【日本代表コラム】起点になった右とちぐはぐな左2015.09.04 13:36 Fri

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▽このところの練習で取り組んでいたというサイド攻撃で何度も形は作ったが、特に前半はそのほとんどが右サイドからだった。最後のクロスが少し単調ではあったが、本田と酒井宏、そこに長谷部や香川が絡んだコンビネーションや動きからゴールに迫る場面を何度か作りだした。ただ、前述したように、ボックス中央に放り込まれるクロスが合うことはほぼなかった。ボックス内には多くの選手がひしめき、そこに淡々と送られるクロスは、ことごとくクリアされた。

▽それでも、ワンツーなどのコンビネーションで攻撃の起点となっていた右サイドに対し、より深刻だったのが、マインツでの活躍を受けて先発に抜擢されたFW武藤と、ハリルホジッチ監督の下では初出場となるDF長友の左サイドだ。並々ならぬ意気込みを見せていた2人だったが、その意気込みが逆効果となった印象を受けた。武藤と長友の2人はゴールに向かう意識が強く、右サイドで攻撃に詰まったときにやり直そうとボランチまでボールを下げても、ボックス内に武藤と長友の姿があり、揃ってクロスを待ち構えているという場面が散見された。

▽もちろん、その全てを否定するわけではないが、特にヘディングが強いわけでもない長友がボックス内に居続ければ、もれなくマーカーも付いてくるため、ボックス内のスペースは埋まり、渋滞の原因となる。流れの中で中央に入ることもあるだろうが、すぐにサイドに開き、幅を取った方が攻撃の幅も生まれただろう。ボックス内に留まる長友に、正直怖さは感じなかった。

▽武藤にしても、ゴール前に入っていくタイミングが早すぎた印象だ。サイドで呼び込んでから中に入っていく動きを見せた方が、相手DFにとっては対処が難しかったと思う。実際、代わって入ったFW宇佐美は、サイドから仕掛けつつワンツーなどでボックス内に侵入してチャンスを作り出していた。武藤には、所属クラブと代表で異なる役割を担う難しさもあるだろうが、サイドのポジションは彼が好んでいる場所であり、畑違いの仕事というわけでもないはずだ。

▽また、本田にボールが入ると大外を酒井宏が上がる右サイドに比べ、左サイドは長友にボールが渡る頃には武藤が中に入っているため、長友が独力で仕掛ける場面が多かった。2人の距離感は悪く、コンビネーションで局面を打開する場面はあまり見られなかった。個人的に、長友は個人で打開するほどの突破力やシュート力を持っているは思っていない。武藤がある程度の距離を保ってパスを引き出し、長友を使う形を増やした方が効果的な攻撃を仕掛けられたのではないかと感じている。

▽それは指揮官も感じていたようで、香川を左サイドに出して岡崎と武藤の2トップにしてからの方がよりスムーズな攻撃が展開できていたと思うし、宇佐美が入ってからも同様の展開がみられた。6月のシンガポール代表戦からの流れもあったとは思うが、カンボジア代表戦は少し攻撃を急ぎすぎていた印象が強い。8日のアフガニスタン代表戦も、おそらくは日本が主導権を握る時間が多くなるだろう。試合を見る限り海外組のコンディションにはバラつきが見られたため、数人の入れ替えが行われる可能性もあるが、武藤、長友の2人が起用された際には、左サイドの動きに注目したい。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》

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