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【原ゆみこのマドリッド】上司が変われば気分も変わる…2016.01.09 08:00 Sat

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▽「いい時期ではあるわよね」そんな風に私が納得していたのは金曜日、いよいよジダン新監督の初戦が翌日に迫っているのに気づいた時のことでした。いやあ、今週は月曜にレアル・マドリーの指揮官交代があったため、こちらも何やらバタバタして過ごすことになったんですが、幸いだったのは彼らにはミッドウィークにコパ・デル・レイの試合がなかったこと。それも12月にカディス(2部B)との32強対決1stレグでチェリシェフのalineracion indebida(アリネラシオン・インデビダ/出場資格のない選手の起用)が発覚し、大会敗退となったせいですが、うっかり16強対決が予定されてでもいたら、新監督も落ち着いて準備を進める時間がなかったのでは?

▽おかげで日曜にバレンシア戦で引き分けた翌日夕方遅く、ベニテス監督の解任がクラブの理事会で決定。同時に後任監督としてジダンの名前が、ほんの3週間程前には「ベニテス監督はチームの問題の解決策。Zidane no sustituirá a Benítez/ジアン・ノー・ススティトゥイラ・ア・ベニテス(ジダンがベニテス監督を引く継ぐことはない)」と断言していたペレス会長により、サンティアゴ・ベルナベウで発表され、その時は当人も「タイトルと獲るために全力を尽くす」といったシンプルなコメントだけで、あとは奥さんとマドリーのカンテラ(下部組織)でプレーする4人の息子さんたちと一緒に檀上でポーズするぐらいで良かったんですけどね。

▽翌火曜にはちょうど、レジェス・マゴス(東方の三賢人の祝日、スペインでは伝統的に子供たちがプレゼントをもらえる日となっている)を控え、ファンサービスとして1年に1回の恒例となっている公開練習に挑み、駆けつけたサポーター約7000人から拍手を浴びた後、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)監督となって1年目だった昨季は忌避しながらも、今季から行うようになった監督記者会見に初めてトップチームの指揮官として登場することに。ええ、今度はサンティアゴ・ベルナベウのプレス・コンファレンスルームで行われたこちらでは、今後のチーム運営について事細かに質問に答えていましたっけ。

▽曰く、「マドリーで大切なのは美しいサッカー。自分もそれを目指す。Fútbol ofensivo y equilibrado/フトボル・オフェンシボ・イ・エキリブラード(攻撃的でバランスの取れたサッカーをね)」から始まって、「Quiero darle mi toque personal, un toque ofensivo/キエロ・ダールレ・ミ・トケ・ペルソナル、ウン・トケ・オフェンシーボ(自分の個人的なタッチも加えたい。攻撃的なニュアンスをね)」とか、BBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)については「la idea es clara, jugar con los tres/ラ・イデア・エス・クラーラ、フガール・コン・ロス・トレス(3人を使ってプレーするというアイデアははっきりしている)」、更には「Ganarlo todo/ガナールロ・トードー(全てを勝ち獲ること)。ウチには獲得できるタイトルが2つあるから、それにトライする」と、今季の目標なども話していましたが、何にしてもチームには才能ある選手が揃っていますからね。

▽あまり、やろうとしていることはペレス会長任期中の12年間で10番目の監督となった彼も変わらないような気はしますが、そこは実働グループのやる気次第。今季、大勢が慕っていたアンチェロッティ監督がいなくなり、実務肌のベニテス監督とはフィーリングが合わなかった彼らのハートを掴むことができれば、まだシーズンは半分残っていますし、どんなことでも可能かと。ええ、もちろん失格となったコパ・デル・レイだけは別ですけどね。

▽え、そんなお隣さんを尻目に今季も手近なタイトルとしてまず、コパ優勝を目指しているアトレティコは試合があったんだろうって? その通り、今週は月曜にクラネビテル(リーベル・プレートから移籍)、火曜にアウグスト(セルタから移籍)の入団プレゼンをひっそりビセンテ・カルデロンで行った後、水曜に彼らはコパ・ダービーとなった16強対決1stレグでまたしてもエスタディオ・デ・ラス・バジェカスに乗り込んだんですが、いえ、もちろん昨今の試合展開から楽勝なんてまったく予想はしていなかったんですけどね。昨年末最後のリーガでの対戦を思い出しても苦戦することは目に見えていたんですが、そこへ加えて、シメオネ監督が最初のレウス(2部B)戦同様、オブラク、ゴディン、ファンフラン、フィリペ・ルイス、コケ、グリースマンらにお休みを与え、コパ用イレブンを投入したから、もう大変だったの何のって。

▽実際、その日のバジェカスはスタンドも半分ぐらいしか埋まらず、ラージョの方もリーガとは違うスタメンだったんですが、アトレティコではここ2試合、大活躍をして株が上がり、クラネビテルとアウグストをダブルボランチで早速デビューさせたため、トップ下の大役を仰せつかったトマスがちょっと上づってしまったんですかね。どちらもなかなか点の取れない展開でしたが34分、自陣エリア前からクリアしたボールをナチョの正面に送ってしまい、そのミドルシュートで先制されてしまったから、まったくツイてない。ええ、これにはシメオネ監督も「es un chico joven y hay que llevarlo sin la ansiedad de estos últimos días en el entorno de él/エス・ウン・チコ・ホベン・イ・アイ・ケ・ジェバールロ・シン・ラ・アンシエダッド・デ・エストス・ウルティモス・ディアス・エン・エル・エントルノ・デ・エル(彼は若いんだから、ここ数日のように周囲が焦らせることなく、育てていかないといけない)」とフォローするしかありません。

▽それでもまあ、0-1なら来週、ホームでの2ndレグもありますし、真っ青になる程のこともなかったんですが、このところ早めの交代で味をしめたシメオネ監督は後半10分には近頃、あまりいいところを見せてくれないオリベルとアウグストを引っ込め、サウルとビエットを入れる攻撃的メンバーチェンジを実施。するとこれが見事に当たり、21分には右サイドからキニを振り切ってビエットが入れたラストパスにサウルが反応、エリア内からシュートを決めて同点にしてくれたから、何とも有難いっちゃありません。いえ、2年前、レンタルでラージョに修行に来ていた当人は遠慮して、大袈裟にゴールを祝うことはしませんでしたけどね。

