【ELプレビュー】ベスト8で実現した“クロップ・ダービー”《ドルトムントvsリバプール》
2016.04.07 07:00 Thu
▽ヨーロッパリーグ(EL)・準々決勝1stレグ、注目のドルトムントvsリバプールが7日の日本時間28:05にBVBスタディオン・ドルトムント(ジグナル・イドゥナ・パルク)で行われる。両者は過去にUEFA主催大会で3度対戦し、1勝1分け1敗という成績だ。
▽一方のリバプールは、宿敵のマンチェスター・ユナイテッドを下してベスト8に進出。現時点でプレミリーグでのトップ4入りが絶望的な状況であるため、ELを制覇することで来季のチャンピオンズリーグ出場権獲得を狙う。ゲーゲンプレスを含めてクロップ監督の戦術が浸透しつつある中、指揮官は「私の新しいチームにドルトムントを紹介できることがとても嬉しい」と語っており、愛するクラブとサポーターの前でクロップ・リバプールがどういった戦いを見せるのかは最大の注目ポイントだ。
◆クロップ凱旋
▽前述した通り、ドルトムントで一時代を築いたユルゲン・クロップ監督がジグナル・イドゥナ・パルクに帰還する。選手やサポーターに愛された指揮官は、多大なる歓迎を受けることになるはずだ。一方、相対するトゥヘル監督は、クロップ監督が指揮したマインツで指揮官としての評価を高め、クロップ監督の後任としてドルトムントを率いている。関係性の深い両指揮官は、2009-10シーズンから2013-14シーズンまで10試合対戦し、クロップ監督の7勝2分け1敗となっている。
GK:ヴァイデンフェラー
DF:ピシュチェク、パパスタソプーロス、フンメルス、シュメルツァー
MF:ムヒタリャン、ヴァイグル、カストロ
FW:ドゥルム、オーバメヤン、ロイス
負傷者:DFスボティッチ(血栓症)
出場停止者:なし
▽DFスボティッチは、血栓症により一足先に今シーズンが終了した。足の打撲により負傷離脱中のMFギュンドアンは、5日から練習に復帰。状態次第では出場もあり得るだろう。また、直近のブレーメン戦を欠場したDFフンメルス(休養)とDFパパスタソプーロス(胃腸炎)はプレーできる状態のようだ。システムは上記のように変則的な[4-3-3]と予想するが、変えてくる可能性も十分。パパスタソプーロスに代わってMFスベン・ベンダーが先発する可能性もある。MF香川がスタメンの場合は右インサイドハーフに入り、MFムヒタリャンがDFドゥルムの位置に回るだろう。
GK:ミニョレ
DF:クライン、ロブレン、サコー、A・モレーノ
MF:ヘンダーソン、カン
MF:ミルナー、ララナ、コウチーニョ
FW:スタリッジ
負傷者:DFジョー・ゴメス(ヒザ)、MFルーカス・レイバ(太もも)、MFロシター(ハムストリング)、FWベンテケ(ヒザ)、FWイングス(ヒザ)
出場停止者:なし
▽直近のトッテナム戦と同じ11人がスタメンに名を連ねると予想するが、復帰間近のMFフィルミノが遠征メンバーに入っており、出場する可能性もある。
★タクティカル・プレビュー
▽この試合最大の焦点は、クロップ監督のやり方を理解しているドルトムントと、同監督が相手選手の特性を知り尽くすリバプールがどうせめぎ合うかだろう。攻守の入れ替わりが激しくなるのは間違いないだろうが、チームのスタイル的にドルトムントがポゼッションを高め、リバプールがハイプレスとショートカウンターで応戦することになるはずだ。
◆スパーズ戦を踏襲するか、香川の使い所は?~ドルトムント~
▽ドルトムントは、トゥヘル監督が準備している戦い方に注目だ。単純に考えれば、ベスト16のトッテナム戦と同じやり方で十分だろう。しかし、奇策を用いる智将は、また異なる戦い方を用意しているかもしれない。ベスト32のポルト戦からトッテナム戦においても変えてきている。対戦相手を分析した上で、チームの良さを最大限に発揮できるような選手起用やシステムを用いるはずだ。
▽トッテナム戦のやり方を踏襲するのであれば、ドゥルムに右サイド全域をカバーさせる変則的な[4-3-3]となるだろう。ドゥルムの動きは右サイドをアップダウンすることに限定されており、常にボールの位置や攻守の場面に応じて適切なポジションを取ることが求められている。逆に左サイドは、ロイスが自由に動きながらシュメルツァーのオーバーラップを促し、守備時にはカストロが左サイドをケアして[4-4-2]のような布陣を取る。
