【日本サッカー見聞録】フェリポンも脱帽したバルサの美しいサッカー
2015.12.18 13:34 Fri
▽試合前のワーキングルームでのこと。メッシは尿管結石のため緊急入院したとの情報がもたらされ、失望感がワーキングルームには漂った。それに追い打ちをかけるように、スタメン表のネイマールにはけが人を示す「I」のマークが印字されている。バルセロナの誇るMSNのうち2人がいないのだから、横浜国際競技場に詰めかけたファンもがっかりしたことだろう。
▽とりわけスーパーだったのが、50分にイニエスタからの縦パスに合わせてDF陣の背後へ抜け出しながら、胸でトラップして右足ボレーで決めた2点目だ。トヨタカップ時代のユベントスで、プラティニが決めた“幻のボレーシュート”(オフサイドで取り消された)を彷彿させる美しいゴールだった。
▽試合はスアレスが大会初となるハットトリックの活躍からバルセロナが3-0で広州恒大を退け、リーベルプレートが待つ決勝戦へと進出した。メッシとネイマールがいなくてもバルサのボゼッション・サッカーは健在。4人のDFとボランチのブスケッツ以外は、固定されたポジションのない流動的なスタイルもいつものサッカーだ。
▽広州恒大も、バルサに勝つにはこれしかないというカウンターをエウケソンやグラル、ジョン・ロンらが仕掛けたものの、ことごとくマスチェラーノに阻止された。試合後のスコラーリ監督も「バルセロナに0-3で負けるチームは沢山ある」と脱帽しつつ、「メッシとネイマールは世界最高の2人だが、彼らがいなくても素晴らしいプレーを維持できる学校だ。バルセロナはテレビで見ても、試合をしても“学び”があるチーム。どのようにして美しいサッカーをするか、ボールポゼッションをするか。“学び”は沢山ある」と最大級の称賛を送っていた。
▽そして決勝に望むことはただ一つ。メッシとネイマールの元気な姿をピッチで見たいということだ。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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▽ただ、その後にスタメン表の訂正版が配布され、ネイマールから「I」の表示が消え、ベンチ入りしていることが分かったのはせめてもの明るい話題と思ったものだ。試合は、そんな思惑を吹っ飛ばす、スアレスのワンマンショーだった。▽試合はスアレスが大会初となるハットトリックの活躍からバルセロナが3-0で広州恒大を退け、リーベルプレートが待つ決勝戦へと進出した。メッシとネイマールがいなくてもバルサのボゼッション・サッカーは健在。4人のDFとボランチのブスケッツ以外は、固定されたポジションのない流動的なスタイルもいつものサッカーだ。
▽広州恒大も、バルサに勝つにはこれしかないというカウンターをエウケソンやグラル、ジョン・ロンらが仕掛けたものの、ことごとくマスチェラーノに阻止された。試合後のスコラーリ監督も「バルセロナに0-3で負けるチームは沢山ある」と脱帽しつつ、「メッシとネイマールは世界最高の2人だが、彼らがいなくても素晴らしいプレーを維持できる学校だ。バルセロナはテレビで見ても、試合をしても“学び”があるチーム。どのようにして美しいサッカーをするか、ボールポゼッションをするか。“学び”は沢山ある」と最大級の称賛を送っていた。
▽スタンドでは広島の選手が試合を観戦していたが、20日の3位決定戦は広島vs広州恒大という、来年のACLの前哨戦という顔合わせ。広島は連戦のためベストメンバーを組めるかどうかが気がかりな点でもある。スコラーリ監督は、2013年の大会では3位決定戦で敗れていたため、3位にはかなりのこだわりを見せていただけに、ベストメンバーを送り込んでくる可能性が高い。
▽そして決勝に望むことはただ一つ。メッシとネイマールの元気な姿をピッチで見たいということだ。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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