【選手評】ハリルホジッチが選んだ24名の選考理由と期待する部分とは!?《ロシアW杯アジア2次予選》

2016.03.17 18:50 Thu
▽日本代表は17日、3月に行われる2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)・アジア2次予選のアフガニスタン代表戦(24日)とシリア代表戦(29日)に臨む日本代表メンバー24名を発表した。

▽会見に出席したヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、1人ずつメンバーの名前を読み上げていく中で、個々の選考理由や要求する点などについて、以下のように説明している。
◆GK
東口順昭(ガンバ大阪)
西川周作(浦和レッズ)
川島永嗣(ダンディー・ユナイテッド/スコットランド)
林彰洋(サガン鳥栖)

「(川島)永嗣はケガをして最近の試合に出ていないが、スコットランドリーグでプレーしている。問題がなければ、今週末の試合に出られるかもしれない。彼を少し手元に置き、どのような状態かを見ていく。とはいえ、彼がプレーするかどうかは別の問題。そのため、今回は4人のGKを呼ばせてもらった」

「林(彰洋)も新しい選手。我々の下で、しっかりとトレーニングを積んでほしいと思っている。東口(順昭)と西川(周作)は、常に我々と関わっている選手たちだ。もしかしたら、今回は東口にチャンスを与えるかもしれない」
「それと同時に、予選を突破しなければならないが、できるだけ多くの選手にチャンスを与えたいし、このチャンスを掴んでほしい。東口に関してはクラブで良いパフォーマンスを見せているし、チャンスを与えたいと思っている」

DF
【サイドバック】
酒井宏樹(ハノーファー/ドイツ)
酒井高徳(ハンブルガーSV/ドイツ)
長友佑都(インテル/イタリア)
藤春廣輝(ガンバ大阪)

「クラブの置かれる状況は難しい状況だが、(酒井)宏樹は常にプレーしている。彼はフィジカル面に強みを持つ日本人に稀なタイプの選手。しかし、その長所を常に使えているわけではない。彼には個別に映像を用意しているので、それを見ながら話をしていきたい」

「(酒井)高徳もクラブで先発の座を勝ち取っている1人。我々は彼のことをよく知っているし、チームの規律を尊重してくれる選手だ。メンバーに入るだけの資格を持ち合わせている選手だと思っている」

「(長友)佑都に関しても、インテルで両サイドバックとして、常にプレーしている。彼とは、ミラノで (本田)圭佑を交えて、ゲームの中での役割、グループでの役割について話し、もっとイタリアでの経験をチームに還元してほしいとも伝えた。私は、ピッチ内外で彼のことを信頼している」

「藤春(廣輝)は向上した選手の1人であり、現在のフットボールに必要な能力を表現できるサイドバックだと思っている。特に、攻撃面に多くのことをもたらしてくれるだろう。彼の攻守にわたる役割が重要となる」

【センターバック】
吉田麻也(サウサンプトン/イングランド)
槙野智章(浦和レッズ)
森重真人(FC東京)
昌子源(鹿島アントラーズ)

「(吉田)麻也に関しては、常にプレーできているわけじゃない。なぜなら、レベルの高い競争を強いられているからだ。彼には、戦える状態に仕上げておいてほしいと言ってあるし、とにかく先発の座を掴み取ってくれとも伝えてある」

「槙野(智章)は昨日の夜(16日の広州戦)、世界でも有数なFW陣と対峙し、頑張って跳ね返していた。あのような経験を重ねることで、向上していくと思っている」

「森重(真人)は身体の状態も良いようだし、話もよくしている。先の試合でも丸山(祐市)とプレーし、ポジショニング、組み立て、カバーリング、全てにおいて良かった。無駄なファウルも少なかった」

「昌子(源)に関しては、すでに呼んだことのある選手だ。彼はこれから激しい競争に身を投じることになる。我々は、彼にチャンスを与えることを決断した。パワーもあるし、向上していく可能性を秘めている。成長していってもらいたい」

MF
【ディフェンシブハーフ】
長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)
山口蛍(ハノーファー/ドイツ)
柏木陽介(浦和レッズ)