▽一方、恩師のクロップ監督の前で成長した姿を示したい香川だが、ベンチスタートになるかもしれない。ただ、直近のブレーメン戦でゴールを挙げており、得点が欲しい状況になれば出場することになるはず。途中出場したブレーメン戦では右インサイドハーフのムヒタリャンを右ワイドに移し、香川が右インサイドハーフでプレー。攻撃時にはライン間でボールを受けて起点になろうとしていたが、守備時に適切なポジショニングを取ることなど戦術的かつ献身的な働きも求められている。再び定位置を奪い返すためにも、このビッグマッチで存在感を見せたい。
◆ジグナル・イドゥナ・パルクでゲーゲンプレス発揮へ~リバプール~
▽対するリバプールは、直近のトッテナム戦のようにハイプレスと攻守の切り替えの早さを徹底したい。相手のビルドアップに対して敵陣ではハイプレス、自陣では[4-4-2]の守備ブロックを作って対応するなど、状況に応じてプレスを機能させたいところだ。
▽ドルトムントはヴァイグルを起点にショートパスをつないでビルドアップを図るため、そのボールの出所を抑える準備はしているだろう。ただ、ヴァイグルもダイレクトや2タッチでシンプルにボールを捌いてプレスを回避しにかかるため、数人で囲んでもボールを奪えない可能性がある。リバプールとしては、いかにしてボールの奪い所を限定できるかが鍵となりそうだ。そうできなければ、後半以降に運動量の低下が避けられないだろう。
▽攻撃面ではボール奪取からのショートカウンターをどれだけ繰り出せられるか。スタリッジと2列目の3枚は機動力とテクニックを併せ持っており、特にコウチーニョは好調を継続している。また、クロップ監督はフンメルスなど相手守備陣のクセや弱点を把握しているはずであり、そういった部分を突く対策をしているのかどうかも注目だ。
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▽ベスト16でトッテナムと対峙したドルトムントは、1stレグと2ndレグの2試合を通じて現プレミア2位クラブを圧倒し、2戦合計スコアを5-1として8強入りを決めた。後半戦に入ってからはトゥヘル監督が選手起用やシステムに関して様々な戦術的アプローチを披露し、公式戦16試合で14勝2分け(引き分けた2試合はヘルタ・ベルリン戦とバイエルン戦)と好成績を収めている。近年におけるクラブの成功の立役者であるクロップ監督との初対戦だが、チームの進歩を恩師に披露したいところ。◆クロップ凱旋
▽前述した通り、ドルトムントで一時代を築いたユルゲン・クロップ監督がジグナル・イドゥナ・パルクに帰還する。選手やサポーターに愛された指揮官は、多大なる歓迎を受けることになるはずだ。一方、相対するトゥヘル監督は、クロップ監督が指揮したマインツで指揮官としての評価を高め、クロップ監督の後任としてドルトムントを率いている。関係性の深い両指揮官は、2009-10シーズンから2013-14シーズンまで10試合対戦し、クロップ監督の7勝2分け1敗となっている。
◆ドルトムント◆
【4-3-3】
▽ドルトムント予想スタメン【4-3-3】
GK:ヴァイデンフェラー
DF:ピシュチェク、パパスタソプーロス、フンメルス、シュメルツァー
MF:ムヒタリャン、ヴァイグル、カストロ
FW:ドゥルム、オーバメヤン、ロイス
負傷者:DFスボティッチ(血栓症)
出場停止者:なし
▽DFスボティッチは、血栓症により一足先に今シーズンが終了した。足の打撲により負傷離脱中のMFギュンドアンは、5日から練習に復帰。状態次第では出場もあり得るだろう。また、直近のブレーメン戦を欠場したDFフンメルス(休養)とDFパパスタソプーロス(胃腸炎)はプレーできる状態のようだ。システムは上記のように変則的な[4-3-3]と予想するが、変えてくる可能性も十分。パパスタソプーロスに代わってMFスベン・ベンダーが先発する可能性もある。MF香川がスタメンの場合は右インサイドハーフに入り、MFムヒタリャンがDFドゥルムの位置に回るだろう。
◆リバプール◆
【4-2-3-1】
▽リバプール予想スタメン【4-2-3-1】
GK:ミニョレ
