【欧州日本人選手総括&採点】最高は岡崎の90点!
2016.05.27 12:00 Fri
★岡崎慎司[レスター・シティ]
FAカップ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:1
キャピタルワンカップ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 90点
◆プレミア優勝の偉業達成に貢献
▽4年半を過ごしたドイツを離れ、イングランドに活躍の場を移した岡崎。そこで岡崎は歴史に名を残す偉業を成し遂げた。目に見える結果としては5ゴールと振るわなかったものの、残留争いを強いられるかと思われたチームの奇跡の初優勝に大きく貢献。献身的な前線からのプレスを筆頭に、相棒ヴァーディとのカウンターアタックでピッチを縦横無尽に駆け回り、後半半ばに交代を告げられるまでハードにプレーし続けた。
▽シーズン半ばにレギュラー落ちする苦境に陥りはしたが、第21節からスタメンに返り咲くと、その後はライバルのウジョアに先発の座を譲らなかった。そんな岡崎のハイライトはニューカッスル戦での豪快なバイシクルシュートによるゴール。チームを勝利に導き、優勝経験のないチームに、終盤戦に向けて多大なる勢いをもたらした。
★吉田麻也[サウサンプトン]
プレミアリーグ出場試合数:20(先発:10)ゴール数:1
FAカップ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
キャピタルワンカップ出場試合数:2(先発:1)ゴール数:1
採点: 20点
◆レギュラー獲りならず
▽サウサンプトンでの4シーズン目となった今季、レギュラー獲りのチャンスだったが先発は10試合に留まり、生かすことはできなかった。守備の要だったアルデルヴァイレルトが移籍したことでフォンテの相棒役に名乗り出たかったところだが、シーズン序盤に得たチャンスを自らのミスでフイにし、セルティックから加入したオランダ代表DFファン・ダイクの前にベンチを温める日々が続いた。チームはクーマン監督の下で7位と安定感ある戦いを見せたが、吉田にとっては厳しい現実を突きつけられるシーズンとなった。
★本田圭祐[ミラン]
コッパ・イタリア出場試合数:7(先発:6)ゴール数:1
採点: 30点
◆チームの混迷に翻弄
▽ミランでの3シーズン目を迎えた本田だったが、今季も混迷を極めるチームの中で思うようなシーズンを送ることはできなかった。ミハイロビッチ新監督の下でスタートした新シーズン、前半戦は出場機会を得られず苦境が続いた。クラブ批判も展開したが、2015年最終戦のフロジノーネ戦でアシストをマークしたことがキッカケで、後半戦に入ってスタメンの座を奪取した。
▽持ち前のキープ力で周囲を生かすプレーがミハイロビッチ監督に評価されると、第21節インテルとのダービーマッチでは先制点をアシスト。続く第25節ジェノア戦ではミドルシュートを決め、今季初ゴールをマークした。しかし、チームを牽引するほどのプレーは見せられず、第32節ユベントス戦の敗戦を受けてミハイロビッチ監督が解任された。ブロッキ新監督を招へいしたチームは、更なる混迷を極めてセリエAでは7位と奮わず、コッパ・イタリア決勝ではユベントスの前に延長戦の末に敗れ、3季連続で欧州カップ戦出場を逃している。
コッパ・イタリア出場試合数:4(先発:4)ゴール数:0
採点: 30点
◆逆境跳ね除けスタメン返り咲き
▽インテルでの6シーズン目を迎え、チーム最古参となった長友は見事に逆境を跳ね除けた。開幕前は移籍の噂が報じられ、ほぼ戦力外のような扱いを受けていた。しかし、腐ることなく我慢してチャンスを窺っていた中、第9節パレルモ戦を転機とした。今季初先発となった試合で長友は、持ち前の運動量を駆使して攻守に活躍。マンチーニ監督の迷采配もあって時折ベンチスタートとなることはあったが、シーズン後半戦はレギュラーとしてのプレーが続いた。チームも4位とまずまずの成績を収め、4月には3年の契約延長を勝ち取った。何度も逆境を跳ね除けてきた男が、今季も持ち前のメンタルの強さで苦境を脱して見せた。
★香川真司[ドルトムント]
EL出場試合数:7(先発:5)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:4(先発:2)ゴール数:1
採点: 80点
