【プレビュー】イタリア王者vsドイツ王者《ユベントスvsバイエルン》
2016.02.23 12:00 Tue
▽日本時間23日28:45、イタリア王者ユベントスとドイツ王者バイエルンによるチャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦1stレグがユベントス・スタジアムで開催される。
▽一方、ブンデス3連覇中のバイエルンは、アーセナルが同居したグループFで盤石の首位通過を決めた。そして、国内リーグでは2位ドルトムントに8ポイント差をつけて首位を快走している。しかし、グアルディオラ監督が今季限りでの退任を発表して、やや求心力が落ちている点や、ユベントス同様にバックラインにケガ人を多く抱えている点が懸念だ。2011~15の4シーズンにわたってユベントスに在籍し、セリエA4連覇に大きく貢献したビダルと、昨季所属していたコマンにとっては古巣対決となる。
▽過去に8度対戦している両雄は、ユベントスから見て3勝1分け4敗とほぼ互角の戦績となっているが、直近の対戦である2012-13シーズンの準々決勝では1stレグ、2ndレグともにバイエルンが力の差を見せ付けて、いずれも2-0で勝利していた。
▽ユベントス予想スタメン
GK:ブッフォン
DF:リヒトシュタイナー、ボヌッチ、バルザーリ、エブラ
MF:クアドラード、ケディラ、マルキジオ、ポグバ
FW:ディバラ、マンジュキッチ
負傷者:DFキエッリーニ(ふくらはぎ)、DFカセレス(アキレス腱)、MFアレックス・サンドロ(ハムストリング)、MFアサモア(右足太もも)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。ふくらはぎを痛めているキエッリーニと、アキレス腱を断裂して今季絶望となったカセレス、ハムストリングを痛めているアレックス・サンドロにアサモアを起用できない。一方で股関節を痛めていたマンジュキッチが間に合った。システムは3バックではなく4バックを採用すると現地メディアは伝えている。
▽バイエルン予想スタメン
GK:ノイアー
DF:ラーム、キミッヒ、アラバ、ベルナト
MF:ロッベン、ミュラー、シャビ・アロンソ、チアゴ、ドグラス・コスタ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFボアテング(内転筋)、DFバトシュトゥバー(足首)、MFハビ・マルティネス(ヒザ)、MFゲッツェ(内転筋)
出場停止者:なし
▽こちらも出場停止者はいないが、ボアテングやバトシュトゥバー、ハビ・マルティネスといったセンターバックをこなせる選手たちをことごとく欠く。代役にはここ数試合センターバックで起用され、無難にこなしている本職中盤のキミッヒが、アラバと共に配置される可能性が高い。そのほか、ビダルとコマンの元ユベントスコンビが先発で起用される場合がある。
★タクティカル・プレビュー
◆守るユーベ、攻めるバイエルン
▽ユベントスのホームで行われる1stレグだが、ボール支配にこだわらないアッレグリ監督率いるユベントスが自陣に引きつつカウンターを狙う構図となる可能性が高い。ナポリ戦でも示したようにユベントスは割り切った戦術を厭わないチームで、常に相手を圧倒するサッカーを標榜するバイエルンのグアルディオラ監督とは対照的なだけに、守るユベントス、攻めるバイエルンという明確な構図で大半の時間帯は推移するはずだ。
◆4バックの機能性とディバラ~ユベントス~
▽守備を中心に試合を考える必要のあるユベントスだが、セリエA最高の攻撃陣を誇るナポリ相手にもキエッリーニを欠く4バックが十分に機能しており、バイエルン戦に向けて大きな不安はない。とりわけ34歳と円熟の域に達しているバルザーリの充実ぶりが際立ち、ナポリ戦ではイグアインを完璧に封じ込める働きを見せた。バイエルン戦では万能ストライカーのレヴァンドフスキに加え、動き出しに優れるミュラーも中央のスペースを突いてくることから、ボヌッチとの連係が重要となってくるが、それぞれ対人能力に優れ、連係も高いレベルにあることから好勝負を期待できるはずだ。
