【プレビュー】ガナーズが鬼門で王者と激突《アーセナルvsバルセロナ》
2016.02.23 12:00 Tue
▽日本時間23日28:45、アーセナルとバルセロナによるチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦1stレグがエミレーツ・スタジアムで開催される。
▽ローマ、レバークーゼンといった難敵が同居したグループEを、最終節を前に難なく首位通過を決めたバルセロナは、リーガエスパニョーラでも2位アトレティコ・マドリーを8ポイント離す独走体制を築きつつあり、ここまで順風満帆のシーズンを送っている。リーガでの好調を維持し、9シーズン連続のベスト8進出へ挑む。2009~14シーズンの5シーズンにわたってアーセナルに在籍したヴェルメーレンにとっては古巣対決となる。
▽10シーズン前の決勝カードである両チームの対戦。過去7度顔を合わせている両雄はアーセナルから見て1勝2分け4敗とバルセロナが大きく勝ち越している。直近の対戦は2010-11シーズンの決勝トーナメント1回戦で、1stレグではアーセナルが2-1で勝利したが、2ndレグを3-1で勝利したバルセロナが逆転で勝ち上がる結果となった。
▽アーセナル予想スタメン
GK:チェフ
DF:ベジェリン、メルテザッカー、コシエルニー、モンレアル
MF:チェンバレン、コクラン、エジル、ラムジー、サンチェス
FW:ジルー
負傷者:DFガブリエウ(ハムストリング)、MFカソルラ(ヒザ)、MFウィルシャー(ヒザ)、MFアルテタ(ふくらはぎ)、MFロシツキ(ヒザ)
出場停止者:なし
▽バルセロナ予想スタメン
GK:テア・シュテーゲン
DF:ダニエウ・アウベス、ピケ、マスチェラーノ、ジョルディ・アルバ
MF:ラキティッチ、ブスケッツ、イニエスタ
FW:メッシ、スアレス、ネイマール
負傷者:ラフィーニャ(ヒザ)
出場停止者:MFアルダ
▽昨季のCL準々決勝レアル・マドリー戦で退場していたアルダが出場停止となる。ケガ人は長期離脱中のラフィーニャ以外おらず、ベストメンバーを送り込める状況だ。
★タクティカル・プレビュー
◆アーセナルの出方
▽大抵のチームに対し、ポゼッションしつつ能動的に試合を進められるアーセナルだが、傑物が揃う王者バルセロナに対しては、そうはいかないだろう。ヴェンゲル監督も前日会見で「コレクティブな守備で戦わなければならない」と語っているように、今季のプレミアリーグでのビッグマッチやバイエルン戦でも見せているリトリート戦術を、時間帯によって採用しつつ王者に挑むものと思われる。
◆リトリートからサンチェス~アーセナル~
▽直近のラス・パルマス戦のように、格下相手に全精力を注ぎ込めず苦戦を強いられることもあるバルセロナだが、アーセナル戦に向けては最高の状態で挑んでくるに違いない。よって、アーセナルがバルセロナと同じ土俵に立ってしまっては自殺行為と言える。ホームではあるものの、慎重に試合を運ぶ必要性がある。自陣にリトリートする時間を増やしてMSNに対し、容易にスペースを使わせないことが求められる。対人対応にうまさのあるモンレアルがメッシを、スピードに秀でるベジェリンがネイマールを、ソリッドな守備を敢行できるコシエルニーがスアレスに密着マークすることで、バルセロナの攻撃力を減退させたい。
▽また、MSNにボールを供給する側のイニエスタに対しては、マッチアップするハードワーカーで潰し屋のコクランが、ブスケッツに対してはエジルに守備意識を持たせることでバルセロナのパスワークを遮断しにかかりたい。
▽タイトな守備で粘りつつ、攻撃に移れるようになった際には正確なビルドアップ力を生かしてバルセロナのショートカウンターを受けない展開に持ち込めればベストだ。これができれば、バルセロナの波状攻撃を受けずに済み、サンチェスとチェンバレン(ウォルコット)の両ウイングがカウンターを発動できる状況を生み出せる。
▽バルセロナの数少ない弱点として、ダニエウ・アウベスとジョルディ・アルバの軽率な守備が挙げられる。とりわけ、古巣対決となるサンチェスはケガから復帰して約1カ月が経ち、本調子までもう一息の所に来ている。マッチアップするダニエウ・アウベスをドリブルで打開できる可能性が高い中、シュートのフィーリングがこの大一番でフィットすれば、古巣を大いに苦しめることができるはずだ。
◆横綱相撲で~バルセロナ~
▽一方、幅のある戦い方ができるバルセロナとしてはアーセナルの出方を窺いつつ、試合を進めれば良い。敵地での1stレグということもあり、慎重に試合に入っても問題ないだろう。アーセナルをおびき寄せてMSNがカウンターで仕留める策でも十分にアウェイゴールを狙える。
▽そして、ブスケッツの存在が何より頼もしい。王者バルセロナといえども、背番号5不在の試合は極端にパフォーマンスレベルが落ちている。しかし、この大一番でブスケッツが先発するのは確実であり、試合をコントロールすることが可能となる。ビルドアップを安定させることのできるブスケッツの存在によって、主導権を握れるはずだ。
▽攻撃面に関してはMSNで現状、最も輝きを放っているスアレスに注目だ。決定力、ポストワーク、チャンスメークとストライカーに求められる全てを持ち合わせているウルグアイ代表FWが、敏しょう性に欠けるメルテザッカーのサイドに流れて揺さぶりをかければ自ずと決定機は生まれるはず。ピッチ外でも友情を深めるMSNを止めることは不可能に近いタスクと言えるだろう