◆完全復活
▽ドルトムント復帰2シーズン目、トゥヘル新監督の下で香川が復活を果たした。4ゴール7アシストをマークした順風満帆のシーズン前半戦を終え、ウインターブレイク明け後にカストロとのポジション争いに敗れてレギュラー落ちする時期こそあったものの、第26節マインツ戦でゴールを決める活躍を見せて以降はレギュラーの座を明け渡さなかった。
▽2桁ゴールにこそ届かなったが、複数のシステムを採用するトゥヘル監督の下、戦術理解度の高さを示し、9ゴール10アシストと結果を残した。とりわけ、シャルケとのレヴィア・ダービーでは2戦連発ゴールを決めるなど、自身の価値を取り戻したシーズンとなった。
★武藤嘉紀[マインツ]
ブンデスリーガ出場試合数:20(先発:18)ゴール数:7
DFBポカール出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 60点
◆岡崎の穴を埋めるも後半戦はケガに泣く
▽欧州初挑戦となった武藤はシーズン前半戦だけで7ゴール4アシストと活躍。マリとのM&Mコンビで岡崎の抜けた穴を埋める働きを見せたが、2月に右ヒザの外側側副じん帯を損傷。4月に復帰する予定だったが、再度右ヒザを痛めて欧州移籍初年度のシーズンは悔しい幕切れとなった。
★原口元気[ヘルタ・ベルリン]
ブンデスリーガ出場試合数:32(先発:28)ゴール数:2
DFBポカール出場試合数:5(先発:4)ゴール数:1
採点: 70点
◆レギュラー奪取でCL出場権争いを経験
▽ヘルタ・ベルリンでの2シーズン目となった今季はレギュラーに定着した。昨季残留争いに巻き込まれたチームを、CL出場権を争えるまでに押し上げる一翼を担った。得意とする左ウイングのポジションに留まらず、右ウイングでも攻守にハードワークを欠かさず、プレーの幅を広げた。守備に追われる状況が多く、なかなかゴール前へ絡めないことから2点に留まったが、得点以上の貢献を果たしていた。
★長谷部誠[フランクフルト]
ブンデスリーガ出場試合数:32(先発:31)ゴール数:1
ブンデスリーガ昇格・降格プレーオフ出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
採点: 50点
◆ボランチで残留に貢献
▽フランクフルトでの2シーズン目となった今季、フェー新監督の下で長谷部は本職の中盤ではなく、主に右サイドバックを務めた。そつなくこなしてはいたものの、戦術が不明確な指揮官の下でチームは低迷。しかし、3月に就任したニコ・コバチ監督の下で本職ボランチでの起用が増えると、シーズン終盤に存在感を見せつけた。第32節ダルムシュタット戦でミドル弾を叩き込むと、続くドルトムント戦で決勝アシストをマーク。チームは残留を懸けたプレーオフに回ったが、古巣のニュルンベルクに競り勝ち、チームを残留に導く働きを見せた。
★清武弘嗣[ハノーファー]
ブンデスリーガ出場試合数:21(先発:20)ゴール数:5(PK2)
DFBポカール出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 50点
◆2度の右足中足骨骨折で降格
▽ハノーファーでの2シーズン目を迎えた清武は2度にわたる右足中足骨の骨折により、チームを降格の危機から救えなかった。昨年6月に骨折した右足中足骨の負傷で出遅れた清武は、第4節から復帰。低調なチームの中で孤軍奮闘し、3ゴール4アシストをマークした。しかし、11月の代表合流中にまたも右足中足骨を骨折し、その後のチームは低空飛行を続けた。結局、第22節に復帰して以降、先発で出場し続けてゴールに絡むプレーを見せたものの起爆剤にはなりえず、自身2度目となる降格の憂き目にあった。
★酒井宏樹[ハノーファー]
ブンデスリーガ出場試合数:26(先発:25)ゴール数:1
DFBポカール出場試合数:2(先発:0)ゴール数:0
採点: 40点
◆定位置譲らずもパフォーマンスは低調
▽ハノーファーでの4シーズン目を迎えた今季も酒井宏は定位置の右サイドバックを譲らなかった。フロンツェック監督、シャーフ監督の信頼を受け、レギュラーとしてプレーし続けた。しかし、低調なチームに引きずられるように失点に絡むプレーも散見され、攻撃参加という自身の特長を発揮するには至らなかった。降格目前のインゴルシュタット戦で豪快なゴールを決めたが、時すでに遅しだった。
★山口蛍[ハノーファー]