▽また、両センターバックに加え、両サイドバックの出来も鍵を握る。バイエルンの両ウイングの破壊力は世界屈指。カットインからのシュートがある右ウイングのロッベンに対してはベテランのエブラが、抜群のスピードを誇り縦への突破がある左ウイングのドグラス・コスタには対人への強さがあるリヒトシュタイナーがマークすることになるが、彼らが両クラックを抑え込めるかどうか。このマッチアップで簡単に敗れるようだと、センターバックがつり出され、空いたスペースを決定力に長けるレヴァンドフスキとミュラーに使われることになる。
▽攻撃面に関してはディバラがキーマンだ。ゴールレスに終わった直近のボローニャ戦でも明らかになったように、現在のユベントスにおいてディバラ不在の攻撃は考えられない。バイタルエリアに降りてきてボールに絡み、そこからのパスやシュートで相手守備陣を混乱させることのできるディバラは、バイエルン戦でも活躍が見込める。シャビ・アロンソの両脇にできるスペースをポグバと共にうまく使うことで、打開にかかりたい。また、彼の鋭いプレースキックも大きな武器となるだろう。
◆強烈サイドアタックと不安なセンターバック~バイエルン~
▽押し込めることが予想されるバイエルンとしては、サイドアタックにまず活路を見いだすはずだ。両ウイングがサイドラインぎりぎりにポジションを取って打開を図り、バックラインを広げたところをレヴァンドフスキとミュラーが突く形が、現在のバイエルンでは確立されている。とりわけ左ウイングのドグラス・コスタの打開力は尋常ではなく、わかっていても縦への突破を可能としてしまうレベルにある。
▽仮にドグラス・コスタとロッベンが止められても、バイエルンには戦列に復帰したリベリと、古巣ユベントス戦に意気込むコマンも控えており、流れを変えることが可能だ。疲弊してきた相手にフレッシュな彼らを投入することで、アウェイゴールを持ち帰りたい。
▽充実の攻撃陣の一方、不安なのは守備陣だ。キミッヒとアラバの急造センターバックコンビは、守備の要ボアテング不在の中、持ち前のセンスと対人の強さでそつなく新ポジションに適応している。とはいえ、ユベントス戦で彼らが相対するのは屈強なFWマンジュキッチであり、空中戦では勝ち目がないだろう。よって、サイドからクロスボールを入れられることを極力避けたい。とりわけ、スピードスターのクアドラードからクロスを供給される可能性が高いため、マッチアップするベルナトの対応が注目される。
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▽欧州主要4リーグのクラブが同居したグループDでマンチェスター・シティに次ぐ2位通過となったセリエA4連覇中のユベントスは、直近のボローニャ戦を引き分けるまで国内リーグ16連勝を飾った。主力の入れ替えによってシーズン序盤に大きく躓いたものの、怒涛の連勝で前々節にナポリとの直接対決の末、今季初めて首位に立っている。出場が危ぶまれていたキエッリーニは間に合わなかったものの、マンジュキッチがこの大一番に間に合った。2012~14の2シーズン、バイエルンに在籍し、2012-13シーズンにクラブ史上初となる3冠(CL、ブンデスリーガ、DFBポカール)をもたらしたマンジュキッチにとっては古巣対決となる。▽過去に8度対戦している両雄は、ユベントスから見て3勝1分け4敗とほぼ互角の戦績となっているが、直近の対戦である2012-13シーズンの準々決勝では1stレグ、2ndレグともにバイエルンが力の差を見せ付けて、いずれも2-0で勝利していた。
◆ユベントス◆
【4-4-2】
【4-4-2】
▽ユベントス予想スタメン
GK:ブッフォン
DF:リヒトシュタイナー、ボヌッチ、バルザーリ、エブラ
MF:クアドラード、ケディラ、マルキジオ、ポグバ
FW:ディバラ、マンジュキッチ
負傷者:DFキエッリーニ(ふくらはぎ)、DFカセレス(アキレス腱)、MFアレックス・サンドロ(ハムストリング)、MFアサモア(右足太もも)
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。ふくらはぎを痛めているキエッリーニと、アキレス腱を断裂して今季絶望となったカセレス、ハムストリングを痛めているアレックス・サンドロにアサモアを起用できない。一方で股関節を痛めていたマンジュキッチが間に合った。システムは3バックではなく4バックを採用すると現地メディアは伝えている。
◆バイエルン◆
【4-1-4-1】
【4-1-4-1】
▽バイエルン予想スタメン
GK:ノイアー
DF:ラーム、キミッヒ、アラバ、ベルナト
MF:ロッベン、ミュラー、シャビ・アロンソ、チアゴ、ドグラス・コスタ
