【日本代表コラム】新たな世代の胎動2015.06.12 14:00 Fri

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▽素早い攻守の切り替えを見せ、少ないタッチでパスを回し、距離感を保ちながらタテへの速さを意識する。ヴァイッド・ハリルホッチ監督の就任後、3度の合宿(国内組合宿含む)の中で意識づけし、行ってきた練習の成果がしっかりと落とし込まれた試合だった。

◆4と0
▽4-0という結果だと「4」の方に注目が集まりがちだが、個人的には「0」の内容が良かったと思っている。親善試合であること、ホームであること、対戦相手のパフォーマンスといった要素もあるが、ほとんどチャンスを作らせなかった。特に前半はバイタルエリアに入られることなく、ほぼ完ぺきな内容。危ない場面がなかったわけではないが、前半の被シュートは1本で、試合を通した被シュートもわずか3本だった。

▽指揮官が試合後に語ったように、1試合を通してこの強度を保つことは難しいし、選手交代の枠も限られている。そのあたりのマネジメントは大事だが、この試合の序盤に見せた強度のまま、シンガポール戦に臨んでも大きな問題にはならないだろう。海外組のコンディションを見る限り、千葉で行った直前合宿は成果を収めたと言えそうだ。

▽また、ゴールに向かう意識の高さも「0」の要因の1つだったと思う。序盤から積極的にミドルシュートを狙う場面が多く、しっかりとフィニッシュで終わることでカウンターを受ける機会を減らしたし、消極的なパスが少なかったことで不用意な横パスやバックパスを狙われることも少なかった。

◆二人の23歳
▽まず「0」の内容が良かったという話をしたが、「4」の方にも触れないわけにもいかない。そして、その攻撃をけん引したのが、7番と11番を背負う二人の23歳、MF柴崎岳とFW宇佐美貴史だ。もちろん、その陰には本田や岡崎のウラへの意識、長谷部の切り替えやタテへの意識といったものもある。

▽しかし先制点は、柴崎の視野の広さと準備、パスの精度があってこそ。それ以外の局面でも、流れるようなタイミングで出されるタテパス、素早い戻りやセカンドボールへの反応など、攻守に存在感を示した。その中でも印象に残っているのは26分の場面、後方からフリーで縦パスを受けようとすると、そのタイミングと同時に前線の4選手がウラを狙う動き出しを見せた。この場面に、新たな7番に対する攻撃陣の信頼度の高さがうかがえた。

▽さらに、32分に生まれた岡崎のゴールは、柴崎のタテパスを受けた宇佐美の中央突破から生まれた。半分は宇佐美のゴールと言っても差し支えはないだろう。あの狭い局面でのボールコントロールはさすが。またG大阪でのプレーのように、左サイドからのクロスやシュート、サイドバックとの連係で攻撃の起点となり、コンパクトな振りから繰り出されるミドルシュートでゴールを脅かした。この位置には、同世代の武藤や原口も控えているだけに、彼らとともに切磋琢磨し、確固たる存在として代表をけん引してもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・平野由倫》

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