ブンデスリーガ出場試合数:6(先発:6)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:0
採点: 10点
◆迷采配に翻弄され救世主になれず
▽1月にC大阪から清武と酒井宏の所属するハノーファーへ移籍した山口。しかし、自身初の海外挑戦先として選択したハノーファーは混迷を極めており、山口にとっては実力を発揮できるような環境ではなかった。シャーフ監督は山口をサイドやトップ下で起用するなど特長を把握しておらず、山口もピッチ上で戸惑いを隠せなかった。結局、3月の代表戦で顔面を骨折した山口はそのまま戦線離脱。チームを降格の危機から救う救世主にはなれなかった。
★酒井高徳[ハンブルガーSV]
ブンデスリーガ出場試合数:22(先発:21)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0
採点: 40点
◆終わって見ればレギュラー奪取
▽3シーズンを過ごしたシュツットガルトを離れ、かつての恩師であるラッバディア監督の就任したハンブルガーSVへ移籍した酒井高。シーズン序盤はベンチ入りこそしていたものの、出場機会を全く得られない厳しい状況が続いたが、第12節ダルムシュタット戦で右サイドバックとして初先発のチャンスを掴むと、そこから6試合連続スタメン起用となった。失点に直結するミスが散見されることもあったが、左右両足を使える利点を生かし、終わって見れば、危なげなく残留したチームの中でサイドバックのレギュラーの座を奪取していた。
★大迫勇也[ケルン]
ブンデスリーガ出場試合数:25(先発:24)ゴール数:1
DFBポカール出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
採点: 20点
◆ストライカー失格
▽ケルンでの2シーズン目を迎えた大迫は期待に応えることができなかった。中盤で起用された影響もあったが、奪ったゴールは1点のみ。ホームのファンからブーイングを浴びるなど、厳しいシーズンを送った。幸いチームは残留争いに巻き込まれなかったが、大迫としては不完全燃焼なシーズンとなった。
★内田篤人[シャルケ]
ブンデスリーガ出場試合数:0
EL出場試合数:0
DFBポカール出場試合数:0
採点:-点
◆膝蓋腱の治療で全休
▽シャルケでの6シーズン目を迎えた今季、昨季痛めていた右ヒザ膝蓋腱の手術をシーズン開幕前に行った内田だったが、結果的に前半戦を棒に振る結果となった。後半戦からの出場が期待されていたが復帰には至らず、今季もケガに悩まされたシーズンとなった。
★乾貴士[エイバル]
リーガエスパニョーラ出場試合数:27(先発:18)ゴール数:3
コパ・デル・レイ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 65点
◆念願のリーガで活躍
▽3シーズンを過ごしたフランクフルトを離れ、本人の念願だったリーガエスパニョーラへ活躍の舞台を移した乾。シーズン前半戦はゴールを奪えず先発でのプレー機会が限られていたが、シーズン後半戦2戦目のエスパニョール戦でリーガ初ゴールをマークすると、続くグラナダ戦でもゴール。その後も得点に絡むプレーを見せ、3ゴール3アシストをマークして左サイドのポジションを掴み、残留争いを強いられるかと思われたチームを、一時はヨーロッパカップ戦出場権を争うまでに押し上げた。結果的にシーズン後半に失速して13位に終わったが、乾にとっては手応えのあったリーガデビューシーズンとなったはずだ。
★ハーフナー・マイク[フィテッセ]
エールディビジ出場試合数:31(先発:31)ゴール数:16
KNVBカップ出場試合数:0
採点:75点
◆主要欧州リーグ日本人最多ゴール記録を更新
▽今季復帰したオランダで完全復活を遂げたハーフナー。前半戦の終盤に肋骨の骨折で離脱したが、復帰後は8ゴールを挙げる活躍を披露。3月には1年5カ月ぶりに日本代表にも復帰するなど、順風満帆なシーズンを送った。
★太田宏介[フィテッセ]
エールディビジ出場試合数:16(先発:15)
KNVBカップ出場試合数:0
採点: 60点
◆コンスタントな出場で来季へアピール