FW:レヴァンドフスキ
負傷者:DFボアテング(内転筋)、DFバトシュトゥバー(足首)、MFハビ・マルティネス(ヒザ)、MFゲッツェ(内転筋)
出場停止者:なし
▽こちらも出場停止者はいないが、ボアテングやバトシュトゥバー、ハビ・マルティネスといったセンターバックをこなせる選手たちをことごとく欠く。代役にはここ数試合センターバックで起用され、無難にこなしている本職中盤のキミッヒが、アラバと共に配置される可能性が高い。そのほか、ビダルとコマンの元ユベントスコンビが先発で起用される場合がある。
★タクティカル・プレビュー
◆守るユーベ、攻めるバイエルン
▽ユベントスのホームで行われる1stレグだが、ボール支配にこだわらないアッレグリ監督率いるユベントスが自陣に引きつつカウンターを狙う構図となる可能性が高い。ナポリ戦でも示したようにユベントスは割り切った戦術を厭わないチームで、常に相手を圧倒するサッカーを標榜するバイエルンのグアルディオラ監督とは対照的なだけに、守るユベントス、攻めるバイエルンという明確な構図で大半の時間帯は推移するはずだ。
◆4バックの機能性とディバラ~ユベントス~
▽守備を中心に試合を考える必要のあるユベントスだが、セリエA最高の攻撃陣を誇るナポリ相手にもキエッリーニを欠く4バックが十分に機能しており、バイエルン戦に向けて大きな不安はない。とりわけ34歳と円熟の域に達しているバルザーリの充実ぶりが際立ち、ナポリ戦ではイグアインを完璧に封じ込める働きを見せた。バイエルン戦では万能ストライカーのレヴァンドフスキに加え、動き出しに優れるミュラーも中央のスペースを突いてくることから、ボヌッチとの連係が重要となってくるが、それぞれ対人能力に優れ、連係も高いレベルにあることから好勝負を期待できるはずだ。
▽また、両センターバックに加え、両サイドバックの出来も鍵を握る。バイエルンの両ウイングの破壊力は世界屈指。カットインからのシュートがある右ウイングのロッベンに対してはベテランのエブラが、抜群のスピードを誇り縦への突破がある左ウイングのドグラス・コスタには対人への強さがあるリヒトシュタイナーがマークすることになるが、彼らが両クラックを抑え込めるかどうか。このマッチアップで簡単に敗れるようだと、センターバックがつり出され、空いたスペースを決定力に長けるレヴァンドフスキとミュラーに使われることになる。
▽攻撃面に関してはディバラがキーマンだ。ゴールレスに終わった直近のボローニャ戦でも明らかになったように、現在のユベントスにおいてディバラ不在の攻撃は考えられない。バイタルエリアに降りてきてボールに絡み、そこからのパスやシュートで相手守備陣を混乱させることのできるディバラは、バイエルン戦でも活躍が見込める。シャビ・アロンソの両脇にできるスペースをポグバと共にうまく使うことで、打開にかかりたい。また、彼の鋭いプレースキックも大きな武器となるだろう。
◆強烈サイドアタックと不安なセンターバック~バイエルン~
▽押し込めることが予想されるバイエルンとしては、サイドアタックにまず活路を見いだすはずだ。両ウイングがサイドラインぎりぎりにポジションを取って打開を図り、バックラインを広げたところをレヴァンドフスキとミュラーが突く形が、現在のバイエルンでは確立されている。とりわけ左ウイングのドグラス・コスタの打開力は尋常ではなく、わかっていても縦への突破を可能としてしまうレベルにある。
▽仮にドグラス・コスタとロッベンが止められても、バイエルンには戦列に復帰したリベリと、古巣ユベントス戦に意気込むコマンも控えており、流れを変えることが可能だ。疲弊してきた相手にフレッシュな彼らを投入することで、アウェイゴールを持ち帰りたい。
▽充実の攻撃陣の一方、不安なのは守備陣だ。キミッヒとアラバの急造センターバックコンビは、守備の要ボアテング不在の中、持ち前のセンスと対人の強さでそつなく新ポジションに適応している。とはいえ、ユベントス戦で彼らが相対するのは屈強なFWマンジュキッチであり、空中戦では勝ち目がないだろう。よって、サイドからクロスボールを入れられることを極力避けたい。とりわけ、スピードスターのクアドラードからクロスを供給される可能性が高いため、マッチアップするベルナトの対応が注目される。
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