▽「El chico que vieron crecer en Vallecas sigue creciendo/エル・チコ・ケ・ビエロン・クレセル・エン・バジェカス・シケ・クレシエンドー(バジェカスで成長するところを見せた選手は成長し続けている)」(サウル)と後で言っていたように、こういうのこそが最高の恩返しなんでしょうが、ラージョのパコ・ヘメス監督にとってはまさに痛し痒しだったかも。それでも幸い、34分にはCKからビエットが放った至近距離のシュートはGKファン・カルロスのparadon(パラドン/スーパーセーブ)とゴールポストに阻まれて決まらず。

▽おかげでラージョは1-1のままで2ndレグを迎えられることになり、その日は2-2で引き分けたリーガ前節のレアル・ソシエダ戦の後、「ウチは1部のチームじゃない」というコメントから、「No son de Primera, sino de 'Champions'/ノー・ソン・デ・プリメーラ、シノ・デ・チャンピオンズ(1部ではなく、CLにいるチーム)」と、ヘメス監督も自軍を大幅に格上げしていたものの、点を取ることは苦手でも、基本的に守りは超一流のアトレティコが2ndレグでは0-0でもいいとなると、見通しはあまり芳しくないでしょうね。

▽ただラージョにとって、もっと重要なのは週末のリーガ戦、土曜にレバンテのホームを訪れる試合で勝つことで、何せこのところ、降格圏の19位が定位置になってしまっていますからね。相手は最下位ですが、コパにはすでに敗退していて今週ヒマだった上、前節では兄貴分のアトレティコが終盤にトマスのゴールが決まるまで勝負を決められなかったという例もあるため、心してかかる必要があるかと。実際、残留ゾーンまではたった勝ち点2差しかないので、シーズンの前半終了戦でもある、この19節では不名誉な順位から脱出できたらいいのですが。

▽そしてアトレティコは日曜午後8時半(日本時間翌午前4時半)から、やはりアウェイでセルタ戦なんですが、こちらの目標は現在、2位バルサと勝ち点差2、3位マドリーと同4ある首位の維持と極めて贅沢なもの。もちろん試合消化数が1つ少ないバルサがクラブ・ワールドカップのせいで延期したスポルティング戦を2月に済ませた後どころか、1月30日の直接対決でカンプ・ノウに乗り込めば、簡単に転落してしまうのかもしれませんが、まあ、それまではねえ。金曜からは大雨が続き、バライドス(セルタのホーム)周辺が浸水しているなんて心配な情報もあるものの、アウグストもマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションでは先発組に抜擢され、忘れ物も取りに行ける早々の古巣訪問を心待ちにしているはずですし、いつものように少ない得点をガッチリ守って勝ち点3に変えられればと思います。

▽一方、そんなセルタも今週木曜はコパでカディスと当たり、リーガ5位の実力相応で0-3と快勝。マドリーが失格になった恩恵を受けているんですが、そのマドリーがこの土曜の午後8時半(日本時間翌午前4時半)に対戦するデポルティボは水曜にミランデス(2部)とのコパで1-1の引き分け。あまりないことですが、相手の方が休息期間が短いのはジダン新監督にとって、有利に働くかもしれません。加えてサンティアゴ・ベルナベウでの試合とあって、ファンに絶大な人気を誇る彼がベンチで指揮を執れば、これまでのようにpito(ピト/ブーイング)が聞こえることもなく、スタンドと一体になって勝利を目指すことができる?

▽それには現役時代はマドリーで長くプレーしたビクトル監督も、「el principal cambio será en el plus de ilusión que tiene la gente/エル・プリンシパル・カンビオ・セラ・エン・エル・プルス・デ・イルシオン・ケ・ティエネ・ラ・ヘンテ(最大の変化は人々により大きな夢を抱かせること)」と用心していましたが、新監督の幸運は他にもあって、とうとうカルバハルも回復し、この試合前にチームの負傷休場者がゼロに。いえ、バレンシア戦でレッドカードをもらって退場したコバチッチだけは処分で出られませんけどね。

▽金曜の前日練習からは、BBCにイスコ、そしてモドリッチ、クロースという、アンチェロッティ前監督が好んだ布陣、ついでに言うなら、昨年のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)で0-4と惨敗した時のスタメンからハメス・ロドリゲスを除いただけ、とはいえ、十二分に攻撃的なものが予想されていますが、当時はベンゼマとベイルが負傷明けだったのに比べ、今は2人とも好調を維持しているのは好材料になるかと。何せ、昨年12月にはカンプ・ノウでバルサから引き分けをもぎ取ったデポルティボですが、ここ2試合はリーガで白星がなく、順位も7位と少々、調子を落としていますしね。順当に行けば、マドリーが勝つんじゃないかと思いますが、注目はプレーでファンをさせることができるかどうかになりそうです。

▽そしてもう1つの弟分、コパはラージョに及ばず敗退となり、肩の荷が下りているヘタフェは日曜にセビージャとのコパ・ダービーに0-2で負けているベティスと対戦するんですが、実は彼らは月曜の前節スポルティング戦に2-1と逆転勝利を収め、現在は13位と比較的落ち着いた順位に。相手も同じ勝ち点で14位ですから、実力の拮抗した、いい試合になりそうな気配はあります。そうそう、折しも木曜には今季シーズン後半のアボノ(年間指定席)を80ユーロ(約1万円)という爆安値段で売り出したヘタフェですが、そのホーム11試合にはこのベティス戦も含まれているとか。マドリーやアトレティコ戦もこれからあることですし、ようやく今年になってブカネーロ(ラージョの過激なサポーター集団)がストを止め、応援を再開したバジェカス同様、いつもガラガラなコリセウム・アルフォンソ・ペレスもその恩恵でもう少し、賑やかになってくれるといいですよね。

【マドリッド通信員】
原ゆみこ
南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している

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【原ゆみこのマドリッド】人材の余っているチームは羨ましい…

