▽第94回全国高校サッカー選手権大会の3回戦が3日に終了した。
▽19年連続21度目出場で初優勝を狙う青森山田(青森)は、今大会最高のストライカーの呼び声高いU-18日本代表FW小川(磐田に加入内定)ら好タレントを擁す桐光(神奈川)と対戦。2点ビハインドで迎えた後半アディショナルタイムに2点を奪って追いついた青森山田は、PK戦を5-4で制して劇的な形でベスト8進出を決めた。
▽拮抗した展開が続く中、均衡を破ったのは桐光。前半32分、ボックス付近でパスを受けた小川がそのままボックス右に持ち出して強烈なシュートをファーポストに突き刺した。さらに小川は後半立ち上がりにも右クロスを打点の高いヘディングで合わせ、2点目を奪った。
▽試合は桐光の2点リードで後半アディショナルタイムを迎えるが、ここから青森山田が驚異的な粘りを見せた。まずは後半41分、右CKの場面でFW成田のゴールで1点を返すと、同44分には今大会で威力を発揮していたDF原山のロングスローをMF吉田が頭で合わせ、土壇場で追いついた。そして、PK戦で5人全員が成功した青森山田は、桐光の5人目小川のシュートをGK広末が見事にセーブし、ドラマチックな逆転劇を完結させた。
▽今年の高校総体決勝で対戦した東福岡(福岡)と市立船橋(千葉)の名門対決は、互いに再三の決定機を作ったものの、GK脇野(東福岡)とGK寺尾(市立船橋)の両守護神の活躍もあってゴールレスで80分間の戦いが終了。その後、行なわれたPK戦でも両守護神が好守を見せたものの、高校総体決勝と同様に東福岡が4-3で市立船橋を下した。
▽前大会王者の星稜(石川)は、ここまでの2戦で7得点無失点と安定感を誇る中京大中京(愛知)との熱戦を1-0で勝利し、連覇に向けてまた一歩階段を上った。ゴールレスで迎えた後半、DF岡田のゴールで先制した星稜は、自慢の堅守で逃げ切った。
▽その他の試合では、國學院久我山(東京A)と駒澤大高(東京B)の東京勢が、それぞれ神戸弘陵(兵庫)と松山工(愛媛)を2-1のスコアで破り、ベスト8進出を決めた。
▽また、前回大会準優勝の前橋育英(群馬)は、2回戦で8ゴールを奪った帝京第三(山梨)を相手に3-1の快勝。一昨年の優勝チームの富山第一(富山)は、好タレントを擁す矢板中央(栃木)に2-1で勝利。明徳義塾(高知)は、各務原(岐阜)に3-0で快勝している。
▽第94回全国高校サッカー選手権大会の3回戦結果および準々決勝の対戦カードは以下の通り。
◆第94回全国高校サッカー選手権大会の3回戦結果
星稜(石川) 1-0 中京大中京(愛知)
松山工(愛媛) 1-2 駒澤大高(東京B)
東福岡(福岡) 0-0(PK:4-3) 市立船橋(千葉)
矢板中央(栃木) 1-2 富山第一(富山)
各務原(岐阜) 0-3 明徳義塾(高知)
桐光(神奈川) 2-2(PK:4-5) 青森山田(青森)
神戸弘陵(兵庫) 1-2 國學院久我山(東京A)
帝京第三(山梨) 1-3 前橋育英(群馬)
◆第94回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝組み合わせ
▽1月5日(火)
駒澤大高(東京B) vs 東福岡(福岡)
青森山田(青森) vs 富山第一(富山)
星稜(石川) vs 明徳義塾(高知)
國學院久我山(東京A) vs 前橋育英(群馬)
