を抱かざるを得ないと思っているサッカーファンも多いことだろう。コトは宗教的な対立と貧困が根底にあるだけに、根の深い問題でもある。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.13 18:22 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】高倉ジャパンの国内初陣。ポスト澤は出現するか

▽今週末の9日は、熊本地震復興支援マッチとして開催される、日本女子代表vsコスタリカ女子代表の試合を取材に行く予定だ。昨年の4月に監督に就任した高倉麻子氏にとって、この試合が国内初戦となるのはちょっと意外だった。昨年3月、地元で開催して出場権を逃したリオ五輪アジア最終予選以来の国内マッチということになる。 ▽チームもだいぶ様変わりした。2011年ドイツW杯と2015年のカナダW杯で優勝、準優勝、そして2012年のロンドン五輪で銀メダルを獲得した“なでしこジャパン”から、MF澤は引退して結婚。彼女以外にもMF宮間やFW永里(大儀見)、FW大野、MF川澄、DF岩清水、GK福元らはチームを去った。 ▽変わって現在の主力は、106試合の最多出場記録を持つMF阪口(日テレ・ベレーザ)、94試合のMF宇津木(シアトル・レインFC)、DF熊谷(オリンピック・リヨン/85試合)、DF鮫島(INAC神戸/76試合)といったこれまでのメンバーに、今年3月のアルガルベカップに出場した選手に加え、3人の初招集選手を含むフレッシュな顔ぶれとなった。 ▽その3人だが、FW上野(愛媛FCレディース。20歳)は昨年のU-20女子W杯で5ゴールを決めて得点王に輝いた。MF大矢(愛媛FCレディース。22歳)はU-23日本女子代表からの昇格組。そしてMF隅田(日テレ・ベレーザ。21歳)は、なでしこリーグを連覇中の日テレでレギュラーとして活躍しているなど、将来が楽しみな選手でもある。 ▽彼女たち以外にも、なでしこリーグ得点王のFW田中(日テレ・ベレーザ)や、やっと代表で結果を出せるようになったFW横山(AC長野パルセイロ・レディース)らが名を連ね、現時点でのフルメンバーと言っていい顔ぶれだ。 ▽高倉ジャパンの当面の目標は、来年に控えているフランスW杯(2019年開催)のアジア予選となる。もちろんW杯は通過点であり、その先に待つ2020年の東京五輪でメダル獲得が期待されている。その第1歩となるのが、今回のコスタリカ戦でもある。 ▽澤という不世出の偉大な選手を失った日本女子代表ではあるが、今回のメンバーからポスト澤が育つことを期待したい。そして高倉ジャパンはどんなサッカーをするのか。こちらも興味の尽きないところである。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.07 12:18 Fri
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【六川亨の日本サッカー見聞録】アブダビからアル・アインに変わった真相

<div style="text-align:right;font-size:x-small;">[兄のアメル・アブドゥルラフマン/撮影:六川亨]<hr></div>▽話は昨年9月に遡る。ホームでのUAE戦後、JFA(日本サッカー協会)の職員がUAEの関係者にアウェイの試合会場を聞いたところ、「アブダビで開催予定だ」と知らされた。アブダビといえば、2004年3月にアテネ五輪アジア最終予選が行われ、UAE以外の3カ国が原因不明の下痢に悩まされた地である。 ▽前年の2003年にはU-20W杯が開催され、今野や徳永らが躍動してベスト8に進出したのもアブダビだった。日本は準決勝で、優勝したブラジルに1-5と敗れたものの、坂田大輔が得点王となり、大熊清監督の「サンキュー坂田」がサッカー界ではちょっとした流行語になった。 ▽日本にとってなじみ深いアブダビでもあり、今月23日のアウェイUAE戦はアブダビで開催されるものと信じていた。それがアル・アイン・スタジアムに変わったことで、オマルとアメルのアブドゥルラフマン兄弟やUAE代表の半数を占めるアル・アインのホームスタジアムに変更されたものだと推測したものだ。戦い慣れたスタジアムは、彼らにとってまさにホームだからだ。 ▽ところが現地入りして日本の女性記者が、開催地がアル・アインになった理由を尋ねたところ、「国王が危篤状態のため、万が一の時はアブダビが混乱するからアル・アインに変更した」と知らされた。UAE(アラブ首長国連邦)は7つの国による連邦国家で、アル・アインはアブダビ首長国にある都市の1つだ。開催地変更にそんな理由があったとは知らず、素直に納得してしまった。 ▽ところが実態はというと、アル・アインには5日ほど滞在し、試合翌日の飛行機は高額のためアブダビに1泊して帰国の途についたのだが、せっかくアブダビにいるのだから、2年後のアジアカップで使用される可能性の高いアブダビのシェイク・ザイード・スタジアムを見学に行った。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20170330_24_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">[改装中のスタジアム/撮影:六川亨]<hr></div>▽スタジアムの隣には2007年に建設されたグランド・モスクがあり、世界最大のペルシャ絨毯と、同じく世界最大のシャンデリアを誇る。UAEの建国の父と呼ばれるシェイク・ザイードが埋葬されているだけに、贅の限りを尽くしたモスクでもある。で、スタジアムはというと……。 ▽ゴール裏のモニュメントを始め、いたる所が改装中で、入口も封鎖されている。ショベルカーがスタジアムの外の土を掘り起こすなど、とても試合会場に使用できる状態ではないことが判明した。恐らく2年後のアジアカップに向けての大改装だろう。アル・アインに会場が変更された本当の理由が、アブダビで1泊したことで分かった。 ▽2年後のアジアカップは首都ドバイとアブダビの2会場と、アル・アイン、シャールジャの計6会場で開催される可能性が高い。ロシアW杯後の大会となるが、日本の主力がどんなメンバーになっているのか。そして再びアジアの頂点に立てるのか。いまから楽しみな2019アジアカップでもある。 2017.03.30 14:40 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】UAE戦展望とこぼれ話

