ピルロの鮮やかFK弾もユーベがトリノ・ダービーで20年ぶりの敗戦《セリエA》

2015.04.27 00:01 Mon
▽26日にスタディオ・オリンピコ・ディ・トリノで行われたセリエA第32節のトリノvsユベントスのトリノ・ダービーは、トリノが2-1で勝利を収めた。
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▽前節のラツィオ戦を制したユベントスは、前日の試合で2位のローマが敗れたため、今回のダービーに勝利し、かつ同時刻にキエーボと対戦するラツィオが負ければ、4連覇を達成できる状況。マルキジオが出場停止で、エブラが負傷でそれぞれ欠場となった中、アッレグリ監督はテベスやバルザーリ、キエッリーニといった主力をベンチスタートとした。
▽対するトリノは、ユベントス・スタジアムで行われた前回のダービーで敗れたものの、近年稀に見る熱戦を繰り広げた。EL出場権獲得を狙える位置にいるチームは、古巣対戦となる好調のクアリアレッラや欧州のDFで最多の7ゴールを記録するグリク、前回のダービーで独走弾を挙げたブルーノ・ペレスなどベストメンバーを揃えた。

▽トリノ・サポーターの大歓声に包まれて開始した通算142回目のダービーは、トリノが真っ向勝負を仕掛けたことで激しい主導権争いが行われる。そのトリノはボールを保持して敵陣に侵攻すると、7分にはボックス手前でM・ロペスのポストプレーからクアリアレッラが右足のシュートでGKブッフォンを強襲。その後も一歩も引かずに攻守両面でユベントスを上回ろうとする。

▽一方のユベントスは、徐々にピルロを起点にボールを動かしながら試合のペースを掴みにかかる。12分にはピルロの浮き球パスからボックス左に抜け出したマトリが右足ボレーでゴールを狙うも、これは枠を捉えきれない。さらに17分、ガッツィのミスを突いて右サイドに抜け出したR・ペレイラがボックス中央のマトリにグラウンダーのボールを送ったが、ここは懸命に戻ったグリクにクリアされた。
▽前半の半ば過ぎからは、よりオープンな展開に。互いに敵陣の危険な位置まで侵攻するが、両者ともに粘り強い守備を見せるため、良い形でシュートまで持ち込めない。白熱の攻防が続いた中、34分にボックス手前の好位置でマトリがFKを獲得。このFKをピルロが直接狙うと、鮮やかな放物線を描いたボールがクロスバーの下を叩いてゴールイン。ピルロの今季2本目となるFK弾でユベントスが先制した。

▽リードを許したトリノだったが、前半のうちに同点に追いつく。45分、フィードを懸命に追ってボックス右で収めたクアリアレッラが逆サイドから走りこむダルミアンにボールを供給。ダルミアンは大きなファーストタッチの勢いそのままにゴール前に侵攻してゴールに突き刺した。

▽1-1で迎えた後半は、ユベントスが試合のペースを握って攻勢に出る。52分にはボックス手前で得たFKをピルロが再び直接狙うが、これは惜しくも右ポストに弾き返された。

▽一方、押され始めたトリノだったが、歓喜の逆転ゴールを奪う。57分、エル・カドゥーリがタメを作って出したパスからボックス左に抜け出したダルミアンがゴール前に折り返すと、これをクアリアレッラがワンタッチでゴールに流し込んだ。

▽逆転されたユベントスは65分、モラタを下げてテベスを投入。同点ゴールを目指すと、70分にはボックス手前右からR・ペレイラが右足アウトサイドで送った浮き球パスをビダルがヘディングで合わせたが、枠を捉えきれない。さらに76分、右サイドからリヒトシュタイナーが左足で入れたクロスをマトリがヘディングシュート。しかし、これは左ポストに嫌われた。

▽終盤はユベントスが攻勢に出ながらも、トリノも虎視眈々と追加点を狙う。トリノは80分、途中出場のホセフ・マルティネスがネットを揺らすが、オフサイドの判定でゴールとはならず。対するユベントスはその直後、カウンターから相手ゴールに迫ったが、ビダルは押し込みきれない。

▽攻め続けるユベントスは82分、ピルロの絶妙な浮き球パスからストゥラーロが決定的なヘディングシュートを放つも、GKパデッリのビッグセーブに阻止される。結局、ユベントスは同点ゴールを奪えずにタイムアップ。トリノがダービーで20年ぶりの勝利を飾った。一方のユベントスは、4連覇に王手をかけることもできなかった。

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