▽「その気持ち、わかるわぁ」そんな風に私が頷いていたのは金曜。サンティアゴ・ベルナベウでのレアル・マドリー戦を控えたバレンシアのボロ監督が、このミッドウィークのリーガの試合でデポルティボを圧倒したことにより、ますます世間で論争が過熱。いわゆるマドリーA、マドリーBのどちらと対戦したいと訊かれた際、「Prefiero el Real Madrid C, el filial/プレフィエロ・エル・レアル・マドリッヂ・セー、エル・フィリアル(レアル・マドリーC、ユースチームがいいね)」と答えているのを聞いた時のことでした。いやあ、本当にRMカスティージャ(2部B)が出てきて、万が一、うっかり負けてしまったりしたら、お助け臨時監督として出動ではなく、正式な指揮官となったボロ監督の功績にケチがつきかねないなんて、私が余計な心配をしても仕方ないんですけどね。 ▽ちなみにマドリーAというのはBBC(ベイル、ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウドの頭文字)以下、先日のクラシコ(伝統の一戦、マドリーvsバルサ戦のこと)で先発した面々で、CL準々決勝のバイエルン戦など、手ごわい相手に挑む時のベストメンバー。ただ、ジダン監督も極端で、この水曜はベイルがふくらはぎのケゲで結局、全治1カ月となってしまったり、セルヒオ・ラモスが出場停止処分だったりという不可抗力はあるものの、クロース、モドリッチ、カセミロ、カルバハル、ケイロル・ナバスもスタメンに入れず。コエントランが万年体調不良のため、代わりがいない左SBはマルセロ、CB4人のうち2人が使えないせいで連続出場となったナチョ以外、メンツが9人も変わっていたため、マドリーBと呼ばれることになったんですが、それでも全然、強いって、まったくもって贅沢な選手層をしているじゃないですか。 ▽うーん、せっかく敵がローテーションしてくれながら、まったく歯が立たなかったデポルティボのペペ・メル監督など、「El Madrid B me gusta mucho mas que el Madrid A/エル・マドリッド・ベー・メ・グスタ・ムーチョ・マス・ケ・エル・マドリッド・アー(私はマドリーBの方がマドリーAよりずっと好きだ)」と言うしかなかったでしょうけどね。来週火曜、お隣さんとのCL準決勝1stレグに出てくるのは休養十分なAチームの方であるのは火を見るよりも明らか。逆にアトレティコにはAチームしかないものの、最近はケガ人のせいもあって、スタメンがAマイナス、ダブルマイナスといった状態な上、出づっぱりな選手たちには疲労が見え隠れしていますからね。そう思うと、やっぱりまだ6月3日の決勝に向けて、カーディフ旅行の手配をするには気が早すぎるという結論になるんですが…。 ▽え、その理由には今季最後のミッドウィーク開催リーガがあった今週、自分が久々に重苦しい気分でビセンテ・カルデロンから帰ることになったからっていうのもあるんだろうって? その通りで、ここ数年、ビジャレアルには相性が良くなく、ほとんど勝ててないというのは知っていたものの、最近はツキもあるから何とかなるだろうと過信していた私も悪いんですけどね。平日にも関わらず、スタジアムを満員にしたファンたちも一生懸命応援してくれたんですが、その日の彼らはまったくゴールに縁がなし。前半はサウールのヘッドもグリーズマンとガイタンのダブルチャンスもGKアンドレス・フェルナンデスに弾かれ、後半序盤もガイタンとの一対一をparadonn(パラドン/スーパーセーブ)されてしまっては、シメオネ監督だって、せっかく一息つかせてあげようとしていたカラスコを投入せざるを得ませんって。 ▽ただ、そのカラスコは15分程でルカビナとの接触プレーで肩を痛めてしまい、フェルナンド・トーレスと交代。結果的に誰の休養にもならず、ケガ人をムダに増やしただけに終わったんですが、それでもせめてスコアレスドローで勝ち点1でも稼いでくれていれば、ちょっとは救われたんですよ。ところがこの日は最近にしては珍しい大ポカが81分に発生。何とフィリペ・ルイスが自陣でボールを失い、エリア内に突入したバカンブの出したパスにソリアーノがゴール前で合わせ、GKオブラクが破られてしまったから、さあ大変! ▽その後も懸命に点を取りに行ったアトレティコでしたが、「Hoy la pelota no quiso entrar/オイ・ラ・ペロータ・ノー・キソ・エントラール(今日はボールがゴールに入りたがらなかった)」(シメオネ監督)という巡り合わせだったんですかね。最後の最後、アディショナルタイムにガビが敵エリア内に放り込もうとした遠くからのFKが地上に落ちる前に終了の笛が無情にも響き、それこそ「いつも自分たちがしていることをやられた」(ガビ)彼らは、2月末のバルサ戦以来となる、公式戦12試合ぶりの負けを喫してしまうことに(最終結果0-1)。 ▽試合後、コケなどは「Seguimos terceros haga lo que haga el Sevilla/セギモス・テルセーロス・アガ・ロ・ケ・アガ・エル・セビージャ(セビージャが何をしてもウチが3位なのは変わらない)」と強がっていましたけどね。大抵、悪いことは続くもので、木曜に試合をした相手は目下のところ、来週のヨーロッパリーグ準決勝マンチェスター・ユナイテッド戦1stレグしか見えていないセルタに2-1で勝利。またしても勝ち点で並ばれてしまったため、マドリーとのCL決戦を控えた土曜のラル・パルマス戦に、より一層のプレッシャーが懸かってしまったのは否めないかと。うーん、ゴディンが累積警告で出場停止になるのはある意味、いいお休みの機会なのかもしれませんけどね。 ▽カラスコは全治2週間、ファンフラン、ベルサリコの両右SBもまだ回復していませんし、何よりこの状態だと、唯一の命綱であるグリーズマンがとても休めそうにないのは不安。それ以外のFWはトーレスなど、木曜に自身のプレミアリーグ体験から、サッカーを通じて英会話を学ぶ本を出版。そのお披露目イベントでも「Estan las ganas de que esta vez si podemos dar a la gente algo que perseguimos desde hace 100 anos/エスタン・ラス・ガナス・デ・ケ・エスタ・ベス・シー・ポデモス・ダール・ア・ラ・ヘンテ・アルゴ・ケ・ペルセギエンドー・デスデ・アセ・シン・アーニョス(今回こそ、ファンが100年前から追っている夢を現実にしてあげたいという意欲がボクらにはある)」と、CL初優勝に向けて嬉しいコメントはしてくれるんですけどね。 ▽問題はその彼もガメイロもコレアも随分、ゴールから遠ざかっていることで、皆、もう少し、マハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションでシュート練習に力を入れてくれるといいのですが、こればっかりはねえ。そうそう、ビジャレアル戦の終了直後に第4審判の肩に手をかけ、「que hijo de puta sos; que hijo de puta!/ケ・イホ・デ・プータ・ソス、ケ・イホ・デ・プータ(お前ら、何て最低な奴らだ)」と悪口を言い、ベンチ入り禁止処分が懸念されていたシメオネ監督は、競技委員会が2試合の処分を科した数時間後に上訴委員会がそれを取り消してくれたため、土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのラス・パルマス戦に影響はないことに。 ▽うーん、彼には2014年のスペイン・スーパーカップで退場させられた後、ベンチ裏のスタンドから堂々、指揮を執っていたせいもあって、8試合もの処分を受けた黒歴史もありますからね。もうリーガも今季はあと4節、ビセンテ・カルデロンでのお別れ試合をパルコ(貴賓席)で見ることになるのも外聞が悪いですし、そろそろ新スタジアム、ワンダ・メトロポリターノでのデビュー戦のことも考えて、金曜に47歳になったシメオネ監督には自重してくれるよう、強くお願いしますよ。 ▽そして翌水曜は近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)でマドリーの試合を見た私でしたが、序盤はオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の二元中継も大忙し。まずは開始52秒で、イスコからラストパスをもらったモラタが日頃、あまり出番がない鬱憤を晴らすかのように速攻ゴールを決めたのにも驚かされたんですけどね。この節は平日だったせいで、夜に3カードやるため、このデポルティボ戦の前半はマドリッドの新弟分、レガネスがラス・パルマスをブタルケに迎えた試合の後半と丸かぶり。普段の彼らなら、そんなにレポーターが報告することもないんですが、54分のルチアーノの先制点を皮切りにゲレーロが続き、最後はPKでルチアーノが自身2点目と、たったの6分間で3点を挙げてしまったから、ビックリさせられたの何のって! ▽いえ、3連戦の真ん中ということで、相手のラス・パルマスもBチームを出していたんですけどね。そこへすでに残留達成しての気の緩み加わったのが、直近7試合に勝てておらず、だからと言って、降格圏の3チームも勝たないので大丈夫そうではあったものの、このままだと勝ち点27で残留という超恥ずかしい記録を作ってしまいかねなかったレガネスに幸いしたよう。そのまま3-0で快勝したため、同日、バルサに7-1と大敗していた最下位オサスナの降格が数字的に決まることにもなりましたっけ。 ▽それと同時進行して、マドリーも14分にはハメス・ロドリゲスが2点目を追加。34分にはアンドネに1点を返されたものの、44分にはイスコが特異な粘り強さを発揮してボールをキープした末、最後はルーカス・バスケスが決め、前半だけで1-4という余裕のスコアに。後半も再びハメス、イスコ、途中出場のカセミロとgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)は続き、デポルティボはホセルが意地のヘッドで1点を入れたものの、最後は2-6の大勝で決着です。ええ、おかげでこちらも再び、首位バルサと同じ勝ち点に戻ることができました。 ▽え、試合後はイスコなど、「Es la grandeza de un club como el Madrid, tenemos 23 titulares en el equipo/エン・ラ・グランデサデ・ウン・クルブ・コモ・エル・マドリッド、テネモス・ベインティトレス・ティトゥラレス・エン・エル・エキポ(マドリーみたいなクラブの偉大さは、チームに23人のレギュラーがいるっていうこと)」と胸を張っていたけど、この土曜のバレンシア戦ではA、B、どちらのバージョンでプレーするのかって?いやあ、そこはジダン監督も頭の絞りどころで何せ、CL準決勝が中2日で来るため、30歳越えしているロナウドやモドリッチらは温存してもいいかと思うんですが、2試合連続で出ないと当人が気を悪くするかもしれませんしね。 ▽Aチームでいくにしてもベイルがいない分、イスコ、アセンシオ、ハメスの誰か1人は入れなければならないでしょうし、そうすると連続先発したその誰かはアトレティコとの1stレグでベンチかスタンド観戦になるのは確実。選手的にはそれもイヤかもしれませんが、幸いチーム内は「No hay equipo A o B, todos somos importantes y es gracias al mister/ノー・アイ・エキポ・アー・オ・ベー、トードス・ソモス・インポルタンテス・イ・エス・グラシアス・アル・ミステル(ウチにAチーム、Bチームはないよ。全員が重要なんだ。監督のおかげでね)」(ナチョ)と波風は立っていないよう。まあ、相手のバレンシアももう今季の目標はクリアしていますし、ザザとカンセロが出場停止でいませんからね。 ▽それだけに土曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのこの一戦は比較的、穏やかに見られるかと思いますが、その日最後の試合はエスパニョールとバルサのカタルーニャダービー。少しは取りこぼしも期待できますし、まずは勝っておくのが無難でしょう。一方、レガネスは日曜にアウェイで乾貴士選手のいるエイバルと対戦ですが、金曜には18位のスポルティングがビジャレアルに敗戦。更にキックオフ前にグラナダがレアル・ソシエダに負けて降格2チーム目が決まるということもあるかもしれませんが、ここは心を惑わされず、1部に残るチームとしてふさわしい勝ち点の獲得に尽力してもらいたいところかと。うーん、アトレティコの3位争いのライバル、セビージャは月曜試合でマラガ戦なんですけどね。その頃にはきっと誰もリーガのことなんか、考えていませんよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.29 17:28 Sat
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【六川亨の日本サッカー見聞録】差別的なフラッグで川崎Fは2試合の無観客試合か

