CR7のハットで要塞サンチェス・ピスファンを攻略《リーガエスパニョーラ》

▽リーガエスパニョーラ第35節、5位のセビージャ(勝ち点69)と2位のレアル・マドリー(勝ち点82)による上位対決が、2日にサンチェス・ピスファンで開催され、アウェイのレアル・マドリーが3-2で勝利した。

▽リーグ戦6連勝で首位のバルセロナ(勝ち点84)を勝ち点2差で追走するマドリー。来週ミッドウィークにユベントスとのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝1stレグを控えるチームだが、強豪セビージャの敵地に乗り込んだ今回の一戦に現状のベストメンバーを起用。中盤には先日のアトレティコ・マドリー戦に続いて本職がセンターバックのセルヒオ・ラモスが入った。また、負傷明けのベイルはベンチスタートとなった。

▽一方、アトレティコとバレンシアとのCL出場権を争うセビージャは、来週ミッドウィークに行われるフィオレンティーナとのヨーロッパリーグ(EL)準決勝1stレグに向けてビトロやイボーラら数選手を温存した。
▽互いに勝ち点3獲得が必須のリーガ上位対決は、立ち上がりから拮抗した展開となった。地力で勝るマドリーは序盤からボールポゼッションを握ってセビージャを押し込んでいく。9分には左サイドでマルセロが上げたピンポイントクロスにC・ロナウドが合わせるが、ここは相手GKセルヒオ・リコのビッグセーブに阻まれた。

▽一方、序盤は守勢に回ったセビージャだったが、時間の経過と共に鋭いカウンターから反撃に転じる。A・ビダルとレジェスの両ウイングと1トップに入るバッカが良好な関係性を保つホームチームは、14分にレジェスのスルーパスに抜け出したA・ビダルがGKカシージャスの股間を狙ったシュートを放つ。だが、ここはスペイン代表GKの好守に遭う。さらに22分には右サイド深くに抜け出したバッカの高速クロスにファーのレジェスが飛び込むが、わずかに届かない。▽前半半ばを過ぎても一進一退の攻防が続く中、セビージャにアクシデントが発生する。30分、空中戦の場面でセルヒオ・ラモスの後頭部をモロに鼻に受けたクリホヴィアクが流血して治療のため、一旦ピッチの外に出た。

▽このアクシデントで一時的に数的優位を得たマドリーは、この好機を抜け目なくゴールに結びつける。36分、ボックス左でマルセロからパスを受けたイスコが左足で折り返したボールをC・ロナウドが頭で合わせ、ゴールをこじ開ける。畳み掛けるマドリーはこの1分後にも、ハメス・ロドリゲスの右クロスをニアでエルナンデスがフリックしたボールを再びC・ロナウドが押し込み、瞬く間にリードを2点に広げた。

▽やや不運な形で連続失点したセビージャだが、治療を終えたクリホヴィアクがピッチに戻った前半終盤に攻勢をかけると、前半のうちに1点を返す。前半アディショナルタイムにボックス右で仕掛けたA・ビダルがセルヒオ・ラモスに倒されて得たPKを、キッカーのバッカが冷静に決めた。

▽迎えた後半立ち上がりはビハインドを追うホームチームが攻勢を見せる。48分、左CKの場面でレジェスが上げたクロスをニアでDFに競り勝ったエムビアがヘディングで合わすが、このシュートはわずかに枠の左に外れた。

▽後半開始早々の同点機を逃したセビージャだが、その後も右サイドのA・ビダルとエムビアのフィジカルを武器に押し気味に試合を運ぶ。対して、リズムの悪いマドリーは66分にエルナンデスを下げて負傷明けのベイルを投入した。すると、この交代策がマドリーに3点目をもたらす。

▽69分、右サイド深くで仕掛けたベイルが絶妙なクロスを送ると、これをファーサイドで待ち受けていたC・ロナウドが巧みに角度を変えたヘディングシュートでゴールをこじ開けた。見事な3ゴールでハットトリックを達成したC・ロナウドは、今季のリーグ戦の得点数を42に伸ばした。

▽再び引き離されたセビージャは失点直後にフィゲイラスを下げてデニス・スアレスを投入。この交代でA・ビダルが右サイドバックに下がるお馴染みの攻撃的な布陣でゴールを目指す。さらに78分にはイボーラとガメイロを同時投入すると、この交代策がハマる。79分、ガメイロとのワンツーでボックス右に抜け出したA・ビダルのグラウンダーのクロスをイボーラがワンタッチでゴールに流し込んだ。

▽試合終盤にかけては同点ゴールを目指すセビージャに対して、守備的な選手交代で逃げ切りを図るマドリーが耐える展開となった。85分と90分にはゴール前のルーズボールに反応したセビージャのガメイロとイボーラに決定機が訪れるが、いずれもGKカシージャスの好セーブに阻まれてしまった。そして、試合は3-2のままタイムアップ。エースのハットトリックの活躍でセビージャに公式戦35試合ぶりのホーム敗戦を与えたマドリーが、リーグ戦7連勝を達成。首位バルセロナとの勝ち点2差をキープした。