【日本サッカー見聞録】手倉森氏のコーチ就任を歓迎すると同時にU-19代表の強化も課題2016.09.09 13:00 Fri

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▽ロシアW杯アジア最終予選のタイ戦が終わって2日が経っても、香川を始めとした数選手のパフォーマンスや起用法に疑問の声がメディアだけでなくファンからも上がっている。これはこれで健全な議論だと思う。海外のビッグクラブでプレーしているからといって、彼らを“アンタッチャブル”な存在にするのは危険だと思うからだ。とりわけハリルホジッチ監督は宇佐美に対する期待が大きいようだが、彼は昨シーズンのJ1リーグ第2ステージ以降、パフォーマンスが低下しているだけに、過度の期待は起用法に疑問を招きかねないだろう。

▽海外でもW杯予選に出場した選手はクラブに戻ると活躍できず、「FIFAウイルス」という言葉も生まれた。移動距離の長い日本人選手なら、その負担は増すばかりで、往復によるダメージはかなりのものだろう。W杯予選をホームの日本で戦い、次はアウェイの中東なら、ホームは国内組で戦い、アウェイは海外組と割り切って準備することも一つの手だと思うが、そこまで選手層は厚くないのが現実だけに、なんとも悩ましい問題だ。

▽このジレンマは現行のシステムでは解決しようがないだけに、なんとも悩ましい。せめて代表選手を拘束できる時間をもう1週間確保できれば、コンディション調整にも余裕が生まれるが、そのためにはリーグ戦の日程調整が必要になる。ここらあたりはFIFAが指導力を発動して各大陸連盟に譲歩を迫るしかないものの、コトはそう簡単にはいかないだろう。

▽そんな厳しい状況の代表チームにあって、日本に朗報がもたらされた。昨日、都内でハリルホジッチ監督と会談した手倉森・元U-23日本代表監督が、代表チームのコーチに復帰することが濃厚になったからだ。過去、山本氏(アテネ五輪)、反町氏(北京五輪)、関塚氏(ロンドン五輪)と3大会連続して五輪代表監督は、五輪終了後に兼任していた代表チームのコーチに復帰することはなく、Jクラブの監督に就任していた。

▽兼任とはいえ五輪終了までの2年間は代表チームのコーチは名ばかりだったため、“復帰”には抵抗があったのかもしれない。このため代表チームのコーチは外国人スタッフで占められてきた。今回はハリルホジッチ監督の「日本人コーチ」という要請があったため実現したが、選手とのコミュニケーションを円滑にする意味でも、“会話力”のある同氏のコーチ就任は歓迎したい。

▽リオ五輪終了後、移動のための空港で開いた囲み会見でも、手倉森氏はリオ五輪での経験の「継続性」や、早川コーチの「コンディショニング」の重要性を訴えていた。こうした財産をロシアに向けて役立てるためにも、手倉森氏の経験を活用しない手はない。

▽そして、せっかく手倉森氏を再び代表スタッフに加えたなら、来月中旬からバーレーンで始まるU-19アジア選手権にも彼をスタッフの一員にしてはいかがだろう。これまでU-20日本はW杯の出場を逃し続けている。それが国際舞台の経験不足と指摘されてきた。今回も、内山監督の手腕を含め選手のクオリティからW杯出場は不安視されている。現チームは20年東京五輪のベースとなるだけに、ロシアW杯の予選突破は直近の課題ではあるが、こちらも並行して強化に着手しなければならない課題だと思うからだ。

【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。

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【六川亨の日本サッカー見聞録】UAE戦展望とこぼれ話

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【六川亨の日本サッカー見聞録】気になるUAE戦の主審

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【六川亨の日本サッカー見聞録】U-20でも遜色ない久保の凄さ

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【六川亨の日本サッカー見聞録】ACLで勝負弱いFCソウルに失望