▽冬の移籍市場でオランダのフィテッセに加入した太田。リーグ後半戦の初戦となった第18節のカンブール戦にオランダデビューを飾ると、第23節のヘーレンフェーン戦では初アシストを記録。その後もコンスタントな出場機会を得た太田は、後半戦の17試合で15試合に先発するなど、ロブ・マース監督の信頼を勝ち取った。
★久保裕也[ヤングボーイズ]
スイスリーグ出場試合数:29(先発:-)ゴール数:9
CL予選出場試合数:2(先発:2)
EL予選出場試合数:2(先発:2)
スイスカップ出場試合数:3(先発:3)ゴール数:2
採点: 65点
◆過去最高のシーズン
▽ヤングボーイズで3シーズン目を迎えた久保は、シーズン序盤からスタメンに定着。シーズン途中に就任したヒュッター新監督の信頼を勝ち取ることに成功し、リーグ戦29試合に出場して9ゴールと過去最高のシーズンを過ごした。U-23代表においても最終予選で活躍してリオ五輪に導き、更なる覚醒が期待される。
★南野拓実[ザルツブルク]
オーストリアリーグ出場試合:32(先発:22)ゴール数:10
CL予選出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
EL予選出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
スイスカップ出場試合数:3(先発:3)ゴール数:2
採点: 65点
◆プロ初の2桁ゴールを記録
▽今季も両サイドハーフを器用にこなしたことで、レギュラーをキープした南野。プレー面でもプロとして初のリーグ戦2桁ゴールを達成するなどリーグ連覇に大きく貢献。8月にはリオ五輪を控えており、日本代表のエースとして飛躍に期待したい。
★小野裕二[シント・トロイデン]
ベルギーリーグ出場試合数:22(先発:19)ゴール数:0
ベルギーリーグ・PO出場試合数:4(先発:0)ゴール数:0
ベルギーカップ出場試合数:0
採点: 15点
◆後半戦はケガに苦しむ
▽昨夏の移籍市場で昇格組のシント・トロイデンに加入した小野。前半戦はトップ下を主戦場にリーグ戦20試合に出場するなど、順風満帆なシーズン前半戦を送っていた。ところが、シーズン後半戦は度重なる太もも裏のケガで長期のリハビリ生活を送ることになった。
Getty Images
プレミアリーグ出場試合数:36(先発:28)ゴール数:5FAカップ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:1
キャピタルワンカップ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 90点
◆プレミア優勝の偉業達成に貢献
▽4年半を過ごしたドイツを離れ、イングランドに活躍の場を移した岡崎。そこで岡崎は歴史に名を残す偉業を成し遂げた。目に見える結果としては5ゴールと振るわなかったものの、残留争いを強いられるかと思われたチームの奇跡の初優勝に大きく貢献。献身的な前線からのプレスを筆頭に、相棒ヴァーディとのカウンターアタックでピッチを縦横無尽に駆け回り、後半半ばに交代を告げられるまでハードにプレーし続けた。
▽シーズン半ばにレギュラー落ちする苦境に陥りはしたが、第21節からスタメンに返り咲くと、その後はライバルのウジョアに先発の座を譲らなかった。そんな岡崎のハイライトはニューカッスル戦での豪快なバイシクルシュートによるゴール。チームを勝利に導き、優勝経験のないチームに、終盤戦に向けて多大なる勢いをもたらした。
プレミアリーグ出場試合数:20(先発:10)ゴール数:1
FAカップ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
キャピタルワンカップ出場試合数:2(先発:1)ゴール数:1
採点: 20点
◆レギュラー獲りならず
▽サウサンプトンでの4シーズン目となった今季、レギュラー獲りのチャンスだったが先発は10試合に留まり、生かすことはできなかった。守備の要だったアルデルヴァイレルトが移籍したことでフォンテの相棒役に名乗り出たかったところだが、シーズン序盤に得たチャンスを自らのミスでフイにし、セルティックから加入したオランダ代表DFファン・ダイクの前にベンチを温める日々が続いた。チームはクーマン監督の下で7位と安定感ある戦いを見せたが、吉田にとっては厳しい現実を突きつけられるシーズンとなった。
★本田圭祐[ミラン]
Getty Images
セリエA出場試合数:29(先発:22)ゴール数:1コッパ・イタリア出場試合数:7(先発:6)ゴール数:1