「長谷部(誠)は我々のキャプテンだ。彼とも話し合いを重ねてきた」

「(山口)蛍は良いレベルの選手になるのではないかと思っている。ただ、クラブで先発を勝ち取っているわけじゃない。まだ難しい状況が続くと思うが、私は励ましの言葉を送った。彼には、ボール奪取能力と守備力の部分を評価している。彼は向上しているし、代表にも良い影響をもたらしてくれると思う」

「柏木(陽介)は我々に足りなかった左利きの選手で、運動量も豊富。パワーはないが、攻守にわたってつなぎの部分に期待している。FKにも変化をもたらしてくれるだろう。彼には、ミニ合宿中にもっと身体を強くするようにと話した。彼は野心に溢れた選手だし、このA代表で先発の座を掴んでいってほしい」

【オフェンシブハーフ】
原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)
香川真司(ドルトムント/ドイツ)
清武弘嗣(ハノーファー/ドイツ)

「原口(元気)に関しては、真ん中でのプレーも、中盤でのプレーも考慮している。彼には攻守に貢献できるクオリティがある」

「香川(真司)は、ドイツのクラブで熾烈なレギュラー争いを強いられている。彼とはディスカッションを重ねてきた。常にプレーしたいと話していたが、残念ながら、それを叶えることができていない。A代表でもポジションを奪えるかわからない状況だ」

「清武(弘嗣)はようやくケガから復帰した。香川と同じく、最後の30m部分での崩しに期待している。彼のクオリティが必要だと感じたので、招集させてもらった」

FW
【サイドアタッカー】
本田圭佑(ミラン/イタリア)
小林悠(川崎フロンターレ)
宇佐美貴史(ガンバ大阪)

「(本田)圭佑は常に試合に出場しているし、私も嬉しい。ミランで右サイドハーフとしてプレーしているが、我々の下ではよりFWとして、より高い位置でプレーしてもらいたい。特に、バイタルエリアで存在感を示していってもらいたい。身体の状態も、戦術理解度の部分でもしっかりと感覚を取り戻している」

「小林(悠)は新しい選手となるが、ここ数カ月前から見続けてきた選手だ。偶然ここに呼ばれた選手じゃないし、ここ数試合でゴールを挙げているから呼んだわけでもない。彼はこの前のミニ合宿でかなりのクオリティを示してくれたし、A代表に稀な“得点を取れる選手”。右サイドでの起用を考えているが、真ん中でもプレーできると思っている」

「宇佐美(貴史)については、皆さんもよくご存知だと思う。本当にタレントのある選手だ。沢山のことをして向上している。日本のフットボール界にはこのような才能を持った選手は少ないので、私も我慢をして今後も使っていきたい」

【センターフォワード】
岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)
金崎夢生(鹿島アントラーズ)
ハーフナー・マイク(ADO/オランダ)

「岡崎(慎司)は模範的な選手。どこも欲するタイプの選手だと思う。彼には冗談気味に『レスターでは守備的MF、もしくはセンターバックだね。だが、代表では違うよ』と話をした。ここではレスターとまったく違った役割を求めている。私のサッカー人生においても、彼ほどチームのために頑張れる選手は稀。本当にすばらしい選手だと思う」

「(金崎)夢生にもチャンスを掴んでもらいたい。彼は運動量があり、頑張り屋。興味深い選手だ。しかし、A代表では、クラブとは違い、より真ん中でのプレーを心がけてもらいたいと思っている。彼には、ゴールを奪うところでのクオリティに期待したい」

「(ハーフナー・マイクは)オランダで13得点を奪っていて、これまでの我々にない身長がある選手。彼の高さは興味深い。彼のような選手の特長を生かすには、彼に向かうプレーが必要となる。彼がどのような成長を遂げているのかを見ていきたい。彼はスピード、パワーがあるわけじゃないので、起用した際は、彼に合わせたオーガナイズが必要だ」
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8大会連続五輪出場危機の日本。難敵・カタール戦の勝敗を託されるメンタルモンスター・松木玖生(FC東京)【新しい景色へ導く期待の選手/vol.39】