▽Jリーグは4月27日に第4回の理事会を開催し、今年7月にボルシア・ドルトムントとセビージャを招いて、浦和と鹿島が対戦する「明治安田生命Jリーグワールドチャレンジ2017」を開催することなどを発表した。浦和対ドルトムントが7月15日に埼玉スタジアムで、鹿島対セビージャが7月22日にカシマスタジアムで開催される。時間は未定ながら、夏場の試合のためナイトゲームが予想される。 ▽そして今回の理事会で1時間半に及ぶ議論を費やしたのが、すでに新聞等でも報じられている、G大阪のサポーターが起こしたナチス親衛隊(SS)をイメージする旗を掲げたことと、ACLの水原戦で川崎Fのサポーターが旭日旗を掲げた件だった。 ▽事件があったのは、4月16日に長居スタジアムで行われたC大阪対G大阪のダービーマッチだった。長居駅からG大阪のサポーターがSSを模した旗を掲げ、試合中もゴール裏で旗が揺れていた。G大阪の説明によると、試合中は認識できなかったものの、夜の19時過ぎにHPに問い合わせがあり、19日にはJリーグにもメールでの問い合わせがあったという。 ▽事実を確認したG大阪の山内隆司社長は、4月21日の大宮戦からフラッグの掲出を控えるようサポーターに求め、その後は今シーズンの公式戦のすべてでフラッグ等の掲出を禁止。そしてSS旗を作成したサポーターグループの代表者と協議した結果、グループの解散と同グループに所属するサポーターを無期限で入場禁止の措置をとったことをJリーグに報告した。 ▽今後、G大阪は応援に関するプロジェクトチームを作り、コンセプト、要項作りなどをクラブとサポーターでアイデアを出して共同で考える、定期的に意見交換して議論を進めるなどの対応策を取ることも報告。理事会では啓発をサッカー界が率先して行うとの意見で一致し、G大阪の考え方をJクラブで共有することになった。 ▽今後はG大阪を処分するかしないかも含めてJリーグは検討するという。一方、予断を許さないのが川崎Fに対する処分である。Jリーグでは旭日旗の使用は「政治的、差別的な意図はないと認識している」(村井チェアマン)ものの、韓国では戦前の日本による侵略の象徴ととらえられている。このためJFA(日本サッカー協会)は、国際試合での使用について相手が不快に思う場合は自粛をお願いすることもあるそうだ。 ▽こちらの件で難しいのは、ACLはAFC(アジアサッカー連盟)の主管試合であること。Jリーグが独自の判断や制裁を加えることはできず、昨日の段階でもAFCからJリーグには何の連絡もない。村井チェアマンによると、AFCが何らかの制裁を科す場合は、直接、川崎Fにコンタクトを取るか、JFAを通じての制裁になる可能性が高いらしい。 ▽そして27日の午後、AFCは旭日旗を掲げた件で、規律倫理規則の第58条にある「差別禁止規定に抵触」するとして、川崎Fの処分を検討するとHPで発表した。AFCは倫理規定でスタジアムでの尊厳を傷つける差別や政治的な意見を禁止している。どのような処分になるかはAFCの規律委員会で協議されるが、最低2試合の無観客試合と1万5千ドル(約167万円)以上の罰金を科される可能性もある。 ▽AFCが制裁を科せるのは、当事者の川崎Fと、場合によっては日本代表も含まれただけに、川崎Fへの処分を検討していることは、被害が日本代表に及ばずに済んだだけに、言葉は悪いが一安心といったところ。 ▽ACLでは浦和と鹿島が好スタートを切っただけに、川崎Fのサポーターと、Jリーグでの出来事だがG大阪のサポーターが起こした、差別的ともとられかねないフラッグの掲出は残念だし、配慮を欠いた事件でもある。今回の一件を他山の石としてサポーターは共有するべきだろう。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2017.04.28 12:15 Fri
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【東本貢司のFCUK!】4月最終週ミッドウイークの乱