▽AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の第2節が2月28日と3月1日に行われ、浦和はFCソウルを5-2で葬って2連勝と首位をキープしたものの、鹿島は後半アディショナルタイムの失点でムアントンに1-2と敗れ2位に後退。そして川崎Fは香港のイースタンSCに1-1のドローで3位、G大阪も済州ユナイテッドに1-4と大敗して3位と明暗を分ける形になった。 ▽グループEではダークホースと見られるタイのムアントンだが、代表選手を数多く揃え、ホームでは圧倒的な強さを発揮し首位に躍り出た。鹿島の次の相手はブリスベン・ロアーで、蔚山現代は6-0で勝っているだけに、鹿島としては大量点での勝利が期待される。グループGの川崎Fは、アウェイとはいえ広州恒大が7-0と圧勝したイースタンSCから勝点3を奪えなかったのは痛い。次節はアウェイで首位の広州恒大との対戦だけに、グループステージ突破を左右する一戦になる。そしてグループHのG大阪はホームでまさかの1-4。次節はホームに2連勝中の江蘇蘇寧を迎えるため、首位に一泡吹かせたいところだ。 ▽といったところで、2月28日は埼スタでの浦和vsFCソウル戦を取材したが、結果は浦和が5-2で圧勝したものの、これほど“勝負弱い”FCソウルを見たのは初めてだった。予想スタメンのCBキム・ドンウが負傷ためかメンバー外となり、代わりにCBに起用されたのが、FC東京が獲得を狙っていた巧ボランチのスペイン出身のオスマール。しかし彼は、李忠成や興梠が下がってボールを受けるとマン・マークにつかずフリーにしてしまい、簡単にポストプレーを許して攻撃の起点を作らせてしまった。 ▽“緩い”のは彼だけではない。FCソウルといえば、チェ・ヨンス前監督の激しい気性を受け継ぎ、ロングボールとフィジカルコンタクトを前面に押し出したタフなスタイルが特徴だった。2月に宮崎で行われたFC東京とのプレマッチでも、あわや乱闘寸前の肉弾戦を展開した。しかし浦和戦では、ボールロスト後の“攻から守”への切り替えが遅いため、李忠成や関根、興梠、武藤に簡単にドリブル突破を許し、カウンターから失点を重ねた。 ▽昨年6月から指揮を執るファン・ソンホン監督は、前任のチェ・ヨンス監督同様Jリーグでのプレー経験があり、C大阪時代は得点王にも輝いた。チェ・ヨンス監督が激情派とするなら、ファン・ソンホン監督は知的派のため、チーム作りにも方向転換があったのかもしれない。試合後の会見では「連敗によりグループステージの通過は難しくなったが、来シーズンに向けて2試合を分析したい。リーグ開幕に向けよい準備をしたい」と語っていた。 ▽FCソウルはACL初戦で上海上港に0-1で敗れているため、ファン・ソンホン監督は目標を3月4日に開幕するKリーグに切り替えたのか。そのためにデヤン・ダムヤノビッチやマウリーニョといったストライカーをベンチに温存したのか。真相は不明だが、これだけ覇気の感じられない韓国勢を目の当たりにすると、逆に気がかりになってしまう。唯一の救いは、元代表のパク・チュヨンがFKから鮮やかな一撃を決めて健在をアピールしたことだった。 ▽浦和の次節の相手は勝点6で並び、得失点差で2位につける上海上港だ。ブラジル代表MFオスカルとFWフッキを擁する難敵だ。3月15日と4月11日に行われる頂上対決が楽しみだが、グループFはこの2強が飛び抜けているため、2試合ともドローに終わる可能性も否定できない。それともペトロヴィッチ監督は、攻撃的なサッカーで勝利を目指すのか。指揮官の采配にも注目が集まる一戦だ。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.03.02 17:50 Thu
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【六川亨の日本サッカー見聞録】今シーズンの判定基準で難しいのはホールディングの判断

▽日本サッカー協会(JFA)は、毎年恒例となっているレフェリング・カンファレンスを2月22日にJFAハウスで開催した。これは、新シーズンのレフェリング基準をJ1からJ3までの54クラブとJFL16クラブに伝えた後にメディアへも公開してきた。 ▽昨シーズンの傾向として、ラフプレーによるイエローカードが増えたこと、昨年夏に導入されたPKの際に、守備側がボールへのアタックから反則を犯した場合は、これまではレッドカードだったのがイエローカードに変更されたものの、GKは認識していたがフィールドプレーヤーは認識が不十分な選手がいたこと、ヘディングの際に手を使う選手が増えたので今シーズンは注意した、とのことだった。ヘディングの際は両手を上げてジャンプしがちだが、フリーの時は手を上げてもいいが、競り合いなどで手を上げて相手の顔と接触した場合は反則を取るということだった。 ▽ジャッジで難しいのが、CKやFK時のホールディングだ。守備側がホールディングで攻撃側の選手を倒せばPKで、ボールのないところでのプレーならカードは出さず、ボールのあるところでの反則にはイエローカードというのがこれまでの解釈だった。ところが昨シーズンは、反則を受けた攻撃側の選手が、守備側の選手のホールディングを利用して、相手の手をつかんだまま倒れてPKをもらうといったプレーが増えたこと。上川副委員長は「大事なのはどちらが先にホールドしたか」と判定基準を話していたが、密集地帯での瞬時の判断はかなり難しいだろう。 ▽そして新シーズンの新たな取り組みとして、試合後にクラブ関係者(実行委員か強化担当者)と審判アセッサー(審判のレフェリングを評価する人)で意見交換をする。クラブによるレフェリングに関するフィードバック・レポート(クラブから見た評価)の提出。メディア関係者へのレフェリング説明会の頻度を上げ、定期的に開催しオープンに伝えて相互理解を図る、ことなどを実施することになった。 ▽クラブ関係者と審判アセッサーではなく、主審と両チームの監督が直接話し合った方が、より具体的な話ができるのではと上川副委員長に質問したところ、「それでは生々しすぎて話し合いにはならないかも」と危惧していた。残念ながらこの話し合いはメディアには公表しないとのこと。 ▽カンファレンスでは昨シーズンの試合中のプレーをピックアップし、イエローカードかレッドカードかの判断基準なども解説していた。こちらは「激しいプレーを続けて行こう。Jリーグを変えて行こう。メディア、サポーターも含めて変えて行こう。基準を共有したい(原Jリーグ副チェアマン)」ということで、JリーグのHPでも『2017シーズン競技規則スタンダード映像』として公開されている。興味のある方はHPでチェックして下さい。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.02.24 11:00 Fri
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