【日本サッカー見聞録】イラク戦はコンディション重視の選手起用を2016.09.30 16:45 Fri

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▽インドのゴアで開催されているU-16アジア選手権で日本は、準決勝でイラクに逆転負けを喫した。アジア最強と言われるイラクに対し、日本は久保ら負傷者も出てベストの布陣ではなかったものの、前半こそ2-1とリードしたが、後半はイラクのエースであるタムードにPKから2点を奪われるなど2-4と試合を引っくり返された。U-17W杯の出場権を獲得した後だけに、モチベーションを保つのに難しい面もあったのかもしれない。この雪辱は来年の本大会に期待するとしよう。

▽そして昨日はロシアW杯アジア最終予選のイラクとオーストラリアに臨む日本代表も発表された。約2時間に及ぶ会見だったようだが、今日の報道を見る限り、これといった話題は特にない。それというのも、選ばれたメンバーは9月の2試合とほとんど同じで、サプライズは鹿島MFの永木だけ。その永木にしても、実際に試合で使われるかどうか、彼が長谷部や山口に代わる選手になれるかどうかは未知数の部分が多いため、初招集に「?」を抱いた読者も多いだろう。

▽今回招集されたメンバーを見る限り、「エクスキューズ」の人選といった印象を受けた。前回初招集でUAE戦では2失点に絡んでしまった大島は、今回呼ばなければ自信を失いかねない。柏木の後継者候補として期待しつつも、柏木の状態が万全ならイラク戦とオーストラリア戦で使われることはないだろう。同じことは海外組の所属クラブで出番のない宇佐美や香川にも当てはまる。招集しないことでメンタリティの低下を懸念したのではないだろうか。

▽ハリルホジッチ監督は、彼らに代わる選手がJリーグにはいないこと、彼ら自身が欧州のトップレベルの選手とポジション争いをしていることを招集理由にあげていた。そして齋藤(横浜FM)や中島(FC東京)の名前を出しながら、まだ海外組からポジションを奪うほどの活躍はしていないとの見解を示した。日本代表の左MFは“最激戦区”でもある。しかし9月のパフォーマンスを見る限り、宇佐美よりは齋藤や中島の方がゴールに向かう姿勢を感じられた。

▽同じことはトップ下の香川にも当てはまる。もういい加減10番を重用するのはやめて欲しい。香川の才能は認めるものの、現在の彼は全盛時のパフォーマンスからほど遠い。最終予選は結果が求められるだけに、いっそ予備登録の中村憲を呼んでみてはいかがだろう。とりわけインテンシティの求められるオーストラリア戦は、香川の密集地帯へのショートパスより、中村憲のスルーパスやサイドチェンジが生きるような気がする。

▽本田や岡崎もけしてベストの状態ではないと思うが、彼らはまだピッチに立てば“ファイト”できるのが救いだ。そしてイラク戦に関しては、試合前日に合流した選手は起用しないで欲しい。コンディション優先の選手起用を指揮官には求めたい。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。

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