▽三日間で5試合、すべてキックオフからファイナルホイッスルまでみっちり見届けたのは久しぶりのことだ。それだけ、それぞれが重要なカードであり、またそれがゆえに結果のみが“残った”とも言える。無論、この期に及んで“スペクタクルな好ゲーム”を期待する方が欲をかいている。昨シーズンを例にとると、4月最終週のミッドウイーク時点で、各チーム残り3試合。今季はばらつきもあるが平均してその倍を残している。アーセナルにいたっては26日のレスター戦を含んで7試合。そのうえ、FAカップ決勝も控えている。ヴェンゲルの去就、頼みのサンチェス、エジルのはっきりしない行く末も絡んで、息つく暇もない。だからこそ、オウンゴールであれ何であれ、終了間際にもぎ取った虎の子の1点の価値は千金どころではない。ヴェンゲルは言う。「自分(が残るか去るか)のことなど二の次。クラブが残す、手にする結果がすべてだ」・・・・自らへの不満分子をなだめすかす意味もあるとすれば、ファンも目を開かねばならない。何を最優先すべきなのかを。 ▽スパーズことトテナム・ホットスパーは目に見えて強かに成長している。ちょうど1年前の今頃、ウェスト・ブロムの痛恨のドローを強いられ、ミラクル・レスター追撃の芽を摘まれたのみならず、“持病”のごとく最後の追い込みでずるずると星を落として結局3位で終えた二の舞はもうなさそうだ。つい先日、ヤング部門で年間最優秀プレーヤーに選出され、シティーからレアル、バルサまで熱い視線を送るデレ・アリがさほど目立たなくとも、エリクセンやソン・フンミンが十分すぎるほどカバーしてくれる。チェルシーも最後まで気を抜けそうにない。その意味でも、チェルシーやアーセナルに一泡吹かせてきたばかりのクリスタル・パレスに挑んだ一戦は注目の試金石だったが、苦戦しながらも勝ち切ってみせた。アーセナル-レスター戦が総体的に流れの悪い消耗戦だったのに引き換え、同じ最終スコアでも、パレスとの一戦は見応え十分だった。そんなこんなを感じ取ったバルサやレアルが、ポチェッティーノ略奪に色目を使っているとかには笑止千万。いまだに監督が変われば何やらと考える短絡思考にはうんざりする。プレーヤーをもっと信じよだ。 ▽今では忘れている、というよりも、そもそも気が付いていない人も多いようだが、ミラクル・レスターの真の“メンター”は、一昨シーズン終了後になぜか電撃解任されたナイジェル・ピアソンなのだ。そして、クラウディオ・ラニエリの第一の功績は、そのピアソンが築いたベースをほぼ損なうことなく、いや、そのまま継続して“敬意”を示し続けた点にある。しかも、“第三の男”クレイグ・シェイクスピアも、成功に行き着いた色気なのか欲目なのか、ラニエリが少しばかりいじりかけた感のある戦術的変更を、今一度原点(=ピアソン流)に立ち返って再び勝ち運を呼び込んだのである。監督が変わって何かが変わったのではない。プレーヤーたちへの信頼を今一度確かめ、その信頼にプレーヤーたちが迷いを吹っ切ることができたからに相違ない。おそらく、ヴェンゲルはそのことを感知して「プレーヤー・ファースト」にこだわっているのだと考えられる。なにしろ、彼らのほとんどが、自らの目で見極め鍛え上げた秘蔵っ子たちなのだ。カネにあかせて揃えたオレ様たちの寄せ集め軍団ではない。そこに、アントニオ・コンテの皮肉がエコーする。 ▽グアルディオラが「チェルシーだって・・・・」と反論したくなる気持ちもわからないではないが、冷静に振り返ってみればコンテの言い分はほぼ「正当」だと思う。中国マネーに走ったラミレスやオスカーも、ファブレガスも実体はアタッカー志向。回転軸となる不動のアンカーがどうしても欲しかった。そこでカンテを獲った。さらに、テリーの衰えを看て取ってダヴィド・ルイスを“呼び戻した”。意外な掘り出し物の“ディフェンダー”アロンソはそれまでほぼ無名の存在。つまり、カネがかかるかどうかは二の次の“結果論”で、ピンポイントで必要な補強を名前よりも実力本位で施した。イングランド史上最も成功した指導者、サー・アレックス・ファーガソンの手法そのものではないか。何度でも繰り返したくなるが、たとえ大半がアカデミー上がりであろうと、グアルディオラが率いたバルサはその時点で世界的スターがひしめいていた。そこから移ったバイエルンはそれこそ、“強奪”同然に狩り集めた国際的スターの巣窟。シティーはそれ以上にふんだんにカネを使ってきたうえに、出入りも激しい。“戦術”だけで何かを変えるという話は通じそうにない。意地の悪い(?)メディアも早速クサしている。ペジェグリーニは偉大だった、と。 ▽そしてそして、ユナイテッドはまだまだ修復途上。ファン・ハール時代のツケ、というよりもデイヴィッド・モイーズをたった10か月で見限ったツケから、大変な無駄遣いを続けてきて、いまだ先行きは不透明。ラシュフォード、リンガードの登場、成長で“兆し”は見えてきたが、ルーニーの処遇も含めて、少なくともモウリーニョ体制2年目の帰趨を見極めてからでないと何とも言い難い。個人的にはポグバ獲得は余計だったのではないかと思っている。幸い、エレーラが一本立ちした様子で、あとはミヒタリアンとバイリーが定着すれば落ち着いて戦えるベースはできるだろう。ヴァレンシアとフェライニをあえて重用して成果まずまずなのは、さすがはジョゼ君。アシュリー・ヤングを干したままにしない方針も好感が持てる。グリーズマン獲得にあまりこだわらない方がいいかとも思うが、少なくとも大型補強はそこでいったん打ち止めとするのがベター。新顔導入が続くとチームは地に足がつかないのは、十分に懲りたはず。リーグカップ獲得で一応の顔は立った。ヨーロッパリーグ制覇に的を絞ってじっくりと改造を進める。ヴェンゲル式、レスター式、あるいはコンテ流に学ぶべし。願わくば、アカデミーの充実を改めて土台とする再認識を。<hr>【東本 貢司(ひがしもと こうじ)】 1953年大阪府生まれ 青春期をイングランド、バースのパブリックスクールで送る。作家、翻訳家、コメンテイター。勝ち負け度外視、ひたすらフットボール(と音楽とミステリー)への熱いハートにこだわる。 2017.04.28 12:10 Fri
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【倉井史也のJリーグ】今週はちょっと拗ねてまともな原稿を書いてやるぜ?! これでも! の巻