採点: 30点
◆チームの混迷に翻弄
▽ミランでの3シーズン目を迎えた本田だったが、今季も混迷を極めるチームの中で思うようなシーズンを送ることはできなかった。ミハイロビッチ新監督の下でスタートした新シーズン、前半戦は出場機会を得られず苦境が続いた。クラブ批判も展開したが、2015年最終戦のフロジノーネ戦でアシストをマークしたことがキッカケで、後半戦に入ってスタメンの座を奪取した。
▽持ち前のキープ力で周囲を生かすプレーがミハイロビッチ監督に評価されると、第21節インテルとのダービーマッチでは先制点をアシスト。続く第25節ジェノア戦ではミドルシュートを決め、今季初ゴールをマークした。しかし、チームを牽引するほどのプレーは見せられず、第32節ユベントス戦の敗戦を受けてミハイロビッチ監督が解任された。ブロッキ新監督を招へいしたチームは、更なる混迷を極めてセリエAでは7位と奮わず、コッパ・イタリア決勝ではユベントスの前に延長戦の末に敗れ、3季連続で欧州カップ戦出場を逃している。
★長友佑都[インテル]
Getty Images
セリエA出場試合数:22(先発:19)ゴール数:0コッパ・イタリア出場試合数:4(先発:4)ゴール数:0
採点: 30点
◆逆境跳ね除けスタメン返り咲き
▽インテルでの6シーズン目を迎え、チーム最古参となった長友は見事に逆境を跳ね除けた。開幕前は移籍の噂が報じられ、ほぼ戦力外のような扱いを受けていた。しかし、腐ることなく我慢してチャンスを窺っていた中、第9節パレルモ戦を転機とした。今季初先発となった試合で長友は、持ち前の運動量を駆使して攻守に活躍。マンチーニ監督の迷采配もあって時折ベンチスタートとなることはあったが、シーズン後半戦はレギュラーとしてのプレーが続いた。チームも4位とまずまずの成績を収め、4月には3年の契約延長を勝ち取った。何度も逆境を跳ね除けてきた男が、今季も持ち前のメンタルの強さで苦境を脱して見せた。
★香川真司[ドルトムント]
Getty Images
ブンデスリーガ出場試合数:29(先発:26)ゴール数:9EL出場試合数:7(先発:5)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:4(先発:2)ゴール数:1
採点: 80点
◆完全復活
▽ドルトムント復帰2シーズン目、トゥヘル新監督の下で香川が復活を果たした。4ゴール7アシストをマークした順風満帆のシーズン前半戦を終え、ウインターブレイク明け後にカストロとのポジション争いに敗れてレギュラー落ちする時期こそあったものの、第26節マインツ戦でゴールを決める活躍を見せて以降はレギュラーの座を明け渡さなかった。
▽2桁ゴールにこそ届かなったが、複数のシステムを採用するトゥヘル監督の下、戦術理解度の高さを示し、9ゴール10アシストと結果を残した。とりわけ、シャルケとのレヴィア・ダービーでは2戦連発ゴールを決めるなど、自身の価値を取り戻したシーズンとなった。
★武藤嘉紀[マインツ]
ブンデスリーガ出場試合数:20(先発:18)ゴール数:7
DFBポカール出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 60点
◆岡崎の穴を埋めるも後半戦はケガに泣く
▽欧州初挑戦となった武藤はシーズン前半戦だけで7ゴール4アシストと活躍。マリとのM&Mコンビで岡崎の抜けた穴を埋める働きを見せたが、2月に右ヒザの外側側副じん帯を損傷。4月に復帰する予定だったが、再度右ヒザを痛めて欧州移籍初年度のシーズンは悔しい幕切れとなった。
★原口元気[ヘルタ・ベルリン]
ブンデスリーガ出場試合数:32(先発:28)ゴール数:2
DFBポカール出場試合数:5(先発:4)ゴール数:1
採点: 70点
◆レギュラー奪取でCL出場権争いを経験
▽ヘルタ・ベルリンでの2シーズン目となった今季はレギュラーに定着した。昨季残留争いに巻き込まれたチームを、CL出場権を争えるまでに押し上げる一翼を担った。得意とする左ウイングのポジションに留まらず、右ウイングでも攻守にハードワークを欠かさず、プレーの幅を広げた。守備に追われる状況が多く、なかなかゴール前へ絡めないことから2点に留まったが、得点以上の貢献を果たしていた。
★長谷部誠[フランクフルト]
ブンデスリーガ出場試合数:32(先発:31)ゴール数:1
