【質疑応答】選手選考についてあかす高倉監督「宮間は構想に入っている」《国際親善試合》

2016.05.20 17:25 Fri
©超ワールドサッカー
▽日本サッカー協会(JFA)は20日、6月に行うアメリカ遠征に臨むなでしこジャパンメンバー20名を発表した。

▽会見に出席したなでしこジャパンを率いる高倉麻子監督は、質疑応答でベテラン選手たちを招集しなかった理由や新戦力の評価しているポイント。さらに10番を背負うことになった阪口夢穂や9番になった大儀見優季について語った。
高倉麻子監督(なでしこジャパン)
――なでしこジャパンの指揮官としての初陣だが、アメリカ戦でチームとして見せたいところは
「選手を集めて、顔見て、いろいろ感じるだろうと思っています。ただ、なでしことしてこれまで引き継がれているチーム力、組織力、そして最後まで諦めずに戦うところは、新しい選手が入っても表現できるので出したいと思います。準備ができない中でも話をしながら、選手の良さや個性を思い切って出せるようなチームにできればと思っています」

――初招集となった佐々木選手、中里選手について
「佐々木選手については、先日行われたラ・マンガの国際大会で(U-23女子)代表に呼んでプレーを見ました。非常にテクニックがあり、頭が良く、戦術理解度が高くて状況判断が良い選手だと感じています。いろいろな局面を予測して、その局面を捌く能力が高い選手です。中里選手はリーグを見る中で、小柄ですが運動量がありますし、予測も優れています。中盤でこぼれ玉を拾って、前に出られて足を振れる強みがあります。小柄ですが体は強いですので、海外でどれだけ通用するか見てみたいなと思っています」

――就任されて今日まで何を感じて視察を行ってきたか
「シンプルにグランドでのパフォーマンスの良い選手は誰かという部分を見ていました。今まで、チームの中で出場し続けているが代表に呼ばれる機会がなかった選手が、どういうプレーをしているのか。何を考えてプレーしているのか。そこに注目して見ていました」
――数名のベテラン選手が招集されなかったが、そのことについて具体的に
「未来に向かっていく構想の中で、伸び代がある選手を選びました。宮間選手は選んだんですが、コンディションがインターナショナルマッチに出るレベルではないとのことです。辞退の話をもらって、話をして時間をおこうと。ただ、彼女は私の中では構想に入っています」

――今回のアメリカ戦に向けた具体的なプランは
「最近のアメリカと対戦した試合を映像で見たりしましたが、最初の10分、15分で相手は、パワーを生かしてたたみかけてくる傾向があります。そこは絶対に凌ぎたいなと。ワールドカップもああいう結果でしたが、FKやCK以外はやられている感覚はないです。うまくいなしながら自分たちのペースになるまで我慢して戦いたいと思っています」

「ただ、守ってばかりはいられないですし、今後の課題になるアタッキングサードに入った後、どうやって点とるか。そこをみんなで追及していきたいと思っています。個人の技術、コンビネーション、アイデアなどがありますので、選手の特徴を把握してそれを出していきたいなと。どうやって点を取るか、2試合あるが、その中で1つでも良い形が出せればと思っています」

――今回10番を背負うことになった阪口選手への評価は
「彼女は中盤の底で目立たない仕事をしてきました。澤の相棒としてプレーして、それほど名前が出ていないですが、代表では100試合に出ています。日本の中で、レベルを考えると最高峰のものを持っているので、より自覚を持って代表を引っ張って行って欲しいという思いがあり、10番にしました」

――2試合行うが、2試合のキャプテンは
「何人か考えていますが、向こうに行って選手と話をして決めたいと思います」

――大儀見選手を10番から変更した理由は
「ストライカーなので点を取るところにこだわりを持ってほしいということです。なので変えました。9番の仕事を任せたいということです」

――コロラドは高地でマラソン選手がトレーニングに訪れる地だと聞いているが、それによる難しさは。また、体を順応させる期間はあるか
「高地で1600mから1700mだと聞いています。選手もコロラドでプレーした選手が数名います。ただ、向こうに行って3日目にゲームですが、最初はトレーニングができず、順応させなければいけないということです。フィジカルトレーナーと相談はしますが、ほとんどぶっつけ本番で初戦を迎えなければいけないのかなと。2試合目に関しては、体が順応した中で戦えると思います。できる限りのことをするつもりです。酸素を持っていくや、睡眠も取りにくいと聞いているので、その辺もできる限りのことを対応していきたいと思います」

――宮間選手以外で選考について話をした選手、呼びたかったけと呼べなかった選手は
「ベテランと言われる選手の中で、選んだのは宮間選手だけでした。なので他の選手とは話をしていません」

――初陣ということだが、システム面で変更はあるのか
「アメリカに勝てる魔法のシステムがあれば良いのですが…(笑)誰か知っていたら教えてくれたら嬉しいですね。特に大きく変えることはなく、4-4-2や4-2-3-1といった慣れた形で入っていこうかと思っています。試合をやっていく中で、選手がやりやすいシステムがあれば、それに当てはめようかなと思います」

――下の年代でやってきた大部コーチや今までのフィジカルコーチである広瀬さんがスタッフとして選出されているが
「大部コーチに関しては、選手時代から長くやっていて、17、19、20の世代で一緒にやる中でバランスが良いと強く感じています。基本的には彼女が私のサポートをしていくことになります。他のスタッフに関しても、今年は暫定という形でお願いしているところです。その中で良いバランスを保てるのであればそのままかもしれませんし、いろいろな事情があるので動きはあると思います」

――今後の指導について
「サッカーの話をたくさんしたいですし、私や大部コーチがやりたいことを押しつけるのではなく、選手がグランドで何を感じ、何が良いと感じているのか。ある意味、選手が一番正しい場合もあります。そこを話して、戦い方やシステムに関しても柔軟に対応していきたいと思います。ただ、自分で決めたことがあれば、妥協せずに選手に伝えていきたいとも思っています」

――初選出5人の中で、佐々木選手や中里選手以外の他の3人について
「GKの池田選手は全体的な能力、資質が高く、精神的にも安定しています。フィードも非常に正確でそういう面で期待しています。高木選手は世代別で名前が入っていた選手です。性格的にはおとなしいですが、持っている能力は高い。技術もあり、局面での判断、読みが良いので、その辺を期待しています。ディフェンスでやると思いますが、中盤でもできます。千葉選手は、今まで世代別に名前なかった選手です。ただ、先日のラ・マンガで初めて呼んでプレーした選手です。身体能力が高く、技術もありメンタルも強い。どんなプレーするか楽しみにしています。上で十分やれると、トータルで非常に良いものを持っている選手です」

――初陣を迎えるにあたって、出身地である福島への思いは
「福島は、私が小さい頃にサッカーを始めた場所です。震災後に生活が戻っていなくて苦しんでいる方もいます。故郷で期待してくれる人もいますし、みんなが元気になって勇気を持てるような試合をチーム全員でやっていきたいと思います」
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