▽先週一番話題になったゴールって、やっぱあれですかね? 興梠慎三の浦和トップ独走を決める決勝点。とても重要な得点だったと思うんですけど、でもどうやら違うようで。一番ニュースで目にしたのって、中村俊輔のズドンと一発だったんじゃないでしょうか。 ▽その中村のゴールって、本当はその前のトラップのところで打ちたかったんだろうけど、戻ってきたところをビシッと当てたシュートから生まれてるわけです。だからあのゴールを見ながら「あぁ、昔の俊輔だったら」という思いを持った人もいるだろうし、中村がまだ活躍していることにホッとした人も多かっただろうし。 ▽一度は失敗しても次のチャンスを生かすって、なんか挫けるなっていうメッセージみたいでよかったなぁ。なんて、サッカーのライターが書いたら編集担当から「何それ? 情緒過ぎるじゃん? バカなの? どっか行くの?」って言われるとこなんですけど、まぁこうやって書いてるんですけどね。 ▽と、中村が活躍したのなら、こっちもやってほしい! って選手は26日のルヴァンカップでやってくれました。ホームの大宮戦で小野伸二が正確にミートして流し込む小野らしいボレー。これまたむっちゃノスタルジックな風景まで思い出して感激した人たちも多かったんじゃないですかね。 ▽中村にしろ小野にしろ、これは次の試合も期待できるかも。だって、ゴールって一度生まれると、続いたりするじゃないですか。昔、本田圭佑が「詰まってたケチャップが出始めるとドバドバ」と言ってた感じで。でもって、今週末はこの2人が所属する磐田vs札幌なんですよ。ゴールデンウィーク突入のカードとしては、これはいい前振りを持ってる対戦なワケです。 ▽……といいつつ、ちょっと寂しいってのもありませんか? 確かにベテランの活躍は大いに結構。だけど、それを凌駕する若手が出てきてこそ、リーグが本当に盛り上がるんです。そんな若手が久保建英だけじゃ、なんて寂しい! ちゅうことで、実は大の仲良し、鈴木優磨と鎌田大地が対決する(だろう)鹿島vs鳥栖にも注目なのでした。<hr>【倉井史也】 試合当日は、はやる気持ちを抑えられずスタジアムに受け付け開始と同時に駆けつけ、選手のバスが両方行ってしまうまで名残を惜しむ。自慢は対戦カードの因縁をよく覚えていること。特にサポーター寄りのネタが得意。パッと見は若いが実は年齢不詳のライター。 2017.04.27 19:30 Thu
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【原ゆみこのマドリッド】十八番を奪われた…