▽いまアル・アインの現地時間は10時20分だ。あと9時間後にロシアW杯アジア最終予選のUAE戦がキックオフとなる。19日から現地に滞在しているが、21日は氷雨に見舞われ、昨日と今日も曇天が続き、Tシャツ1枚では肌寒さを感じるほど。浅野が「涼しくなりましたね」と言えば、酒井高も「思ったより気温が高くないので、いいコンディションです」と歓迎している。 ▽W杯予選と言えば、いわゆる“アウェイの洗礼”とか、情報が錯綜するなど様々な駆け引きが試合前から始まっている。過去には加茂ジャパン時代のアウェイUAE戦では、ピッチにクギが散らばっていることがあったし、加茂監督の更迭の原因となったカザフスタン戦のピッチはデコボコで、とてもサッカーができる環境ではなかった。 ▽当時はインターネットの普及が今ほど進んでおらず、YouTubeといった動画投稿サイトもなかった。しかし現在はネットの普及により情報過多のため、クギの散らばったピッチを用意しようものなら、すぐさまネットにアップされ、世界中から批判が殺到するだろう。 ▽フランスW杯の第3代表決定戦のイラン戦では、イランの主力選手が足を石膏で固め、車いすに乗っていたが、試合当日は何事もなかったようにプレーしていた。 ▽今回、日本は長谷部が右膝の負傷と治療のため代表チームを離脱した。長谷部は19日の夜に現地入りしたが、その際に大きなスーツケースを持っていたため、日本に長期滞在する覚悟でドイツを後にしたことが推測できた。 ▽これに対しUAEもMFタレク・アハメドは出場停止で、昨年9月の対戦でフル出場したMFアメル・アブドゥルラフマンが負傷離脱。さらにFWアハメド・ハリル、FWイスマイール・マタルの2人もケガで出場が微妙だという情報が20日頃から流れた。 ▽正直なところ、「眉唾ものの情報」だと思った。UAEがチーム事情、それも主力選手の出場の可否を簡単に明かすわけがないからだ。もしも本当なら、極力隠そうとするはず。それが数日前から噂が流れるのは、意図的にリークしているとしか思えない。UAEにとっては、23日の日本戦と、28日のアウェイ、オーストラリア戦はグループ突破に向けて 正念場でもあるだけに必死なのだろう。 ▽試合会場であるハッザーア・ビン・ザーイド・スタジアムで公式練習を行った昨夜は、「ピッチが狭く感じた」という選手もいた。サイズ的にはFIFAの規格を満たしている。ピッチはゴール裏とバックスタンド側に背の高いAFCのスポンサーボードが設置されているため、圧迫感を覚えたのかもしれない。 ▽いずれにせよ、そうした外野の様々な噂や環境は気にしないで、目の前の試合に集中することだ。長谷部の離脱は痛いものの、「団結力を高めて試合に臨みたい」と酒井高が言えば、吉田も「厳しい時だからこそ成長できるチャンス」と前向きにとらえているのは、チームが成長している証でもある。 ▽いまから思うと、ホームでのUAE戦は主審の厳しいジャッジもあったが、どこか見下していたのではないだろうか。しかし、あの1敗で危機感を募らせているハリル・ジャパンだけに、同じ轍を踏むことはないだろう。成長した姿が9時間後に見られるはずだ。 2017.03.23 18:09 Thu
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