DF:クライン、ロブレン、サコー、A・モレーノ
MF:ヘンダーソン、カン
MF:ミルナー、ララナ、コウチーニョ
FW:スタリッジ
負傷者:DFジョー・ゴメス(ヒザ)、MFルーカス・レイバ(太もも)、MFロシター(ハムストリング)、FWベンテケ(ヒザ)、FWイングス(ヒザ)
出場停止者:なし
▽直近のトッテナム戦と同じ11人がスタメンに名を連ねると予想するが、復帰間近のMFフィルミノが遠征メンバーに入っており、出場する可能性もある。
★タクティカル・プレビュー
▽この試合最大の焦点は、クロップ監督のやり方を理解しているドルトムントと、同監督が相手選手の特性を知り尽くすリバプールがどうせめぎ合うかだろう。攻守の入れ替わりが激しくなるのは間違いないだろうが、チームのスタイル的にドルトムントがポゼッションを高め、リバプールがハイプレスとショートカウンターで応戦することになるはずだ。
◆スパーズ戦を踏襲するか、香川の使い所は?~ドルトムント~
▽ドルトムントは、トゥヘル監督が準備している戦い方に注目だ。単純に考えれば、ベスト16のトッテナム戦と同じやり方で十分だろう。しかし、奇策を用いる智将は、また異なる戦い方を用意しているかもしれない。ベスト32のポルト戦からトッテナム戦においても変えてきている。対戦相手を分析した上で、チームの良さを最大限に発揮できるような選手起用やシステムを用いるはずだ。
▽トッテナム戦のやり方を踏襲するのであれば、ドゥルムに右サイド全域をカバーさせる変則的な[4-3-3]となるだろう。ドゥルムの動きは右サイドをアップダウンすることに限定されており、常にボールの位置や攻守の場面に応じて適切なポジションを取ることが求められている。逆に左サイドは、ロイスが自由に動きながらシュメルツァーのオーバーラップを促し、守備時にはカストロが左サイドをケアして[4-4-2]のような布陣を取る。
▽このやり方で攻守のバランスを取るドルトムントが突きたいのは相手のセンターバック。特にサコーのところだ。強靭なフィジカルを有するサコーだが、如何せん安定感を欠いている。オーバメヤンとロイス、ムヒタリャンらのパス&ムーブで揺さぶれば、頭がついていかずに簡単に崩すことができるだろう。また、サコーがボールを持った際に徹底してプレスをかけるのも有効なはずだ。
▽一方、恩師のクロップ監督の前で成長した姿を示したい香川だが、ベンチスタートになるかもしれない。ただ、直近のブレーメン戦でゴールを挙げており、得点が欲しい状況になれば出場することになるはず。途中出場したブレーメン戦では右インサイドハーフのムヒタリャンを右ワイドに移し、香川が右インサイドハーフでプレー。攻撃時にはライン間でボールを受けて起点になろうとしていたが、守備時に適切なポジショニングを取ることなど戦術的かつ献身的な働きも求められている。再び定位置を奪い返すためにも、このビッグマッチで存在感を見せたい。
◆ジグナル・イドゥナ・パルクでゲーゲンプレス発揮へ~リバプール~
▽対するリバプールは、直近のトッテナム戦のようにハイプレスと攻守の切り替えの早さを徹底したい。相手のビルドアップに対して敵陣ではハイプレス、自陣では[4-4-2]の守備ブロックを作って対応するなど、状況に応じてプレスを機能させたいところだ。
▽ドルトムントはヴァイグルを起点にショートパスをつないでビルドアップを図るため、そのボールの出所を抑える準備はしているだろう。ただ、ヴァイグルもダイレクトや2タッチでシンプルにボールを捌いてプレスを回避しにかかるため、数人で囲んでもボールを奪えない可能性がある。リバプールとしては、いかにしてボールの奪い所を限定できるかが鍵となりそうだ。そうできなければ、後半以降に運動量の低下が避けられないだろう。
▽攻撃面ではボール奪取からのショートカウンターをどれだけ繰り出せられるか。スタリッジと2列目の3枚は機動力とテクニックを併せ持っており、特にコウチーニョは好調を継続している。また、クロップ監督はフンメルスなど相手守備陣のクセや弱点を把握しているはずであり、そういった部分を突く対策をしているのかどうかも注目だ。
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