▽「毎節、ハラハラすることになりそう」そんな風に私が溜息をついていたのは月曜日、クラシコ(伝統の一戦)から一夜明け、レアル・マドリーとバルサのこの先のカードを見た時のことでした。いやあ、いくら勝ち点で並んだ後者が直接対決の結果、この週明けは首位の座にいようとも、順延となったセルタ戦の分、残り試合が1つ多いマドリーが切り札を握っているのは変わらないと思うんですけどね。ただし、お隣さんとCL準決勝を戦うことになった彼ら同様、ヨーロッパリーグ準決勝でマンチェスター・ユナイテッドに立ち向かうセルタも暇な週がまったくないため、その試合は5月17日、リーガ最終節直前のミッドウィーク開催になりそうだというのはともかく、バルサが残り5試合に全勝した場合、マドリーに許されるのは7試合で6勝1分けのみ。 ▽その間、アウェイでデポルティボ、グラナダ、セルタ、マラガ、ホームでバレンシア、セビージャと戦う訳ですが、バルサだって、カンウ・ノウでのオサスナ、ビジャレアル、エイバル戦、スパニョールのホームでのカタルーニャダービー、ラス・パルマス遠征とくれば、なかなかどうして、全部に勝つというのは難しいかと。うーん、向こうにとって、災い転じて福となすのは先週、CL準々決勝2ndでユベントス相手に逆転突破が叶わず、5月からのミッドウィークがポッカリ空くこと。逆にマドリーには頭の痛いヨーロッパ・マドリーダービーがあるため、その分、体力の消耗が激しいんですけどね。更にシーズン終盤にありがちなことで、途中でポツポツとどちらかが負けたり、引き分けたりする可能性も捨てきれないため、そうなると状況も変わっていくはずで…ええ、これってリーガ戦があるたび、時間刻みに一喜一憂しなきゃいけないってことじゃないですか。 ▽まあ、そんなことはともかく、先週末、一足先にプレーしたのはアトレティコで、土曜にバルセロナに乗り込んでのエスパニョール戦。うーん、こちらはファンフラン、ブルサリコの負傷欠場による本職右SB不在を補ったのがCBのヒメネスで、CL準々決勝2ndレグでのボランチに続いて、マルチタレントぶりを発揮していたぐらいしか、双方無得点だった前半について報告することはないんですけどね。そのままでは前日、グラナダに勝利して、勝ち点で並ばれたセビージャに差をつけられないと、シメオネ監督も思ったんでしょうね。後半頭からFWのフェルナンド・トーレスに代え、MFのトマスを投入。「Buscaba mas gente llegando de segunda linea/ブスカバ・マス・ヘンテ・ジェガンドー・デ・セグンダ・リネア(2列目から敵ゴールに迫る選手を探した)」そうですが、え、それってこのところ、中盤まで降りて来てプレーしていることの多いグリースマンのことだった? ▽だってえ、後半27分、レスター戦で学んだか、敵エリア内にボールを放り込むヒメネスのロングスローインをキッカケにして、サウルのシュートが逸れたところ、最後にそれをゴールに蹴り入れてくれたのはグリースマンだったんですよ。その2分後には、前節は後半ロスタイムにシュートを決めて、マドリッドの新弟分、レガネスを0-1の敗戦に追い込んだレオ・バチストンの至近距離からの一撃をGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)。「スペイン語で上手い言い方を知らないけど…digamos que la pare con el corazon/ディガモス・ケ・ラ・パレ・コン・エル・コラソン(ハートで止めたといったところかな)」(オブラク)というプレーのおかげもあって、アトレティコはそのまま0-1で勝利することに。 ▽実際、自慢できるような華々しい試合ではありませんでしたが、先週はイングランド遠征をしたせいもあって、彼らも疲れていましたからね。勝ち点3は勝ち点3なので、別にいいんですが、やっぱりその翌日、あのクラシコのような一戦を見せられると、アトレティコにメッシはいないという現実がひしひしと迫ってくるばかり。いえ、ヒメネスなど、「ロナウドは他と違う選手。Sabemos lo que es, de su potencial fisico, pero tambien sabemos como pararlo/サベモス・ロ・ケ・エス、デ・ス・ポテンシアル・フィシコ、ペロ・タンビエン・サベモス・コモ・パラールロ(どんなに凄いか、フィジカルが強靭なのも知っているけど、止め方もわかっている)」と、来週からのCL準決勝にまったく引け目を感じていないようでしたが、繰り返します。いくら相手を零点に抑えても、アトレティコにはメッシのような点の取り方ができるFWはいないんです! ▽そう、先日のCLバイエルン戦に続き、スタジアム周辺に集結した大勢のサポーターのお出迎えを受けたマドリーは開始2分、ウムティティにクリスチアーノ・ロナウドがエリア内で倒されながら、ペナルティをとってもらえないという不運から始まりましたが、前半28分にはクロースのCKがクリアされたボールが戻ってきて、最後はカセミロがゴールを決めて先制点をゲット。ただそのリードはたった5分しか続かず、序盤にマルセロのcodazo(コダソ/肘打ち)を喰らい、しばらく止血のため、ガーゼを口にくわえてプレーしていたメッシが人間離れした個人技で同点に。ええ、前をふさぐカルバハルを問題にせず、易々シュートを決めているのですから、まったく恐ろしいじゃないですか。 ▽その後、38分にはここ2試合、ふくらはぎ痛でお休みしていたベイルが故障を再発。代わりにアセンシオが入るというアクシデントはありましたが、前半は1-1のまま終了します。そして後半しばらく、ケイロル・ンバスとテア・シュテーゲンが互いに好セーブを競い合っていましたが、それだけに27分にラキティッチがエリア前から撃ったシュートがいきなりゴールになった時には誰もが呆然することに。ええ、丁度、バルサの選手が祝っているのと同じでサイドでアップ中だったモラタなど、よっぽど悔しかったでしょうか。口に含んだ水をジョルディ・アルバに向かって吐きかけるなんて真似をしていて、双眼鏡でたまたま見ていた私も我が目を疑ったんですが、ここはremontada(レモンターダ/逆転劇)の殿堂、サンティアゴ・ベルナベウですからね。残り15分以上もあるとなれば、何があってもおかしくないと思っていたところ…。 ▽根性のレモンターダ精神の体現者である、奇跡の後半ロスタイム3分ヘッドという特技を持つ男、セルヒオ・ラモスが一発レッドで退場しちゃったんですよ!それは34分、いえ、当人は後で「Lo he visto ya 70 veces antes de salir aqui a hablar/ロ・エ・ビストー・ジャー・セテンタ・ベセス・アンテス・デ・サリール・アキー・ア・アブラル(出て来て話す前にもう70回はビデオを見たよ)。ボクのタックルはタイミングが遅かったのは確かだけど、相手に触ってない。メッシが跳んだんだから。自分の解釈ではイエローカードだ」と言い張っていましたけどね。 ▽その一方で、「se ha ido cabreadisimo porque queria ayudar al equipo/セ・ア・イドー・カブレアディシモ・ポルケ・ケリア・アジュダール・アル・エキポ(チームを助けたかったから、カンカンになってピッチから出て行った)」(マルセロ)際、積りに積もっていた不満をラモスが爆発させ、「Habla, habla ahora!