【セリエA開幕節プレビュー】ユーベvsヴィオラの好カード開催、ミランはミハイロビッチ・トリノと初戦

▽昨季ユベントスの5連覇で幕を閉じたセリエAの2016-17シーズンが20日に開幕する。前人未到のセリエA6連覇を目指す王者ユベントスは、初戦で昨季5位のフィオレンティーナをホームに迎える。4度のセリエA優勝に大きく尽力したMFポグバがマンチェスター・ユナイテッドへ復帰してしまったが、優勝を争うライバルのナポリからFWイグアインを、ローマからMFピャニッチを強奪する荒業を敢行しており、昨季以上に優勝の大本命であることに変わりはない。コパ・アメリカを戦っていたイグアインの体重オーバーが懸念されるが、リオ五輪参加を回避したFWディバラのコンディションは上々で、開幕戦からの爆発に期待が懸かる。▽そのユベントスに対するフィオレンティーナはパウロ・ソウザ体制2季目で成熟を図る。即戦力を補強できておらず、プレシーズンでも結果が出ていない点が気がかりだが、現有戦力にはFWカリニッチやFWロッシ、MFイリチッチと好タレントが揃う。主軸のMFボルハ・バレロがコンディション不良により欠場が濃厚だが、エンジンのかかりきっていない王者の隙を突きたいところだ。
▽ここ3シーズン、不遇のシーズンを送っているミランは開幕戦で昨季の指揮官ミハイロビッチ監督率いるトリノとホームで対戦する。モンテッラ新監督を迎えたミランはセリエB得点王のラパドゥーラ以外に目立った新戦力を獲得できていない。とはいえ、フィオレンティーナでポゼッションサッカーを確立したモンテッラ監督の手腕を持ってすれば、名門復活の可能性も例年よりは期待できそうだ。スソとのポジション争いで遅れを取っているMF本田にとっても相性の良さそうな指揮官だけに、開幕戦をレギュラー奪取の足掛かりとしたい。

▽対するトリノは昨季ミランを率いていたミハイロビッチ監督が指揮する。そのミハイロビッチ監督は志半ばでミランを解任された悔しさを晴らそうと意気込んでいるはずだ。トリノは守備の要となっていたグリクと快速のSBブルーノ・ペレスが引き抜かれたが、セルビア代表監督時代に師弟関係にあったFWリャイッチと、ローマFWファルケを獲得し、攻撃面での多様性が増している。守備に不安を抱えるミランを彼らが突ければ、ミハイロビッチ監督が古巣に一泡吹かせることも十分に可能なはずだ。

▽その他、CLプレーオフでポルトに敵地で1-1と引き分けて本選出場に一歩近づいたローマは、ウディネーゼとのホーム戦で開幕を迎える。イアキーニ新監督の下で新シーズンをスタートさせるウディネーゼは、リーガで存在感を示したMFペニャランダとMFデ・パウルといったアタッカーを補強。重鎮のFWディ・ナターレが引退した中、両者の攻撃センスが鍵を握る。そのウディネーゼに対し、ローマはコンディション面で不利となる。ポルト戦では前半終盤にDFヴェルメーレンの退場によって長時間数的不利の状況での戦いを強いられた。うまく選手をローテーションすることで開幕戦を制すことができるか。▽開幕2週間前にマンチーニ監督の解任に踏み切り、F・デ・ブール新監督を迎えたインテルは、キエーボとのアウェイ戦で開幕する。昨季は堅守をベースに前半戦をリードしたインテルだったが、攻撃面でのクオリティ不足が顕著となり、後半戦に失速した。その課題を払拭するべく、パサーのMFバネガと、サイドアタッカーのMFカンドレーバを獲得。ピンポイントに的確な補強を行った中、カウンター狙いに徹するキエーボを崩しきることができるか。プレシーズンマッチでコンスタントに先発出場しているDF長友のスタメン出場にも期待だ。