【日本代表コラム】改善した左と生まれた幅
2015.09.09 11:50 Wed
▽前日会見で「2つのポジションで先発が決まっていない」と語っていたハリルホジッチ監督のコメントを受け、多くの人が宇佐美の先発を予想しただろう。そういった意味で原口の起用は驚きだったが、その意図は明白だった。そして、原口も期待に応えるパフォーマンスを披露し、結果と内容を両立させることに成功した。
▽先日のカンボジア代表戦と今回のアフガニスタン代表戦で変わったことと言えば、まずは左サイドに原口が入ったこと。その原口は序盤からワイドに開いてボールを受け、そこからの仕掛けで攻撃の起点となった。そこが、カンボジア戦では早いタイミングでボックス内に入っていた武藤と異なるところ。件のカンボジア戦では、相手が5バックだったこともあるが、武藤や長友が早いタイミングで中に入りすぎたためにボックス内が渋滞し、クロスを簡単に跳ね返される要因の1つになっていた。
▽しかし、今回は原口がサイドに開いてボールを受けることで相手の守備ブロックも広がり、そこからスペースの空いたバイタルエリアに侵入することで効果的な攻撃を仕掛けることができた。実際、カットインから香川とのワンツーを狙ったことで結果的にDFのマークを引きつけることになり、その原口の動きを生かした香川が素早い反転からミドルシュートを突き刺して先制した。また、原口は中にスペースがないと判断すれば逆サイドにボールを展開し、カットインばかりでなく縦にも仕掛けるなど、攻撃の幅を広げることに一役買っていた。そして2点目も、原口の縦への仕掛けによって得たCKの流れから生まれた。
▽その他にも、カンボジア戦ではやや控えめだった森重が、積極的に持ち上がってミスを恐れずに両サイドの裏に長いボールを入れていた。精度を欠く部分もあったが、こういったボールを多用したことでアフガニスタンの守備ブロックは広がり、中央をより生かしやすい状況が生まれたように思う。もちろん、前述の2人だけでなく、2得点の香川も動きに躍動感があったし、出足の早さと球際の強さ、そして真骨頂でもある機を見た攻撃参加で得点にも絡んだ山口も存在感を示していた。
▽また、攻撃のバリエーションという意味では、セットプレーの形にも意図が感じられた。ニアでボールをすらし、中央とファーサイドに配した選手がタイミングをずらして入っていく形や、ボックス中央にスペースを作り、その空いたスペースを生かすサインプレーなど、いくつかの形を試していた。また、試したと言えば、練習でもやったことのない原口の右サイドバック起用もあった。ただ、彼に求められている役割を考えれば、もっと高い位置をとり続けても良かったように思う。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》
▽先日のカンボジア代表戦と今回のアフガニスタン代表戦で変わったことと言えば、まずは左サイドに原口が入ったこと。その原口は序盤からワイドに開いてボールを受け、そこからの仕掛けで攻撃の起点となった。そこが、カンボジア戦では早いタイミングでボックス内に入っていた武藤と異なるところ。件のカンボジア戦では、相手が5バックだったこともあるが、武藤や長友が早いタイミングで中に入りすぎたためにボックス内が渋滞し、クロスを簡単に跳ね返される要因の1つになっていた。
▽その他にも、カンボジア戦ではやや控えめだった森重が、積極的に持ち上がってミスを恐れずに両サイドの裏に長いボールを入れていた。精度を欠く部分もあったが、こういったボールを多用したことでアフガニスタンの守備ブロックは広がり、中央をより生かしやすい状況が生まれたように思う。もちろん、前述の2人だけでなく、2得点の香川も動きに躍動感があったし、出足の早さと球際の強さ、そして真骨頂でもある機を見た攻撃参加で得点にも絡んだ山口も存在感を示していた。
▽また、攻撃のバリエーションという意味では、セットプレーの形にも意図が感じられた。ニアでボールをすらし、中央とファーサイドに配した選手がタイミングをずらして入っていく形や、ボックス中央にスペースを作り、その空いたスペースを生かすサインプレーなど、いくつかの形を試していた。また、試したと言えば、練習でもやったことのない原口の右サイドバック起用もあった。ただ、彼に求められている役割を考えれば、もっと高い位置をとり続けても良かったように思う。
▽最終的に6-0という大差で勝利を収めたが、対戦国のレベルを考えれば大勝して当然の相手であり、当然の結果とも言える。やはり、問題は次のシリア代表戦。シリアはここまで3連勝で、勝ち点でも得失点差でも日本を上回っている。すでに引き分けが1つある日本としては、直接対決で優位に立たなければいけない。シリアとの過去の対戦を振り返っても楽な試合にはならないだろう。それでも、今回の一戦のようにピッチをワイドに使ってコンビネーションを交える形や、素早い攻守の切り替えを見せることができれば、結果はついてくるはずだ。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》
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