/アブラ、アブラ・アオラ(今、言えよ)」と、これまでの誤審疑惑発言にせいで八つ当たりされていたピケなどは,「la roja es clara, va con los dos pies por delante/ラ・ロハ・エス・クラーラ、バ・コン・ロス・ドス・ピエス・ポル・デランテ(レッドカードは明らか。両足を上げてタックルしたんだから)」と断言。ただ、あのファールが退場にふさわしいかどうかは、専門家の間でもマドリディスタかバルセロニスタかによっても意見が分かれるところなので、私には何とも。 ▽でもねえ、逆境に燃え上がるのはラモスだけでなく、マドリーに深く染み付いた習性のようなもので、その後の彼らは怒涛のカウンターの攻勢を発動。ボールが行ったり来たりする目まぐるしい展開になりましたが、白いユニフォームが敵ゴールのfondo sur/フォンド・スール(南側スタンド)に向かって行く時の速いことといったらもう!そんな時に「アトレティコにこれが止められるんだろうか」と考えていた私も自分でどうかと思うんですが、その集大成は40分。マルセロのクロスをベンゼマと交代で入っていたハメス・ロドリゲスが流し込み、今回のクラシコでのマストだった同点に持ち込んでしまったとなれば、もう感嘆するしかないじゃないですか。 ▽え、でも結局はそのレモンターダ精神が仇となったんじゃないかって?そうですね、後でジダン監督も「Cuando logras el 2-2 con diez hay que tener un poco mas de cabeza/クアンドー・ログラス・エル・ドス・ア・ドス・コン・ディエス・アイ・ケ・テネール・ウン・ポコ・マス・デ・カベッサ(10人で2-2に持ち込んだ時、もうちょっと頭を使うべきだった)」と反省していましたけどね。「3点目が取れると思い、危険は承知で高い位置でプレスをかけ続けた」マドリーは最後の最後で超強烈なしっぺ返しを喰らうことに。ええ、すでに時間はロスタイム、敵ゴール近くでのスローインから、速攻を許し、セルジ・ロベルトがバルサのカンテラーノ(ユース組織出身の選手)の意地を見せるがごとく、ピッチを全力疾走で縦断。 ▽もちろん、後でロナウドも「Haz falta!/アス・ファルタ(ファールしろよ)」と怒っていたように、ムザムザ行かせてしまったモドリッチやマルセロもいけないんですが、アンドレ・ゴメス、ジョルディ・アルバと繋がれたボールが最後にメッシに渡ってしまったのが、それこそ運の尽きだったかと。そう、自身その日2点目、バルサで通算500得点目となるゴールが決まり、当人がユニフォームを脱いでマドリーファンが座っているスタンドにネームを掲げている間に試合は終わってしまいましたっけ。いやあ、「Hemos ganado 2-3 y a su estilo/エモス・ガナードー・ドス・ア・トレス・イ・ア・ス・エスティーロ(ウチは彼らの流儀で2-3にして勝った)」とルイス・エンリケ監督は試合後の会見で胸を張っていましたけどね。 ▽私なども逆の光景は見慣れているものの、マドリーが土壇場に負けてしまうなんてのはまったくの想定外。これまでサンティアゴ・ベルナベウで奇跡のレモンターダの犠牲者になったチームの気持ちがようやくわかったような気がしましたが、それにしたって、心配なのは午前零時近くになって、やっとミックスゾーンに姿を現したラモスとピケの舌戦がこれまで以上にエスカレートしていたこと。いえ、前にもつつき合いはあったんですが、さすがにクラシコ5回目の退場は堪えたんでしょうかね。「En el Bernabeu estan acostumbrados a arbitrajes muy permisivos/エン・エル・ベルナベウ・エスタン・アコストゥンブラードス・ア・アルビトラヘス・ムイ・ペルニシーボス(ベルナベウでは寛容なジャッジに慣れているからね)」と皮肉を言い、先に帰っていたピケに対し、「Permisivo fue lo del PSG/ペルミシーボ・フエ・ロ・デル・ペーセーヘー(寛容だったのはPSG戦だろ)」ってそれ、違う大会混ぜてるし。 ▽曰く、「文句を言うのは審判にプレッシャーを与える方法。それがジャッジする時に影響することもある。別にピケと仲が悪い訳じゃないけど、クラシコの後で抱擁をかわすなんてことは頼まないでほしい」そうですが、いや、今日のあなたはもうピッチにいなかったでしょ。いやあ、どうにもここまでこじれると、この先のスペイン代表が心配されますが、それはまた6月に考えればいいこと。今は、結局マドリッドには来ず、似たような仕草を退場後にして課された3試合の出場停止、2試合目をおとなしく済ますことにしたネイマール同様の処分がラモスに出るかどうかはわかりませんが、次節の出場停止は確実で、バルサ戦の終盤同様、マドリーのCBがナチョ1人になってしまった現状を憂いるべきかと。 うーん、これってアトレティコなど昨今、各所の人手不足でピッチにCBが4人いることも珍しくないのとは真逆ですけどね。肋骨骨折のペペはともかく、ここは水曜午後9時30分(日本時間翌午前4時30分)からのデポルティボ戦までに、せめてバランがプレーできるようになるのを祈るばかりかと。ベイルのケガの程度はまだわかりませんが、そちらはアセンシオやイスコ、ハメスといった質の高い代替要員には欠かないため、やっぱりマドリーの課題は前節もレアル・ソシエダに0-1で惜敗して、残留争いからなかなか抜け出られない相手の必死の攻撃をどうかわすかでしょうか。 ▽そしてアトレティコの方は火曜の午後9時30分、ビセンテ・カルデロンにビジャレアルを迎えるんですが、どうも最近、このパターンが常態化していますよね。相手は土曜にバカンブが手で入れた後半ロスタイムのゴールが決勝点として認められ、レガネスに2-1で勝利。またしても兄貴分の貫録を示さないといけないんですが、エスクリバ監督が「Como equipo, el Atletico es el mejor de Espana/コモ・エキポ、エル・アトレティコ・エス・エル・メホール・デ・エスパーニャ(チームとして、アトレティコはスペインで一番いい)」と褒めてくれていたのは、メッシのタレント満開の活躍を目の当たりしたばかりの身には嬉しい限りだったかと。 ▽ようやくガメイロやチアゴら、負傷で離脱していた選手たちも少しずつ戻ってきていますしね。取り柄の堅い守備力を最大限に発揮して、最少得点差の地味なゲームでも、とにかく今週は3位死守に尽力してほしいものです。一方、レガネスは水曜にラス・パルマス戦ですが、いくら降格圏のオサスナ、グランダ、スポルティングがほとんど勝ち点を増やしてこないと言っても油断は禁物。もし残留できたとしても、たったの27ポイントではあまりに情けないですし、もちろんツキもありますが、せめて土壇場では負けないという意地を選手たちが持ってくれませんかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している 2017.04.25 12:50 Tue
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