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▽バイエルンと共に本命と目されながら、ディナモ・ザグレブ、オリンピアコスの格下相手に2連敗スタートとなったアーセナルは、最終節のオリンピアコス戦を制して辛くも16シーズン連続の決勝トーナメント進出を果たした。そのアーセナルはプレミアリーグで首位レスター・シティを2ポイント差で追う3位に付ける中、5シーズン連続で敗退している鬼門のベスト16突破を目指す。2011~14シーズンの3年にわたってバルセロナに在籍したサンチェスと、カンテラ出身のベジェリンにとっては古巣対決だ。▽10シーズン前の決勝カードである両チームの対戦。過去7度顔を合わせている両雄はアーセナルから見て1勝2分け4敗とバルセロナが大きく勝ち越している。直近の対戦は2010-11シーズンの決勝トーナメント1回戦で、1stレグではアーセナルが2-1で勝利したが、2ndレグを3-1で勝利したバルセロナが逆転で勝ち上がる結果となった。
◆アーセナル◆
【4-2-3-1】
【4-2-3-1】
▽アーセナル予想スタメン
GK:チェフ
DF:ベジェリン、メルテザッカー、コシエルニー、モンレアル
MF:チェンバレン、コクラン、エジル、ラムジー、サンチェス
FW:ジルー
負傷者:DFガブリエウ(ハムストリング)、MFカソルラ(ヒザ)、MFウィルシャー(ヒザ)、MFアルテタ(ふくらはぎ)、MFロシツキ(ヒザ)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいないが、長期離脱中のカソルラ、ウィルシャーらに加え、ガブリエウが不在となる。右ウイングの位置にウォルコットが起用される可能性がある。
◆バルセロナ◆
【4-3-3】
【4-3-3】
▽バルセロナ予想スタメン
GK:テア・シュテーゲン
DF:ダニエウ・アウベス、ピケ、マスチェラーノ、ジョルディ・アルバ
MF:ラキティッチ、ブスケッツ、イニエスタ
FW:メッシ、スアレス、ネイマール
負傷者:ラフィーニャ(ヒザ)
出場停止者:MFアルダ
▽昨季のCL準々決勝レアル・マドリー戦で退場していたアルダが出場停止となる。ケガ人は長期離脱中のラフィーニャ以外おらず、ベストメンバーを送り込める状況だ。
★タクティカル・プレビュー
◆アーセナルの出方
▽大抵のチームに対し、ポゼッションしつつ能動的に試合を進められるアーセナルだが、傑物が揃う王者バルセロナに対しては、そうはいかないだろう。ヴェンゲル監督も前日会見で「コレクティブな守備で戦わなければならない」と語っているように、今季のプレミアリーグでのビッグマッチやバイエルン戦でも見せているリトリート戦術を、時間帯によって採用しつつ王者に挑むものと思われる。
◆リトリートからサンチェス~アーセナル~
▽直近のラス・パルマス戦のように、格下相手に全精力を注ぎ込めず苦戦を強いられることもあるバルセロナだが、アーセナル戦に向けては最高の状態で挑んでくるに違いない。よって、アーセナルがバルセロナと同じ土俵に立ってしまっては自殺行為と言える。ホームではあるものの、慎重に試合を運ぶ必要性がある。自陣にリトリートする時間を増やしてMSNに対し、容易にスペースを使わせないことが求められる。対人対応にうまさのあるモンレアルがメッシを、スピードに秀でるベジェリンがネイマールを、ソリッドな守備を敢行できるコシエルニーがスアレスに密着マークすることで、バルセロナの攻撃力を減退させたい。
▽また、MSNにボールを供給する側のイニエスタに対しては、マッチアップするハードワーカーで潰し屋のコクランが、ブスケッツに対してはエジルに守備意識を持たせることでバルセロナのパスワークを遮断しにかかりたい。
▽タイトな守備で粘りつつ、攻撃に移れるようになった際には正確なビルドアップ力を生かしてバルセロナのショートカウンターを受けない展開に持ち込めればベストだ。これができれば、バルセロナの波状攻撃を受けずに済み、サンチェスとチェンバレン(ウォルコット)の両ウイングがカウンターを発動できる状況を生み出せる。
▽バルセロナの数少ない弱点として、ダニエウ・アウベスとジョルディ・アルバの軽率な守備が挙げられる。とりわけ、古巣対決となるサンチェスはケガから復帰して約1カ月が経ち、本調子までもう一息の所に来ている。マッチアップするダニエウ・アウベスをドリブルで打開できる可能性が高い中、シュートのフィーリングがこの大一番でフィットすれば、古巣を大いに苦しめることができるはずだ。
◆横綱相撲で~バルセロナ~
▽一方、幅のある戦い方ができるバルセロナとしてはアーセナルの出方を窺いつつ、試合を進めれば良い。敵地での1stレグということもあり、慎重に試合に入っても問題ないだろう。アーセナルをおびき寄せてMSNがカウンターで仕留める策でも十分にアウェイゴールを狙える。
▽そして、ブスケッツの存在が何より頼もしい。王者バルセロナといえども、背番号5不在の試合は極端にパフォーマンスレベルが落ちている。しかし、この大一番でブスケッツが先発するのは確実であり、試合をコントロールすることが可能となる。ビルドアップを安定させることのできるブスケッツの存在によって、主導権を握れるはずだ。
▽攻撃面に関してはMSNで現状、最も輝きを放っているスアレスに注目だ。決定力、ポストワーク、チャンスメークとストライカーに求められる全てを持ち合わせているウルグアイ代表FWが、敏しょう性に欠けるメルテザッカーのサイドに流れて揺さぶりをかければ自ずと決定機は生まれるはず。ピッチ外でも友情を深めるMSNを止めることは不可能に近いタスクと言えるだろう
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