ブンデスリーガ昇格・降格プレーオフ出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
採点: 50点
◆ボランチで残留に貢献
▽フランクフルトでの2シーズン目となった今季、フェー新監督の下で長谷部は本職の中盤ではなく、主に右サイドバックを務めた。そつなくこなしてはいたものの、戦術が不明確な指揮官の下でチームは低迷。しかし、3月に就任したニコ・コバチ監督の下で本職ボランチでの起用が増えると、シーズン終盤に存在感を見せつけた。第32節ダルムシュタット戦でミドル弾を叩き込むと、続くドルトムント戦で決勝アシストをマーク。チームは残留を懸けたプレーオフに回ったが、古巣のニュルンベルクに競り勝ち、チームを残留に導く働きを見せた。
★清武弘嗣[ハノーファー]
ブンデスリーガ出場試合数:21(先発:20)ゴール数:5(PK2)
DFBポカール出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 50点
◆2度の右足中足骨骨折で降格
▽ハノーファーでの2シーズン目を迎えた清武は2度にわたる右足中足骨の骨折により、チームを降格の危機から救えなかった。昨年6月に骨折した右足中足骨の負傷で出遅れた清武は、第4節から復帰。低調なチームの中で孤軍奮闘し、3ゴール4アシストをマークした。しかし、11月の代表合流中にまたも右足中足骨を骨折し、その後のチームは低空飛行を続けた。結局、第22節に復帰して以降、先発で出場し続けてゴールに絡むプレーを見せたものの起爆剤にはなりえず、自身2度目となる降格の憂き目にあった。
★酒井宏樹[ハノーファー]
ブンデスリーガ出場試合数:26(先発:25)ゴール数:1
DFBポカール出場試合数:2(先発:0)ゴール数:0
採点: 40点
◆定位置譲らずもパフォーマンスは低調
▽ハノーファーでの4シーズン目を迎えた今季も酒井宏は定位置の右サイドバックを譲らなかった。フロンツェック監督、シャーフ監督の信頼を受け、レギュラーとしてプレーし続けた。しかし、低調なチームに引きずられるように失点に絡むプレーも散見され、攻撃参加という自身の特長を発揮するには至らなかった。降格目前のインゴルシュタット戦で豪快なゴールを決めたが、時すでに遅しだった。
★山口蛍[ハノーファー]
ブンデスリーガ出場試合数:6(先発:6)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:0
採点: 10点
◆迷采配に翻弄され救世主になれず
▽1月にC大阪から清武と酒井宏の所属するハノーファーへ移籍した山口。しかし、自身初の海外挑戦先として選択したハノーファーは混迷を極めており、山口にとっては実力を発揮できるような環境ではなかった。シャーフ監督は山口をサイドやトップ下で起用するなど特長を把握しておらず、山口もピッチ上で戸惑いを隠せなかった。結局、3月の代表戦で顔面を骨折した山口はそのまま戦線離脱。チームを降格の危機から救う救世主にはなれなかった。
★酒井高徳[ハンブルガーSV]
ブンデスリーガ出場試合数:22(先発:21)ゴール数:0
DFBポカール出場試合数:1(先発:1)ゴール数:0
採点: 40点
◆終わって見ればレギュラー奪取
▽3シーズンを過ごしたシュツットガルトを離れ、かつての恩師であるラッバディア監督の就任したハンブルガーSVへ移籍した酒井高。シーズン序盤はベンチ入りこそしていたものの、出場機会を全く得られない厳しい状況が続いたが、第12節ダルムシュタット戦で右サイドバックとして初先発のチャンスを掴むと、そこから6試合連続スタメン起用となった。失点に直結するミスが散見されることもあったが、左右両足を使える利点を生かし、終わって見れば、危なげなく残留したチームの中でサイドバックのレギュラーの座を奪取していた。
★大迫勇也[ケルン]
ブンデスリーガ出場試合数:25(先発:24)ゴール数:1
DFBポカール出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
採点: 20点
◆ストライカー失格
▽ケルンでの2シーズン目を迎えた大迫は期待に応えることができなかった。中盤で起用された影響もあったが、奪ったゴールは1点のみ。ホームのファンからブーイングを浴びるなど、厳しいシーズンを送った。幸いチームは残留争いに巻き込まれなかったが、大迫としては不完全燃焼なシーズンとなった。