4月22日のU-23韓国戦を0-1で落とし、AFC・U-23アジアカップ・グループBで2位となってしまったU-23日本代表。まさかの敗戦によって、25日の準々決勝はホスト国・カタールとの真っ向勝負を余儀なくされることになった。 もちろんグループA・2位のインドネシアも難敵は難敵だが、カタールの強さはA代表がアジア2連覇を達成した1〜2月のアジアカップでも実証済み。スタジアムの熱狂的サポーターも味方にして、彼らは凄まじい迫力で日本に向かって来るはずだ。 この関門を突破しなければ、8大会連続五輪出場権獲得の道は途絶えてしまう。日本サッカー界としてはそれだけは絶対に避けなければいけない。 大岩剛監督もキャプテン・藤田譲瑠チマ、山本理仁(ともにシント=トロイデン)ら主力級をズラリと並べて勝負を賭けるはずだが、こういう時こそ頼りになるのは、メンタルモンスターの松木玖生(FC東京)。青森山田高校時代から数々の修羅場をくぐり、2023年U-20ワールドカップ(W杯=アルゼンチン)にも参戦した男のタフさと精神力は折り紙付きだ。 年齢的には下から3番目だが、FC東京でキャプテンマークを巻き、年長の選手を激しく鼓舞する姿を見れば、チーム内の序列や20歳という若さは一切関係ない。崖っぷちに追い込まれた今、カタール相手に猛然と突き進めるのは、やはりこういう選手だろう。 改めて韓国戦を見ても、後半18分から藤田、佐藤恵允(ブレーメン)とともにピッチに立つや否やアグレッシブさと激しさを前面に押し出した。後半20分には相手選手2人に囲まれながらボールをキープし、そのまま抜け出して内野航太郎(筑波大学)の決定機を演出するスルーパスを供給。その直後にも左サイドを突破し、ゴール前の高井幸太(川崎フロンターレ)目がけて決定的なクロスを上げている。 これらのチャンスは惜しくも得点には至らなかったが、「松木なら得点に直結する仕事ができる」という印象を見る者に強烈に残した。その底力を大一番で遺憾なく発揮し、日本をベスト4へと導くこと。それが背番号17に託されたタスクなのだ。 「やっぱり一発勝負なんで、中2日の疲労とかもあるとは思うんですけど、そういうのは言い訳にできない。つねに1試合1試合を大切に戦っていけたらいいかなというふうに思います」と日本を出発する前にも目をぎらつかせていた松木。ある意味、次のカタール戦は彼のサッカーキャリアを左右するビッグマッチになるかもしれない。 ここで今大会最強とも言われる敵を倒し、準決勝でイラクとベトナムの勝者を撃破できれば、彼は堂々とパリ五輪へ行くことができる。そうすれば、前々からの念願である海外移籍も実現できるだろうし、A代表へのステップアップ、9月からスタートする2026年北中米W杯アジア最終予選参戦も見えてくるはずだ。 近未来の森保ジャパンでボランチの座を争うと目される遠藤航(リバプール)、田中碧(デュッセルドルフ)らも五輪を足がかりに飛躍し、A代表、海外でのプレーを勝ち取っている。遠藤などはご存じの通り、30歳を過ぎてリバプールという名門クラブ行きを勝ち取り、主力級の地位まで上り詰めた。そう考えると、20歳の松木にはまだまだ無限のチャンスが広がっているが、1つ1つステージを上がっていかなければ、彼らに勝負を挑めない。だからこそ、カタールには絶対に勝たなければいけないのである。 今大会の大岩ジャパンは細谷真大(柏)、藤尾翔太(町田)、内野航太郎、佐藤といったFW陣にゴールが生まれていない。特にエース・細谷の不振は際立っている。彼らは彼らなりにゴールへの意欲を燃やし、感覚を研ぎ澄ませていくだろうが、松木はすでに16日の初戦・U-23中国戦で1点をマークしている。 ゆえに、彼がより高い位置でプレーした方が日本は得点に近づくはず。本人もバランスを見ながらプレーするだろうが、ここ一番の状況でが思い切って前に突っ込んでいってもいい。敵の意表を突く攻めが上がりで日本に足りないゴールをもたらすこと。それもこの男には大いに期待したい。 とにかく、日本最大の危機的状況を打開できるのは、強靭なメンタルと勝負強さのある人間だけ。今のチームでは松木をおいて他にいないと言っても過言でないくらい、彼はそういった部分で突き抜けている。そのストロングを出すべき時はまさに今しかない。 25日の大一番は背番号17の一挙手一投足から目が離せない。 <hr>【文・元川悦子】<br/><div id="cws_ad">長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2024.04.24 12:45 Wed
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