★内田篤人[シャルケ]
ブンデスリーガ出場試合数:0
EL出場試合数:0
DFBポカール出場試合数:0
採点:-点
◆膝蓋腱の治療で全休
▽シャルケでの6シーズン目を迎えた今季、昨季痛めていた右ヒザ膝蓋腱の手術をシーズン開幕前に行った内田だったが、結果的に前半戦を棒に振る結果となった。後半戦からの出場が期待されていたが復帰には至らず、今季もケガに悩まされたシーズンとなった。
★乾貴士[エイバル]
リーガエスパニョーラ出場試合数:27(先発:18)ゴール数:3
コパ・デル・レイ出場試合数:1(先発:0)ゴール数:0
採点: 65点
◆念願のリーガで活躍
▽3シーズンを過ごしたフランクフルトを離れ、本人の念願だったリーガエスパニョーラへ活躍の舞台を移した乾。シーズン前半戦はゴールを奪えず先発でのプレー機会が限られていたが、シーズン後半戦2戦目のエスパニョール戦でリーガ初ゴールをマークすると、続くグラナダ戦でもゴール。その後も得点に絡むプレーを見せ、3ゴール3アシストをマークして左サイドのポジションを掴み、残留争いを強いられるかと思われたチームを、一時はヨーロッパカップ戦出場権を争うまでに押し上げた。結果的にシーズン後半に失速して13位に終わったが、乾にとっては手応えのあったリーガデビューシーズンとなったはずだ。
★ハーフナー・マイク[フィテッセ]
エールディビジ出場試合数:31(先発:31)ゴール数:16
KNVBカップ出場試合数:0
採点:75点
◆主要欧州リーグ日本人最多ゴール記録を更新
▽今季復帰したオランダで完全復活を遂げたハーフナー。前半戦の終盤に肋骨の骨折で離脱したが、復帰後は8ゴールを挙げる活躍を披露。3月には1年5カ月ぶりに日本代表にも復帰するなど、順風満帆なシーズンを送った。
★太田宏介[フィテッセ]
エールディビジ出場試合数:16(先発:15)
KNVBカップ出場試合数:0
採点: 60点
◆コンスタントな出場で来季へアピール
▽冬の移籍市場でオランダのフィテッセに加入した太田。リーグ後半戦の初戦となった第18節のカンブール戦にオランダデビューを飾ると、第23節のヘーレンフェーン戦では初アシストを記録。その後もコンスタントな出場機会を得た太田は、後半戦の17試合で15試合に先発するなど、ロブ・マース監督の信頼を勝ち取った。
★久保裕也[ヤングボーイズ]
スイスリーグ出場試合数:29(先発:-)ゴール数:9
CL予選出場試合数:2(先発:2)
EL予選出場試合数:2(先発:2)
スイスカップ出場試合数:3(先発:3)ゴール数:2
採点: 65点
◆過去最高のシーズン
▽ヤングボーイズで3シーズン目を迎えた久保は、シーズン序盤からスタメンに定着。シーズン途中に就任したヒュッター新監督の信頼を勝ち取ることに成功し、リーグ戦29試合に出場して9ゴールと過去最高のシーズンを過ごした。U-23代表においても最終予選で活躍してリオ五輪に導き、更なる覚醒が期待される。
★南野拓実[ザルツブルク]
オーストリアリーグ出場試合:32(先発:22)ゴール数:10
CL予選出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
EL予選出場試合数:2(先発:2)ゴール数:0
スイスカップ出場試合数:3(先発:3)ゴール数:2
採点: 65点
◆プロ初の2桁ゴールを記録
▽今季も両サイドハーフを器用にこなしたことで、レギュラーをキープした南野。プレー面でもプロとして初のリーグ戦2桁ゴールを達成するなどリーグ連覇に大きく貢献。8月にはリオ五輪を控えており、日本代表のエースとして飛躍に期待したい。
★小野裕二[シント・トロイデン]
ベルギーリーグ出場試合数:22(先発:19)ゴール数:0
ベルギーリーグ・PO出場試合数:4(先発:0)ゴール数:0
ベルギーカップ出場試合数:0
採点: 15点
◆後半戦はケガに苦しむ
▽昨夏の移籍市場で昇格組のシント・トロイデンに加入した小野。前半戦はトップ下を主戦場にリーグ戦20試合に出場するなど、順風満帆なシーズン前半戦を送っていた。ところが、シーズン後半戦は度重なる太もも裏のケガで長期のリハビリ生活を送ることになった。
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